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九州産業大学図書館の取組みについて
~大学図書館問題研究会福岡支部 特別企画~
九州産業大学図書館 永井 淳
1
<はじめに>
■九産大図書館の現状
2
全体 前年増減 学生 前年増減
平成23年度 239,628 - 205,056 -
平成24年度 212,271 -27,357 180,943 -24,113
平成25年度 236,757 24,486 202,995 22,052
平成24年度に、入館者が前年に比べて27,357人減少したため、平成25年度に部長以下
全職員で入館者数を増やすための取組みについて提案し、検討をおこなった。
■結果
<報告内容>
①地域連携について
②移動図書館について
③図書館ガイダンスについて
④ライティングサポートコーナーについて
3
<地域連携について>
■背景
本学図書館は地域に開かれた大学図書館として一般開放をおこなっており、
平成25年度は大学近隣の公民館(香椎・香住ケ丘・下原)、
東市民センターに図書館のパンフレット等を持参しての情宣活動、
更にはメディア(J-COM)を通して九産大所蔵の資料を公開した。(蒙古襲来絵詩を提供)
■結果
冊数
べ)
)
登録者数
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入館者数
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貸出冊数
(のべ)
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登録者数
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入館者数
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登録者数
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入館者数
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貸出冊数
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7 91 1,861 393 89 2,292 510 137 3,147 681 48 855 171
6 42 579 159 61 816 347 76 877 484 15 61 137
276 7,942 20 181 4,490 18 268 6,692 11 87 2,202 △ 7
4 ― 184 291 ― 279 239 ― 226 261 ― △ 53 22
1 409 10,566 863 331 7,877 1,114 481 10,942 1,437 150 3,065 323
前年度比平成25年度平成23年度 平成24年度
登録者数
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入館者数
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貸出冊数
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登録者数
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登録者数
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入館者数
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貸出冊数
(のべ)
(冊)
一般利用者 87 1,897 276 74 1,922 277 91 1,861 393 89 2,292 510 137 3,147 681 48 855 171
卒業生 32 409 155 36 389 266 42 579 159 61 816 347 76 877 484 15 61 137
高校生 206 5,653 27 244 6,234 4 276 7,942 20 181 4,490 18 268 6,692 11 87 2,202 △ 7
他大学学生、教職員
(相互貸借含む)
― 181 288 ― 192 264 ― 184 291 ― 279 239 ― 226 261 ― △ 53 22
学外者合計 325 8,140 746 354 8,737 811 409 10,566 863 331 7,877 1,114 481 10,942 1,437 150 3,065 323
前年度比平成25年度
学外利用者
平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度
登録者数 150人増
入館者数 3,065人増
4
■今後の課題
・郷土史資料の収集
・九産大図書館主催の講演会などの実施
・地域への資料提供
<移動図書館について>
■背景
平成24年度学部別入館者数から芸術学部生の
図書館利用率が他学部に比べて極めて低いこ
とが判明。(全体の7%)
■実施概要
21%
22%
17%
13%
7%
17%
2% 1%
平成24年度入館者実績(割合)
経済 商 経営 工 芸 国文 情報
開催期間:第一回 平成25年6月18日(火)~平成25年7月19日 (金)23日間
第二回 平成25年10月8日(火)~平成25年10月19日 (金) 9日間
計 32日間
開催時間:12時30分~15時00分
場所 :第一回 芸術学部オープンスペース (15号館 – 17号館渡り廊下)
第二回 芸術学部フリースペース (15号館 2階)
※H26年度は芸術学部 第四回目、情報科学部 第一回目を実施中。
後期は工学部を含めた3学部合同の移動図書館を計画中。(11月実施予定)
5
■結果
移動図書館開館の結果、芸術学部生の入館者数が増加した。
7月度に関しては、前年度対比49%増の2,411名の来館があった。
移動図書館を開館したことで、学生の幅広いニーズに対応した結果といえる。
6
■今後の課題
・移動図書館から本館利用へどのように結びつけることができるかという点を検討する。
・移動図書館に労力がかかりすぎている点。
0
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2,000
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5,000
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4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月
入
館
者
延
べ
数
経済学部
商学部
経営学部
工学部
国際文化学部
情報科学部
芸術学部
実施日 日数
入館者
(人)
貸出冊数
(冊)
第1回 6/18(火)~7/19(金) 23日間 740 64
第2回 10/8(火)~10/18(金) 9日間 114 14
計 - 32日間 854 78
<図書館ガイダンスについて>
■背景
平成25年度NII主催の「情報リテラシー教育研修」の
内容を踏まえ、
アクティブラーニングの重要性を認識したことにより
従来の受け身型のガイダンスではなく、パソコンを
操作しながら学ぶ能動的なガイダンススタイルに一
新した。
■内容
・受講者自らパソコンを操作する。
・教員から検索テーマを提案してもらう。
~学部にあった検索テーマの選択~
・2人以上のグループで話し合いながら問題を解決
する。(パソコンが1人1台ない場合)
・ワークシートを活用し、理解度を知る。
・受講内容は図書館側が複数のカリキュラムを用意
し、教員が学生にあった内容を選択する。(次ペー
ジ参照)
7
■ガイダンスカリキュラム
1年次生用 2~4年次生用
8
■報告
・パソコンの台数を増やす。
・ワークシートの活用。
9
■今後の課題
・1年次生は、レポートの書き方についてニーズがあった。
・2~4年次生は日経テレコン21の選択が多かった。
・学生が主体的かつまじめに取り組むことがわかった。
<ライティングサポートコーナーについて>
■背景
平成25年度図書館利用者へのアンケート調査の結
果、回答者897名中718名(80%)の学生がレポート
作成等の基礎的なことで悩んでいることが判明。
学生のニーズに応えるためライティングサポート
コーナーを設置した。
■内容
・レポート作成に関する疑問点の解消
⇒ヒアリングシートを活用し、困りごとの抽出をおこ
なう。
・レポート作成方法の指導
⇒レポートの書き方に関する資料を提供し、資料
に沿って概要を説明する。
・資料収集の仕方について
⇒学生が求めている内容に合わせてデータベー
ス、蔵書検索システム、相互貸借について説明を
おこなう。
10
■今後の課題
・対応できる職員が1名のみである点。
・大学院生の採用について。
・指導内容について。
11
<成果>
地域連携 移動図書館
図書館ガイダンス
ライティング
サポートコーナー
地域に開かれた大学図書館の確立
入 館 者 数 増 加
学 生 支 援 の 充 実
レファレンス利用の増加
図書館ブランディングが実現
12
<最後に>
平成26年度においても、学生の幅広いニーズに対応すべく、多くの取り組み
を実施し、利用者が今以上に満足できるサービス・空間を提供するととも
に、図書館の素晴らしさを学内外へ浸透させる動きを展開していきたい。
図書館は新しい価値を創造することができる
~The essentials of imaging ~
13
ご清聴ありがとうございました
14

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Editor's Notes

  1. 内容補足 平成25年度の入館者は236,757名であり、平成24年度と比較すると24,486名の増加となった。 グループ学習室など施設の利用件数に関しても、 平成24年度と比較すると671件の増加となり、パソコンコーナーの在席者数については、 21,884名の増加となった。 グループ学習室利用に係る情宣やシステムリプレイスを実施した効果と思料できる。   また、利用者の少ない学部に対して積極的な取り組みをおこなったことで、 入館者の増加が見込めたものと思われる。
  2. 内容補足 情報科学部移動図書館に関しては、情報科学部からの依頼で開館することとなった。
  3. 内容補足 ワークシートの活用について 現在は、図書館が回収しているので教員や学生にフィードバックすることで振り返りができるのではないか。
  4. 内容補足 背景 ・教員へツナグ役目 ・基礎教育センターとの連携 内容 ・4月 1年生2件 2年生0件 3年生4件 4年生1件 計7件 ・5月 1年生0件 2年生0件 3年生0件 4年生0件 計0件 ・6月 1年生17件 2年生0件 3年生0件 4年生2件 計19件(6月10日現在) 質問内容⇒書き方・調べ方が主な内容 リピーターの有無⇒有無 保護者同伴での利用もあった。
  5. 内容補足 教員から反発がある中で、始めているので、 内容は基礎的なことに絞っている。 今後の展開としては学生からの質問内容を見ながら広げていきたい。