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ボストーク通信                                                                                                 2012年(平成25年)1月15日 通巻978号

    Vol.978              1月15日




 ト ッ プ ニ ュ ー ス


スコルコボのITクラスタ
                                             -200社以上が登録-                                                                             …2


【経済】空調機販売を強化
                 富士通ゼネラルがモスクワに事務所開設 …3
【資源】ノバテックとガスプロムが
                 ヤマル半島のLNG事業で合弁へ                                                                              …4


  連 邦 ニ ュ ー ス
    【経済】サムスンがロシアで一体型PCを生産?:輸入関税引き上げにより ..............................................4
    【経済】北カフカス観光クラスタへスタブロポリ地方を組入:リゾート計画にてこ入れ ....................5
    【食品】韓国KT&G、伊ランボルギーニのタバコをロシアで販売へ................................................................5
    【食品】今年からキオスク等でビールの販売が禁止に:業者は違法販売を続ける .................................6
    【食品】高級スーパー「アズブカ・フクサ」がペテルブルク進出 ....................................................................6
    【食品】スターバックスがペテルブルク進出 .......................................................................................................6
    【食品】ベルギーワッフルのチェーン店がペテルブルクにオープン ...........................................................7
    【社会】ソ連解体から21年、約半数が崩壊を惜しむ ..........................................................................................7
    【社会】ロシアの警察がマンガで子供に安全を説く ..........................................................................................8



   極 東 ニ ュ ー ス
    【経済】沿海地方知事の2013年仕事始め:劇場とホテルの工事進捗を視察 ............................................10
    【資源】サハリン1向けの砕氷補給船が完成 .......................................................................................................10
    【運輸】バム鉄道の一部区間が乗客輸送廃止の危機:住民が抗議集会 .....................................................10
    【食品】ハバロフスクでキャビア30㎏を押収:後を絶たない密漁..............................................................11
    【社会】サハ共和国でオオカミによる家畜被害拡大:オオカミ狩り月間始まる ...................................11
    【自動車】2013年も続くクロスオーバー車新モデル ........................................................................................12
    【自動車】2012年に躍進したソラーズ極東工場:春にはマツダ6の生産開始 ..........................................12
    【自動車】年末年始の車の事故:海中への沈没や飲酒運転が増加..............................................................13


ロシイスカヤ・ガゼータ紙 (1月7日~11日) ......................................................................... 9
ベドモスチ紙 (1月7日~11日) ................................................................................................ 9
主要経済データ .............................................................................................................................. 13

                                                                                                                                 禁無断複写(コピー)・複製・転載
ボストーク通信                                   2012年(平成25年)1月15日 通巻978号


          トップニュース

技術 スコルコボのITクラスタ:200社以上が登録
 2010年秋の創設以来、ロシア版シリコンバレーと称されるイノベーションセンター「スコルコボ」には2012年末時
点で782の企業が入居登録を行った。スコルコボはIT、省エネ技術、核技術、バイオ医療、宇宙・通信の5つの
クラスタから成るが、そのうち企業数が最も多いのはITクラスタで、12月中旬時点で238社を数えた(2011年末時
点では108社)。成果の実用化をも進んでいる同クラスタについて、12月24日付コメルサント・ジェニギ誌を中心
にまとめた。


開かれた門戸に毎週20件以上の申請

 スコルコボには800社近い企業が登録しているが、実際
にモスクワ郊外の施設「ウラル」及び「ハイパーキューブ」
に入居しているのは50社ほど。しかし2013年末までの間
は、入居登録をするだけで固定資産税が免除され、コン
ピュータやプログラムソフトを購入する際の関税及び付
加価値税も払わなくて済むようになり、社会保険料が
14%まで引き下げられる。また、年間売上が10億ルーブ
ル未満、総利益が3億ルーブル未満ならば同期間の間
は法人税も免除される。入居企業に対しては、これらの
措置は2014年以降も、入居登録から10年間は適用され           スコルコボの登録企業が入居するハイテクビル「ハイパーキューブ」
                                                       (写真提供:スコルコボ基金)
る。また、登録した企業は2015年までに実際に入居しな
ければならない。他にも、1月2日にはプーチン大統領
                                    スのスコルコボ用子会社PACIが、クラウドコンピューティ
が、スコルコボ入居企業の外国人職員の商用ビザの最
                                    ング用仮想インフラの提供用プログラムの販売を昨年3
大期限を5年に拡大する法律に署名した。
                                    月から開始したことが話題になった(本誌936号に関連記
 登録するためにはスコルコボの専門家会議による審査
                                    事)。製品のユーザーは発売から半年で15社に増え、ス
に合格する必要がある。会議のメンバーは120人の国内
                                    コルコボ・プロジェクトが結果を出せることを示す良いPR
外の専門家の中から審査ごとに10人が任意に選出さ
                                    になったという。他にも、以下の事業が商業化済みある
れ、そのうち6人以上が賛成票を投じれば合格となる。ス
                                    いは近く商業化される見込み。
コルコボの設立以来、2年間で約1500の申請が集まり、
現在も毎週20~30件の応募があるという(本誌928号に関
                                    ・辞書プログラムLingvoや光学文字認識(OCR)ソフト
連記事)。
                                     FineReaderなどで知られるソフトウェア会社ABBYYの
 入居登録した企業は、税制の優遇措置を受けるだけで
                                     子会社が、画期的な文章翻訳・分析ソフトを開発中。
なく、スコルコボから補助金を受給できるチャンスもある。
                                    ・鉱山開発産業用ソフトウェア会社ビスト・グループが、
ゼロからの立ち上げ段階の事業に対しては150万ルーブ
                                     鉱山開発自動化用ソフト「知的採掘場」の開発費用4
ル以下、初期段階の事業には事業総額の25%以上、発
                                     億2000万ルーブルを調達するために、株式を最大
展段階の事業には同75%以上が支給される可能性があ
                                     25%上場するIPOを準備中。同社はロシアの鉱山開発
り、2012年末までに164社の176事業に対し総額86億
                                     自動化プログラム市場(約4億ルーブル)の80%以上の
ルーブルの支給が決定された。スコルコボ基金が本誌編
                                     シェアを持つとされる。
集部に伝えたところによると、1月中旬時点ではスコルコ
                                    ・資源開発ソフトウェア会社Rock Flow Dynamicsが石油
ボに日本企業は入居していないとのこと。
                                     ガス鉱床のモデリング用ソフトウェアを開発・販売中。
                                     同社はロスネフチに吸収された石油会社ユコスの出
成果が出始めたITクラスタ                        身者が設立した企業で、ルクオイル、ノバテック、TNK
                                     -BP、ロスネフチなどを顧客に持つ。
ITクラスの入居企業では、米ソフトウェア大手パラレル

                                2                             目次に戻る
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・3DモデリングソフトVIZERRAで知られるロシアのソフト        が設立したもの。他にも、約5%はベンチャーファンドの
 ウェア会社「3Dreamteam」が、3D技術による都市計画       支援を受けた企業だという。
 用プラットフォームソフトを開発中。同社はスコルコボ             ITクラスタでは現在のところ、クラウド関連が多くクリーン
 自体の設計にも参加した。                         技術関連が少ないなどの傾向があるが、スコルコボでは
                                      分野のバランスは市場の需要に任せて自らは介入しな
 ITクラスタの企業のうち3分の1はABBYYやパラレルス         い意向とされる。
のような大手か中堅企業で、小規模企業にもITビジネス             ちなみに、他にも1月、昨年ITクラスタの執行取締役を
が本業の会社が多い。しかし、中には全くの新参企業も             務めていたトゥルコト氏が1億㌦のベンチャーファンドを
ある。ユニークな試みとして、例えば、映画監督ベクマン            立ち上げることが明らかになった。資金の大半はスコルコ
ベトフ氏のバゼレフス・イノベーションズ社による台本の            ボの総裁も務める富豪ベクセリベルグ氏の投資会社レノ
半自動アニメ化ソフト「映画言語」の開発が挙げられる。            バが出し、ビッグデータ処理、新型メディア(映像や音声
                                      の加工)、インターネット、IT医療の分野の初期段階の事
いつまでいられるかは企業次第                        業に出資する。特にスコルコボで承認された事業に参加
                                      する意向だという(1月11日付RBC Daily)。
 ITクラスタのシュビンIT事業発展部長によれば、スコル
コボの入居には期限はないが、現在は入居登録だけし               欧米の企業では、非流動資産に占める無形資産(知的
て実際には活動していない企業もある。こうした企業や、            財産やノウハウなど)が全体の30%に達している会社が
当初予定したプロジェクトを終えても新規事業を立ち上             少なくないが、ロシアではその割合が0.5%を超えること
げない企業などは、スコルコボの登録が抹消されることに            は滅多にないという。これは資源が国の経済に占める割
なる。シュビン氏によれば、今までは入居企業数が増え             合が大きいロシアにとっては当然とも言える。
る一方だったが、今後はこうした出入りのローテーション             他方、先端技術の後進国にとって、ITは多くの設備投
が発生し、全体としては500社程度で推移していく見込            資を必要とせず、個人の才覚で国際舞台へ躍り出ること
みだという。「スコルコボは幼稚園ではないので、誰かの            もできる分野であり、ロシアでもタタルスタン共和国など
手を引いてあげることはしない。入居企業は自分の実力             では近年人気を集めている(本誌969号に関連記事)。ま
で道を切り開いていかねばならない」と同氏。                 た、ベクセリベルグ氏やDST Globalのミリネル氏など、ロ
 とはいえ、先述の優遇や支援は特に中小企業などには             シア人がITにカネを出す風土もあると見ることができる。
魅力的な条件である。スコルコボの入居企業の約7割は             今後IT分野ではどのような成果が出て、どのような形でロ
ベンチャー企業で、その多くは大学や研究所の出身者              シア経済の近代化に作用していくのか注目される。


経 済                                   イ市(北カフカス連邦管区スタブロポリ地方)の税務庁舎
富士通ゼネラルがモスクワに事務所開設:                   (室内機60台、室外機6台)、サンクトペテルブルク市の移
                                      民庁舎(室内機27台、室外機4台)、ニジニ・ノブゴロド市
空調機販売を強化
                                      (沿ボルガ連邦管区ニジェゴロド州)のホームセンター(室
                                      内機85台、室外機36台)などがある(JACサイトより)。
 1月1日、電子・電気機器メーカー・富士通ゼネラルの
                                       JACはロシアCIS諸国に2000以上のディーラー企業を
欧州販売子会社のモスクワ駐在員事務所が活動を開始
                                      傘下に持つ空調設備販売会社で、ビル用マルチ空調シ
した。1月10日付で富士通ゼネラルがプレスリリースで伝
                                      ステム(VRF)の販売数ではロシアの大手3社に入る。富士
えた。
                                      通ゼネラルの他にも、三菱重工業やMDV(Midea)などの
 富士通ゼネラルの欧州子会社は、1993年から現地代
                                      製品を扱っている。(1/10)
理店を通じてロシアにエアコンなど空調機器を中心とす
る同社製品を販売している。欧州ではギリシア、スペイ                    クラスノダルスク市(南連邦管区クラスノダルスク地方)の
ン、イタリアなどの南部諸国が従来は大きな市場だった                          病院に設置された室外機 (写真提供:JAC)

が、近年これらの国の経済は減速している。他方、2011
年における全世界のエアコン需要が2006年比で128%な
のに対し、ロシアは同253%で欧州最大の市場になって
いる(本誌856号、907号、957号に関連記事)。
 富士通ゼネラルのロシアCIS諸国におけるディストリ
ビュータであるJAC(ГК АЯК;企業グループ「日本空調
器協会」)によれば、最近のエアコン設置の大口の実績と
しては、2012年の夏から秋にかけてミネラルヌィエ・ボドゥ

                                  3                             目次に戻る
ボストーク通信                                       2012年(平成25年)1月15日 通巻978号
資 源                                   のみで、他にウラジオストクでもプラントが建設される予
ノバテックとガスプロムが                          定。LNGの輸出許可を持つのはロシアではガスプロムだ
                                      けで、ノバテックもガスプロムを通しての販売となる見込
ヤマル半島のLNG事業で合弁へ
                                      みだが、将来的には独自の輸出が認められる可能性も
                                      ある(本誌972号に関連記事)。
 1月10日、国営ガスプロムと民間の石油ガス大手ノバ
                                       専門家らは、今回の提携によりノバテックはガスプロム
テックが、北極圏にあるヤマル半島(ウラル連邦管区ヤマ
                                      の鉱床が加わることで事業を拡大でき、ガスプロムは既
ロ・ネネツ自治管区)におけるLNG事業のために合弁会
                                      にトタルと建設を進めているノバテックの技術やインフラ
社を設立することで合意した。同日付でガスプロムがプ
                                      を活用することで事業コストを下げられる利点があると指
レスリリースで伝えた。
                                      摘する。生産されるLNGの主な向け先としては、欧州や
 今後、両社は7月1日までに事業化調査を行い、年末ま
                                      米国よりも相場が高いアジア太平洋諸国が期待されてい
でに事業推進の最終決定を下して合弁会社を設立す
                                      る。米国のシェール革命などにより世界市場の情勢は流
る。
                                      動的だが、ロシア政府が有用鉱物採掘税を免除するな
 ノバテックは現在、仏トタルと合弁(トタルの持分は20%)
                                      らば採算が合う可能性があるという。また、ガスプロムは
でヤマル半島にLNGプラントを建設する事業を進めてお
                                      バレンツ海のシュトックマン・ガス田の開発が実質的に延
り、今年第2四半期には供給先との契約締結を開始し、
                                      期されたため、ヤマル半島の事業には本腰を入れるだろ
2016年末から出荷を始める予定(1月10日付ベドモスチ
                                      うとの見方もある(1月10日付Expert Online)。
紙電子版)。
                                       ガスプロムの2012年のガス生産量は前年比6.6%減の
 同社とガスプロムはこれまで、同半島にガスプロムが持
                                      4790億㎥。ノバテックは同7.1%増の573億㎥で、主にヤ
つ鉱床の開発で1社、ヤマル半島の東隣りのグィダン半
                                      マロ・ネネツ自治管区の鉱床で採掘を行っている。
島で両社が持つ鉱床の開発で1社、合計2社の合弁会
                                                                     (1/11)
社をつくる予定だった
が、1社にまとまる形に
なった。関係者筋によ
れば、新会社はトタルと
の事業とは別個のもの        ノバテック・トタル(1650万㌧予定)
になる(1月11日付コメ
ルサント紙)。                                         ガスプロム・ノバテック(1500-2000万㌧予定?)
 ガスプロムのミレル社
長によれば、ヤマル半
島 の LNG 事 業 は ノ バ
テックとトタルによる年                                                         サハリン2(960万㌧)
間1650万㌧のプラント
事業だけだったが、今
回の合弁により生産量
は 倍 増 す る。ロシ アで                                  ウラジオストク(1000万㌧予定)
は現在、LNGが生産さ
れているのはサハリン


                         連邦ニュース
経 済                                    ロシア、ベラルーシ、カザフスタンから成る関税同盟で
サムスンがロシアで一体型PCを生産?:                   は、1月25日から3000㌦未満の一体型PCに10%の輸入
                                      関 税 が 導 入 さ れ る。こ れ は ロ シ ア の PC メ ー カ ー K-
輸入関税引き上げにより
                                      Systems(IRBISブランド)が昨年夏に経済発展省に提案し
                                      ていた措置で、関税導入により国内メーカーを保護する
 ロシアを含む関税同盟では、1月25日から一体型PCに
                                      ことが狙い。因みに、当初の案では価格による免除はな
輸入関税が導入される。既にロシアでテレビやモニタを
                                      かった。3000㌦以上の高価格機はアップル、ソニー、HP
生産しているサムスンは、一体型PCでも国内生産を行う
                                      が生産している。
ことを検討している。1月10日付でRBC Dailyが伝えた。

                                  4                                    目次に戻る
ボストーク通信                                       2012年(平成25年)1月15日 通巻978号

 サムスンのアルタモノフIT部門主任技師によれば、同               ミネラリヌィエ・ボドゥイ市には2007年、特別経済区(面
社には既にカルガ州に大型の生産拠点があるため、必                積843ha)が設立。スパ付ホテル、ゴルフ場、アクアパー
要があればロシアで一体型PCのフルサイクル生産を行う              ク、パラグライダー施設を含むリゾート「グランド・スパ・ユ
ことも可能だという。他方、レノボのミシン・ロシアCIS東欧           ツァ」の建設が予定されていた。ところが特区は今に至る
担当代表取締役は、ロシアには一体型PCの部品サプラ               も投資家を誘致できておらず、入居企業は皆無。税制面
イヤーがいないと指摘する。                           での優遇措置のないことがネックになっているとKSKのビ
 サムスンは2008年からカルガ州の工業団地「ボルシノ」            ラロフ取締役会議長は見ており、今後は優遇措置が導
でモニタと液晶テレビを生産しており、国内向けは全量               入され、また入居者は国家から借入利息の補助金を得ら
が国内組立品になっている。他にも、プラズマテレビ、ブ              れるとのこと。
ルーレイプレイヤー、ホームシアター、3D LEDテレビな             スタブロポリ地方リゾート観光省によれば、ミネラリヌィ
どが生産されており、製品はベラルーシやウクライナやカ              エ・ボドゥイ市のサナトリウムへの年間訪問者数は約75万
ザフスタンにも輸出されている。サムスンは2011年にモス            人、他に20万人ほどが民間施設を利用している。サナト
クワのトベルスカヤ通りに旗艦店を開設し、新製品の販               リウムは132(総収容部屋数3万3500室)あるが、その大半
売に注力している(本誌923号に関連記事)。                  がソ連時代のもので、大規模修理が必要とされる。同地
 他にもロシアでは、Hyundai ITが現地生産の意向を           方のリゾート産業からの1年間の税収は約12億ルーブル
持っているとされる(本誌954号に関連記事)。(1/10)           で、税収全体の14%を占めている。
                                         なお、北カフカスのリゾート開発にはイタリアの建設会
       サムスンのカルガ工場 (カルガ州発展公社サイトより)
                                        社や韓国の電力会社も参加を決定している(本誌956号
                                        に関連記事)。
                                         ちなみに、カリーニングラード州(北西連邦管区)では昨
                                        年末、投資家誘致の実績を上げられなかった観光型特
                                        別経済区「クルシスカヤ砂州」が、この先の展望なしとし
                                        て特区指定を外された。(1/9)

                                        食 品
                                        韓国KT&G、伊ランボルギーニの
                                        タバコをロシアで販売へ

                                          エッセブランドで有名な韓国のタバコ大手KT&Gが、イ
                                        タリアの高級タバコ「トニーノ・ランボルギーニ」(TL)をロシ
                                        アに輸出する計画を立てている。1月10日付でRBC Dai-
経 済
                                        lyが伝えた。
北カフカス観光クラスタへスタブロポリ地方                      KT&Gは、トニーノ・ランボルギーニ社と共同でTLブラン
を組入:リゾート計画にてこ入れ                         ドのタバコを開発、韓国では昨年4月に販売を開始した。
                                        同国ではタバコ1箱は平均で2㌦するが、TLは2.37㌦(小
 北カフカスの観光クラスタへスタブロポリ地方が含まれ              売価格)で売られている。昨秋には中国とシンガポール
ることに伴い、同地方のリゾート計画を国営リゾート開発              の免税店及び香港へ輸出を開始、今年の3月までにはロ
会社「北カフカスリゾート」(KSK)が管理・運営することに           シア、台湾、アラブ首長国連邦へ、4月には日本への輸
なった。1月9日付でコメルサント紙が伝えた。                  出も計画している。
 昨年12月末の連邦政府決定により、スタブロポリ地方                情報分析機関「ロシア・タバコ」のコロレフ代表取締役
は北カフカス連邦管区とクラスノダル地方及びアディゲ               は、ロシアのタバコ市場でTLは最後の新規参入業者に
ア共和国にまたがる観光クラスタに含まれることになっ               なるかもしれないと見ている。ロシアでは今年、タバコ規
た。これにより、観光クラスタ発展事業の管理・運営を行う             制の大幅な強化が計画されており、メーカーやディストリ
KSKが、同地方ミネラリヌィエ・ボドゥイ市のリゾート計画も           ビュータはマーケティングを行うことが事実上不可能にな
担当することになった。                             るからだ。タバコの広告の全面禁止や小売店での陳列
 KSKは、2010年メドベージェフ大統領(当時)が発表した          禁止に加え(本誌970号に関連記事)、3月からはタバコの
北カフカス地方でのスキーリゾート建設計画を受けて設               パーケージへの警告写真掲載の義務付けも予定されて
立された(株式保有率は連邦政府98%、対外経済銀行と              おり、KT&Gにとっては厳しい船出となる。3月以前に生
ズベルバンク2%)(本誌848号に関連記事)。                 産されたタバコについては、いつまで販売が許されるの

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ボストーク通信                                   2012年(平成25年)1月15日 通巻978号

か不明で、警告写真が添付されていないタバコをKT&G          食 品
がロシアへ輸出して販売が許可されなくなった場合、同           高級スーパー「アズブカ・フクサ」が
社はこれらの商品を廃棄処分せざるを得なくなる。
                                    ペテルブルク進出
 なお、KT&Gは2010年にカルガ州に自社工場を開設し
ている。ただし同工場には高級タバコを生産する技術は
                                     日本製食品の取り扱いなどもある高級スーパー「アズブ
なく、TLの現地生産は行われないと見られる。
                                    カ・フクサ」がサンクトペテルブルク1号店をオープンし
 イタリアの高級車メーカー「ランボルギーニ」創設者の
                                    た。12月21日付でアズブカ・フクサがプレスリリースで伝
息子であるトニーノ・ランボルギーニ氏が創設したTL社
                                    えた。
は、キーホルダー、野球帽、ボールペン、時計等の高級
                                     新店舗はブィボルグ街道沿いにあるショッピングセン
ブランドを展開。TLはロシアでも有名なブランドで、例え
                                    ター「コスモポリス」内に開設され、売場面積は1100㎡、
ば銀のシガレットケースはモスクワでは4000~1万㌦で販
                                    投資金額は400万㌦。付近には高級住宅街があり、十分
売されている。(1/10)
                                    な買い物客が期待できるという。アイテム数は1万8000点
                                    で、約半数は生鮮品、また約2割は地元産品。プレスリ
食 品
                                    リースでは、日本の菓子職人モリカワ・ヒデキ氏のケーキ
今年からキオスク等でビールの販売が                   もあることが宣伝されている。
禁止に:業者は違法販売を続ける                      アズブカ・フクサは1997年創立の高級スーパーチェー
                                    ンで、ロシアで最初に品質管理基準ISO9000の認証を取
 1月1日からロシアでは小型仮説店舗でのビールの販           得した小売業者。今回の新店舗の他に、モスクワ及びモ
売が禁止されたが、その多くで今も販売が続けられてい           スクワ州に51店舗を展開しており、2011年度(2012年3月
る。1月9日付でRBC Dailyが伝えた。              決算)の売上は216億ルーブル。同社では、今後5年の間
 今年からビールはアルコール飲料の範疇に含まれるこ           にサンクトペテルブルクに15店舗以上を出店する計画。
とになり、小型仮設店舗(面積50㎡未満)ではビールを販                                   (12/21)
売できなくなったが、販売を続けている店がロシア各地
で多く見られる。中には、表向き商品としては避妊具や
おつまみを扱い、そのおまけとしてビールを付けたり、あ
るいは陳列こそしないが常連客には販売していたり、隠
れて販売しているキオスクもある。もっとも大半の業者は
従来通り堂々と販売を続けており、摘発された場合でも
賄賂等でお目こぼしを願うつもりの業者もいる。キオスク
販売業者連盟のデニソワ氏は、法を守るつもりの業者で
さえ多くは年末年始休暇が終わるまでは販売をやめない
だろうと見ている。
 その一方で、違法者の摘発が既に開始された地方もあ
る。オムスク州ではバス等の停留場でアルコールを販売
                                            アズブカ・フクサ・ペテルブルク1号店 (同社サイトより)
している業者を警察が摘発、行政法違反として商品が没
収された。ウリヤノフスク州でも似たようなケースが報告さ
れている。                               食 品
 業者が違法を承知でビールの販売を続けるのにはや            スターバックスがペテルブルク進出
む得ない面もある。キオスクでは売上の4割をビールが占
めるため、その販売の有無は事業の存続に関わる死活             12月中旬、米カフェチェーン大手スターバックスがサン
問題となるからだ。また、摘発されても商品の没収と5万          クトペテルブルクに同市で最初の3店舗をオープンした。
ルーブル以下の罰金で済むので抑止効果も小さい。             12月28日付でベドモスチ紙が伝えた。
 法律に従ってビール販売をやめた業者の身の振り方             出店したのは市内のショッピングセンター(「ピーテルラ
は2週間もすれば明らかになると見られる。経済発展省           ンド」、「ネフスキー・ツェントル」、「メガ・ドゥイベンコ」)内
では、タバコの販売規制が重なることもあって、17万5000       で、最初にオープンしたピーテルランド店には初日に
店が閉鎖に追い込まれ、50万人が職を失う可能性もある          1000人もの来客があり、3日目まで行列が途絶えることは
としている(本誌970号に関連記事)。(1/9)            なかったという。
                                     スターバックスをロシアで展開しているのは、同社とク
                                    ウェートのフランチャイズ運営会社Alsyayaの合弁会社で

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ボストーク通信                                                2012年(平成25年)1月15日 通巻978号

ある有限責任会社「コーフェ・シレナ」。スターバックスは                     見ている。大手製菓企業もそれほど多くないため菓子市
ロシアに2007年に進出し、現在はモスクワ及びモスクワ                     場全体の伸びしろも大きく、ゴーフルはニッチ分野に食
州に61店舗を出店している。コーフェ・シレナのアクバリ                     い込むチャンスがあるという。
代表取締役によれば、今後5年間に、100万人都市を中                       ゴーフルは、同社プレスリリースによれば2008年から
心にこれまでの5年間よりも多数の店舗を出店する意向                       チェーンを展開。現在、ロンドン、パリ、ブリュッセル、上
(12月13日付ノーボスチ通信)。                               海等にチェーン店があり、ロシアではこれまでクラスノダ
  スターバックスは自社ブランド品は米国から輸入し、消                     ル市(南連邦管区クラスノダル地方)に数店舗を出店して
費期限の短いものは現地で調達している。サンクトペテ                       いる。(12/28)
ルブルクでは、ベーカリーチェーン「ブシェ」がサプライ
ヤーに選定されている(12月14日付ベドモスチ紙)。                      社 会
                        (12/28)                 ソ連解体から21年、
 食 品                                            約半数が崩壊を惜しむ
ベルギーワッフルのチェーン店が                                  2012年12月30日、ソ連誕生から90年が経った。12月26
ペテルブルクにオープン                                     日はソ連解体から21周年だった。解体について国民は
                                                どのように考えているか、聞き取り調査の結果を12月29
 ベルギーワッフルのチェーン店「ゴーフル」(Gofre)がサ                  日付で全ロシア世論調査センターが発表した。
ンクトペテルブルク市にオープンした。12月28日付で飲
                                                    ソ連が崩壊して残念か? (%、以下同)
食業界の情報サイトRestoranoved.ruが伝えた。
                                                                       2002         2012
 ゴーフルはフランチャイズ方式による店舗展開を行って                          残念                   65           56
おり、ペテルブルク店を開設したのは財務・法律コンサ                           残念ではない               27           33
ルティング企業「アルマ」のオーナー、ワシュチナ氏。80                         無回答                   7           11
                                                   出所:全ロシア世論調査センター、以下同
万ルーブルを投じてショッピングセンター「リゴフ」のフー
ド コ ー ト 内 に 出 店 した。同 店 で は、ゴ ー フ ルの 通 常 メ                ソ連は領内の諸民族の
ニューであるワッフル数種の他、菓子や飲料の販売も行                             文化的・経済的発展に貢献したか?
う。                                                                    2002          2012
 ゴーフルでは、ワッフルの生地(丸型のリエージェワッフ                        貢献した                72            67
ル)は本場ベルギーの有名シェフMiguel Iribarrenのレシ                 阻害した                18            20
ピをもとにセントラルキッチンで作られ、各販売拠点に配                         無回答                 10            13
送される。芳香添加剤や保存料を一切含まない高級ワッ
フルで、それを客の目の前で焼いて提供する。販売形態                              ソ連の崩壊は不可避だったか?
                                                             1998      2000     2005           2012
はスタンド、キオスク、ワゴンショップとさまざまだが、内装
                                                  不可避だった      25        27       34             35
は統一され美的効果も配慮されている。                                避けられた       58        64       57             55
 ペテルブルクではワッフルのテイクアウト店はまだ数が                        無回答         17         9       10             10
少なく、新規参入者にとっては有望な市場だと専門家は
                                                 ソ連の崩壊に関してあなたの意見に近いのは?
                                                                                       1992       2012
  ペテルブルクのワッフルチェーン店「ゴーフル」 (同チェーンサイトより)
                                                ゴルバチョフ、シェワルナゼ、ヤコブレフの政
                                                                                         18           45
                                                策の結果により崩壊した
                                                領内諸国が独立を求めた不可避の結果だ                       20           18
                                                ソ連は共産主義的全体主義国家だったの
                                                                                         27           13
                                                で、民主化による終焉は予定調和のこと
                                                中央が力ずくで抑えようとしなければ、新生
                                                                                         22           13
                                                ソ連に残った国は多数あったはず
                                                無回答                                      12           12

                                                          ソ連が崩壊して残念か?
                                                             1992.3   1999.1   2007.11        2012.12
                                                  残念           66       74       55             49
                                                  残念ではない       23       16       36             35
                                                  無回答          11       10       10             16
                                                 出所:レバダ・センター

                                            7                                             目次に戻る
ボストーク通信                                    2012年(平成25年)1月15日 通巻978号

 調査結果は別表の通り。回答者は国内138地域の1600          こと、不審人物から逃げる時には手荷物を捨てること、横
人で、調査期間は12月1~2日。ソ連崩壊から20年余りを          断歩道を使って道路を渡ることなどが詩の形式も用いて
経て、その原因は当時の指導者たちの政策にあるが、崩             説かれている。
壊自体は不可避だったとする見方が増加した。また、崩               冊子は内務省のサイトにアップロードされているほか、
壊を惜しむ声は依然として半数以上を占めていた。               モスクワの子供に配られる。
 また、世論調査機関レバダ・センターが12月14~17日            ロシアのマンガ愛好者の中には、内務省が漫画家の選
に国内の18歳以上1600人を対象に行った同様の調査で           定に予算を惜しんだとして、絵の水準に不満を表明する
は、ソ連崩壊を惜しむ人の割合は49%まで低下している            声も出ている。また、『有害な助言』等の著作がある作家
との結果が出た(11月11日付レバダ・センター)。(1/11)       オスチョル氏は、「作家や心理学者らの協力を仰がずつ
                                      くったこの手の冊子が役に立つとは思えない」と指摘した
社 会                                   (12月28日付コメルサントFM)。(12/27)
ロシアの警察がマンガで                              内務省が作成した冊子「警察から子供たちへ!」 (同省サイトより)

子供に安全を説く

 ロシア内務省が子供が安全な生活を送るための決まり
を日本風のマンガ形式で描いた冊子「警察から子供たち
へ!」を発行した。12月27日付で内務省がプレスリリース
で伝えた。
 内務省によれば、冊子は「子供が親しみやすいように
日本式コミックス(マンガ)の様式で制作」された。冊子で
は、留守番中に見知らぬ人が来てもドアを開けないこと、
困ったときは窓やベランダから近所の人に助けを求める


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ボストーク通信                            2012年(平成25年)1月15日 通巻978号


           今週の   ロシア有力紙 主要記事       1月7日~1月11日

          ロシイスカヤ・ガゼータ紙                 ロシア政府が発行する日刊紙。

《Российская Газета》                  法令や政府決定なども掲載される官報。
                                         発行部数は17万部。

1月7日
1月8日   「休刊日」
1月9日
1月10日 「2013年は環境保全年、環境破壊に対する罰則強化へ 」
        メドベージェフ首相は9日、環境問題に関する会合を開き、環境保護の取組みと監視態勢の強化を要
       請した。首相はロシアの環境対策の遅れを指摘し、官民双方に改善を求めた。環境関連の違法行為は
       行政法及び刑法で取り締まられている。ロシアは今年を環境保全年と定めており、昨年末には2020年ま
       での環境保護国家プログラムを承認した。首相は、10年前には環境問題は国家の優先課題には含まれ
       なかったが、世界がこの問題に取組む今、ロシアでも官民挙げての具体的な対策が必要と述べた。ドン
       スコイ天然資源・環境相によれば、4月までに関連する連邦特別プログラムを策定し、遂行のために官民
       から総額1000億ルーブルを調達する考え。プログラムの対象には、ソ連時代から放置されたままの多数
       の兵舎も含まれる。
1月11日 「レーニン図書館の屋上からサムスン広告を撤去:モスクワ市が広告規制を進める」
        屋外広告への規制強化を決めたモスクワで10日、クレムリン脇にある国立図書館(旧レーニン図書館)の
       屋上に据えられた巨大なロゴ広告の撤去が始まった。この地区はユネスコの歴史遺産に指定され、広告
       は禁止だが、一文字が高さ7m、重さ1200kgに及ぶ韓国サムスンの巨大広告は1999年から設置されてい
       た。同市のチェルニコフ・マスコミ広告局長によれば、撤去には約2週間を要し、費用は広告会社が負担
       する。市は、順次他の広告主にも撤去を要請、拒否された場合は市が自己負担で撤去し、裁判による費
       用の賠償請求も辞さない構え。市は昨年12月、屋外広告に関する法規を承認、横断幕広告や壁面広告
       に続いて屋上広告も禁止した(サムスンの広告のようなロゴのみのものは歴史的建造物以外では屋上なら
       ば設置可)。これに基づき、市は既に3万件の各種屋外広告を撤去した(本誌904号に関連記事)。


 * ベドモスチ紙は1月7日から11日は休刊

                                                     目次に戻る




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ボストーク通信                                       2012年(平成25年)1月15日 通巻978号


                           極東ニュース
経 済
沿海地方知事の2013年仕事始め:
劇場とホテルの工事進捗を視察
 2013年仕事始めの1月9日、ミクルシェフスキー沿海地
方知事は、建設中のオペラ・バレエ劇場と、2つの5つ星
ホテルの視察を行った。同日付で沿海地方政府サイトが
伝えた。
 2012年9月のAPECサミットに向けて建設が進められて
いたオペラ・バレエ劇場(本誌967号に関連記事)は、現            ビトゥス・ベーリング号 (ソフコムフロート社サイトより)
在も配線工事などが続いているが、いくつかのフロアで
は既に仕上げ段階に入っている。その他に大小ホール               ガゼータ紙が伝えた。
の視察を終えた知事は、専門技術者の数が少なすぎる                サハリン大陸棚開発では、石油掘削プラットフォームが
として、増員と作業のスピードアップを要求すると共に、             使われているが、こうしたオホーツク海上の石油掘削プ
「何か問題があれば言ってほしい。政府として実務的な              ラットフォームに対し年間を通じて補給を行うには、氷海
解決を図る」として、完成に向けた決意の程を示した。              を航行できる船舶が必要である。このため、サハリン1の
 さらに知事は同じく建設が続いている2つの5つ星ホテ             供用を目的として、2年ほど前に国営船舶会社ソフコムフ
ル(本誌969号に関連記事)を訪問、請負業者と面会し、            ロ-トが砕氷補給船2隻の建造を受注。建設は韓国STX
建設責任者に対しては、「ホテルが操業開始に漕ぎ着け              傘下のフィンランドの造船会社STX Finland Oyと統一造
るまで、オフィスではなく現場であるここで仕事をすべき             船会社の合弁企業により、主にサンクトペテルブルクの
だ」と命じるなど、作業の進捗状況について不満を露わ              造船所で行われ、このほど1隻目が完成した。発注者は
にした。さらに、今後も完成まで月に2回は知事自ら建設             サハリン1のオペレータであるエクソン・ネフチェガスで、
現場に足を運び、責任者と面会するつもりと述べた。               今回のビトゥス・ベーリング号及び次回の2号船は、サハ
 オペラ・バレエ劇場と、2つの5つ星ホテルについては、            リン沖のアルクトゥン・ダギ鉱床で操業する石油掘削プ
メドベージェフ首相が2013年6月1日までに始業させるよ           ラットフォームへの補給の任に就く。
う命じており、年始休暇を返上し、1月4日から工事が再              ビトゥス・ベーリング号は、優れた推進装置や船位保持
開されていた(本誌977号に関連記事)。(1/10)             システムを持ち、氷海航行能力も高い。冬季にも中断さ
                                       れることなく、サハリン島沖で操業する石油掘削プラット
                                       フォームに交代要員や必要不可欠な補給品や消耗品を
                                       届けることができるため、シリーズ建設を続け、サハリン2
                                       プロジェクトなどの他の採掘事業でも使用されることが予
                                       想されている(1月10日付Sakhalin Media)。(1/11)

                                       運 輸
                                       バム鉄道の一部区間が
                                       乗客輸送廃止の危機:住民が抗議集会
   建設中の5つ星ホテルを視察したミクルシェフスキー沿海地方知事       1月10日、アムール州のトゥインダ地区の4つの村の住
                      (沿海地方政府サイトより)
                                       民300人以上が、マイナス40度の中、同地区を走るバム
                                       鉄道の路線存続を求める抗議集会を行った。同日付で
資 源
                                       ロシイスカヤ・ガゼータ紙が伝えた。
サハリン1向けの砕氷補給船が完成                        住民たちは、「我々の移動の自由を奪うな!」「コムソモ
                                       リスク~トゥインダ-命の道」などと書かれたプラカードを
 1月10日、サハリン1プロジェクト用の多機能砕氷補給            手にして次々に集まった。同地区に自動車道はない。鉄
船「ビトゥス・ベーリング」が完成し、プーチン大統領参加            道が唯一の交通手段であり、運行が停止されれば住民
のもとで命名式が行われた。1月11日付でロシイスカヤ・            は病院や役所に行く手段を断たれる(1月11日付アムー

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   サハ共和国                                 位。クライニー連邦漁業庁長官によれば、ロ
  ネリュングリ                                 シアのキャビア生産業は密漁業者のせいで
                        ハバロフスク地方
                                         発展を阻害されているという。ロシアは公式に
                                         は年間9㌧のキャビアしか生産していないこと
              バ
     トゥインダ
                 ム                       になっているが、国内市場には密漁者により
                   鉄
                     道                   この倍の数量が流通していると言われる。長
           アムール州                         官は、「チョウザメの養殖場を作って繁殖数を
                               コムソモリスク・
                                ナ・アムーレ   増やしつつ、密漁業者と闘ってゆく。また、特
                                         別な店でだけ販売されるよう国家が流通を厳
                                         しく監視する必要がある」と述べた(12月25日
                                         付ロシイスカヤ・ガゼータ紙)。
                                   沿海地方   ちなみに同地方のニコラエスク・ナ・アムー
                                         レ市では2011年夏からチョウザメのふ化・養
                       ウラジオストク
                                         殖場の建設が進んでおり、2014年までには同
ル・インフォ)。                             様の養殖場を7つ、同地方内に建設する予定(本誌908
 2012年12月、連邦旅客会社(ロシア鉄道関連企業)は、 号に関連記事)。(1/10)
トゥインダ~コムソモリスク・ナ・アムーレ間、トゥインダ~ネ
リュングリ間の乗客輸送を2013年3月末に廃止することを         社 会
決定した。鉄道側は、これはロシア鉄道への政府の補助             サハ共和国でオオカミによる
金が削減されたことによる経営最適化の結果であり、何
                                      家畜被害拡大:
らかの代替輸送手段があると考えてのことだと説明して
いるが、実際はトナカイ以外には移動手段はないという。            オオカミ狩り月間始まる
 シェルビン・トゥインダ地区長は、「抗議集会は今日で終
                                       サハ共和国(ヤクーチア)で、オオカミの増加により家畜
わりではない。この問題に目を向けてもらわなければなら
                                      への被害が拡がっている。これを食い止めるため、1月15
ない」と述べた。住民たちは訴えがこのまま聞き入れられ
                                      日から3ヶ月間にわたって、オオカミ狩りを奨励する特別
なければ、線路に座り込んで列車を停止させることも辞さ
                                      月間が始まる。1月9日付でサハ共和国政府サイトが伝え
ないとしている。(1/11)
                                      た。
食 品                                    現在、共和国内に生息するオオカミは3500頭にのぼる
                                      が、専門家によれば多くても500頭以下であるべきだとい
ハバロフスクでキャビア30㎏を押収:                    う。同共和国内でオオカミに襲われた家畜(トナカイ)は、
後を絶たない密漁                              2006年には約4000頭だったが、2012年には1万6000頭
                                      にまで増加しており、被害額は1億5000万ルーブルにの
 1月10日、コムソモリスク・ナ・アムーレ市(ハバロフスク地        ぼる(1月7日付サハ共和国政府サイト)。
方)で40代の男性から、漁獲が禁止されているチョウザメ            家畜への被害が増加した要因のひとつは、オオカミの
類の卵、約28㎏(ブラックマーケット価格で約50万ルーブル         生息する山間部やタイガ地帯で主食となる野ウサギなど
相当)が押収された。同日付でノーボスチ通信が伝えた。            の数が減少し、その結果、オオカミが群れごと共和国内
 調べによればこのキャビアは、男性が昨年の夏、チョウ            の中心部へと移住してきたことだと考えられる。被害が大
ザメ類の生息地であるアムール川流域のウリチスク地区             きいのはコビャイスク、アルダンスク、トムポンスク、モムス
にて自ら加工したもので、プラスチックケースに小分けに            ク、オイミャコン地区など。
して今まで自宅で保管していたが、新年の祝日を前に販              ボリソフ・サハ共和国大統領は、共和国政府に対して
売しようとしたという(1月10日付インタファクス通信)。          非常事態体制の導入を提案し、1月15日から3ヶ月間に
 同地方では、絶滅が懸念されるアムール・チョウザメと            わたる“拡大するオオカミの群れとの闘い”が始まることに
ダウリチョウザメ(カルーガ)の商業漁獲は1983年以降禁          なった。この期間、オオカミを仕留めたハンターには毛皮
止されており、人工養殖のための調査目的に限って許              の買い取り金が出され、最も優秀なハンター3名には総
可されている (本誌888号、908号に関連記事)。しかし、        額数十万ルーブルの賞金も用意される。昨年は特別編
2012年の1年間に摘発された密漁行為は110件で、損害          成されたハンター部隊が730頭のオオカミを駆除した。
額は7億3000万ルーブルにのぼるとされる。                 また、共和国ではこの3ヶ月間に限らず、1年を通してオ
 専門家によれば、世界でキャビアの市場規模は100             オカミ狩りを解禁することが決定されており、オオカミの数
億㌦。イランが1位でシェア54%を占め、現在ロシアは2           が適切な500頭程度に減るまで続けられる。(1/9)

                                 11                           目次に戻る
ボストーク通信                                                          2012年(平成25年)1月15日 通巻978号

                      2013年沿海地方の公式ディーラーに投入予定の新型車 (2013年)
        ディーラー             取扱ブランド            新型車名(タイプ)                          備考
パシフィック・アフト
ООО"Пасифик Авто"         三菱自動車      アウトランダー(クロスオーバーSUV)         2012年12月よりカルガ工場で生産開始。

アルタイル・アフト                                                        2013年は7年に1度のモデルチェンジの年。ディーラーは韓国
ООО"Альтаир-Авто"         メルセデス・ベンツ (A・B・E・F・ML・GLセグメント車)
                                                                 Ssang Yong車も扱うが、今年はメルセデスのみに注力。
                                     ロガン(セダン)
トリウムフ・アフト・ダーリニ・ボストーク
ООО"Триумф авто Дальний   ルノー        サンデロ(小型ハッチバック)              モスクワ工場で生産。
Восток"
                                     コレオス(SUV)
アフタリテト・アフト                           アルメーラ(セダン)                  アルメーラ:ロシア向け特別仕様車。2012年12月にトリヤッチ
ООО"Авторитет Авто"       日産
                                     ジューク(クロスオーバーSUV)            のアフトワズ工場で生産開始。
スモウトリ・アフト                                                        現在、クロスオーバーSUV「CX-5」を量産中のウラジオストクの
ООО"Сумотори-Авто"        マツダ        マツダ6/日本名アテンザ(セダン)
                                                                 マツダ・ソラーズ合弁工場で、2013年春から生産開始予定。
スモウトリ・アフト
ООО"Сумотори-Авто"        スバル        フォレスター(クロスオーバーSUV)

スモウトリ・アフト                            クーガ(コンパクトクロスオーバーSUV)
ООО"Сумотори-Авто"        フォード
                                     エクスプローラー(SUV)
スモウトリ・アフト                            ビートル(セダン)
                          VW
ООО"Сумотори-Авто"                   ゴルフ7(ハッチバック)
                                     ソレント(クロスオーバーSUV)
                                                                 2012年11月にはソレントのニューモデル(第2世代)が販売開
スモウトリ・アフト                            シード(ハッチバック/SW)
                          起亜                                     始。Cクラスの第3世代セラトーは世界に先がけ、ロシア市場
ООО"Сумотори-Авто"                   セラトー(セダン/ハッチバック)
                                                                 に投入。
                                     K9/クオリス(大型セダン)
サミット・モータース
                          トヨタ        Rav4(クロスオーバーSUV)            新型ボディの第4世代。
ЗАО"Саммит Моторс"
                                     オペル・モッカ(クロスオーバーSUV)
グランド・モーターズ                オペル        シボレー・タホ(フルサイズSUV)
                                                                 モッカはオペル初のクロスオーバー車。
ООО "Гранд Моторз"        シボレー       シボレー・トレイルブレイザー(中型SUV)
                                     オペル・アダム(ハッチバック)
ボストーク・ウアズ
                          ガズ         ガぜリ・ネクスト(LCV)               4月にプレゼンテーションの予定。
ООО "Восток-УАЗ"
                                     Lada Largus(SW・ライトバン)
ダリ・ラーダ
                          ラーダ        Lada Granta(セダン)
ОАО "Даль-Лада"
                                     Lada Kalina、Lada Priora
出所:Prima Mediaを元にJSN作成


                                                           との合弁工場がオープンし、10月には量産が始まった
 自動車                                                       (本誌961号、966号に関連記事)。現在、生産ラインは二
2013年も続くクロスオーバー車新モデル                                       交代制で、これまで3000台のクロスオーバーSUV「CX-
                                                           5」が生産された。
 2013年も沿海地方の新車市場には多くの新モデルが                                  また2012年はSsang Yong車の新モデルが大量に投入
投入されるが、その約3分の1がクロスオーバーSUV。                                 された年でもあった。1月に中型SUV「カイロン」の生産ラ
2013年、沿海地方のディーラー各社に投入される予定                                 インを拡大、3月には小型SUV「アクティオン(ガソリンエン
の(既に販売開始しているものも含む)新車外国車につい                                 ジン)」、続いて「アクティオン・スポーツ」、中型SUV「レクス
て1月11日付でPrima Mediaが伝えた。ディーラーごとの                           トンW」、「アクティオン(ハイブリッド)」など次々に生産を開
一覧は上表の通り。(1/11)                                            始した。2012年のSsang Yong車生産台数は3万2691台
                                                           で、前年比30.2%増、最も人気が高かった小型SUV「ア
 自動車                                                       クティオン」がそのうち1万7000台を占めた(1月11日付
                                                           フィンマルケト通信)。
2012年に躍進したソラーズ極東工場:
                                                            2013年春には、「ソラーズ極東」敷地内のマツダ・ソラー
春にはマツダ6の生産開始                                               ズ合弁工場で、新型セダン「マツダ6(日本名アテンザ)」
                                                           の生産が開始される。また時期は不明ながら、三井物
 ウラジオストクの「ソラーズ極東」工場が年末年始の休暇
                                                           産・ソラーズの合弁会社により、トヨタ・ランドクルーザー
を終え、2013年の操業を再開した。1月10日付で自動車
                                                           プラドの生産も始まる予定。(1/11)
市場調査会社アフトスタットが伝えた。
 2012年は「ソラーズ極東」が大きく飛躍した年だった。
9月にプーチン大統領も立ち会いの下、敷地内にマツダ

                                                      12                                 目次に戻る
ボストーク通信                                                                                    2012年(平成25年)1月15日 通巻978号
自動車                                                                      処され、アルコール検査を拒否した場合にも同様の処分
年末年始の車の事故:                                                               を受ける可能性もある(1月5日付News-vld.ru)。
                                                                          また、ウラジオストクでは1月7日の早朝、アムール湾の
海中への沈没や飲酒運転が増加
                                                                         氷が割れて走っていた車が海中に沈む事故が発生し
                                                                         た。目撃した釣り人の証言では、「突然物凄い音がして
 年末年始の休暇にはスピード違反や飲酒運転など車
                                                                         氷が割れたかと思うと、数台の車があっという間に水中へ
の事故が急増する。また、ウラジオストクでは交通事故に
                                                                         沈んでいった」という。駆け付けた救助隊は氷上に3ヶ所
加え、アムール湾の氷が割れて走行中の車が海中に沈
                                                                         の穴と、沈みかけたトヨタ・カローラを発見した。運転して
むという事故も発生している。1月9日付でボストーク・メ
                                                                         いた男性はなんとか脱出して無事だったが、残りの2台は
ディアが伝えた。
                                                                         水中に沈んだままである。
 国家道路交通安全局(GIBDD)によれば、1月1日~7日
                                                                          救助隊関係者は釣り愛好者らに対し、「厚く丈夫に見え
にハバロフスク市で起きた道路交通法違反は5757件で、
                                                                         ても氷には無数のひびがあり、振動で崩壊する。氷の上
そのうちスピード違反が1481件、飲酒運転151件、信号
                                                                         を車で走ることは禁止されているし、絶対にやめてほし
無視が303件、他にも歩行者による禁止場所での道路横
                                                                         い」と訴えた。この冬の釣りシーズンではまだ犠牲者こそ
断402件などがあった。連休の最終日で教会暦のクリス
                                                                         出ていないものの、アムール湾域ではこれまで約10台の
マスの翌日にあたる1月8日には、1761件もの違反が記
                                                                         車が氷の下に沈んだ。道路交通監視局は、違反者は
録された(1月9日付ボストーク・メディア)。
                                                                         500~1500ルーブルの罰金に処すとして警告している(1
 ウラジオストクでも毎年、この時期には普段の2~3倍に
                                                                         月9日付DV-ROSS)。ウラジオストク市内の数ヶ所には、
のぼる件数の飲酒運転が検挙される。道路監視局は増
                                                                         車での氷上走行を禁止する立札も設置された(1月9日付
員態勢で厳しい取締を行っており、1月1日~5日には70
                                                                         Prima Media)。(1/9)
人が検挙された。違反者は1年半~2年間の免許停止に



                                   ロシアの主要経済データ
                               実質GDP成長率        消費者物価指数             完全失業率                 経常収支                                  政策金利
                                  (前年比、%)      (年末年末対比、%)             (%)                (10億ドル)
                                                                                                                          期間                % (年率)
            2006年                       8.2                9.0            7.2                   94.7           2012/9/14~                    8.25
            2007年                       8.5               11.9            6.1                   77.8           2011/12/26~2012/9/13          8.00
            2008年                       5.2               13.3            6.3                  103.5           2011/5/3~12/25                8.25
            2009年                      -7.8                8.8            8.4                   48.6           2011/2/28~5/2                 8.00
            2010年                       4.0                8.8            7.5                   71.1           2010/6/1~2011/2/27            7.75
            2011年                        4.3               6.1            6.6                   98.8           2010/4/30~5/31                8.00
            2012年                 (1-3Q) 3.9               6.6     (11月) 5.4             (推計) 81.3             2010/3/29~4/29                8.25
            予算値(前年末策定)                   3.7               5.5                 -                   -           2010/2/24~3/28                8.50
2013年        最新公表値                         -                 -                 -                   -           2009/12/28~2010/2/23          8.75
             最新見込み値                    * 3.6                 -                 -                   -           2009/11/25~12/27              9.00
            (出所)                               連邦統計局                                     ロシア中銀                 2009/10/30~11/24              9.50
*経済発展省予測(12月10日付)                                                                                            出所:ロシア中銀



            ルーブルの対米ドル・日本円レート                                                                             外貨準備高
  44                                                                                                    (金を含む、10億ドル)
  43
  42               日本円(100円)
                                                                         550
  41               米ドル(1ドル)
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  • 1. ボストーク通信 2012年(平成25年)1月15日 通巻978号 Vol.978 1月15日 ト ッ プ ニ ュ ー ス スコルコボのITクラスタ -200社以上が登録- …2 【経済】空調機販売を強化 富士通ゼネラルがモスクワに事務所開設 …3 【資源】ノバテックとガスプロムが ヤマル半島のLNG事業で合弁へ …4 連 邦 ニ ュ ー ス 【経済】サムスンがロシアで一体型PCを生産?:輸入関税引き上げにより ..............................................4 【経済】北カフカス観光クラスタへスタブロポリ地方を組入:リゾート計画にてこ入れ ....................5 【食品】韓国KT&G、伊ランボルギーニのタバコをロシアで販売へ................................................................5 【食品】今年からキオスク等でビールの販売が禁止に:業者は違法販売を続ける .................................6 【食品】高級スーパー「アズブカ・フクサ」がペテルブルク進出 ....................................................................6 【食品】スターバックスがペテルブルク進出 .......................................................................................................6 【食品】ベルギーワッフルのチェーン店がペテルブルクにオープン ...........................................................7 【社会】ソ連解体から21年、約半数が崩壊を惜しむ ..........................................................................................7 【社会】ロシアの警察がマンガで子供に安全を説く ..........................................................................................8 極 東 ニ ュ ー ス 【経済】沿海地方知事の2013年仕事始め:劇場とホテルの工事進捗を視察 ............................................10 【資源】サハリン1向けの砕氷補給船が完成 .......................................................................................................10 【運輸】バム鉄道の一部区間が乗客輸送廃止の危機:住民が抗議集会 .....................................................10 【食品】ハバロフスクでキャビア30㎏を押収:後を絶たない密漁..............................................................11 【社会】サハ共和国でオオカミによる家畜被害拡大:オオカミ狩り月間始まる ...................................11 【自動車】2013年も続くクロスオーバー車新モデル ........................................................................................12 【自動車】2012年に躍進したソラーズ極東工場:春にはマツダ6の生産開始 ..........................................12 【自動車】年末年始の車の事故:海中への沈没や飲酒運転が増加..............................................................13 ロシイスカヤ・ガゼータ紙 (1月7日~11日) ......................................................................... 9 ベドモスチ紙 (1月7日~11日) ................................................................................................ 9 主要経済データ .............................................................................................................................. 13 禁無断複写(コピー)・複製・転載
  • 2. ボストーク通信 2012年(平成25年)1月15日 通巻978号 トップニュース 技術 スコルコボのITクラスタ:200社以上が登録 2010年秋の創設以来、ロシア版シリコンバレーと称されるイノベーションセンター「スコルコボ」には2012年末時 点で782の企業が入居登録を行った。スコルコボはIT、省エネ技術、核技術、バイオ医療、宇宙・通信の5つの クラスタから成るが、そのうち企業数が最も多いのはITクラスタで、12月中旬時点で238社を数えた(2011年末時 点では108社)。成果の実用化をも進んでいる同クラスタについて、12月24日付コメルサント・ジェニギ誌を中心 にまとめた。 開かれた門戸に毎週20件以上の申請 スコルコボには800社近い企業が登録しているが、実際 にモスクワ郊外の施設「ウラル」及び「ハイパーキューブ」 に入居しているのは50社ほど。しかし2013年末までの間 は、入居登録をするだけで固定資産税が免除され、コン ピュータやプログラムソフトを購入する際の関税及び付 加価値税も払わなくて済むようになり、社会保険料が 14%まで引き下げられる。また、年間売上が10億ルーブ ル未満、総利益が3億ルーブル未満ならば同期間の間 は法人税も免除される。入居企業に対しては、これらの 措置は2014年以降も、入居登録から10年間は適用され スコルコボの登録企業が入居するハイテクビル「ハイパーキューブ」 (写真提供:スコルコボ基金) る。また、登録した企業は2015年までに実際に入居しな ければならない。他にも、1月2日にはプーチン大統領 スのスコルコボ用子会社PACIが、クラウドコンピューティ が、スコルコボ入居企業の外国人職員の商用ビザの最 ング用仮想インフラの提供用プログラムの販売を昨年3 大期限を5年に拡大する法律に署名した。 月から開始したことが話題になった(本誌936号に関連記 登録するためにはスコルコボの専門家会議による審査 事)。製品のユーザーは発売から半年で15社に増え、ス に合格する必要がある。会議のメンバーは120人の国内 コルコボ・プロジェクトが結果を出せることを示す良いPR 外の専門家の中から審査ごとに10人が任意に選出さ になったという。他にも、以下の事業が商業化済みある れ、そのうち6人以上が賛成票を投じれば合格となる。ス いは近く商業化される見込み。 コルコボの設立以来、2年間で約1500の申請が集まり、 現在も毎週20~30件の応募があるという(本誌928号に関 ・辞書プログラムLingvoや光学文字認識(OCR)ソフト 連記事)。 FineReaderなどで知られるソフトウェア会社ABBYYの 入居登録した企業は、税制の優遇措置を受けるだけで 子会社が、画期的な文章翻訳・分析ソフトを開発中。 なく、スコルコボから補助金を受給できるチャンスもある。 ・鉱山開発産業用ソフトウェア会社ビスト・グループが、 ゼロからの立ち上げ段階の事業に対しては150万ルーブ 鉱山開発自動化用ソフト「知的採掘場」の開発費用4 ル以下、初期段階の事業には事業総額の25%以上、発 億2000万ルーブルを調達するために、株式を最大 展段階の事業には同75%以上が支給される可能性があ 25%上場するIPOを準備中。同社はロシアの鉱山開発 り、2012年末までに164社の176事業に対し総額86億 自動化プログラム市場(約4億ルーブル)の80%以上の ルーブルの支給が決定された。スコルコボ基金が本誌編 シェアを持つとされる。 集部に伝えたところによると、1月中旬時点ではスコルコ ・資源開発ソフトウェア会社Rock Flow Dynamicsが石油 ボに日本企業は入居していないとのこと。 ガス鉱床のモデリング用ソフトウェアを開発・販売中。 同社はロスネフチに吸収された石油会社ユコスの出 成果が出始めたITクラスタ 身者が設立した企業で、ルクオイル、ノバテック、TNK -BP、ロスネフチなどを顧客に持つ。 ITクラスの入居企業では、米ソフトウェア大手パラレル 2 目次に戻る
  • 3. ボストーク通信 2012年(平成25年)1月15日 通巻978号 ・3DモデリングソフトVIZERRAで知られるロシアのソフト が設立したもの。他にも、約5%はベンチャーファンドの ウェア会社「3Dreamteam」が、3D技術による都市計画 支援を受けた企業だという。 用プラットフォームソフトを開発中。同社はスコルコボ ITクラスタでは現在のところ、クラウド関連が多くクリーン 自体の設計にも参加した。 技術関連が少ないなどの傾向があるが、スコルコボでは 分野のバランスは市場の需要に任せて自らは介入しな ITクラスタの企業のうち3分の1はABBYYやパラレルス い意向とされる。 のような大手か中堅企業で、小規模企業にもITビジネス ちなみに、他にも1月、昨年ITクラスタの執行取締役を が本業の会社が多い。しかし、中には全くの新参企業も 務めていたトゥルコト氏が1億㌦のベンチャーファンドを ある。ユニークな試みとして、例えば、映画監督ベクマン 立ち上げることが明らかになった。資金の大半はスコルコ ベトフ氏のバゼレフス・イノベーションズ社による台本の ボの総裁も務める富豪ベクセリベルグ氏の投資会社レノ 半自動アニメ化ソフト「映画言語」の開発が挙げられる。 バが出し、ビッグデータ処理、新型メディア(映像や音声 の加工)、インターネット、IT医療の分野の初期段階の事 いつまでいられるかは企業次第 業に出資する。特にスコルコボで承認された事業に参加 する意向だという(1月11日付RBC Daily)。 ITクラスタのシュビンIT事業発展部長によれば、スコル コボの入居には期限はないが、現在は入居登録だけし 欧米の企業では、非流動資産に占める無形資産(知的 て実際には活動していない企業もある。こうした企業や、 財産やノウハウなど)が全体の30%に達している会社が 当初予定したプロジェクトを終えても新規事業を立ち上 少なくないが、ロシアではその割合が0.5%を超えること げない企業などは、スコルコボの登録が抹消されることに は滅多にないという。これは資源が国の経済に占める割 なる。シュビン氏によれば、今までは入居企業数が増え 合が大きいロシアにとっては当然とも言える。 る一方だったが、今後はこうした出入りのローテーション 他方、先端技術の後進国にとって、ITは多くの設備投 が発生し、全体としては500社程度で推移していく見込 資を必要とせず、個人の才覚で国際舞台へ躍り出ること みだという。「スコルコボは幼稚園ではないので、誰かの もできる分野であり、ロシアでもタタルスタン共和国など 手を引いてあげることはしない。入居企業は自分の実力 では近年人気を集めている(本誌969号に関連記事)。ま で道を切り開いていかねばならない」と同氏。 た、ベクセリベルグ氏やDST Globalのミリネル氏など、ロ とはいえ、先述の優遇や支援は特に中小企業などには シア人がITにカネを出す風土もあると見ることができる。 魅力的な条件である。スコルコボの入居企業の約7割は 今後IT分野ではどのような成果が出て、どのような形でロ ベンチャー企業で、その多くは大学や研究所の出身者 シア経済の近代化に作用していくのか注目される。 経 済 イ市(北カフカス連邦管区スタブロポリ地方)の税務庁舎 富士通ゼネラルがモスクワに事務所開設: (室内機60台、室外機6台)、サンクトペテルブルク市の移 民庁舎(室内機27台、室外機4台)、ニジニ・ノブゴロド市 空調機販売を強化 (沿ボルガ連邦管区ニジェゴロド州)のホームセンター(室 内機85台、室外機36台)などがある(JACサイトより)。 1月1日、電子・電気機器メーカー・富士通ゼネラルの JACはロシアCIS諸国に2000以上のディーラー企業を 欧州販売子会社のモスクワ駐在員事務所が活動を開始 傘下に持つ空調設備販売会社で、ビル用マルチ空調シ した。1月10日付で富士通ゼネラルがプレスリリースで伝 ステム(VRF)の販売数ではロシアの大手3社に入る。富士 えた。 通ゼネラルの他にも、三菱重工業やMDV(Midea)などの 富士通ゼネラルの欧州子会社は、1993年から現地代 製品を扱っている。(1/10) 理店を通じてロシアにエアコンなど空調機器を中心とす る同社製品を販売している。欧州ではギリシア、スペイ クラスノダルスク市(南連邦管区クラスノダルスク地方)の ン、イタリアなどの南部諸国が従来は大きな市場だった 病院に設置された室外機 (写真提供:JAC) が、近年これらの国の経済は減速している。他方、2011 年における全世界のエアコン需要が2006年比で128%な のに対し、ロシアは同253%で欧州最大の市場になって いる(本誌856号、907号、957号に関連記事)。 富士通ゼネラルのロシアCIS諸国におけるディストリ ビュータであるJAC(ГК АЯК;企業グループ「日本空調 器協会」)によれば、最近のエアコン設置の大口の実績と しては、2012年の夏から秋にかけてミネラルヌィエ・ボドゥ 3 目次に戻る
  • 4. ボストーク通信 2012年(平成25年)1月15日 通巻978号 資 源 のみで、他にウラジオストクでもプラントが建設される予 ノバテックとガスプロムが 定。LNGの輸出許可を持つのはロシアではガスプロムだ けで、ノバテックもガスプロムを通しての販売となる見込 ヤマル半島のLNG事業で合弁へ みだが、将来的には独自の輸出が認められる可能性も ある(本誌972号に関連記事)。 1月10日、国営ガスプロムと民間の石油ガス大手ノバ 専門家らは、今回の提携によりノバテックはガスプロム テックが、北極圏にあるヤマル半島(ウラル連邦管区ヤマ の鉱床が加わることで事業を拡大でき、ガスプロムは既 ロ・ネネツ自治管区)におけるLNG事業のために合弁会 にトタルと建設を進めているノバテックの技術やインフラ 社を設立することで合意した。同日付でガスプロムがプ を活用することで事業コストを下げられる利点があると指 レスリリースで伝えた。 摘する。生産されるLNGの主な向け先としては、欧州や 今後、両社は7月1日までに事業化調査を行い、年末ま 米国よりも相場が高いアジア太平洋諸国が期待されてい でに事業推進の最終決定を下して合弁会社を設立す る。米国のシェール革命などにより世界市場の情勢は流 る。 動的だが、ロシア政府が有用鉱物採掘税を免除するな ノバテックは現在、仏トタルと合弁(トタルの持分は20%) らば採算が合う可能性があるという。また、ガスプロムは でヤマル半島にLNGプラントを建設する事業を進めてお バレンツ海のシュトックマン・ガス田の開発が実質的に延 り、今年第2四半期には供給先との契約締結を開始し、 期されたため、ヤマル半島の事業には本腰を入れるだろ 2016年末から出荷を始める予定(1月10日付ベドモスチ うとの見方もある(1月10日付Expert Online)。 紙電子版)。 ガスプロムの2012年のガス生産量は前年比6.6%減の 同社とガスプロムはこれまで、同半島にガスプロムが持 4790億㎥。ノバテックは同7.1%増の573億㎥で、主にヤ つ鉱床の開発で1社、ヤマル半島の東隣りのグィダン半 マロ・ネネツ自治管区の鉱床で採掘を行っている。 島で両社が持つ鉱床の開発で1社、合計2社の合弁会 (1/11) 社をつくる予定だった が、1社にまとまる形に なった。関係者筋によ れば、新会社はトタルと の事業とは別個のもの ノバテック・トタル(1650万㌧予定) になる(1月11日付コメ ルサント紙)。 ガスプロム・ノバテック(1500-2000万㌧予定?) ガスプロムのミレル社 長によれば、ヤマル半 島 の LNG 事 業 は ノ バ テックとトタルによる年 サハリン2(960万㌧) 間1650万㌧のプラント 事業だけだったが、今 回の合弁により生産量 は 倍 増 す る。ロシ アで ウラジオストク(1000万㌧予定) は現在、LNGが生産さ れているのはサハリン 連邦ニュース 経 済 ロシア、ベラルーシ、カザフスタンから成る関税同盟で サムスンがロシアで一体型PCを生産?: は、1月25日から3000㌦未満の一体型PCに10%の輸入 関 税 が 導 入 さ れ る。こ れ は ロ シ ア の PC メ ー カ ー K- 輸入関税引き上げにより Systems(IRBISブランド)が昨年夏に経済発展省に提案し ていた措置で、関税導入により国内メーカーを保護する ロシアを含む関税同盟では、1月25日から一体型PCに ことが狙い。因みに、当初の案では価格による免除はな 輸入関税が導入される。既にロシアでテレビやモニタを かった。3000㌦以上の高価格機はアップル、ソニー、HP 生産しているサムスンは、一体型PCでも国内生産を行う が生産している。 ことを検討している。1月10日付でRBC Dailyが伝えた。 4 目次に戻る
  • 5. ボストーク通信 2012年(平成25年)1月15日 通巻978号 サムスンのアルタモノフIT部門主任技師によれば、同 ミネラリヌィエ・ボドゥイ市には2007年、特別経済区(面 社には既にカルガ州に大型の生産拠点があるため、必 積843ha)が設立。スパ付ホテル、ゴルフ場、アクアパー 要があればロシアで一体型PCのフルサイクル生産を行う ク、パラグライダー施設を含むリゾート「グランド・スパ・ユ ことも可能だという。他方、レノボのミシン・ロシアCIS東欧 ツァ」の建設が予定されていた。ところが特区は今に至る 担当代表取締役は、ロシアには一体型PCの部品サプラ も投資家を誘致できておらず、入居企業は皆無。税制面 イヤーがいないと指摘する。 での優遇措置のないことがネックになっているとKSKのビ サムスンは2008年からカルガ州の工業団地「ボルシノ」 ラロフ取締役会議長は見ており、今後は優遇措置が導 でモニタと液晶テレビを生産しており、国内向けは全量 入され、また入居者は国家から借入利息の補助金を得ら が国内組立品になっている。他にも、プラズマテレビ、ブ れるとのこと。 ルーレイプレイヤー、ホームシアター、3D LEDテレビな スタブロポリ地方リゾート観光省によれば、ミネラリヌィ どが生産されており、製品はベラルーシやウクライナやカ エ・ボドゥイ市のサナトリウムへの年間訪問者数は約75万 ザフスタンにも輸出されている。サムスンは2011年にモス 人、他に20万人ほどが民間施設を利用している。サナト クワのトベルスカヤ通りに旗艦店を開設し、新製品の販 リウムは132(総収容部屋数3万3500室)あるが、その大半 売に注力している(本誌923号に関連記事)。 がソ連時代のもので、大規模修理が必要とされる。同地 他にもロシアでは、Hyundai ITが現地生産の意向を 方のリゾート産業からの1年間の税収は約12億ルーブル 持っているとされる(本誌954号に関連記事)。(1/10) で、税収全体の14%を占めている。 なお、北カフカスのリゾート開発にはイタリアの建設会 サムスンのカルガ工場 (カルガ州発展公社サイトより) 社や韓国の電力会社も参加を決定している(本誌956号 に関連記事)。 ちなみに、カリーニングラード州(北西連邦管区)では昨 年末、投資家誘致の実績を上げられなかった観光型特 別経済区「クルシスカヤ砂州」が、この先の展望なしとし て特区指定を外された。(1/9) 食 品 韓国KT&G、伊ランボルギーニの タバコをロシアで販売へ エッセブランドで有名な韓国のタバコ大手KT&Gが、イ タリアの高級タバコ「トニーノ・ランボルギーニ」(TL)をロシ アに輸出する計画を立てている。1月10日付でRBC Dai- 経 済 lyが伝えた。 北カフカス観光クラスタへスタブロポリ地方 KT&Gは、トニーノ・ランボルギーニ社と共同でTLブラン を組入:リゾート計画にてこ入れ ドのタバコを開発、韓国では昨年4月に販売を開始した。 同国ではタバコ1箱は平均で2㌦するが、TLは2.37㌦(小 北カフカスの観光クラスタへスタブロポリ地方が含まれ 売価格)で売られている。昨秋には中国とシンガポール ることに伴い、同地方のリゾート計画を国営リゾート開発 の免税店及び香港へ輸出を開始、今年の3月までにはロ 会社「北カフカスリゾート」(KSK)が管理・運営することに シア、台湾、アラブ首長国連邦へ、4月には日本への輸 なった。1月9日付でコメルサント紙が伝えた。 出も計画している。 昨年12月末の連邦政府決定により、スタブロポリ地方 情報分析機関「ロシア・タバコ」のコロレフ代表取締役 は北カフカス連邦管区とクラスノダル地方及びアディゲ は、ロシアのタバコ市場でTLは最後の新規参入業者に ア共和国にまたがる観光クラスタに含まれることになっ なるかもしれないと見ている。ロシアでは今年、タバコ規 た。これにより、観光クラスタ発展事業の管理・運営を行う 制の大幅な強化が計画されており、メーカーやディストリ KSKが、同地方ミネラリヌィエ・ボドゥイ市のリゾート計画も ビュータはマーケティングを行うことが事実上不可能にな 担当することになった。 るからだ。タバコの広告の全面禁止や小売店での陳列 KSKは、2010年メドベージェフ大統領(当時)が発表した 禁止に加え(本誌970号に関連記事)、3月からはタバコの 北カフカス地方でのスキーリゾート建設計画を受けて設 パーケージへの警告写真掲載の義務付けも予定されて 立された(株式保有率は連邦政府98%、対外経済銀行と おり、KT&Gにとっては厳しい船出となる。3月以前に生 ズベルバンク2%)(本誌848号に関連記事)。 産されたタバコについては、いつまで販売が許されるの 5 目次に戻る
  • 6. ボストーク通信 2012年(平成25年)1月15日 通巻978号 か不明で、警告写真が添付されていないタバコをKT&G 食 品 がロシアへ輸出して販売が許可されなくなった場合、同 高級スーパー「アズブカ・フクサ」が 社はこれらの商品を廃棄処分せざるを得なくなる。 ペテルブルク進出 なお、KT&Gは2010年にカルガ州に自社工場を開設し ている。ただし同工場には高級タバコを生産する技術は 日本製食品の取り扱いなどもある高級スーパー「アズブ なく、TLの現地生産は行われないと見られる。 カ・フクサ」がサンクトペテルブルク1号店をオープンし イタリアの高級車メーカー「ランボルギーニ」創設者の た。12月21日付でアズブカ・フクサがプレスリリースで伝 息子であるトニーノ・ランボルギーニ氏が創設したTL社 えた。 は、キーホルダー、野球帽、ボールペン、時計等の高級 新店舗はブィボルグ街道沿いにあるショッピングセン ブランドを展開。TLはロシアでも有名なブランドで、例え ター「コスモポリス」内に開設され、売場面積は1100㎡、 ば銀のシガレットケースはモスクワでは4000~1万㌦で販 投資金額は400万㌦。付近には高級住宅街があり、十分 売されている。(1/10) な買い物客が期待できるという。アイテム数は1万8000点 で、約半数は生鮮品、また約2割は地元産品。プレスリ 食 品 リースでは、日本の菓子職人モリカワ・ヒデキ氏のケーキ 今年からキオスク等でビールの販売が もあることが宣伝されている。 禁止に:業者は違法販売を続ける アズブカ・フクサは1997年創立の高級スーパーチェー ンで、ロシアで最初に品質管理基準ISO9000の認証を取 1月1日からロシアでは小型仮説店舗でのビールの販 得した小売業者。今回の新店舗の他に、モスクワ及びモ 売が禁止されたが、その多くで今も販売が続けられてい スクワ州に51店舗を展開しており、2011年度(2012年3月 る。1月9日付でRBC Dailyが伝えた。 決算)の売上は216億ルーブル。同社では、今後5年の間 今年からビールはアルコール飲料の範疇に含まれるこ にサンクトペテルブルクに15店舗以上を出店する計画。 とになり、小型仮設店舗(面積50㎡未満)ではビールを販 (12/21) 売できなくなったが、販売を続けている店がロシア各地 で多く見られる。中には、表向き商品としては避妊具や おつまみを扱い、そのおまけとしてビールを付けたり、あ るいは陳列こそしないが常連客には販売していたり、隠 れて販売しているキオスクもある。もっとも大半の業者は 従来通り堂々と販売を続けており、摘発された場合でも 賄賂等でお目こぼしを願うつもりの業者もいる。キオスク 販売業者連盟のデニソワ氏は、法を守るつもりの業者で さえ多くは年末年始休暇が終わるまでは販売をやめない だろうと見ている。 その一方で、違法者の摘発が既に開始された地方もあ る。オムスク州ではバス等の停留場でアルコールを販売 アズブカ・フクサ・ペテルブルク1号店 (同社サイトより) している業者を警察が摘発、行政法違反として商品が没 収された。ウリヤノフスク州でも似たようなケースが報告さ れている。 食 品 業者が違法を承知でビールの販売を続けるのにはや スターバックスがペテルブルク進出 む得ない面もある。キオスクでは売上の4割をビールが占 めるため、その販売の有無は事業の存続に関わる死活 12月中旬、米カフェチェーン大手スターバックスがサン 問題となるからだ。また、摘発されても商品の没収と5万 クトペテルブルクに同市で最初の3店舗をオープンした。 ルーブル以下の罰金で済むので抑止効果も小さい。 12月28日付でベドモスチ紙が伝えた。 法律に従ってビール販売をやめた業者の身の振り方 出店したのは市内のショッピングセンター(「ピーテルラ は2週間もすれば明らかになると見られる。経済発展省 ンド」、「ネフスキー・ツェントル」、「メガ・ドゥイベンコ」)内 では、タバコの販売規制が重なることもあって、17万5000 で、最初にオープンしたピーテルランド店には初日に 店が閉鎖に追い込まれ、50万人が職を失う可能性もある 1000人もの来客があり、3日目まで行列が途絶えることは としている(本誌970号に関連記事)。(1/9) なかったという。 スターバックスをロシアで展開しているのは、同社とク ウェートのフランチャイズ運営会社Alsyayaの合弁会社で 6 目次に戻る
  • 7. ボストーク通信 2012年(平成25年)1月15日 通巻978号 ある有限責任会社「コーフェ・シレナ」。スターバックスは 見ている。大手製菓企業もそれほど多くないため菓子市 ロシアに2007年に進出し、現在はモスクワ及びモスクワ 場全体の伸びしろも大きく、ゴーフルはニッチ分野に食 州に61店舗を出店している。コーフェ・シレナのアクバリ い込むチャンスがあるという。 代表取締役によれば、今後5年間に、100万人都市を中 ゴーフルは、同社プレスリリースによれば2008年から 心にこれまでの5年間よりも多数の店舗を出店する意向 チェーンを展開。現在、ロンドン、パリ、ブリュッセル、上 (12月13日付ノーボスチ通信)。 海等にチェーン店があり、ロシアではこれまでクラスノダ スターバックスは自社ブランド品は米国から輸入し、消 ル市(南連邦管区クラスノダル地方)に数店舗を出店して 費期限の短いものは現地で調達している。サンクトペテ いる。(12/28) ルブルクでは、ベーカリーチェーン「ブシェ」がサプライ ヤーに選定されている(12月14日付ベドモスチ紙)。 社 会 (12/28) ソ連解体から21年、 食 品 約半数が崩壊を惜しむ ベルギーワッフルのチェーン店が 2012年12月30日、ソ連誕生から90年が経った。12月26 ペテルブルクにオープン 日はソ連解体から21周年だった。解体について国民は どのように考えているか、聞き取り調査の結果を12月29 ベルギーワッフルのチェーン店「ゴーフル」(Gofre)がサ 日付で全ロシア世論調査センターが発表した。 ンクトペテルブルク市にオープンした。12月28日付で飲 ソ連が崩壊して残念か? (%、以下同) 食業界の情報サイトRestoranoved.ruが伝えた。 2002 2012 ゴーフルはフランチャイズ方式による店舗展開を行って 残念 65 56 おり、ペテルブルク店を開設したのは財務・法律コンサ 残念ではない 27 33 ルティング企業「アルマ」のオーナー、ワシュチナ氏。80 無回答 7 11 出所:全ロシア世論調査センター、以下同 万ルーブルを投じてショッピングセンター「リゴフ」のフー ド コ ー ト 内 に 出 店 した。同 店 で は、ゴ ー フ ルの 通 常 メ ソ連は領内の諸民族の ニューであるワッフル数種の他、菓子や飲料の販売も行 文化的・経済的発展に貢献したか? う。 2002 2012 ゴーフルでは、ワッフルの生地(丸型のリエージェワッフ 貢献した 72 67 ル)は本場ベルギーの有名シェフMiguel Iribarrenのレシ 阻害した 18 20 ピをもとにセントラルキッチンで作られ、各販売拠点に配 無回答 10 13 送される。芳香添加剤や保存料を一切含まない高級ワッ フルで、それを客の目の前で焼いて提供する。販売形態 ソ連の崩壊は不可避だったか? 1998 2000 2005 2012 はスタンド、キオスク、ワゴンショップとさまざまだが、内装 不可避だった 25 27 34 35 は統一され美的効果も配慮されている。 避けられた 58 64 57 55 ペテルブルクではワッフルのテイクアウト店はまだ数が 無回答 17 9 10 10 少なく、新規参入者にとっては有望な市場だと専門家は ソ連の崩壊に関してあなたの意見に近いのは? 1992 2012 ペテルブルクのワッフルチェーン店「ゴーフル」 (同チェーンサイトより) ゴルバチョフ、シェワルナゼ、ヤコブレフの政 18 45 策の結果により崩壊した 領内諸国が独立を求めた不可避の結果だ 20 18 ソ連は共産主義的全体主義国家だったの 27 13 で、民主化による終焉は予定調和のこと 中央が力ずくで抑えようとしなければ、新生 22 13 ソ連に残った国は多数あったはず 無回答 12 12 ソ連が崩壊して残念か? 1992.3 1999.1 2007.11 2012.12 残念 66 74 55 49 残念ではない 23 16 36 35 無回答 11 10 10 16 出所:レバダ・センター 7 目次に戻る
  • 8. ボストーク通信 2012年(平成25年)1月15日 通巻978号 調査結果は別表の通り。回答者は国内138地域の1600 こと、不審人物から逃げる時には手荷物を捨てること、横 人で、調査期間は12月1~2日。ソ連崩壊から20年余りを 断歩道を使って道路を渡ることなどが詩の形式も用いて 経て、その原因は当時の指導者たちの政策にあるが、崩 説かれている。 壊自体は不可避だったとする見方が増加した。また、崩 冊子は内務省のサイトにアップロードされているほか、 壊を惜しむ声は依然として半数以上を占めていた。 モスクワの子供に配られる。 また、世論調査機関レバダ・センターが12月14~17日 ロシアのマンガ愛好者の中には、内務省が漫画家の選 に国内の18歳以上1600人を対象に行った同様の調査で 定に予算を惜しんだとして、絵の水準に不満を表明する は、ソ連崩壊を惜しむ人の割合は49%まで低下している 声も出ている。また、『有害な助言』等の著作がある作家 との結果が出た(11月11日付レバダ・センター)。(1/11) オスチョル氏は、「作家や心理学者らの協力を仰がずつ くったこの手の冊子が役に立つとは思えない」と指摘した 社 会 (12月28日付コメルサントFM)。(12/27) ロシアの警察がマンガで 内務省が作成した冊子「警察から子供たちへ!」 (同省サイトより) 子供に安全を説く ロシア内務省が子供が安全な生活を送るための決まり を日本風のマンガ形式で描いた冊子「警察から子供たち へ!」を発行した。12月27日付で内務省がプレスリリース で伝えた。 内務省によれば、冊子は「子供が親しみやすいように 日本式コミックス(マンガ)の様式で制作」された。冊子で は、留守番中に見知らぬ人が来てもドアを開けないこと、 困ったときは窓やベランダから近所の人に助けを求める 目次に戻る 8
  • 9. ボストーク通信 2012年(平成25年)1月15日 通巻978号 今週の ロシア有力紙 主要記事 1月7日~1月11日 ロシイスカヤ・ガゼータ紙 ロシア政府が発行する日刊紙。 《Российская Газета》 法令や政府決定なども掲載される官報。 発行部数は17万部。 1月7日 1月8日 「休刊日」 1月9日 1月10日 「2013年は環境保全年、環境破壊に対する罰則強化へ 」 メドベージェフ首相は9日、環境問題に関する会合を開き、環境保護の取組みと監視態勢の強化を要 請した。首相はロシアの環境対策の遅れを指摘し、官民双方に改善を求めた。環境関連の違法行為は 行政法及び刑法で取り締まられている。ロシアは今年を環境保全年と定めており、昨年末には2020年ま での環境保護国家プログラムを承認した。首相は、10年前には環境問題は国家の優先課題には含まれ なかったが、世界がこの問題に取組む今、ロシアでも官民挙げての具体的な対策が必要と述べた。ドン スコイ天然資源・環境相によれば、4月までに関連する連邦特別プログラムを策定し、遂行のために官民 から総額1000億ルーブルを調達する考え。プログラムの対象には、ソ連時代から放置されたままの多数 の兵舎も含まれる。 1月11日 「レーニン図書館の屋上からサムスン広告を撤去:モスクワ市が広告規制を進める」 屋外広告への規制強化を決めたモスクワで10日、クレムリン脇にある国立図書館(旧レーニン図書館)の 屋上に据えられた巨大なロゴ広告の撤去が始まった。この地区はユネスコの歴史遺産に指定され、広告 は禁止だが、一文字が高さ7m、重さ1200kgに及ぶ韓国サムスンの巨大広告は1999年から設置されてい た。同市のチェルニコフ・マスコミ広告局長によれば、撤去には約2週間を要し、費用は広告会社が負担 する。市は、順次他の広告主にも撤去を要請、拒否された場合は市が自己負担で撤去し、裁判による費 用の賠償請求も辞さない構え。市は昨年12月、屋外広告に関する法規を承認、横断幕広告や壁面広告 に続いて屋上広告も禁止した(サムスンの広告のようなロゴのみのものは歴史的建造物以外では屋上なら ば設置可)。これに基づき、市は既に3万件の各種屋外広告を撤去した(本誌904号に関連記事)。 * ベドモスチ紙は1月7日から11日は休刊 目次に戻る 9
  • 10. ボストーク通信 2012年(平成25年)1月15日 通巻978号 極東ニュース 経 済 沿海地方知事の2013年仕事始め: 劇場とホテルの工事進捗を視察 2013年仕事始めの1月9日、ミクルシェフスキー沿海地 方知事は、建設中のオペラ・バレエ劇場と、2つの5つ星 ホテルの視察を行った。同日付で沿海地方政府サイトが 伝えた。 2012年9月のAPECサミットに向けて建設が進められて いたオペラ・バレエ劇場(本誌967号に関連記事)は、現 ビトゥス・ベーリング号 (ソフコムフロート社サイトより) 在も配線工事などが続いているが、いくつかのフロアで は既に仕上げ段階に入っている。その他に大小ホール ガゼータ紙が伝えた。 の視察を終えた知事は、専門技術者の数が少なすぎる サハリン大陸棚開発では、石油掘削プラットフォームが として、増員と作業のスピードアップを要求すると共に、 使われているが、こうしたオホーツク海上の石油掘削プ 「何か問題があれば言ってほしい。政府として実務的な ラットフォームに対し年間を通じて補給を行うには、氷海 解決を図る」として、完成に向けた決意の程を示した。 を航行できる船舶が必要である。このため、サハリン1の さらに知事は同じく建設が続いている2つの5つ星ホテ 供用を目的として、2年ほど前に国営船舶会社ソフコムフ ル(本誌969号に関連記事)を訪問、請負業者と面会し、 ロ-トが砕氷補給船2隻の建造を受注。建設は韓国STX 建設責任者に対しては、「ホテルが操業開始に漕ぎ着け 傘下のフィンランドの造船会社STX Finland Oyと統一造 るまで、オフィスではなく現場であるここで仕事をすべき 船会社の合弁企業により、主にサンクトペテルブルクの だ」と命じるなど、作業の進捗状況について不満を露わ 造船所で行われ、このほど1隻目が完成した。発注者は にした。さらに、今後も完成まで月に2回は知事自ら建設 サハリン1のオペレータであるエクソン・ネフチェガスで、 現場に足を運び、責任者と面会するつもりと述べた。 今回のビトゥス・ベーリング号及び次回の2号船は、サハ オペラ・バレエ劇場と、2つの5つ星ホテルについては、 リン沖のアルクトゥン・ダギ鉱床で操業する石油掘削プ メドベージェフ首相が2013年6月1日までに始業させるよ ラットフォームへの補給の任に就く。 う命じており、年始休暇を返上し、1月4日から工事が再 ビトゥス・ベーリング号は、優れた推進装置や船位保持 開されていた(本誌977号に関連記事)。(1/10) システムを持ち、氷海航行能力も高い。冬季にも中断さ れることなく、サハリン島沖で操業する石油掘削プラット フォームに交代要員や必要不可欠な補給品や消耗品を 届けることができるため、シリーズ建設を続け、サハリン2 プロジェクトなどの他の採掘事業でも使用されることが予 想されている(1月10日付Sakhalin Media)。(1/11) 運 輸 バム鉄道の一部区間が 乗客輸送廃止の危機:住民が抗議集会 建設中の5つ星ホテルを視察したミクルシェフスキー沿海地方知事 1月10日、アムール州のトゥインダ地区の4つの村の住 (沿海地方政府サイトより) 民300人以上が、マイナス40度の中、同地区を走るバム 鉄道の路線存続を求める抗議集会を行った。同日付で 資 源 ロシイスカヤ・ガゼータ紙が伝えた。 サハリン1向けの砕氷補給船が完成 住民たちは、「我々の移動の自由を奪うな!」「コムソモ リスク~トゥインダ-命の道」などと書かれたプラカードを 1月10日、サハリン1プロジェクト用の多機能砕氷補給 手にして次々に集まった。同地区に自動車道はない。鉄 船「ビトゥス・ベーリング」が完成し、プーチン大統領参加 道が唯一の交通手段であり、運行が停止されれば住民 のもとで命名式が行われた。1月11日付でロシイスカヤ・ は病院や役所に行く手段を断たれる(1月11日付アムー 10 目次に戻る
  • 11. ボストーク通信 2012年(平成25年)1月15日 通巻978号 サハ共和国 位。クライニー連邦漁業庁長官によれば、ロ ネリュングリ シアのキャビア生産業は密漁業者のせいで ハバロフスク地方 発展を阻害されているという。ロシアは公式に は年間9㌧のキャビアしか生産していないこと バ トゥインダ ム になっているが、国内市場には密漁者により 鉄 道 この倍の数量が流通していると言われる。長 アムール州 官は、「チョウザメの養殖場を作って繁殖数を コムソモリスク・ ナ・アムーレ 増やしつつ、密漁業者と闘ってゆく。また、特 別な店でだけ販売されるよう国家が流通を厳 しく監視する必要がある」と述べた(12月25日 付ロシイスカヤ・ガゼータ紙)。 沿海地方 ちなみに同地方のニコラエスク・ナ・アムー レ市では2011年夏からチョウザメのふ化・養 ウラジオストク 殖場の建設が進んでおり、2014年までには同 ル・インフォ)。 様の養殖場を7つ、同地方内に建設する予定(本誌908 2012年12月、連邦旅客会社(ロシア鉄道関連企業)は、 号に関連記事)。(1/10) トゥインダ~コムソモリスク・ナ・アムーレ間、トゥインダ~ネ リュングリ間の乗客輸送を2013年3月末に廃止することを 社 会 決定した。鉄道側は、これはロシア鉄道への政府の補助 サハ共和国でオオカミによる 金が削減されたことによる経営最適化の結果であり、何 家畜被害拡大: らかの代替輸送手段があると考えてのことだと説明して いるが、実際はトナカイ以外には移動手段はないという。 オオカミ狩り月間始まる シェルビン・トゥインダ地区長は、「抗議集会は今日で終 サハ共和国(ヤクーチア)で、オオカミの増加により家畜 わりではない。この問題に目を向けてもらわなければなら への被害が拡がっている。これを食い止めるため、1月15 ない」と述べた。住民たちは訴えがこのまま聞き入れられ 日から3ヶ月間にわたって、オオカミ狩りを奨励する特別 なければ、線路に座り込んで列車を停止させることも辞さ 月間が始まる。1月9日付でサハ共和国政府サイトが伝え ないとしている。(1/11) た。 食 品 現在、共和国内に生息するオオカミは3500頭にのぼる が、専門家によれば多くても500頭以下であるべきだとい ハバロフスクでキャビア30㎏を押収: う。同共和国内でオオカミに襲われた家畜(トナカイ)は、 後を絶たない密漁 2006年には約4000頭だったが、2012年には1万6000頭 にまで増加しており、被害額は1億5000万ルーブルにの 1月10日、コムソモリスク・ナ・アムーレ市(ハバロフスク地 ぼる(1月7日付サハ共和国政府サイト)。 方)で40代の男性から、漁獲が禁止されているチョウザメ 家畜への被害が増加した要因のひとつは、オオカミの 類の卵、約28㎏(ブラックマーケット価格で約50万ルーブル 生息する山間部やタイガ地帯で主食となる野ウサギなど 相当)が押収された。同日付でノーボスチ通信が伝えた。 の数が減少し、その結果、オオカミが群れごと共和国内 調べによればこのキャビアは、男性が昨年の夏、チョウ の中心部へと移住してきたことだと考えられる。被害が大 ザメ類の生息地であるアムール川流域のウリチスク地区 きいのはコビャイスク、アルダンスク、トムポンスク、モムス にて自ら加工したもので、プラスチックケースに小分けに ク、オイミャコン地区など。 して今まで自宅で保管していたが、新年の祝日を前に販 ボリソフ・サハ共和国大統領は、共和国政府に対して 売しようとしたという(1月10日付インタファクス通信)。 非常事態体制の導入を提案し、1月15日から3ヶ月間に 同地方では、絶滅が懸念されるアムール・チョウザメと わたる“拡大するオオカミの群れとの闘い”が始まることに ダウリチョウザメ(カルーガ)の商業漁獲は1983年以降禁 なった。この期間、オオカミを仕留めたハンターには毛皮 止されており、人工養殖のための調査目的に限って許 の買い取り金が出され、最も優秀なハンター3名には総 可されている (本誌888号、908号に関連記事)。しかし、 額数十万ルーブルの賞金も用意される。昨年は特別編 2012年の1年間に摘発された密漁行為は110件で、損害 成されたハンター部隊が730頭のオオカミを駆除した。 額は7億3000万ルーブルにのぼるとされる。 また、共和国ではこの3ヶ月間に限らず、1年を通してオ 専門家によれば、世界でキャビアの市場規模は100 オカミ狩りを解禁することが決定されており、オオカミの数 億㌦。イランが1位でシェア54%を占め、現在ロシアは2 が適切な500頭程度に減るまで続けられる。(1/9) 11 目次に戻る
  • 12. ボストーク通信 2012年(平成25年)1月15日 通巻978号 2013年沿海地方の公式ディーラーに投入予定の新型車 (2013年) ディーラー 取扱ブランド 新型車名(タイプ) 備考 パシフィック・アフト ООО"Пасифик Авто" 三菱自動車 アウトランダー(クロスオーバーSUV) 2012年12月よりカルガ工場で生産開始。 アルタイル・アフト 2013年は7年に1度のモデルチェンジの年。ディーラーは韓国 ООО"Альтаир-Авто" メルセデス・ベンツ (A・B・E・F・ML・GLセグメント車) Ssang Yong車も扱うが、今年はメルセデスのみに注力。 ロガン(セダン) トリウムフ・アフト・ダーリニ・ボストーク ООО"Триумф авто Дальний ルノー サンデロ(小型ハッチバック) モスクワ工場で生産。 Восток" コレオス(SUV) アフタリテト・アフト アルメーラ(セダン) アルメーラ:ロシア向け特別仕様車。2012年12月にトリヤッチ ООО"Авторитет Авто" 日産 ジューク(クロスオーバーSUV) のアフトワズ工場で生産開始。 スモウトリ・アフト 現在、クロスオーバーSUV「CX-5」を量産中のウラジオストクの ООО"Сумотори-Авто" マツダ マツダ6/日本名アテンザ(セダン) マツダ・ソラーズ合弁工場で、2013年春から生産開始予定。 スモウトリ・アフト ООО"Сумотори-Авто" スバル フォレスター(クロスオーバーSUV) スモウトリ・アフト クーガ(コンパクトクロスオーバーSUV) ООО"Сумотори-Авто" フォード エクスプローラー(SUV) スモウトリ・アフト ビートル(セダン) VW ООО"Сумотори-Авто" ゴルフ7(ハッチバック) ソレント(クロスオーバーSUV) 2012年11月にはソレントのニューモデル(第2世代)が販売開 スモウトリ・アフト シード(ハッチバック/SW) 起亜 始。Cクラスの第3世代セラトーは世界に先がけ、ロシア市場 ООО"Сумотори-Авто" セラトー(セダン/ハッチバック) に投入。 K9/クオリス(大型セダン) サミット・モータース トヨタ Rav4(クロスオーバーSUV) 新型ボディの第4世代。 ЗАО"Саммит Моторс" オペル・モッカ(クロスオーバーSUV) グランド・モーターズ オペル シボレー・タホ(フルサイズSUV) モッカはオペル初のクロスオーバー車。 ООО "Гранд Моторз" シボレー シボレー・トレイルブレイザー(中型SUV) オペル・アダム(ハッチバック) ボストーク・ウアズ ガズ ガぜリ・ネクスト(LCV) 4月にプレゼンテーションの予定。 ООО "Восток-УАЗ" Lada Largus(SW・ライトバン) ダリ・ラーダ ラーダ Lada Granta(セダン) ОАО "Даль-Лада" Lada Kalina、Lada Priora 出所:Prima Mediaを元にJSN作成 との合弁工場がオープンし、10月には量産が始まった 自動車 (本誌961号、966号に関連記事)。現在、生産ラインは二 2013年も続くクロスオーバー車新モデル 交代制で、これまで3000台のクロスオーバーSUV「CX- 5」が生産された。 2013年も沿海地方の新車市場には多くの新モデルが また2012年はSsang Yong車の新モデルが大量に投入 投入されるが、その約3分の1がクロスオーバーSUV。 された年でもあった。1月に中型SUV「カイロン」の生産ラ 2013年、沿海地方のディーラー各社に投入される予定 インを拡大、3月には小型SUV「アクティオン(ガソリンエン の(既に販売開始しているものも含む)新車外国車につい ジン)」、続いて「アクティオン・スポーツ」、中型SUV「レクス て1月11日付でPrima Mediaが伝えた。ディーラーごとの トンW」、「アクティオン(ハイブリッド)」など次々に生産を開 一覧は上表の通り。(1/11) 始した。2012年のSsang Yong車生産台数は3万2691台 で、前年比30.2%増、最も人気が高かった小型SUV「ア 自動車 クティオン」がそのうち1万7000台を占めた(1月11日付 フィンマルケト通信)。 2012年に躍進したソラーズ極東工場: 2013年春には、「ソラーズ極東」敷地内のマツダ・ソラー 春にはマツダ6の生産開始 ズ合弁工場で、新型セダン「マツダ6(日本名アテンザ)」 の生産が開始される。また時期は不明ながら、三井物 ウラジオストクの「ソラーズ極東」工場が年末年始の休暇 産・ソラーズの合弁会社により、トヨタ・ランドクルーザー を終え、2013年の操業を再開した。1月10日付で自動車 プラドの生産も始まる予定。(1/11) 市場調査会社アフトスタットが伝えた。 2012年は「ソラーズ極東」が大きく飛躍した年だった。 9月にプーチン大統領も立ち会いの下、敷地内にマツダ 12 目次に戻る
  • 13. ボストーク通信 2012年(平成25年)1月15日 通巻978号 自動車 処され、アルコール検査を拒否した場合にも同様の処分 年末年始の車の事故: を受ける可能性もある(1月5日付News-vld.ru)。 また、ウラジオストクでは1月7日の早朝、アムール湾の 海中への沈没や飲酒運転が増加 氷が割れて走っていた車が海中に沈む事故が発生し た。目撃した釣り人の証言では、「突然物凄い音がして 年末年始の休暇にはスピード違反や飲酒運転など車 氷が割れたかと思うと、数台の車があっという間に水中へ の事故が急増する。また、ウラジオストクでは交通事故に 沈んでいった」という。駆け付けた救助隊は氷上に3ヶ所 加え、アムール湾の氷が割れて走行中の車が海中に沈 の穴と、沈みかけたトヨタ・カローラを発見した。運転して むという事故も発生している。1月9日付でボストーク・メ いた男性はなんとか脱出して無事だったが、残りの2台は ディアが伝えた。 水中に沈んだままである。 国家道路交通安全局(GIBDD)によれば、1月1日~7日 救助隊関係者は釣り愛好者らに対し、「厚く丈夫に見え にハバロフスク市で起きた道路交通法違反は5757件で、 ても氷には無数のひびがあり、振動で崩壊する。氷の上 そのうちスピード違反が1481件、飲酒運転151件、信号 を車で走ることは禁止されているし、絶対にやめてほし 無視が303件、他にも歩行者による禁止場所での道路横 い」と訴えた。この冬の釣りシーズンではまだ犠牲者こそ 断402件などがあった。連休の最終日で教会暦のクリス 出ていないものの、アムール湾域ではこれまで約10台の マスの翌日にあたる1月8日には、1761件もの違反が記 車が氷の下に沈んだ。道路交通監視局は、違反者は 録された(1月9日付ボストーク・メディア)。 500~1500ルーブルの罰金に処すとして警告している(1 ウラジオストクでも毎年、この時期には普段の2~3倍に 月9日付DV-ROSS)。ウラジオストク市内の数ヶ所には、 のぼる件数の飲酒運転が検挙される。道路監視局は増 車での氷上走行を禁止する立札も設置された(1月9日付 員態勢で厳しい取締を行っており、1月1日~5日には70 Prima Media)。(1/9) 人が検挙された。違反者は1年半~2年間の免許停止に ロシアの主要経済データ 実質GDP成長率 消費者物価指数 完全失業率 経常収支 政策金利 (前年比、%) (年末年末対比、%) (%) (10億ドル) 期間 % (年率) 2006年 8.2 9.0 7.2 94.7 2012/9/14~ 8.25 2007年 8.5 11.9 6.1 77.8 2011/12/26~2012/9/13 8.00 2008年 5.2 13.3 6.3 103.5 2011/5/3~12/25 8.25 2009年 -7.8 8.8 8.4 48.6 2011/2/28~5/2 8.00 2010年 4.0 8.8 7.5 71.1 2010/6/1~2011/2/27 7.75 2011年 4.3 6.1 6.6 98.8 2010/4/30~5/31 8.00 2012年 (1-3Q) 3.9 6.6 (11月) 5.4 (推計) 81.3 2010/3/29~4/29 8.25 予算値(前年末策定) 3.7 5.5 - - 2010/2/24~3/28 8.50 2013年 最新公表値 - - - - 2009/12/28~2010/2/23 8.75 最新見込み値 * 3.6 - - - 2009/11/25~12/27 9.00 (出所) 連邦統計局 ロシア中銀 2009/10/30~11/24 9.50 *経済発展省予測(12月10日付) 出所:ロシア中銀 ルーブルの対米ドル・日本円レート 外貨準備高 44 (金を含む、10億ドル) 43 42 日本円(100円) 550 41 米ドル(1ドル) 540 538 40 530 527 528 39 530 524 38 37 33.7938 RUB 520 514 513 510 514 511 515 36 510 505 35 34 500 33 490 32 30.2607 RUB 31 480 30 2/1 3/1 4/1 5/1 6/1 7/1 8/1 9/1 10/1 11/1 12/1 1/1 29 出所:ロシア中銀 12/10 12/17 12/24 12/31 1/7 1/14 出所:ロシア中銀 13 目次に戻る