JJUGナイトセミナー「おうちで！ビール片手にLT大会」

1. ラムダの
コンパイル結果を
5分で説明するよ
@YujiSoftware
https://yuji.software/

2. 本日説明するソースコード
• 文字列の長さでソートする処理
• ラムダで、文字列の長さを比較
• ラムダの部分がコンパイルされた結果は？
• Java 17 で調べてみた
※ Collections.sort(list, Comparator.comparingInt(String::length)) の方がシンプル

3. おさらい：匿名クラスの場合
• ラムダを匿名クラスに置き換えた

4. 匿名クラスをコンパイル
• クラス名$連番.class というファイルができる
• これを開いてみる

5. 読めない

6. なぜ読めない？
• クラスファイルはテキストではない
• バイナリエディタで開くけば読める
• それでも読みにくい…
• もっと簡単に読みたい！
• JDK 付属の javap コマンドを使おう！
（クラスファイル逆アセンブラ）
• -v / -verbose （詳細表示）
• -p / -private（privateクラスも表示）
javap –verbose -private Main$1.class

7. 匿名クラスを javap した内容
• 分かったこと
• Main$1 というクラス名
• Comparator<String> を実装している
• メソッドが３つある など…

8. ３つのメソッドとは？
• コンストラクタ
• compare メソッド（具象型 (String型) の実装）
• compare メソッド（インタフェースの実装）
• 引数を String 型にキャストして、具象型の compare メ
ソッドを呼ぶ処理
• 匿名クラスに限らず、ジェネリクスの具象メソッドを実装す
ると、このようにコンパイルされるみたい

9. 意外と難しい…！

10. ラムダの場合
• コンパイル時には、匿名クラスのような
Main$1.class というファイルはできない
• メソッドの初回実行時に、メモリ上にクラスが
作られる
• invokedynamic という命令を使っている

11. ラムダ部分の javap 結果
• LambdaMetafactory.metafactory メソッドで
Comparator の実装クラスを作っている
• これは何…？

12. metafactory メソッドの中身
• InnerClassLambdaMetafactory を生成
• その buildCallSite メソッドを呼んでいる
• これは何…？

13. buildCallSite メソッドの中身
• キャプチャの有無（ラムダの外にある変数へのアクセス）によっ
て処理が分岐
• これは何…？

14. ５分で説明するのは
無理！

15. スキップして結果だけ見る
• システムプロパティ
jdk.internal.lambda.dumpProxyClasses にフォルダ
を指定する
• 動的に作ったラムダのクラスを出力してくれる
→ Main$$Lambda$1.class ファイルができる！
実行例：
java -Djdk.internal.lambda.dumpProxyClasses=output Main

16. javap してみる
• compareメソッド（インタフェース実装）が、
Main.lambda$sortByLength$0メソッドを呼んで
いるだけ

17. Mainクラスをjavapしてみる
• こっちにラムダの本体がある！
• コンパイル時に作られていた
• インタフェースを継承実装したクラスだけが、実行
時に作られる

18. まとめ
• ラムダの実装は、コンパイル時に作られる部分
と実行時に作られる部分がある
• キャプチャの有無（外側の変数へのアクセス）によって、
結果が変わりそう
• 詳細は分かっていない…
• 分かったこと
• 5分ですべてを説明するのは無理

19. ラムダの
コンパイル結果を
5分で説明するよ
@YujiSoftware
ソースコード
→ https://git.io/JDEcy