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2015.9告訴団強制起訴議決

会と弁護士による議決書解説

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2015.9告訴団強制起訴議決

  1. 1. 2015年9月5日 東電・国の刑事責任を追及する 福島原発告訴団の闘いの現段階と課題 市民の正義が東電・国が隠蔽した 福島原発事故の真実を明らかにする途を開いた!                                                                        弁護士 海渡雄一 (福島原発告訴団弁護団                          東電株主代 表訴訟弁護団                           脱原発弁護団 全国連絡会共同代表)
  2. 2. 2 ついに強制起訴の議決を勝ち取る !福島第一原発を襲った津波
  3. 3. 3 非常用ディーゼル発電機(浜岡原発4号機) 原告は検証時に津波による水没を警告していた 静岡地方裁判所検証調書より
  4. 4. 検察審査会は東電会長・副社長の 強制起訴を求めた  2015年 7 月 31 日、東京第五検察審査会は、 昨年7月31日に引き続き、2013年9月9日 に東京地検が不起訴処分とした東電元幹部のうち 、勝俣恒久元会長、武藤栄、武黒一郎の両元副社 長について、業務上過失致死傷罪で強制起訴を求 める議決を行った。 左から 被疑者勝俣 武藤、武黒
  5. 5. やっとここまで来た!  告訴団の武藤類子代表「『やっとここまで来た 』という思いです。原発事故は終わったという 雰囲気がありますが、何も終わっていません。 今後、開かれる刑事裁判の中で、事故の真実が 明らかにされ、正当な裁きが下されると信じて います」とコメントした。  弁護団の河合弘之弁護士「これだけ重大な事故 が起きて、誰も罪に問われないのはおかしいと いう市民の正義感が検察の判断を覆した。原発 事故の真実が永久に闇に葬られそうになってい たところ、再びドアを開かせた意味は非常に大
  6. 6. 起訴議決は政府事故調と 検察の描いてきた構図を一変させ た  議決の最大のポイントは2007年12 月時点で、東電は推本の長期評価を取り 入れる方針を決め、2009年6月には 耐震バックチェックを終える計画であっ たとされたことだ。  2008年7月の武藤指示は、いったん 決定されていた東電の社の方針を土木学 会への検討依頼を口実に、全面転換し、 早期に終えなくてはならないバックチェ ックを何年も先送りすることを意味して いた。
  7. 7. 津波対策を求める公的な見解の 数々
  8. 8. 1997年には福島沖の津波地震 の想定が政府から指示されていた  7つの省庁がまとめた津波想定方法  「太平洋沿岸部地震津波防災計画手法調 査」  日本海溝の津波地震を予測していた。  2014年7月に添田孝史氏(岩波新書 『原発と大津波 警告を葬った人々』) の情報公開によって明らかになった。
  9. 9. 2000年電事連報告では福島第一 は日本一津波に脆弱であることが示 されていた  電事連の「津波に関するプラント概略影響評 価」(甲8 国会事故調参考資料編 41頁 )は,平成9年 ( 1997年 ) 6月の通産省 の指示に対応して,平成14年(2002年 )2月に電事連内の総合部会に提出されたも のである。  解析誤差を考慮して想定値の1.2倍,1. 5倍,2倍の津波高さで原発がどう影響を受 けるか調べ、全国の原発の中で,想定値の1 .2倍で影響があるとされているのは福島第 一と島根1,2号の二原発だけである。
  10. 10. 警告されていた 地震と津波による原発事故  2002年7月31日,推本の地震調査委員会によ り長期評価が公表された。  これは,三陸沖北部から房総沖の海溝寄りの領域内 のどこでもMt(津波マグニチュード)8.2前後 の津波地震が発生する可能性があるというものであ った。  長期評価には,現在までに得られている最新の知見 を用いて最善と思われる手法により行ったが,過去 の地震に関する資料が十分にない等の限界があるこ とから、地震発生確率や予想される地震の規模の数 値には誤差を含んでおり,十分留意する必要がある と記載されていた。
  11. 11. 土木学会の津波評価技術は非科学的  2002年2月に土木学会の津波評価部 会が公表した津波評価技術は,過去に発 生した領域で繰り返し同じタイプの津波 地震が発生するという考え方によってお り,過去に津波地震の発生していない領 域については考慮されていなかった。  しかし、プレートはつながっており、福 島沖だけが大地震を起こさないというこ とは、テクトニクスの力学上もあり得な いことであった。
  12. 12. 推本の評価を支持する見解の方が多 数  2003年3月24日には,推本の地震調 査委員会自体が,長期評価についての信頼 度をA(高い),B(中程度), C (や や低い),D(低い)の4段階のランクの うちCと公表していた。  2004年5月に実施した地震学者への重 みづけアンケート調査では,地震学者5名 の回答結果の平均が,三陸沖から房総沖に かけての海溝寄りの津波地震の発生に関し ,推本の長期評価に基づく考え方が約0. 6,津波評価技術に基づく考え方が約0.
  13. 13. スマトラ津波によるマドラス原発 被災  2004年末にはスマトラ島沖地震 によるM9.5の巨大地震による大 津波が発生し、プレート境界地震に よる津波の被害の深刻さを示した。  インド南部のマドラス原発が大津波 に襲われた。
  14. 14. 津波対策の先送りの背景には耐震 バックチェックの大幅先送りが隠 されていた
  15. 15. 耐震設計審査指針が改訂される  原子力安全委員会は、同年9月19日に 「発電用原子炉施設に関する耐震設計審 査指針」(「新指針」)を決定した。そ こでは、「地震随伴事象に対する考慮」 として、津波について、「施設の供周期 間中に極めてまれではあるが発生する可 能性があると想定することが適切な津波 によっても、施設の安全機能が重大な影 響を受けるおそれがないこと」を「十分 に考慮したうえで設計されなければなら ない」とされた。
  16. 16. 既設原発の運転を認めながら新指 針への適合を求めたバックチェッ ク  保安院は、電力各社に対して既設原発について新指針に照ら した安全性の評価を実施して報告を求める「耐震バックチェ ック」を指示した。  原子力安全委員会は、同日付で、このバックチェックの法的 な位置づけについて、委員会決定を行い、新指針は、今後の 安全審査等に用いることを第一義的な目的としており、指針 類の改訂等がなされたからといって、既設の原子力施設の耐 震設計方針に関する安全審査のやり直しを必要とするもので はなく、許可を無効とするものでもない。既設の原子力施設 に関する耐震安全性の確認は、あくまでも法令に基づく規制 行為の外側で、事業者が自主的に実施すべき活動として位置 づけられるべきであるとしてしまった。  原子力安全委員会は、保安院からの脅しに屈し、自らの制定 した新指針が既設炉を拘束するものであることを自ら否定し
  17. 17. 保安院は「不作為」を問われる 可能性があると考えていた  しかし、保安院は同じ2006年9月13日に ,保安院の青山伸,佐藤均,阿部清治の3人の 審議官らが出席して開かれた安全情報検討会で は,津波問題の緊急度及び重要度について「我 が国の全プラントで対策状況を確認する。必要 ならば対策を立てるように指示する。そうでな いと「不作為」を問われる可能性がある。」と 報告されていた(第54回安全情報検討会資料 )。  保安院によって対策が指示されていれば,事故 は防ぐことができた。しかし、対策はとられず 、東電など電事連の圧力に保安院が屈していた
  18. 18. 2007年中越沖地震を 教訓にできなかった。  2007年には中越沖地震に見舞わ れた柏崎原発では想定を大幅に上回 る地震動により、3000カ所の故 障が生じた。  地下水による地下の浸水なども起き ていた。  想定を超える地震・津波にも備えな ければと教訓にすべきだった。  しかし、東電は、想定を超えても、
  19. 19. 福島県沖海溝沿いで大地震が発生 することは否定できない  2007年12月には,耐震バックチェックにおい て,長期評価を取り込む方針で進められることにな った。  東電は、 2008 年2月26日,今村文彦教授から, 「福島県沖海溝沿いで大地震が発生することは否定 できないので,波源として考慮すべきである」旨の 指摘を受けた。
  20. 20. 15.7メートルの試算は対策の 内容を詰めるための準備であった  2008 年3月18日には,東電設計から,推本の 長期評価を用い,明治三陸沖地震の津波の波源モ デルを福島県沖梅溝沿いに設定した場合の津波水 位の最大値が敷地南部で O .P.+15.7メー トルとなる旨の試算結果が出された。  これは,福島第一原発の当時の想定津波水位であ るO.P.+,5.4メートル~5.7メートル を大幅に超えるものであり,このような津波が発 生すれば,福島第一原発のタービン建屋の設置さ れた10m盤を大きく超えて浸水してしまうこと は明らかであった。
  21. 21. 耐震バックチェック最終報告で推本の 長期評価を考慮することは決定されて いた  2008 年3月20日に実施された東京電 力の地震対応打合せでは,耐震バックチ ェックの中間報告書の提出に伴うプレス 発表に関して作成された想定問答集が報 告された。  津波評価に関して充実した記述が指示さ れ,同月29日に実施された東京電力の 地震対応打合せでは,耐震バックチェッ クの最終報告において推本の長期評価を 考慮する旨が記載された修正済みの想定 問答集が報告され,了承された。
  22. 22. 2008.6 武藤らは、試算結果を受け、10メー トルの防潮堤建設など具体的津波対策の検討 を指示  平成20年6月10日,土木調査グルーフの担当者は,被告 武藤栄副社長(当時)に対し,資料を示しながら,推本の長 期評価を用いた,明治三陸沖地震の津波の波源モデルを福島 県沖梅溝沿いに設定した場合の津波水位の最大値である,敷 地南部O.P.+15.7メートルの試算結果を報告し,合 わせて,原子炉建屋等を津波から守るために敷地上に防潮堤 を設置する場合には, O .P.+10メートルの敷地上に 約10メートルの防潮堤を設置する必要があること等を説明 した。  武藤副社長(当時)は非常用海水ポンプが設置されている 4 m盤( O.P. + 4 メートルの地盤)への津波の遡上高を低減 する方法、沖合防波堤設置のための許認可など、機器の対策 の検討を指示した。
  23. 23. 2008.7 土木学会への検討依頼は耐震 バックチェックの長期先送りを意味 した  2008 年7月31日には,武藤栄副社長(当時)は、土 木調査グループに対し,これまでの方針を変更し,耐震 バックチェックにおいては推本の長期評価は取り入れず ,津波評価技術に基づいて実施するよう指示した。  この方針転換こそが、事故の直接的な原因である。  推本の長期評価については土木学会の検討に委ねること とし,その方針について津波評価部会の委員や保安院の 理解を得ること等が指示され, 2008 年10月には,そ れらの了解をおおむね得ることができた。  その結果,耐震バックチェックの最終報告をする予定で あった 2009 年6月の期日は延期されることとなった。
  24. 24. 25 • 東京電力の役員はこのシミュレーション結果を 政府に提出せず、隠した。 • 2010年11月文部科学省の地震調査研究推 進本部が「活断層の長期評価手法(暫定版)」 を公表したことを契機として,保安院は、東京 電力に対し,津波対策の現状についての説明を 要請した。 • 2011年3月7日東京電力は、15.7メー トルシミュレーション結果を国に報告した。 • 2002年の地震調査研究推進本部の長期評価 に対応し、明治三陸地震が福島沖で発生した場 合、13.7m~15.7mの津波が襲うとい 東京電力の国への報告は 地震の4日前だった
  25. 25. 26 対策が遅いと指摘した保安院小林 審査官  小林勝は,2011年3月7日に,このシミ ュレーションの報告が東電から保安院に対し てなされた際に,次のように警告した。  土木学会の津波評価技術の改訂に合わせると いう東電の方針に対して「「それでは遅いの ではないか。土木学会による津波評価技術の 改訂に合わせるのではなく,もっと早く対策 工事をやらないとだめだ」「このままだと, 推進本部が地震長期評価を改訂した際に,対 外的に説明を求められる状況になってしまう 。」とコメントしたという。
  26. 26. 27 • 2011年3月11日 東北地方太平洋沖地 震  津波の浸水高はO . P . 約+11.5~15. 5mであった。 • なお、本件事故発生後8月まで、この3月7 日の報告は国・保安院によって秘匿された。 • 東京電力は本件事故は3月13日の清水社長 会見以来事故は「想定外の津波」を原因とす るものであり、東京電力には法的責任がない との主張が繰り返した。 • これを明らかにしたのは、読売新聞のスクー 津波想定は事故後も隠された
  27. 27. 28 政府事故調調書などによって 明らかになった貞観の津波を めぐる保安院と東電の暗闘
  28. 28. 貞観の津波をめぐる 保安院と東電の暗闘  2008 年 10 月 佐竹健治・東大教授が東電に 最新の論文を渡す  2008 年 11 月 東電の担当者は、貞観津波の 計算水位が 8.6 m~ 9.2 m(土木学会手法で は+3割程度、すなわち敷地高さ超え)にな ることを知る  貞観の津波の津波堆積物の調査が進み、20 09年にはこの問題が耐震バックチェック会 議で岡村行信委員から指摘された。  しかし、名倉審査官は最終報告に盛り込むと して、問題を先送りした。
  29. 29. 「津波にかかわるとクビになるよ 」 ○2009 年 9 月 東電が上記の試算結果を保安 院に説明 ○ この説明会に小林は欠席している。 ○ 小林勝・原子力規制庁安全規制管理官(事故 当時、保安院耐震安全審査室長)の政府事故調 調査には次のやり取りが記録されている。 小林「ちゃんと議論しないとまずい」 野口・審査課長「保安院と原子力安全委の上層 部が手を握っているから余計なことするな」 原・広報課長「あまり関わるとクビになるよ」
  30. 30. 2010 年 3 月 24 日午後 8 時 6 分保安院森山善 範審議官が,原子力発電安全審査課長らに送っ たメール  1F3の耐震バックチェックでは,貞観の地震による津波評 価が最大の不確定要素である  貞観の地震は福島に対する影響は大きいと思われる。  福島は,敷地があまり高くなく,もともと津波に対して注意 が必要な地点だが,貞観の地震は敷地高を大きく超える恐れ がある。  津波の問題に議論が発展すると,厳しい結果が予想されるの で評価にかなりの時間を要する可能性は高く,また,結果的 に対策が必要になる可能性も十二分にある。  東電は役員クラスも貞観の地震による津波は認識している。  というわけで,バックチェックの評価をやれと言われても, 何が起こるかわかりませんよ,という趣旨のことを伝えてお きました
  31. 31. 検察審査会の第一次起訴相当 決定をもたらした東電内部資 料
  32. 32. 電力会社の高い注意義務を認めた  「一度事故が起きると被害は甚大で、その影響 は極めて長期に及ぶため、原子力発電を事業と する会社の取締役らは、安全性の確保のために 極めて高度な注意義務を負っている。」伊方判 決を引用。  「そもそも自然災害はいつ、どこで、どのよう な規模で発生するかを確実に予測できるもので はない」事故以前に、基準地震動を超える地震 動が観測されていることを指摘。  「根拠のある予測結果に対しては常に謙虚に対 応すべきであるし、想定外の事態も起こりうる ことを前提とした対策を検討しておくべきもの
  33. 33. 土木学会への検討依頼は 時間稼ぎと断定  東電は、推本の予測に基づいて行った数々の津波の試算につ いても、現実に起きるとは思わなかった、念のために土木学 会に検討を依頼しただけであるなどと言い訳していた。しか し、土木学会は電力で固めた言いなり組織であった。検察は 不合理ないいわけをそのまま認めてしまっていた。  しかし、検察審査会は、第一次議決において、市民的良識を 発揮し、東電の役員たちは、対策が必要であることはわかっ ていて、途中まではその検討や準備もしたのに、改良工事の ために原発が長期停止になることをおそれ、時間稼ぎのため に土木学会に検討を依頼して、問題の先送りをしたと認定し た。  事態を正確に理解した、極めて正しい認識だ。
  34. 34. 35  このことを示す証拠が東電株主代表訴訟において 、裁判所の勧告によって、東電から提出された。  1枚目議事概要の中に,「津波に対する検討状 況(機微情報のため資料は回収,議事メモには 記載しない)」とある。  その「回収」された資料には何が書かれていたか 。 2008 年9月10日 「耐震バックチェック説明会(福島第一 )議事メモ」
  35. 35. 36  これが回収された資料である。  その2枚目の下段右側に,「今後の予定」とし て,以下の記載がある。  「○ 推本がどこでもおきるとした領域に設定 する波源モデルについて,今後2~3年間かけ て電共研で検討することとし,「原子力発電所 の津波評価技術」の改訂予定。  ○  電共研の実施について各社了解後,速やか に学識経験者への推本の知見の取扱について説 明・折衝を行う。 福島第一原子力発電所津波評価の概要(地震 調査研究推進本部の知見の取扱)
  36. 36. 37  ○  改訂された「原子力発電所の津波評価技術 」によりバックチェック を実施。  ○  ただし,地震及び津波に関する学識経験者 のこれまでの見解及び推本の知見を完全に否定 することが難しいことを考慮すると,現状より 大きな津波高を評価せざるを得ないと想定され ,津波対策は不可避。」  結局のところ土木学会への検討依頼は不可避の 対策を先送りするものでしかないことをこの文 書は自白している。会議後に回収する予定で作 成された文書であるから東電幹部らの本音が示 されたものとして決定的に重要である。 推本の見解を否定することは困難 津波対策は不可避
  37. 37. 東京新聞
  38. 38. 39  「耐震バックチェック説明会(福島第一)」 には、東京電力の福島第一の所長と本店の氏 名不詳の幹部らしか出席していない。  しかし、会議後に機微情報として回収された 最重要情報に示された認識は、会社の最高幹 部に直ちに知らされ、共有されたことは補助 参加人会社の体質からして明らかである。  このことは、勝俣社長以下の幹部が出席した 2009年2月の中越沖地震対応打ち合わせ の次の記述からも裏付けられる。 この認識は東電の最高幹部に共有 されていたか
  39. 39. 40  原子力設備管理部長の発言として,以下の記載がある。  「土木学会評価でかさ上げが必要となるのは,1F5,6の RHRSポンプのみであるが,土木学会評価手法の使い方を 良く考えて説明しなければならない。もっと大きな14m程 度の津波がくる可能性があるという人もいて,前提条件とな る津波をどう考えるかそこから整理する必要がある」  武黒本部長が「女川や東海はどうなっているのか」と聞いた のに対して,「女川はもともと高い位置に設置されており, 東海は改造を検討中である。浜岡は以前改造しており,当社 と東海の問題になっている」と担当者は応えている。  2009年2月11日 中越沖地震対応打ち合わせメモ1
  40. 40. 41  清水社長の発言「バックチェックと耐震強化工事を並行 でやっているという姿は見せなければならないのではな いか」  これは、バックチェックの完了時までに耐震補強を完了 できないことがはっきりとしてくる中で,ポーズだけを 取って,耐震補強が完了しなくても,最終報告を行い, 運転を再開できるように求めるという意味に受け取れる 。 2009年2月11日 中越沖地震対応打ち合わせメモ2
  41. 41. 42  資料6頁〈参考〉耐震安全性評価報告書の構成 (一般的構成)の表の枠外に,次のような手書 きのメモがある。  「地震随伴事象(津波)」の部分について  「問題あり」  「出せない」  「(注目されている)」 2009年2月11日 「福島サイト耐震安全性評価に関する状況 」
  42. 42. 43  この会議では,福島第一原発,第二原発の耐 震バックチェックに関して,津波問題を主に 議論がなされていたことが判明している。  この書き込み部分も,この会議における誰か の発言であると考えられる。  このメモによると,当時福島原発に関しては 津波について「問題あり」「出せない」「( 注目されている)」という状況であったこと 、津波対策をとらなければならない状況とな っていることを東電が必死に隠蔽しようとし ていたことがわかる。 津波対策は「問題あり」「出せな い」「(注目されている)」
  43. 43. 44  被告人ら東電幹部らは、いずれ推本の見解に基づく 対策が不可避であることを完全に認識していた。  しかし、被告人らは老朽化し、まもなく寿命を迎え る原子炉の対策のために多額の費用の掛かる工事を 決断することができなかった。  被告人らは不可避の対策を遅らせることを目的に身 内の土木学会へ検討依頼を行った。  そして、このことが外部に漏れることを警戒し、所 内の会議でも、津波対策に関する書類は会議後に回 収するという徹底した情報の隠蔽工作がなされてい た。  福島第一のバックチェックの最高 の難問は、津波対策であった
  44. 44. 東電の実務担当者と保安院担 当を追加告訴
  45. 45. 福島原発告訴団第二次津波告訴  添田孝史「原発と大津波-警告を葬った人々 」  政府事故調の調書の一部公開  国土交通省による推本長期評価に基づく津波 対策が実施されていた。  新たに東電や経済産業省旧原子力安全・保安 院、電事連、原子力安全委員会の当時の幹部 らについて東京地検に追加告訴した。 
  46. 46. 東電の被告訴人ら  酒井俊朗  東電の津波対策の責任者・ マイアミレポートの作成者・土木学会委 員  高尾誠  東電の津波対策のサブ責任者 ・土木学会幹事
  47. 47. 2008年-2009年当時の 保安院担当幹部  森山善範  ,保安院原子力発電安全審査課 長,ついで保安院審議官  名倉繁樹  保安院原子力発電安全審査課審 査官 2008年-2009年  野口哲男  保安院原子力発電安全審査課長  (2008年-2009年)
  48. 48. 第二次告訴について早くも不起訴  告訴団の武藤類子さんは記者会見で「政府の 事故調査委員会の調書が公開されるなど、新 たな証拠が次々と出てきている。検察はきち んと調べて真実を明らかにしてほしい」と話 した。  2015年4月3日の午後5時すぎに東京地 検古宮検察官から弁護士宛に不起訴裁定が郵 送されてきた。  被疑者らに対する取調が実施されたかすら疑 わしい。はじめに結論ありきの捜査であった 。
  49. 49. 第二次検察審査会でも強制起訴を  我々は東電の勝俣、武藤、武黒の3名の強制起訴 を実現した。  彼らと同様に本件において中枢的役割を果たした 東電2名と保安院関係者3名についても、検察審 査会に申立て、その刑事責任を追及している。  東電役員の刑事責任を追及する裁判との併合審理 を目指している。
  50. 50. 検察審査会の強制起訴決定を もたらした事実と論理
  51. 51. 電力会社の高い注意義務を認めた  原子力発電に関わる責任ある地位にある者であれば,一般 的には,万がーにも重大で過酷な原発事故を発生させては ならず,本件事故当時においても,重大事故を発生させる 可能性のある津波が「万が一」にも,「まれではあるが」 発生する場合があるということまで考慮して,備えておか なければならない高度な注意義務を負っていたというべき である。  その設計においては,当初の想定を大きく上回る災害が発 生する可能性があることまで考えて,「万がーにも」,「 まれではあるが」津波,災害が発生する場合までを考慮し て,備えておかなければならない。
  52. 52. 長期評価は決して無視できない  「大規模地震の発生について推本の長期評価は一定程度の 可能性を示していることは極めて重く,決して無視するこ とができないと考える。」  そして、チェルノブイリ事故では数十キロメートル以上の 地域が放射能で汚染され長い期間そこには何人も出入りす ることができなくなってしまう。加えて,放射能が人体に 及ぼす多大なる悪影響は,人類の種の保存にも危険を及ぼ す。  原発事故は,ひとたび発生してしまうと事故が発生する以 前の状態を取り戻すことが非常に困難で,取り返しのつか ない極めて重大な事故である。  原発事故の本質を捉えた的確な議決である。
  53. 53. いったん決めた津波対策を反故に したことが事故の原因である  長期評価に基づいて津波対策を執ること がいったん東電の社の方針として決定さ れていた。  このいったん決定されていた社の方針を 覆したことが事故の原因である。  この方針転換を主導したのは武藤、これ を追認したのが武黒であり、二人の事故 の具体的な予見可能性と回避可能性は、 決定的に明らかになった。
  54. 54. 原子炉が浸水すれば致命的である ことはわかっていた  91年10月30日の福島第一原発において海水の漏え い事故、2007年7月に発生した新潟県中越沖地震に おける,柏崎刈羽原発1号機の消火用配管の破裂による 建屋内への浸水事故、1999年12月のフランスのル ブレイエ原子力発電所の浸水事故,2004年12月の スマトラ島沖地震の津波によるマドラス原子力発電所2 号機の非常用海水ポンプが水没する事故  2006年5月第3回溢水勉強会では,福島第一原発5 号機において敷地高を1メートル超える高さ(0.P. +14メートル)の津波が無制限に襲来した場合には, 非常用電源設備や各種非常用冷却設備が水没して機能喪 失し,全電源喪失に至る危険性があることが明らかとな ったとしている。
  55. 55. 勝俣氏は虚偽を述べており、起訴 できる  勝俣は,推本の長期評価を用いた15.7メートルの試算結 果の報告を受けていないと主張している。  地震対応打合せは,勝俣への説明を行う「御前会議」と言わ れて、出席できなかったときも資料には目を通していたと述 べている  津波対策には少なくとも数百億円以上の規模の費用がかかる 可能性があり,最高責任者である勝俣に説明しないことは考 えられない。  2009年6月開催の株主総会の資料には,「巨大津波に関 する新知見」が記載され,「参考」として,推本の長期評価 のことや津波により浸水し,非常用海水ポンプが水没する事 故が発生する可能性があることが記されている。  知らなかったという供述には信用性がないとして強制起訴と したのである。
  56. 56. 世紀の裁判で裁かれるのは 東電・保安院そして 原子力ムラに取り込まれた検 察庁
  57. 57. 原子力ムラの情報隠蔽を打ち破っ た市民の正義  福島原発事故に関してはたくさんの事柄が隠さ れてきた。  この議決の根拠となった東電と国による津波対 策の方針転換に関する情報の多くは2011年 夏には検察庁と政府事故調の手にあったはずで ある。  しかし、これらの情報は徹底的に隠された。  この隠蔽を打ち破ったのが、今回の検察審査会 の強制起訴の議決である。  市民の正義が政府と検察による東電の刑事責任
  58. 58. 告訴団の事故の真実を明らかにし、責任を問 う真摯な態度が検審の委員の心を揺り動かし た  東電を中心とする原子力ムラや検察から の圧力のもとで検審の委員11人のうち の8人の起訴議決への賛同を得た。  原発事故で人生を根本から変えられた皆 さんの切実な思いに答えることができ、 心からホッとした。  今回の強制起訴は奇跡のように貴重なも のだ。
  59. 59. 津波対策の先送りを裏付ける証拠 はまだまだたくさんある。  「朝日新聞吉田調書報道は誤報 ではない」(彩流社刊)は吉田 調書をめぐる「誤報」報道と朝 日新聞の謝罪によって傷つけら れた記者の名誉回復のために書 いた。  そして、東電の強制起訴を願う 福島原発告訴団のためにも書い た。  津波対策に関して明らかになっ た証拠のすべてを盛り込んだ。
  60. 60. 指定弁護士を支え、 裁判の内容を市民に伝えよう  今後開かれる公開の法廷において、福島原発事故 に関して隠されてきた事実を明らかにする作業が 可能となった。  強制起訴は弁護士会の推薦を受けて、裁判所が任 命した検察官役の弁護士が行う。  第二東京弁護士会の推薦を受け、東京地裁は石田 省三郎、神山啓史、山内久光の三名を検察官役に 指定した。  石田・神山コンビは無実のゴビンダさんの再審無 罪を実現した刑事弁護のプロ  望みうる最高の刑事弁護士が検察官役に選任され 、検察官役の体制は整った。
  61. 61. 市民の正義を現実のものにしよう !  長期の裁判を遂行するため検察官役を市民が物心 両面で支えるネットワークを作り、裁判の過程を 時々刻々と市民に知らせていく体制も作りたい。  被害者とされた人々の委任を受けて、裁判に参加 する途も追求したい。  市民の正義を現実のものとするために、多くの市 民の支えが必要だ。これまで以上の支援を!

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