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国はどのようにウソをつくのか?
• 国は事業を進めるにあたり、住民にウソを
ついたり、事実を隠して事業を強行しようと
する習性があります。
• ここでは熊本県の川辺川ダム事業を例に、
国がどのように事業を進めるかを振り返っ
てみましょう。
2018年7月 二見孝一
国はどのようにウソをつくのか?
• 熊本では川辺川ダムを建設したい国と、ダ
ムを作って欲しくない住民側が、「討論集
会」で双方の主張を激突させました。
• この資料は、 (約20年ほど前)私が市民団
体の事務局長をしていた時、市民・専門家
がみんなで力を合わせてまとめたものです。
国はどのようにウソをつくのか?
• 長い住民の反対運動が実を結び「討論集
会」のあと、民主党に政権交代して「川辺
川ダムは建設中止」になりました。
• この資料本編は、2001年~2003年にかけ
て行われた住民討論集会時にまとめたも
のがメインです。少し古い記述もあります
が、その点を含みおいてご覧ください。
国はどのようにウソをつくのか?
• スライドの数もかなり多く、また数字もいろ
いろと出てきますが、住民が力を合わせて
まとめ上げた成果を見ていただければ、こ
んなにうれしいことはありません。
• では、本編資料をどうぞ。
川辺川ダム 入門講座
川辺川・めぐり観音の清流
美しい球磨川を守る市民の会 事務局長 二見孝一
住民討論集会とは?
国と住民が、ダムについて
公開で討論を行う
(2001年~2003年にかけて合計9回開催された。)
住民討論集会の様子
双方の主張を展開
住民側の説明
国の説明
住民討論会の様子(第一回)
途中退場のハプニングも
潮谷知事が引き留めるも、
ダム推進派が討論途中で
退場し始めた。
推進派大動員(第5回)
• ダム推進派が、早朝4時から駐車場
と会場を埋め尽くす大動員
• 会場は、建設業者を中心とした
ダム推進派が占拠
(翌日の新聞にも、建設会社の社命で出席との記事)
• 一般市民は会場に入れず約1000人
が締め出しを食らった
不公正な討論集会
• 国は住民側の攻撃とあげ足取りに終始
• 質問にもまともに答えず、はぐらかし
• 住民側専門家の交通費や経費も出さず
• 討論に必要な情報の公開も不充分
住民側の負担は大きいが、川辺川ダム
計画の矛盾が次々と明らかになった
国はなぜダムを造るのか?
建設目的 : 発電
国によるパンフレットやホームページなどでの説明
暮らしを支えるクリーンなエネルギーを
供給します
ダムによる落差を利用し、最大
16500kwの電力を生み出します
既存の4つの発電所
廃止 廃止
廃止
廃止される発電所と差し引き≒0
既存の発電所がダム湖に沈むので
発電量はほとんど増えません
16500Kwを発電
600Kwだけ
増える
15900Kwが水没
■明らかになった事実
建設目的とされていた
発電も破綻している
国はなぜダムを造るのか?
建設目的 : 利水
農地に農業用水を供給します。
利水事業は、農家からの申請(要望)
に基づいて実施されたはずですが、、、
ところが、その受益者である農家が
「ダムからの水はいらん」と裁判をおこしました。
利水事業を行うには、農家の3分の2以上
の同意が必要です。
その同意署名の取り方に大きな問題があった。
■事業の中止とウソをついて署名を取っていた。
■署名が代筆されていた。
■署名が修正液などで変造されていた。
■死んでいるはずの人の署名がたくさんあった。
新聞記事に見る利水事業
■朝日新聞 平成11年12月7日
新聞記事に見る利水事業
■朝日新聞 平成10年9月8日,10月9日
新聞記事に見る利水事業
■朝日新聞 平成10年10月15日
ダムの水は、いらん!
利水目的破綻
裁判は農民勝訴!
農家の意向を基に、新たな利水計画の
策定が始まりました。
農家アンケートの結果は、川辺川ダムを推進し
たい国にとって、絶望的なものでした。
第一回目の農家アンケート結果
「川辺川ダムからの水が必要」と回答
した農家は4%だった。
川辺川ダムをあきらめない国は、、、
国は新しい利水案を作成しました。
ところが、、、、
中小河川から水を引いたり、ため池を造ったりするより
「川辺川ダム建設が最も安くて工期も短い」
と公表しました。
「国は反省もせず、現状を無視した計画を造って
いる」と、農家から反発が起こっています。
■明らかになった事実
建設目的とされていた
利水も破綻している
国は、なぜダムを造るのか?
扇千景 国土交通大臣の国会答弁
2001年3月1日 第151回国会衆議院予算委員会
「川辺川ダムの工事というものは必要なん
だ、国民の生命財産を守るということがま
ず一義的なものなんだ。」
「球磨川では、少なくとも昭和38年に死者4
6人、40年には6人、そして47年には2人
が亡くなっている。」
国による強制収用
■球磨川漁協は2度にわたり補償交渉を否決
■国は話し合いを中断し、一転して強制収用へ
■この強制収用を行う申請書類にも、「主要洪
水調書」として多数の洪水死者を記載
■強制収用を行う行為を正当化している
強制収用のために国が作成した
「川辺川ダム事業認定申請書」P38
114名もの洪水死
者の一覧を示し、
「地域住民の物心
両面の安寧をも
たらす」と、ダム
の公益性を主張
住民が調査した「豪雨災害での死者と場所・原因」
多数の死者は、洪水ではなく
土砂災害による死者だった
洪水による死者
洪水以外の死者
この事実を討論集会で指摘したら、、、
第4・5回住民討論集会での国土交通省答弁
■工藤啓・河川調査官
「我々の見解と致しまして、球磨川本川の氾濫を原因と
する死者が1名か2名かということが問題ではないと。
原因は何であれ、極めて痛ましい被害であると。」
■塚原健一・川辺川工事事務所所長
「建設省が“上流域の人命を川辺川ダムで救える”と
いった根拠がありますかと、それを出して下さい。」
■明らかになった事実
川辺川ダムでは救えない
多数の死者を、ダム建設
の根拠にしていた!
■死者のごまかし
知事への説明、議会での弁明、再評
価委員会、住民への説明会など、、
みんなだまされ続けていたのです
緑のダムとは?
■土砂災害から生命を守ります
■保水力が向上します
■地域の雇用も確保されます
森林の大伐採が行われていた!
昭和30年代から40年代にかけて、
森林が伐採されました。
その結果、洪水や土砂災害が発生
森林の伐採面積推移
0
5
10
15
20
1938 1943 1948 1953 1958 1963 1968 1973 1978 1983 1988 1993
5年間の伐採面積/森林面積
木を切ると山が荒れる
過度の森林伐採が災害の原因です
39・40昭和29年 54
10
%
5%
15
%
20
%
5
年
ご
と
の
森
林
伐
採
の
割
合
と災害死者数
46、7 57
森林が大伐採された
森林が生長してきた
人吉上流域における森林の生長
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
60,000
70,000
80,000
1970年 1980年 1990年 2000年
面積 ヘクタール
~10年
~20年
~30年
~40年
国の計画:古いデータ・計算方法
住民側 :最新データ・計算方法
0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
7,000
1953 1958 1963 1968 1973 1978 1983 1988 1993 1998
トン/秒
球磨川治水計画策定
国
住民側
実績流量/タンクモデル計算流量(川辺川・柳瀬地点)
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
1.2
1.4
1.6
1950 1960 1970 1980 1990 2000
実績流量/計算流量
R = 0.802
森林が育つと、
洪水流量が少なくなる
森
林
若
い
森
林
生
長大規模伐採伐採前
昭和40年
0.8
1
1.2
1.4
1.6
1950 1960 1970 1980 1990 2000
80年に一度の洪水時の平均ピーク流量
■流域の森林状態の変化により、川の増水も変化しています
(年代別タンクモデルによる、1954年を1とした相対値)
年
平
均
ピ
ー
ク
流
量
の
相
対
値
人工林の生長
ダム計画策定
一斉拡大造林
10%
20%
森林の治水機能の推移
■適切な間伐を行うと、山の保水力が上がります
(人吉上流域 全流域が自然林とした時を1とする)
0.5
0.6
0.7
0.8
0.9
1
1940
1950
1960
1970
1980
1990
2000
2010
2020
2030
2040
年
流
域
の
平
均
浸
透
能
(相
対
値
)
人工林の放置
0.5
1.0
1.5
2.0
相
対
値
(
適
正
管
理
人
工
林
)
適正林
スギ
ヒノキ
適正な管理(間伐など)をした針葉人工林を1としたときの相対値
スギ
ヒノキ
スギ
スギ
ヒノキ
適正林適正林 適正林
ヒノキ
(林野庁公益的機能研究会 1985)
①洪水時の増水量 ②洪水時のピーク流量 ③渇水流量
1
1
11.2 1.3 1.4 1.5
0.8 0.7
photo8
photo2
大通峠南側(五木村側)峠頂上より約80 m下
植林されたまま其の後の手入れがなされていない樹齢15年
ヒノキ林(25年生)斜面上部
間伐なし.林床暗い
川辺川流域 御通峠付近
川辺川流域
御通峠付近
ヒノキ林
(25年生)②
斜面中部
同一斜面を
アップ
細根・中根が全
面的に露出地表
流の発生を裏付
けている
川辺川流域 御通峠付近
ヒノキ林(20年生)
林床は暗い
細・中根が露出、表土10~20㎝
は流亡(斜面下部、傾斜30度)
林床が暗く、スギの落葉枝が厚く推積している
手入れの悪い30年生スギ人工林(川辺川上流)
photo7
手入れの悪い
30年生スギ人
工林
(川辺川上流)
スギの落葉を
そっと退けると、
細根ばかりか、
中根まで露出
している。
腐植ばかりか、
表土の流亡の
結果で、地表
流が頻繁に発
生していること
を示している。
放置人工林と自然林との浸透能の比較
0
1
2
3
4
5
6
7
8
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19
調査地番号
人
工
林
と
自
然
林
の
浸
透
時
間
の
比
人工林:2.5
自然林:1
浸透能調査の様子 川辺川上流域 手入れの悪い人工林
浸透能調査の様子 熊本県 川辺川上流域
洪水流量の比較による間伐の効果
■間伐のあと、洪水流量が減少しています
(依光良三編著 2003 「破壊から再生へ アジアの森から」)
日雨量 mm/日
日
流
量
500 100 150 200
100
1000
10000
100000
間 伐 前
間 伐 後
間伐前(1995)
間伐後(2001,2002)
m3/日
森林の土砂災害防止機能
【斜面崩壊の模式図】
■すべり面になりやすい基盤層の隙間に根が入る事で、抵抗
力が高くなり、斜面崩落を起こしにくくします(安部 1997)
基 盤 層
土 壌 層
伐採、植林、その生長過程での
根が土砂をつかむ力強さの変化
■伐採後、10数年後にもっとも斜面崩壊の危険性が高くなります
100 20 30 40 50 60
0
1
2
植 林 後 (伐 採 後) の 年 数
木
の
根
が
土
を
つ
か
む
力
トン/m2
3
4
5
植林木の根の力 伐採木の根の力
杉を間伐しない場合
杉を間伐した場合
土
を
つ
か
む
力
が
も
っ
と
も
弱
い
0
5
10
15
20
相
対
値
(
適
正
管
理
人
工
林
)
適正林
スギ
ヒノキ
適正な管理(間伐など)をした針葉人工林を1としたときの相対値
適正林 適正林
スギ
スギ ヒノキ
ヒノキ
(林野庁公益的機能研究会 1985)
④土壌浸食量 ⑤崩壊発生面積
11
4.0 14.0
1.6 1.8
水俣市土石流災害(平成15年7月20日)現場写真
水俣市土石流災害(平成15年7月20日)現場写真
水俣市土石流災害(平成15年7月20日)現場写真
水俣市土石流災害(平成15年7月20日)現場写真
水俣市土石流災害(平成15年7月20日)現場写真
0
5
10
15
20
25
0-0.5 0.5-
1.0
1.0-
1.5
1.5-
2.0
2.0-
2.5
2.5-
3.0
3.0-
3.5
3.5-
4.0
4.0-
4.5
4.5-
5.0
5.0-
5.5
5.5-
6.0
スギ・ヒノキ人工林など
松枯れ跡地
水俣宝内川の崩壊人工林
松・モミ枯れ未発生と仮定
根の土をつかむ強さと斜面崩壊の関係
■根が土をつかむ力が弱いと、斜面崩落がおこりやすい
(水俣データ含む)
生立木の根系緊縛力(トン/m2)
斜
面
崩
壊
箇
所
数
斜面崩壊 斜面崩壊なし
森林・林業基本法(2001年改訂)
雨水の流れ
雨
↓
雨
↓
河
川
流
出
量
ピ
ー
ク
流
量
表層流
中間流
地下帯水流
地表面
地表面
森林斜面での浸透能と河川流出パターン
浸透能:小 浸透能:大
表層流
中間流
地下帯水流
■浸透能が大きいと、ピーク流量が下がります
0
1000
2000
3000
4000
5000
6000
1954年
8月
1954年
9月
1963年
8月
1964年
8月
1965年
7月
1971年
8月
1972年
7月
1982年
7月
1993年
8月
1995年
7月
1997年
7月
72年洪水適合モデル
63年洪水適合モデル
95年洪水適合モデル
54年洪水適合モデル
実際の洪水時の実績流量
年代別流域状態の洪水ピーク流量
■すべての洪水パターンで同じ傾向を示す → 適合が良い
(80年に一度の洪水(500mm/2days)の時の洪水ピーク流量(柳瀬))
対象洪水
河
川
流
量
m3/S
針葉樹林と広葉樹林の増水の違い
■雨が降った時、広葉樹林の方が川の増水がゆるやかです
山地裸地
杉林
広葉樹林
雨量:220mm/日
100 20 30 40 50 60
0.0
1.0
2.0
(塚本 1992)
時間(h)
河
川
流
出
量
m3/S
20.0
40.0
0降
水
量
mm/hr
「緑のダム」 森林整備計画
■「緑のダム」は雇用を生み、地域を活性化します
(整備期間を20年で試算)
■強間伐による針広混交林化
球磨川全流域の森林面積(約16万ha)の63%の人工林(約10万ha)を
森林組合を核にした「森林整備隊」を組織して実施
・必要総労力
40(人・日/ha)×100,000(ha) = 4,000,000(人・日)
・1日あたりの人員数
4,000,000(日・人)/250(日/年)/20(年) = 800(人)
・20年間の雇用総費用
800(人)×500万円(円/年)×20(年) = 800億円
・20年間の実際の地域の雇用総費用
800億円×50%(国庫補助) = 400億円
・年間の実際の地域の雇用費用
400億円/20(年) = 20億円
川辺川ダムは50年間の維持管理費だけでも650億円必要
川辺川ダムの維持費用を
転用するだけで整備可能
洪水被害の実態
川辺川ダムでは生命を守れません
緑のダムが人命を守ります
川辺川ダム 107.5m
国はなぜダムを造るのか?
建設目的 : 治水
ダムがなければ大洪水が発生すると
いう国の説明を検証してみました。
国の説明は本当なのか?
■八代では
現在の川で流せる流量は?
川を整備すればどれだけ流れる
の?
国の今までの説明では、、、
もし、川辺川ダムがないと
八代では20年に一度、
堤防が決壊し、1850億
円の被害が発生する
国の八代での決壊予想図
20年に一度はこうなると説明
ところが、国が堤防が決壊すると主張していた流量の
洪水が昭和57年7月に実際に発生しました
しかし、その時の水位は堤防の上から3mも下でした
しかし、事実を調べてみると・・
萩原堤防には充分な余裕がある
堤防が大洪水時の水位より、はるかに高く作られて
おり、充分な余裕がある事がわかります
実際の堤防高
200年に一度の洪水水位
ダムなしの洪水最高水位
八代地区の準二次元不等流計算
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
0 1 2 3 4 5 6 7 8
河口からの距離 km
標高 m
(萩原地点の流量:8,600トン/秒)
萩
原
観
測
所
八代ではダムがなくても
洪水時の流量が流れる
萩原堤防は計画より高く、
さらに余裕がある。
充分な余裕あり
計画堤防高
8,600トン/秒が流下した時の水位
こんなに川幅が広がりました
250年間決壊していません
昭和22年 平成7年
これまでの国の説明では 、、、
川辺川ダムがないと、川幅を50m~120mも
広げなければならない
今
ま
で
の
説
明
は
何
だ
っ
た
の
で
す
か
?
住民の指摘を受け、
「川を少し掘れば大丈夫」
平成10年 国土交通省資料より
H13.12.09 川辺川ダムを考える住民大集会での
塚原・川辺川工事事務所所長の発言
国も八代でダム不要を認めました
潮谷知事さんからもご指摘がございまし
たが、確かに、八代地区だけを見れば、
あと70億円で、八代の皆様だけは80年に
1度の洪水に対して安全に暮らせるかも
しれません。
さらに強い堤防へ改修決定
工事すれば更に安全になるのだが、、、
250年間決壊していない萩原堤防は、
強化堤防に生まれ変わる
堤防の厚みが増す
萩原堤防の強化工事の怪
• 国は以前から萩原堤防の強化工事を予定
していました
パンフレットやHPでも重点事業として紹介
堤防の工事は平成13年度に予算がつきました。
いよいよ工事開始の予定だったのですが、、、
ところが、住民団体が八代ではダム不要を指摘した後、工事が中止されました
工事事務所の「事業概要」からの記述
もなくなりました。なぜか?
ダムは4000億円で80年に一度の洪水に
しか対応できないのに、
堤防強化ならわずか29億円で200
年までの被害を防げます。
ダム事業に悪影響が出るのを
恐れたのです。
■八代では
充分な流下能力があり、
川辺川ダムは不要
■人吉では
現在の川で流せる流量は?
川を整備すればどれだけ流れるの?
国は、計画どおりの河川整備を
進めても4000トンしか流れない
と言っている。
だからダムが必要だ・・・と
人吉では、昭和57年に
過去最大の5400トンの水
があふれずに流れた
4000トンしか流れない
はずなのに・・・
進んだ河川改修(人吉60/600)
過去の大水害と同じ規模の洪水が発生しても
現在の人吉では、堤防から溢れない
今、昭和40年大水害の洪水が起こったら、、
昭和42年の川 平成6年の川
川から溢れた 堤防から溢れない
進んだ河川改修
人吉でも川幅が広がりました
国の計画では
ここまで川底を下げる
更に、たくさんの水が
流れるようになる
国の河川整備が残っている!
国交省の計画河道横断図(人吉)
ところが、国は計画はなかったことにして
住民側に説明を押し付けている
■最近では、「河床掘削」は住民側の提案であり、
国の計画ではない。
とこじつけしています。
■人吉では
国の計画どおり川底を下げ
れば、川辺川ダムは不要
中流域
球磨村・芦北町・坂本村地区
河川改修が遅れており、
ダムができても浸かります
遅れた河川改修
改修が必要な42地区のうち、工事が
済んでいるのは、わずかに8箇所
改
修
前
の
葦
北
・白
石
地
区
浸
水
状
況
中流域
球磨村・芦北町・坂本村地区
河川改修を早急にかつ
最優先に実施すべき
■効果に見合った事業か
【費用対効果】
国はダムの効果金額を
過大に算出している
もし、川辺川ダムがないと
【八代】
20年に一度、堤防が決壊
【人吉】
5年に一度、堤防が決壊
本当は、こんなに
決壊していません
国の決壊予想図
費 用 対 効 果
使う税金 < 防げる被害
事業が成り立つ
使う税金 > 防げる被害
税金の無駄使い
しかし、八代にダムが不要ということは
千
九
百
億
の
血
税
洪
水
防
止
効
果
八
代
の
効
果
が
消
え
効
果
の
方
が
小
• 総額4000億円を超える巨額の税金が使われます
• 使うお金に見合った効果があるかを、費用対効果
といい1.0を下回ると事業は実施できません
費用に見合わない事業
ところが、川辺川ダム事業は流域最
大の人口・資産を持つ八代市で不要
な事がわかりました
費用対効果は1.0を割り込むので、
川辺川ダム事業は継続不可能です
採算割れになる事業
ダムには多くの
デメリットがあります
深刻な環境破壊
巨額の維持費・撤去費用
水没住民の苦痛
危険なダム放水などなど・・
■効果に見合った事業か
費用対効果
費用対効果が1.0を割り、
事業は継続できません
■洪水調節流量
調節を行う流量は?
調節はダムで大丈夫か?
ダムで大丈夫?
もし、ダムが
パンクしたら?
計画以上の
洪水が来ると
満
杯 ダ
ム
ダム案
代替案(ダムなし)
緊急放流
危険
ダムはパンクしないのか?
80年に一度の大雨でさえ
川辺川ダムはパンクする
恐ろしい事実!
国の内部資料でも
報告されていた!
平成10年度 球磨川水系治水計画検討業務報告書
市房ダム完成後の洪水水位
市
房
ダ
ム
完
成
後
の
洪
水
水
位
S54.7.17
S47.7.6
S46.8.5
S40.7.3
ダム完成以前の洪水水位
もし、ダムの能力を超える洪水が来たら・・・
【超過洪水】
想定より大きな洪水時の操作(国交省チラシより)
放流量=流入量
と言う事は、ダムは洪
水を調整していない
この時、ダムによる洪水
調整を信じていた下流で
は大きな被害が発生する
■必要な治水対策
ダムに頼らない
治水対策とは
治水対策の進め方
■人吉地区
改修が進み、現在では戦後最大規模の洪
水が発生しても、堤防からあふれない
2段階の河川整備
中期的整備
長期的整備
中期的整備
理論的な80年に一度の流量に対応
■国が計画している河床掘削
を実施すれば対応可能
長期的整備
安全性を充分にみた流量に対応
■人工林の強間伐を進める
緑のダムによる対策が基本
・河床掘削
・堤防嵩上げ
・遊水地
・余裕高の弾力的運用など
住民が選択できる
情報公開
住民参加
河川整備計画の策定
河川法が改正され川が住民の手に帰ってくる
新制度は
住民が主役
河川整備計画
広がる取組み
インターネット検索
5000件ヒット
河川整備計画とは?
国交省の説明では
・住民と行政の連携
・住民の意見を反映
・歳月をかけて議論
・同じ目線で話合う
基本的スタンス
中間報告
事例紹介
淀川水系
国土交通省の白川での取組み
住民意見の反映
白川での堤防計画の変遷1
改
善
白川での例 変遷2
堤防をスリムにして、
できるだけ家を残しました。
改
善
白川での例 変遷3
さらにスリムにして、
できるだけ樹木を残しました。
改
善
白川での例 変遷4
川岸を掘ることで
さらに堤防の高さを抑えました。
改
善
白川での例 変遷5
白川が見えるようにします。
折りたたみ式堤防の採用
住民意見の反映と改善
人吉での堤防嵩上げ案
数十mの堤防幅が必要
多数の住居移転
900億円もの補償費用
?
住民意見の反映
を!
ハードでは、安全を
守りきれない!
情報で守る時代だ
では、なぜ非公開?
重要な防災情報
球磨川だけ非公開
これからの治水
情報公開
住民参加
しかし、球磨川・川辺川では
住民の意思を無視し、
強制収用までしてダム建設を
強行しようとしています。
必要な治水代替対策
住民と行政の
パートナーシップで進める
ダムに頼らない
総合治水対策を
ま と め
■ ダムで生命は守れない
■ ダムに頼った治水は危険
■ 過去最大の洪水が
あふれずに流せる
■ ダムなしの治水対策が安全
川辺川ダムにおける
情報公開の実態
情報公開は
説明責任の基本
• きちんとした情報が
• 速やかに公開されること
【情報公開法 第十条】
• (開示決定等は)開示請求があった日から
30日以内に
しなければならない
9月初旬に資料公開を要求したが
資料が届いたのは、1月下旬
資料入手まで、4ヶ月半
この間、2回の討論会で資料使えず
セミが鳴くころ請求し、
公開されたら雪景色
首を長くして
待っていた資料は、、、
• 不充分な開示資料
• 【実例紹介】
【実態1】 4ヶ月も待たされた回答は、、、
•平成10年度 川辺川ダム治水計画検討業務報告書
資料は捨てました。
文書の保存期間を過ぎたので廃棄
ダム事業は完了していないのに、
重要な報告書を本当に捨てたのか?
【実態2】 球磨川の流下能力資料
•公開分は、支流のわずか2.6キロ
球磨川本流の公開なし!
理由:「本流の資料は行方不明」
【実態3】 代替案の費用は?
• 2100億円の詳細な
内訳がこれ
• その他一式
• 768億円?
【実態4】 洪水時の水位は?
•黒塗り理由も意味不明
個人情報である建物の浸水深
を明らかにすると、個人の権
利利益を害する恐れがある
【実態5】 開示された議事録
•これでも、公開したと言えるのか?
求められた情報を、きちんと
公開できない
• 「ダム建設の必要性を
説明できない」
みなさん、次の世代のために
このかけがえのない川辺川を
共に守りつづけましょう。

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