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25%
30%
35%
40%
45%
50%
1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010
国民所得に占めるトップ10分位のシェア
図 I.1. 米国での所得格差 1910-2010年
米国でトップ十分位の占める比率は、1910 年代から1920 年代には45-50 % だったのが、1950 年には35 % 以下となった(これがクズネッツの記述
した格差低減だ)。その後、1970 年代に35 % 以下になってから、2000 年代や2010 年代には45-50 % になった。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
100%
200%
300%
400%
500%
600%
700%
800%
1870 1890 1910 1930 1950 1970 1990 2010
民間資本の市場価値(国民所得の%)
1910年のヨーロッパでは、総民間資本は国民所得6-7年分くらいの価値があったが、1950年には2-3年分、2010年に
は4-6年分となった。出所と時系列データ: piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照.
図 I.2. ヨーロッパでの資本/所得比率 1870-2010年
ドイツ
フランス
イギリス
1人当たり
GDP
1人当たり月収
相当額
世界 7,050 100% 71,200 100% 10,100 € 760 €
ヨーロッパ 740 10% 17,800 25% 24,000 € 1,800 €
EU 540 8% 14,700 21% 27,300 € 2,040 €
ロシア/ウクライナ 200 3% 3,100 4% 15,400 € 1,150 €
アメリカ大陸 950 13% 20,600 29% 21,500 € 1,620 €
米国/カナダ 350 5% 14,300 20% 40,700 € 3,050 €
中南米 600 9% 6,300 9% 10,400 € 780 €
アフリカ 1,070 15% 2,800 4% 2,600 € 200 €
北アフリカ 170 2% 1,000 1% 5,700 € 430 €
サブサハラアフリカ 900 13% 1,800 3% 2,000 € 150 €
アジア 4,290 61% 30,000 42% 7,000 € 520 €
中国 1,350 19% 10,400 15% 7,700 € 580 €
インド 1,260 18% 4,000 6% 3,200 € 240 €
日本 130 2% 3,800 5% 30,000 € 2,250 €
その他 1,550 22% 11,800 17% 7,600 € 570 €
出所: piketty.pse.ens.fr/capital21c 参照。
表 1.1: 世界GDP分配 2012年
世界 GDP は、購買力平価で推定すると、2012年にはおよそ71.2兆ユーロだった。世界人口はおよそ70.5億人だったので、1人当
たりGDPは €10 100 ユーロとなる (月額収入に直すとだいたい月760ユーロ)。数字はすべて、closed dozen or hundred
(2012年ユーロ)
人口
(百万人)
GDP
(10億 2012年ユーロ)
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
1 2 3 4 5 6 7 8
ヨーロッパのGDP は1913年には世界GDPの 47% だったが、2012年には25% に下がった。
出所と時系列データ: piketty.pse.ens.fr/capital21c 参照.
図 1.1. 世界産出の分配 1700-2012年
アジア
ヨーロッパ
アメリカ大陸
アフリカ
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
1700 1820 1870 1913 1950 1970 1990 2012
ヨーロッパの人口は1913年には世界人口の26% だったが、2012年には10%に下がった。
出所と時系列データ: piketty.pse.ens.fr/capital21c 参照.
図 1.2. 世界の人口分布 1700-2012年
アジア
ヨーロッパ
アメリカ大陸
アフリカ
0%
25%
50%
75%
100%
125%
150%
175%
200%
225%
250%
1700 1820 1870 1913 1950 1970 1990 2012
1人当たりGDP(世界平均の%)
アジアアフリカの1人当たりGDP は、1950年には世界平均の37% だったのが、2012年には61% 。
出所と時系列データ: piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図 1.3. 世界の格差 1700-2012年: 拡大してから収斂?
ヨーロッパとアメリカ
世界
アジアアフリカ
$0.80
$0.90
$1.00
$1.10
$1.20
$1.30
$1.40
$1.50
1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012
2012,年には1ユーロが当時の為替レートで1.30ドルだったが、購買力平価では1.20ドルだった。出
所と時系列データ: piketty.pse.ens.fr/capital21c 参照。
図 1.4. 為替レートと購買力平価:ユーロ/ドル
為替レート ユーロ/ドル
購買力平価 ユーロ/ドル
¥0
¥2
¥4
¥6
¥8
¥10
¥12
1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012
2012年に 1 ユーロは当時の為替レートで8人民元だったが、購買力平価だと5人民元だった。
出所と時系列データ: piketty.pse.ens.fr/capital21c 参照。
図 1.5. 為替レートと購買力平価: ユーロ/人民元
為替レート ユーロ/人民元
購買力平価 ユーロ/人民元
1人当たりGDP 1人当たり月収相当額
世界 7,050 100% 71,200 100% 10,100 € 760 €
ヨーロッパ 740 10% 17,800 25% 24,000 € 1,800 €
EU 540 8% 14,700 21% 27,300 € 2,040 €
ロシア/ウクライナ 200 3% 3,100 4% 15,400 € 1,150 €
アメリカ大陸 950 13% 20,600 29% 21,500 € 1,620 €
米国/カナダ 350 5% 14,300 20% 40,700 € 3,050 €
中南米 600 9% 6,300 9% 10,400 € 780 €
アフリカ 1,070 15% 2,800 4% 2,600 € 200 €
北アフリカ 170 2% 1,000 1% 5,700 € 430 €
サブサハラアフリカ 900 13% 1,800 3% 2,000 € 150 €
アジア 4,290 61% 30,000 42% 7,000 € 520 €
中国 1,350 19% 10,400 15% 7,700 € 580 €
インド 1,260 18% 4,000 6% 3,200 € 240 €
日本 130 2% 3,800 5% 30,000 € 2,250 €
その他 1,550 22% 11,800 17% 7,600 € 570 €
出所: piketty.pse.ens.fr/capital21c 参照。
表 1.1: 世界GDP分配 2012年
世界 GDP は、購買力平価で推定すると、2012年にはおよそ71.2兆ユーロだった。世界人口はおよそ70.5億人だったので、1人当たりGDPは €10 100 ユーロとなる (月額収入に直すとだいたい
月760ユーロ)。数字はすべて、closed dozen or hundred
(2012年ユーロ)
人口
(百万人)
GDP (10億
2012年ユーロ)
0
1,000
2,000
3,000
4,000
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6,000
7,000
1700 1820 1870 1913 1950 1970 1990 2012
世界人口(100万人)
世界人口は1700年には6億人だったのが、2012年には70億人に増えた。
出所と時系列データ: piketty.pse.ens.fr/capital21c参照.
図 2.1. 世界人口の伸び 1700-2012年
アジア
ヨーロッパ
アメリカ大陸
アフリカ
0.0%
0.2%
0.4%
0.6%
0.8%
1.0%
1.2%
1.4%
1.6%
1.8%
2.0%
0-1000 1000-1500 1500-1700 1700-1820 1820-1913 1913-1950 1950-1970 1970-1990 1990-2012 2012-2030 2030-2050 2050-2070 2070-2100
世界人口増加率
世界人口増加率は、1950-2012年は年1%以上だったが、21世紀末に向かって0%に戻るだろう。
出所と時系列データ: piketty.pse.ens.fr/capital21c 参照.
図 2.2. 世界人口増加率 古代から2100年
国連予測(中位
シナリオ)
実測増加率
0.0%
0.5%
1.0%
1.5%
2.0%
2.5%
3.0%
3.5%
4.0%
4.5%
5.0%
1700-1820 1820-1870 1870-1913 1913-1950 1950-1970 1970-1990 1990-2012
1人当たりGDP成長率
一人当たり産出の成長率は、1950-1970 年にはヨーロッパで年率4 パーセントを超えたが、その後
アメリカの水準に戻った。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図 2.3. 1人当たり所得成長率 産業革命以来
西ヨーロッ
パ
北アメリカ
0.0%
0.5%
1.0%
1.5%
2.0%
2.5%
3.0%
3.5%
0-1000 1000-1500 1500-1700 1700-1820 1820-1913 1913-1950 1950-1990 1990-2012 2012-2030 2030-2050 2050-2070 2070-2100
1人当たりGDP成長率
一人当たり産出増加率は1950-2012 年には2 パーセントを超えた。収斂プロセスが続くなら、2012-
2050 年には2.5 パーセントを超え、その後1.5 パーセント以下に下がるはずだ。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図 2.4. 世界一人当たりGDP増加率 太古から2100年
予測値
(中位シナリオ)
実測成長率
0.0%
0.5%
1.0%
1.5%
2.0%
2.5%
3.0%
3.5%
4.0%
4.5%
5.0%
0-1000 1000-
1500
1500-
1700
1700-
1820
1820-
1913
1913-
1950
1950-
1990
1990-
2012
2012-
2030
2030-
2050
2050-
2070
2070-
2100
世界GDP成長率
世界産出増加率は1950-1990 年には4 %を超えた。収斂プロセスが続くなら、
2050 年までに2 %以下に下がるはずだ。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図2.5 世界産出増加率 太古から2100年
予測値
(中位シナリオ)
実測成長率
-2%
0%
2%
4%
6%
8%
10%
12%
14%
16%
18%
20%
1700-1820 1820-1870 1870-1913 1913-1950 1950-1970 1970-1990 1990-2012
インフレ率(消費者物価指数)
金持ち国のインフレは、18 世紀と19 世紀にはゼロで、20 世紀には高く、1990 年以来おおむね2 パーセント。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図2.6 産業革命以来のインフレ
フランス ドイツ
米国 イギリス
平均年率成長率 世界産出 世界人口 1人当たり産出
0-1700 0.1% 0.1% 0.0%
1700-2012 1.6% 0.8% 0.8%
     1700-1820 0.5% 0.4% 0.1%
1820-1913 1.5% 0.6% 0.9%
1913-2012 3.0% 1.4% 1.6%
表 2.1 産業革命以来の世界経済成長率
1913-2012年の世界GDP成長率は平均で年率 3.0%。この成長率のうち 1.4% は世界人口増加、1.6% は1人当たりGDP
の伸び。
出所: piketty.pse.ens.fr/capital21c参照.
以下の成長率は
……
……以下の世代
成長率 (30年) に
相当し……
……それは以下
の乗数をかけるの
と同じで……
……100年分の乗
数は以下の通りで
……
……1000年分の
乗数は以下の通
り。
0.1% 3% 1.03 1.11 2.72
0.2% 6% 1.06 1.22 7.37
0.5% 16% 1.16 1.65 147
1.0% 35% 1.35 2.70 20,959
1.5% 56% 1.56 4.43 2,924,437
2.0% 81% 1.81 7.24 398,264,652
2.5% 110% 2.10 11.8 52,949,930,179
3.5% 181% 2.81 31.2 …
5.0% 332% 4.32 131.5 …
表2.2. 累積成長の法則
年成長率1% は、一世代(30 年) の累積成長率35% に相当し、100 年ごとに27 倍になり、1000年ごとに2 万倍以
上となる。
平均年率増加率 世界人口 ヨーロッパ アメリカ大陸 アフリカ アジア
0-1700 0.1% 0.1% 0.0% 0.1% 0.1%
1700-2012 0.8% 0.6% 1.4% 0.9% 0.8%
    1700-1820 0.4% 0.5% 0.7% 0.2% 0.5%
1820-1913 0.6% 0.8% 1.9% 0.6% 0.4%
1913-2012 1.4% 0.4% 1.7% 2.2% 1.5%
予測値 2012-2050 0.7% -0.1% 0.6% 1.9% 0.5%
予測値 2050-2100 0.2% -0.1% 0.0% 1.0% -0.2%
表 2.3: 産業革命以来の人口増加
1913-2012年に、世界人口増加率は年率1.4%で、ヨーロッパは0.4%、アメリカ大陸は1.7%、等々。
出所: piketty.pse.ens.fr/capital21c参照。2012-2100年予測値は国連中位シナリオに対応。
農業 工業 サービス業 農業 工業 サービス業
1800 64% 22% 14% 68% 18% 13%
1900 43% 29% 28% 41% 28% 31%
1950 32% 33% 35% 14% 33% 50%
2012 3% 21% 76% 2% 18% 80%
1900 年と 1950年: T. Piketty, "Les emplois de services de France et aux Etats-Unis", Note de la Fondation Saint-
Simon , 1997, Tableau III, p.11 (出所に関する詳細はすべて pp.43-44に記述; 米国の数字は1900年と1950年のもの、フラ
ンスについての数字は1906年と1954年のもの)
2012年のデータ: employment survey 2011 (フランス) と current population survey 2011 (米国) (RawDataFilesディレクト
リの生データ参照)
1800年のデータ: フランス: C. Marchand, O. Thélot, Le Travail en France 1800-2000, Nathan, 1997, Tableau A3, p.214
(data for 1806); 米国, Historical Statistics of the United States, US Census Bureau, 1976, Part 1, p.139 (1800年の総
雇用データと農業雇用データ; 1800-1840年は不完全なデータから工業/サービスを推計して分離)
出所: http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
表2.4 仏米の産業別雇用1800-2012年 (雇用シェア(%))
2012 年にフランスでは農業は総雇用の3 %、工業21%、サービス業76%。建設業――2012 年仏米では総雇用の7%――は
工業に含めた。
フランス
(総雇用に占め
る比率 %)
米国
平均年成長率
世界1人当たり産出成長
率
ヨーロッパ アメリカ大陸 アフリカ アジア
0-1700 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0%
1700-2012 0.8% 1.0% 1.1% 0.5% 0.7%
   1700-1820 0.1% 0.1% 0.4% 0.0% 0.0%
1820-1913 0.9% 1.0% 1.5% 0.4% 0.2%
1913-2012 1.6% 1.9% 1.5% 1.1% 2.0%
1913-1950 0.9% 0.9% 1.4% 0.9% 0.2%
1950-1970 2.8% 3.8% 1.9% 2.1% 3.5%
1970-1990 1.3% 1.9% 1.6% 0.3% 2.1%
1990-2012 2.1% 1.9% 1.5% 1.4% 3.8%
1950-1980 2.5% 3.4% 2.0% 1.8% 3.2%
1980-2012 1.7% 1.8% 1.3% 0.8% 3.1%
表2.5 産業革命以来の一人当たり産出成長
910-2012 年で一人当たり産出成長率は年平均で世界では1.7%、うちヨーロッパは1.9%、アメリカは1.6% 等々。
出所: http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
0%
100%
200%
300%
400%
500%
600%
700%
800%
1700 1750 1810 1850 1880 1910 1920 1950 1970 1990 2010
国民資本の価値(国民所得の%)
1700 年のイギリスでは国民資本は国民所得7 年分くらい(うち農地が4 年分)。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図 3.1. イギリスの資本 1700-2010年
純外国資本
その他国内資本
住宅
農地
0%
100%
200%
300%
400%
500%
600%
700%
800%
1700 1750 1780 1810 1850 1880 1910 1920 1950 1970 1990 2000 2010
国民資本の価値(国民所得の%)
1700 年のフランスでは国民資本は国民所得7 年分近く(うち外国投資が1 年分)。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図3.2 フランスの資本 1700-2010年
純外国資本
その他国内資本
住宅
農地
0%
50%
100%
150%
200%
250%
1700 1750 1810 1850 1880 1910 1920 1950 1970 1990 2010
公的資産と債務(国民所得の%)
1950 年に公的債務は国民所得2年分を超えた(公的資産は1年分)。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図3.3 イギリスの公的資本 1700-2010年
公的資産
公的債務
0%
50%
100%
150%
200%
250%
1700 1750 1780 1810 1850 1880 1910 1920 1950 1970 1990 2000 2010
公的資産と債務(国民所得の%)
1780 年に公的債務は国民所得1 年分ほど。これは1780 年や1880 年、2000-2010 年も同じ。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図3.4 フランスの公的財産 1700-2010年
公的資産
公的債務
-200%
-100%
0%
100%
200%
300%
400%
500%
600%
700%
800%
900%
1700 1750 1810 1850 1880 1910 1920 1950 1970 1990 2010
国民資本、民間資本、公的資本(国民所得の%)
1810 年のイギリスでは、民間資本は国民所得8 年分だった(国民資本は7 年分)。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図3.5 イギリスの民間資本と公的資本 1700-2010年
国民資本 民間 +公共)
民間資本
公的資本
-200%
-100%
0%
100%
200%
300%
400%
500%
600%
700%
800%
900%
1700 1750 1780 1810 1850 1880 1910 1920 1950 1970 1990 2000 2010
国民資本、民間資本、公的資本(国民所得の%)
1950 年のフランスでは公的資本は国民所得1 年分弱、民間資本は2 年分。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図 3.6. フランスの民間資本と公的資本 1700-2010年
国民資本 (民間 + 公的)
民間資本
公的資本
資産 負債 資産 負債
145% 114% 24% 19%
資産 負債 資産 負債
646% 72% 107% 12%
表3.1 2012 年フランスでの公共財産と民間財産
2012 年にフランスの国民資本総額は国民所得の605% に相当(つまり国民所得の6.05 倍)、うち公的資本
が31% (全体5%)、民間資本が574% (全体の95%)
資本の価値
(対国民所得比率 %)
国民資本(公的資本+ 民間資本)
31%
605% 100%
5%
95%
注:国民所得はGDP から減価償却を引き純外国収入を足したもの。実務的には、通常は2012 年のフラ
ンスではGDP の9 割。第1 章とオンライン詳細補遺参照。
公的資本(純公共財産: 政府その他公共
機関保有の資産と負債の差額)
民間資本(純民間財産:民間個人[世
帯] 保有の資産と負債の差額)
574%
資本の価値
(対国民所得比率 %)
出所: http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
0%
100%
200%
300%
400%
500%
600%
700%
800%
1 2 3 4 5 6 7 8 9
国民資本の価値(国民所得の%)
国民資本は1910 年のドイツでは国民所得6.5 年分だった(外国への投資0.5 年分含む)。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図4.1 ドイツの資本 1870-2010年
純外国資本
その他国内資本
住宅
農地
0%
50%
100%
150%
200%
250%
1 2 3 4 5 6 7 8 9
公的資産と負債(国民所得の%)
2010 年のドイツでは公的債務は国民所得のほぼ一年分近くだった。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図4.2 ドイツの公的財産 1870-2010年
公的資産
公的債務
-100%
0%
100%
200%
300%
400%
500%
600%
700%
800%
1 2 3 4 5 6 7 8 9
国民資本、民間資本、公的資本(国民所得の%)
1970 年の公的資本は国民所得1 年分近く。これに対し民間資本は国民所得2 年分弱。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図4.3 ドイツの民間資本と公的資本 1870-2010年
国民資本 (民間 + 公的)
民間資本
公的資本
-200%
-100%
0%
100%
200%
300%
400%
500%
600%
700%
800%
1870 1890 1910 1930 1950 1970 1990 2010
公的資本と民間資本(国民所得の%)
ヨーロッパの長期的な国民所得変動は、ほとんどが民間資本変動のせいだ。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図4.4 ヨーロッパの民間資本と公的資本 1870-2010年
ドイツ
フランス
イギリス
公的資本
民間資本
100%
200%
300%
400%
500%
600%
700%
800%
1870 1890 1910 1930 1950 1970 1990 2010
国民資本の価値(国民所得の%)
国民資本(公的資本と民間資本の合計)は1950 年のヨーロッパでは国民所得2-3 年分。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図4.5 ヨーロッパの国民資本 1870-2010年
ドイツ
フランス
イギリス
0%
100%
200%
300%
400%
500%
600%
700%
800%
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
国民資本の価値(国民所得の%)
1770 年の米国では、国民資本は国民所得3 年分だった(うち1.5 年分は農地)。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図4.6 米国の資本 1770-2010年
純外国資本
その他国内資本
住宅
農地
0%
50%
100%
150%
200%
250%
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
公的資産と公的債務(国民所得の%)
1950 年の米国では、公的債務は国民所得一年分 (資産とほぼ同額)。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図4.7 米国の公的財産 1770-2010年
公的資産
公的債務
-100%
0%
100%
200%
300%
400%
500%
600%
700%
800%
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
国民資本、民間資本、公的資本(国民所得の%)
2010 年の公的資本は国民所得0.2 年分近く。これに対し民間資本は国民所得400 パーセント以上。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図4.8 米国の民間資本と公的資本 1870-2010年
国民資本 (民間 +公的)
民間資本
公的資本
0%
100%
200%
300%
400%
500%
600%
700%
800%
1
国民資本の価値(国民所得の%)
カナダでは国内資本の相当部分は外国が保有しているので、国民資本はずっと国内資本より小さ
い。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図4.9 カナダの資本 1860-2010年
純外国債務
その他国内資本
住宅
農地
0%
100%
200%
300%
400%
500%
600%
700%
800%
1 2 3 4
資本の価値(国民所得の%)
米国南部の農地と奴隷をあわせた価値は、1710-1810 年あたりでは国民所得4 年分を上回った。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図4.11 1770-1810年頃の資本:旧世界と新世界
その他国内資本
住宅
奴隷
農地
-100%
0%
100%
200%
300%
400%
500%
600%
700%
800%
1870 1890 1910 1930 1950 1970 1990 2010
民間資本と公的資本の価値(国民所得の%)
国民資本の長期的な変動は、主に民間資本の変動に対応している (米欧共に)。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図5.1 ヨーロッパと米国の民間資本と公的資本 1870-2010年
米国
ヨーロッパ
公的資本
民間資本
-100%
0%
100%
200%
300%
400%
500%
600%
700%
800%
1870 1890 1910 1930 1950 1970 1990 2010
国民資本と外国資本の価値(国民所得の%)
国民資本(民間と公共)は1910 年のヨーロッパでは国民所得6.5 年分、米国では4.5年分。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図5.2 ヨーロッパと米国の国民資本 1870-2010年
米国
ヨーロッパ
純外国資本
国民資本
100%
200%
300%
400%
500%
600%
700%
800%
1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010
民間資本の価値(国民所得の%)
金持ち国の民間資本は、1970 年には国民所得2-3 年分だったのが、2010 年には国民所得4-7 年分になった。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図5.3 金持ち国の民間資本1970-2010年
米国 日本
ドイツ フランス
イギリス イタリア
カナダ オーストラリア
200%
300%
400%
500%
600%
700%
800%
900%
1000%
1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010
民間資本(家計可処分所得の%)
世帯可処分所得(国民所得の70-80 パーセントほど)で見ると、資本/所得比率は国民所得年数で見るよりも大きく
見える。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図5.4 可処分所得年数で見た民間資本
米国 日本
ドイツ フランス
イギリス イタリア
カナダ オーストラリア
-100%
0%
100%
200%
300%
400%
500%
600%
700%
800%
1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010
資本の価値(国民所得の%)
イタリアでは、民間資本は1970 年から2010 年にかけて、国民所得の240 パーセントから680 パーセントに増えたが、公的資本
は20 パーセントからマイナス70 パーセントに落ちた。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図5.5 金持ち国の民間資本と公的資本1970-2010年
米国
日本
ドイツ
フランス
イギリス
イタリア
カナダ
オーストラリア
公的資本
民間資本
0%
20%
40%
60%
80%
100%
120%
140%
160%
1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010
企業の市場価値と簿価の比率
トービンのq (つまり企業の市場価値と簿価の比率) は1970 年代-1980 年代から上昇した。出所と時系列データ:
http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図5.6 企業の市場価値と簿価
米国 日本 ドイツ
フランス イギリス カナダ
-100%
0%
100%
200%
300%
400%
500%
600%
700%
800%
1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010
資本の価値(国民所得の%)
日本とドイツが保有していた純外国資産は、2010 年には国民所得0.5-1 年分の水準だった。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図5.7 金持ち国の国民資本 1970-2010年
米国
日本
ドイツ
フランス
イギリス
イタリア
カナダ
純外国資本
国民資本
100%
200%
300%
400%
500%
600%
700%
800%
1870 1890 1910 1930 1950 1970 1990 2010 2030 2050 2070 2090
民間資本の価値(国民所得の%)
シミュレーション(中位シナリオ)によると、世界の資本/所得比率は21 世紀末には700 パーセント近くになるかもしれない。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図5.8 世界の資本/所得比率 1870-2100年
実績値
予測値
(中位シナリオ)
米国 2.8% 1.0% 1.8% 7.7%
日本 2.5% 0.5% 2.0% 14.6%
ドイツ 2.0% 0.2% 1.8% 12.2%
フランス 2.2% 0.5% 1.7% 11.1%
イギリス 2.2% 0.3% 1.9% 7.3%
イタリア 1.9% 0.3% 1.6% 15.0%
カナダ 2.8% 1.1% 1.7% 12.1%
オーストラリア 3.2% 1.4% 1.7% 9.9%
Piketty-Zucman 2013 ファイルへのリンクは 8-2-13に凍結
表5.1 金持ち国の成長率と貯蓄率1970-2010年
出所: http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
1人当たり所得成
長率
民間貯蓄
(減価償却差し引き後)
(対国民所得比率 %)
国民所得の成長率 人口増加率
貯蓄率と人口成長は金持ち国でもかなり差がある。1人当たり国民所得の成長率は差がずっと小さい。
4.6% 3.1%
60% 40%
6.8% 7.8%
47% 53%
9.4% 2.8%
77% 23%
9.0% 2.1%
81% 19%
2.8% 4.6%
38% 62%
14.6% 0.4%
97% 3%
7.2% 4.9%
60% 40%
5.9% 3.9%
60% 40%
Piketty-Zucman 2013 ファイルとのリンクは 8-2-13に凍結
出所: http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
イタリア 15.0%
イギリス
オーストラリア 9.9%
12.1%
7.4%
民間貯蓄の相当部分(比率は国により差がある)は企業の内部留保(分配していない利潤)による。
フランス 11.1%
世帯純貯蓄
カナダ
14.6%
ドイツ 12.2%
表 5.2. 金持ち国の民間貯蓄 1970-2010年
米国 7.7%
日本
企業純貯蓄
(純内部留保)
民間貯蓄
(減価償却差し引き後)
(対国民所得比率 %)
Piketty-Zucman 2013 ファイルとのリンクは 8-2-13に凍結
ドイツ 28.5%
11.1%
表5.3 金持ち国での総貯蓄と純貯蓄1970-2010年
米国 18.8%
日本
純民間貯蓄
総民間貯蓄 (対国民
所得比率 %)
7.7%
14.6%
減価償却差し引き分
33.4% 18.9%
16.2% 12.2%
11.1%
7.3%
15.0%
出所: http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
イタリア 30.1%
イギリス
オーストラリア 25.1%
24.5%
19.7%
15.2%
12.1%12.4%
9.9%
総貯蓄の相当部分 (通常は半分くらい) は資本の減価償却分。つまり損耗資本の修繕交換だけに使
われている。
カナダ
フランス 22.0% 10.9%
12.3%
15.1%
Piketty-Zucman 2013 ファイルとのリンクは 8-2-13に凍結
出所: http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
イギリス 5.3%
イタリア 8.5%
カナダ
オーストラリア 8.9%
15.0%
民間貯蓄の相当部分(比率は国により差があるは公的債務に吸収されているので、国民貯蓄(民間+ 公
共) は民間貯蓄より少ない。
10.1%
9.8%
7.3% -2.0%
-6.5%
-0.9%
-2.0%
0.1%
表5.4 金持ち国での民間貯蓄と公的貯蓄1970-2010年
国民貯蓄 (民間+公的)
(減価償却差し引き後)
(対国民所得比率 %)
民間貯蓄 公的貯蓄
12.1% -2.0%
米国 5.2%
14.6%
ドイツ 10.2%
14.5%
7.6%
12.2%
11.1% -1.9%
-2.4%
フランス 9.2%
日本
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
1770 1790 1810 1830 1850 1870 1890 1910 1930 1950 1970 1990 2010
労働所得と資本所得(国民所得の%)
19 世紀の間、資本所得(賃料、利潤、配当、利子……)は国民所得の40 パーセントほどを吸収したが、労働所得
(賃金所得と非賃金所得の両方を含む)は60 パーセントほどだった。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図6.1 イギリスでの資本と労働の分配 1770-2010年
労働所得
資本所得
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
1820 1840 1860 1880 1900 1920 1940 1960 1980 2000
労働所得と資本所得(国民所得の%)
21 世紀に、資本所得(賃料、利潤、配当、利子……)は国民所得の30 %ほどを吸収したが、労働所得(賃金所得と
非賃金所得の両方を含む)は70 %ほどだった。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図6.2 フランスでの資本と労働の分配 1820-2010年
労働所得
資本所得
0%
2%
4%
6%
8%
10%
12%
14%
16%
1770 1790 1810 1830 1850 1870 1890 1910 1930 1950 1970 1990 2010
年間収益率
長期的に見ると、純粋な資本収益率は4-5%でおおむね安定。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図6.3 イギリスでの純粋な資本収益率 1770-2010年
資本収益率実測値
純粋資本収益率 (推計値)
0%
2%
4%
6%
8%
10%
12%
14%
16%
1820 1840 1860 1880 1900 1920 1940 1960 1980 2000
年収益率
20 世紀の間、平均収益率実測値は、純粋な収益率よりも大きな変動を示す。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。.
図6.4 フランスでの純粋な資本収益率 1820-2010年
資本収益率実測値
純粋な資本収益率 (推計値)
10%
15%
20%
25%
30%
35%
40%
1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010
資本所得(国民所得の%)
1970 年の金持ち国では、資本所得が国民所得の15-25 %を吸収するが、2000-2010 年にはそれが25-30%になった。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図6.5 金持ち国の資本シェア 1975-2010年
米国
日本
ドイツ
フランス
イギリス
イタリア
カナダ
オーストラリア
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
1900 1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010
付加価値の利潤シェア
企業の総付加価値における総利潤のシェアは、1982 年には25%だったのが2010 年には33%になった。純付加価値
における純利潤のシェアは12%から20%に上がった。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図6.6. フランスにおける企業付加価値の利潤シェア1900-2010年
総付加価値に占める総利潤シェア
純付加価値に占める純利潤のシェア (資本減価償却差し
引き後)
0%
2%
4%
6%
8%
10%
12%
1900 1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010
国民所得に占める住宅家賃のシェア
住宅家賃(住居の賃貸価値)のシェアは、1948 年には国民所得の2%だったのが2010 年には10%になった。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図6.7. フランスにおける住宅家賃の国民所得シェア1900-2010年
国民所得に占める住宅家賃(減価償却差し引き後)のシェア
0%
10%
20%
30%
40%
50%
1900 1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010
国民所得煮染める資本のシェア
資本(純利潤と賃料)のシェアは、1982 年には国民所得の15%だったのが2010 年には27%になった。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図6.8. フランスにおける資本の国民所得シェア1900-2010年
17%
高格差
(≈ 2010 年
米国)
20%
7%
0.36
労働所得格差が比較的低い社会(1970 年代、1980 年代のスカンジナビア諸国など)では、もっとも所得の多い上位10 %が総労働所得の20 %を稼ぎ、
下位50 %が約35 %、中間の40 %が約45 %を稼いでいる。これに対応するジニ係数(格差を示す総合指標で値は0 から1)は0.19。オンラインの専門補
遺を参照。
0.19 0.26 0.46
対応するジニ係数(合成格差指
数)
表7.1 時間空間的に見た所得格差
総労働所得に占める
各グループの比率
45%25%
トップ10%
(「上流階級」)
35%
超高格差
(≈ 2030 年
米国?)
中格差
(≈ 2010 年
ヨーロッパ)
低格差
(≈ 1970-80 年代
スカンジナビア)
18%
45%
25%30%
40%
うちトップ 1%
( 「支配階級」 )
12%5%
うち残り 9%
( 「富裕階級」 )
中間40%
(「中流階級」)
底辺50%
(「下流階級」)
20%
28%
35%
35%
45%
23%15%
20%
30%
うちトップ 1%
( 「支配階級」 )
うち残り 9%
( 「富裕階級」 )
30%
総資本に占める
各グループの比率
20%
トップ10%
(「上流階級」)
90%70%
中高格差
(≈ 2010 年
ヨーロッパ)
60%
中格差
(≈ 1970-80 年代
スカンジナビ
ア)
50%
35%
5%
表7.2 時間空間的に見た資本所有格差
35%
超高格差
(≈ 2030 年
米国?)
高格差
(≈ 2010 年
米国)
低格差
(前代未聞
理想社会?)
10%
40%
25% 50%
45% 40%
10% 5%
5%25%
35%
5%
35%
中間40%
(「中流階級」)
底辺50%
(「下流階級」)
25%
資本所有に「中程度」の格差がある社会(1970 年代、1980 年代のスカンジナビア諸国など)では、最も裕福な10 %が、国富の50 %を所有し、下位50 %
は約10 %、中間の40 %は約4 %を所有する。これに対応するジニ係数は0.58。オンラインの専門補遺を参照。
0.33 0.73 0.85
対応するジニ係数(合成格差
指数)
0.58 0.67
15%
35%
25%
30%
40%
30%18%
30%45%
60%35%
トップ10%
(「上流階級」)
50%
10%
うちトップ 1%
( 「支配階級」 )
20%
25%
うち残り 9%
( 「富裕階級」 )
表7.3 時間空間的に見た総所得(労働と資本)の格差
25%
超高格差
(≈ 2030 年
米国?)
中格差
(≈ 2010 年
ヨーロッパ)
低格差
(≈ 1970-80 年代
スカンジナビア)
7% 25%
総所得 (労働+資本) に占める
各グループの比率
高格差
(≈ 2010 年
米国)
中間40%
(「中流階級」)
20%
0.49
労働所得格差が比較的低い社会(1970 年代、1980 年代のスカンジナビア諸国など)では、もっとも所得の多い上位10 %が総所得の20 %を稼ぎ、下位
50 %が約30 %を稼いでいる。これに対応するジニ係数は0.26。オンラインの専門補遺を参照。
0.26 0.36 0.58
対応するジニ係数(合成格差指
数)
25%
底辺50%
(「下流階級」)
20%
25%
30%
35%
40%
45%
50%
1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010
全体の中のトップ十分位シェア(所得または賃金)
フランスでは20 世紀を通じて(労働と資産の)総所得の格差は減少したが、賃金格差は変わらなかった。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図8.1. フランスにおける所得格差 1910-2010 年
総所得に占める所得トップ10分位のシェア
総賃金に占める賃金トップ10分位のシェア
0%
2%
4%
6%
8%
10%
12%
14%
16%
18%
20%
22%
24%
1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010
全体の中のトップ百分位シェア(所得または賃金)
フランスのトップ百分位(最も所得が高い1 パーセント)のシェアの1914 年から1945 年までの減少は、最上位の資
本所得の減少によるものだ。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図8.2. 不労所得生活者の没落 1910-2010 年
総所得に所得トップ百分位が占めるシェア
総賃金に賃金トップ百分位が占めるシェア
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
P90-95 P95-99 P99-99.5 P99.5-99.9 P99.9-99.99 P99.99-100
各分位における所得シェア
トップ十分位のなかで上位に行くほど、労働所得の重要性は下がる。 注記:(i)「P90-95」は第90 百分位か
ら第95 百分位の人が含まれる。「P95-99」には 次の4 %、「P99-99.5」には次の0.5 %ということにな
る。(ii) 労働所得とは、賃金、 ボーナス、年金、資本所得とは配当、利子、賃貸料で、混合所得は自営所
得。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図8.3 1932 年フランスにおけるトップ層の所得構成
労働所得
資本所得
混合所得
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
P90-95 P95-99 P99-99.5 P99.5-99.9 P99.9-99.99 P99.99-100
各分位ごとの所得のシェア
フランスで資本所得が大勢を占めるのは、1932 年にはトップ0.5 %層だったのに対し、 2005 年に
はトップ0.1 %層になった。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図8.4. 2005 年フランスにおけるトップ層の所得構成
労働所得
資本所得
混合所得
25%
30%
35%
40%
45%
50%
1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010
国民所得に占めるトップ十分位のシェア
トップ十分位が総所得に占めるシェアは、1970 年代には35 %だったのが、2000 年代 から2010 年代にかけて50 %
近くまで上昇した。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図8.5. 米国の所得格差 1870-2010年
トップ10分位が総所得に占めるシェア
(キャピタル・ゲイン含む)
キャピタル・ゲイン除く
0%
5%
10%
15%
20%
25%
1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010
各グループが総所得に占めるシェア
1970 年代以降のトップ十分位の所得シェア増加は、主にトップ百分位によるものだ。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図8.6. 米国におけるトップ百分位の構成 1910-2010年
トップ 1% (2010年に年間所得 $352 000 以上)
トップ 5%-1% (2010年の年間所得 $150 000 - $352 000)
トップ 10%-5% (2010年の年間所得は $108 000 -$150 000)
20%
25%
30%
35%
40%
45%
50%
1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010
全体の中のトップ十分位シェア(所得または賃金)
1970 年代以来の所得格差上昇は、主に賃金格差で生じたものだ。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図8.7 米国の高所得と高賃金 1910-2010年
総所得に占める所得トップ十分位のシェア
キャピタルゲインを除いたシェア
総賃金に賃金トップ十分位が占めるシェア
0%
2%
4%
6%
8%
10%
12%
14%
16%
18%
20%
22%
24%
1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010
全体の中のトップ百分位シェア(所得または賃金)
1970 年代以降のトップ1 パーセントの最高所得の上昇の大部分は、トップ1 %の最高賃金の上昇によるものだ。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図8.8 米国のトップ1 パーセントの推移
総所得に占める所得トップ百分位のシェア
キャピタルゲインを除いたシェア
総賃金に賃金トップ百分位が占めるシェア
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
P90-95 P95-99 P99-99.5 P99.5-99.9 P99.9-99.99 P99.99-100
各種分位の所得種別構成比
所得トップ十分位の上のほうにいくにつれ、労働所得はますます重要性を失う。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図8.9. 1929 年における米国のトップ所得内訳
労働所得
資本所得
混合所得
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
P90-95 P95-99 P99-99.5 P99.5-99.9 P99.9-99.99 P99.99-100
各種分位の所得種別構成比
資本所得が主体になるのは2007 年には上位0.1 パーセントだが、1929 年では上位1%だった。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図8.10. 2007 年における米国のトップ所得内訳
労働所得
資本所得
混合所得
$0.0
$1.2
$2.4
$3.6
$4.8
$6.0
$7.2
$8.4
$9.6
$10.8
$12.0
0 €
1 €
2 €
3 €
4 €
5 €
6 €
7 €
8 €
9 €
10 €
1950 1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010
最低時給
2013 年の購買力平価にすると、1950 年から2013 年までに、最低賃金は米国では時給3.8 ドルから7.3 ドルに、フラ
ンスでは2.1 ユーロから9.4 ユーロに上昇。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図9.1. フランスと米国の最低賃金 1950-2013 年
フランス (2013年ユーロ、左軸)
米国 (2013年ドル、右軸)
,
0%
2%
4%
6%
8%
10%
12%
14%
16%
18%
20%
22%
24%
1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010
国民所得に占めるトップ百分位シェア
すべてのアングロ・サクソン諸国で、国民所得におけるトップ百分位のシェアは1970 年代以降上昇しているが、程
度のちがいはある。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図9.2 アングロ・サクソン諸国における所得格差 1910-2010年
米国
イギリス
カナダ
オーストラリア
0%
2%
4%
6%
8%
10%
12%
14%
16%
18%
20%
22%
24%
1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010
国民所得に占めるトップ百分位シェア
アングロ・サクソン諸国と比較すると、1970 年代以降、大陸ヨーロッパと日本ではトップ百分位のシェアがほとん
ど増加していない。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図9.3 大陸ヨーロッパと日本での所得格差 1910-2010年
フランス
ドイツ
スウェーデン
日本
0%
2%
4%
6%
8%
10%
12%
14%
16%
18%
20%
22%
24%
1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010
国民所得に占めるトップ百分位シェア
アングロ・サクソン諸国と比較すると、1970 年代以降、北欧と南欧ではトップ百分位のシェアがほとんど増加して
いない。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図9.4 北欧と南欧での所得格差 1910-2010年
フランス
デンマーク
イタリア
スペイン
0%
1%
2%
3%
4%
5%
6%
7%
8%
9%
10%
11%
12%
1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010
トップ0.1%の国民所得シェア
アングロ・サクソン諸国では、所得が最も高いトップ0.1 %の国民所得におけるシェアは、1970 年代以降急増して
いるが、程度は国によって様々だ。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図 9.5. アングロ・サクソン諸国でのトップ 0.1% の所得シェア 1910-2010年
米国
イギリス
カナダ
オーストラリア
0%
1%
2%
3%
4%
5%
6%
7%
8%
9%
10%
11%
12%
1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010
トップ0.1%の国民所得シェア
アングロ・サクソン諸国と比較すると、大陸ヨーロッパと日本ではトップ0.1 パーセントの所得シェアがほとんど増
加していない。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。.
図 9.6. トップ 0.1% 所得者のシェア: 大陸ヨーロッパと日本 1910-2010年
フランス
ドイツ
スウェーデン
日本
20%
25%
30%
35%
40%
45%
50%
1900 1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010
トップ十分位の総所得シェア
1950 年代から1970 年代にかけて、トップ十分位の所得のシェアは米国でもヨーロッパでも30~35 %だった。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図9.7. ヨーロッパと米国におけるトップ十分位の所得のシェア 1900-2010年
米国 イギリス
ドイツ フランス
スウェーデン
25%
30%
35%
40%
45%
50%
1900 1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010
トップ十分位の総所得シェア
トップ十分位のシェアは1900-1910 年には米国よりもヨーロッパのほうが高かった。2000-2010 年には米国のほう
がずっと高い。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図 9.8. ヨーロッパと米国における所得格差 1900-2010年
米国
ヨーロッパ
0%
2%
4%
6%
8%
10%
12%
14%
16%
18%
20%
22%
24%
26%
28%
1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010
トップ百分位の総所得シェア
所得のトップ百分位シェアで評価した新興経済国の所得不平等は、1980 年代以降増大しているが、2000-2010 年に
は米国よりも低い水準にある。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図9.9. 新興経済国の所得格差 1910-2010年
インド 南アフリカ
インドネシア アルゼンチン
中国 コロンビア
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
1810 1830 1850 1870 1890 1910 1930 1950 1970 1990 2010
総財産に占めるトップ十分位/百分位のシェア
1810-1919 年にはトップ十分位(最も高い富を持つ上位10 %)が、国富の80-90 %を所有したが、現在は60-65 %
だ。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図10.1. フランスの富の不平等 1810-2010年
トップ 10% の富のシェア
トップ 1% 財産のシェア
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
1810 1830 1850 1870 1890 1910 1930 1950 1970 1990 2010
総財産に占めるトップ百分位のシェア
第一次大戦前夜にはトップ百分位(富の所有最上位1 %)が、パリの総財産の70%を所有していた。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図10.2 パリとフランスの富と不平等の比較 1810-2010年
トップ1%財産のシェア (パリ)
トップ1%財産のシェア (フランス)
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
1810 1830 1850 1870 1890 1910 1930 1950 1970 1990 2010
総財産に占めるトップ十分位/百分位のシェア
1810-1910 年にはトップ十分位が国富の80-90 %を所有し、現在は70 %を所有。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図10.3. イギリスの富の不平等 1810-2010年
トップ 10%の財産シェア
トップ 1%の財産シェア
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
1810 1830 1850 1870 1890 1910 1930 1950 1970 1990 2010
総財産に占めるトップ十分位/百分位のシェア
1810-1910 年には最上位10 %が国富の80-90 %、現在では55-60%を握っている。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図10.4. スウェーデンにおける富の格差 1810-2010年
トップ10%の財産シェア
トップ1% の財産シェア
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
1810 1830 1850 1870 1890 1910 1930 1950 1970 1990 2010
総財産に占めるトップ十分位/百分位のシェア
富の所有の最上位10 %が、1910 年には国富の80%を、現在は75%を所有している。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図 10.5. 米国での富の格差 1810-2010 年
トップ 10% の財産シェア
トップ 1% の財産シェア
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
1810 1830 1850 1870 1890 1910 1930 1950 1970 1990 2010
総財産に占めるトップ十分位/百分位のシェア
20 世紀半ばまで、米国よりもヨーロッパのほうが富の格差は大きかった。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図10.6. ヨーロッパと米国における富の格差の比較 1810-2010年
トップ10%の財産シェア: ヨーロッパ
トップ10%の財産シェア: 米国
トップ1%の財産シェア: ヨーロッパ
トップ1%の財産シェア: 米国
0%
1%
2%
3%
4%
5%
6%
7%
1820 1830 1840 1850 1860 1870 1880 1890 1900 1910
年収益率または成長率
1820-1913 年のフランスでは、資本収益率は成長率よりもかなり高い。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図 10.7. 資本収益率と成長率、フランス 1820-1913年
純粋な資本収益率 r
国民所得成長率 g
0%
10%
20%
30%
40%
50%
1820 1830 1840 1850 1860 1870 1880 1890 1900 1910
貯蓄率に占める資本のシェア(国民所得の%)
1820-1913年のフランスでは、国民所得における資本所得のシェアは貯蓄率よりもかなり高い。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21cを参照。
図 10.8. 資本シェアと貯蓄率、フランス 1820-1913年
資本シェア α
貯蓄率 s
0%
1%
2%
3%
4%
5%
6%
0-1000 1000-1500 1500-1700 1700-1820 1820-1913 1913-1950 1950-2012 2012-2050 2050-2100
年収益率または成長率
税引き前の資本収益率は世界経済成長率よりも常に高いが、その差は20世紀に減少し、21世紀には再び拡
大している。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21cを参照。
図 10.9. 世界的な資本収益率と経済成長率の比較 古代から2100年
純粋な資本収益率 r (税引き前)
世界産出成長率 g
0%
1%
2%
3%
4%
5%
6%
0-1000 1000-1500 1500-1700 1700-1820 1820-1913 1913-1950 1950-2012 2012-2050 2050-2100
年収益率または成長率
20世紀中、資本収益率(税引き後、キャピタル・ロス計上後)は成長率を下回ったが、21世紀には再び上
回った。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21cを参照。
図 10.10. 世界的な税引き後資本収益率と経済成長率 古代から2100年
純粋な資本収益率 (税引き後、
キャピタル・ロス計上後)
世界産出成長率 g
0%
1%
2%
3%
4%
5%
6%
0-1000 1000-1500 1500-1700 1700-1820 1820-1913 1913-2012 2012-2100 2100-2200
年収益率または成長率
(税引き後、キャピタル・ロス計上後)利益率は20世紀を通じて成長率を下回ったが、21世紀になると再
び上回った。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21cを参照。
図 10.11. 世界的な税引き後利益率と成長率 古代から2200年
純粋な資本収益率 r (税引き後、
キャピタル・ロス計上後)
世界産出の成長率 g
1872 42% 29% 13% 56% 15% 19% 13% 9% 2%
1912 36% 25% 11% 62% 20% 19% 14% 9% 3%
1872 43% 30% 13% 55% 16% 16% 13% 10% 2%
1912 32% 22% 10% 65% 24% 19% 14% 8% 2%
1872 42% 27% 15% 56% 14% 22% 13% 7% 2%
1912 41% 30% 12% 55% 14% 18% 15% 9% 3%
1872 27% 1% 26% 62% 13% 25% 16% 9% 11%
1912 31% 7% 24% 58% 12% 14% 14% 18% 10%
表 10.1. パリ住民資産ポートフォリオ構成 1872ー1912年
不動産 (土地、
建物、家屋)
金融資産 株 社債 家具宝石等国債
その他金融資
産 (現預金等)
次の9%資産保有者ポートフォリオ構成
次の40%のポートフォリオ構成
注: 1912年、パリの全ての富の36%が不動産で、金融資産が62%、家財、宝石などが3%だった。出所: piketty.pse.ens.fr/capital21cを参照。
総財産の構成比
トップ1%資産保有者ポートフォリオ構成
うち地方部不動
産 (パリ以外)
うちパリ不動産
0%
4%
8%
12%
16%
20%
24%
28%
32%
36%
40%
1820 1840 1860 1880 1900 1920 1940 1960 1980 2000
相続と贈与の年間価値(国民所得の%)
年間相続フローは、19 世紀と1914 年までは国民所得の20-25 %だった。それが1950 年代には5 %以下に落ち込んだが、
2010 年には15 %まで持ち直した。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図11.1 年間相続フローの対国民所得比、フランス 1820-2010年
経済フロー (国富推計、死亡率表、年齢財産プロフィールより計算)
税収フロー (相続贈与税データから計算、免税資産も含む)
1.0%
1.5%
2.0%
2.5%
3.0%
1820 1840 1860 1880 1900 1920 1940 1960 1980 2000 2020 2040 2060 2080 2100
成人死亡率(%)
フランスの死亡率は20世紀を通じて下がった(期待寿命が伸びた)が、21世紀中に(ベビーブームの影響で)いくら
か上昇するはずだ。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図 11.2. フランスの死亡率 1820-2100年
成人人口 (20歳以上) 死亡率
20
30
40
50
60
70
80
90
100
1820 1840 1860 1880 1900 1920 1940 1960 1980 2000 2020 2040 2060 2080 2100
平均年齢
平均(成人)死亡年齢は20 世紀中に60 歳以下から80 歳近くに、平均相続時年齢は30 歳から50 歳に高齢化し
た。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図11.3 平均死亡年齢と平均相続年齢、フランス 1820-2100年
成人死者 (20歳以上) の平均年齢
相続人の平均年齢 (直系子孫)
1.0%
1.5%
2.0%
2.5%
3.0%
3.5%
4.0%
4.5%
1820 1840 1860 1880 1900 1920 1940 1960 1980 2000
年間移転率または死亡率
2000-2010 年には死亡率は1.2%に対し、相続の年次フローは総財産の約2.5 %に相当している。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図11.4 相続フロー対死亡率、フランス 1820-2010年
年間相続フロー、総民間財産の比率と
して (年間移転率)
成人人口(20歳以上)の年間死亡率
60%
80%
100%
120%
140%
160%
180%
200%
220%
240%
260%
1820 1840 1860 1880 1900 1920 1940 1960 1980 2000
死者と存命者の財産額比率
2000-2010 年の平均死亡時財産は、生前贈与を除外すると、平均生存時財産より20 %高いが、贈与を含めると2
倍になる。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図11.5 平均生存時財産と平均死亡時財産比率、フランス 1820-2010年
生前贈与を考慮しない比率
生前贈与を加算して得られた比率
0%
4%
8%
12%
16%
20%
24%
28%
32%
36%
40%
1820 1840 1860 1880 1900 1920 1940 1960 1980 2000 2020 2040 2060 2080 2100
遺産と贈与の年間価値(国民所得の%)
理論モデルに基づいたシミュレーションは、21 世紀における相続フローは成長率と純 資本率によって決まることを
示している。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図11.6 相続フローの実測値と今後のシミュレーション、フランス 1820-2100年
実測値
シミュレーション結果 (2010-2100: g = 1,7%, r = 3,0%)
シミュレーション結果 (2010-2100: g = 1,0%, r = 5,0%)
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
1850 1870 1890 1910 1930 1950 1970 1990 2010 2030 2050 2070 2090
相続財産の累積価値(生存者総財産の%)
19 世紀フランスでは相続財産は総財産の80-90 %に相当した。このシェアは 20 世紀には40-50 %まで下落したが、21 世紀
には80-90 %まで回復 しそうだ。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図11.7 相続財産が国富に占めるシェア、フランス 1850-2100年
相続財産のシェア (2010-2100:
g=1,7%, r=3,0%)
相続財産のシェア (2010-2100:
g=1,0%, r=5,0%)
0%
4%
8%
12%
16%
20%
24%
28%
32%
36%
40%
1820 1840 1860 1880 1900 1920 1940 1960 1980 2000
相続財産と贈与の年間価値(家計可処分所得の%)
世帯可処分所得に占める割合として示した年次相続フローは、2010 年には20 パーセ ント、つまり19 世
紀と同じ水準に達した。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図11.8 世帯可処分所得に年次相続フローが占める割合、フランス 1820-2010年
経済フロー (国富推計、死亡率表、年齢財産プロ
フィールより計算)
税収フロー (相続贈与税データから計算、免税資産
も含む)
4%
8%
12%
16%
20%
24%
28%
32%
36%
1790 1810 1830 1850 1870 1890 1910 1930 1950 1970 1990 2010 2030
各コーホートの総リソースに占める相続のシェア
相続は19 世紀コーホートのリソースの約25 %を占めたが、1910 ー1920年生まれのコーホートになるとそ
れが10 %以下になる(これらの人々は1950-1960 年に相続を受けるはずだった)。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図11.9 1790-2030 年に生まれたコーホートの(労働と相続による)総リソース
に占める相続のシェア
総平均リソースに占める相続のシェアを誕生年の関数とし
て示したもの (遺産、贈与、労働所得フローは50歳時点で
資本化) (2010-2100: g=1,7%, r=3,0%)
0
5
10
15
20
25
30
1790 1810 1830 1850 1870 1890 1910 1930 1950 1970 1990 2010 2030
底辺50%の賃金生活者の平均賃金の倍数
19 世紀には、相続者トップ1 %が享受できる生活水準は、労働による稼ぎ手トップ1 %よりもずっと高
かった。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図11.10 1790-2030 年生まれのコーホートにとってのラスティニャッ
クのジレンマ
トップ1%相続人の生活水準
トップ1%労働所得者の生活水準 (底辺50%の
賃金生活者の生活水準倍数、誕生年の関数と
して表現)
0%
2%
4%
6%
8%
10%
12%
14%
16%
1790 1810 1830 1850 1870 1890 1910 1930 1950 1970 1990 2010 2030
各コーホートの比率
1970-1980 年生まれのコーホートのうち12-14パーセントの人が、最も賃金の低い50パーセントの労働者
の生涯労働所得に相当する相続を受けている。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を
参照。
図11.11 生涯労働所得に相当する相続を受けるのは、コーホートのうちの何
パーセントか?
相続財産として、底辺50%労働所得者の生涯労働所得相当額以上を受
け取る人が各コーホートに占める割合 (誕生年の関数として)
0%
4%
8%
12%
16%
20%
24%
1900 1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010
遺産や贈与の年間価値(国民所得の%)
相続フローはイギリスやドイツでもフランス同様にU 字曲線を描く。この期間の終わりについては、イギ
リスにおける贈与が過小評価されているかもしれない。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図11.12 1900-2010 年のヨーロッパにおける相続フロー
フランス
イギリス
ドイツ
1820 29% 37% 47% 100% 134% 148% 153%
1850 28% 37% 52% 100% 128% 144% 142%
1880 30% 39% 61% 100% 148% 166% 220%
1902 26% 57% 65% 100% 172% 176% 238%
1912 23% 54% 72% 100% 158% 178% 257%
1931 22% 59% 77% 100% 123% 137% 143%
1947 23% 52% 77% 100% 99% 76% 62%
1960 28% 52% 74% 100% 110% 101% 87%
1984 19% 55% 83% 100% 118% 113% 105%
2000 19% 46% 66% 100% 122% 121% 118%
2010 25% 42% 74% 100% 111% 106% 134%
出所:piketty.pse.ens.fr/capital21c, table 2 参照
80 歳以上
各年代の平均財産
(50-59歳平均財産の %)
1820 年に60 代個人の平均的な富は、50 代の平均より34% 多く、80 歳以上の富は50 代より富が53% 多かった。
表11.1 フランスの年齢ー財産プロフィール 1820-2010年
20-29 歳 30-39 歳 40-49 歳 50-59 歳 60-69 歳 70-79 歳
0
400
800
1,200
1,600
2,000
2,400
0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
1987 1990 1993 1996 1999 2002 2005 2008 2011
1987 年から2013 年にかけて、億万長者の数は『フォーブス』誌によれば、140 人から1400 人に増え、その総資は
3000 億ドルから5.4 兆ドルに増えた。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図12.1 『フォーブス』による世界の億万長者たち 1987-2013年
億万長者たちの総資産 (10億ドル) (左軸)
世界の億万長者人数 (右軸)
,
0
5
10
15
20
25
30
35
40
0.0%
0.2%
0.4%
0.6%
0.8%
1.0%
1.2%
1.4%
1.6%
1987 1990 1993 1996 1999 2002 2005 2008 2011
1987 年から2013 年にかけて、成人1 億人あたりの億万長者の数は5 人から30 人に増え、その総民間資産に占める
シェアは0.4 %から1.5 %に上がった。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。.
図12.2 世界人口と世界総資産に占める億万長者たちの比率 1987-2013年
億万長者たちの総資産が総民間資本に占める
シェア (左軸)
成人1億人あたりの億万長者数 (右軸)
,
0.0%
0.1%
0.2%
0.3%
0.4%
0.5%
0.6%
0.7%
0.8%
0.9%
1.0%
1987 1990 1993 1996 1999 2002 2005 2008 2011
世界民間資本に占めるシェア
1987 年から2013 年にかけて、トップ2 千万分の1 のシェアは世界資産の0.3 %から0.9 %になり、トップ一億分の1
のシェアは0.1 %から0.4 %に上がった。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図12.3 世界の富のトップ区分の資産シェア 1987-2013年
トップ2千万分の1分位の財産シェア
トップ一億分の1分位の富のシェア
,
100%
200%
300%
400%
500%
600%
700%
800%
1870 1890 1910 1930 1950 1970 1990 2010 2030 2050 2070 2090
民間資本の価値(世界所得の%)
シミュレーション(中位シナリオ)によれば、世界の資本/所得比率は21 世紀末には700 %近くになるかもしれな
い。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図12.4 世界の資本/所得比率 1870-2100年
実測値
予測値 (中位
シナリオ)
0%
100%
200%
300%
400%
500%
600%
700%
800%
1870 1890 1910 1930 1950 1970 1990 2010 2030 2050 2070 2090
民間資本の価値(世界所得の%)
中位シナリオ21 世紀末までにアジア諸国が世界資本の半分くらいを所有するようになる。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図12.5 世界の資本分配 1870-2100年
アジア
ヨーロッパ
アメリカ大陸
アフリカ
-8%
-6%
-4%
-2%
0%
2%
4%
6%
8%
10%
1985 1990 1995 2000 2005
純外国資産(世界産出の%)
タックス・ヘイブンに保有されてている未登録の金融資産は、富裕国の公式純外国債務額よりも大きい。
出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図12.6 富裕国の純外国資産ポジション
日本
米国
富裕国 (日本 + ヨーロッパ + 米国)
タックス・ヘイブン保有の未登録金融資産推定
(下限)
ヨーロッパ
トップ1/1億の億万長者 (1980年代には成人30億人中30人、2010年代には成人45億人中45人ほど) 6.8%
トップ1/2千万の億万長者 (1980年代には成人30億人中150人ほど、2010年代には成人45億人中225人ほど) 6.4%
成人の財産世界平均 2.1%
成人所得の世界平均 1.4%
世界成人人口 1.9%
世界 GDP 3.3%
1987-2013 年に、世界最高の資産分位に属する財産は年率6%-7% のびたが、世界の富全体ののびは2.1% で、世界平均所得は1.4% ののびだった。全成長率は
インフレ除外済み(同期のインフレは年率2.3%)。
出所: piketty.pse.ens.fr/capital21cを参照。
表12.1 世界のトップ資産成長率 1987-2013年
年成長率平均(インフレ差し引き済み ) 1987-2013
全大学(850 校) 8.2%
 ハーヴァード大、イェール大、プリンストン大 10.2%
10 億ドル以上の基金(60 校) 8.8%
5-10 億ドルの基金(66 校) 7.8%
1-5 億ドルの基金(226 校) 7.1%
1億ドル未満の基金 (498校) 6.2%
1980-2010 年に、米国大学は資本基金に対する実質収益率8.2%を得ており、基金が大きいと収益率はさらに高かった。ここに示した収益率は
すべてインフレ除外済み(同期のインフレは年率2.4%) で管理費用と金融費用差し引き後。出所:piketty.pse.ens.fr/capital21c
表12.2 米国大学の資本基金収益率 1980-2010年
年平均実質成長率
(インフレ補正済後 管理費用差し引き後 金融費用差し引き後 )
期間 1980-2010
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
1870 1890 1910 1930 1950 1970 1990 2010
総税収(国民所得の%)
金持ち国では、1900-1910 年まで税収は国民所得の10 %以下だった。それが2000-2010 年では、国民所得の
30~55 %となっている。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図13.1 金持ち国の税収 1870-2010 年
スウェーデン
フランス
イギリス
米国
,
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
1900 1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010
最高所得者に適用される限界税率
所得税の最高限界税率(最高の所得に適用されるもの)は、米国では1980 年に70%だったのが、1988 年には28 %
まで下がった。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図14.1 最高所得税率 1900-2013年
米国
イギリス
ドイツ
フランス
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
1900 1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010
最高の相続財産に適用されるトップ限界税率
所得税の最高限界相続税率(最高の相続財産に適用されるもの)は、米国では1980年に70%だったのが、1988 年に
は35 %まで下がった。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
図14.2 最高相続税率 1900-2013年
米国
イギリス
ドイツ
フランス

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データ集 トマ・ピケティ『21 世紀の資本』

  • 1. 25% 30% 35% 40% 45% 50% 1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010 国民所得に占めるトップ10分位のシェア 図 I.1. 米国での所得格差 1910-2010年 米国でトップ十分位の占める比率は、1910 年代から1920 年代には45-50 % だったのが、1950 年には35 % 以下となった(これがクズネッツの記述 した格差低減だ)。その後、1970 年代に35 % 以下になってから、2000 年代や2010 年代には45-50 % になった。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
  • 2. 100% 200% 300% 400% 500% 600% 700% 800% 1870 1890 1910 1930 1950 1970 1990 2010 民間資本の市場価値(国民所得の%) 1910年のヨーロッパでは、総民間資本は国民所得6-7年分くらいの価値があったが、1950年には2-3年分、2010年に は4-6年分となった。出所と時系列データ: piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照. 図 I.2. ヨーロッパでの資本/所得比率 1870-2010年 ドイツ フランス イギリス
  • 3. 1人当たり GDP 1人当たり月収 相当額 世界 7,050 100% 71,200 100% 10,100 € 760 € ヨーロッパ 740 10% 17,800 25% 24,000 € 1,800 € EU 540 8% 14,700 21% 27,300 € 2,040 € ロシア/ウクライナ 200 3% 3,100 4% 15,400 € 1,150 € アメリカ大陸 950 13% 20,600 29% 21,500 € 1,620 € 米国/カナダ 350 5% 14,300 20% 40,700 € 3,050 € 中南米 600 9% 6,300 9% 10,400 € 780 € アフリカ 1,070 15% 2,800 4% 2,600 € 200 € 北アフリカ 170 2% 1,000 1% 5,700 € 430 € サブサハラアフリカ 900 13% 1,800 3% 2,000 € 150 € アジア 4,290 61% 30,000 42% 7,000 € 520 € 中国 1,350 19% 10,400 15% 7,700 € 580 € インド 1,260 18% 4,000 6% 3,200 € 240 € 日本 130 2% 3,800 5% 30,000 € 2,250 € その他 1,550 22% 11,800 17% 7,600 € 570 € 出所: piketty.pse.ens.fr/capital21c 参照。 表 1.1: 世界GDP分配 2012年 世界 GDP は、購買力平価で推定すると、2012年にはおよそ71.2兆ユーロだった。世界人口はおよそ70.5億人だったので、1人当 たりGDPは €10 100 ユーロとなる (月額収入に直すとだいたい月760ユーロ)。数字はすべて、closed dozen or hundred (2012年ユーロ) 人口 (百万人) GDP (10億 2012年ユーロ)
  • 4. 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 1 2 3 4 5 6 7 8 ヨーロッパのGDP は1913年には世界GDPの 47% だったが、2012年には25% に下がった。 出所と時系列データ: piketty.pse.ens.fr/capital21c 参照. 図 1.1. 世界産出の分配 1700-2012年 アジア ヨーロッパ アメリカ大陸 アフリカ
  • 5. 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 1700 1820 1870 1913 1950 1970 1990 2012 ヨーロッパの人口は1913年には世界人口の26% だったが、2012年には10%に下がった。 出所と時系列データ: piketty.pse.ens.fr/capital21c 参照. 図 1.2. 世界の人口分布 1700-2012年 アジア ヨーロッパ アメリカ大陸 アフリカ
  • 6. 0% 25% 50% 75% 100% 125% 150% 175% 200% 225% 250% 1700 1820 1870 1913 1950 1970 1990 2012 1人当たりGDP(世界平均の%) アジアアフリカの1人当たりGDP は、1950年には世界平均の37% だったのが、2012年には61% 。 出所と時系列データ: piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図 1.3. 世界の格差 1700-2012年: 拡大してから収斂? ヨーロッパとアメリカ 世界 アジアアフリカ
  • 7. $0.80 $0.90 $1.00 $1.10 $1.20 $1.30 $1.40 $1.50 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2012,年には1ユーロが当時の為替レートで1.30ドルだったが、購買力平価では1.20ドルだった。出 所と時系列データ: piketty.pse.ens.fr/capital21c 参照。 図 1.4. 為替レートと購買力平価:ユーロ/ドル 為替レート ユーロ/ドル 購買力平価 ユーロ/ドル
  • 8. ¥0 ¥2 ¥4 ¥6 ¥8 ¥10 ¥12 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2012年に 1 ユーロは当時の為替レートで8人民元だったが、購買力平価だと5人民元だった。 出所と時系列データ: piketty.pse.ens.fr/capital21c 参照。 図 1.5. 為替レートと購買力平価: ユーロ/人民元 為替レート ユーロ/人民元 購買力平価 ユーロ/人民元
  • 9. 1人当たりGDP 1人当たり月収相当額 世界 7,050 100% 71,200 100% 10,100 € 760 € ヨーロッパ 740 10% 17,800 25% 24,000 € 1,800 € EU 540 8% 14,700 21% 27,300 € 2,040 € ロシア/ウクライナ 200 3% 3,100 4% 15,400 € 1,150 € アメリカ大陸 950 13% 20,600 29% 21,500 € 1,620 € 米国/カナダ 350 5% 14,300 20% 40,700 € 3,050 € 中南米 600 9% 6,300 9% 10,400 € 780 € アフリカ 1,070 15% 2,800 4% 2,600 € 200 € 北アフリカ 170 2% 1,000 1% 5,700 € 430 € サブサハラアフリカ 900 13% 1,800 3% 2,000 € 150 € アジア 4,290 61% 30,000 42% 7,000 € 520 € 中国 1,350 19% 10,400 15% 7,700 € 580 € インド 1,260 18% 4,000 6% 3,200 € 240 € 日本 130 2% 3,800 5% 30,000 € 2,250 € その他 1,550 22% 11,800 17% 7,600 € 570 € 出所: piketty.pse.ens.fr/capital21c 参照。 表 1.1: 世界GDP分配 2012年 世界 GDP は、購買力平価で推定すると、2012年にはおよそ71.2兆ユーロだった。世界人口はおよそ70.5億人だったので、1人当たりGDPは €10 100 ユーロとなる (月額収入に直すとだいたい 月760ユーロ)。数字はすべて、closed dozen or hundred (2012年ユーロ) 人口 (百万人) GDP (10億 2012年ユーロ)
  • 10. 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 1700 1820 1870 1913 1950 1970 1990 2012 世界人口(100万人) 世界人口は1700年には6億人だったのが、2012年には70億人に増えた。 出所と時系列データ: piketty.pse.ens.fr/capital21c参照. 図 2.1. 世界人口の伸び 1700-2012年 アジア ヨーロッパ アメリカ大陸 アフリカ
  • 11. 0.0% 0.2% 0.4% 0.6% 0.8% 1.0% 1.2% 1.4% 1.6% 1.8% 2.0% 0-1000 1000-1500 1500-1700 1700-1820 1820-1913 1913-1950 1950-1970 1970-1990 1990-2012 2012-2030 2030-2050 2050-2070 2070-2100 世界人口増加率 世界人口増加率は、1950-2012年は年1%以上だったが、21世紀末に向かって0%に戻るだろう。 出所と時系列データ: piketty.pse.ens.fr/capital21c 参照. 図 2.2. 世界人口増加率 古代から2100年 国連予測(中位 シナリオ) 実測増加率
  • 12. 0.0% 0.5% 1.0% 1.5% 2.0% 2.5% 3.0% 3.5% 4.0% 4.5% 5.0% 1700-1820 1820-1870 1870-1913 1913-1950 1950-1970 1970-1990 1990-2012 1人当たりGDP成長率 一人当たり産出の成長率は、1950-1970 年にはヨーロッパで年率4 パーセントを超えたが、その後 アメリカの水準に戻った。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図 2.3. 1人当たり所得成長率 産業革命以来 西ヨーロッ パ 北アメリカ
  • 13. 0.0% 0.5% 1.0% 1.5% 2.0% 2.5% 3.0% 3.5% 0-1000 1000-1500 1500-1700 1700-1820 1820-1913 1913-1950 1950-1990 1990-2012 2012-2030 2030-2050 2050-2070 2070-2100 1人当たりGDP成長率 一人当たり産出増加率は1950-2012 年には2 パーセントを超えた。収斂プロセスが続くなら、2012- 2050 年には2.5 パーセントを超え、その後1.5 パーセント以下に下がるはずだ。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図 2.4. 世界一人当たりGDP増加率 太古から2100年 予測値 (中位シナリオ) 実測成長率
  • 14. 0.0% 0.5% 1.0% 1.5% 2.0% 2.5% 3.0% 3.5% 4.0% 4.5% 5.0% 0-1000 1000- 1500 1500- 1700 1700- 1820 1820- 1913 1913- 1950 1950- 1990 1990- 2012 2012- 2030 2030- 2050 2050- 2070 2070- 2100 世界GDP成長率 世界産出増加率は1950-1990 年には4 %を超えた。収斂プロセスが続くなら、 2050 年までに2 %以下に下がるはずだ。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図2.5 世界産出増加率 太古から2100年 予測値 (中位シナリオ) 実測成長率
  • 15. -2% 0% 2% 4% 6% 8% 10% 12% 14% 16% 18% 20% 1700-1820 1820-1870 1870-1913 1913-1950 1950-1970 1970-1990 1990-2012 インフレ率(消費者物価指数) 金持ち国のインフレは、18 世紀と19 世紀にはゼロで、20 世紀には高く、1990 年以来おおむね2 パーセント。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図2.6 産業革命以来のインフレ フランス ドイツ 米国 イギリス
  • 16. 平均年率成長率 世界産出 世界人口 1人当たり産出 0-1700 0.1% 0.1% 0.0% 1700-2012 1.6% 0.8% 0.8%      1700-1820 0.5% 0.4% 0.1% 1820-1913 1.5% 0.6% 0.9% 1913-2012 3.0% 1.4% 1.6% 表 2.1 産業革命以来の世界経済成長率 1913-2012年の世界GDP成長率は平均で年率 3.0%。この成長率のうち 1.4% は世界人口増加、1.6% は1人当たりGDP の伸び。 出所: piketty.pse.ens.fr/capital21c参照.
  • 17. 以下の成長率は …… ……以下の世代 成長率 (30年) に 相当し…… ……それは以下 の乗数をかけるの と同じで…… ……100年分の乗 数は以下の通りで …… ……1000年分の 乗数は以下の通 り。 0.1% 3% 1.03 1.11 2.72 0.2% 6% 1.06 1.22 7.37 0.5% 16% 1.16 1.65 147 1.0% 35% 1.35 2.70 20,959 1.5% 56% 1.56 4.43 2,924,437 2.0% 81% 1.81 7.24 398,264,652 2.5% 110% 2.10 11.8 52,949,930,179 3.5% 181% 2.81 31.2 … 5.0% 332% 4.32 131.5 … 表2.2. 累積成長の法則 年成長率1% は、一世代(30 年) の累積成長率35% に相当し、100 年ごとに27 倍になり、1000年ごとに2 万倍以 上となる。
  • 18. 平均年率増加率 世界人口 ヨーロッパ アメリカ大陸 アフリカ アジア 0-1700 0.1% 0.1% 0.0% 0.1% 0.1% 1700-2012 0.8% 0.6% 1.4% 0.9% 0.8%     1700-1820 0.4% 0.5% 0.7% 0.2% 0.5% 1820-1913 0.6% 0.8% 1.9% 0.6% 0.4% 1913-2012 1.4% 0.4% 1.7% 2.2% 1.5% 予測値 2012-2050 0.7% -0.1% 0.6% 1.9% 0.5% 予測値 2050-2100 0.2% -0.1% 0.0% 1.0% -0.2% 表 2.3: 産業革命以来の人口増加 1913-2012年に、世界人口増加率は年率1.4%で、ヨーロッパは0.4%、アメリカ大陸は1.7%、等々。 出所: piketty.pse.ens.fr/capital21c参照。2012-2100年予測値は国連中位シナリオに対応。
  • 19. 農業 工業 サービス業 農業 工業 サービス業 1800 64% 22% 14% 68% 18% 13% 1900 43% 29% 28% 41% 28% 31% 1950 32% 33% 35% 14% 33% 50% 2012 3% 21% 76% 2% 18% 80% 1900 年と 1950年: T. Piketty, "Les emplois de services de France et aux Etats-Unis", Note de la Fondation Saint- Simon , 1997, Tableau III, p.11 (出所に関する詳細はすべて pp.43-44に記述; 米国の数字は1900年と1950年のもの、フラ ンスについての数字は1906年と1954年のもの) 2012年のデータ: employment survey 2011 (フランス) と current population survey 2011 (米国) (RawDataFilesディレクト リの生データ参照) 1800年のデータ: フランス: C. Marchand, O. Thélot, Le Travail en France 1800-2000, Nathan, 1997, Tableau A3, p.214 (data for 1806); 米国, Historical Statistics of the United States, US Census Bureau, 1976, Part 1, p.139 (1800年の総 雇用データと農業雇用データ; 1800-1840年は不完全なデータから工業/サービスを推計して分離) 出所: http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 表2.4 仏米の産業別雇用1800-2012年 (雇用シェア(%)) 2012 年にフランスでは農業は総雇用の3 %、工業21%、サービス業76%。建設業――2012 年仏米では総雇用の7%――は 工業に含めた。 フランス (総雇用に占め る比率 %) 米国
  • 20. 平均年成長率 世界1人当たり産出成長 率 ヨーロッパ アメリカ大陸 アフリカ アジア 0-1700 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 1700-2012 0.8% 1.0% 1.1% 0.5% 0.7%    1700-1820 0.1% 0.1% 0.4% 0.0% 0.0% 1820-1913 0.9% 1.0% 1.5% 0.4% 0.2% 1913-2012 1.6% 1.9% 1.5% 1.1% 2.0% 1913-1950 0.9% 0.9% 1.4% 0.9% 0.2% 1950-1970 2.8% 3.8% 1.9% 2.1% 3.5% 1970-1990 1.3% 1.9% 1.6% 0.3% 2.1% 1990-2012 2.1% 1.9% 1.5% 1.4% 3.8% 1950-1980 2.5% 3.4% 2.0% 1.8% 3.2% 1980-2012 1.7% 1.8% 1.3% 0.8% 3.1% 表2.5 産業革命以来の一人当たり産出成長 910-2012 年で一人当たり産出成長率は年平均で世界では1.7%、うちヨーロッパは1.9%、アメリカは1.6% 等々。 出所: http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
  • 21. 0% 100% 200% 300% 400% 500% 600% 700% 800% 1700 1750 1810 1850 1880 1910 1920 1950 1970 1990 2010 国民資本の価値(国民所得の%) 1700 年のイギリスでは国民資本は国民所得7 年分くらい(うち農地が4 年分)。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図 3.1. イギリスの資本 1700-2010年 純外国資本 その他国内資本 住宅 農地
  • 22. 0% 100% 200% 300% 400% 500% 600% 700% 800% 1700 1750 1780 1810 1850 1880 1910 1920 1950 1970 1990 2000 2010 国民資本の価値(国民所得の%) 1700 年のフランスでは国民資本は国民所得7 年分近く(うち外国投資が1 年分)。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図3.2 フランスの資本 1700-2010年 純外国資本 その他国内資本 住宅 農地
  • 23. 0% 50% 100% 150% 200% 250% 1700 1750 1810 1850 1880 1910 1920 1950 1970 1990 2010 公的資産と債務(国民所得の%) 1950 年に公的債務は国民所得2年分を超えた(公的資産は1年分)。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図3.3 イギリスの公的資本 1700-2010年 公的資産 公的債務
  • 24. 0% 50% 100% 150% 200% 250% 1700 1750 1780 1810 1850 1880 1910 1920 1950 1970 1990 2000 2010 公的資産と債務(国民所得の%) 1780 年に公的債務は国民所得1 年分ほど。これは1780 年や1880 年、2000-2010 年も同じ。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図3.4 フランスの公的財産 1700-2010年 公的資産 公的債務
  • 25. -200% -100% 0% 100% 200% 300% 400% 500% 600% 700% 800% 900% 1700 1750 1810 1850 1880 1910 1920 1950 1970 1990 2010 国民資本、民間資本、公的資本(国民所得の%) 1810 年のイギリスでは、民間資本は国民所得8 年分だった(国民資本は7 年分)。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図3.5 イギリスの民間資本と公的資本 1700-2010年 国民資本 民間 +公共) 民間資本 公的資本
  • 26. -200% -100% 0% 100% 200% 300% 400% 500% 600% 700% 800% 900% 1700 1750 1780 1810 1850 1880 1910 1920 1950 1970 1990 2000 2010 国民資本、民間資本、公的資本(国民所得の%) 1950 年のフランスでは公的資本は国民所得1 年分弱、民間資本は2 年分。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図 3.6. フランスの民間資本と公的資本 1700-2010年 国民資本 (民間 + 公的) 民間資本 公的資本
  • 27. 資産 負債 資産 負債 145% 114% 24% 19% 資産 負債 資産 負債 646% 72% 107% 12% 表3.1 2012 年フランスでの公共財産と民間財産 2012 年にフランスの国民資本総額は国民所得の605% に相当(つまり国民所得の6.05 倍)、うち公的資本 が31% (全体5%)、民間資本が574% (全体の95%) 資本の価値 (対国民所得比率 %) 国民資本(公的資本+ 民間資本) 31% 605% 100% 5% 95% 注:国民所得はGDP から減価償却を引き純外国収入を足したもの。実務的には、通常は2012 年のフラ ンスではGDP の9 割。第1 章とオンライン詳細補遺参照。 公的資本(純公共財産: 政府その他公共 機関保有の資産と負債の差額) 民間資本(純民間財産:民間個人[世 帯] 保有の資産と負債の差額) 574% 資本の価値 (対国民所得比率 %) 出所: http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。
  • 28. 0% 100% 200% 300% 400% 500% 600% 700% 800% 1 2 3 4 5 6 7 8 9 国民資本の価値(国民所得の%) 国民資本は1910 年のドイツでは国民所得6.5 年分だった(外国への投資0.5 年分含む)。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図4.1 ドイツの資本 1870-2010年 純外国資本 その他国内資本 住宅 農地
  • 29. 0% 50% 100% 150% 200% 250% 1 2 3 4 5 6 7 8 9 公的資産と負債(国民所得の%) 2010 年のドイツでは公的債務は国民所得のほぼ一年分近くだった。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図4.2 ドイツの公的財産 1870-2010年 公的資産 公的債務
  • 30. -100% 0% 100% 200% 300% 400% 500% 600% 700% 800% 1 2 3 4 5 6 7 8 9 国民資本、民間資本、公的資本(国民所得の%) 1970 年の公的資本は国民所得1 年分近く。これに対し民間資本は国民所得2 年分弱。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図4.3 ドイツの民間資本と公的資本 1870-2010年 国民資本 (民間 + 公的) 民間資本 公的資本
  • 31. -200% -100% 0% 100% 200% 300% 400% 500% 600% 700% 800% 1870 1890 1910 1930 1950 1970 1990 2010 公的資本と民間資本(国民所得の%) ヨーロッパの長期的な国民所得変動は、ほとんどが民間資本変動のせいだ。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図4.4 ヨーロッパの民間資本と公的資本 1870-2010年 ドイツ フランス イギリス 公的資本 民間資本
  • 32. 100% 200% 300% 400% 500% 600% 700% 800% 1870 1890 1910 1930 1950 1970 1990 2010 国民資本の価値(国民所得の%) 国民資本(公的資本と民間資本の合計)は1950 年のヨーロッパでは国民所得2-3 年分。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図4.5 ヨーロッパの国民資本 1870-2010年 ドイツ フランス イギリス
  • 33. 0% 100% 200% 300% 400% 500% 600% 700% 800% 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 国民資本の価値(国民所得の%) 1770 年の米国では、国民資本は国民所得3 年分だった(うち1.5 年分は農地)。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図4.6 米国の資本 1770-2010年 純外国資本 その他国内資本 住宅 農地
  • 34. 0% 50% 100% 150% 200% 250% 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 公的資産と公的債務(国民所得の%) 1950 年の米国では、公的債務は国民所得一年分 (資産とほぼ同額)。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図4.7 米国の公的財産 1770-2010年 公的資産 公的債務
  • 35. -100% 0% 100% 200% 300% 400% 500% 600% 700% 800% 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 国民資本、民間資本、公的資本(国民所得の%) 2010 年の公的資本は国民所得0.2 年分近く。これに対し民間資本は国民所得400 パーセント以上。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図4.8 米国の民間資本と公的資本 1870-2010年 国民資本 (民間 +公的) 民間資本 公的資本
  • 37. 0% 100% 200% 300% 400% 500% 600% 700% 800% 1 2 3 4 資本の価値(国民所得の%) 米国南部の農地と奴隷をあわせた価値は、1710-1810 年あたりでは国民所得4 年分を上回った。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図4.11 1770-1810年頃の資本:旧世界と新世界 その他国内資本 住宅 奴隷 農地
  • 38. -100% 0% 100% 200% 300% 400% 500% 600% 700% 800% 1870 1890 1910 1930 1950 1970 1990 2010 民間資本と公的資本の価値(国民所得の%) 国民資本の長期的な変動は、主に民間資本の変動に対応している (米欧共に)。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図5.1 ヨーロッパと米国の民間資本と公的資本 1870-2010年 米国 ヨーロッパ 公的資本 民間資本
  • 39. -100% 0% 100% 200% 300% 400% 500% 600% 700% 800% 1870 1890 1910 1930 1950 1970 1990 2010 国民資本と外国資本の価値(国民所得の%) 国民資本(民間と公共)は1910 年のヨーロッパでは国民所得6.5 年分、米国では4.5年分。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図5.2 ヨーロッパと米国の国民資本 1870-2010年 米国 ヨーロッパ 純外国資本 国民資本
  • 40. 100% 200% 300% 400% 500% 600% 700% 800% 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 民間資本の価値(国民所得の%) 金持ち国の民間資本は、1970 年には国民所得2-3 年分だったのが、2010 年には国民所得4-7 年分になった。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図5.3 金持ち国の民間資本1970-2010年 米国 日本 ドイツ フランス イギリス イタリア カナダ オーストラリア
  • 41. 200% 300% 400% 500% 600% 700% 800% 900% 1000% 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 民間資本(家計可処分所得の%) 世帯可処分所得(国民所得の70-80 パーセントほど)で見ると、資本/所得比率は国民所得年数で見るよりも大きく 見える。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図5.4 可処分所得年数で見た民間資本 米国 日本 ドイツ フランス イギリス イタリア カナダ オーストラリア
  • 42. -100% 0% 100% 200% 300% 400% 500% 600% 700% 800% 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 資本の価値(国民所得の%) イタリアでは、民間資本は1970 年から2010 年にかけて、国民所得の240 パーセントから680 パーセントに増えたが、公的資本 は20 パーセントからマイナス70 パーセントに落ちた。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図5.5 金持ち国の民間資本と公的資本1970-2010年 米国 日本 ドイツ フランス イギリス イタリア カナダ オーストラリア 公的資本 民間資本
  • 43. 0% 20% 40% 60% 80% 100% 120% 140% 160% 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 企業の市場価値と簿価の比率 トービンのq (つまり企業の市場価値と簿価の比率) は1970 年代-1980 年代から上昇した。出所と時系列データ: http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図5.6 企業の市場価値と簿価 米国 日本 ドイツ フランス イギリス カナダ
  • 44. -100% 0% 100% 200% 300% 400% 500% 600% 700% 800% 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 資本の価値(国民所得の%) 日本とドイツが保有していた純外国資産は、2010 年には国民所得0.5-1 年分の水準だった。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図5.7 金持ち国の国民資本 1970-2010年 米国 日本 ドイツ フランス イギリス イタリア カナダ 純外国資本 国民資本
  • 45. 100% 200% 300% 400% 500% 600% 700% 800% 1870 1890 1910 1930 1950 1970 1990 2010 2030 2050 2070 2090 民間資本の価値(国民所得の%) シミュレーション(中位シナリオ)によると、世界の資本/所得比率は21 世紀末には700 パーセント近くになるかもしれない。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図5.8 世界の資本/所得比率 1870-2100年 実績値 予測値 (中位シナリオ)
  • 46. 米国 2.8% 1.0% 1.8% 7.7% 日本 2.5% 0.5% 2.0% 14.6% ドイツ 2.0% 0.2% 1.8% 12.2% フランス 2.2% 0.5% 1.7% 11.1% イギリス 2.2% 0.3% 1.9% 7.3% イタリア 1.9% 0.3% 1.6% 15.0% カナダ 2.8% 1.1% 1.7% 12.1% オーストラリア 3.2% 1.4% 1.7% 9.9% Piketty-Zucman 2013 ファイルへのリンクは 8-2-13に凍結 表5.1 金持ち国の成長率と貯蓄率1970-2010年 出所: http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 1人当たり所得成 長率 民間貯蓄 (減価償却差し引き後) (対国民所得比率 %) 国民所得の成長率 人口増加率 貯蓄率と人口成長は金持ち国でもかなり差がある。1人当たり国民所得の成長率は差がずっと小さい。
  • 47. 4.6% 3.1% 60% 40% 6.8% 7.8% 47% 53% 9.4% 2.8% 77% 23% 9.0% 2.1% 81% 19% 2.8% 4.6% 38% 62% 14.6% 0.4% 97% 3% 7.2% 4.9% 60% 40% 5.9% 3.9% 60% 40% Piketty-Zucman 2013 ファイルとのリンクは 8-2-13に凍結 出所: http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 イタリア 15.0% イギリス オーストラリア 9.9% 12.1% 7.4% 民間貯蓄の相当部分(比率は国により差がある)は企業の内部留保(分配していない利潤)による。 フランス 11.1% 世帯純貯蓄 カナダ 14.6% ドイツ 12.2% 表 5.2. 金持ち国の民間貯蓄 1970-2010年 米国 7.7% 日本 企業純貯蓄 (純内部留保) 民間貯蓄 (減価償却差し引き後) (対国民所得比率 %)
  • 48. Piketty-Zucman 2013 ファイルとのリンクは 8-2-13に凍結 ドイツ 28.5% 11.1% 表5.3 金持ち国での総貯蓄と純貯蓄1970-2010年 米国 18.8% 日本 純民間貯蓄 総民間貯蓄 (対国民 所得比率 %) 7.7% 14.6% 減価償却差し引き分 33.4% 18.9% 16.2% 12.2% 11.1% 7.3% 15.0% 出所: http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 イタリア 30.1% イギリス オーストラリア 25.1% 24.5% 19.7% 15.2% 12.1%12.4% 9.9% 総貯蓄の相当部分 (通常は半分くらい) は資本の減価償却分。つまり損耗資本の修繕交換だけに使 われている。 カナダ フランス 22.0% 10.9% 12.3% 15.1%
  • 49. Piketty-Zucman 2013 ファイルとのリンクは 8-2-13に凍結 出所: http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 イギリス 5.3% イタリア 8.5% カナダ オーストラリア 8.9% 15.0% 民間貯蓄の相当部分(比率は国により差があるは公的債務に吸収されているので、国民貯蓄(民間+ 公 共) は民間貯蓄より少ない。 10.1% 9.8% 7.3% -2.0% -6.5% -0.9% -2.0% 0.1% 表5.4 金持ち国での民間貯蓄と公的貯蓄1970-2010年 国民貯蓄 (民間+公的) (減価償却差し引き後) (対国民所得比率 %) 民間貯蓄 公的貯蓄 12.1% -2.0% 米国 5.2% 14.6% ドイツ 10.2% 14.5% 7.6% 12.2% 11.1% -1.9% -2.4% フランス 9.2% 日本
  • 50. 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 1770 1790 1810 1830 1850 1870 1890 1910 1930 1950 1970 1990 2010 労働所得と資本所得(国民所得の%) 19 世紀の間、資本所得(賃料、利潤、配当、利子……)は国民所得の40 パーセントほどを吸収したが、労働所得 (賃金所得と非賃金所得の両方を含む)は60 パーセントほどだった。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図6.1 イギリスでの資本と労働の分配 1770-2010年 労働所得 資本所得
  • 51. 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 1820 1840 1860 1880 1900 1920 1940 1960 1980 2000 労働所得と資本所得(国民所得の%) 21 世紀に、資本所得(賃料、利潤、配当、利子……)は国民所得の30 %ほどを吸収したが、労働所得(賃金所得と 非賃金所得の両方を含む)は70 %ほどだった。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図6.2 フランスでの資本と労働の分配 1820-2010年 労働所得 資本所得
  • 52. 0% 2% 4% 6% 8% 10% 12% 14% 16% 1770 1790 1810 1830 1850 1870 1890 1910 1930 1950 1970 1990 2010 年間収益率 長期的に見ると、純粋な資本収益率は4-5%でおおむね安定。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図6.3 イギリスでの純粋な資本収益率 1770-2010年 資本収益率実測値 純粋資本収益率 (推計値)
  • 53. 0% 2% 4% 6% 8% 10% 12% 14% 16% 1820 1840 1860 1880 1900 1920 1940 1960 1980 2000 年収益率 20 世紀の間、平均収益率実測値は、純粋な収益率よりも大きな変動を示す。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。. 図6.4 フランスでの純粋な資本収益率 1820-2010年 資本収益率実測値 純粋な資本収益率 (推計値)
  • 54. 10% 15% 20% 25% 30% 35% 40% 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 資本所得(国民所得の%) 1970 年の金持ち国では、資本所得が国民所得の15-25 %を吸収するが、2000-2010 年にはそれが25-30%になった。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図6.5 金持ち国の資本シェア 1975-2010年 米国 日本 ドイツ フランス イギリス イタリア カナダ オーストラリア
  • 55. 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 1900 1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010 付加価値の利潤シェア 企業の総付加価値における総利潤のシェアは、1982 年には25%だったのが2010 年には33%になった。純付加価値 における純利潤のシェアは12%から20%に上がった。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図6.6. フランスにおける企業付加価値の利潤シェア1900-2010年 総付加価値に占める総利潤シェア 純付加価値に占める純利潤のシェア (資本減価償却差し 引き後)
  • 56. 0% 2% 4% 6% 8% 10% 12% 1900 1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010 国民所得に占める住宅家賃のシェア 住宅家賃(住居の賃貸価値)のシェアは、1948 年には国民所得の2%だったのが2010 年には10%になった。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図6.7. フランスにおける住宅家賃の国民所得シェア1900-2010年 国民所得に占める住宅家賃(減価償却差し引き後)のシェア
  • 57. 0% 10% 20% 30% 40% 50% 1900 1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010 国民所得煮染める資本のシェア 資本(純利潤と賃料)のシェアは、1982 年には国民所得の15%だったのが2010 年には27%になった。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図6.8. フランスにおける資本の国民所得シェア1900-2010年
  • 58. 17% 高格差 (≈ 2010 年 米国) 20% 7% 0.36 労働所得格差が比較的低い社会(1970 年代、1980 年代のスカンジナビア諸国など)では、もっとも所得の多い上位10 %が総労働所得の20 %を稼ぎ、 下位50 %が約35 %、中間の40 %が約45 %を稼いでいる。これに対応するジニ係数(格差を示す総合指標で値は0 から1)は0.19。オンラインの専門補 遺を参照。 0.19 0.26 0.46 対応するジニ係数(合成格差指 数) 表7.1 時間空間的に見た所得格差 総労働所得に占める 各グループの比率 45%25% トップ10% (「上流階級」) 35% 超高格差 (≈ 2030 年 米国?) 中格差 (≈ 2010 年 ヨーロッパ) 低格差 (≈ 1970-80 年代 スカンジナビア) 18% 45% 25%30% 40% うちトップ 1% ( 「支配階級」 ) 12%5% うち残り 9% ( 「富裕階級」 ) 中間40% (「中流階級」) 底辺50% (「下流階級」) 20% 28% 35% 35% 45% 23%15%
  • 59. 20% 30% うちトップ 1% ( 「支配階級」 ) うち残り 9% ( 「富裕階級」 ) 30% 総資本に占める 各グループの比率 20% トップ10% (「上流階級」) 90%70% 中高格差 (≈ 2010 年 ヨーロッパ) 60% 中格差 (≈ 1970-80 年代 スカンジナビ ア) 50% 35% 5% 表7.2 時間空間的に見た資本所有格差 35% 超高格差 (≈ 2030 年 米国?) 高格差 (≈ 2010 年 米国) 低格差 (前代未聞 理想社会?) 10% 40% 25% 50% 45% 40% 10% 5% 5%25% 35% 5% 35% 中間40% (「中流階級」) 底辺50% (「下流階級」) 25% 資本所有に「中程度」の格差がある社会(1970 年代、1980 年代のスカンジナビア諸国など)では、最も裕福な10 %が、国富の50 %を所有し、下位50 % は約10 %、中間の40 %は約4 %を所有する。これに対応するジニ係数は0.58。オンラインの専門補遺を参照。 0.33 0.73 0.85 対応するジニ係数(合成格差 指数) 0.58 0.67
  • 60. 15% 35% 25% 30% 40% 30%18% 30%45% 60%35% トップ10% (「上流階級」) 50% 10% うちトップ 1% ( 「支配階級」 ) 20% 25% うち残り 9% ( 「富裕階級」 ) 表7.3 時間空間的に見た総所得(労働と資本)の格差 25% 超高格差 (≈ 2030 年 米国?) 中格差 (≈ 2010 年 ヨーロッパ) 低格差 (≈ 1970-80 年代 スカンジナビア) 7% 25% 総所得 (労働+資本) に占める 各グループの比率 高格差 (≈ 2010 年 米国) 中間40% (「中流階級」) 20% 0.49 労働所得格差が比較的低い社会(1970 年代、1980 年代のスカンジナビア諸国など)では、もっとも所得の多い上位10 %が総所得の20 %を稼ぎ、下位 50 %が約30 %を稼いでいる。これに対応するジニ係数は0.26。オンラインの専門補遺を参照。 0.26 0.36 0.58 対応するジニ係数(合成格差指 数) 25% 底辺50% (「下流階級」)
  • 61. 20% 25% 30% 35% 40% 45% 50% 1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010 全体の中のトップ十分位シェア(所得または賃金) フランスでは20 世紀を通じて(労働と資産の)総所得の格差は減少したが、賃金格差は変わらなかった。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図8.1. フランスにおける所得格差 1910-2010 年 総所得に占める所得トップ10分位のシェア 総賃金に占める賃金トップ10分位のシェア
  • 62. 0% 2% 4% 6% 8% 10% 12% 14% 16% 18% 20% 22% 24% 1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010 全体の中のトップ百分位シェア(所得または賃金) フランスのトップ百分位(最も所得が高い1 パーセント)のシェアの1914 年から1945 年までの減少は、最上位の資 本所得の減少によるものだ。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図8.2. 不労所得生活者の没落 1910-2010 年 総所得に所得トップ百分位が占めるシェア 総賃金に賃金トップ百分位が占めるシェア
  • 63. 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% P90-95 P95-99 P99-99.5 P99.5-99.9 P99.9-99.99 P99.99-100 各分位における所得シェア トップ十分位のなかで上位に行くほど、労働所得の重要性は下がる。 注記:(i)「P90-95」は第90 百分位か ら第95 百分位の人が含まれる。「P95-99」には 次の4 %、「P99-99.5」には次の0.5 %ということにな る。(ii) 労働所得とは、賃金、 ボーナス、年金、資本所得とは配当、利子、賃貸料で、混合所得は自営所 得。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図8.3 1932 年フランスにおけるトップ層の所得構成 労働所得 資本所得 混合所得
  • 64. 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% P90-95 P95-99 P99-99.5 P99.5-99.9 P99.9-99.99 P99.99-100 各分位ごとの所得のシェア フランスで資本所得が大勢を占めるのは、1932 年にはトップ0.5 %層だったのに対し、 2005 年に はトップ0.1 %層になった。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図8.4. 2005 年フランスにおけるトップ層の所得構成 労働所得 資本所得 混合所得
  • 65. 25% 30% 35% 40% 45% 50% 1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010 国民所得に占めるトップ十分位のシェア トップ十分位が総所得に占めるシェアは、1970 年代には35 %だったのが、2000 年代 から2010 年代にかけて50 % 近くまで上昇した。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図8.5. 米国の所得格差 1870-2010年 トップ10分位が総所得に占めるシェア (キャピタル・ゲイン含む) キャピタル・ゲイン除く
  • 66. 0% 5% 10% 15% 20% 25% 1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010 各グループが総所得に占めるシェア 1970 年代以降のトップ十分位の所得シェア増加は、主にトップ百分位によるものだ。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図8.6. 米国におけるトップ百分位の構成 1910-2010年 トップ 1% (2010年に年間所得 $352 000 以上) トップ 5%-1% (2010年の年間所得 $150 000 - $352 000) トップ 10%-5% (2010年の年間所得は $108 000 -$150 000)
  • 67. 20% 25% 30% 35% 40% 45% 50% 1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010 全体の中のトップ十分位シェア(所得または賃金) 1970 年代以来の所得格差上昇は、主に賃金格差で生じたものだ。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図8.7 米国の高所得と高賃金 1910-2010年 総所得に占める所得トップ十分位のシェア キャピタルゲインを除いたシェア 総賃金に賃金トップ十分位が占めるシェア
  • 68. 0% 2% 4% 6% 8% 10% 12% 14% 16% 18% 20% 22% 24% 1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010 全体の中のトップ百分位シェア(所得または賃金) 1970 年代以降のトップ1 パーセントの最高所得の上昇の大部分は、トップ1 %の最高賃金の上昇によるものだ。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図8.8 米国のトップ1 パーセントの推移 総所得に占める所得トップ百分位のシェア キャピタルゲインを除いたシェア 総賃金に賃金トップ百分位が占めるシェア
  • 69. 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% P90-95 P95-99 P99-99.5 P99.5-99.9 P99.9-99.99 P99.99-100 各種分位の所得種別構成比 所得トップ十分位の上のほうにいくにつれ、労働所得はますます重要性を失う。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図8.9. 1929 年における米国のトップ所得内訳 労働所得 資本所得 混合所得
  • 70. 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% P90-95 P95-99 P99-99.5 P99.5-99.9 P99.9-99.99 P99.99-100 各種分位の所得種別構成比 資本所得が主体になるのは2007 年には上位0.1 パーセントだが、1929 年では上位1%だった。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図8.10. 2007 年における米国のトップ所得内訳 労働所得 資本所得 混合所得
  • 71. $0.0 $1.2 $2.4 $3.6 $4.8 $6.0 $7.2 $8.4 $9.6 $10.8 $12.0 0 € 1 € 2 € 3 € 4 € 5 € 6 € 7 € 8 € 9 € 10 € 1950 1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 最低時給 2013 年の購買力平価にすると、1950 年から2013 年までに、最低賃金は米国では時給3.8 ドルから7.3 ドルに、フラ ンスでは2.1 ユーロから9.4 ユーロに上昇。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図9.1. フランスと米国の最低賃金 1950-2013 年 フランス (2013年ユーロ、左軸) 米国 (2013年ドル、右軸) ,
  • 72. 0% 2% 4% 6% 8% 10% 12% 14% 16% 18% 20% 22% 24% 1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010 国民所得に占めるトップ百分位シェア すべてのアングロ・サクソン諸国で、国民所得におけるトップ百分位のシェアは1970 年代以降上昇しているが、程 度のちがいはある。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図9.2 アングロ・サクソン諸国における所得格差 1910-2010年 米国 イギリス カナダ オーストラリア
  • 73. 0% 2% 4% 6% 8% 10% 12% 14% 16% 18% 20% 22% 24% 1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010 国民所得に占めるトップ百分位シェア アングロ・サクソン諸国と比較すると、1970 年代以降、大陸ヨーロッパと日本ではトップ百分位のシェアがほとん ど増加していない。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図9.3 大陸ヨーロッパと日本での所得格差 1910-2010年 フランス ドイツ スウェーデン 日本
  • 74. 0% 2% 4% 6% 8% 10% 12% 14% 16% 18% 20% 22% 24% 1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010 国民所得に占めるトップ百分位シェア アングロ・サクソン諸国と比較すると、1970 年代以降、北欧と南欧ではトップ百分位のシェアがほとんど増加して いない。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図9.4 北欧と南欧での所得格差 1910-2010年 フランス デンマーク イタリア スペイン
  • 75. 0% 1% 2% 3% 4% 5% 6% 7% 8% 9% 10% 11% 12% 1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010 トップ0.1%の国民所得シェア アングロ・サクソン諸国では、所得が最も高いトップ0.1 %の国民所得におけるシェアは、1970 年代以降急増して いるが、程度は国によって様々だ。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図 9.5. アングロ・サクソン諸国でのトップ 0.1% の所得シェア 1910-2010年 米国 イギリス カナダ オーストラリア
  • 76. 0% 1% 2% 3% 4% 5% 6% 7% 8% 9% 10% 11% 12% 1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010 トップ0.1%の国民所得シェア アングロ・サクソン諸国と比較すると、大陸ヨーロッパと日本ではトップ0.1 パーセントの所得シェアがほとんど増 加していない。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。. 図 9.6. トップ 0.1% 所得者のシェア: 大陸ヨーロッパと日本 1910-2010年 フランス ドイツ スウェーデン 日本
  • 77. 20% 25% 30% 35% 40% 45% 50% 1900 1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010 トップ十分位の総所得シェア 1950 年代から1970 年代にかけて、トップ十分位の所得のシェアは米国でもヨーロッパでも30~35 %だった。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図9.7. ヨーロッパと米国におけるトップ十分位の所得のシェア 1900-2010年 米国 イギリス ドイツ フランス スウェーデン
  • 78. 25% 30% 35% 40% 45% 50% 1900 1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010 トップ十分位の総所得シェア トップ十分位のシェアは1900-1910 年には米国よりもヨーロッパのほうが高かった。2000-2010 年には米国のほう がずっと高い。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図 9.8. ヨーロッパと米国における所得格差 1900-2010年 米国 ヨーロッパ
  • 79. 0% 2% 4% 6% 8% 10% 12% 14% 16% 18% 20% 22% 24% 26% 28% 1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010 トップ百分位の総所得シェア 所得のトップ百分位シェアで評価した新興経済国の所得不平等は、1980 年代以降増大しているが、2000-2010 年に は米国よりも低い水準にある。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図9.9. 新興経済国の所得格差 1910-2010年 インド 南アフリカ インドネシア アルゼンチン 中国 コロンビア
  • 80. 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 1810 1830 1850 1870 1890 1910 1930 1950 1970 1990 2010 総財産に占めるトップ十分位/百分位のシェア 1810-1919 年にはトップ十分位(最も高い富を持つ上位10 %)が、国富の80-90 %を所有したが、現在は60-65 % だ。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図10.1. フランスの富の不平等 1810-2010年 トップ 10% の富のシェア トップ 1% 財産のシェア
  • 81. 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 1810 1830 1850 1870 1890 1910 1930 1950 1970 1990 2010 総財産に占めるトップ百分位のシェア 第一次大戦前夜にはトップ百分位(富の所有最上位1 %)が、パリの総財産の70%を所有していた。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図10.2 パリとフランスの富と不平等の比較 1810-2010年 トップ1%財産のシェア (パリ) トップ1%財産のシェア (フランス)
  • 82. 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 1810 1830 1850 1870 1890 1910 1930 1950 1970 1990 2010 総財産に占めるトップ十分位/百分位のシェア 1810-1910 年にはトップ十分位が国富の80-90 %を所有し、現在は70 %を所有。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図10.3. イギリスの富の不平等 1810-2010年 トップ 10%の財産シェア トップ 1%の財産シェア
  • 83. 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 1810 1830 1850 1870 1890 1910 1930 1950 1970 1990 2010 総財産に占めるトップ十分位/百分位のシェア 1810-1910 年には最上位10 %が国富の80-90 %、現在では55-60%を握っている。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図10.4. スウェーデンにおける富の格差 1810-2010年 トップ10%の財産シェア トップ1% の財産シェア
  • 84. 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 1810 1830 1850 1870 1890 1910 1930 1950 1970 1990 2010 総財産に占めるトップ十分位/百分位のシェア 富の所有の最上位10 %が、1910 年には国富の80%を、現在は75%を所有している。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図 10.5. 米国での富の格差 1810-2010 年 トップ 10% の財産シェア トップ 1% の財産シェア
  • 85. 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 1810 1830 1850 1870 1890 1910 1930 1950 1970 1990 2010 総財産に占めるトップ十分位/百分位のシェア 20 世紀半ばまで、米国よりもヨーロッパのほうが富の格差は大きかった。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図10.6. ヨーロッパと米国における富の格差の比較 1810-2010年 トップ10%の財産シェア: ヨーロッパ トップ10%の財産シェア: 米国 トップ1%の財産シェア: ヨーロッパ トップ1%の財産シェア: 米国
  • 86. 0% 1% 2% 3% 4% 5% 6% 7% 1820 1830 1840 1850 1860 1870 1880 1890 1900 1910 年収益率または成長率 1820-1913 年のフランスでは、資本収益率は成長率よりもかなり高い。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図 10.7. 資本収益率と成長率、フランス 1820-1913年 純粋な資本収益率 r 国民所得成長率 g
  • 87. 0% 10% 20% 30% 40% 50% 1820 1830 1840 1850 1860 1870 1880 1890 1900 1910 貯蓄率に占める資本のシェア(国民所得の%) 1820-1913年のフランスでは、国民所得における資本所得のシェアは貯蓄率よりもかなり高い。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21cを参照。 図 10.8. 資本シェアと貯蓄率、フランス 1820-1913年 資本シェア α 貯蓄率 s
  • 88. 0% 1% 2% 3% 4% 5% 6% 0-1000 1000-1500 1500-1700 1700-1820 1820-1913 1913-1950 1950-2012 2012-2050 2050-2100 年収益率または成長率 税引き前の資本収益率は世界経済成長率よりも常に高いが、その差は20世紀に減少し、21世紀には再び拡 大している。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21cを参照。 図 10.9. 世界的な資本収益率と経済成長率の比較 古代から2100年 純粋な資本収益率 r (税引き前) 世界産出成長率 g
  • 89. 0% 1% 2% 3% 4% 5% 6% 0-1000 1000-1500 1500-1700 1700-1820 1820-1913 1913-1950 1950-2012 2012-2050 2050-2100 年収益率または成長率 20世紀中、資本収益率(税引き後、キャピタル・ロス計上後)は成長率を下回ったが、21世紀には再び上 回った。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21cを参照。 図 10.10. 世界的な税引き後資本収益率と経済成長率 古代から2100年 純粋な資本収益率 (税引き後、 キャピタル・ロス計上後) 世界産出成長率 g
  • 90. 0% 1% 2% 3% 4% 5% 6% 0-1000 1000-1500 1500-1700 1700-1820 1820-1913 1913-2012 2012-2100 2100-2200 年収益率または成長率 (税引き後、キャピタル・ロス計上後)利益率は20世紀を通じて成長率を下回ったが、21世紀になると再 び上回った。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21cを参照。 図 10.11. 世界的な税引き後利益率と成長率 古代から2200年 純粋な資本収益率 r (税引き後、 キャピタル・ロス計上後) 世界産出の成長率 g
  • 91. 1872 42% 29% 13% 56% 15% 19% 13% 9% 2% 1912 36% 25% 11% 62% 20% 19% 14% 9% 3% 1872 43% 30% 13% 55% 16% 16% 13% 10% 2% 1912 32% 22% 10% 65% 24% 19% 14% 8% 2% 1872 42% 27% 15% 56% 14% 22% 13% 7% 2% 1912 41% 30% 12% 55% 14% 18% 15% 9% 3% 1872 27% 1% 26% 62% 13% 25% 16% 9% 11% 1912 31% 7% 24% 58% 12% 14% 14% 18% 10% 表 10.1. パリ住民資産ポートフォリオ構成 1872ー1912年 不動産 (土地、 建物、家屋) 金融資産 株 社債 家具宝石等国債 その他金融資 産 (現預金等) 次の9%資産保有者ポートフォリオ構成 次の40%のポートフォリオ構成 注: 1912年、パリの全ての富の36%が不動産で、金融資産が62%、家財、宝石などが3%だった。出所: piketty.pse.ens.fr/capital21cを参照。 総財産の構成比 トップ1%資産保有者ポートフォリオ構成 うち地方部不動 産 (パリ以外) うちパリ不動産
  • 92. 0% 4% 8% 12% 16% 20% 24% 28% 32% 36% 40% 1820 1840 1860 1880 1900 1920 1940 1960 1980 2000 相続と贈与の年間価値(国民所得の%) 年間相続フローは、19 世紀と1914 年までは国民所得の20-25 %だった。それが1950 年代には5 %以下に落ち込んだが、 2010 年には15 %まで持ち直した。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図11.1 年間相続フローの対国民所得比、フランス 1820-2010年 経済フロー (国富推計、死亡率表、年齢財産プロフィールより計算) 税収フロー (相続贈与税データから計算、免税資産も含む)
  • 93. 1.0% 1.5% 2.0% 2.5% 3.0% 1820 1840 1860 1880 1900 1920 1940 1960 1980 2000 2020 2040 2060 2080 2100 成人死亡率(%) フランスの死亡率は20世紀を通じて下がった(期待寿命が伸びた)が、21世紀中に(ベビーブームの影響で)いくら か上昇するはずだ。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図 11.2. フランスの死亡率 1820-2100年 成人人口 (20歳以上) 死亡率
  • 94. 20 30 40 50 60 70 80 90 100 1820 1840 1860 1880 1900 1920 1940 1960 1980 2000 2020 2040 2060 2080 2100 平均年齢 平均(成人)死亡年齢は20 世紀中に60 歳以下から80 歳近くに、平均相続時年齢は30 歳から50 歳に高齢化し た。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図11.3 平均死亡年齢と平均相続年齢、フランス 1820-2100年 成人死者 (20歳以上) の平均年齢 相続人の平均年齢 (直系子孫)
  • 95. 1.0% 1.5% 2.0% 2.5% 3.0% 3.5% 4.0% 4.5% 1820 1840 1860 1880 1900 1920 1940 1960 1980 2000 年間移転率または死亡率 2000-2010 年には死亡率は1.2%に対し、相続の年次フローは総財産の約2.5 %に相当している。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図11.4 相続フロー対死亡率、フランス 1820-2010年 年間相続フロー、総民間財産の比率と して (年間移転率) 成人人口(20歳以上)の年間死亡率
  • 96. 60% 80% 100% 120% 140% 160% 180% 200% 220% 240% 260% 1820 1840 1860 1880 1900 1920 1940 1960 1980 2000 死者と存命者の財産額比率 2000-2010 年の平均死亡時財産は、生前贈与を除外すると、平均生存時財産より20 %高いが、贈与を含めると2 倍になる。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図11.5 平均生存時財産と平均死亡時財産比率、フランス 1820-2010年 生前贈与を考慮しない比率 生前贈与を加算して得られた比率
  • 97. 0% 4% 8% 12% 16% 20% 24% 28% 32% 36% 40% 1820 1840 1860 1880 1900 1920 1940 1960 1980 2000 2020 2040 2060 2080 2100 遺産と贈与の年間価値(国民所得の%) 理論モデルに基づいたシミュレーションは、21 世紀における相続フローは成長率と純 資本率によって決まることを 示している。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図11.6 相続フローの実測値と今後のシミュレーション、フランス 1820-2100年 実測値 シミュレーション結果 (2010-2100: g = 1,7%, r = 3,0%) シミュレーション結果 (2010-2100: g = 1,0%, r = 5,0%)
  • 98. 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 1850 1870 1890 1910 1930 1950 1970 1990 2010 2030 2050 2070 2090 相続財産の累積価値(生存者総財産の%) 19 世紀フランスでは相続財産は総財産の80-90 %に相当した。このシェアは 20 世紀には40-50 %まで下落したが、21 世紀 には80-90 %まで回復 しそうだ。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図11.7 相続財産が国富に占めるシェア、フランス 1850-2100年 相続財産のシェア (2010-2100: g=1,7%, r=3,0%) 相続財産のシェア (2010-2100: g=1,0%, r=5,0%)
  • 99. 0% 4% 8% 12% 16% 20% 24% 28% 32% 36% 40% 1820 1840 1860 1880 1900 1920 1940 1960 1980 2000 相続財産と贈与の年間価値(家計可処分所得の%) 世帯可処分所得に占める割合として示した年次相続フローは、2010 年には20 パーセ ント、つまり19 世 紀と同じ水準に達した。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図11.8 世帯可処分所得に年次相続フローが占める割合、フランス 1820-2010年 経済フロー (国富推計、死亡率表、年齢財産プロ フィールより計算) 税収フロー (相続贈与税データから計算、免税資産 も含む)
  • 100. 4% 8% 12% 16% 20% 24% 28% 32% 36% 1790 1810 1830 1850 1870 1890 1910 1930 1950 1970 1990 2010 2030 各コーホートの総リソースに占める相続のシェア 相続は19 世紀コーホートのリソースの約25 %を占めたが、1910 ー1920年生まれのコーホートになるとそ れが10 %以下になる(これらの人々は1950-1960 年に相続を受けるはずだった)。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図11.9 1790-2030 年に生まれたコーホートの(労働と相続による)総リソース に占める相続のシェア 総平均リソースに占める相続のシェアを誕生年の関数とし て示したもの (遺産、贈与、労働所得フローは50歳時点で 資本化) (2010-2100: g=1,7%, r=3,0%)
  • 101. 0 5 10 15 20 25 30 1790 1810 1830 1850 1870 1890 1910 1930 1950 1970 1990 2010 2030 底辺50%の賃金生活者の平均賃金の倍数 19 世紀には、相続者トップ1 %が享受できる生活水準は、労働による稼ぎ手トップ1 %よりもずっと高 かった。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図11.10 1790-2030 年生まれのコーホートにとってのラスティニャッ クのジレンマ トップ1%相続人の生活水準 トップ1%労働所得者の生活水準 (底辺50%の 賃金生活者の生活水準倍数、誕生年の関数と して表現)
  • 102. 0% 2% 4% 6% 8% 10% 12% 14% 16% 1790 1810 1830 1850 1870 1890 1910 1930 1950 1970 1990 2010 2030 各コーホートの比率 1970-1980 年生まれのコーホートのうち12-14パーセントの人が、最も賃金の低い50パーセントの労働者 の生涯労働所得に相当する相続を受けている。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を 参照。 図11.11 生涯労働所得に相当する相続を受けるのは、コーホートのうちの何 パーセントか? 相続財産として、底辺50%労働所得者の生涯労働所得相当額以上を受 け取る人が各コーホートに占める割合 (誕生年の関数として)
  • 103. 0% 4% 8% 12% 16% 20% 24% 1900 1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010 遺産や贈与の年間価値(国民所得の%) 相続フローはイギリスやドイツでもフランス同様にU 字曲線を描く。この期間の終わりについては、イギ リスにおける贈与が過小評価されているかもしれない。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図11.12 1900-2010 年のヨーロッパにおける相続フロー フランス イギリス ドイツ
  • 104. 1820 29% 37% 47% 100% 134% 148% 153% 1850 28% 37% 52% 100% 128% 144% 142% 1880 30% 39% 61% 100% 148% 166% 220% 1902 26% 57% 65% 100% 172% 176% 238% 1912 23% 54% 72% 100% 158% 178% 257% 1931 22% 59% 77% 100% 123% 137% 143% 1947 23% 52% 77% 100% 99% 76% 62% 1960 28% 52% 74% 100% 110% 101% 87% 1984 19% 55% 83% 100% 118% 113% 105% 2000 19% 46% 66% 100% 122% 121% 118% 2010 25% 42% 74% 100% 111% 106% 134% 出所:piketty.pse.ens.fr/capital21c, table 2 参照 80 歳以上 各年代の平均財産 (50-59歳平均財産の %) 1820 年に60 代個人の平均的な富は、50 代の平均より34% 多く、80 歳以上の富は50 代より富が53% 多かった。 表11.1 フランスの年齢ー財産プロフィール 1820-2010年 20-29 歳 30-39 歳 40-49 歳 50-59 歳 60-69 歳 70-79 歳
  • 105. 0 400 800 1,200 1,600 2,000 2,400 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 1987 1990 1993 1996 1999 2002 2005 2008 2011 1987 年から2013 年にかけて、億万長者の数は『フォーブス』誌によれば、140 人から1400 人に増え、その総資は 3000 億ドルから5.4 兆ドルに増えた。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図12.1 『フォーブス』による世界の億万長者たち 1987-2013年 億万長者たちの総資産 (10億ドル) (左軸) 世界の億万長者人数 (右軸) ,
  • 106. 0 5 10 15 20 25 30 35 40 0.0% 0.2% 0.4% 0.6% 0.8% 1.0% 1.2% 1.4% 1.6% 1987 1990 1993 1996 1999 2002 2005 2008 2011 1987 年から2013 年にかけて、成人1 億人あたりの億万長者の数は5 人から30 人に増え、その総民間資産に占める シェアは0.4 %から1.5 %に上がった。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。. 図12.2 世界人口と世界総資産に占める億万長者たちの比率 1987-2013年 億万長者たちの総資産が総民間資本に占める シェア (左軸) 成人1億人あたりの億万長者数 (右軸) ,
  • 107. 0.0% 0.1% 0.2% 0.3% 0.4% 0.5% 0.6% 0.7% 0.8% 0.9% 1.0% 1987 1990 1993 1996 1999 2002 2005 2008 2011 世界民間資本に占めるシェア 1987 年から2013 年にかけて、トップ2 千万分の1 のシェアは世界資産の0.3 %から0.9 %になり、トップ一億分の1 のシェアは0.1 %から0.4 %に上がった。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図12.3 世界の富のトップ区分の資産シェア 1987-2013年 トップ2千万分の1分位の財産シェア トップ一億分の1分位の富のシェア ,
  • 108. 100% 200% 300% 400% 500% 600% 700% 800% 1870 1890 1910 1930 1950 1970 1990 2010 2030 2050 2070 2090 民間資本の価値(世界所得の%) シミュレーション(中位シナリオ)によれば、世界の資本/所得比率は21 世紀末には700 %近くになるかもしれな い。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図12.4 世界の資本/所得比率 1870-2100年 実測値 予測値 (中位 シナリオ)
  • 109. 0% 100% 200% 300% 400% 500% 600% 700% 800% 1870 1890 1910 1930 1950 1970 1990 2010 2030 2050 2070 2090 民間資本の価値(世界所得の%) 中位シナリオ21 世紀末までにアジア諸国が世界資本の半分くらいを所有するようになる。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図12.5 世界の資本分配 1870-2100年 アジア ヨーロッパ アメリカ大陸 アフリカ
  • 110. -8% -6% -4% -2% 0% 2% 4% 6% 8% 10% 1985 1990 1995 2000 2005 純外国資産(世界産出の%) タックス・ヘイブンに保有されてている未登録の金融資産は、富裕国の公式純外国債務額よりも大きい。 出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図12.6 富裕国の純外国資産ポジション 日本 米国 富裕国 (日本 + ヨーロッパ + 米国) タックス・ヘイブン保有の未登録金融資産推定 (下限) ヨーロッパ
  • 111. トップ1/1億の億万長者 (1980年代には成人30億人中30人、2010年代には成人45億人中45人ほど) 6.8% トップ1/2千万の億万長者 (1980年代には成人30億人中150人ほど、2010年代には成人45億人中225人ほど) 6.4% 成人の財産世界平均 2.1% 成人所得の世界平均 1.4% 世界成人人口 1.9% 世界 GDP 3.3% 1987-2013 年に、世界最高の資産分位に属する財産は年率6%-7% のびたが、世界の富全体ののびは2.1% で、世界平均所得は1.4% ののびだった。全成長率は インフレ除外済み(同期のインフレは年率2.3%)。 出所: piketty.pse.ens.fr/capital21cを参照。 表12.1 世界のトップ資産成長率 1987-2013年 年成長率平均(インフレ差し引き済み ) 1987-2013
  • 112. 全大学(850 校) 8.2%  ハーヴァード大、イェール大、プリンストン大 10.2% 10 億ドル以上の基金(60 校) 8.8% 5-10 億ドルの基金(66 校) 7.8% 1-5 億ドルの基金(226 校) 7.1% 1億ドル未満の基金 (498校) 6.2% 1980-2010 年に、米国大学は資本基金に対する実質収益率8.2%を得ており、基金が大きいと収益率はさらに高かった。ここに示した収益率は すべてインフレ除外済み(同期のインフレは年率2.4%) で管理費用と金融費用差し引き後。出所:piketty.pse.ens.fr/capital21c 表12.2 米国大学の資本基金収益率 1980-2010年 年平均実質成長率 (インフレ補正済後 管理費用差し引き後 金融費用差し引き後 ) 期間 1980-2010
  • 113. 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 1870 1890 1910 1930 1950 1970 1990 2010 総税収(国民所得の%) 金持ち国では、1900-1910 年まで税収は国民所得の10 %以下だった。それが2000-2010 年では、国民所得の 30~55 %となっている。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図13.1 金持ち国の税収 1870-2010 年 スウェーデン フランス イギリス 米国 ,
  • 114. 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 1900 1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010 最高所得者に適用される限界税率 所得税の最高限界税率(最高の所得に適用されるもの)は、米国では1980 年に70%だったのが、1988 年には28 % まで下がった。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図14.1 最高所得税率 1900-2013年 米国 イギリス ドイツ フランス
  • 115. 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 1900 1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010 最高の相続財産に適用されるトップ限界税率 所得税の最高限界相続税率(最高の相続財産に適用されるもの)は、米国では1980年に70%だったのが、1988 年に は35 %まで下がった。出所と時系列データ:http://piketty.pse.ens.fr/capital21c を参照。 図14.2 最高相続税率 1900-2013年 米国 イギリス ドイツ フランス