Successfully reported this slideshow.
We use your LinkedIn profile and activity data to personalize ads and to show you more relevant ads. You can change your ad preferences anytime.

Enaction, Not Design on Symfony Meetup Kansai 2

213 views

Published on

Move to Egoless Creation from Design.

Published in: Software
  • Be the first to comment

Enaction, Not Design on Symfony Meetup Kansai 2

  1. 1. Symfony Meetup Kansai #2 August 7, 2019 Enaction, Not Design Atsuhiro Kubo @iteman
  2. 2. If you want to design a new flower, you will design the seed and let it grow. ――クリストファー・アレグザンダー, 「時を超えた建設の道」, p.449
  3. 3. 運慶は今太い眉を一寸の高さに横へ彫り抜いて、鑿の歯を竪(たて)に返すや否 や斜すに、上から槌(つち)を打ち下した。堅い木を一(ひ)と刻(きざ)みに 削って、厚い木屑が槌の声に応じて飛んだと思ったら、小鼻のおっ開いた怒り鼻 の側面がたちまち浮き上がって来た。その刀の入れ方がいかにも無遠慮であっ た。そうして少しも疑念を挾んでおらんように見えた。 「よくああ無造作に鑿を使って、思うような眉や鼻ができるものだな」と自分は あんまり感心したから独言のように言った。するとさっきの若い男が、 「なに、あれは眉や鼻を鑿で作るんじゃない。あの通りの眉や鼻が木の中に埋っ ているのを、鑿と槌の力で掘り出すまでだ。まるで土の中から石を掘り出すよう なものだからけっして間違うはずはない」と云った。 ――夏目漱石, 「夢十夜」, 第六夜
  4. 4. エナクティブ(Enactive) 認知が所与の心による所与の世界の表象ではなく、むしろ世界の存在体が演じる 様々な行為の歴史に基づいて世界と心を行為から産出すること(enactment)と する、ますます高まる確信を強調するために、「エナクティブ」(enactive)と いう用語を提唱したい。 ――フランシスコ・ヴァレラほか, 「身体化された心」, p.31
  5. 5. 構造的カップリング(Structural Coupling) 表象主義に対するイナクティヴな認知論を裏付ける例として「色」がある。色 は、所与の世界にではなく、構造的カップリングの歴史(共進化)から産出され る知覚という経験世界の中に位置付けられる。色は、知覚・認識能力から独立し て「外のそこ」にあるのでもなく、生物学的、文化的世界から独立して「内のこ こ」にあるのでもない。(物理的客観主義に反して経験的。主観主義に反して、 共有された生物学的・文化的世界に属する。)所与の外的世界の回復としての認 知(実在論)と、所与の内的世界の投射としての認知(観念論)に挟まれた中 道、つまり相互特定化(カップリング)こそ、イナクティヴな認知観の基底であ る。認知は回復でも投射でもなく、身体としてある行為である。「構造的カップ リングの歴史」は例えば、花の紫外線反射と蜜蜂の紫外線視覚の共進化に見られ る。どちらが先に有ったかが問題なのではない。この事実は、環境の規則性が所 与のものではなく、むしろカップリングの歴史を介して行為から産出(創出)さ れたものであることを示しているのである。 ――司馬春英, 「仏教と科学」, pp.9-10
  6. 6. ナチュラル・ドリフト(Natural Drift) ヴァレラは進化を「最適適合」によって説明する代りに、それを「ナチュラル・ ドリフト」と見なすのである。この言葉は「無根拠性」を含意しており、「自然 な成り行き」とも訳せるが、この「自然な」はむしろ「自然(じねん)」(自然 法爾という場合の)に近いと思われる。「ナチュラル・ドリフト」は目的論や因 果的決定論を排するが、かといって単なる偶然論ではない。いつでも自ら踏みし めてきた道(相互規定的歴史)に制約されている。その意味では「必然」であ る。しかし、この「制約」は決して形而上学的根拠によって決定論的・目的論的 に定められているわけではない。行為(歩んだ道)から産出されただけである。 必然(notwendig)は、苦境(Not)を受け止め、その由来を尋思することによ って転換(wenden)され得る。この意味で、“enactive”の思想は仏教における 「業」論に比定され得るものであり、そこからは「自由」というよりむしろ「自 在」への道が開かれているように筆者には思われるのである。 ――司馬春英, 「仏教と科学」, pp.10-11
  7. 7. 発見・創造と無我(Egoless) こうしたことが科学的探求の過程でなされる責任ある選択である。その選択は科 学者によってなされる。つまりそれは科学者の行為なのである。しかし彼が追求 するものは彼の創意によるものではない。彼の行為は、彼が発見しようとしてい る隠れた実在による影響を受けるのだ。科学者は問題を洞察し、それに囚われ続 けて、ついには発見へと飛躍するのだが、それらはすべて、始まりから終わりま で、外界の対象からの恩義を被っているのだ。したがって、こうしたきわめて個 人的な行為においては、我意が存在する余地はまったくない。独創性は、あらゆ る段階で、人間精神内の真実を増進させるという責任感によって支配されてい る。その自由とは完全なる奉仕のことなのだ。 ――マイケル・ポランニー, 「暗黙知の次元」, pp.126-127
  8. 8. 隠れた実在 ――Gregory R (1970) "The intelligent eye" McGraw-Hill, New York (Photographer: RC James)
  9. 9. 包括的存在(Comprehensive Entity) これまで私が定義付けを行ってきた暗黙知の三つの側面――機能的側面、現象的 側面、意味論的側面――から、私たちは四つ目の側面、すなわち「暗黙知は何を 認識するものであるか」を教えてくれる側面を推論することができる。それは 「存在論的な(ontological)」側面ということになろう。暗黙的認識とは、二つ の条件の間に意味深長な関係を樹立するものであり、したがって、そうした二つ の条件が相俟って構成する包括的存在(comprehensive entity)を理解すること だ、とみなして構わないだろう。かくして、近位的条件とはこの「存在」の個々 の諸要素のことであり、すると、私たちがその存在を包括=理解(コンプリヘン ド)できるのは、そうした個々の諸要素が合同してできた意味に注目しようとし て、その諸要素を感知し、その感覚に依拠するからなのである。 ――マイケル・ポランニー, 「暗黙知の次元」, pp.32-33
  10. 10. 包括的存在の予兆(foreshadow) それは、問題の孤独な暗示、すなわち隠れたものへの手掛かりになりそうな種々 の些末な事柄の孤独な暗示から、始まるのである。それは未だ知られざる、一貫 した全体の、断片のように見える。 ――マイケル・ポランニー, 「暗黙知の次元」, pp.99-100
  11. 11. 無我の創造(Egoless Creation) ここまでくれば、パタンのシーケンスによって、頭の中で建物がどのように作り 出されるかがわかる。  それは驚くほど容易に発生する。ちょうど話すときに文章が思い浮かぶのと同 様に、建物がほとんど自動的に「湧き出て」くるのである。 ――クリストファー・アレグザンダー, 「時を超えた建設の道」, p.327
  12. 12. ここまでくれば、それはまるで完成形を知っているパズルのピースを埋めるように成 される。何が必要で、何が必要でないか、確信をもって判断できるのだ。
  13. 13. 創造性が新しい価値を生むとき、それは、含意のうちによって、暗黙のうちに生 むことになる。つまり私たちは新しい価値を明示的に選択することはできず、新 しい価値を創造したり採用したりという行為そのものを介してその新しい価値に 従属しなければならない、ということだ。 ――マイケル・ポランニー, 「暗黙知の次元」, p.13
  14. 14. Enaction, Not Design Move to Egoless Creation from Design.
  15. 15. 参考文献 1. クリストファー・アレグザンダー, 「時を超えた建設の道」, 鹿島出版会, 1993, (The Timeless Way of Building , 1979) 2. 夏目漱石,「夢十夜」, 1908, 第六夜, https://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/799_14972.html 3. フランシスコ・ヴァレラほか, 「身体化された心」, 工作舎, 2001, (The Embodied Mind, 1991) 4. 司馬春英, 「仏教と科学」, 佛教文化学会紀要、2003年2003巻12号 p.l1-l21, 2003 5. マイケル・ポランニー, 「暗黙知の次元」, 筑摩書房, 2003, (The Tacit Dimension, 1966) 6. 井庭崇, 「What Occurs in Egoless Creation with Pattern Languages (PURPLSOC2017)」, 2017, https://www.slideshare.net/takashiiba/what-occurs- in-egoless-creation-with-pattern-languages-purplsoc2017

×