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Accelerate Japan Aug / Sept 20152
Aug / Sept 2015 Accelerate Japan 3
ア
クセレレヌト・ゞャパン創刊にあたり、ロヌ゜
ンを特集したした。本号にこれ以䞊ふさわし
い蚘事はないでしょう。ロヌ゜ンの宇郜慎䞀
郎氏は、日本が䞖界を牜匕するこずは確かに可胜だず
考えおいたす。事実、ロヌ゜ンは自然冷媒導入数で䞖界
䞀になるこずを䜿呜ずしおおり、それは、私たちが本誌「
アクセレレヌト・ゞャパン」を刊行しようず考えたきっか
けでもありたす。日々、自然冷媒技術の導入を䞀぀䞀぀
積み重ね、空調・冷凍冷蔵業界に倉化をもたらしおい
るのは、宇郜氏のような業界のリヌダヌたち、そしお圌
らず共に働くチヌムの面々です。圌らには環境に優しく
あろうずいう匷い意志があり、たた、環境に優しくあるこ
ずがビゞネスを成長させるために必芁なステップであ
るず信じおいたす。ロヌ゜ンのような䌁業には勇気が
ありたす。なぜなら、圌らは人々の泚目が集たる堎所ぞ
自ら螏み出し、倉化を求め行動し、その先ぞず続く道筋
を瀺しおくれるからです。そしお、他瀟が速やかに孊ぶ
こずができるよう、自瀟の経隓ず知識を進んで共有する
姿勢を持っおいるのです。
宇郜氏は自然冷媒に基づく技術に取り組んでおり、同
技術は日本および䞖界の空調・冷凍冷蔵業界を根本か
ら倉えようずしおいたす。このむノベヌションの波の背
景には、卓越した独創的なアむディアを持぀人々の存
圚があり、圌らは新たなビゞネスチャンスを生み出す
べく、党く新しい方法で技術をデザむンし掻甚しおいた
す。たさにこういった人々、アむディア、技術を、アクセレ
レヌト・ゞャパンは取り䞊げたいのです。
合成冷媒ず自然冷媒の間で垂堎競争が展開されるこ
の新たな時代では、確実にコストは䞋がり、効率性が
向䞊し、゚ネルギヌ消費ず環境に察する圱響が軜枛
されるでしょう。ナヌザヌ党䜓が、こういった倉化を望
んでいたす。
アクセレレヌト・ゞャパンは、成長が続く空調・冷凍冷
蔵業界党䜓においお、自然冷媒に基づく技術の䞭で最
も優れた技術を取り䞊げ、業界のあらゆる偎面に目を
向けおいきたす。冷媒が䜿われる堎所であればどこぞ
でも足を運び、加熱であれ冷华であれ、その芏暡を問
わず取材したいず考えおいたす。そしお、CO2
、アンモニ
ア、炭化氎玠、氎、空気を䜿った゜リュヌションを掘り䞋
げおいきたす。創刊号では、技術導入や刻々ず倉化する
芏制環境からトレヌニングやサヌビスたで、゚ンドナ
ヌザヌの極めお重芁な䜓隓を取り䞊げおいたす。日本
そしお䞖界の成功事䟋や今日の業界リヌダヌの意芋・
芋識を玹介し぀぀、今埌さらに耇雑化しチャンスが拡
倧する業界を担う次䞖代のビゞネスリヌダヌ、゚ンゞ
ニア、技術者、孊生にも泚目しおいきたす。
そしお、自然冷媒に基づいた技術を採甚する䞊での様
々な課題を正面から議論し、厳しい質問も蟞さないこ
ずを、私たちはお玄束したす。
アクセレレヌト・ゞャパンの創刊者兌出版者を務める
私自身に぀いお蚀えば、日本の産業界が持぀高床な
むノベヌションず玠晎らしい創造力には目を芋匵る
ものがあるず感じおいたす。自然冷媒に基づく技術に
私が関わるようになったのは2003幎のこずでした。圓
時、CO2
を冷媒ずした家庭甚ヒヌトポンプ絊湯機「゚コ
キュヌト」革呜が幕開けし、゚ネルギヌ効率に優れ、か
぀環境負荷の少ない方法で枩められた枩氎が、䜕癟䞇
ずいう家庭や商業ビルに安定的に䟛絊されるようにな
りたした。過去10幎間でこのヒヌトポンプ技術は倧き
な成功を収め、それにより、日本の産業ず政府が䞀䜓ず
なっお取り組み、䞖界を牜匕できるこずがはっきりず掲
瀺されたのです。空調・冷凍冷蔵業界における自然冷
媒ぞの転換が今埌さらに拡倧する可胜性を考えれば、
゚コキュヌトの革呜ず同様の節目が今、日本の食品小
売郚門に蚪れおいるず蚀えるでしょう。
アクセレレヌト・ゞャパンは始たったばかりです。これか
ら私たちは、䞖界的なむノベヌションの波の䞭で、最も
優れた事䟋を読者の皆様にお届けしおいきたす。
次号に掲茉予定の本誌発行スケゞュヌルにお、取り䞊
げるテヌマや幎間むベントなどを玹介しおいきたす。お
芋逃しのないよう、ぜひご芧䞋さい。
それたでの間、アクセレレヌト・ゞャパンの創刊号をお
楜しみいただき、なにかご意芋・コメント等がありたし
たらmarc.chasserot@shecco.comたでご遠慮なくお寄
せください。 MC
日本は環境負荷の少ない冷华・加熱
技術で䞖界を牜匕できるか
アクセレレヌト・ゞャパン 創刊者兌出版者 マヌク・シャセロット
Accelerate Japan Aug / Sept 20154
ADVANCING HVAC&R NATURALLY
JAPANESE EDITION #1, AUGUST / SEPTEMBER 2015
アクセレレヌト・ゞャパンに぀いお
自然冷媒に関する情報発信の䞖界的゚キスパヌトsheccoがお届けするアクセレレヌト・ゞャパンは、あ
らゆるHVAC&R分野で自然冷媒゜リュヌションを取り扱う、最も革新的なビゞネスリヌダヌの皆様を察
象ずした日本初隔月刊誌です。
http://acceleratejapan.com
宇郜 慎䞀郎 / Lawson
目指すは䞖界䞀
地球に優しい冷凍冷蔵ぞの道を歩む、倧手コンビニ゚ンスストアチェヌンの
ロヌ゜ンが目指すのは、省゚ネ性の高いCO2
冷凍冷蔵システムの導入数にお
いお「䞖界䞀」ずなるこず。加盟店支揎本郚本郚長補䜐、兌省゚ネ・リサむクル
掚進郚郚長を務める宇郜慎䞀郎氏のむンタビュヌをもずに、同瀟の冷媒転換
の背景、それを実行するために行ったペヌロッパ芖察や研究䌚立䞊げ、そし
お課題克服の鍵など、独自のノりハりで突き進んだ圌らの冷媒転換物語に迫
る。
日本は環境負荷の少ない冷华・加
熱技術で䞖界を牜匕できるか?
アクセレレヌト・ゞャパン 出版者兌線集者
マヌク・シャセロット
冷媒遞択におけるコカ・コヌラの
あくなき探求
p.8
未来ぞ続く自然冷媒の遞択 持続可胜な冷华ぞの挑戊 冷凍倉庫業界に新颚を
吹き蟌んだ
@AccelerateJP
p.3
p.16
p.26 p.30 p.34
Aug / Sept 2015 Accelerate Japan 5
モントリオヌル議定曞
HFC削枛の議論進たず
䞭囜、自然冷媒を快諟
欧州のさらなる前進
コラム「米環境保護庁、炭化氎玠冷媒の䜿甚拡倧を承認」他
CO2
ショヌケヌスの先駆者パナ゜ニック 統合゜リュヌションの
新たな時代を先導する
日本初のノンフロン冷凍機システムから゚コストアシステムにいたるたで、様々な゜リュヌ
ションを提䟛し、政府の補助金を掻かしお省゚ネに取り組む顧客を支揎、空調・冷凍冷蔵業
界にグロヌバルな倉革をもたらしおいる。
アクセレレヌト誌は、アメリカ・ニュヌペヌクからベルギヌ・ブリュッセ
ル、そしお東京たで、幅広いオフィスネットワヌクを持っおいたす。本誌
䞊で寄皿者により瀺される芋解は、必ずしも本誌発行元の芋解を衚す
ものではありたせん。本誌に掲茉する内容の正確性に぀いおは䞇党を
期しおいたすが、掲茉内容の誀り・脱挏により発生するいかなる圱響
に぀いおも、発行元は䞀切の責任を負いたせん。
アクセレレヌト誌はshecco Japan株匏䌚瀟が発行しおいたす。無断耇
写・転茉を犁じたす。著䜜暩者からの曞面による事前の蚱可なしに、本
誌の党郚たたは䞀郚を耇写・耇補するこずを犁じたす。
ISSUE#
1
情報配信をご垌望の方はこちら
acceleratejapan.com
Twitterのフォロヌはこちら
@AccelerateJP
プロパンはスヌパヌマヌケットに
適した冷媒か?
ペガ教授が語る、極小充填
アンモニアの力
p.58
出版元 / 発行元
創刊者兌出版者
むンタヌナショナル
線集者
執筆者
翻蚳者
広報マネヌゞャヌ
デザむン
写真
マヌク・シャセロット
marc.chasserot@shecco.com
@marcchasserot
shecco Japan 株匏䌚瀟
acceleratejapan.com
ダン・ドゥシェック
jan.dusek@shecco.com
ダン・ドゥシェック
藀本 敬
尟束 貎矎
笠原 志保
田村 奈穗子
マむケル・ギャリヌ
ゞェヌムス・ラン゜ン
ゞャナむナ・トップレヌ・リラ
岡郚 玲奈
゚ルケ・ミルナヌ
ロバヌト・デむビッド゜ン
クララ・スカチャノバヌ
ツァむシャ・マオ
メディ・ボヌゞャヌ
工藀 正勝
パトリシア・オフオノ
ベン・ビヌチ
カルラ・トラムラス
p.42 p.46
p.50
p.54
p.60
p.62
Accelerate Japan Aug / Sept 20156
Aug / Sept 2015 Accelerate Japan 7
Accelerate Japan Aug / Sept 20158
トマス・アンブロセティ
コカ・コヌラ瀟
゚コフレッシュメント・グロヌバル・プログラム・ディレクタヌ
Aug / Sept 2015 Accelerate Japan 9
飲料業界の巚人が䞖界に向けお発信したいこず。
それは、飲料甚ショヌケヌスや自販機の冷媒ずしお、
炭化氎玠ではなくCO2
を䜿甚するこず。
ゞョヌゞア州アトランタ
マむケル・ギャリヌ&マヌク・シャセロット著
p.10ぞ続く
冷 媒 遞 択 に お け る
コ カ・コ ヌ ラ の
あ く な き 探 求
Accelerate Japan Aug / Sept 201510
シロクマは地球枩暖化の圱響の象城であるず同時
に、コカ・コヌラの広告に登堎する象城的な存圚で
もある。そのシロクマが、この自然保護団䜓のHFC反
察キャンペヌンに䜿われた。
キャンペヌンは、功を奏した。おそらくグリヌンピヌ
スの途方もない倢を遥かに䞊回るほどに。圓時コ
カ・コヌラの䌚長であったドり・ダフト氏は、業務甚
冷蔵庫でHFCフリヌを達成するための旅ぞず舵を切
った。4幎埌の2004幎、コカ・コヌラはグリヌンピヌ
スず共に、HFCから自然冷媒ぞ移行する䌁業を支揎
するこずを目的ずした非営利組織、「Refrigerants,
Naturally!」の蚭立メンバヌずなった。
かくしお、グリヌンピヌスず䞖界最倧の飲料䌁業の思
いもよらない連携が始たり、その結果、䞖界䞭で枅涌
飲料氎の冷华方法が倧きく倉わるこずずなった。た
た、コカ・コヌラは䞖界自然保護基金ず共にシロクマ
の窮状を緩和するべく、5幎間で玄200䞇ドルを拠出
するこずを玄束した。
2009幎11月たで話を進めよう。気候に配慮した冷华
技術を探し求めお5000䞇ドルを費やした埌、コカ・コ
ヌラはムヌタヌ・ケント䌚長のリヌダヌシップの元、
新芏投入する飲料甚冷蔵機噚におけるHFCの䜿甚を
2015幎たでに段階的に廃止するずいう䞖界目暙を発
衚した。2010幎、ケント氏が共同議長を務めたコンシ
ュヌマヌ・グッズ・フォヌラムでは、同フォヌラムに加盟
する党おの小売業者および補造業者がHFC冷媒の段
階的廃止を2015幎時点で開始するず宣蚀した。
2014幎月珟圚、コカ・コヌラは110䞇台のHFCフリヌ
機噚を蚭眮した北米では12,000台以䞊を蚭眮。その
倧半は、同瀟が遞択したHFCフリヌの自然冷媒である
CO2
を䜿甚しおいる。䞀郚の機噚には炭化氎玠冷媒の
プロパンが採甚されおいるが、230皮の機噚が珟圚皌
働䞭の倚くの蚭備でコカ・コヌラが掚奚するCO2
の認
定を受けおいる。
過去䞀幎で、北米におけるCO2
冷媒機噚の採甚件数は
ほが皆無の状態から、新芏投入機噚の賌入台数の玄
分のを占めるたでに跳ね䞊がった。
加えお HFCフリヌの蚭備は、䞖界䞭で140䞇台にたで
増加した。
コカ・コヌラはCO2
技術に関する知的所有暩を䞀切持
っおおらず、第者からの技術提䟛を受けおいる。同
瀟は、垂堎により高い需芁を生み、それによっお䟡栌
を䞋げるために、あらゆる技術情報を公開したいず考
えおいる。
もっずも、CO2
はコカ・コヌラの炭酞飲料に溶け蟌ん
でいるのだから、同瀟がこのガスを冷媒ずしお奜むこ
ずはおそらく驚くべきこずではないだろう。か぀冷蔵郚
門はコカ・コヌラのカヌボンフットプリントの最倧芁因
であり、CO2
蚭備の掚進は、節氎や容噚を怍物由来の
玠材に倉曎するこずを含む同瀟の持続可胜性戊略の
䞻芁芁玠ずなっおいる。
CO2
蚭備の台数が幎間20増加しおいるこずから、コ
カ・コヌラは2015幎末たでにすべおの新芏投入機噚
においおHFCフリヌを達成するず予枬しおいる。これ
は、アトランタに拠点を眮くこの飲料業界の巚人を、自
然冷媒䜿甚䌁業の第䞀線に抌し䞊げる、環境察策の
偉業である。
幎間100䞇台以䞊の枅涌飲料向け機噚を賌入するコ
カ・コヌラずボトリング提携䌁業は、䞖界220ヵ囜以䞊
においお玄1000䞇台の自動販売機ず冷蔵蚭備を所有
しおいる。コカ・コヌラずグリヌンピヌスの詊算によれ
ば、このすべおをHFCフリヌの蚭備に倉曎すれば、機
噚の寿呜通垞10幎たでに排出される二酞化炭玠の
排出量を5250䞇トン削枛できる。これは1100䞇台の
車を路䞊から排陀するのに等しい。
内蔵型蚭備の冷媒ずしおCO2
を遞択するにあたり、
コカ・コヌラは飲料・食品䌁業の倚くがその方向に
向かっおいたにもかかわらず、炭化氎玠を䜿甚しな
いこずを意識的に決断した。さらに、この決断によっ
お同瀟は、高い䜜動圧力や業務甚冷凍冷蔵機噚の
郚品、サヌビスが未だ発展途䞊である北米垂堎ずいっ
た、二酞化炭玠に䌎う課題ず察峙するこずずなった。
しかし、コカ・コヌラのCO2
に察する情熱が衰えるこず
はなかった。昚幎6月にサンフランシスコでsheccoが
開催したATMOsphere America䌚議においお、コカ・
コヌラ瀟グロヌバル品質安党環境本郚の機噚品質マ
ネヌゞャヌ、スティヌブン・カズンズ氏は、内蔵型CO2
冷蔵蚭備に関する「効率が悪い・高枩の気候条件では
䜿甚できない・音が倧きい」などの意芋を「誀った通
念」ず反蚌した。
「これらの問題は既に解決枈みです。匊瀟のキャビ
ネットは非垞に効率が良く、゚ネルギヌスタヌに認定
されおいる䞊、38は高枩の呚蟺環境に察応しお蚭
蚈されおいたす。隒音の氎準は、HFCず同等です」ず語
っおいる。
たたコカ・コヌラは、CO2
を炭化氎玠よりも安党な冷媒
であるず評䟡しおいる。
コカ・コヌラは業務甚冷蔵機噚の垂堎を䜜り倉える
芚悟で、前䟋のない旅をしおきた。どのようにしお
今日たでに至り、たたなぜCO2
を遞択したのか。よ
り詳しく知るため、Accelerate Americaは、HFC
フリヌぞの移行を担圓する゚コフレッシュメント
eKOfreshmentKOはコカ・コヌラの銘柄蚘号の
グロヌバル・プログラム・ディレクタヌ、トマス・
アンブロセッティ氏、およびボトリング䌁業やフ
ランチャむズ䌚瀟が賌入する枅涌飲料甚冷蔵機
噚の認蚌ず承認を担圓するグルヌプの責任者、
カズンズ氏ず察談し、詳しい話を䌺った。
オ
ヌストラリアで 開 催され た 2 0 0 0 幎
シドニヌオリンピックの 期 間 䞭、グ
リヌンピヌスは 侖 界 äž­ の 䜕 癟 侇 台
ずいう自販 機 や 飲 料 甹 冷 蔵ショヌケヌスで 䜿わ
れる冷 媒 に、匷 力 な æž© 宀 効 果ガスであるハむド
ロフルオロカヌボン( H F C ) の 䜿 甚をや めるよう
コカ・コヌラに芁 求した。
グリヌン機 噚 のタグ
Aug / Sept 2015 Accelerate Japan 11
倉革を遂げる
Accelerate AmericaAA:コカ・コヌラはどのようにこ
の取り組みを始めたのですか
トマス・アンブロセッティTAドり・ダフト䌚長がシ
ドニヌオリンピックで、HFCの䜿甚をやめるずいう最
初の玄束をしたした。その埌䜕幎も経過した2009
幎 、取り組みを進め様々な技術を調査しおいく䞭
で、珟圚のムヌタヌ・ケント䌚長が2015幎末たでに
HFCフリヌを達成するずいう玄束を再び結びたした。
この玄束ず立堎は、コカ・コヌラが倧半の同業他瀟よ
りも長く持ち続けおいるものです。この取り組みを進
める䞭で、我々は倚くのこずを孊んできたのです。
スティヌブン・カズンズSCドり・ダフト䌚長が最初
の玄束をしたずき、圌も我々もHFCフリヌぞの゜リュ
ヌションが䞀䜓䜕なのか、わかっおいたせんでした。
数倚くの技術を調査したした。熱音響に倧倉泚目し、
ヘリりムを冷媒ずしお䜿甚できないか調べるために
倚倧な劎力を費やしたこずもありたす。しかしヘリり
ムには拡匵性がなく、我々が䜿甚しおいる機噚モデ
ルのうちの半分以䞋でしか䜿えなかったのです。我
々が求めおいたのは、小さなカりンタヌ眮き冷蔵庫
から倧芏暡小売店の3ドアナニットたで、あらゆる堎
所で䜿えるひず぀の゜リュヌションでした。
TA: だからコカ・コヌラはCO2
を望たしい冷媒ずしお
遞択したのです。我々は、芏暡の経枈を䞎えおくれる
単䞀の゜リュヌションを探しおいたした。CO2
は我々
の組織ず倚様な業務甚冷凍冷蔵庫の機皮に最も適
しおおり、将来的に最も持続可胜な゜リュヌションで
あるず考えおいたす。
おそらくこの分野においお、我々はほが誰よりも経隓
豊かだず蚀えたす。食料品店はCO2
ぞず移行しおい
たす。自動車メヌカヌはCO2
かHFOを怜蚎䞭です。日
本はCO2
を10幎以䞊にわたり䜿甚しおいたす。CO2
は
100立蚌枈みの技術なのです。立蚌の機䌚は次か
ら次ぞずやっおきたす。
AA:コカ・コヌラが CO2
に決めるたでに䜕幎もかかっ
たのはなぜですか。
TA: 持続可胜性のような取り組みずビゞネスずの、バ
ランスをずる必芁がありたす。非垞に商業的か぀持
続可胜な方法で行わねばならず、しかも長期にわた
っお持続できないものに倧金を費やすこずはできた
せん。我々は䜕幎にも枡る調査を経お、ようやくサプ
ラむチェヌンを䜜るずいう倉曲点に達しようずしおい
たす。぀いに技術を立蚌し、我々の組織が倧々的に進
んで行けるだけの十分な芏暡を䜜り出す域に達した
のです。これだけのこずをやり遂げるには、それなり
の時間が必芁だったずいうこずです。
SC:この倉革を掚進し、冷媒の倉曎を実斜するず同時
に、我々は眮き換える察象にも着目しおいたした。こ
のモデルやあの機皮を継続するこずに意味はない、
ず蚀い続けおきたした。我々は䞀郚の機皮を撀退し、
いく぀かの新しい機皮を開発したのです。
TA: 北米には特殊な機噚が倚く存圚したす。賌入台数
の最初の8090たでは到達しおも、残りの10
でCO2
に぀いお、あるいはCO2
で承認される機噚の
補造に関する課題に぀いお孊んでいる最䞭の無名
の盞手先商暙補品の補造䌚瀟の少量生産
品に行き圓たりたす。非垞に小さく特殊なサむズの
機噚に関しおは、CO2
ベヌスの゜リュヌションを芋぀
けるこずが芁求されたした。ですから、党機皮の玄4
に関しおは、技術的にCO2
の゜リュヌションが無い
のです。これらのケヌスでは、冷媒を䜿甚しない熱電
気゜リュヌションを䜿甚しおいたす。
AA:自然冷媒ぞ移行する垂堎は北米が最埌ですか
TA: 必ずしもそうずは蚀えたせん。CO2
をベヌスずし
た機噚ぞの移行に関しおは、北米は倧きな進歩を遂
げたした。2014幎の北米における機噚賌入は、かな
りの郚分がCO2
ベヌスであり、このこずで北米は我々
にずっおの先進垂堎ずなったのです。
AA: 垂堎を倉える手助けをするに圓たり、あなたには
個人的な動機もありたしたか
TA: もちろんです。私はコカ・コヌラの組織内でも最
もクヌルな仕事を䞎えられたず思っおいたす。我々が
実斜しおいるのは簡単な技術ではないので、組織に
倚倧な圧力がかかりたす。しかし、我々がここでしよ
うずしおいるこずは、䞖界を我々が思う以䞊に良い堎
所にできる可胜性を秘めおいるず確信しおいたす。
これを行うのは、瀟䌚的責任でもあるず思いたす。
私は自分の仕事に匷い情熱を持っおいたす。匊瀟の
「プラントボトルPlantBottle」の取り組みにも䌌
おいたす。぀たり、䌌たような課題を抱えおいるので
す。しかしそれは、コカ・コヌラの持続可胜性戊略の
䞻芁な芁玠です。この取り組みに参加できお私は本
圓に幞運です。
AA: 数十億ドルの決断ずいうこずを考えるず、きちんず
進めなくおはずいうプレッシャヌを感じたすか
TA: いいえ。特にこれたでの経隓ず、この技術がどれ
ほど長く䜿われおきたかを目にした今ずなっおは、プ
レッシャヌは感じたせん。
OEMずの取り組み
AA: OEMのCO2
ぞの倉換を支揎しおいたすか
A: 我々はOEMに察しお倚くの支揎を行なっおいた
す。なぜなら、R134aの知識で機噚を蚭蚈しおいる䌁
業がCO2
機噚を蚭蚈できるず思っおも、それは惚憺
たる結果に終わるからです。そういったケヌスを長
幎芋おきたした。ですから我々は、今幎になっおもな
お倚くの時間を費やし、こうしたサプラむダヌを瀟
ず぀蚪ね蚭蚈の成熟床を確認し、効率化やコスト削
枛のために䜕かアドバむスができないかを確認しお
いるのです。
AA: OEMの数は十分ですか少数のOEMだけに頌る
こずはできないため、競争が必芁ですが。
TA: 競争は倧いにありたす。それは問題ではありたせ
ん。調達担圓者たちは少数のほうがいいず蚀うかもし
れたせんが。私はOEMに、競争したければ䞖界䞀の
CO2
ベヌス機噚を持぀必芁がある、ず蚀っおいたす。
抵抗しおいるOEMもあれば、はるかに先を行っおい
るずころもありたす。䞭間にいるOEMずもは手を携え
お進んでいたす。こういったOEMを蚪ね、数倚くの優
秀事䟋を玹介するこずで、6か月の詊行錯誀を日の
ミヌティングで枈むよう孊習曲線を短瞮しようずしお
いたす。たた、OEMに察し様々な技術研修も提䟛しお
いたす。我々はOEMに3぀の質問をすれば、圌らが 成
熟床曲線のどの䜍眮にいるかわかりたす。
将来 CO2
ベヌスの機噚が必芁ずなったら、準備の
敎っおいるOEMから賌入したす。いたより曎に省゚
ネ化しお、我が瀟のCO₂機噚に玍入しおいただきた
いのです。
p.12ぞ続く
スティヌブン・カズンズ
コカ・コヌラ・グロヌバ ルクオリティヌ・
セヌフティヌ゚ンノァむロメント
機 噚 品 質 マネヌゞャヌ
Accelerate Japan Aug / Sept 201512
それが我々の期埅しおいるこずであり、実行可胜
なこずです。我々が承認したCO₂機噚230機皮のう
ち、80が埓来の機皮より省゚ネです。そしお我
々は残りの20の省゚ネ化を今図っおいるずころ
です。
AA: CO₂機噚のコスト増加はどの皋床ですか
TA: 成熟したサプラむチェヌンにおいお、CO₂がコ
ストパリティ、぀たり䟡倀ず同等の䟡栌になれない
理由はありたせん。問題は、CO₂向けコンプレッサ
ヌの補造に関心を寄せるコンプレッサヌ䟛絊業者
が増え、垂堎により倚くの競争をもたらしおくれる
かどうかです。そしお党おの補助郚品熱亀換噚・配
管類は、䟡栌以䞊ずは蚀えないたでも、䟡栌ず同等
ず蚀えたす。
AA: コカ・コヌラはいかにしお他の飲料メヌカヌを
CO₂冷蔵の取り組みに巻き蟌む぀もりですか
TA: 業界党䜓がCO₂に移行するよう圱響を䞎えお
いく努力を続けおいたす。これたでは、CO₂ず炭化氎
玠の䞡方を䜿甚しおいたため、䞡者を比范するよう
な話には非垞に慎重でした。しかし珟時点で、私は
もし業界が我々ずずもにCO₂ぞず移行しおくれたら、
コストパリティの達成は倧幅に早たるずいうこずを
認識しおいたす。ですから我々は、䞀郚の同業他瀟
やサプラむダヌサプラむチェヌン党䜓に語りか
け、CO₂移行に向けお圱響を䞎えようずしおいるの
です。しかし、この分野における第䞀人者ずしお、我
々は最初の䞀歩を螏み出さねばなりたせん。
芏制の圱響
AA:米囜における芏制 - EPAの重芁新芏代替物質政
策SNAP特定のHFCをリストから陀倖するずいう提
案、および゚ネルギヌ省DOEの新たな2017幎効
率芁求の䞡方 - は人々の自然冷媒に察する芋方をど
のように倉えたしたか
TA:我々はEPAがしようずしおいるR134aの段階的廃
止を高く評䟡しおいたす。これによっお話が加速し
たず思いたす。今や我々にも、我々のOEMにも、そ
の方向ぞ移行するよう倧きな圧力がかかっおいた
す。その反面、準備が敎っおいなければ䜕らかの困
難に陥るかもしれたせん。システムに甚倧なコスト
が生じるかもしれたせん。ビゞネスにどのように圱
響するのか、非垞に䞍安でもありたす。ですから我
々は、EPAのしようずしおいるこずに倧いに賛成では
ありたすが、商業的に実珟可胜な方法でその目的
を達するこずができるような支揎を必芁ずしおいた
す。これは我々がEPAに提䟛しようずしおいるフィヌ
ドバックです。
SC: EPAのこれたでのアプロヌチは良かったず思い
たす。SNAPプログラムはこの皮の倉化を掚進する
のに適した仕組みです。たた、SNAPが䞀倜で党䜓
を倉えおしたうようなものでなかったこずにも励た
されたした。これはゆっくりずした段階的な倉革で
す。特定の゚ンドナヌザヌ、特定のアプリケヌション
に、ここではもうこれらのガスを䜿うこずはできなく
なりたす、ず。
AA: DOEはどのように垂堎に圱響を及がしおいたす
かEPAの提案を補完しおいたすかそれずも混乱
を匕き起こしおいたすか
TA: おそらく独立しお運甚されおいるので、私は䞡
者を分けお考えおいたす。䜕故ならEPA提案の期間
は2016幎たで、DOEは2017幎たでだからです。ふた
぀の芏制が目的においお提携しおいるのかはわか
りたせんが、どちらも良いず思いたす。䞀方ぱネル
ギヌ効率、もう䞀方はガスです。
AA: EPAの提案ずDOEはどちらも必芁ですか
TA:もちろんです。最終的にぱネルギヌの効率性
の問題になりたす。DOEが新たな基準を定めたこず
に、私は驚いおいたせん。䜕らかの取り組みは必芁
ずなるでしょうが、我々の機噚がDOMの基準を満た
せない理由はありたせん。ただそのような仕様にす
る必芁があるだけです。今日の時点ではただ、新た
な機噚蚭蚈はいかなる堎合にもDOE2017を満たす
ようにずは䟝頌しおいたせん。しかしOEMから機噚
の賌入を続けるうちに、それは芁件ずなるでしょう。
゚ネルギヌスタヌず同様です。これに関しおは、す
でに䟝頌し始めおいたす。
SC:我々はOEMに察し、「DOE2017幎基準」に重点を
眮くように䟝頌しおいたす。しかし、圌らの機噚が今
すぐ2017幎基準を満たさねばならない、ず匷制はし
おいたせん。OEM各瀟は、EPAずDOE䞡方の芏則を
芋お、どういった゜リュヌションを遞択すべきか頭の
䞭で葛藀しおいる、ず我々に蚎えおいたす。圌らは優
先順䜍を぀ける方法に確信が持おず、我々ず協議し
おいるずころです。
AA: 2017幎以降、䜕が起こるず予枬しおいたすか
法埋により、DOEはこれらの基準を5幎毎に再評䟡
せねばなりたせんが、実際には3幎に䞀床行いたい
ずしおいたす。ですから、2020幎ず2022幎にはこれ
に関する議論が行われるず思いたす。この分野での
゚ネルギヌ消費の削枛は今埌も続くでしょう。
どの技術に関しお語るにしおも、党お商業的課題を
抱えおいたす。芏制圓局が目指すいく぀かの倉化を
達成するために、業界は䜕らかの課題に盎面するこ
ずになるず思いたす。䟋えば炭化氎玠向けの業務甚
冷凍冷蔵機噚郚品の成熟床は、HFC向けには遠く
及びたせん。もちろんCO₂も、より困難ずは蚀わない
たでも同様です。我々には未来に䜕が起こるかを映
す氎晶玉はありたせん。しかし、こういった課題は誰
もが抱えおいるものです。
AA: 厳しくなる䞀方ですね。
TA:それが倧切なのです。しかし商業的に実珟可胜
な方法でやっおのけなければなりたせん。
1日の䟛絊量
19億本
1分間の生産数
100䞇本
枅涌飲料機噚の
幎間賌入台数
100䞇台
䞖界のHFCフリヌ機噚
140䞇台䞖界209ヵ囜䞭
207の囜ず
地域で販売
数字で芋る
CO2
ボトルクヌラヌ
Aug / Sept 2015 Accelerate Japan 13
炭化氎玠冷媒の可胜性
AA: 最近アナハむムで開催されたNAFEM展瀺䌚
では、HFCに代わる炭化氎玠の話題がほずんどでし
た。CO₂を遞択するこずはその流れに逆らっおいるず
思いたすか
TA: 初期の頃は、コカ・コヌラでも炭化氎玠を䜿甚
しおいたした。しかし炭化氎玠ずCO₂の特性を孊ぶ
に぀れ、埌者のほうが我々が扱う機皮党䜓により
良い゜リュヌションを䞎えおくれるこずがわかった
のです。
炭化氎玠ぞの移行を決断しおいる人々は、我々が歩
んできた歎史の䞭で10幎前に遡った地点にいるの
ではないでしょうか。私は根本的には、非垞に倚く
の理由からCO₂を掚進するずいう決断は正しかった
ず信じおいたす。我々がさらに孊習し前進するに぀
れ、この決断は匷化され、支持され続けるのです。単
に業界が炭化氎玠ぞず動いおいるずいうだけで、こ
の確信が揺らぐこずは決しおありたせん。
私は炭化氎玠ぞの移行を考えおいる人々ず非公匏
な䌚話をいく぀か亀わしたこずがありたすが、圌ら
はひず぀の冷媒が他のものよりも優れおいるずいっ
た意芋に固執しおいるわけではありたせん。圌ら
特にアメリカ囜内にいる人々が感じ始めおい
るのは、EPAの提案した芏則R134aやR404Aのよう
な高GWPのHFCを特定の機噚から陀倖するための
芏則による圧力です。そのため垂堎に出回っおい
る補品を芋たずころ、すぐに䜿えるのが炭化氎玠の
機噚だったずいうわけです。党おの䌁業が調査を行
い、我々がこの旅路で培ったような経隓を持ち合わ
せおいるわけではありたせん。この経隓こそが、党お
に適応する、より優れたひず぀の゜リュヌションずし
おCO₂掚進の決断ぞず繋がったのです。
SC: 倚くの人が炭化氎玠ぞず移行しおいるのは、な
によりCO₂が炭化氎玠ほど扱いやすくないこずを瀺
しおいるように思えたす。炭化氎玠は未だに蒞気圧
瞮ずいう手法を甚いおおり、これは誰もが裏も衚も
知り尜くしたランキンサむクルに属したす。ですか
ら、炭化氎玠の道ぞ進むほうが自然ず行きやすく感
じるのです。こういった人々の倚くは、単にCO₂機噚
の仕組みに粟通しおいないだけなのです。
TA: CO2
の開発は技術的に難しいかもしれたせん
し、サプラむチェヌンもすぐに䜿えるほどには敎っ
おいたせん。しかし、これらを陀けばCO₂に察する批
刀的な議論を私は聞いたこずがありたせん。「正し
い道」vs「楜な道」です。 
SC: OEMにずっお、新たな冷媒ぞのいかなる移行も
コストが䌎いたす。圌らはスケヌルを拡倧し、生産
ラむンを蚭眮し、充填ステヌションや安党システム
を備え付け、か぀技術者の研修を行わねばなりたせ
ん。これは倚倧な支出です。圌らが炭化氎玠ぞず進
んでいるように芋えるずすれば、それは炭化氎玠の
方がCO₂やHFOよりもやるべきこずがわかりやすい
からです。ですから我々ず提携しおいるOEMには、パ
ヌトナヌずしおCO₂向けの補造胜力を埗るために䜕
をすべきかを䌝えおいたす。
AA: 埡瀟の炭化氎玠機噚を持っおいる囜に぀いおは
いかがですか
TA:我々は、CO₂は炭化氎玠よりも維持管理が簡単
か぀安党になるず考えおいたす。远加ツヌルはほ
ずんど必芁ありたせん。研修はR134aたたは炭化氎
玠、その他冷媒の維持管理のための研修ず倉わり
ありたせん。CO₂の維持管理は珟堎で行えたすが、
私は炭化氎玠の維持管理を珟堎で行いたいずは
思いたせん。
AA: HFOはどうですかHFOも遞択肢ずなりたすか
TA: わかりたせん。絶察的な必芁性に迫られない限
り、我々がその道を遞ぶこずはないず思いたす。最
終的には、炭化氎玠ずCO₂が垂堎で競い合うこずに
なるず思いたす。
SC: 商工業の偎からHFCフリヌの党䜓像を芋るず、
ただわかっおいないこずが倚くあるず思いたす。これ
はCO₂だけでなく、炭化氎玠ずその他党おの自然冷
媒に察しお蚀えるこずで、今埌510幎間で明らか
になっおくるでしょう。我々の提携䌁業は孊ぶに぀
れ調敎を行っおいるこずでしょう。そのため、CO₂冷
媒の未来は䞀郚の人々が珟時点で予想するよりも
明るいのです。
AA: 2016幎には盛倧にお祝いする぀もりですか
TA:もしかするず、瀟内では少し立ち止たっおこれた
での成功を祝うべきかもしれたせん。しかしただや
るべきこずがたくさんあるため、そちらに集䞭せね
ばなりたせんが。 MG + MC
北米
ラテンアメリカ
ナヌラシア
アフリカ
倪平掋
ペヌロッパ
364,579
280,815
402,994
28,863
12,354
コカ・コヌラ
経営グルヌプ別
HFCフリヌ機噚
蚭眮数
2014幎6月
Accelerate Japan Aug / Sept 201514
環境に優しい冷媒技術の採甚を促進する䞊で障
害の䞀぀ずなるのは、実際にそれがどのように働
くかずいう䞍安である。それはビゞネスに悪圱響
を及がすのだろうかそれずも顧客に䞍䟿な思い
をさせるのだろうか
その䞍安を克服するため、技術を䜿甚する䌁業
は前に進み出お蚀う必芁がある。「私たちは自然
冷媒機噚を䜿甚しおおり、正垞に皌働しおいた
す実際には埓来のシステムよりも優れおいるの
です」ず。
これが「Refrigerants, Naturally!」の掲げる理念
だ。11幎目になるこの䞖界的な非営利の取り組み
は、食品、飲料、倖食産業、消費財郚門の䌁業によ
っお構成されおいる。
珟圚、コカ・コヌラ・カンパニヌ、ペプシコ、レ
ッドブル、ナニリヌバから成る「Refrigerants,
Naturally!」は、小型業務甚冷凍冷蔵機噚飲料甚
冷蔵システム、自動販売機、アむスクリヌム甚内
蔵型ショヌケヌスなどを新芏投入する際に、地
球枩暖化の原因ずなるハむドロフルオロカヌボン
HFC冷媒を、CO2
や炭化氎玠ずいった自然冷
媒に眮き換えるよう掚奚しおいる。グリヌンピヌ
スず囜連環境蚈画UNEPは、ドむツのケヌニッ
ヒスシュタむンに事務局を眮くこの取り組みを支
揎しおいる。
「我々がやっおきたこずは、誇りに思っおよいず思
いたす。」「Refrigerants, Naturally!」の䌚長であ
り、コカ・コヌラのグロヌバル・プログラム・ディレ
クタヌでもあるブリュッセル圚䜏のアントニヌ・ア
ズヌル氏はそう蚀った。「我々はこれたで、様々な
機䌚においお幟床も意芋を述べおきたした。我々
がプレれンテヌションをすれば、垂堎は我々がい
かに真剣なのかわかりたす。我々が䞎える圱響を
業界が感じおいるず確信しおいたす」
たた圌は、「グリヌンピヌスは『自然冷媒技術は
可胜だ』ずいうこずを䌝えるために、我々の䌁業の
事䟋を取り䞊げおいたす」ず付け加えた。
政策提蚀グルヌプずしお、「Refrigerants,
Naturally!は 欧州連合や環境保護局のような行
政機関にレタヌを曞き、技術的な優良事䟋を公衚
し、UNEP䌚議やshecco䞻催のATMOsphere 䌚
議ずいった堎で業界に向けおスピヌチをするこず
で、自然冷媒の採甚を奚励しようず努めおいる。
同グルヌプはたた、オゟン局を砎壊する冷媒の段
階的削枛に責任を負う、モントリオヌル議定曞が
執り行うHFCの段階的削枛を支持しおいる。
「共同で取り組むこずで、個々の䌚瀟が別々に
行う以䞊の成果が埗られるずいう考えです」ず
アズヌル氏は蚀った。実際、コカ・コヌラずペ
プシのような激しく競合しおいる䌁業でさえ、
「Refrigerants, Naturally!」に共通の意矩を芋出
しおいる。「業界や政府が、競合する4瀟が共に取
り組む姿を芋れば、そのメッセヌゞは非垞に匷力
です」ず圌は蚀った。
独占犁止法の懞念を無くすため、同グルヌプは幎
2回の䌚合で欧州連合の競争法に関する声明を
読み䞊げ、これを遵守しおいる。
環境ぞの圱響
「Refrigerants, Naturally!」のメンバヌ4瀟は、圌
らが説き進めおいるこずを実践しおいる。自然冷
媒を䜿甚した内蔵型冷凍冷蔵機噚を4瀟合蚈で
370䞇台蚭眮し、これにより自動車400䞇台の幎間
排出量に等しい、二酞化炭玠2000䞇トン盞圓の
排出を防いだ。コカ・コヌラがCO₂機噚140䞇台ず
最も倚い。他は炭化氎玠プロパンたたはむ゜ブ
タンを䜿甚し、ナニリヌバ150䞇台、レッドブル
50䞇台、ペプシコ30䞇台の順ずなる。
EPAおよび゚ネルギヌ省から芏制の圧力がかか
る䞭、北米ではHFCフリヌ機噚の商品化が進むず
アズヌル氏は芋おいる。
合わせお䞖界の小型業務甚冷凍冷蔵機噚の半
数以䞊を賌入する4瀟は、圌らの機噚のサむズず
機胜に最も適した自然冷媒を遞択しおいる。圌ら
はHFCからら移行するペヌスを自分で定め、寿呜
に達した埓来の機噚をHFCフリヌ機皮ぞず眮き
換えおいる。HFCフリヌシステムぞの移行を玄束
するこずを条件に、新たなメンバヌの参加も歓迎
しおいる。
2004幎の蚭立以来、他の食品および倖食産業䌁業
も、様々なタむミングで「Refrigerants, Naturally!」
に参加しおきた。その䞭にはマクドナルド、むケア、
カヌルスバヌグ・グルヌプずいう倧䌁業も名を連ね
る。「䌁業が離れるのは、自然冷媒を信じおいない
からではありたせん」ずアズヌル氏は蚀う。「䞻な理
由は資源の問題です。圌らは他の所に劎力を泚ぎ
たいず考えおいるのです」
アズヌル氏自身はHFCフリヌ冷媒の未来を楜芳
芖しおいる。「技術的に蚀えば、䜕の問題もありた
せん」ず圌は蚀った。「4瀟党おがCO2
ず炭化氎玠
が有効であり、HFCず比べお少なくずも同等、通
垞はそれ以䞊の性胜を発揮するこずを立蚌しお
きたした。」぀たり重芁なのは、蚭眮コストに圱響
する郚品および冷媒の䟛絊力ず、地域の安党芏
定に察するコンプラむアンスである。 MG
「REFRIGERANTS, NATURALLY!
侖 界 に 瀺 す 侀 䟋
マむケル・ギャリヌ著
アントニヌ・アズヌル
ザ・コカ・コヌラ・カンパ ニ ヌ
グロヌバ ル・プログラム・ディレクタヌ
「R e f r i g e r a n t s , N a t u r a l l y !」䌚 長
http:/refrigerantsnaturally.com
Aug / Sept 2015 Accelerate Japan 15
Accelerate Japan Aug / Sept 201516
目 指 す は
侖界侀
倧手コンビニ゚ンスストアチェヌンのロヌ゜ンは、
業務甚冷凍冷蔵分野においお革呜を起こしおいる。
同瀟は、延べ1,300店以䞊の店舗にCO2
トランス
クリティカル冷凍冷蔵システムを装備する蚈画で、
小売業の自然冷媒導入数「䞖界䞀」を目指す。
BECOMING THE WORLD’S BEST
ダン・ドゥシェック & マヌク・シャセロット著
Aug / Sept 2015 Accelerate Japan 17
Accelerate Japan Aug / Sept 201518
宇郜 慎䞀郎
加盟店支揎本郚 本郚長補䜐
省゚ネ・リサむクル掚進郚 郚長
ロヌ゜ンはフランチャむズ方匏でコンビニ
゚ンスストア事業を展開しおおり、北海道か
ら沖瞄たで、日本のほが党域で玄12,000店
を運営する。同瀟の加盟店支揎本郚本郚長
補䜐、省゚ネ・リサむクル掚進郚郚長を務め
る宇郜氏が担う圹割は幅広く、CO2
冷凍冷蔵
システムなどの最新の環境技術をビル建蚭
に甚いるこずから、加盟店の拡倧、囜内倖の
店舗における省゚ネ察策の実斜たで、倚岐
にわたる。
ロヌ゜ンが地球に優しい冷凍冷蔵ぞの道を
歩むきっかけずなったのは、同瀟が行っおい
た省゚ネの取り組みだった。゚ネルギヌ消費
量を2008幎床比で10%削枛するずいう省゚
ネ目暙を達成したロヌ゜ンは、次なる環境察
策を暡玢しおいた。そんな䞭、CO2
冷媒技術
の省゚ネ性の高さを知り、この技術を利甚し
おみるこずを決断したのだ。
CO2
の地球枩暖化係数は代替フロンの4000
分の1ず非垞に䜎く、たたCO2
は冷媒ずしお䜿
甚した堎合、熱搬送効果が非垞に高い。その
ため、埓来の代替フロンを䜿った機噚ず比范
するず、CO2
冷媒は幎間のCO2
排出量を半枛
させるこずが可胜だ。
「CO2
冷媒システムの省゚ネ性ず、フロン䜿
甚時挏掩によるCO2
排出のむンパクトが実
は非垞に⌀きいこずに驚きたした。過去の省
゚ネ斜策の効果よりフロンを自然冷媒に転
換するほうが倧きな効果があるずいうこずが
わかり、自然冷媒をさらに研究したく、『CO2
冷媒研究䌚』を✎ち䞊げたのです」ず宇郜氏
は蚀う。
むンスピレヌションを求めペヌ
ロッパぞ
CO2
冷媒技術を日本で広めるにはどうすべき
か。技術者や日本冷凍空調蚭備工業連合日蚭
連や日本冷凍空調工業䌚日冷工ずいった組
織、各システム・郚品メヌカヌをメンバヌずす
る宇郜氏が立ち䞊げた研究䌚は、CO2
トランス
クリティカル冷凍冷蔵技術が広たり぀぀あった
ペヌロッパに、その答えを求めた。
たずむギリスを蚪れた宇郜氏は、むギリスの冷
凍冷蔵研究所(IoR)で圓時所長を務め、自然冷
媒のリヌダヌ的存圚でもあったデヌノ・ピア゜
ン氏に䌚っお話を聞く機䌚を埗た。たた、CO2
冷媒の導入数でペヌロッパトップクラスを誇る
スヌパヌマヌケットチェヌン、セむンズベリヌ
(Sainsbury’s)で圓時建蚭担圓をしおいたケノィ
ン・マティモヌ氏ずも面䌚した。
さらに宇郜氏は、2001幎にフロン皎が導入さ
れお以来、自然冷媒の導入数で䞖界䞀ずなっ
おいたデンマヌクにも足を運んだ。珟地の゚
ンドナヌザヌ、トレヌニングセンタヌ、そしお
メヌカヌを蚪ね、「れロ゚ネルギヌビルディン
グ」に぀いお孊び、地䞭熱ヒヌトポンプや断熱
技術、そしおコゞェネレヌションに぀いおの芋
識を深めた。
宇
郜慎䞀郎氏は、
䞀芋するず控え
めな人物に芋え
る。しかし、その萜ち
着いた䜇たいの内偎に
は、業務甚冷凍冷蔵分
野に倉革をもたらそう
ずする情熱が秘められ
おいる。それを象城す
るのは、CO2
冷凍冷蔵
システムの導入数にお
いお、ロヌ゜ンを䞖界
的リヌダヌにしようず
いう匷い意志だ。今幎
単幎床で、ロヌ゜ンは
日本囜内に1,000店の
出店を予定しおおり、
そのうち750店舗に
CO2
冷凍冷蔵システム
を導入する。
Aug / Sept 2015 Accelerate Japan 19
「デンマヌクは環境に察する技術も進んでい
たすし、環境に察する意識が違うんですね。日
本では経枈合理性があっお初めお環境のこず
を考えたすが、デンマヌクでは環境をたず考
え、そのあずにコストを考える。環境にいいも
のをいかに安くするかずいう発想をしおいたし
た。技術に察する日本の考え方ず非垞に違うこ
ずを実感したした」
匷烈なむンパクトを受けお日本に垰囜した宇郜
氏は、日本でもCO2
冷凍冷蔵技術を普及させる
決心を固めた。ロヌ゜ンがCO2
冷凍冷蔵システ
ムを党店舗で展開すれば、デンマヌク囜内の業
務甚CO2
冷凍冷蔵システムの蚭備数を超え、自
然冷媒を利甚する小売店ずしお䞖界䞀ずなるこ
ずができる、宇郜氏はそう考えたのだ。
すでにロヌ゜ンは、珟圚640店舗にCO2
冷凍冷
蔵システムを導入枈みである。今幎床だけでも
750店舗ぞの導入を予定しおおり、幎床末たで
にはCO2
店舗数を合蚈1,300店に拡倧する予定
だ。「今振り返るず、ペヌロッパぞ回芖察ぞ行
き、ロヌ゜ンが䞖界⌀になる意志を決めたか
らこそ、ここたでこれたず思っおいたす」ず宇郜
氏は語る。
暙準的なロヌ゜ンの店舗では、パナ゜ニックの
CO2
ノンフロン冷凍機システムで10銬力ず2銬
力の2皮類が導入されおいる。CO2
を䜿甚した
ナニットは亜熱垯気候地域においお、埓来のハ
むドロフルオロカヌボンHFCに比べ平均で
21の省゚ネ効果を䞊げおいる。フランチャむ
ズ店舗の経営者にずっお省゚ネは重芁な経費
削枛策ず蚀える。なぜなら、人件費・電気料金の
⟌隰や売䞊前幎比が䌞び悩んでいる状況にお
いお、各店舗の収益確保に察し、省゚ネ効果は
確実な経費削枛に぀ながるからだ。
「CO2
冷媒以倖に効率のいい省゚ネ技術があ
れば、そちらを遞んだかもしれたせん。それた
で様々な省゚ネ機噚を導入枈みで、その次を
遞ぶにあたっお経枈合理性が高いのはCO2
し
かなかったのです」ず宇郜氏は振り返る。
ロヌ゜ンのCO2
導入店舗のうち、最も進んでい
るずいえる店舗が愛知県豊橋垂にある。2014
幎11月にオヌプンした同店舗には、CO2
トラン
スクリティカル冷凍冷蔵システムに加え、ガラ
ス扉を぀けたオヌプンケヌスが導入されおお
り、地䞭熱を掻甚したヒヌトポンプも利甚しお
いる。たた、屋根・壁・サッシを二重にするこず
で、高い断熱性が確保された。その結果、2010
幎比で60%の省゚ネを達成しおいる。ロヌ゜ン
は、毎幎䞀店ず぀、こういった旗艊店を䜜っお
いく予定だ。
CO2
導入圓初の課題克服の鍵
圓然ながら、䞖界䞀になるずいう目暙を掲げ、
新たな技術を他瀟に先駆けお導入するのは、
決しお容易なこずではない。宇郜氏は、CO2
シ
ステムの斜工・管理に぀いおの懞念を解消す
るずころから始めた。改めおペヌロッパに目
を向け、CO2
冷媒の配管に特別な芏栌が甚い
られおいるのかどうかを確かめた。実際、ペヌ
ロッパでは䞀般配管工事の芏栌・芏制しかな
いが、冷媒の性質・圧力がきちんず理解され
た䞊で蚭蚈され、䜿甚冷媒の圧力に応じお斜
工されおいるこずを知る。⌀方✇本の小型店
舗では、そういう考慮がなく、冷媒の挏掩を
防ぐのは無理だ。若干の挏れはやむ
を埗ないずいう感芚で斜⌯されおいる。ロヌ
゜ンではペヌロッパの䟋に倣い、高圧ずいう
CO2
の性質に合わせお、配管の蚭蚈・斜工を
行っおいる。「斜工䜓制の構築は絶察に必芁
䞍可欠なものです。それがなければ、CO2
技
術を導入するこずはできないのです」
もう䞀぀の課題は、CO2
冷媒ぱネルギヌ効
率が非垞に高いものの、初期費甚が埓来の
冷凍冷蔵システムに比べ二倍近くなるずいう
点だった。この課題を乗り越えようず、ロヌ゜
ンは経枈産業省の補助金プログラムに応募
し、2010幎に補助金を受けるこずずなる。この
補助金によっお、ロヌ゜ンは最初の50店舗に
CO2
システムを導入するに至り、実蚌実隓の
結果を基に、CO2
導入店舗数をさらに増やす
こずが可胜ずなった。
その埌、環境省による補助金制床も掻甚でき
るこずずなり、ロヌ゜ンは2014幎9月、CO2
冷
凍冷蔵システムの導入を暙準化した。
事業者による自然冷媒の普及促進を目的に、
環境省が亀付する補助金の2015幎床予算
は、50億円から62億円に増額された。2014幎
床には、CO2
冷凍冷蔵技術の導入を目指す18
瀟にこの補助金が亀付され、ロヌ゜ンも
環境倧臣賞を受
賞―CO2
冷媒導
入で気候倉動察
策に貢献
2013幎にロヌ゜ンは、地
球枩暖化防止掻動環境
倧臣賞を受賞した。省゚
ネ実蚌店舗の展開ずCO2
冷媒冷凍冷蔵システム の
導 入 掚 進 が 認 められ た
もの だ 。同 賞 は 、C O 2
冷
媒 シス テム など の 最 新
の 省 ã‚š ネ 機 噚 を 2 0 1 0
幎 床 に 初 め お 導 入した
ロ ヌ゜ン のように 、気 候
倉 動 察 策 に è²¢ 献 する 個
人・団 䜓 に 授 侎 され る
賞 で ある 。
“
補 助 金 が な け れ ば 、 C O 2
冷 凍 冷 蔵 シ ス テ ム の 導 入
に 取 り 組 む こ ず は で き な
かっただろう。
p.20ぞ続く
Accelerate Japan Aug / Sept 201520
そのうちの䞀瀟ずなった。たた、自然冷媒技術を
冷凍冷蔵倉庫に導入するこずを目指す31瀟に
よる33件のプロゞェクトにも、補助金が亀付さ
れた。
政府補助金がCO2
冷媒導入促進に果たした圹
割は倧きいず宇郜氏は考えおいる。補助金が
あったからこそ、皌働管理など、新技術導入に
䌎う様々な課題を解決したうえで同技術に再
投資し、最終的にCO2
システムを暙準化する
こずができたのだ。同氏は、補助金がなけれ
ば、CO2
冷凍冷蔵システムの導入に取り組むこ
ずはできなかっただろうず蚀う。
補助金があったこずで、業務甚CO2
冷凍冷蔵シス
テム導入の劚げになっおいた技術者の育成ずい
う二぀目のハヌドルも克服できた。メヌカヌで
あるパナ゜ニックの協力の䞋、ロヌ゜ンはこれた
で900名を超える技術者を察象に、CO2
冷凍冷蔵
技術の斜工・管理に関するトレヌニングを実斜
しおいる。
ゞャカルタ店でも省゚ネ効果を蚌明
ロヌ゜ンは2013幎床に亀付された経枈産業省
の補助金を甚いお、むンドネシア初ずなるCO2
技術を導入したコンビニ゚ンスストアをゞャ
カルタに建蚭した。環境省の補助金も亀付さ
れ、CO2
技術を導入した店舗は合蚈13店ずなっ
おいる。この補助金は、環境省が提案する二囜
間クレゞット制床JCMの䞋で亀付されたもの
で、同制床は䜎炭玠技術普及の促進をするこず
で、発展途䞊囜における持続可胜な開発に貢
献するこずを目指す仕組みだ。
今回建蚭された店舗では、冷凍冷蔵分野での
省゚ネ効果が幎間41,558kWhに達するだろうず
予枬されおいるR22䞀定速機噚ずの比范。こ
の省゚ネ効果は魅力的ではあるが、CO2
技術の
導入にかかる費甚が比范的高いこずから、今埌
数幎間はむンドネシアでのCO2
冷媒の普及は難
しいだろうず考えられおいる。しかし、この間の
成果ずしお、倖気枩が高い環境においおもCO2
冷媒技術には省゚ネ効果があるず蚌明できた
こずがある。「熱垯地域ではCO2
冷媒は省゚ネ的
に䞍利だずいう意芋がありたすが、日本の技術
で十分に省゚ネができるこずを実蚌するこずが
できたした」
「むンドネシアの実蚌実隓では、効果は予想以
䞊に出おいたす。珟圚むンドネシアで導入され
おいるショヌケヌスに察しお、容量的に3倍以䞊
のCO2
ケヌスを導入したしたが、電気䜿甚量の
アップは1割皋床で収たっおいたす」
日本流アプロヌチを䞖界ぞ
自然冷媒の展望に぀いお、ロヌ゜ンでは今の
ずころ炭化氎玠冷媒技術を導入する予定はな
いずいう。ペヌロッパでは、業務甚冷凍冷蔵分
野で炭化氎玠を䜿ったプラグむンショヌケヌ
スが普及しおいるが、日本では炭化氎玠機噚
を導入しおいる店舗はほんのわずかである。
宇郜氏は、日本のメヌカヌが包括的なメンテ
ナンス契玄を備えた業務甚炭化氎玠冷蔵庫を
出しおいないこずがバリアになっおいるず指
摘する。
「ナヌザヌ偎には炭化氎玠䜿甚の安党性に
察する懞念があるず思いたすが、メヌカヌ偎が
それは倧䞈倫だず蚀っおきちんずメンテナンス
を行い、䞇が䞀事故が起きたずきには責任を
取れる䜓制があるでしょうか。日本流の考えか
もしれたせんが、そこだず思いたす。我々日本
のナヌザヌずしおは、そういう仕組みがあるの
が倧前提ずしおやっおいたすから、海倖のメヌ
カヌにずっおはギャップを感じるかもしれたせ
ん」ず宇郜氏は蚀う。
束谷 裕行
加盟店支揎本郚
省゚ネ・リサむクル掚進郚 担圓マネゞャヌ
宇郜 慎䞀郎
加盟店支揎本郚 本郚長補䜐
省゚ネ・リサむクル掚進郚 郚長
Aug / Sept 2015 Accelerate Japan 21
Hokkaido
1. Hokkaidō
8
8
63
21
8
15
8
2
9
Tōhoku
2. Aomori
3. Iwate
4. Miyagi
5. Akita
6. Yamagata
7. Fukushima
116
5
11
5
48
35
8
4
Kansai
24. Mie
25. Shiga
26. Kyōto
27. Ōsaka
28. Hyōgo
29. Nara
30. Wakayama
179
14
8
15
41
24
36
41
Kantō
8. Ibaraki
9. Tochigi
10. Gunma
11. Saitama
12. Chiba
13. Tōkyō
14. Kanagawa
112
7
6
5
—
10
6
14
17
47
Chūbu
15. Niigata
16. Toyama
17. Ishikawa
18. Fukui
19. Yamanashi
20. Nagano
21. Gifu
22. Shizuoka
23. Aichi
80
35
3
6
8
10
6
11
1
Kyushu
40. Fukuoka
41. Saga
42. Nagasaki
43. Kumamoto
44. Ōita
45. Miyazaki
46. Kagoshima
47. Okinawa
42
5
5
16
9
7
Chūgoku
31. Tottori
32. Shimane
33. Okayama
34. Hiroshima
35. Yamaguchi
42
11
12
18
1
Shikoku
36. Tokushima
37. Kagawa
38. Ehime
39. Kōchi
1
2
5 3
4
7
9
8
13
14
10
11
12
6
15
22
20
16
18
2628
27
17
21
1923
39 36
3738
32 31
333435
2530
2429
44
41
43
46
40
47
42
45
北海道
1. 北海道
8
8
63
21
8
15
8
2
9
東北
2. 青森県
3. 岩手県
4. 宮城県
5. 秋田県
6. 山圢県
7. 犏島県
116
5
11
5
48
35
8
4
関西
24. 侉重県
25. 滋賀県
26. 京郜府
27. 倧阪府
28. 兵庫県
29. 奈良県
30. 和歌山県
179
14
8
15
41
24
36
41
関東
8. 城県
9. 栃朚県
10. 矀銬県
11. 埌玉県
12. 千葉県
13. 東京郜
14. 神奈川県
112
7
6
5
—
10
6
14
17
47
䞭郚
15. 新期県
16. 富山県
17. 石川県
18. 犏井県
19. 山梚県
20. 長野県
21. 岐阜県
22. 静岡県
23. 愛知県
80
35
3
6
8
10
6
11
1
九州・沖瞄
40. 犏岡県
41. 䜐賀県
42. 長厎県
43. 熊本県
44. 倧分県
45. 宮厎県
46. 鹿児島県
47. 沖瞄県
42
5
5
16
9
7
䞭囜
31. 鳥取県
32. 島根県
33. 岡山県
34. 広島県
35. 山口県
42
11
12
18
1
四囜
36. 埳島県
37. 銙川県
38. 愛媛県
39. 高知県
p.22ぞ続く
所圚地別 CO2 店舗数合蚈642
Accelerate Japan Aug / Sept 201522
CO2
冷媒導入に察する、ロヌ゜ンの「物語」
は第䞀章を終えたず蚀えるだろう。CO2
冷
凍冷蔵の導入に䌎う䜓制をペヌロッパ諞
囜から孊んだ同瀟は珟圚、CO2
導入店舗
数がデンマヌク囜内の700店を超えようず
しおいる。さらには、日本のメヌカヌず協力
しお、CO2
に関する独自のノりハりを確立し
おきた。日本ではパッケヌゞシステムを扱
っおるため、ラックビルドを扱うペヌロッパ
の文化ず倧きく異なる。日本の䌁業は、コン
ビニ゚ンスストア垂堎が急速に発達するペ
ヌロッパに、パッケヌゞシステムを日本流
のアプロヌチずしお持ち蟌みたいず考えお
いるのだ。
たた同瀟は、近いうちに自然冷媒に察する
䞀般の関心を高めるずいう課題ぞの取り組
みも始める。今幎床、環境省ず共に瀟䌚実蚌
実隓を行い、CO2
冷凍冷蔵機噚の利点を広
く説明する蚈画だ。䞀般の人々からの幅広
い支持が埗られれば、CO2
冷凍冷蔵垂堎は
どこたでの成長をみせるこずになるか、その
可胜性は無限だ。 JD + MC
in 2015
642
店舗
in 2016
1300
店舗
ロヌ゜ン 品川南倧井四䞁目店
Aug / Sept 2015 Accelerate Japan 23
この理念は、フランチャむズを展開する地域や関連䌁業・事
業者の健康ず幞せを支揎するものだ。「お客様には、ロヌ゜ン
が持続可胜な発展に察し行動しおいる䌁業であるず思っおい
ただきたいず考えおいたす」ず宇郜氏は蚀う。
CO2
冷媒を䜿甚した冷凍冷蔵機噚の導入に加え、ロヌ゜ンは
環境ぞの負荷を枛らすために様々な掻動を行っおいる。ここ
では、その掻動䟋を䞀郚玹介する。
■ 省゚ネルギヌロヌ゜ンの省゚ネ䞭期目暙は、2020幎床た
でに1店舗あたりの電気䜿甚量を2010幎床比で20%削枛す
るずいうものだ。そのために同瀟は、省゚ネ型冷凍冷蔵・空
調システムやLED照明など、゚ネルギヌ効率の優れた機噚の
導入を進めおいる。さらに、「省゚ネ10か条」を定め、店舗で
芁冷機噚のフィルタヌ枅掃を行うこずなどにより、機噚の運
転効率を向䞊させ、䞍芁な電気䜿甚量を削枛する取り組みを
行っおいる。
■ CO2
排出オフセット運動ロヌ゜ンの利甚者は、買い物で
貯めた共通ポむントサヌビス「Ponta(ポンタ)」のポむント
ずCO2
排出暩を亀換、たたは店頭マルチメディア情報端末
「Loppi」を䜿った珟金での賌入や、CO2
をオフセットできる
排出暩付きの商品を賌入できる。2014幎床には、延べ3,090
䞇人がこの仕組みを利甚し、环蚈で玄24,700トンのCO2
オフ
セットを達成した。
■ 倪陜光発電システム2014幎床末たでに、ロヌ゜ンは倪陜
光発電システムを玄2,000店舗に導入した。このシステムは、
売電甚10kW5kW×2系統ず店舗䜿甚2kWの合蚈12kWの
発電胜力を持぀。1店舗あたりの発電量は幎間玄13,000kWh
である。10kW以䞊の倧芏暡な発電容量を備えたシステムの
導入は、コンビニ゚ンスストア業界で初めおの詊みだ。
■ 容噚包装の軜量化、怍物由来玠材の採甚ロヌ゜ンでは、
冷やし麺類の容噚にサトりキビ由来の暹脂を䞀郚䜿甚した
バむオPET暹脂を採甚しおいる。たた、容噚包装重量の軜量
化にも取り組んでおり、2014幎床には1容噚あたりの容噚
包装重量を2006幎床比で13.6%、重量にするず玄500トン
削枛した。
■ 発泚粟床の向䞊で廃棄を削枛䞍芁な廃棄を枛らすため、
ロヌ゜ンは共通ポむントサヌビス「Ponta」を通しお収集さ
れる賌入デヌタを分析し、店舗の品揃えの適正化を図っおい
る。曜日や倩候パタヌン、地域行事などを考慮しお賌買行動
を予枬するこずで、発泚数ず品揃えを最適化し、廃棄を枛らし
おいる。
■ 食品リサむクル売れ残り食品匁圓、おにぎり等は1店舗1
日あたり平均で7.9kg、揚げ物に䜿った廃油は2.1kgになる。
売れ残り食品はリサむクル工堎でブタやニワトリの飌料や肥
料に、廃油は家畜飌料甚添加物、公共バスのバむオディヌれ
ル燃料、無添加石けんなどに再生される。こういった取り組み
の結果、2014幎床の食品リサむクル等実斜率は、法定目暙の
36.5%を倧きく䞊回る44.7%を達成した。
■ 店舗の什噚・蚭備の再䜿甚店舗の改装や閉店の際、商品
の陳列什噚や空調機噚、電子レンゞなどの什噚・蚭備䞀定
の基準をクリアしたものを日本に二か所あるリナヌスセン
タヌで保管し、新芏にオヌプンする店舗で再䜿甚しおいる。
■ 環境に配慮した自動車ず運転スヌパヌバむザヌ店舗指
導員や店舗開発担圓者が䜿甚するすべおの瀟甚車四茪駆
動車を陀く玄2,200台に぀いお、ハむブリッド車ぞの切り替
えを進めおいる。配送車䞡には、運行状況を把握する運行管
理システムを装備し゚コドラむブを掚進するのに加え、燃費
を向䞊させる゚コタむダを導入した。アむドリングストップの
培底や隒音防止などに぀いお、ドラむバヌ研修も行っおいる。
■ レゞ袋ず割り箞の削枛レゞ袋の䜿甚を削枛するため、ロ
ヌ゜ンでは店舗スタッフの声かけや店内攟送・ポスタヌでの
呌びかけ、再利甚可胜な「ケヌタむバッグ」の配垃を行っおい
る。2014幎床には、1店舗あたりのレゞ袋䜿甚重量は2000幎
床比で25.9%枛少し、レゞ袋配垃率は79.1%ずなった。1店舗
あたりの割り箞䜿甚膳数は2006幎床比で12.6%枛少し、玄
52,000膳ずなった。
■ 地域の矎化掻動ロヌ゜ンの埓業員ずその家族は、各地の
自治䜓や䌁業、垂民ず協力し、地域の河川や公園を枅掃・矎
化する掻動に参加しおいる。
ロヌ゜ンの瀟䌚貢献掻動方針
ゞェヌムス・ラン゜ン著
ロヌ゜ンのCO2
冷媒での成功は、同瀟の匷力な䌁業理念の成果ずいえる。
「私たちは“みんなず暮らすマチ”を幞せにしたす。」
Accelerate Japan Aug / Sept 201524
Aug / Sept 2015 Accelerate Japan 25
Accelerate Japan Aug / Sept 201526
倉化を奜む者などいない。特に食品小売業者はそうだ。しかしこの20幎間を振
り返るず、冷凍冷蔵機噚で䜿甚が認められる冷媒の状況はあたりにもめたぐる
しく倉化しおきた。先行きの䞍透明さはいったいい぀たで続くのか、そう苛たれ
た小売業者は倚いだろう。1778店舗うち852店舗はフランチャむズ店をかか
える、カナダ第二䜍の食品小売チェヌン・゜ビヌズSobey’sもその䞀぀だ。そこ
で圌らは、北米ではじめお、ある決断をした。
゜ビヌズの決断ずは、芏制察象倖のCO2
冷媒を䜿甚したトランスクリティカル冷
凍システムを、同瀟の新芏店舗ず倧芏暡改装店舗の暙準システムに採甚したこ
ずである。  
珟圚゜ビヌズは、72店舗でCO2
トランスクリティカルシステムを持ち、毎幎15
20の店舗で同システムを導入しおいる。事実䞊、北米でのトランスクリティカ
ルシステム導入のリヌダヌ的存圚ずなった。新芏導入のうち少なくずも10店舗
は改装店舗で、店舗の操業䞭も工事は垞に行える。゜ビヌズはCO2
冷媒ぞの移
行を進めながらも、1日の売り䞊げも倱うこずがないのである。
芏制の波から抜け出すための遞択 
゜ビヌズが冷媒転換を意識しはじめたのは2008幎のこずである。オゟン局保護
のためのモントリオヌル議定曞では垞に芏制が匷化され、さらに芏制改正が生
じるこずは明らかだった。R22のようなハむドロクロロフルオロカヌボンHCFC)
は廃止予定であり、ハむドロフルオロカヌボンHFCの将来も䞍確実だった。
゜ビヌズはすでに、R11やR12などオゟン局砎壊物質クロロフルオロカヌボン
CFCの段階的廃止から、その圓時は「新冷媒」だったオゟン局砎壊物質であ
るHCFCぞの移行を経隓しおいた。そしお今、モントリオヌル議定曞は、地球枩暖
化ぞの寄䞎床の倧きいHFC冷媒も新たに远加し、段階的廃止ぞず螏み切るこず
ずなりそうだ。゜ビヌズの゚ンゞニアたちは自問しおいた。「皆の流れにあわせ
お同じこずを繰り返しおいおいいのだろうかもはや党く別の冷媒に投資するべ
きではないだろうか」
冷蔵冷蔵に関する技術や人材構築の決定暩は、゜ビヌズの技術担圓圹員にあ
り、それがむノ・ハグロン氏である。
ハグロン氏は、ノバスコシア州ステラヌトンに本瀟がある゜ビヌズ瀟の぀の
地域郚門である゜ビヌズケベック、マリタむム、オンタリオ、り゚スタンカナダの
うちの゜ビヌズケベックの担圓である。
3぀のアングロサク゜ン系の地域郚門が統合された䞀方、フランス語圏である゜
ビヌズケベックは、独立したアむデンティティを持っおいるため、それがケベック
州特有の食品関係を差別化するのに圹立っおいるずのこずだ。
圓初、ハグロン氏や機噚アドバむザヌのむノス・ビュヌレガヌド氏、パトリック・
ギャロヌ氏ずいった゚ンゞニアチヌムにずっお、フロン系冷媒を䜿い続けるこず
は将来的な保蚌がなにもなかった。10幎、12幎、たたは15幎埌に再びそれらの
冷媒廃止に盎面するこずになるかもしれないのだ。ハグロン氏は思った。「ペヌ
ロッパで自然冷媒を䜿った技術が出おきおいる䞭、なぜ䞍確実な代替冷媒に我
々が投資すべきだろうか」
゜ビヌズの゚ンゞニアたちは倧西掋を枡っお欧州をめぐり、急速な発展をずげ
おいるCO2
トランスクリティカル冷凍技術の状況を芖察した。
欧州から戻った゚ンゞニアたちの報告に刺激をうけた゜ビヌズは、圌らず技
垫ず耇数のシステムメヌカヌを䞀堂に集め、新たな業務を委任した。同瀟は
長期的にはフロン系冷媒から完党に脱华するこずを目暙ずし、そのためにも
代替技術が必芁だった。その郚屋に集たっおいた者たちに突き぀けられた
課題は「この目暙達成のためには䜕ができるのか」ずいうこずだった。
CO2
システムに応じた䌁業はわずか2瀟
未来ぞ続く自然
冷媒の遞択
カナダの倧手小売チェヌン・゜ビヌズは、
北米の党新店でCO2
冷媒を導入し、
暙準蚭蚈ずした。
フロン類ではなく、未来志向の自然冷媒
技術を遞択した、その軌跡を芋おいきたい。
ゞャナむナ・トップレヌ・リラマヌク・シャセロット著
むノ・ハグロン
゜ビヌズ技術担圓圹員郚長
Aug / Sept 2015 Accelerate Japan 27
たず始めに10瀟が゜ビヌズの求めに応じた。最初
の䌚議埌にそれから6瀟が残り、他は自然冷媒゜リ
ュヌションをただ提䟛できなかった。残った6瀟が
提案した゜リュヌションに぀いお、さらに詳现な質
問を重ね、その結果4瀟に絞られ、最終的には2瀟が
残った。カルノヌCarnotずシヌ・゚ス・シヌCSC
である。゜ビヌズが求めたシステムを提䟛できたの
は、最終的にはこの2瀟しかなかったのである。
通垞゜ビヌズは、競合䟡栌を芋極める䞊で瀟か
らの芋積もりを必芁ずするが、これは䟋倖的状況
だった。
カルノヌずCSCは、䞡瀟ずもCO2
が玠晎らしい可胜
性を持っおおり、地球枩暖化係数GWPもわずか
であるこずを理解しおいたため、CO2
技術の開発に
泚力しおいた。その結果、゜ビヌズは䞡瀟ず密に連
携し、初のカナダ補のCO2
システムを店舗で実蚌詊
隓するこずで合意した。
圓初、自然冷媒転換を目指す゜ビヌズの取り組みを
支揎する補助金はほずんどなかった。そこでCO2
ぞ
の投資の原動力ずなったのが、゜ビヌズケベックの
技術郚門であった。同瀟のその他の郚門は、CO2
ぞ
の転換が正しい遞択なのか充分な確信がなかった
のである。呚囲からは、゜ビヌズケベックは正気でな
くなったず思われおいた。
しかしながら、CO2
冷凍技術掚進の動きは最終的に
CEOに䌝わり、その埌ケベックチヌムは事業党䜓を「
グリヌン」にするように、ず経営陣からの支持を埗た
のである。この動きは、今や他郚門にも浞透し始め
た。その結果、CO2
システムがブリティッシュコロン
ビア2アルバヌタ(3)、サチュカチュワン (1)、マニト
バ (2)、オンタリオ (2)、ニュヌファンドランド(1)で蚭
眮されるに至った。
自然冷媒を語る䞊で、゜ビヌズはGWPだけに泚目
するのではなく、この先、新䞖代のフロン系冷媒が
犁止される可胜性をも芖野に入れおいる。同瀟は
ハむドロフルオロオレフィン (HFO)は決しお自然冷
媒には入らないずいう考え方である。「新しいフロ
ン系冷媒は今埌問題ずなり、モントリオヌル議定曞
の䞋で2030幎や2040幎に犁止になる可胜性があ
るこずを我々はわかっおいるからです」ずハグロン
氏は述べた。
倉革ぞの道のり
珟圚゜ビヌズのスヌパヌマヌケットの85がただ
R22を䜿甚しおおり、「ただ先は長い」ずハグロン氏
は認識しおいる。2015幎には同瀟はもはやR22シス
テムを新蚭するこずもないが、R22冷媒自䜓も生産
茞入量はわずか300トンのみずなる1996幎比90
削枛。これはケベックの300店舗その倚くはフラ
ンチャむズを含む1498の党店舗に圱響を及がす。
しかし最終的には、゜ビヌズ党店舗が自然冷媒に転
換するこずになるだろう。
党システムを入れ替えるには倚額の投資が必芁ず
なるため、埐々に展開しおいくこずになる。5〜6幎前
に蚭眮されたシステムで、寿呜が15幎から20幎であ
れば、店舗が倧掛かりな改装を行わない限り、今埌
も10幎から15幎皌働するこずになるだろう。
゜ビヌズは2009幎に第䞀号であるCO2
トランスクリ
ティカルシステムを蚭眮し、2011幎に新芏店舗ず倧
芏暡な改装店舗の暙準装備ずなった。CO2
が店舗で
導入される䞀方、倉庫や配送センタヌではアンモニ
アが䜿甚されおいる。
他の自然冷媒蚭備
次なる挑戊空調
空調に関しおは、゜ビヌズはスヌパヌマヌケッ
ト向けの空調システム専門メヌカヌず協力しお
いる。
空調システムは、店内での枅掃や調理、たた果
物・野菜の鮮床維持のために氎噎霧によっお生じ
る高い湿床レベルに適応させなければならない。
業務甚冷凍冷蔵システム導入の際には、店内の
陀湿ができる空調システムも装備するこずが重
芁ずなる。
゜ビヌズは珟圚CO2
を䜿った空調システムの可胜
性を調査しおいるが、技術圹員のハグロン氏は、
垂堎はただ準備が敎っおいないず蚀う、珟圚の
自然冷媒の空調システムは、フロン系冷媒を䜿
ったシステムに比べおコスト面で遠く及ばない
のである。
カルノヌず協力しお、゜ビヌズは店舗の空調シス
テムに繋いだ統合型CO2
システムの詊運転をした
こずもある。しかしながら、䜎い蒞発枩床がシス
テムの効率を匕き䞋げおいた。このため、珟時点
では高い蒞発枩床で空調専甚に蚭蚈されおいるシ
ステムを䜿う方が望たしいず考えおいる。
゜ビヌズの自然冷媒の店舗導入の成功は、同瀟の
倉庫や配送センタヌにたで及んだ。
近幎゜ビヌズケベックは぀の倉庫を党お、
22や䞀郚でただ䜿われおいたR12から自然冷媒で
あるアンモニアぞず転換した。冷凍肉倉庫拡匵な
どで䞀郚はCO2
, を䜿っおいるものもあり、そこ
ではもずもずあるアンモニアシステムにカスケヌ
ドCO2
システムを远加蚭眮しおいる。他にも、ト
ロア・リビ゚ヌルにある乳補品工堎のようにアン
モニア冷媒を採甚し、グリコヌル配管を倉庫党䜓
に通しおいるずころもある。
゜ビヌズケベックの技術圹員のハグロン氏にずっ
お、このような次冷媒を䜿甚するシステムはア
ンモニアだけで構成されるシステムよりも望たし
い。なぜなら圌は、アンモニアの挏掩を完党に防
ぐこずはできないず考えおいるからである。䞇䞀
アンモニアのみのシステムを䜿っおいる倉庫で挏
れが発生すれば、工堎党䜓を怜査しなくおはなら
ない。トロア・リビ゚ヌルの工堎では、アンモニ
アは機械宀の䞭だけにあるのでこのようなこずは
起こらない。
“
我 々 は 次 な る 段 階 的 廃 止「 モ ント
リオ ヌ ル è­° 定 曞 3 . 0 」を 経 鹓 し た
くな か った の で す。
p.28ぞ続く
Accelerate Japan Aug / Sept 201528
O N T A R I O
N U N A V U T
H u d s o n
b a y
SASKATCHEWAN
A L B E R T A
M A N I T O B A
Y U K O N
N O R T H W E S T
T E R R I T O R I E S
B R I T I S H
C O L U M B I A
カスケヌド匏を含む初代C02
システムは、䜕回か挏掩も生じた詊䜜品だっ
たこずもあり、埓来システムよりも゚ネルギヌ効率が悪く新しい技術ならでは
の“成長の痛み”を経隓した。いわば、店舗での詊運転の際に生じる問題に察応
しおいかなければならない「生きたラボ」であった。䟋えば䞀郚の店舗では、゚
ンゞニアチヌムがコンプレッサヌを完党に入れ替えなければならない事態も
起きた。
たた高圧であるCO2
冷媒専甚のバルブやプレヌト熱亀換噚などの郚品の欠品
にも盎面した。その結果、同瀟はシステムメヌカヌや郚品メヌカヌず緊密に協力
しお、黎明期のCO2
冷凍技術の埮調敎をしなければならなかった。
今ずなっおは、゜ビヌズに導入されたシステムは非垞に安定し、冷凍胜力が80ト
ンから250トンたで幅広く察応しおいる。これらは、経枈性を高めるために瀟
で補造されおおり、CSCは今は入っおいない。
ケベックのシステムメヌカヌは考え方を180床倉えたずハグロン氏は考えおい
る。圌らは今やR507やR407よりも、CO2
システムを䜜る方にはるかに高い関心
をもっおいる。メヌカヌ数瀟においおは、合成フロン系冷媒システムの補造を完
党にやめおしたったメヌカヌすらある。
゜ビヌズが支払う初期システムのむニシャルコストも次第に䞋がっお来きた。初
期の頃には、CO2
システムは合成フロン系冷媒システムに比べお、有に25~30%
もコストが高かった。珟圚コストは同等になり、R507を甚いる埓来型の業務甚
冷凍技術よりも実際は安い堎合もある。
゚ネルギヌ効率もたた劇的に向䞊した。冷凍システムが店内の゚ネルギヌ
コストの玄50であるこずを考えるずこれは非垞に重芁である。珟圚のCO2
技術を甚いお、埓来システムよりも冷凍冷蔵分野での゚ネルギヌコストを玄
8削枛した。
かくしお゜ビヌズは持続可胜性を実珟したわけだが、それを売り蟌むこずは
䞀䜓䟡倀があるのだろうかCO2
冷凍システムぞの投資は平たくいうず、道
路を走る乗甚車を幎間3000台取り陀くこずに匹敵する。この事実を来店客に
䌝え、゜ビヌズの環境保護の取組みの認知床を高めるために、店舗オヌプン
の際には店内のグリヌン技術に関する特別な暙識を掲瀺しおいる。
しかし、スヌパヌマヌケットずコンビニ゚ンスストアには既に掲瀺や広告で溢れ
おいるため、この雑倚な掲瀺スペヌスでぱコぞの取組みであるグリヌン技術
の匷調ではなく、補品商品の販売に重点を眮いおいる。
䜕故なら、冷凍冷蔵はスヌパヌマヌケット経営の重芁な郚分であるが、ビ
ゞネスの栞心ではない。最も泚目を集めるべきは、販売しおいる商品その
ものである。「他店舗よりもトマトの倀段が安いこずを匷調する方が、トマ
トを冷やすグリヌン技術を匷調するよりも優先順䜍が高いのです」ずハグ
ロン氏は述べた。 JTL + MC
Aug / Sept 2015 Accelerate Japan 29
Q U É B E C
N E W F O U N D L A N D
A N D L A B R A D O R
N E W
B R U N S W I C K
N O V A
S C O T I A
N o r t h
A t l a n t i c
O c e a n
゜ビヌズの
カスケヌド及び
トランスクリティカル
冷凍システムの蚭眮地域
QUÉBEC
»» St-Félix de Valois
»» Coteaux-du-Lac
»» Laval-Ouest
»» Cap-Rouge
»» Cookshire
»» Bromont
»» St-Charles de Drummond
»» Kirkland
»» St-Augustin (Mirabel)
»» Repentigny
»» Dorval
»» St-Rémi de Napierville
»» Granby
»» DisraÚli
»» Valleyfield
»» L’Annonciation
»» Mercier
»» Ste-Agathe des Monts
»» St-Donat
»» Pont-Rouge
»» Grenville
»» Delson
»» Val Belair
»» East Angus
»» Masson-Angers
»» Lasarre
»» Gatineau
»» St-CÎme
»» Cap-De-La-Madeleine
»» St-Nicephore
»» St-Georges Est
»» St-Sauveur
»» Lachenaie
»» Laval
»» Montreal Millen
»» Bromptonville
»» Terrebonne
»» Amos
»» St-Césaire
»» Vaudreuil-Dorion
»» New Richmond
»» Paspébiac
»» St-Jean-Richelieu
»» Sherbrooke
»» Richelieu
»» Boucherville
»» Chicoutimi
»» Montréal / Fleury
»» Terrebonne
»» Gatineau
»» Magog
»» St-Amable
»» Chandler
»» St-Pie de Bagot
»» Victoriaville
»» Riviere-Du-Loup
»» Ste-Brigitte de Laval
»» Montréal / Centre-ville
»» St-Félicien
»» Ste-Julie
»» Montréal / Centre-ville
»» Boischatel
»» St-Antoine des Laurentides
»» Ste-ThérÚse
»» Rimouski
»» Longueuil
»» Ayers Cliff
»» Temiscamigue
»» Montréal / Shamrock
»» Ste-Canut
BRITISH COLUMBIA
»» Courtenay »» Comox
ALBERTA
»» Lewis Estates »» Newcastle »» Nolan Hill
SASKATCHEWAN
»» Stonebridge
MANITOBA
»» Kildonan »» Sage Creek
ONTARIO
»» Milton »» Stratford
NEWFOUNDLAND
»» Paradise
»» CO2
トランスクリティカル »» CO2
カスケヌド
Aug / Sept 2015 Accelerate Japan  2 7
Accelerate Japan Aug / Sept 201530
R E D B U L L
  持 続 可 胜 な
    冷 华 ぞ の 挑 戊
゚ルケ・ミルナヌ著
䞖界に50䞇台以䞊の炭化氎玠クヌラヌで小売り
展開する゚ネルギヌ飲料倧手が、぀いにアメリカ
でも導入に螏み切る。
ペむゞ・ダン
レッドブル
C S R プロゞェクトリヌダヌ
    界で最もよく売れおいる゚ネルギヌドリンクメヌカヌ幎間販売猶数    
     50 億以䞊レッドブル (Red Bull) は、スポヌツむベントのスポンサヌ
     やプロスポヌツチヌムのオヌナヌずしおも知名床が高い。
珟圚、レッドブルは環境リヌダヌずしお知られるようになり、特に飲料氎の冷
蔵分野においお抜きんでおいる。
自らの環境責任を痛感しおいるレッドブルは、CO2 排出量を可胜な限り最小限
に抑えようず積極的に取り組んでいる。トラック走行距離を 550 䞇マむル近く
削枛し、100% リサむクル可胜な猶、超省゚ネのボトルクヌラヌに至るたで、同
瀟の持続可胜性のための努力はバリュヌチェヌン党䜓をカバヌしおいる。
䞭でも冷华は特別泚目されおいる。北米レッドブルの CSR プロゞェクトリヌダヌ
であるペむゞ・ダン氏は Accelerate America に察し、同瀟の冷华機噚による CO₂
排出量は瀟内党䜓の 20にもなるず語った。
そのような冷华機噚による環境負荷を抑えるため、レッドブルは 2008 幎に炭化
氎玠冷媒を䜿甚するボトルクヌラヌ「゚コクヌラヌ」を採甚する飲料小売業者を
展開するこずに決めた。2011 幎、同瀟は販売堎所の冷蔵冷凍ナニットに自然冷
媒を甚いるこずで気候倉動に察凊し、ペプシコ (PepsiCo)、コカ・コヌラ (Coca-
Cola)、ナニリヌバ (Unilever) で構成される「Refrigerants, Naturally!」構想の仲間
入りをした。
レッドブルの゚コクヌラヌは、環境に優しい炭化氎玠冷媒 R600a ( む゜ブタン )
を䜿甚しおいる。この゚コクヌラヌの䜿甚゚ネルギヌは、埓来の HFC クヌラヌ
より 45% 少ない。たた性胜を最倧限に高めるため、LED 照明、゚ネルギヌ効率
の高いファン、むンテリゞェント制埡装眮、断熱ガラスを採甚した。同瀟による
ず、7 台の゚コクヌラヌの゚ネルギヌ消費量は、わずか 100 ワット電球 1 個分
皋床だずいう。
レッドブルの発泚ガむドラむンでは、法埋的および技術的芳点から、今埌は実
斜可胜な堎所であれば゚コクヌラヌしか導入しないこずになっおいる。
ダン氏によるず、2013 幎はレッドブルの冷华機噚党䜓の 50以䞊が炭化
氎玠冷媒を䜿甚し、昚幎は同瀟が北米向けに賌入したクヌラヌの 65に圓
たる 59,948 台が炭化氎玠を䜿甚したものであった。レッドブルのグロヌバ
ル賌買郚長のナルゲン・ブレネむス氏によるず、珟圚同瀟が所有し、䞖界各
地で動いおいる炭化氎玠クヌラヌは 50 䞇台を超える。
侖
Aug / Sept 2015 Accelerate Japan 31
幎間䞖界売䞊
(猶の数)
50億
䞖界に展開する
゚コクヌラヌ台数
500,000
北米向け
゚コクヌラヌ賌入台数 (2014)
59,948
゚コクヌラヌによる
省゚ネ率
45%
数字で芋る
以䞊
以䞊
「私たちは、前幎床比率がこのように劇的に増加したこずを誇りに思っおおり、今埌も
炭化氎玠冷媒100䜿甚の゚コクヌラヌの調達をめざし、積極的に取り組んでいきた
す」ずダン氏は語る。
SNAP認可の獲埗
欧州の 炭化氎玠冷凍垂堎は極めお発達しおおり、家庭甚冷蔵庫および小型業務
甚冷蔵庫においおは、垂堎は飜和状態にある。よっお欧州で゚コクヌラヌを実践
するこずは 䜕の問題もなかったが、北米、特に米囜では状況は異なっおいた。
炭化氎玠は米囜重芁新芏代替品政策 (SNAP) プログラムのもず、2011幎12月に
認可されたが、レッドブルが冷媒ずしお遞択したR600aは業務甚内蔵型冷蔵庫ぞ
の䜿甚がただ認可されおいなかった。
「認可されおいなかった唯䞀の理由は、それたで誰も芁求しなかったからです。
これは連邊政府ず民間䌁業の䞡者の問題です」ずダン氏は蚀う。
そこで レッドブルは行動に出た。R600aの飲料甚クヌラヌぞの䜿甚認可を芁求
するための芁望曞を、米環境保護庁 (EPA)に提出したのだ。
ダン氏はたた次のように述べおいる。「EPAのSNAPチヌムに働きかけ、圌らず手
を組み、詊隓的なプログラムずしおR600aの認可を埗ようずしたのです。それは倧
きな圱響をもたらしたした。たちたち米囜内における炭化氎玠冷蔵機噚のシェア
が10%増加したのです」
懞呜な努力に加え、システム䟛絊業者ずの協力、SNAPチヌムずの継続的な議論、
そしお圓然のこずながら煩雑な手続きなど、堅実な1幎間を経たのちの2013幎7
月、R600aはSNAP プログラムのもず認可されたのである。
「R600aは、最初の決定で有効な代替品ずしお認可されるべきでしたが、厳し
い芏制ず手続き䞊の理由で、1幎遅れの認可ずなりたした。しかしながら、SNAP
プログラムず組むこずで、かなり融通が利き、囜内初の認可枈み業務甚R600aク
ヌラヌを所有する䌁業ずなったこずを誇りに思っおいたす。今はEPAが正匏に
R600aを認可しおいたすので、今埌この技術が広く採甚されおいくのが楜しみで
す」ずダン氏は語った。
普及が困難な垂堎はアメリカ合衆囜だけではない。ATMOsphere Asia 2015で
ブレネむス氏は次のように説明した。2015幎時点で、レッドブル は日本以倖の
党おの地域で自然冷媒をベヌスずした゚コクヌラヌの導入に成功しおいるが、日
本にある1䞇台のレッドブルボトルクヌラヌ の内、炭化氎玠を䜿甚しおいるのは
1台もない。日本垂堎で倧きな障壁ずなっおいるのは、小型炭化氎玠機噚向けに
蚭蚈された郚品が入手困難であるこず、そしお研修を受けたサヌビスパヌトナヌ
の䞍足だず蚀う。
米囜ではレッドブルがパヌトナヌ䌁業6瀟の取扱技術者に察し、炭化氎玠
クヌラヌの修理および正しい廃棄方法に関する研修を実斜しおいる。
抂しお、北米における炭化氎玠冷凍冷蔵機噚の需芁は増加傟向にあり、それは今
幎開催されたAHR ExpoやNAFEM Showでも歎然ずしおいた。
「この技術が我が瀟にずっおも、顧客にずっおもベストな解決策であるこずは既
にわかっおいたす。この技術をいち早く採甚した䌁業である我が瀟の゚ネルギヌ
䜿甚量は激枛したした。地球ぞの害が少なく、たた顧客の皆様の事業に察しおも
利益をもたらすこずができ、双方にずっお有利であるのは間違いありたせん。我々
がこの技術をさらに掻甚するこずで、小型業務甚冷蔵機噚党䜓が同様に転向し
おいくこずを望んでいたす。炭化氎玠ボトルクヌラヌは未来のものではありたせ
ん。それは、間違いなく珟圚の垂堎にある最も優れた補品の䞀぀です」ずダン氏
は述べおいる。
Accelerate Japan Aug / Sept 201532
Aug / Sept 2015 Accelerate Japan 33
Accelerate Japan Aug / Sept 201534
アンモニアオンリヌのシス
テムから、アンモニア/ CO2
のプラットフォヌムに手を
広げるこずで、ナナむテッド
ステむツ コヌルド ストレ
ヌゞUnited States Cold
Storage以䞋USCSでは、
倉庫運甚担圓者からCO2
が
冷媒ずしお受け入れられる
ようになった。
マむケル・ギャリヌ著
冷凍倉庫業界
に
新颚を吹き蟌んだ
Aug / Sept 2015 Accelerate Japan 35
p.36ぞ続く
マむク・リンチ
USCS
Accelerate Japan Aug / Sept 201536
50䞇平方フィヌト玄46500㎡東京ドヌム
぀分皋床もあるUSCSのベスレヘム斜蚭
は、2005幎に開蚭され、か぀お䞖界第二䜍の
倧手鉄鋌メヌカヌであったベスレヘム・スチヌル
Bethlehem Steel が所有しおいた300゚ヌ
カヌ玄1.2㎢の敷地の䞀郚にある。マンハッタ
ンの倚数の超高局ビルに甚いられたI圢梁を補
造しおいたベスレヘム・スチヌルは、海倖メヌカ
ヌずの競争に生き残れなくなり、1995幎に斜蚭
を閉鎖し140幎間の歎史に幕を閉じた。
グロヌバル化する状勢䞋で、ベスレヘム・スチヌ
ルは倉化の波に飲み蟌たれおしたった。そしお
今、アンモニア冷凍に察する政府のより厳しい
監芖を受けながら、産業甚冷凍業界では、倚く
の䌁業が極小充填アンモニア ぞの移行や、移行
を怜蚎する方向ぞず倉化しおいる。
ベスレヘムを皮切りに、USCS は倉化に抌し぀ぶ
されるのではなく、むしろそれを䞊手く切り抜け
る方法を孊んだ。 ベスレヘム工堎は、叀い補鉄
所に隣接しながら、過去に生きるのではなく、珟
実に立ち向かう必芁性をい぀も思い起こさせお
くれる存圚だ。
ベスレヘムでUSCSは、20,00040,000ポンド
玄918トンのアンモニアを䜿甚する埓来
の2段ポンプ再埪環匏アンモニア冷凍システム
ではなく、6,400ポンド玄3トンのアンモニア
ず48,000ポンド玄22トンのCO2
を䜿甚する
NH3
/CO2
カスケヌドシステムを遞んだ。2005幎
にはほずんど耳にするこずのなかった遞択肢
である。
「最初の頃は、人々から頭がおかしいず蚀われ
たしたよ。圓時は機噚メヌカヌでさえ、CO2
を䜿
甚すべきではない理由を説明しお回っおいたぐ
らいですから。」USCSの技術担圓副瀟長マむケ
ル・リンチ氏は、先日ベスレヘム倉庫で実斜さ
れたAccelerate Americaによるむンタビュヌで
こう語った。
しかし、USCSは自らの信念を守り続けた。むギ
リスに本郚を眮くスりェむダヌSwireに1982
幎に買収された同瀟は、NH3
/CO2
カスケヌドシ
ステムの経隓を積むために、普及が進んでいた
ペヌロッパに数名の技術者を掟遣した。「圌ら
はこの芖察旅行を通しお、物事の真盞を知り、
習埗した技術をもずにここでも䜿えるシステム
を蚭蚈できるず確信しお垰っおきたのです」ずリ
ンチ氏は蚀う。リンチ氏は2011幎に副瀟長にな
ったが、その圓時は建蚭および蚭眮珟堎に関わ
っおいた。
グロヌバルコヌルドチェヌンアラむアンス
GCCAによるず、2億3350䞇立方フィヌト
玄6.6 milion ㎥の枩 床制埡空間を持぀
北米第䞉䜍の倧手の冷凍倉庫および運営管
理 業者であるUSCSは、それ以降、時代遅れの
斜蚭に取っお代わったケヌスも含め、新たに囜内
10ヶ所でアンモニア/CO2
システムを導入した。
ニュヌゞャヌゞヌ州ボヌルヒヌズに拠点を眮く
USCSは、珟圚、合蚈13州27郜垂で35の公共冷
凍倉庫を運営しおいる。
導入した11台のNH3
/CO2
システムのうち、10
台はペンシルベニア州ク゚ヌカヌタりンに
蚭眮した高圧CO2
コンプレッサヌを甚いたカ
スケヌドタむプで、残りの1台は䞻に枩床が
35°F40°F玄1.6 ℃4.4 ℃の保存゚リア
に二次冷媒 ずしおCO2
を埪環させるクリティカ
ルブラむンナニットである。NH3
/CO2
システム
は、5,0008,000ポンド玄2.33.6トンの
アンモニアず20,00048,000ポンド玄922
トンのCO2
を䜿甚する。
珟圚、USCSはノヌスカロラむナ州ランバヌトン
倉庫の第2機関宀に、既存の2段匏アンモニアシ
ステム拡匵のために、新しい噎射冷凍機の補助
ずしおNH3
/CO2
システムを導入しおいるずころで
ある。ただし、同瀟は既存の党おのアンモニア
システムを改良しおNH3
/CO2
技術を導入する蚈
画はない。
ペ
ンシルベニア州ベスレヘムの産業甚
冷凍業界でも初ずなったアンモニア/
₂冷凍システム1号機の導入は、
適切な刀断であった。
ペンシルベニア州ベスレヘム機関宀。
手前がCO2
コンプレッサヌ、
埌方がアンモニアコンプレッサヌ
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  • 1.
  • 2. Accelerate Japan Aug / Sept 20152
  • 3. Aug / Sept 2015 Accelerate Japan 3 ア クセレレヌト・ゞャパン創刊にあたり、ロヌ゜ ンを特集したした。本号にこれ以䞊ふさわし い蚘事はないでしょう。ロヌ゜ンの宇郜慎䞀 郎氏は、日本が䞖界を牜匕するこずは確かに可胜だず 考えおいたす。事実、ロヌ゜ンは自然冷媒導入数で䞖界 䞀になるこずを䜿呜ずしおおり、それは、私たちが本誌「 アクセレレヌト・ゞャパン」を刊行しようず考えたきっか けでもありたす。日々、自然冷媒技術の導入を䞀぀䞀぀ 積み重ね、空調・冷凍冷蔵業界に倉化をもたらしおい るのは、宇郜氏のような業界のリヌダヌたち、そしお圌 らず共に働くチヌムの面々です。圌らには環境に優しく あろうずいう匷い意志があり、たた、環境に優しくあるこ ずがビゞネスを成長させるために必芁なステップであ るず信じおいたす。ロヌ゜ンのような䌁業には勇気が ありたす。なぜなら、圌らは人々の泚目が集たる堎所ぞ 自ら螏み出し、倉化を求め行動し、その先ぞず続く道筋 を瀺しおくれるからです。そしお、他瀟が速やかに孊ぶ こずができるよう、自瀟の経隓ず知識を進んで共有する 姿勢を持っおいるのです。 宇郜氏は自然冷媒に基づく技術に取り組んでおり、同 技術は日本および䞖界の空調・冷凍冷蔵業界を根本か ら倉えようずしおいたす。このむノベヌションの波の背 景には、卓越した独創的なアむディアを持぀人々の存 圚があり、圌らは新たなビゞネスチャンスを生み出す べく、党く新しい方法で技術をデザむンし掻甚しおいた す。たさにこういった人々、アむディア、技術を、アクセレ レヌト・ゞャパンは取り䞊げたいのです。 合成冷媒ず自然冷媒の間で垂堎競争が展開されるこ の新たな時代では、確実にコストは䞋がり、効率性が 向䞊し、゚ネルギヌ消費ず環境に察する圱響が軜枛 されるでしょう。ナヌザヌ党䜓が、こういった倉化を望 んでいたす。 アクセレレヌト・ゞャパンは、成長が続く空調・冷凍冷 蔵業界党䜓においお、自然冷媒に基づく技術の䞭で最 も優れた技術を取り䞊げ、業界のあらゆる偎面に目を 向けおいきたす。冷媒が䜿われる堎所であればどこぞ でも足を運び、加熱であれ冷华であれ、その芏暡を問 わず取材したいず考えおいたす。そしお、CO2 、アンモニ ア、炭化氎玠、氎、空気を䜿った゜リュヌションを掘り䞋 げおいきたす。創刊号では、技術導入や刻々ず倉化する 芏制環境からトレヌニングやサヌビスたで、゚ンドナ ヌザヌの極めお重芁な䜓隓を取り䞊げおいたす。日本 そしお䞖界の成功事䟋や今日の業界リヌダヌの意芋・ 芋識を玹介し぀぀、今埌さらに耇雑化しチャンスが拡 倧する業界を担う次䞖代のビゞネスリヌダヌ、゚ンゞ ニア、技術者、孊生にも泚目しおいきたす。 そしお、自然冷媒に基づいた技術を採甚する䞊での様 々な課題を正面から議論し、厳しい質問も蟞さないこ ずを、私たちはお玄束したす。 アクセレレヌト・ゞャパンの創刊者兌出版者を務める 私自身に぀いお蚀えば、日本の産業界が持぀高床な むノベヌションず玠晎らしい創造力には目を芋匵る ものがあるず感じおいたす。自然冷媒に基づく技術に 私が関わるようになったのは2003幎のこずでした。圓 時、CO2 を冷媒ずした家庭甚ヒヌトポンプ絊湯機「゚コ キュヌト」革呜が幕開けし、゚ネルギヌ効率に優れ、か ぀環境負荷の少ない方法で枩められた枩氎が、䜕癟䞇 ずいう家庭や商業ビルに安定的に䟛絊されるようにな りたした。過去10幎間でこのヒヌトポンプ技術は倧き な成功を収め、それにより、日本の産業ず政府が䞀䜓ず なっお取り組み、䞖界を牜匕できるこずがはっきりず掲 瀺されたのです。空調・冷凍冷蔵業界における自然冷 媒ぞの転換が今埌さらに拡倧する可胜性を考えれば、 ゚コキュヌトの革呜ず同様の節目が今、日本の食品小 売郚門に蚪れおいるず蚀えるでしょう。 アクセレレヌト・ゞャパンは始たったばかりです。これか ら私たちは、䞖界的なむノベヌションの波の䞭で、最も 優れた事䟋を読者の皆様にお届けしおいきたす。 次号に掲茉予定の本誌発行スケゞュヌルにお、取り䞊 げるテヌマや幎間むベントなどを玹介しおいきたす。お 芋逃しのないよう、ぜひご芧䞋さい。 それたでの間、アクセレレヌト・ゞャパンの創刊号をお 楜しみいただき、なにかご意芋・コメント等がありたし たらmarc.chasserot@shecco.comたでご遠慮なくお寄 せください。 MC 日本は環境負荷の少ない冷华・加熱 技術で䞖界を牜匕できるか アクセレレヌト・ゞャパン 創刊者兌出版者 マヌク・シャセロット
  • 4. Accelerate Japan Aug / Sept 20154 ADVANCING HVAC&R NATURALLY JAPANESE EDITION #1, AUGUST / SEPTEMBER 2015 アクセレレヌト・ゞャパンに぀いお 自然冷媒に関する情報発信の䞖界的゚キスパヌトsheccoがお届けするアクセレレヌト・ゞャパンは、あ らゆるHVAC&R分野で自然冷媒゜リュヌションを取り扱う、最も革新的なビゞネスリヌダヌの皆様を察 象ずした日本初隔月刊誌です。 http://acceleratejapan.com 宇郜 慎䞀郎 / Lawson 目指すは䞖界䞀 地球に優しい冷凍冷蔵ぞの道を歩む、倧手コンビニ゚ンスストアチェヌンの ロヌ゜ンが目指すのは、省゚ネ性の高いCO2 冷凍冷蔵システムの導入数にお いお「䞖界䞀」ずなるこず。加盟店支揎本郚本郚長補䜐、兌省゚ネ・リサむクル 掚進郚郚長を務める宇郜慎䞀郎氏のむンタビュヌをもずに、同瀟の冷媒転換 の背景、それを実行するために行ったペヌロッパ芖察や研究䌚立䞊げ、そし お課題克服の鍵など、独自のノりハりで突き進んだ圌らの冷媒転換物語に迫 る。 日本は環境負荷の少ない冷华・加 熱技術で䞖界を牜匕できるか? アクセレレヌト・ゞャパン 出版者兌線集者 マヌク・シャセロット 冷媒遞択におけるコカ・コヌラの あくなき探求 p.8 未来ぞ続く自然冷媒の遞択 持続可胜な冷华ぞの挑戊 冷凍倉庫業界に新颚を 吹き蟌んだ @AccelerateJP p.3 p.16 p.26 p.30 p.34
  • 5. Aug / Sept 2015 Accelerate Japan 5 モントリオヌル議定曞 HFC削枛の議論進たず 䞭囜、自然冷媒を快諟 欧州のさらなる前進 コラム「米環境保護庁、炭化氎玠冷媒の䜿甚拡倧を承認」他 CO2 ショヌケヌスの先駆者パナ゜ニック 統合゜リュヌションの 新たな時代を先導する 日本初のノンフロン冷凍機システムから゚コストアシステムにいたるたで、様々な゜リュヌ ションを提䟛し、政府の補助金を掻かしお省゚ネに取り組む顧客を支揎、空調・冷凍冷蔵業 界にグロヌバルな倉革をもたらしおいる。 アクセレレヌト誌は、アメリカ・ニュヌペヌクからベルギヌ・ブリュッセ ル、そしお東京たで、幅広いオフィスネットワヌクを持っおいたす。本誌 䞊で寄皿者により瀺される芋解は、必ずしも本誌発行元の芋解を衚す ものではありたせん。本誌に掲茉する内容の正確性に぀いおは䞇党を 期しおいたすが、掲茉内容の誀り・脱挏により発生するいかなる圱響 に぀いおも、発行元は䞀切の責任を負いたせん。 アクセレレヌト誌はshecco Japan株匏䌚瀟が発行しおいたす。無断耇 写・転茉を犁じたす。著䜜暩者からの曞面による事前の蚱可なしに、本 誌の党郚たたは䞀郚を耇写・耇補するこずを犁じたす。 ISSUE# 1 情報配信をご垌望の方はこちら acceleratejapan.com Twitterのフォロヌはこちら @AccelerateJP プロパンはスヌパヌマヌケットに 適した冷媒か? ペガ教授が語る、極小充填 アンモニアの力 p.58 出版元 / 発行元 創刊者兌出版者 むンタヌナショナル 線集者 執筆者 翻蚳者 広報マネヌゞャヌ デザむン 写真 マヌク・シャセロット marc.chasserot@shecco.com @marcchasserot shecco Japan 株匏䌚瀟 acceleratejapan.com ダン・ドゥシェック jan.dusek@shecco.com ダン・ドゥシェック 藀本 敬 尟束 貎矎 笠原 志保 田村 奈穗子 マむケル・ギャリヌ ゞェヌムス・ラン゜ン ゞャナむナ・トップレヌ・リラ 岡郚 玲奈 ゚ルケ・ミルナヌ ロバヌト・デむビッド゜ン クララ・スカチャノバヌ ツァむシャ・マオ メディ・ボヌゞャヌ 工藀 正勝 パトリシア・オフオノ ベン・ビヌチ カルラ・トラムラス p.42 p.46 p.50 p.54 p.60 p.62
  • 6. Accelerate Japan Aug / Sept 20156
  • 7. Aug / Sept 2015 Accelerate Japan 7
  • 8. Accelerate Japan Aug / Sept 20158 トマス・アンブロセティ コカ・コヌラ瀟 ゚コフレッシュメント・グロヌバル・プログラム・ディレクタヌ
  • 9. Aug / Sept 2015 Accelerate Japan 9 飲料業界の巚人が䞖界に向けお発信したいこず。 それは、飲料甚ショヌケヌスや自販機の冷媒ずしお、 炭化氎玠ではなくCO2 を䜿甚するこず。 ゞョヌゞア州アトランタ マむケル・ギャリヌ&マヌク・シャセロット著 p.10ぞ続く 冷 媒 遞 択 に お け る コ カ・コ ヌ ラ の あ く な き 探 求
  • 10. Accelerate Japan Aug / Sept 201510 シロクマは地球枩暖化の圱響の象城であるず同時 に、コカ・コヌラの広告に登堎する象城的な存圚で もある。そのシロクマが、この自然保護団䜓のHFC反 察キャンペヌンに䜿われた。 キャンペヌンは、功を奏した。おそらくグリヌンピヌ スの途方もない倢を遥かに䞊回るほどに。圓時コ カ・コヌラの䌚長であったドり・ダフト氏は、業務甚 冷蔵庫でHFCフリヌを達成するための旅ぞず舵を切 った。4幎埌の2004幎、コカ・コヌラはグリヌンピヌ スず共に、HFCから自然冷媒ぞ移行する䌁業を支揎 するこずを目的ずした非営利組織、「Refrigerants, Naturally!」の蚭立メンバヌずなった。 かくしお、グリヌンピヌスず䞖界最倧の飲料䌁業の思 いもよらない連携が始たり、その結果、䞖界䞭で枅涌 飲料氎の冷华方法が倧きく倉わるこずずなった。た た、コカ・コヌラは䞖界自然保護基金ず共にシロクマ の窮状を緩和するべく、5幎間で玄200䞇ドルを拠出 するこずを玄束した。 2009幎11月たで話を進めよう。気候に配慮した冷华 技術を探し求めお5000䞇ドルを費やした埌、コカ・コ ヌラはムヌタヌ・ケント䌚長のリヌダヌシップの元、 新芏投入する飲料甚冷蔵機噚におけるHFCの䜿甚を 2015幎たでに段階的に廃止するずいう䞖界目暙を発 衚した。2010幎、ケント氏が共同議長を務めたコンシ ュヌマヌ・グッズ・フォヌラムでは、同フォヌラムに加盟 する党おの小売業者および補造業者がHFC冷媒の段 階的廃止を2015幎時点で開始するず宣蚀した。 2014幎月珟圚、コカ・コヌラは110䞇台のHFCフリヌ 機噚を蚭眮した北米では12,000台以䞊を蚭眮。その 倧半は、同瀟が遞択したHFCフリヌの自然冷媒である CO2 を䜿甚しおいる。䞀郚の機噚には炭化氎玠冷媒の プロパンが採甚されおいるが、230皮の機噚が珟圚皌 働䞭の倚くの蚭備でコカ・コヌラが掚奚するCO2 の認 定を受けおいる。 過去䞀幎で、北米におけるCO2 冷媒機噚の採甚件数は ほが皆無の状態から、新芏投入機噚の賌入台数の玄 分のを占めるたでに跳ね䞊がった。 加えお HFCフリヌの蚭備は、䞖界䞭で140䞇台にたで 増加した。 コカ・コヌラはCO2 技術に関する知的所有暩を䞀切持 っおおらず、第者からの技術提䟛を受けおいる。同 瀟は、垂堎により高い需芁を生み、それによっお䟡栌 を䞋げるために、あらゆる技術情報を公開したいず考 えおいる。 もっずも、CO2 はコカ・コヌラの炭酞飲料に溶け蟌ん でいるのだから、同瀟がこのガスを冷媒ずしお奜むこ ずはおそらく驚くべきこずではないだろう。か぀冷蔵郚 門はコカ・コヌラのカヌボンフットプリントの最倧芁因 であり、CO2 蚭備の掚進は、節氎や容噚を怍物由来の 玠材に倉曎するこずを含む同瀟の持続可胜性戊略の 䞻芁芁玠ずなっおいる。 CO2 蚭備の台数が幎間20増加しおいるこずから、コ カ・コヌラは2015幎末たでにすべおの新芏投入機噚 においおHFCフリヌを達成するず予枬しおいる。これ は、アトランタに拠点を眮くこの飲料業界の巚人を、自 然冷媒䜿甚䌁業の第䞀線に抌し䞊げる、環境察策の 偉業である。 幎間100䞇台以䞊の枅涌飲料向け機噚を賌入するコ カ・コヌラずボトリング提携䌁業は、䞖界220ヵ囜以䞊 においお玄1000䞇台の自動販売機ず冷蔵蚭備を所有 しおいる。コカ・コヌラずグリヌンピヌスの詊算によれ ば、このすべおをHFCフリヌの蚭備に倉曎すれば、機 噚の寿呜通垞10幎たでに排出される二酞化炭玠の 排出量を5250䞇トン削枛できる。これは1100䞇台の 車を路䞊から排陀するのに等しい。 内蔵型蚭備の冷媒ずしおCO2 を遞択するにあたり、 コカ・コヌラは飲料・食品䌁業の倚くがその方向に 向かっおいたにもかかわらず、炭化氎玠を䜿甚しな いこずを意識的に決断した。さらに、この決断によっ お同瀟は、高い䜜動圧力や業務甚冷凍冷蔵機噚の 郚品、サヌビスが未だ発展途䞊である北米垂堎ずいっ た、二酞化炭玠に䌎う課題ず察峙するこずずなった。 しかし、コカ・コヌラのCO2 に察する情熱が衰えるこず はなかった。昚幎6月にサンフランシスコでsheccoが 開催したATMOsphere America䌚議においお、コカ・ コヌラ瀟グロヌバル品質安党環境本郚の機噚品質マ ネヌゞャヌ、スティヌブン・カズンズ氏は、内蔵型CO2 冷蔵蚭備に関する「効率が悪い・高枩の気候条件では 䜿甚できない・音が倧きい」などの意芋を「誀った通 念」ず反蚌した。 「これらの問題は既に解決枈みです。匊瀟のキャビ ネットは非垞に効率が良く、゚ネルギヌスタヌに認定 されおいる䞊、38は高枩の呚蟺環境に察応しお蚭 蚈されおいたす。隒音の氎準は、HFCず同等です」ず語 っおいる。 たたコカ・コヌラは、CO2 を炭化氎玠よりも安党な冷媒 であるず評䟡しおいる。 コカ・コヌラは業務甚冷蔵機噚の垂堎を䜜り倉える 芚悟で、前䟋のない旅をしおきた。どのようにしお 今日たでに至り、たたなぜCO2 を遞択したのか。よ り詳しく知るため、Accelerate Americaは、HFC フリヌぞの移行を担圓する゚コフレッシュメント eKOfreshmentKOはコカ・コヌラの銘柄蚘号の グロヌバル・プログラム・ディレクタヌ、トマス・ アンブロセッティ氏、およびボトリング䌁業やフ ランチャむズ䌚瀟が賌入する枅涌飲料甚冷蔵機 噚の認蚌ず承認を担圓するグルヌプの責任者、 カズンズ氏ず察談し、詳しい話を䌺った。 オ ヌストラリアで 開 催され た 2 0 0 0 幎 シドニヌオリンピックの 期 間 䞭、グ リヌンピヌスは 侖 界 äž­ の 䜕 癟 侇 台 ずいう自販 機 や 飲 料 甹 冷 蔵ショヌケヌスで 䜿わ れる冷 媒 に、匷 力 な æž© 宀 効 果ガスであるハむド ロフルオロカヌボン( H F C ) の 䜿 甚をや めるよう コカ・コヌラに芁 求した。 グリヌン機 噚 のタグ
  • 11. Aug / Sept 2015 Accelerate Japan 11 倉革を遂げる Accelerate AmericaAA:コカ・コヌラはどのようにこ の取り組みを始めたのですか トマス・アンブロセッティTAドり・ダフト䌚長がシ ドニヌオリンピックで、HFCの䜿甚をやめるずいう最 初の玄束をしたした。その埌䜕幎も経過した2009 幎 、取り組みを進め様々な技術を調査しおいく䞭 で、珟圚のムヌタヌ・ケント䌚長が2015幎末たでに HFCフリヌを達成するずいう玄束を再び結びたした。 この玄束ず立堎は、コカ・コヌラが倧半の同業他瀟よ りも長く持ち続けおいるものです。この取り組みを進 める䞭で、我々は倚くのこずを孊んできたのです。 スティヌブン・カズンズSCドり・ダフト䌚長が最初 の玄束をしたずき、圌も我々もHFCフリヌぞの゜リュ ヌションが䞀䜓䜕なのか、わかっおいたせんでした。 数倚くの技術を調査したした。熱音響に倧倉泚目し、 ヘリりムを冷媒ずしお䜿甚できないか調べるために 倚倧な劎力を費やしたこずもありたす。しかしヘリり ムには拡匵性がなく、我々が䜿甚しおいる機噚モデ ルのうちの半分以䞋でしか䜿えなかったのです。我 々が求めおいたのは、小さなカりンタヌ眮き冷蔵庫 から倧芏暡小売店の3ドアナニットたで、あらゆる堎 所で䜿えるひず぀の゜リュヌションでした。 TA: だからコカ・コヌラはCO2 を望たしい冷媒ずしお 遞択したのです。我々は、芏暡の経枈を䞎えおくれる 単䞀の゜リュヌションを探しおいたした。CO2 は我々 の組織ず倚様な業務甚冷凍冷蔵庫の機皮に最も適 しおおり、将来的に最も持続可胜な゜リュヌションで あるず考えおいたす。 おそらくこの分野においお、我々はほが誰よりも経隓 豊かだず蚀えたす。食料品店はCO2 ぞず移行しおい たす。自動車メヌカヌはCO2 かHFOを怜蚎䞭です。日 本はCO2 を10幎以䞊にわたり䜿甚しおいたす。CO2 は 100立蚌枈みの技術なのです。立蚌の機䌚は次か ら次ぞずやっおきたす。 AA:コカ・コヌラが CO2 に決めるたでに䜕幎もかかっ たのはなぜですか。 TA: 持続可胜性のような取り組みずビゞネスずの、バ ランスをずる必芁がありたす。非垞に商業的か぀持 続可胜な方法で行わねばならず、しかも長期にわた っお持続できないものに倧金を費やすこずはできた せん。我々は䜕幎にも枡る調査を経お、ようやくサプ ラむチェヌンを䜜るずいう倉曲点に達しようずしおい たす。぀いに技術を立蚌し、我々の組織が倧々的に進 んで行けるだけの十分な芏暡を䜜り出す域に達した のです。これだけのこずをやり遂げるには、それなり の時間が必芁だったずいうこずです。 SC:この倉革を掚進し、冷媒の倉曎を実斜するず同時 に、我々は眮き換える察象にも着目しおいたした。こ のモデルやあの機皮を継続するこずに意味はない、 ず蚀い続けおきたした。我々は䞀郚の機皮を撀退し、 いく぀かの新しい機皮を開発したのです。 TA: 北米には特殊な機噚が倚く存圚したす。賌入台数 の最初の8090たでは到達しおも、残りの10 でCO2 に぀いお、あるいはCO2 で承認される機噚の 補造に関する課題に぀いお孊んでいる最䞭の無名 の盞手先商暙補品の補造䌚瀟の少量生産 品に行き圓たりたす。非垞に小さく特殊なサむズの 機噚に関しおは、CO2 ベヌスの゜リュヌションを芋぀ けるこずが芁求されたした。ですから、党機皮の玄4 に関しおは、技術的にCO2 の゜リュヌションが無い のです。これらのケヌスでは、冷媒を䜿甚しない熱電 気゜リュヌションを䜿甚しおいたす。 AA:自然冷媒ぞ移行する垂堎は北米が最埌ですか TA: 必ずしもそうずは蚀えたせん。CO2 をベヌスずし た機噚ぞの移行に関しおは、北米は倧きな進歩を遂 げたした。2014幎の北米における機噚賌入は、かな りの郚分がCO2 ベヌスであり、このこずで北米は我々 にずっおの先進垂堎ずなったのです。 AA: 垂堎を倉える手助けをするに圓たり、あなたには 個人的な動機もありたしたか TA: もちろんです。私はコカ・コヌラの組織内でも最 もクヌルな仕事を䞎えられたず思っおいたす。我々が 実斜しおいるのは簡単な技術ではないので、組織に 倚倧な圧力がかかりたす。しかし、我々がここでしよ うずしおいるこずは、䞖界を我々が思う以䞊に良い堎 所にできる可胜性を秘めおいるず確信しおいたす。 これを行うのは、瀟䌚的責任でもあるず思いたす。 私は自分の仕事に匷い情熱を持っおいたす。匊瀟の 「プラントボトルPlantBottle」の取り組みにも䌌 おいたす。぀たり、䌌たような課題を抱えおいるので す。しかしそれは、コカ・コヌラの持続可胜性戊略の 䞻芁な芁玠です。この取り組みに参加できお私は本 圓に幞運です。 AA: 数十億ドルの決断ずいうこずを考えるず、きちんず 進めなくおはずいうプレッシャヌを感じたすか TA: いいえ。特にこれたでの経隓ず、この技術がどれ ほど長く䜿われおきたかを目にした今ずなっおは、プ レッシャヌは感じたせん。 OEMずの取り組み AA: OEMのCO2 ぞの倉換を支揎しおいたすか A: 我々はOEMに察しお倚くの支揎を行なっおいた す。なぜなら、R134aの知識で機噚を蚭蚈しおいる䌁 業がCO2 機噚を蚭蚈できるず思っおも、それは惚憺 たる結果に終わるからです。そういったケヌスを長 幎芋おきたした。ですから我々は、今幎になっおもな お倚くの時間を費やし、こうしたサプラむダヌを瀟 ず぀蚪ね蚭蚈の成熟床を確認し、効率化やコスト削 枛のために䜕かアドバむスができないかを確認しお いるのです。 AA: OEMの数は十分ですか少数のOEMだけに頌る こずはできないため、競争が必芁ですが。 TA: 競争は倧いにありたす。それは問題ではありたせ ん。調達担圓者たちは少数のほうがいいず蚀うかもし れたせんが。私はOEMに、競争したければ䞖界䞀の CO2 ベヌス機噚を持぀必芁がある、ず蚀っおいたす。 抵抗しおいるOEMもあれば、はるかに先を行っおい るずころもありたす。䞭間にいるOEMずもは手を携え お進んでいたす。こういったOEMを蚪ね、数倚くの優 秀事䟋を玹介するこずで、6か月の詊行錯誀を日の ミヌティングで枈むよう孊習曲線を短瞮しようずしお いたす。たた、OEMに察し様々な技術研修も提䟛しお いたす。我々はOEMに3぀の質問をすれば、圌らが 成 熟床曲線のどの䜍眮にいるかわかりたす。 将来 CO2 ベヌスの機噚が必芁ずなったら、準備の 敎っおいるOEMから賌入したす。いたより曎に省゚ ネ化しお、我が瀟のCO₂機噚に玍入しおいただきた いのです。 p.12ぞ続く スティヌブン・カズンズ コカ・コヌラ・グロヌバ ルクオリティヌ・ セヌフティヌ゚ンノァむロメント 機 噚 品 質 マネヌゞャヌ
  • 12. Accelerate Japan Aug / Sept 201512 それが我々の期埅しおいるこずであり、実行可胜 なこずです。我々が承認したCO₂機噚230機皮のう ち、80が埓来の機皮より省゚ネです。そしお我 々は残りの20の省゚ネ化を今図っおいるずころ です。 AA: CO₂機噚のコスト増加はどの皋床ですか TA: 成熟したサプラむチェヌンにおいお、CO₂がコ ストパリティ、぀たり䟡倀ず同等の䟡栌になれない 理由はありたせん。問題は、CO₂向けコンプレッサ ヌの補造に関心を寄せるコンプレッサヌ䟛絊業者 が増え、垂堎により倚くの競争をもたらしおくれる かどうかです。そしお党おの補助郚品熱亀換噚・配 管類は、䟡栌以䞊ずは蚀えないたでも、䟡栌ず同等 ず蚀えたす。 AA: コカ・コヌラはいかにしお他の飲料メヌカヌを CO₂冷蔵の取り組みに巻き蟌む぀もりですか TA: 業界党䜓がCO₂に移行するよう圱響を䞎えお いく努力を続けおいたす。これたでは、CO₂ず炭化氎 玠の䞡方を䜿甚しおいたため、䞡者を比范するよう な話には非垞に慎重でした。しかし珟時点で、私は もし業界が我々ずずもにCO₂ぞず移行しおくれたら、 コストパリティの達成は倧幅に早たるずいうこずを 認識しおいたす。ですから我々は、䞀郚の同業他瀟 やサプラむダヌサプラむチェヌン党䜓に語りか け、CO₂移行に向けお圱響を䞎えようずしおいるの です。しかし、この分野における第䞀人者ずしお、我 々は最初の䞀歩を螏み出さねばなりたせん。 芏制の圱響 AA:米囜における芏制 - EPAの重芁新芏代替物質政 策SNAP特定のHFCをリストから陀倖するずいう提 案、および゚ネルギヌ省DOEの新たな2017幎効 率芁求の䞡方 - は人々の自然冷媒に察する芋方をど のように倉えたしたか TA:我々はEPAがしようずしおいるR134aの段階的廃 止を高く評䟡しおいたす。これによっお話が加速し たず思いたす。今や我々にも、我々のOEMにも、そ の方向ぞ移行するよう倧きな圧力がかかっおいた す。その反面、準備が敎っおいなければ䜕らかの困 難に陥るかもしれたせん。システムに甚倧なコスト が生じるかもしれたせん。ビゞネスにどのように圱 響するのか、非垞に䞍安でもありたす。ですから我 々は、EPAのしようずしおいるこずに倧いに賛成では ありたすが、商業的に実珟可胜な方法でその目的 を達するこずができるような支揎を必芁ずしおいた す。これは我々がEPAに提䟛しようずしおいるフィヌ ドバックです。 SC: EPAのこれたでのアプロヌチは良かったず思い たす。SNAPプログラムはこの皮の倉化を掚進する のに適した仕組みです。たた、SNAPが䞀倜で党䜓 を倉えおしたうようなものでなかったこずにも励た されたした。これはゆっくりずした段階的な倉革で す。特定の゚ンドナヌザヌ、特定のアプリケヌション に、ここではもうこれらのガスを䜿うこずはできなく なりたす、ず。 AA: DOEはどのように垂堎に圱響を及がしおいたす かEPAの提案を補完しおいたすかそれずも混乱 を匕き起こしおいたすか TA: おそらく独立しお運甚されおいるので、私は䞡 者を分けお考えおいたす。䜕故ならEPA提案の期間 は2016幎たで、DOEは2017幎たでだからです。ふた ぀の芏制が目的においお提携しおいるのかはわか りたせんが、どちらも良いず思いたす。䞀方ぱネル ギヌ効率、もう䞀方はガスです。 AA: EPAの提案ずDOEはどちらも必芁ですか TA:もちろんです。最終的にぱネルギヌの効率性 の問題になりたす。DOEが新たな基準を定めたこず に、私は驚いおいたせん。䜕らかの取り組みは必芁 ずなるでしょうが、我々の機噚がDOMの基準を満た せない理由はありたせん。ただそのような仕様にす る必芁があるだけです。今日の時点ではただ、新た な機噚蚭蚈はいかなる堎合にもDOE2017を満たす ようにずは䟝頌しおいたせん。しかしOEMから機噚 の賌入を続けるうちに、それは芁件ずなるでしょう。 ゚ネルギヌスタヌず同様です。これに関しおは、す でに䟝頌し始めおいたす。 SC:我々はOEMに察し、「DOE2017幎基準」に重点を 眮くように䟝頌しおいたす。しかし、圌らの機噚が今 すぐ2017幎基準を満たさねばならない、ず匷制はし おいたせん。OEM各瀟は、EPAずDOE䞡方の芏則を 芋お、どういった゜リュヌションを遞択すべきか頭の 䞭で葛藀しおいる、ず我々に蚎えおいたす。圌らは優 先順䜍を぀ける方法に確信が持おず、我々ず協議し おいるずころです。 AA: 2017幎以降、䜕が起こるず予枬しおいたすか 法埋により、DOEはこれらの基準を5幎毎に再評䟡 せねばなりたせんが、実際には3幎に䞀床行いたい ずしおいたす。ですから、2020幎ず2022幎にはこれ に関する議論が行われるず思いたす。この分野での ゚ネルギヌ消費の削枛は今埌も続くでしょう。 どの技術に関しお語るにしおも、党お商業的課題を 抱えおいたす。芏制圓局が目指すいく぀かの倉化を 達成するために、業界は䜕らかの課題に盎面するこ ずになるず思いたす。䟋えば炭化氎玠向けの業務甚 冷凍冷蔵機噚郚品の成熟床は、HFC向けには遠く 及びたせん。もちろんCO₂も、より困難ずは蚀わない たでも同様です。我々には未来に䜕が起こるかを映 す氎晶玉はありたせん。しかし、こういった課題は誰 もが抱えおいるものです。 AA: 厳しくなる䞀方ですね。 TA:それが倧切なのです。しかし商業的に実珟可胜 な方法でやっおのけなければなりたせん。 1日の䟛絊量 19億本 1分間の生産数 100䞇本 枅涌飲料機噚の 幎間賌入台数 100䞇台 䞖界のHFCフリヌ機噚 140䞇台䞖界209ヵ囜䞭 207の囜ず 地域で販売 数字で芋る CO2 ボトルクヌラヌ
  • 13. Aug / Sept 2015 Accelerate Japan 13 炭化氎玠冷媒の可胜性 AA: 最近アナハむムで開催されたNAFEM展瀺䌚 では、HFCに代わる炭化氎玠の話題がほずんどでし た。CO₂を遞択するこずはその流れに逆らっおいるず 思いたすか TA: 初期の頃は、コカ・コヌラでも炭化氎玠を䜿甚 しおいたした。しかし炭化氎玠ずCO₂の特性を孊ぶ に぀れ、埌者のほうが我々が扱う機皮党䜓により 良い゜リュヌションを䞎えおくれるこずがわかった のです。 炭化氎玠ぞの移行を決断しおいる人々は、我々が歩 んできた歎史の䞭で10幎前に遡った地点にいるの ではないでしょうか。私は根本的には、非垞に倚く の理由からCO₂を掚進するずいう決断は正しかった ず信じおいたす。我々がさらに孊習し前進するに぀ れ、この決断は匷化され、支持され続けるのです。単 に業界が炭化氎玠ぞず動いおいるずいうだけで、こ の確信が揺らぐこずは決しおありたせん。 私は炭化氎玠ぞの移行を考えおいる人々ず非公匏 な䌚話をいく぀か亀わしたこずがありたすが、圌ら はひず぀の冷媒が他のものよりも優れおいるずいっ た意芋に固執しおいるわけではありたせん。圌ら 特にアメリカ囜内にいる人々が感じ始めおい るのは、EPAの提案した芏則R134aやR404Aのよう な高GWPのHFCを特定の機噚から陀倖するための 芏則による圧力です。そのため垂堎に出回っおい る補品を芋たずころ、すぐに䜿えるのが炭化氎玠の 機噚だったずいうわけです。党おの䌁業が調査を行 い、我々がこの旅路で培ったような経隓を持ち合わ せおいるわけではありたせん。この経隓こそが、党お に適応する、より優れたひず぀の゜リュヌションずし おCO₂掚進の決断ぞず繋がったのです。 SC: 倚くの人が炭化氎玠ぞず移行しおいるのは、な によりCO₂が炭化氎玠ほど扱いやすくないこずを瀺 しおいるように思えたす。炭化氎玠は未だに蒞気圧 瞮ずいう手法を甚いおおり、これは誰もが裏も衚も 知り尜くしたランキンサむクルに属したす。ですか ら、炭化氎玠の道ぞ進むほうが自然ず行きやすく感 じるのです。こういった人々の倚くは、単にCO₂機噚 の仕組みに粟通しおいないだけなのです。 TA: CO2 の開発は技術的に難しいかもしれたせん し、サプラむチェヌンもすぐに䜿えるほどには敎っ おいたせん。しかし、これらを陀けばCO₂に察する批 刀的な議論を私は聞いたこずがありたせん。「正し い道」vs「楜な道」です。  SC: OEMにずっお、新たな冷媒ぞのいかなる移行も コストが䌎いたす。圌らはスケヌルを拡倧し、生産 ラむンを蚭眮し、充填ステヌションや安党システム を備え付け、か぀技術者の研修を行わねばなりたせ ん。これは倚倧な支出です。圌らが炭化氎玠ぞず進 んでいるように芋えるずすれば、それは炭化氎玠の 方がCO₂やHFOよりもやるべきこずがわかりやすい からです。ですから我々ず提携しおいるOEMには、パ ヌトナヌずしおCO₂向けの補造胜力を埗るために䜕 をすべきかを䌝えおいたす。 AA: 埡瀟の炭化氎玠機噚を持っおいる囜に぀いおは いかがですか TA:我々は、CO₂は炭化氎玠よりも維持管理が簡単 か぀安党になるず考えおいたす。远加ツヌルはほ ずんど必芁ありたせん。研修はR134aたたは炭化氎 玠、その他冷媒の維持管理のための研修ず倉わり ありたせん。CO₂の維持管理は珟堎で行えたすが、 私は炭化氎玠の維持管理を珟堎で行いたいずは 思いたせん。 AA: HFOはどうですかHFOも遞択肢ずなりたすか TA: わかりたせん。絶察的な必芁性に迫られない限 り、我々がその道を遞ぶこずはないず思いたす。最 終的には、炭化氎玠ずCO₂が垂堎で競い合うこずに なるず思いたす。 SC: 商工業の偎からHFCフリヌの党䜓像を芋るず、 ただわかっおいないこずが倚くあるず思いたす。これ はCO₂だけでなく、炭化氎玠ずその他党おの自然冷 媒に察しお蚀えるこずで、今埌510幎間で明らか になっおくるでしょう。我々の提携䌁業は孊ぶに぀ れ調敎を行っおいるこずでしょう。そのため、CO₂冷 媒の未来は䞀郚の人々が珟時点で予想するよりも 明るいのです。 AA: 2016幎には盛倧にお祝いする぀もりですか TA:もしかするず、瀟内では少し立ち止たっおこれた での成功を祝うべきかもしれたせん。しかしただや るべきこずがたくさんあるため、そちらに集䞭せね ばなりたせんが。 MG + MC 北米 ラテンアメリカ ナヌラシア アフリカ 倪平掋 ペヌロッパ 364,579 280,815 402,994 28,863 12,354 コカ・コヌラ 経営グルヌプ別 HFCフリヌ機噚 蚭眮数 2014幎6月
  • 14. Accelerate Japan Aug / Sept 201514 環境に優しい冷媒技術の採甚を促進する䞊で障 害の䞀぀ずなるのは、実際にそれがどのように働 くかずいう䞍安である。それはビゞネスに悪圱響 を及がすのだろうかそれずも顧客に䞍䟿な思い をさせるのだろうか その䞍安を克服するため、技術を䜿甚する䌁業 は前に進み出お蚀う必芁がある。「私たちは自然 冷媒機噚を䜿甚しおおり、正垞に皌働しおいた す実際には埓来のシステムよりも優れおいるの です」ず。 これが「Refrigerants, Naturally!」の掲げる理念 だ。11幎目になるこの䞖界的な非営利の取り組み は、食品、飲料、倖食産業、消費財郚門の䌁業によ っお構成されおいる。 珟圚、コカ・コヌラ・カンパニヌ、ペプシコ、レ ッドブル、ナニリヌバから成る「Refrigerants, Naturally!」は、小型業務甚冷凍冷蔵機噚飲料甚 冷蔵システム、自動販売機、アむスクリヌム甚内 蔵型ショヌケヌスなどを新芏投入する際に、地 球枩暖化の原因ずなるハむドロフルオロカヌボン HFC冷媒を、CO2 や炭化氎玠ずいった自然冷 媒に眮き換えるよう掚奚しおいる。グリヌンピヌ スず囜連環境蚈画UNEPは、ドむツのケヌニッ ヒスシュタむンに事務局を眮くこの取り組みを支 揎しおいる。 「我々がやっおきたこずは、誇りに思っおよいず思 いたす。」「Refrigerants, Naturally!」の䌚長であ り、コカ・コヌラのグロヌバル・プログラム・ディレ クタヌでもあるブリュッセル圚䜏のアントニヌ・ア ズヌル氏はそう蚀った。「我々はこれたで、様々な 機䌚においお幟床も意芋を述べおきたした。我々 がプレれンテヌションをすれば、垂堎は我々がい かに真剣なのかわかりたす。我々が䞎える圱響を 業界が感じおいるず確信しおいたす」 たた圌は、「グリヌンピヌスは『自然冷媒技術は 可胜だ』ずいうこずを䌝えるために、我々の䌁業の 事䟋を取り䞊げおいたす」ず付け加えた。 政策提蚀グルヌプずしお、「Refrigerants, Naturally!は 欧州連合や環境保護局のような行 政機関にレタヌを曞き、技術的な優良事䟋を公衚 し、UNEP䌚議やshecco䞻催のATMOsphere 䌚 議ずいった堎で業界に向けおスピヌチをするこず で、自然冷媒の採甚を奚励しようず努めおいる。 同グルヌプはたた、オゟン局を砎壊する冷媒の段 階的削枛に責任を負う、モントリオヌル議定曞が 執り行うHFCの段階的削枛を支持しおいる。 「共同で取り組むこずで、個々の䌚瀟が別々に 行う以䞊の成果が埗られるずいう考えです」ず アズヌル氏は蚀った。実際、コカ・コヌラずペ プシのような激しく競合しおいる䌁業でさえ、 「Refrigerants, Naturally!」に共通の意矩を芋出 しおいる。「業界や政府が、競合する4瀟が共に取 り組む姿を芋れば、そのメッセヌゞは非垞に匷力 です」ず圌は蚀った。 独占犁止法の懞念を無くすため、同グルヌプは幎 2回の䌚合で欧州連合の競争法に関する声明を 読み䞊げ、これを遵守しおいる。 環境ぞの圱響 「Refrigerants, Naturally!」のメンバヌ4瀟は、圌 らが説き進めおいるこずを実践しおいる。自然冷 媒を䜿甚した内蔵型冷凍冷蔵機噚を4瀟合蚈で 370䞇台蚭眮し、これにより自動車400䞇台の幎間 排出量に等しい、二酞化炭玠2000䞇トン盞圓の 排出を防いだ。コカ・コヌラがCO₂機噚140䞇台ず 最も倚い。他は炭化氎玠プロパンたたはむ゜ブ タンを䜿甚し、ナニリヌバ150䞇台、レッドブル 50䞇台、ペプシコ30䞇台の順ずなる。 EPAおよび゚ネルギヌ省から芏制の圧力がかか る䞭、北米ではHFCフリヌ機噚の商品化が進むず アズヌル氏は芋おいる。 合わせお䞖界の小型業務甚冷凍冷蔵機噚の半 数以䞊を賌入する4瀟は、圌らの機噚のサむズず 機胜に最も適した自然冷媒を遞択しおいる。圌ら はHFCからら移行するペヌスを自分で定め、寿呜 に達した埓来の機噚をHFCフリヌ機皮ぞず眮き 換えおいる。HFCフリヌシステムぞの移行を玄束 するこずを条件に、新たなメンバヌの参加も歓迎 しおいる。 2004幎の蚭立以来、他の食品および倖食産業䌁業 も、様々なタむミングで「Refrigerants, Naturally!」 に参加しおきた。その䞭にはマクドナルド、むケア、 カヌルスバヌグ・グルヌプずいう倧䌁業も名を連ね る。「䌁業が離れるのは、自然冷媒を信じおいない からではありたせん」ずアズヌル氏は蚀う。「䞻な理 由は資源の問題です。圌らは他の所に劎力を泚ぎ たいず考えおいるのです」 アズヌル氏自身はHFCフリヌ冷媒の未来を楜芳 芖しおいる。「技術的に蚀えば、䜕の問題もありた せん」ず圌は蚀った。「4瀟党おがCO2 ず炭化氎玠 が有効であり、HFCず比べお少なくずも同等、通 垞はそれ以䞊の性胜を発揮するこずを立蚌しお きたした。」぀たり重芁なのは、蚭眮コストに圱響 する郚品および冷媒の䟛絊力ず、地域の安党芏 定に察するコンプラむアンスである。 MG 「REFRIGERANTS, NATURALLY! 侖 界 に 瀺 す 侀 䟋 マむケル・ギャリヌ著 アントニヌ・アズヌル ザ・コカ・コヌラ・カンパ ニ ヌ グロヌバ ル・プログラム・ディレクタヌ 「R e f r i g e r a n t s , N a t u r a l l y !」䌚 長 http:/refrigerantsnaturally.com
  • 15. Aug / Sept 2015 Accelerate Japan 15
  • 16. Accelerate Japan Aug / Sept 201516 目 指 す は 侖界侀 倧手コンビニ゚ンスストアチェヌンのロヌ゜ンは、 業務甚冷凍冷蔵分野においお革呜を起こしおいる。 同瀟は、延べ1,300店以䞊の店舗にCO2 トランス クリティカル冷凍冷蔵システムを装備する蚈画で、 小売業の自然冷媒導入数「䞖界䞀」を目指す。 BECOMING THE WORLD’S BEST ダン・ドゥシェック & マヌク・シャセロット著
  • 17. Aug / Sept 2015 Accelerate Japan 17
  • 18. Accelerate Japan Aug / Sept 201518 宇郜 慎䞀郎 加盟店支揎本郚 本郚長補䜐 省゚ネ・リサむクル掚進郚 郚長 ロヌ゜ンはフランチャむズ方匏でコンビニ ゚ンスストア事業を展開しおおり、北海道か ら沖瞄たで、日本のほが党域で玄12,000店 を運営する。同瀟の加盟店支揎本郚本郚長 補䜐、省゚ネ・リサむクル掚進郚郚長を務め る宇郜氏が担う圹割は幅広く、CO2 冷凍冷蔵 システムなどの最新の環境技術をビル建蚭 に甚いるこずから、加盟店の拡倧、囜内倖の 店舗における省゚ネ察策の実斜たで、倚岐 にわたる。 ロヌ゜ンが地球に優しい冷凍冷蔵ぞの道を 歩むきっかけずなったのは、同瀟が行っおい た省゚ネの取り組みだった。゚ネルギヌ消費 量を2008幎床比で10%削枛するずいう省゚ ネ目暙を達成したロヌ゜ンは、次なる環境察 策を暡玢しおいた。そんな䞭、CO2 冷媒技術 の省゚ネ性の高さを知り、この技術を利甚し おみるこずを決断したのだ。 CO2 の地球枩暖化係数は代替フロンの4000 分の1ず非垞に䜎く、たたCO2 は冷媒ずしお䜿 甚した堎合、熱搬送効果が非垞に高い。その ため、埓来の代替フロンを䜿った機噚ず比范 するず、CO2 冷媒は幎間のCO2 排出量を半枛 させるこずが可胜だ。 「CO2 冷媒システムの省゚ネ性ず、フロン䜿 甚時挏掩によるCO2 排出のむンパクトが実 は非垞に⌀きいこずに驚きたした。過去の省 ゚ネ斜策の効果よりフロンを自然冷媒に転 換するほうが倧きな効果があるずいうこずが わかり、自然冷媒をさらに研究したく、『CO2 冷媒研究䌚』を✎ち䞊げたのです」ず宇郜氏 は蚀う。 むンスピレヌションを求めペヌ ロッパぞ CO2 冷媒技術を日本で広めるにはどうすべき か。技術者や日本冷凍空調蚭備工業連合日蚭 連や日本冷凍空調工業䌚日冷工ずいった組 織、各システム・郚品メヌカヌをメンバヌずす る宇郜氏が立ち䞊げた研究䌚は、CO2 トランス クリティカル冷凍冷蔵技術が広たり぀぀あった ペヌロッパに、その答えを求めた。 たずむギリスを蚪れた宇郜氏は、むギリスの冷 凍冷蔵研究所(IoR)で圓時所長を務め、自然冷 媒のリヌダヌ的存圚でもあったデヌノ・ピア゜ ン氏に䌚っお話を聞く機䌚を埗た。たた、CO2 冷媒の導入数でペヌロッパトップクラスを誇る スヌパヌマヌケットチェヌン、セむンズベリヌ (Sainsbury’s)で圓時建蚭担圓をしおいたケノィ ン・マティモヌ氏ずも面䌚した。 さらに宇郜氏は、2001幎にフロン皎が導入さ れお以来、自然冷媒の導入数で䞖界䞀ずなっ おいたデンマヌクにも足を運んだ。珟地の゚ ンドナヌザヌ、トレヌニングセンタヌ、そしお メヌカヌを蚪ね、「れロ゚ネルギヌビルディン グ」に぀いお孊び、地䞭熱ヒヌトポンプや断熱 技術、そしおコゞェネレヌションに぀いおの芋 識を深めた。 宇 郜慎䞀郎氏は、 䞀芋するず控え めな人物に芋え る。しかし、その萜ち 着いた䜇たいの内偎に は、業務甚冷凍冷蔵分 野に倉革をもたらそう ずする情熱が秘められ おいる。それを象城す るのは、CO2 冷凍冷蔵 システムの導入数にお いお、ロヌ゜ンを䞖界 的リヌダヌにしようず いう匷い意志だ。今幎 単幎床で、ロヌ゜ンは 日本囜内に1,000店の 出店を予定しおおり、 そのうち750店舗に CO2 冷凍冷蔵システム を導入する。
  • 19. Aug / Sept 2015 Accelerate Japan 19 「デンマヌクは環境に察する技術も進んでい たすし、環境に察する意識が違うんですね。日 本では経枈合理性があっお初めお環境のこず を考えたすが、デンマヌクでは環境をたず考 え、そのあずにコストを考える。環境にいいも のをいかに安くするかずいう発想をしおいたし た。技術に察する日本の考え方ず非垞に違うこ ずを実感したした」 匷烈なむンパクトを受けお日本に垰囜した宇郜 氏は、日本でもCO2 冷凍冷蔵技術を普及させる 決心を固めた。ロヌ゜ンがCO2 冷凍冷蔵システ ムを党店舗で展開すれば、デンマヌク囜内の業 務甚CO2 冷凍冷蔵システムの蚭備数を超え、自 然冷媒を利甚する小売店ずしお䞖界䞀ずなるこ ずができる、宇郜氏はそう考えたのだ。 すでにロヌ゜ンは、珟圚640店舗にCO2 冷凍冷 蔵システムを導入枈みである。今幎床だけでも 750店舗ぞの導入を予定しおおり、幎床末たで にはCO2 店舗数を合蚈1,300店に拡倧する予定 だ。「今振り返るず、ペヌロッパぞ回芖察ぞ行 き、ロヌ゜ンが䞖界⌀になる意志を決めたか らこそ、ここたでこれたず思っおいたす」ず宇郜 氏は語る。 暙準的なロヌ゜ンの店舗では、パナ゜ニックの CO2 ノンフロン冷凍機システムで10銬力ず2銬 力の2皮類が導入されおいる。CO2 を䜿甚した ナニットは亜熱垯気候地域においお、埓来のハ むドロフルオロカヌボンHFCに比べ平均で 21の省゚ネ効果を䞊げおいる。フランチャむ ズ店舗の経営者にずっお省゚ネは重芁な経費 削枛策ず蚀える。なぜなら、人件費・電気料金の ⟌隰や売䞊前幎比が䌞び悩んでいる状況にお いお、各店舗の収益確保に察し、省゚ネ効果は 確実な経費削枛に぀ながるからだ。 「CO2 冷媒以倖に効率のいい省゚ネ技術があ れば、そちらを遞んだかもしれたせん。それた で様々な省゚ネ機噚を導入枈みで、その次を 遞ぶにあたっお経枈合理性が高いのはCO2 し かなかったのです」ず宇郜氏は振り返る。 ロヌ゜ンのCO2 導入店舗のうち、最も進んでい るずいえる店舗が愛知県豊橋垂にある。2014 幎11月にオヌプンした同店舗には、CO2 トラン スクリティカル冷凍冷蔵システムに加え、ガラ ス扉を぀けたオヌプンケヌスが導入されおお り、地䞭熱を掻甚したヒヌトポンプも利甚しお いる。たた、屋根・壁・サッシを二重にするこず で、高い断熱性が確保された。その結果、2010 幎比で60%の省゚ネを達成しおいる。ロヌ゜ン は、毎幎䞀店ず぀、こういった旗艊店を䜜っお いく予定だ。 CO2 導入圓初の課題克服の鍵 圓然ながら、䞖界䞀になるずいう目暙を掲げ、 新たな技術を他瀟に先駆けお導入するのは、 決しお容易なこずではない。宇郜氏は、CO2 シ ステムの斜工・管理に぀いおの懞念を解消す るずころから始めた。改めおペヌロッパに目 を向け、CO2 冷媒の配管に特別な芏栌が甚い られおいるのかどうかを確かめた。実際、ペヌ ロッパでは䞀般配管工事の芏栌・芏制しかな いが、冷媒の性質・圧力がきちんず理解され た䞊で蚭蚈され、䜿甚冷媒の圧力に応じお斜 工されおいるこずを知る。⌀方✇本の小型店 舗では、そういう考慮がなく、冷媒の挏掩を 防ぐのは無理だ。若干の挏れはやむ を埗ないずいう感芚で斜⌯されおいる。ロヌ ゜ンではペヌロッパの䟋に倣い、高圧ずいう CO2 の性質に合わせお、配管の蚭蚈・斜工を 行っおいる。「斜工䜓制の構築は絶察に必芁 䞍可欠なものです。それがなければ、CO2 技 術を導入するこずはできないのです」 もう䞀぀の課題は、CO2 冷媒ぱネルギヌ効 率が非垞に高いものの、初期費甚が埓来の 冷凍冷蔵システムに比べ二倍近くなるずいう 点だった。この課題を乗り越えようず、ロヌ゜ ンは経枈産業省の補助金プログラムに応募 し、2010幎に補助金を受けるこずずなる。この 補助金によっお、ロヌ゜ンは最初の50店舗に CO2 システムを導入するに至り、実蚌実隓の 結果を基に、CO2 導入店舗数をさらに増やす こずが可胜ずなった。 その埌、環境省による補助金制床も掻甚でき るこずずなり、ロヌ゜ンは2014幎9月、CO2 冷 凍冷蔵システムの導入を暙準化した。 事業者による自然冷媒の普及促進を目的に、 環境省が亀付する補助金の2015幎床予算 は、50億円から62億円に増額された。2014幎 床には、CO2 冷凍冷蔵技術の導入を目指す18 瀟にこの補助金が亀付され、ロヌ゜ンも 環境倧臣賞を受 賞―CO2 冷媒導 入で気候倉動察 策に貢献 2013幎にロヌ゜ンは、地 球枩暖化防止掻動環境 倧臣賞を受賞した。省゚ ネ実蚌店舗の展開ずCO2 冷媒冷凍冷蔵システム の 導 入 掚 進 が 認 められ た もの だ 。同 賞 は 、C O 2 冷 媒 シス テム など の 最 新 の 省 ã‚š ネ 機 噚 を 2 0 1 0 幎 床 に 初 め お 導 入した ロ ヌ゜ン のように 、気 候 倉 動 察 策 に è²¢ 献 する 個 人・団 䜓 に 授 侎 され る 賞 で ある 。 “ 補 助 金 が な け れ ば 、 C O 2 冷 凍 冷 蔵 シ ス テ ム の 導 入 に 取 り 組 む こ ず は で き な かっただろう。 p.20ぞ続く
  • 20. Accelerate Japan Aug / Sept 201520 そのうちの䞀瀟ずなった。たた、自然冷媒技術を 冷凍冷蔵倉庫に導入するこずを目指す31瀟に よる33件のプロゞェクトにも、補助金が亀付さ れた。 政府補助金がCO2 冷媒導入促進に果たした圹 割は倧きいず宇郜氏は考えおいる。補助金が あったからこそ、皌働管理など、新技術導入に 䌎う様々な課題を解決したうえで同技術に再 投資し、最終的にCO2 システムを暙準化する こずができたのだ。同氏は、補助金がなけれ ば、CO2 冷凍冷蔵システムの導入に取り組むこ ずはできなかっただろうず蚀う。 補助金があったこずで、業務甚CO2 冷凍冷蔵シス テム導入の劚げになっおいた技術者の育成ずい う二぀目のハヌドルも克服できた。メヌカヌで あるパナ゜ニックの協力の䞋、ロヌ゜ンはこれた で900名を超える技術者を察象に、CO2 冷凍冷蔵 技術の斜工・管理に関するトレヌニングを実斜 しおいる。 ゞャカルタ店でも省゚ネ効果を蚌明 ロヌ゜ンは2013幎床に亀付された経枈産業省 の補助金を甚いお、むンドネシア初ずなるCO2 技術を導入したコンビニ゚ンスストアをゞャ カルタに建蚭した。環境省の補助金も亀付さ れ、CO2 技術を導入した店舗は合蚈13店ずなっ おいる。この補助金は、環境省が提案する二囜 間クレゞット制床JCMの䞋で亀付されたもの で、同制床は䜎炭玠技術普及の促進をするこず で、発展途䞊囜における持続可胜な開発に貢 献するこずを目指す仕組みだ。 今回建蚭された店舗では、冷凍冷蔵分野での 省゚ネ効果が幎間41,558kWhに達するだろうず 予枬されおいるR22䞀定速機噚ずの比范。こ の省゚ネ効果は魅力的ではあるが、CO2 技術の 導入にかかる費甚が比范的高いこずから、今埌 数幎間はむンドネシアでのCO2 冷媒の普及は難 しいだろうず考えられおいる。しかし、この間の 成果ずしお、倖気枩が高い環境においおもCO2 冷媒技術には省゚ネ効果があるず蚌明できた こずがある。「熱垯地域ではCO2 冷媒は省゚ネ的 に䞍利だずいう意芋がありたすが、日本の技術 で十分に省゚ネができるこずを実蚌するこずが できたした」 「むンドネシアの実蚌実隓では、効果は予想以 䞊に出おいたす。珟圚むンドネシアで導入され おいるショヌケヌスに察しお、容量的に3倍以䞊 のCO2 ケヌスを導入したしたが、電気䜿甚量の アップは1割皋床で収たっおいたす」 日本流アプロヌチを䞖界ぞ 自然冷媒の展望に぀いお、ロヌ゜ンでは今の ずころ炭化氎玠冷媒技術を導入する予定はな いずいう。ペヌロッパでは、業務甚冷凍冷蔵分 野で炭化氎玠を䜿ったプラグむンショヌケヌ スが普及しおいるが、日本では炭化氎玠機噚 を導入しおいる店舗はほんのわずかである。 宇郜氏は、日本のメヌカヌが包括的なメンテ ナンス契玄を備えた業務甚炭化氎玠冷蔵庫を 出しおいないこずがバリアになっおいるず指 摘する。 「ナヌザヌ偎には炭化氎玠䜿甚の安党性に 察する懞念があるず思いたすが、メヌカヌ偎が それは倧䞈倫だず蚀っおきちんずメンテナンス を行い、䞇が䞀事故が起きたずきには責任を 取れる䜓制があるでしょうか。日本流の考えか もしれたせんが、そこだず思いたす。我々日本 のナヌザヌずしおは、そういう仕組みがあるの が倧前提ずしおやっおいたすから、海倖のメヌ カヌにずっおはギャップを感じるかもしれたせ ん」ず宇郜氏は蚀う。 束谷 裕行 加盟店支揎本郚 省゚ネ・リサむクル掚進郚 担圓マネゞャヌ 宇郜 慎䞀郎 加盟店支揎本郚 本郚長補䜐 省゚ネ・リサむクル掚進郚 郚長
  • 21. Aug / Sept 2015 Accelerate Japan 21 Hokkaido 1. Hokkaidō 8 8 63 21 8 15 8 2 9 Tōhoku 2. Aomori 3. Iwate 4. Miyagi 5. Akita 6. Yamagata 7. Fukushima 116 5 11 5 48 35 8 4 Kansai 24. Mie 25. Shiga 26. Kyōto 27. Ōsaka 28. Hyōgo 29. Nara 30. Wakayama 179 14 8 15 41 24 36 41 Kantō 8. Ibaraki 9. Tochigi 10. Gunma 11. Saitama 12. Chiba 13. Tōkyō 14. Kanagawa 112 7 6 5 — 10 6 14 17 47 ChÅ«bu 15. Niigata 16. Toyama 17. Ishikawa 18. Fukui 19. Yamanashi 20. Nagano 21. Gifu 22. Shizuoka 23. Aichi 80 35 3 6 8 10 6 11 1 Kyushu 40. Fukuoka 41. Saga 42. Nagasaki 43. Kumamoto 44. Ōita 45. Miyazaki 46. Kagoshima 47. Okinawa 42 5 5 16 9 7 ChÅ«goku 31. Tottori 32. Shimane 33. Okayama 34. Hiroshima 35. Yamaguchi 42 11 12 18 1 Shikoku 36. Tokushima 37. Kagawa 38. Ehime 39. Kōchi 1 2 5 3 4 7 9 8 13 14 10 11 12 6 15 22 20 16 18 2628 27 17 21 1923 39 36 3738 32 31 333435 2530 2429 44 41 43 46 40 47 42 45 北海道 1. 北海道 8 8 63 21 8 15 8 2 9 東北 2. 青森県 3. 岩手県 4. 宮城県 5. 秋田県 6. 山圢県 7. 犏島県 116 5 11 5 48 35 8 4 関西 24. 侉重県 25. 滋賀県 26. 京郜府 27. 倧阪府 28. 兵庫県 29. 奈良県 30. 和歌山県 179 14 8 15 41 24 36 41 関東 8. 城県 9. 栃朚県 10. 矀銬県 11. 埌玉県 12. 千葉県 13. 東京郜 14. 神奈川県 112 7 6 5 — 10 6 14 17 47 䞭郚 15. 新期県 16. 富山県 17. 石川県 18. 犏井県 19. 山梚県 20. 長野県 21. 岐阜県 22. 静岡県 23. 愛知県 80 35 3 6 8 10 6 11 1 九州・沖瞄 40. 犏岡県 41. 䜐賀県 42. 長厎県 43. 熊本県 44. 倧分県 45. 宮厎県 46. 鹿児島県 47. 沖瞄県 42 5 5 16 9 7 䞭囜 31. 鳥取県 32. 島根県 33. 岡山県 34. 広島県 35. 山口県 42 11 12 18 1 四囜 36. 埳島県 37. 銙川県 38. 愛媛県 39. 高知県 p.22ぞ続く 所圚地別 CO2 店舗数合蚈642
  • 22. Accelerate Japan Aug / Sept 201522 CO2 冷媒導入に察する、ロヌ゜ンの「物語」 は第䞀章を終えたず蚀えるだろう。CO2 冷 凍冷蔵の導入に䌎う䜓制をペヌロッパ諞 囜から孊んだ同瀟は珟圚、CO2 導入店舗 数がデンマヌク囜内の700店を超えようず しおいる。さらには、日本のメヌカヌず協力 しお、CO2 に関する独自のノりハりを確立し おきた。日本ではパッケヌゞシステムを扱 っおるため、ラックビルドを扱うペヌロッパ の文化ず倧きく異なる。日本の䌁業は、コン ビニ゚ンスストア垂堎が急速に発達するペ ヌロッパに、パッケヌゞシステムを日本流 のアプロヌチずしお持ち蟌みたいず考えお いるのだ。 たた同瀟は、近いうちに自然冷媒に察する 䞀般の関心を高めるずいう課題ぞの取り組 みも始める。今幎床、環境省ず共に瀟䌚実蚌 実隓を行い、CO2 冷凍冷蔵機噚の利点を広 く説明する蚈画だ。䞀般の人々からの幅広 い支持が埗られれば、CO2 冷凍冷蔵垂堎は どこたでの成長をみせるこずになるか、その 可胜性は無限だ。 JD + MC in 2015 642 店舗 in 2016 1300 店舗 ロヌ゜ン 品川南倧井四䞁目店
  • 23. Aug / Sept 2015 Accelerate Japan 23 この理念は、フランチャむズを展開する地域や関連䌁業・事 業者の健康ず幞せを支揎するものだ。「お客様には、ロヌ゜ン が持続可胜な発展に察し行動しおいる䌁業であるず思っおい ただきたいず考えおいたす」ず宇郜氏は蚀う。 CO2 冷媒を䜿甚した冷凍冷蔵機噚の導入に加え、ロヌ゜ンは 環境ぞの負荷を枛らすために様々な掻動を行っおいる。ここ では、その掻動䟋を䞀郚玹介する。 ■ 省゚ネルギヌロヌ゜ンの省゚ネ䞭期目暙は、2020幎床た でに1店舗あたりの電気䜿甚量を2010幎床比で20%削枛す るずいうものだ。そのために同瀟は、省゚ネ型冷凍冷蔵・空 調システムやLED照明など、゚ネルギヌ効率の優れた機噚の 導入を進めおいる。さらに、「省゚ネ10か条」を定め、店舗で 芁冷機噚のフィルタヌ枅掃を行うこずなどにより、機噚の運 転効率を向䞊させ、䞍芁な電気䜿甚量を削枛する取り組みを 行っおいる。 ■ CO2 排出オフセット運動ロヌ゜ンの利甚者は、買い物で 貯めた共通ポむントサヌビス「Ponta(ポンタ)」のポむント ずCO2 排出暩を亀換、たたは店頭マルチメディア情報端末 「Loppi」を䜿った珟金での賌入や、CO2 をオフセットできる 排出暩付きの商品を賌入できる。2014幎床には、延べ3,090 䞇人がこの仕組みを利甚し、环蚈で玄24,700トンのCO2 オフ セットを達成した。 ■ 倪陜光発電システム2014幎床末たでに、ロヌ゜ンは倪陜 光発電システムを玄2,000店舗に導入した。このシステムは、 売電甚10kW5kW×2系統ず店舗䜿甚2kWの合蚈12kWの 発電胜力を持぀。1店舗あたりの発電量は幎間玄13,000kWh である。10kW以䞊の倧芏暡な発電容量を備えたシステムの 導入は、コンビニ゚ンスストア業界で初めおの詊みだ。 ■ 容噚包装の軜量化、怍物由来玠材の採甚ロヌ゜ンでは、 冷やし麺類の容噚にサトりキビ由来の暹脂を䞀郚䜿甚した バむオPET暹脂を採甚しおいる。たた、容噚包装重量の軜量 化にも取り組んでおり、2014幎床には1容噚あたりの容噚 包装重量を2006幎床比で13.6%、重量にするず玄500トン 削枛した。 ■ 発泚粟床の向䞊で廃棄を削枛䞍芁な廃棄を枛らすため、 ロヌ゜ンは共通ポむントサヌビス「Ponta」を通しお収集さ れる賌入デヌタを分析し、店舗の品揃えの適正化を図っおい る。曜日や倩候パタヌン、地域行事などを考慮しお賌買行動 を予枬するこずで、発泚数ず品揃えを最適化し、廃棄を枛らし おいる。 ■ 食品リサむクル売れ残り食品匁圓、おにぎり等は1店舗1 日あたり平均で7.9kg、揚げ物に䜿った廃油は2.1kgになる。 売れ残り食品はリサむクル工堎でブタやニワトリの飌料や肥 料に、廃油は家畜飌料甚添加物、公共バスのバむオディヌれ ル燃料、無添加石けんなどに再生される。こういった取り組み の結果、2014幎床の食品リサむクル等実斜率は、法定目暙の 36.5%を倧きく䞊回る44.7%を達成した。 ■ 店舗の什噚・蚭備の再䜿甚店舗の改装や閉店の際、商品 の陳列什噚や空調機噚、電子レンゞなどの什噚・蚭備䞀定 の基準をクリアしたものを日本に二か所あるリナヌスセン タヌで保管し、新芏にオヌプンする店舗で再䜿甚しおいる。 ■ 環境に配慮した自動車ず運転スヌパヌバむザヌ店舗指 導員や店舗開発担圓者が䜿甚するすべおの瀟甚車四茪駆 動車を陀く玄2,200台に぀いお、ハむブリッド車ぞの切り替 えを進めおいる。配送車䞡には、運行状況を把握する運行管 理システムを装備し゚コドラむブを掚進するのに加え、燃費 を向䞊させる゚コタむダを導入した。アむドリングストップの 培底や隒音防止などに぀いお、ドラむバヌ研修も行っおいる。 ■ レゞ袋ず割り箞の削枛レゞ袋の䜿甚を削枛するため、ロ ヌ゜ンでは店舗スタッフの声かけや店内攟送・ポスタヌでの 呌びかけ、再利甚可胜な「ケヌタむバッグ」の配垃を行っおい る。2014幎床には、1店舗あたりのレゞ袋䜿甚重量は2000幎 床比で25.9%枛少し、レゞ袋配垃率は79.1%ずなった。1店舗 あたりの割り箞䜿甚膳数は2006幎床比で12.6%枛少し、玄 52,000膳ずなった。 ■ 地域の矎化掻動ロヌ゜ンの埓業員ずその家族は、各地の 自治䜓や䌁業、垂民ず協力し、地域の河川や公園を枅掃・矎 化する掻動に参加しおいる。 ロヌ゜ンの瀟䌚貢献掻動方針 ゞェヌムス・ラン゜ン著 ロヌ゜ンのCO2 冷媒での成功は、同瀟の匷力な䌁業理念の成果ずいえる。 「私たちは“みんなず暮らすマチ”を幞せにしたす。」
  • 24. Accelerate Japan Aug / Sept 201524
  • 25. Aug / Sept 2015 Accelerate Japan 25
  • 26. Accelerate Japan Aug / Sept 201526 倉化を奜む者などいない。特に食品小売業者はそうだ。しかしこの20幎間を振 り返るず、冷凍冷蔵機噚で䜿甚が認められる冷媒の状況はあたりにもめたぐる しく倉化しおきた。先行きの䞍透明さはいったいい぀たで続くのか、そう苛たれ た小売業者は倚いだろう。1778店舗うち852店舗はフランチャむズ店をかか える、カナダ第二䜍の食品小売チェヌン・゜ビヌズSobey’sもその䞀぀だ。そこ で圌らは、北米ではじめお、ある決断をした。 ゜ビヌズの決断ずは、芏制察象倖のCO2 冷媒を䜿甚したトランスクリティカル冷 凍システムを、同瀟の新芏店舗ず倧芏暡改装店舗の暙準システムに採甚したこ ずである。   珟圚゜ビヌズは、72店舗でCO2 トランスクリティカルシステムを持ち、毎幎15 20の店舗で同システムを導入しおいる。事実䞊、北米でのトランスクリティカ ルシステム導入のリヌダヌ的存圚ずなった。新芏導入のうち少なくずも10店舗 は改装店舗で、店舗の操業䞭も工事は垞に行える。゜ビヌズはCO2 冷媒ぞの移 行を進めながらも、1日の売り䞊げも倱うこずがないのである。 芏制の波から抜け出すための遞択  ゜ビヌズが冷媒転換を意識しはじめたのは2008幎のこずである。オゟン局保護 のためのモントリオヌル議定曞では垞に芏制が匷化され、さらに芏制改正が生 じるこずは明らかだった。R22のようなハむドロクロロフルオロカヌボンHCFC) は廃止予定であり、ハむドロフルオロカヌボンHFCの将来も䞍確実だった。 ゜ビヌズはすでに、R11やR12などオゟン局砎壊物質クロロフルオロカヌボン CFCの段階的廃止から、その圓時は「新冷媒」だったオゟン局砎壊物質であ るHCFCぞの移行を経隓しおいた。そしお今、モントリオヌル議定曞は、地球枩暖 化ぞの寄䞎床の倧きいHFC冷媒も新たに远加し、段階的廃止ぞず螏み切るこず ずなりそうだ。゜ビヌズの゚ンゞニアたちは自問しおいた。「皆の流れにあわせ お同じこずを繰り返しおいおいいのだろうかもはや党く別の冷媒に投資するべ きではないだろうか」 冷蔵冷蔵に関する技術や人材構築の決定暩は、゜ビヌズの技術担圓圹員にあ り、それがむノ・ハグロン氏である。 ハグロン氏は、ノバスコシア州ステラヌトンに本瀟がある゜ビヌズ瀟の぀の 地域郚門である゜ビヌズケベック、マリタむム、オンタリオ、り゚スタンカナダの うちの゜ビヌズケベックの担圓である。 3぀のアングロサク゜ン系の地域郚門が統合された䞀方、フランス語圏である゜ ビヌズケベックは、独立したアむデンティティを持っおいるため、それがケベック 州特有の食品関係を差別化するのに圹立っおいるずのこずだ。 圓初、ハグロン氏や機噚アドバむザヌのむノス・ビュヌレガヌド氏、パトリック・ ギャロヌ氏ずいった゚ンゞニアチヌムにずっお、フロン系冷媒を䜿い続けるこず は将来的な保蚌がなにもなかった。10幎、12幎、たたは15幎埌に再びそれらの 冷媒廃止に盎面するこずになるかもしれないのだ。ハグロン氏は思った。「ペヌ ロッパで自然冷媒を䜿った技術が出おきおいる䞭、なぜ䞍確実な代替冷媒に我 々が投資すべきだろうか」 ゜ビヌズの゚ンゞニアたちは倧西掋を枡っお欧州をめぐり、急速な発展をずげ おいるCO2 トランスクリティカル冷凍技術の状況を芖察した。 欧州から戻った゚ンゞニアたちの報告に刺激をうけた゜ビヌズは、圌らず技 垫ず耇数のシステムメヌカヌを䞀堂に集め、新たな業務を委任した。同瀟は 長期的にはフロン系冷媒から完党に脱华するこずを目暙ずし、そのためにも 代替技術が必芁だった。その郚屋に集たっおいた者たちに突き぀けられた 課題は「この目暙達成のためには䜕ができるのか」ずいうこずだった。 CO2 システムに応じた䌁業はわずか2瀟 未来ぞ続く自然 冷媒の遞択 カナダの倧手小売チェヌン・゜ビヌズは、 北米の党新店でCO2 冷媒を導入し、 暙準蚭蚈ずした。 フロン類ではなく、未来志向の自然冷媒 技術を遞択した、その軌跡を芋おいきたい。 ゞャナむナ・トップレヌ・リラマヌク・シャセロット著 むノ・ハグロン ゜ビヌズ技術担圓圹員郚長
  • 27. Aug / Sept 2015 Accelerate Japan 27 たず始めに10瀟が゜ビヌズの求めに応じた。最初 の䌚議埌にそれから6瀟が残り、他は自然冷媒゜リ ュヌションをただ提䟛できなかった。残った6瀟が 提案した゜リュヌションに぀いお、さらに詳现な質 問を重ね、その結果4瀟に絞られ、最終的には2瀟が 残った。カルノヌCarnotずシヌ・゚ス・シヌCSC である。゜ビヌズが求めたシステムを提䟛できたの は、最終的にはこの2瀟しかなかったのである。 通垞゜ビヌズは、競合䟡栌を芋極める䞊で瀟か らの芋積もりを必芁ずするが、これは䟋倖的状況 だった。 カルノヌずCSCは、䞡瀟ずもCO2 が玠晎らしい可胜 性を持っおおり、地球枩暖化係数GWPもわずか であるこずを理解しおいたため、CO2 技術の開発に 泚力しおいた。その結果、゜ビヌズは䞡瀟ず密に連 携し、初のカナダ補のCO2 システムを店舗で実蚌詊 隓するこずで合意した。 圓初、自然冷媒転換を目指す゜ビヌズの取り組みを 支揎する補助金はほずんどなかった。そこでCO2 ぞ の投資の原動力ずなったのが、゜ビヌズケベックの 技術郚門であった。同瀟のその他の郚門は、CO2 ぞ の転換が正しい遞択なのか充分な確信がなかった のである。呚囲からは、゜ビヌズケベックは正気でな くなったず思われおいた。 しかしながら、CO2 冷凍技術掚進の動きは最終的に CEOに䌝わり、その埌ケベックチヌムは事業党䜓を「 グリヌン」にするように、ず経営陣からの支持を埗た のである。この動きは、今や他郚門にも浞透し始め た。その結果、CO2 システムがブリティッシュコロン ビア2アルバヌタ(3)、サチュカチュワン (1)、マニト バ (2)、オンタリオ (2)、ニュヌファンドランド(1)で蚭 眮されるに至った。 自然冷媒を語る䞊で、゜ビヌズはGWPだけに泚目 するのではなく、この先、新䞖代のフロン系冷媒が 犁止される可胜性をも芖野に入れおいる。同瀟は ハむドロフルオロオレフィン (HFO)は決しお自然冷 媒には入らないずいう考え方である。「新しいフロ ン系冷媒は今埌問題ずなり、モントリオヌル議定曞 の䞋で2030幎や2040幎に犁止になる可胜性があ るこずを我々はわかっおいるからです」ずハグロン 氏は述べた。 倉革ぞの道のり 珟圚゜ビヌズのスヌパヌマヌケットの85がただ R22を䜿甚しおおり、「ただ先は長い」ずハグロン氏 は認識しおいる。2015幎には同瀟はもはやR22シス テムを新蚭するこずもないが、R22冷媒自䜓も生産 茞入量はわずか300トンのみずなる1996幎比90 削枛。これはケベックの300店舗その倚くはフラ ンチャむズを含む1498の党店舗に圱響を及がす。 しかし最終的には、゜ビヌズ党店舗が自然冷媒に転 換するこずになるだろう。 党システムを入れ替えるには倚額の投資が必芁ず なるため、埐々に展開しおいくこずになる。5〜6幎前 に蚭眮されたシステムで、寿呜が15幎から20幎であ れば、店舗が倧掛かりな改装を行わない限り、今埌 も10幎から15幎皌働するこずになるだろう。 ゜ビヌズは2009幎に第䞀号であるCO2 トランスクリ ティカルシステムを蚭眮し、2011幎に新芏店舗ず倧 芏暡な改装店舗の暙準装備ずなった。CO2 が店舗で 導入される䞀方、倉庫や配送センタヌではアンモニ アが䜿甚されおいる。 他の自然冷媒蚭備 次なる挑戊空調 空調に関しおは、゜ビヌズはスヌパヌマヌケッ ト向けの空調システム専門メヌカヌず協力しお いる。 空調システムは、店内での枅掃や調理、たた果 物・野菜の鮮床維持のために氎噎霧によっお生じ る高い湿床レベルに適応させなければならない。 業務甚冷凍冷蔵システム導入の際には、店内の 陀湿ができる空調システムも装備するこずが重 芁ずなる。 ゜ビヌズは珟圚CO2 を䜿った空調システムの可胜 性を調査しおいるが、技術圹員のハグロン氏は、 垂堎はただ準備が敎っおいないず蚀う、珟圚の 自然冷媒の空調システムは、フロン系冷媒を䜿 ったシステムに比べおコスト面で遠く及ばない のである。 カルノヌず協力しお、゜ビヌズは店舗の空調シス テムに繋いだ統合型CO2 システムの詊運転をした こずもある。しかしながら、䜎い蒞発枩床がシス テムの効率を匕き䞋げおいた。このため、珟時点 では高い蒞発枩床で空調専甚に蚭蚈されおいるシ ステムを䜿う方が望たしいず考えおいる。 ゜ビヌズの自然冷媒の店舗導入の成功は、同瀟の 倉庫や配送センタヌにたで及んだ。 近幎゜ビヌズケベックは぀の倉庫を党お、 22や䞀郚でただ䜿われおいたR12から自然冷媒で あるアンモニアぞず転換した。冷凍肉倉庫拡匵な どで䞀郚はCO2 , を䜿っおいるものもあり、そこ ではもずもずあるアンモニアシステムにカスケヌ ドCO2 システムを远加蚭眮しおいる。他にも、ト ロア・リビ゚ヌルにある乳補品工堎のようにアン モニア冷媒を採甚し、グリコヌル配管を倉庫党䜓 に通しおいるずころもある。 ゜ビヌズケベックの技術圹員のハグロン氏にずっ お、このような次冷媒を䜿甚するシステムはア ンモニアだけで構成されるシステムよりも望たし い。なぜなら圌は、アンモニアの挏掩を完党に防 ぐこずはできないず考えおいるからである。䞇䞀 アンモニアのみのシステムを䜿っおいる倉庫で挏 れが発生すれば、工堎党䜓を怜査しなくおはなら ない。トロア・リビ゚ヌルの工堎では、アンモニ アは機械宀の䞭だけにあるのでこのようなこずは 起こらない。 “ 我 々 は 次 な る 段 階 的 廃 止「 モ ント リオ ヌ ル è­° 定 曞 3 . 0 」を 経 鹓 し た くな か った の で す。 p.28ぞ続く
  • 28. Accelerate Japan Aug / Sept 201528 O N T A R I O N U N A V U T H u d s o n b a y SASKATCHEWAN A L B E R T A M A N I T O B A Y U K O N N O R T H W E S T T E R R I T O R I E S B R I T I S H C O L U M B I A カスケヌド匏を含む初代C02 システムは、䜕回か挏掩も生じた詊䜜品だっ たこずもあり、埓来システムよりも゚ネルギヌ効率が悪く新しい技術ならでは の“成長の痛み”を経隓した。いわば、店舗での詊運転の際に生じる問題に察応 しおいかなければならない「生きたラボ」であった。䟋えば䞀郚の店舗では、゚ ンゞニアチヌムがコンプレッサヌを完党に入れ替えなければならない事態も 起きた。 たた高圧であるCO2 冷媒専甚のバルブやプレヌト熱亀換噚などの郚品の欠品 にも盎面した。その結果、同瀟はシステムメヌカヌや郚品メヌカヌず緊密に協力 しお、黎明期のCO2 冷凍技術の埮調敎をしなければならなかった。 今ずなっおは、゜ビヌズに導入されたシステムは非垞に安定し、冷凍胜力が80ト ンから250トンたで幅広く察応しおいる。これらは、経枈性を高めるために瀟 で補造されおおり、CSCは今は入っおいない。 ケベックのシステムメヌカヌは考え方を180床倉えたずハグロン氏は考えおい る。圌らは今やR507やR407よりも、CO2 システムを䜜る方にはるかに高い関心 をもっおいる。メヌカヌ数瀟においおは、合成フロン系冷媒システムの補造を完 党にやめおしたったメヌカヌすらある。 ゜ビヌズが支払う初期システムのむニシャルコストも次第に䞋がっお来きた。初 期の頃には、CO2 システムは合成フロン系冷媒システムに比べお、有に25~30% もコストが高かった。珟圚コストは同等になり、R507を甚いる埓来型の業務甚 冷凍技術よりも実際は安い堎合もある。 ゚ネルギヌ効率もたた劇的に向䞊した。冷凍システムが店内の゚ネルギヌ コストの玄50であるこずを考えるずこれは非垞に重芁である。珟圚のCO2 技術を甚いお、埓来システムよりも冷凍冷蔵分野での゚ネルギヌコストを玄 8削枛した。 かくしお゜ビヌズは持続可胜性を実珟したわけだが、それを売り蟌むこずは 䞀䜓䟡倀があるのだろうかCO2 冷凍システムぞの投資は平たくいうず、道 路を走る乗甚車を幎間3000台取り陀くこずに匹敵する。この事実を来店客に 䌝え、゜ビヌズの環境保護の取組みの認知床を高めるために、店舗オヌプン の際には店内のグリヌン技術に関する特別な暙識を掲瀺しおいる。 しかし、スヌパヌマヌケットずコンビニ゚ンスストアには既に掲瀺や広告で溢れ おいるため、この雑倚な掲瀺スペヌスでぱコぞの取組みであるグリヌン技術 の匷調ではなく、補品商品の販売に重点を眮いおいる。 䜕故なら、冷凍冷蔵はスヌパヌマヌケット経営の重芁な郚分であるが、ビ ゞネスの栞心ではない。最も泚目を集めるべきは、販売しおいる商品その ものである。「他店舗よりもトマトの倀段が安いこずを匷調する方が、トマ トを冷やすグリヌン技術を匷調するよりも優先順䜍が高いのです」ずハグ ロン氏は述べた。 JTL + MC
  • 29. Aug / Sept 2015 Accelerate Japan 29 Q U É B E C N E W F O U N D L A N D A N D L A B R A D O R N E W B R U N S W I C K N O V A S C O T I A N o r t h A t l a n t i c O c e a n ゜ビヌズの カスケヌド及び トランスクリティカル 冷凍システムの蚭眮地域 QUÉBEC »» St-Félix de Valois »» Coteaux-du-Lac »» Laval-Ouest »» Cap-Rouge »» Cookshire »» Bromont »» St-Charles de Drummond »» Kirkland »» St-Augustin (Mirabel) »» Repentigny »» Dorval »» St-Rémi de Napierville »» Granby »» DisraÚli »» Valleyfield »» L’Annonciation »» Mercier »» Ste-Agathe des Monts »» St-Donat »» Pont-Rouge »» Grenville »» Delson »» Val Belair »» East Angus »» Masson-Angers »» Lasarre »» Gatineau »» St-CÃŽme »» Cap-De-La-Madeleine »» St-Nicephore »» St-Georges Est »» St-Sauveur »» Lachenaie »» Laval »» Montreal Millen »» Bromptonville »» Terrebonne »» Amos »» St-Césaire »» Vaudreuil-Dorion »» New Richmond »» Paspébiac »» St-Jean-Richelieu »» Sherbrooke »» Richelieu »» Boucherville »» Chicoutimi »» Montréal / Fleury »» Terrebonne »» Gatineau »» Magog »» St-Amable »» Chandler »» St-Pie de Bagot »» Victoriaville »» Riviere-Du-Loup »» Ste-Brigitte de Laval »» Montréal / Centre-ville »» St-Félicien »» Ste-Julie »» Montréal / Centre-ville »» Boischatel »» St-Antoine des Laurentides »» Ste-ThérÚse »» Rimouski »» Longueuil »» Ayers Cliff »» Temiscamigue »» Montréal / Shamrock »» Ste-Canut BRITISH COLUMBIA »» Courtenay »» Comox ALBERTA »» Lewis Estates »» Newcastle »» Nolan Hill SASKATCHEWAN »» Stonebridge MANITOBA »» Kildonan »» Sage Creek ONTARIO »» Milton »» Stratford NEWFOUNDLAND »» Paradise »» CO2 トランスクリティカル »» CO2 カスケヌド Aug / Sept 2015 Accelerate Japan  2 7
  • 30. Accelerate Japan Aug / Sept 201530 R E D B U L L   持 続 可 胜 な     冷 华 ぞ の 挑 戊 ゚ルケ・ミルナヌ著 䞖界に50䞇台以䞊の炭化氎玠クヌラヌで小売り 展開する゚ネルギヌ飲料倧手が、぀いにアメリカ でも導入に螏み切る。 ペむゞ・ダン レッドブル C S R プロゞェクトリヌダヌ     界で最もよく売れおいる゚ネルギヌドリンクメヌカヌ幎間販売猶数          50 億以䞊レッドブル (Red Bull) は、スポヌツむベントのスポンサヌ      やプロスポヌツチヌムのオヌナヌずしおも知名床が高い。 珟圚、レッドブルは環境リヌダヌずしお知られるようになり、特に飲料氎の冷 蔵分野においお抜きんでおいる。 自らの環境責任を痛感しおいるレッドブルは、CO2 排出量を可胜な限り最小限 に抑えようず積極的に取り組んでいる。トラック走行距離を 550 䞇マむル近く 削枛し、100% リサむクル可胜な猶、超省゚ネのボトルクヌラヌに至るたで、同 瀟の持続可胜性のための努力はバリュヌチェヌン党䜓をカバヌしおいる。 䞭でも冷华は特別泚目されおいる。北米レッドブルの CSR プロゞェクトリヌダヌ であるペむゞ・ダン氏は Accelerate America に察し、同瀟の冷华機噚による CO₂ 排出量は瀟内党䜓の 20にもなるず語った。 そのような冷华機噚による環境負荷を抑えるため、レッドブルは 2008 幎に炭化 氎玠冷媒を䜿甚するボトルクヌラヌ「゚コクヌラヌ」を採甚する飲料小売業者を 展開するこずに決めた。2011 幎、同瀟は販売堎所の冷蔵冷凍ナニットに自然冷 媒を甚いるこずで気候倉動に察凊し、ペプシコ (PepsiCo)、コカ・コヌラ (Coca- Cola)、ナニリヌバ (Unilever) で構成される「Refrigerants, Naturally!」構想の仲間 入りをした。 レッドブルの゚コクヌラヌは、環境に優しい炭化氎玠冷媒 R600a ( む゜ブタン ) を䜿甚しおいる。この゚コクヌラヌの䜿甚゚ネルギヌは、埓来の HFC クヌラヌ より 45% 少ない。たた性胜を最倧限に高めるため、LED 照明、゚ネルギヌ効率 の高いファン、むンテリゞェント制埡装眮、断熱ガラスを採甚した。同瀟による ず、7 台の゚コクヌラヌの゚ネルギヌ消費量は、わずか 100 ワット電球 1 個分 皋床だずいう。 レッドブルの発泚ガむドラむンでは、法埋的および技術的芳点から、今埌は実 斜可胜な堎所であれば゚コクヌラヌしか導入しないこずになっおいる。 ダン氏によるず、2013 幎はレッドブルの冷华機噚党䜓の 50以䞊が炭化 氎玠冷媒を䜿甚し、昚幎は同瀟が北米向けに賌入したクヌラヌの 65に圓 たる 59,948 台が炭化氎玠を䜿甚したものであった。レッドブルのグロヌバ ル賌買郚長のナルゲン・ブレネむス氏によるず、珟圚同瀟が所有し、䞖界各 地で動いおいる炭化氎玠クヌラヌは 50 䞇台を超える。 侖
  • 31. Aug / Sept 2015 Accelerate Japan 31 幎間䞖界売䞊 (猶の数) 50億 䞖界に展開する ゚コクヌラヌ台数 500,000 北米向け ゚コクヌラヌ賌入台数 (2014) 59,948 ゚コクヌラヌによる 省゚ネ率 45% 数字で芋る 以䞊 以䞊 「私たちは、前幎床比率がこのように劇的に増加したこずを誇りに思っおおり、今埌も 炭化氎玠冷媒100䜿甚の゚コクヌラヌの調達をめざし、積極的に取り組んでいきた す」ずダン氏は語る。 SNAP認可の獲埗 欧州の 炭化氎玠冷凍垂堎は極めお発達しおおり、家庭甚冷蔵庫および小型業務 甚冷蔵庫においおは、垂堎は飜和状態にある。よっお欧州で゚コクヌラヌを実践 するこずは 䜕の問題もなかったが、北米、特に米囜では状況は異なっおいた。 炭化氎玠は米囜重芁新芏代替品政策 (SNAP) プログラムのもず、2011幎12月に 認可されたが、レッドブルが冷媒ずしお遞択したR600aは業務甚内蔵型冷蔵庫ぞ の䜿甚がただ認可されおいなかった。 「認可されおいなかった唯䞀の理由は、それたで誰も芁求しなかったからです。 これは連邊政府ず民間䌁業の䞡者の問題です」ずダン氏は蚀う。 そこで レッドブルは行動に出た。R600aの飲料甚クヌラヌぞの䜿甚認可を芁求 するための芁望曞を、米環境保護庁 (EPA)に提出したのだ。 ダン氏はたた次のように述べおいる。「EPAのSNAPチヌムに働きかけ、圌らず手 を組み、詊隓的なプログラムずしおR600aの認可を埗ようずしたのです。それは倧 きな圱響をもたらしたした。たちたち米囜内における炭化氎玠冷蔵機噚のシェア が10%増加したのです」 懞呜な努力に加え、システム䟛絊業者ずの協力、SNAPチヌムずの継続的な議論、 そしお圓然のこずながら煩雑な手続きなど、堅実な1幎間を経たのちの2013幎7 月、R600aはSNAP プログラムのもず認可されたのである。 「R600aは、最初の決定で有効な代替品ずしお認可されるべきでしたが、厳し い芏制ず手続き䞊の理由で、1幎遅れの認可ずなりたした。しかしながら、SNAP プログラムず組むこずで、かなり融通が利き、囜内初の認可枈み業務甚R600aク ヌラヌを所有する䌁業ずなったこずを誇りに思っおいたす。今はEPAが正匏に R600aを認可しおいたすので、今埌この技術が広く採甚されおいくのが楜しみで す」ずダン氏は語った。 普及が困難な垂堎はアメリカ合衆囜だけではない。ATMOsphere Asia 2015で ブレネむス氏は次のように説明した。2015幎時点で、レッドブル は日本以倖の 党おの地域で自然冷媒をベヌスずした゚コクヌラヌの導入に成功しおいるが、日 本にある1䞇台のレッドブルボトルクヌラヌ の内、炭化氎玠を䜿甚しおいるのは 1台もない。日本垂堎で倧きな障壁ずなっおいるのは、小型炭化氎玠機噚向けに 蚭蚈された郚品が入手困難であるこず、そしお研修を受けたサヌビスパヌトナヌ の䞍足だず蚀う。 米囜ではレッドブルがパヌトナヌ䌁業6瀟の取扱技術者に察し、炭化氎玠 クヌラヌの修理および正しい廃棄方法に関する研修を実斜しおいる。 抂しお、北米における炭化氎玠冷凍冷蔵機噚の需芁は増加傟向にあり、それは今 幎開催されたAHR ExpoやNAFEM Showでも歎然ずしおいた。 「この技術が我が瀟にずっおも、顧客にずっおもベストな解決策であるこずは既 にわかっおいたす。この技術をいち早く採甚した䌁業である我が瀟の゚ネルギヌ 䜿甚量は激枛したした。地球ぞの害が少なく、たた顧客の皆様の事業に察しおも 利益をもたらすこずができ、双方にずっお有利であるのは間違いありたせん。我々 がこの技術をさらに掻甚するこずで、小型業務甚冷蔵機噚党䜓が同様に転向し おいくこずを望んでいたす。炭化氎玠ボトルクヌラヌは未来のものではありたせ ん。それは、間違いなく珟圚の垂堎にある最も優れた補品の䞀぀です」ずダン氏 は述べおいる。
  • 32. Accelerate Japan Aug / Sept 201532
  • 33. Aug / Sept 2015 Accelerate Japan 33
  • 34. Accelerate Japan Aug / Sept 201534 アンモニアオンリヌのシス テムから、アンモニア/ CO2 のプラットフォヌムに手を 広げるこずで、ナナむテッド ステむツ コヌルド ストレ ヌゞUnited States Cold Storage以䞋USCSでは、 倉庫運甚担圓者からCO2 が 冷媒ずしお受け入れられる ようになった。 マむケル・ギャリヌ著 冷凍倉庫業界 に 新颚を吹き蟌んだ
  • 35. Aug / Sept 2015 Accelerate Japan 35 p.36ぞ続く マむク・リンチ USCS
  • 36. Accelerate Japan Aug / Sept 201536 50䞇平方フィヌト玄46500㎡東京ドヌム ぀分皋床もあるUSCSのベスレヘム斜蚭 は、2005幎に開蚭され、か぀お䞖界第二䜍の 倧手鉄鋌メヌカヌであったベスレヘム・スチヌル Bethlehem Steel が所有しおいた300゚ヌ カヌ玄1.2㎢の敷地の䞀郚にある。マンハッタ ンの倚数の超高局ビルに甚いられたI圢梁を補 造しおいたベスレヘム・スチヌルは、海倖メヌカ ヌずの競争に生き残れなくなり、1995幎に斜蚭 を閉鎖し140幎間の歎史に幕を閉じた。 グロヌバル化する状勢䞋で、ベスレヘム・スチヌ ルは倉化の波に飲み蟌たれおしたった。そしお 今、アンモニア冷凍に察する政府のより厳しい 監芖を受けながら、産業甚冷凍業界では、倚く の䌁業が極小充填アンモニア ぞの移行や、移行 を怜蚎する方向ぞず倉化しおいる。 ベスレヘムを皮切りに、USCS は倉化に抌し぀ぶ されるのではなく、むしろそれを䞊手く切り抜け る方法を孊んだ。 ベスレヘム工堎は、叀い補鉄 所に隣接しながら、過去に生きるのではなく、珟 実に立ち向かう必芁性をい぀も思い起こさせお くれる存圚だ。 ベスレヘムでUSCSは、20,00040,000ポンド 玄918トンのアンモニアを䜿甚する埓来 の2段ポンプ再埪環匏アンモニア冷凍システム ではなく、6,400ポンド玄3トンのアンモニア ず48,000ポンド玄22トンのCO2 を䜿甚する NH3 /CO2 カスケヌドシステムを遞んだ。2005幎 にはほずんど耳にするこずのなかった遞択肢 である。 「最初の頃は、人々から頭がおかしいず蚀われ たしたよ。圓時は機噚メヌカヌでさえ、CO2 を䜿 甚すべきではない理由を説明しお回っおいたぐ らいですから。」USCSの技術担圓副瀟長マむケ ル・リンチ氏は、先日ベスレヘム倉庫で実斜さ れたAccelerate Americaによるむンタビュヌで こう語った。 しかし、USCSは自らの信念を守り続けた。むギ リスに本郚を眮くスりェむダヌSwireに1982 幎に買収された同瀟は、NH3 /CO2 カスケヌドシ ステムの経隓を積むために、普及が進んでいた ペヌロッパに数名の技術者を掟遣した。「圌ら はこの芖察旅行を通しお、物事の真盞を知り、 習埗した技術をもずにここでも䜿えるシステム を蚭蚈できるず確信しお垰っおきたのです」ずリ ンチ氏は蚀う。リンチ氏は2011幎に副瀟長にな ったが、その圓時は建蚭および蚭眮珟堎に関わ っおいた。 グロヌバルコヌルドチェヌンアラむアンス GCCAによるず、2億3350䞇立方フィヌト 玄6.6 milion ㎥の枩 床制埡空間を持぀ 北米第䞉䜍の倧手の冷凍倉庫および運営管 理 業者であるUSCSは、それ以降、時代遅れの 斜蚭に取っお代わったケヌスも含め、新たに囜内 10ヶ所でアンモニア/CO2 システムを導入した。 ニュヌゞャヌゞヌ州ボヌルヒヌズに拠点を眮く USCSは、珟圚、合蚈13州27郜垂で35の公共冷 凍倉庫を運営しおいる。 導入した11台のNH3 /CO2 システムのうち、10 台はペンシルベニア州ク゚ヌカヌタりンに 蚭眮した高圧CO2 コンプレッサヌを甚いたカ スケヌドタむプで、残りの1台は䞻に枩床が 35°F40°F玄1.6 ℃4.4 ℃の保存゚リア に二次冷媒 ずしおCO2 を埪環させるクリティカ ルブラむンナニットである。NH3 /CO2 システム は、5,0008,000ポンド玄2.33.6トンの アンモニアず20,00048,000ポンド玄922 トンのCO2 を䜿甚する。 珟圚、USCSはノヌスカロラむナ州ランバヌトン 倉庫の第2機関宀に、既存の2段匏アンモニアシ ステム拡匵のために、新しい噎射冷凍機の補助 ずしおNH3 /CO2 システムを導入しおいるずころで ある。ただし、同瀟は既存の党おのアンモニア システムを改良しおNH3 /CO2 技術を導入する蚈 画はない。 ペ ンシルベニア州ベスレヘムの産業甚 冷凍業界でも初ずなったアンモニア/ ₂冷凍システム1号機の導入は、 適切な刀断であった。 ペンシルベニア州ベスレヘム機関宀。 手前がCO2 コンプレッサヌ、 埌方がアンモニアコンプレッサヌ