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大学等におけるブランド価値とその向上策を学ぶ
RA協議会第6回年次大会
会員セッション
関西大学
大学本部URA・上級リサーチコーディネーター 舘正一
研究広報
研究を大学のブランドの軸とするために
[I-2]
人文系研究を通じた大学ブランド作りの取り組み
<歴史>1886年(明治19)創立134年
<学部・大学院>13学部、16大学院研究科
<事業>大学院・大学・高等学校・中学校・小学校・幼稚園
<キャンパス>千里山、高槻、高槻ミューズ、堺、梅田
<研究所・機構>5研究所、2機構、産学連携センター
<学生数>30,493名
<専任教員職員>740名
<URA人員>7名
文理融合型キャンパス
学長のリーダーシップの下、全学的な特色を打ち出す研究に取り組む私立大
学に対し、3年間または5年間、経常費・施設費・設備費を一体的に支援する。
年額2000〜3000万の経常費を配分。研究を基軸として全学の価値を高
めることを目的とし、研究内容だけでなく、それを全学で支援する体制の構築、
大学全体のブランド力向上につなげる広報戦略なども評価対象となる。
2016年度の先行した「関大メディカルポリマー」(理工系研究PRJ)に続いて、
2017年度『オープン・プラットフォームが開く関大の東アジア文化研究』が、
タイプB世界展開型で採択。S区分(5段階の最上位)の評価。
私立大学研究ブランディング事業
<参画機関>東西学術研究所(関西大学アジア・オープン・リサーチセンター)
総合図書館、 博物館、なにわ大阪研究センター
<研究実施体制>総勢28名の研究者、3つの研究ユニット、7つのパイロットユニット
・外国語学部 4名、文学部 15名
・総合情報学部 1名、システム理工学部 1名
・他大学・他機関 3名
・特任准教授 1名、PD 2名、RA1名、客員研究員 1名
<事業期間>2017年度〜2021年度の5年間
<研究プロジェクト総額> 334,552千円(予定)
内、広報普及費は15%程度
研究プロジェクト
『オープン・プラットフォームが開く関大の東アジア文化研究』
研究リソースのオープン、研究グループのオープン、研究ノウハウのオープン
東アジア文化研究のデジタルアーカイブの構築
ロゴやデザインを新設したり、作り変えることではありません。
もちろん、アウトプットのひとつとしてシンボルロゴやカタログ・パンフレット、Webサイト
などのいわゆる「見た目のデザイン」がされたものを創ることも必要です。その前段階でもっ
と時間とパワーをかけて取り組むべきもの。それは「ビジネス自体のデザイン」です。デザイ
ンとはそもそも「目的を達成するために計画すること」という意味も持っています。目に見え
るものをデザインすることだけを指しているワケではありません。
▼広義(こうぎ)のデザイン
「目標(目的)」を達成させるための「計画(設計)」をすること。
株式会社フルスロットル. “ビジネスデザインから始まるブランディング“ .ブログ.
入手先<https://www.fullthrottle.co.jp/blog/businessdesignforbranding/>、(参照 2016-2-26).
ブランディングとは
1st 2nd 3rd 4th 5th
現状分析・状況掌握 ブランド定義 プランニング ブランド開発
ブランド開発
運用
現状に対するブランド調査と
ビジネス全体のデザイン
ブランドコンセプト可視化
及びスローガン策定
ブランド訴求のため
のコミュニケーショ
ンロードマップ策定
全方向的なコミュ
ニケーションデザ
インの開発・実装
継続的なブランド改善と
マーケティング施策
・過去の広報物・施策の調査
・学内インタビュ&アンケート
・ガイドラインチェック
・競合調査
・競合分析/ポジショニング
・ブランドコンセプト開発
・ブランドイメージ定義
・トーン&マナー策定
<短期・中長期的>
・ブランド戦略策定
・セールスプラン策定
・マーケプラン策定
・採用プラン策定
・Webサイト/DTPデザイン開発
・プロダクト/パッケージ開発
・店舗/オフィス空間開発
・ブランドガイドライン開発
・コミュニケーションガイドライン開発
・顧客管理システム導入
・新規顧客獲得の活動
・ブランド認知&育成施策
株式会社フルスロットル. “ビジネスデザインから始まるブランディング“ .ブログ.
入手先<https://www.fullthrottle.co.jp/blog/businessdesignforbranding/>、(参照 2016-2-26).
ブランド開発のステップ
大学の将来ビジョンと研究のビジョンを重ね、ブランド化を目指す 事業計画書から抜粋
大学の将来ビジョンと研究のビジョンを重ね、ブランド化を目指す 事業計画書から抜粋
<ポイント>
・大学の歴史的背景は。
・大学はどこへ向かっているのか。
・研究、教育を超えて。
なにを、誰に、ブランド化しようとしているのか。 事業計画書から抜粋
なにを、誰に、ブランド化しようとしているのか。 事業計画書から抜粋
<ポイント>
・ステークホルダーは誰か。
・ステークホルダーごとに何を伝え、何が動けば良いのか。
どのような体制ですすめているのか。
事業計画書から抜粋
どのような体制ですすめているのか。
事業計画書から抜粋
<ポイント>
・全学的(法人・大学本部)な取り組みであること。
・指揮系統と、担当部署の業務の明文化。
・計画して、行動して、チェックして、また動くこと(PDCA)。
学長をリーダーとした大
学全体での研究、広報活
動の取り組み
PDCAで回す、自己/
外部からの評価体制
研究の目標とブランディングの戦略目標
事業計画書から抜粋
5カ年計画のロードマップ
研究の目標とブランディングの戦略目標
事業計画書から抜粋
5カ年計画のロードマップ
<ポイント>
・「周知、認知、確立、醸成、活用」のブランド構築のためのステップを底流に。
・年度ごとに、研究とブランディングの目標をシンクロ。
ステークホルダーの分類 周知から認知、醸成、活用へ
事業計画書から抜粋
ステークスホルダーごとに、何を、いつ、どうやって伝えるのか?
事業計画書から抜粋
ステークスホルダーごとに、何を、いつ、どうやって伝えるのか?
事業計画書から抜粋
<ポイント>
・ステークホルダーごとの、目標を完遂目指しての数値目標。KPI化。
ステークスホルダーごとに成果指標と達成目標を決める 事業計画書から抜粋
数値目標を決める 事業計画書から抜粋
数値目標を決める 事業計画書から抜粋
<ポイント>
・ステークホルダーに定めた数値目標を到達するために、さらに詳
細な成果指標と達成目標を設定。
広報プロモーション活動
学生制作による「耳鳥斎」作品の
アニメーション化
キャンパス内でPOPやポスターの設置
ロゴデザイン、VIの設計
プロモーションビデオの作成 SNSからの発信
塗り絵のオンラインイベント
キャッチコピーの設計
第1群・第2群・第3群向け
代表的事例
広報プロモーション活動
学生制作による「耳鳥斎」作品の
アニメーション化
キャンパス内でPOPやポスターの設置
ロゴデザイン、VIの設計
プロモーションビデオの作成 SNSからの発信
塗り絵のオンラインイベント
<ポイント>
・ステークホルダーごとに訴求される切り口を想定し、クリエイティブへ展開。
・ポスターデザイン、コピー、映像制作、印刷以外は内製。
キャッチコピーの設計
第1群・第2群・第3群向け
代表的事例
広報プロモーション活動
オープンキャンパスなどイベントで展示。のべ数千人が体験し
ている。当時高校生の時に体験した現学部生が現在は発掘活動
や広報活動を行っている。
『文部科学省情報ひろば企画展示』
『高松塚古墳をVRで再現』
文科科学省エントランスにて、ブランディング事業展示パネル、
高松塚古墳の模型を展示。
第2群・第3群向け
代表的事例
広報プロモーション活動
オープンキャンパスなどイベントで展示。のべ数千人が体験し
ている。当時高校生の時に体験した現学部生が現在は発掘活動
や広報活動を行っている。
『文部科学省情報ひろば企画展示』
『高松塚古墳をVRで再現』
文科科学省エントランスにて、ブランディング事業展示パネル、
高松塚古墳の模型を展示。
第2群・第3群向け
代表的事例
<ミッション>
・教育機関関係者への周知(学外・学内)。
・教育活動の一環として学生が参加。
広報プロモーション活動
『代表する研究をわかりやすく取り上げポスター化』
第3群向け
代表的事例
『代表する研究をわかりやすく取り上げポスター化』
代表的事例
広報プロモーション活動
第3群向け
『代表する研究をわかりやすく取り上げポスター化』
代表的事例
<ポイント>
・研究の取り組みをわかりやすく(高校生がベンチマーク)。
・紙媒体への展開のしやすさ(大判ポスター、チラシ、駅貼りなど)。
・外部デザイン会社への依頼。
広報プロモーション活動
第3群向け
広報プロモーション活動
『クラウドファンディングを活用した研究費獲得』
第3群向け
代表的事例
トートバッグ、ステッカーなどのグッズ
・デジタルアーカイブ体験WS
・研究者との懇談会
・研究会への参加招待
バチカン図書館への見学ツアー
(予定:コロナ禍で延期)
広報プロモーション活動
『クラウドファンディングを活用した研究費獲得』
第3群向け
代表的事例
トートバッグ、ステッカーなどのグッズ
・デジタルアーカイブ体験WS
・研究者との懇談会
・研究会への参加招待
<ミッション>
・外部資金の獲得。
・研究の広報としてのCF(わかりやすさ、ファン作り)。
バチカン図書館への見学ツアー
(予定:コロナ禍で延期)
私立大学 研究ブランディング事業
今後も
大学として今後も「研究の軸に広報展開を行う」
みえてきたこと
・部局間を超えた情報共有のむつかしさ(大学広報、受験広報、研究広報)
・「認知度」という指標のあいまいさ
・広報ブランディングの施策が、研究より先行する傾向が見えた
・市民参加型の研究(オープンサイエンス)のむつかしさ
・マスコミへのアプローチのむつかしさ(何らかの発見等によるニュース性)
・ブランドコンセプト、トーン&マナーが部局を超えて全学的に共有できている
・広報戦略ではなく、研究戦略上重点的に強化された
・他大学(国内/国外)の動向調査を意識的に行うようになった
ブランディングに終わりはない、これからも続く。

研究を大学のブランドの軸とするために_ i2_yakata