「渚の再発見」芸大プレゼン2016112986. ものづくりの変化
これまで 20th Century
それに加えて 21th
Century
大量生産 Mass
production
適量生産
Moderate fabrication
大量消費 Mass
consumption
適量消費 Moderate
consumption
既成品 Ready-made
カスタマイズ
Customize
Do it yourself Do it with others
ものづくりの民主化
97. “65 percent of today’s grade-school kids may end
up doing work that hasn’t been invented yet.”
–Cathy N. Davidson
108. Arts Council Tokyo Bridge
Meeting
「芸術文化団体広報ネットワーク会」
関係者との情報交換の場
ゲストトーク
ワークショップ
ネットワークハブ
Editor's Notes 20世紀から、21世紀へと時代が変わるとともに、価値観も変化してきました。 大航海時代と、19世紀の産業革命を経て、封建時代に代わって民主主義の社会が到来し、様々なものが大衆化していくなかで、産業も大きく発展しました。
あらゆる物事が成長する時代だったといってもいいでしょう。
そういう時代を反映して、ものが大量に必要になる世の中に合わせ、芸術も大勢が享受できるよう施設が巨大化していきました。 では、現代:21世紀はどうでしょう。
成長の時代はほぼ終わりを迎えているのは誰の目にも明らかです。
これ以上資本が耕す場所がないのです。
ただし、高度な金融システムがこの耕す場所をあぶりだしては食いつくす、という状況も一方で起こっています。
そういうなかで、人々の価値観は多様化し、画一的な製品やサービスに陰りが見えはじめました。高度な金融技術で生き延びている資本主義にもそろそろ終わりが近づいているように思えます。インターネット社会の出現は短期的にはグローバル企業や高度な金融システムの後押しになっていますが、本領が発揮されるのはこれからです。
今日はそこまで話せたらいいなと思っています。 最後に紹介するのが「TOKYO FABBERS」です。
3Dプリンターやレーザーカッターなどのデジタルファブリケーションの普及によって、工業的製法でしかなしえなかったことが個人に還元されるようになりました。これにより、ものづくりが個人にぐっと近づき、「メイカーズムーブメント」と呼ばれるムーブメントが今巻き起こりつつあります。将来、この大きいムーブメントは「第三の産業革命」になりうるかもしれません。
このような背景の中で、「デジタルファブリケーションを活用して、ものづくりをする人のためのコミュニティ」として、TOKYO FABBERSは誕生しました。TOKYO FABBERSは、「ネットワーク形成」「人材育成」「情報発信」3つのとりくみを柱に活動しています。 ものづくりの対称軸です。
左が20世紀的、右が21世紀的です。
簡単に言うと、同じものを平等に行き渡らせたのが20世紀
一人ひとりに合わせていくのが21世紀、というまとめ方もできます。
そして、最後のところ、よく考えると、みんなと個人だから、位置が反対にも思えるんですが、もともとDIY精神は、なんでも買える世の中でも自分でできることはやろうよ、という運動でもあったと思うんです。買い物に行くのに一日がかりのアメリカの田舎とかは別として。日本でのあり方はそういう感じだと思います。でもそれをさらに他の人と一緒にやること(DIWO)で、より遠くまで行けるよね、というのが、このDigital/Personal Fabrication の考え方です。 次は「部活」です。
部活は高校や企業に昔からありますけれど、現代社会のスキームでもあるって考え方ですね。 僕の知る限り、ここがまちなかでアートで意図的に「部活」って言い始めた最初の人たちなんですけれど、「OYOYO」っていって、桂三枝ですかね?美術部とか軽音部とかいろいろ始まって、今でも活動継続中です。 「昔ここは「オヨヨ通り」と言われていました。「あそこに行けば、何か面白いことや人が集まっている」それが、「オヨヨ通り」の代名詞。
そんな場所を目指している「まち×アートセンター さっぽろ」の愛称『OYOYO』は、この「オヨヨ通り」から命名いたしました。」
と、いうことなんですけれど、まぁ大人の部活動ですね。
ここから、さらに部活を突き詰めて考えて「部室」の存在に着目しているアーティストが藤浩さんです。では、藤さん本人に語っていただきましょう。(ビデオ) 私も、いわきアリオスでマーケティングマネージャーとして色々考えていた頃に、この「部活」の読み替えの面白さに気づきまして、実は藤さんとはそのころ一緒に活動していたので、これ、話したら、面白ね!ということになったんですよね。ということで、プチ自慢でした。
で、これが私の考える「部活の効能」です。
地縁でも血縁でもない関係性「知縁」で結ばれる
仕事でも家庭でもない第3の場所である
学校であれば、学業よりも部活で有名ということがおこる 場所/組織の可能性を拡張する仕組みと捉えてみる。 BI / AI
Before internet
after internet
ってことですね。
これは、冒頭でも話しましたけれど、インターネットが大きな転換点なのは間違いなくて、グローバル企業や金融工学が進む背景にももちろん大きく貢献しているんですが、インターネットの真価は、やはり市民一人ひとりがメディアを持てるというか、メディアになれる、あるいは、大きなメディアを通さなくても国境を越えて繋がり合えるってことなんですよね。
国民国家のシステムを実はすでに更新し始めている。
この話、長くなりますのでしませんが、とにかく、市民社会の最も大切なインフラだと思います。 インターネットが登場してから、仕事も一変しましたね。
これは、2011年にニューヨーク・タイムズに掲載されて話題になったキャシー・ダビットソンという方の言葉ですが、「2011年に入学する子供のうち65%は将来、まだ存在していない仕事につくとこになる」っていうことなんですけれど、今も、アプリデザイナーとかYOUTUBERとか、10年前には存在しなかった仕事がたくさんありますから、それを考えたら当然そうなるだろうなと思うわけです。
翻って、アートとか舞台芸術とか、そのままでいいのか?って思いませんか?
僕はものすごく思います。だから、こんなスライド作っているんですけれど。 ご存じの方も多いですよね。
というか、多くないと困るんですけれど、クリエイティブ・コモンズとはゼロ:百だった著作権にもっと選択肢を与えて、二次創作(n次創作)を促進していこうよ、っていう考えのもとに作られた仕組みですね。まさに、After Internetの社会には欠かせない概念なんです。
ちょっと長いですけれど、クリエイティブ・コモンズ・ジャパン理事のドミニク・チェンさんの言葉を引用します。
—
私たちは完全に自由に文化的な活動を行なっているわけでもありません。言い換えれば、何もない無の状態から創造を行なうことはできないし、何の制約も存在しない状況で勝手に物を作っているわけでもありません。まず、創造活動は必ず先んじて存在する文化物を継承しながら行なわれます。
また、創造された作品は世界から孤立した存在ではなく、必ずそれを受け取り、
解釈する他者を必要とします。そのため、創造活動とは、度合いの差こそあっても、作者と受け手が最低限理解しあえるルールの上で交わされるコミュニケーション行為と見なすことができます。
『フリー・カルチャーをつくるためのガイドブック〜クリエイティブ・コモンズによる創造の循環』 ドミニク・チェン Creative Commonsは、このようにマルシーとPDの間を段階的に埋めていく仕組みなんですね。部分的に権利を開放しますよ、という。
だから、既存の著作権を否定するものではまったくないと。
というより、先進的にCCに取り組んでいる人たちはどちらかというとマーケティング的に活用していますね。 先日、うちの事業で「Art Bridge Institute」っていう、多摩を舞台にしたアートプロジェクトの勉強会に、江上賢一郎さんっていう文化人類学の先生がいらして、この話をしてくださったんですね。アナーキーっていうと、僕なんかはセックス・ピストルズとかあと、日本の80年台のパンク・バンドをまず思い浮かべちゃうんですけれど、なんだか過激なイメージありますよね。「無政府主義」って訳されてますし。
ところが、そうじゃなくて、アナキズムってもっとこう先進的なものなんですね。
After Internetの社会にとてもフィットすると思ったんです。
自分の考え方も入れて表にまとめてみました。 これ、すべて対抗軸にしてみたんですが、芸術の商品化/政治化ってところまでが江上さんの仰っていたことです。
その下は私が付け加えたんですが、とにかく、冒頭で話した21世紀的な考え方ってやはり、この右側なのじゃないかなって思うんです。
もう時間がいっぱいですから、詳しく話せなくて残念ですが、新しい時代がやってきたことが、やっと実感できるようになってきました。特に一番下の行の左側はこれまでの科学の方法論というか、鉄則です。でも、こんないち広報マンが口はぼったいですが、今後のモデルは右側だろうと思っています。これ、量子力学に基づいた考え方なんですけれど、これについてじっくり話す時間も僕の知識もまだ足りてません。でも、間違いなくこういう風になるっていう確信はあります。(詳しくは、雑誌「Wired」の「死の未来」特集号よ読んでみてください) 相手を「受け手」と考えず、仲間としていく
コモングラウンドをつくること。
ネットワーク
ハレとケの再解釈 大友良英 どうもありがとうございました。