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【公開用】新しい短歌、あなたもつくるんです(大阪短歌チョップ2 ws)

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2017年2月25日にまちライブラリー@大阪府立大学にて開催されたイベント「大阪短歌チョップ2」の一部として実施したワークショップ「新しい短歌、あなたもつくるんです ――短歌ゴコロのに火をつける」の発表資料です。

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【公開用】新しい短歌、あなたもつくるんです(大阪短歌チョップ2 ws)

  1. 1. 【公開用スライド】【ワークショップ】 新しい短歌、 あなたもつくるんです ーー短歌ゴコロに火をつける 大阪短歌チョップ2 まちライブラリー@大阪府立大学 2017年2月25日 16:30〜18:00 中島裕介(未来短歌会所属)
  2. 2. ワークショップ(WS)のねらい 本日はお集まりくださりありがとうご ざいます。 1時間半しかないですし、最初に結論 を言っちゃいますね。 2
  3. 3. ワークショップ(WS)のねらい なんでもいいから (短歌)書けよ! (以上) 3
  4. 4. ワークショップ(WS)のねらい まあ、これじゃ身も蓋もないし、そう 言われてやる気が出るなら、誰も困り ませんよね。┐(´д`)┌ヤレヤレ 4
  5. 5. ワークショップ(WS)のねらい そこで、今回のWSを通じて、私が「短歌 を作り続ける」ために、自分自身をどう励 まさないといけなかったのかを、恥ずかし ながら、みなさんと共有します。 そうすることで、みなさんが「短歌を作り 続ける」場合やそれ以外の場で、ご自身を 励ます際、その方法を模索する助けになれ ばと願っています。 5
  6. 6. ワークショップ(WS)の 主な話題と今日の流れ 1.自己紹介・テーマの導入(20分) 2.短歌の詠み方・作り方を考える (55分)(提出課題を元に) 3.テーマの振り返り (10〜15分) 4.質疑応答(0〜5分) (時間が足りなければ、WS終了後にも質疑 応答を受け付けます。) 6
  7. 7. 注意事項 今回のWSでは、「3人1組をグループとし て、グループごとに話をしてもらうパー ト」を設けます。 • 事前申し込みしてくださった方は前方の 椅子に、 • 事前申し込みしてないけれど、WSを体験 してみたい方、聞いてみたい方はちょっ と後ろの椅子に それぞれおかけください。
  8. 8. 注意事項 • 入退室は自由ですが、事前申し込みをし てくださった方はWS全体に、なるべくお 付き合いいただければ幸いです。 • このWSで使用したスライドのプリントア ウトはWS終了後に配布します。 • 今日のスライドは必要な修正を加えた上 で、後日ウェブにアップロードします。 (過去のWSのスライドとあわせて http://www.slideshare.net/yukashima にアップロードします。)
  9. 9. 1.自己紹介・テーマの導入 まずは私の簡単な自己紹介から。 9
  10. 10. 1.自己紹介・テーマの導入 中島裕介(なかしまゆうすけ): 高校3年生で作歌をはじめる 2008年以降3冊の歌集を刊行 (今年夏に歌集など2冊を刊行予定) 10 (Photo by 田中ましろ) (物販コーナーで取り扱っていただいているはずなので、もしよろしければご覧ください。)
  11. 11. 1.自己紹介・テーマの導入 「(比較的)普通の短歌」と 「(ちょっと)変な短歌」 を作っています。 < (比較的)普通の短歌の例> 世界ではいつもどこかで夕暮れが来るので 傷んだ洋梨を剥く 中島裕介 11
  12. 12. 自己紹介 中島裕介(なかしまゆうすけ) <ちょっと変な短歌の例> 中島裕介12
  13. 13. 1.自己紹介・テーマの導入 みなさんのこともぜひ、教えてください。 各グループで、お一人につき1分程度で • お名前 • 短歌関係で所属しているグループ(あれば) • 短歌を作り始めてからどれくらい経つか • (時間があれば)このWSでの希望や抱負 を一言ずつ話してください。 私は各グループを回っていきます。 13
  14. 14. 1.自己紹介・テーマの導入 自己紹介、ありがとうございました! では、本題に入っていきます。 14
  15. 15. 1.自己紹介・テーマの導入 私はさきほどご覧いただいたとおり 「(比較的)普通の短歌」も、 「(ちょっと)変な短歌」も作ります ……が。 「アレってホンマに新しいの?」って 聞かれても私自身大いに疑問がありま すよ? 15
  16. 16. 1.自己紹介・テーマの導入 でも! だからこそ! 「それでも〈新しい短歌〉を作ろうと 考えていること」が大事だと考えてい ます。そう信じていると言っていい。 じゃ、 〈新しい短歌〉ってなにか? ここでいう〈新しい短歌〉には、いく つかのレベルがあると思います。 16
  17. 17. 1.自己紹介・テーマの導入 1. 自分にとって作り方やモチーフが同じでも、1つの作品 として作った「新作」 2. 自分にとって作り方やモチーフを変えて、作品を作っ てみた「挑戦的な作品」 3. どんな人に読んでもらうか、ターゲットを変えた「新 しい見せ方」(中身が変わってなくてもよい) 4. 読んでくれた人にとって見たことがない「斬新な作 品」 5. 一般的な短歌観や歌壇、文学観などを変える「革新的 な作品」 など。1〜5を兼ね備えたものも、当然、あります。 (「●●な作品」は中島による仮の分類です) 17
  18. 18. 1.自己紹介・テーマの導入 区分の切り口を変えれば、作り方やテーマ が • 作者個人のなかで同じか、違うか • 読者が同じか、違うか • 読者個人のなかで同じか、違うか(似て いるか、大きく違うか) • (もっと大きな<流れ>の中で)突出し ているか、否か という違いだ、ともいえるでしょう。 18
  19. 19. 1.自己紹介・テーマの導入 そこで、一つ質問があります。 あなたは ・誰が(誰に・誰を) ・どうなると楽しい/嬉しい から短歌を作っていますか? 1〜2分ほど差し上げますので、お手元の紙 に書いてみてください(複数回答可としま す)。 19
  20. 20. 1.自己紹介・テーマの導入 書き終わったら、みなさんの回答を、グ ループごとに見せあってみてください。 ちょっと恥ずかしいかもしれませんけれど ……。 • 何が一番大事か • どんな回答が多いか • それはなぜか をインタビューし合ってみてください。こ れも2〜3分ほど取りますね。 20
  21. 21. 1.自己紹介・テーマの導入 例解はこんなあたりでしょうか。 • 自分が書くことで新しい発見をでき ることが楽しい • 新しい友達が短歌を通じて、増える ことが楽しい • 短歌に詳しい人が自作を褒めてくれ ることが楽しい 21
  22. 22. 1.自己紹介・テーマの導入 実際にはどういう回答が多かったで しょうか? グループごとに、どういう回答があっ たか教えてください。 22
  23. 23. 1.自己紹介・テーマの導入 ありがとうございます。 これをお伺いしたのは、あなたにとって短 歌を作ることが • 「自分のため」か「他人(読者)のた め」か • その先に、どんな楽しみや喜びを期待し ているか を考えていただきたかったからです。 23
  24. 24. 1.自己紹介・テーマの導入 「自分のため」でも 「他人(読者)のため」でも どちらでも正しい、と私は考えます。 誰もがその間にいて、絶えずゆらゆらと動 いている(そして、たぶん、そのほかの要 素もある)。 24 自分のため 読者のため
  25. 25. 1.自己紹介・テーマの導入 「自分(作者)にとって楽しい」も 「他人(読者)にとって楽しい」も どれも含めて、なるべく多くの人にとって、 より楽しいのが、みんな幸せで望ましいは ず。 (「はず」ってだけなので、色んな動機・可能性があると 思いますが。) そのために、何ができるんでしょう? 25
  26. 26. 1.自己紹介・テーマの導入 とはいえ、 「作者にできるこ と」って限られますよ ね? さっきの区分を振り返ってみましょう。
  27. 27. 1.自己紹介・テーマの導入 つまり、作り方やテーマが • 作者個人のなかで同じか、違うか • 読者が同じか、違うか • 読者個人のなかで同じか、違うか(似て いるか、大きく違うか) • (もっと大きな流れの中で)突出してい るか、否か という基準があります。 作者自身の意思では ・作り方やテーマを変える ・読者や発表媒体を変える くらいしかコントロールできない
  28. 28. 1.自己紹介・テーマの導入 つまり、作り方やテーマが • 作者個人のなかで同じか、違うか • 読者が同じか、違うか • 読者個人のなかで同じか、違うか(似て いるか、大きく違うか) • (もっと大きな流れの中で)突出してい るか、否か という基準があります。 ましてや、こっちを直接変えるのは無理。 これらを意識して作り方やテーマを変える のも、大変な勉強が必要になる。 (国内外の歴史も言語も作品も……)
  29. 29. 1.自己紹介・テーマの導入 どれも、大変なことだよなあ……。 だから、「短歌を詠む/歌う/作る」 ときには、大変すぎない範囲で、無理 をしすぎない範囲で、楽しんでほしい。
  30. 30. 1.自己紹介・テーマの導入 特に「あなた自身にとって楽しい」を 優先してほしい。 だって、人は、いつか面倒になったり、 飽きたりしてしまうものだから。
  31. 31. 1.自己紹介・テーマの導入 例えば、普段と違う作り方やテーマに しなくても「新作」、新しい1首は作 れます。 ことばを選び、書き、声にし、「新 作」を1首でも、その原型、歌の中の1 句だけでも書くことがなにより大事だ し、ほんの少しでもことばにできるこ と自体を目一杯楽しんでほしい。
  32. 32. 1.自己紹介・テーマの導入 じゃ、どうやったら飽きずにいられる のか。 私は基本的には「ちょっとずつでも、 変わっていること」「成長を感じられ ること」だと思います。
  33. 33. 1.自己紹介・テーマの導入 ちょうどいい記事が先日ウェブに上がっ てました。日本人初のプロゲーマー梅原 大吾氏曰く「『ゲームに飽きる』のは、 ゲームではなく、成長しないことに飽き ること」だ、と。 http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1701/23/ne ws074.html
  34. 34. 1.自己紹介・テーマの導入 なら、ちょっとずつでいい、「成長し た」「変わった」「積み上げられ た」って思えるように、自分の環境を 工夫してみませんか? たとえば
  35. 35. 1.自己紹介・テーマの導入 つまり、作り方やテーマが • 作者個人のなかで同じか、違うか • 読者が同じか、違うか • 読者個人のなかで同じか、違うか(似て いるか、大きく違うか) • (もっと大きな流れの中で)突出してい るか、否か という基準があります。 作者自身の意思では ・作り方やテーマを変える ・読者や発表媒体を変える くらいしかコントロールできない コントロールできそうなところを なるべく「コントロールしてみよう」= 「自分の短歌を少しずつ成長させてみ よう」
  36. 36. 1.自己紹介・テーマの導入 引いては、それが……
  37. 37. 1.自己紹介・テーマの導入 つまり、作り方やテーマが • 作者個人のなかで同じか、違うか • 読者が同じか、違うか • 読者個人のなかで同じか、違うか(似て いるか、大きく違うか) • (もっと大きな流れの中で)突出してい るか、否か という基準があります。 こっち直接変えるのは無理。 これらを意識して作り方やテーマを変える のも、大変な勉強が必要になる。 (国内外の歴史も言語も作品も……) 「自分の短歌の作り方を成長させる」 ために、日常の見方をほんの少し、変 えることができないだろうか?
  38. 38. 1.自己紹介・テーマの導入 と、私は考えます。 「日常の見方」を、ゲームの中のアイ テムみたいに増やせるんじゃないかな、 と思っているんです。 今日は、グループごとに「日常の見 方」を話し合ってもらうことで。
  39. 39. 1.自己紹介・テーマの導入 今日は時間の都合もあって、ここまで書い た中でも、 1.日常の目線を、意識し直してみよう 2.日常の目線で見たものを、ことばに する方法を、意識し直してみよう という2つのテーマに焦点を絞って進めま す。 39
  40. 40. 2.短歌の詠み方・作り方を 考える さて、 ワークショップらしいことをはじめて みましょう。 40
  41. 41. 2.短歌の詠み方・作り方を 考える 今日は、先程の2つのテーマを具体化してみ ると、更に次のような4つのポイントに分け ることができます。 1.日常の目線を、意識し直してみよう (1)ことばから映像を思い浮かべて みる (2)映像の中のポイントを見つけて みる 41
  42. 42. 2.短歌の詠み方・作り方を 考える 2.日常の目線で見たものを、ことばに する方法を、意識し直してみよう (3)映像の中のポイントに沿ってこ とばを考えてみる (4)映像を撮った人は何に注目して 短歌にしたか考えてみる。 今日はこれらの4つのポイントを、手早く やってみよう、と思います。 42
  43. 43. 2.短歌の詠み方・作り方を 考える まず 1(1)ことばから映像を思い浮かべ てみる ことから。 43
  44. 44. 2.短歌の詠み方・作り方を 考える 一つ、簡単な実験をしてみましょう。 WSをご覧になっている方に画像を1つご覧 いただいて、30秒で説明してもらいます。 みなさんは、説明からその画像を思い浮か べてみてください。 参加してくださっている方のうち、なるべ く<事前申し込みをなさらなかった方>に、 どなたかご協力いただけないでしょうか? 44
  45. 45. 2.短歌の詠み方・作り方を 考える ご協力ありがとうございます。 では、一旦プロジェクタを切ります。 ランダムな画像を見ながら、30秒で説明し ていただきます。画像は https://www.flickr.com/から選びます。 メモを取っていただいても、絵を描いてい ただいても構いません。 45
  46. 46. 46 (① https://www.flickr.com/ から適当 に選んだ画像を、PCにのみ表示し ②それを参加者のうち1名だけに見てもらい、 画像について口頭で説明をしてもらいます。 ③画像の説明を聞いた参加者が画像の様子 を思い浮かべられるか、タイトルをつける としたらどんなものかを答えてもらいます。 ④最後に元の画像をプロジェクタで投影し、 口頭の説明で抱いたイメージとどれくらい 異なるか、各人で考えてもらいます。)
  47. 47. 2.短歌の詠み方・作り方を 考える ご協力ありがとうございました。 みなさんは口頭で聞いた説明から画像が思 い浮かべられましたか? 47
  48. 48. 2.短歌の詠み方・作り方を 考える まず、説明された画像がどこを写したもの か、一言でまとめることができますか? たぶん、一言で答えることができる人はほ とんどいらっしゃらないと思います。 48
  49. 49. 2.短歌の詠み方・作り方を 考える 思い浮かんだとしても、それは「あな たが見たことのある映像・風景や、想 像したことのある光景」ではなかった ですか? 49
  50. 50. 2.短歌の詠み方・作り方を 考える 短歌に引きつけていえば、 • シンプルな描写でも、思ったように は伝わらない • 描写を聞いた側・読んだ側の経験や 想像にもとづいてしか伝わらない んです。 50
  51. 51. 2.短歌の詠み方・作り方を 考える じゃあ、どうしたら、少しでもより伝 えられるようになるのか? 「少しでもより伝えられるように」す るために、作者はなにがコントロール できるのか? ちょっと思い出してみましょう。 51
  52. 52. 1.自己紹介・テーマの導入 つまり、作り方やテーマが • 作者個人のなかで同じか、違うか • 読者が同じか、違うか • 読者個人のなかで同じか、違うか(似て いるか、大きく違うか) • (もっと大きな流れの中で)突出してい るか、否か という基準があります。 作者自身の意思では ・作り方やテーマを変える ・読者や発表媒体を変える くらいしかコントロールできない コントロールできそうなところを なるべく「コントロールしてみよう」= 「自分の短歌を少しずつ成長させてみ よう」
  53. 53. 2.短歌の詠み方・作り方を 考える さきほど「作者にコントロールできる もの」として • 作り方 • テーマ • 読者 • 発表媒体 をあげました。 53
  54. 54. 2.短歌の詠み方・作り方を 考える このうち、先に挙げた2つは • 作り方=ことばの選び方 • テーマ=題材や着眼点の選び方 と、言い換えることができるでしょう。 54
  55. 55. 2.短歌の詠み方・作り方を 考える そこで、次は「題材や着眼点」に関わ る 1(2)映像の中のポイントを見つけ てみる 2(3)映像の中のポイントに沿って ことばを考えてみる を、同時にやってみます。 55
  56. 56. 2.短歌の詠み方・作り方を 考える 今度は、実際にみなさんにご提出いた だいた画像を配布しますね。 なお、このプリントには、一緒にご提 出いただいた短歌をつけていません。 56
  57. 57. 2.短歌の詠み方・作り方を 考える ①まずは、それぞれの画像を眺めてみてく ださい。 ②自分が撮った画像以外の画像について、 「自分ならここを見るなー」「ここを短歌 にするなー」と思った箇所を1つ以上見つけ て、色ペンでマルをつけてみてください。 ③色ペンでマルをつけた場所を、どんな言 葉で表現するか、考えてみてください。 57
  58. 58. 2.短歌の詠み方・作り方を 考える ④マルをつけた箇所を言葉にするとき、以 下のような方法があります。 • 直接指し示す • 指し示したものと画像全体の関係を示す • 形容詞で示す • 比喩的に示す • 指し示したものの、もっと細かいポイントに焦点を当て る • (どういう動きをしそうか)動詞で示す • (どういう来歴を経てきたか)想像してみる 58
  59. 59. 2.短歌の詠み方・作り方を 考える 例として自作自演してみますね。これは私 の住むマンションで、私が撮った画像です。 59
  60. 60. 2.短歌の詠み方・作り方を 考える 60
  61. 61. 2.短歌の詠み方・作り方を 考える 61 ?
  62. 62. 2.短歌の詠み方・作り方を 考える 62 • 折り鶴 • オレンジ色? • 踏まれた? • 落ちた?
  63. 63. 2.短歌の詠み方・作り方を 考える 63 • 折り鶴 • オレンジ色? • 踏まれた? • 落ちた? でも、これに着目するの、 ベタ過ぎやない……?
  64. 64. 2.短歌の詠み方・作り方を 考える 64 • 折り鶴 • オレンジ色? • 踏まれた? • 落ちた? • トランクや…… • 布がズレてる • 使われたのか な? • ヨレヨレや なー…… • 縁、黒すぎ やろ • 洗えへんの かな…… • 折り目が正し くない(カド が丸い) • エレベーター。 • 人は乗ってな い(乗ろうと していた)
  65. 65. 2.短歌の詠み方・作り方を 考える 私の場合はこんな感じです。 画像1枚につき1分として今から3分間、マ ルをつけてみてください。 時間があまった人は、自分の画像にもマル を付けてみてください。 (自分自身で短歌を作った着目点も、それ 以外の点も) 65
  66. 66. 2.短歌の詠み方・作り方を 考える できましたか? できたら、同じグループの人同士で見せ あってみてください。 • 同じ箇所、違う箇所にマルをしているか • マルをつけた箇所にどんなことばを添え ましたか? 66
  67. 67. 2.短歌の詠み方・作り方を 考える どの画像を撮ってきたのかも違う。 画像の中の着眼点も違う。 着眼点をどう見るかも違う。 着眼点を同じように見ても、ことばにする 仕方も違う。 そういう無数の分岐・無限の可能性の中か ら、私たちはことばを選択しています。 67
  68. 68. 2.短歌の詠み方・作り方を 考える その、無限にある「ことばの選択」の際に 少しでも絞り込んだことばから選べるよう にする=前提になる情報量を増やしすぎな い=無理をしすぎないために、「短歌の定 型がある」と考えることもできます。 ひとまず、5・7調になりそうなことばを選 んでみる。 例えば、私の例なら…… 68
  69. 69. 2.短歌の詠み方・作り方を 考える 69 オレンジ色の折 鶴の首に子供の スニーカー跡 閉じた棺を運ぶ ため開かれたで あろうトランク まっすぐに揃わ ない壁紙 (カーペッ ト?) 隅っこは隅っこ のままこの世全 てのアクを引き 取る 折り目正しくな いエレベーター 人のいないエレ ベーターは明る くて明るくて人 のいなくて暗い
  70. 70. 2.短歌の詠み方・作り方を 考える 余談ですが、「定型のほうが面倒やな いかい!」ってツッコむときがいつか きっと来ることでしょう。 それはそれで、いいんです。 着眼点も、使いたい語彙も増えたって ことですから。あなたが成長したから こそ、です。――その上で、書くこと を続けてくださると嬉しいです。 70
  71. 71. 2.短歌の詠み方・作り方を 考える 閑話休題。 最初に「風景を説明したことばから、 映像を思い浮かべる難しさ」を体験し ていただきました。 次に「風景をことばにしようとすると きに、幾つもの着眼点と、ことばがあ りうること」を見ていただきました。 71
  72. 72. 2.短歌の詠み方・作り方を 考える 「ことばを聞いても読んでも、像を結 ぶのは難しい」 「画像からことばにしても、それが伝 わるかどうかわからない」 と、難しいことだらけです……。 72
  73. 73. 2.短歌の詠み方・作り方を 考える じゃあ、あなたが撮った画像やあなた の見た風景を、どうすれば、ことばで より伝えられるようになるのか? 73
  74. 74. 2.短歌の詠み方・作り方を 考える それを考えるために、最後の課題 2(4)映像を撮った人は何に注目し て短歌にしたか考えてみる。 をやってみましょう。 これからみなさんの短歌を配ります。 歌の番号は、先に配布した画像の番号 に対応しています。 74
  75. 75. 2.短歌の詠み方・作り方を 考える 先程、画像にそれぞれ着眼点のマルをつけ てもらいました。今度は ① 作者がどこに着目して短歌を作っ たか、自分の手元の紙にマルをし て、同じグループの人に見せてあ げてください。 ② その着眼点と、できあがった歌が どんな関係にあるか、1つだけ挙 げてみてください。 75
  76. 76. 2.短歌の詠み方・作り方を 考える ことばと着眼点の関係の例は……さっ き挙げたのが参考になります。 • 直接指し示す • 指し示したものと画像全体の関係を示す • 形容詞で示す • 比喩的に示す • 指し示したものの、もっと細かいポイントに焦点を当て る • (どういう動きをしそうか)動詞で示す • (どういう来歴を経てきたか)想像してみる 76
  77. 77. 2.短歌の詠み方・作り方を 考える ③ 作者の着眼点を、短歌がうまく表 現できているか、話し合ってみて ください。 1つの画像・1つの短歌に対して3分 くらいでお願いします。 それを、グループの人数分繰り返して ください。 77
  78. 78. 2.短歌の詠み方・作り方を 考える とっても余裕のあるグループがあった ら ④ 短歌が描いている情景に対して、 着眼点のマルのサイズが大きすぎ ないか、小さすぎないか、適切か ⑤ 自分の画像について、他の人がつ けた着眼点を、自分でことばにし てみる。 78
  79. 79. 2.短歌の詠み方・作り方を 考える ありがとうございました。 時間が短いので慌ただしかったと思い ますが、どうでしたか? グループごとに話し合った感想を聞か せてください。 79
  80. 80. 3.テーマの振り返り はい、ありがとうございました。 ここから最後のまとめに入ります。 80
  81. 81. 3.テーマの振り返り 今回のWSでは • 作者としての自分を飽きさせないた め、自分を成長させてほしい • 自分を成長させるというのは<こと ばの選び方><題材や着眼点の選び 方>の可能性を増やすことじゃない か? と提案してきました。 81
  82. 82. 3.テーマの振り返り 「ことばの選び方」をコントロールし、 成長させるにはまず、選びうることば (語彙)を増やすしかない。いろんな モノを見て、読んで、学んでいくしか ない。 これは当然必要なことだと思う。 ニュースでもTwitterでもどんなものか らでも学べる。 82
  83. 83. 3.テーマの振り返り もちろん、時間はかかってしまう。 それに、「ことばを増やす」ことを、 勉強だと思ってしまうと、とたんに辛 くなったり、おもしろくなくなったり、 楽しくなくなってしまう。 83
  84. 84. 3.テーマの振り返り 「題材や着眼点の選び方」も、コント ロールし、成長させるには時間がかか るでしょう。語彙に比べれば、成長が わかりにくいし。 それでも、「題材や着眼点の選び方」 を普段から意識することが一番<楽し い>方法ではないか?と私は考えてい ます。 84
  85. 85. 3.テーマの振り返り 知らなかったものを知る。 ことばにできなかったものをことばに する。 他のヒトに見えているものを知る。 そうやって、少しずつあなたの着眼点、 <モノの見方>を増やす。 ――こういう「新しい発見」って楽し くありませんか? 85
  86. 86. 3.テーマの振り返り だって、新しい発見がないと、人は飽 きてしまうから。 これは、もう、そういうもんだと諦め るしかない。 86
  87. 87. 3.テーマの振り返り 何度も申し上げますが、特に「あなた 自身にとって楽しい」を優先してほし い。 あなた自身の、普段の着眼点、<モノ の見方>が変わると、あなたにとって、 短歌だけでなく、この世界を、今より もう少し楽しめるようになるのではな いか、と私は考えています。 87
  88. 88. 3.テーマの振り返り 私が言うには壮大過ぎる、偉そうな発 言だとはわかっています。 それでも、私はこうでも言わないと、 自分自身を励ませない。ゲームにだっ て簡単に飽きてしまう自分がわかって るから。 88
  89. 89. 3.テーマの振り返り そして、実は着眼点が増えないと、こ とばも増えにくい。 普段見過ごしている鳥や植物、雲、お 菓子、機械の部品……そういうモノに だって名前は――<ことば>はある。 着目しないと、<ことば>がみつから ない。 89
  90. 90. 3.テーマの振り返り 今日のWSで、みなさんにとって、 日常のなかで何かを見つけ出す<着眼 点>が増え、 <着眼点>が増えることで<ことばの 選択肢>が増え…… 90
  91. 91. 3.テーマの振り返り その先に、<新しい短歌>を1首でも 多く、楽しく作っていただけるならば 幸いです。 そう願って、 「テーマの振り返り・第1部 完」 といたします。 91
  92. 92. さて、ここで質問です。 残り時間のうちの約5分を: i. みなさんからの質疑応答の時間にしま すか? ii. なぜ私が「日常」や「着眼点」の話題 と、「新しい短歌」をつなげて話そう としたか、テーマをさらに深掘りしま すか? 閉会後も私はここで質疑応答に答えます。 テーマの深掘りは配布資料にも書いてあります。 さて、どちらが聞いてみたいですか? 92
  93. 93. (「なぜ私が「日常」や「着眼点」の 話題と、「新しい短歌」をつなげて話 そうとしたか、テーマをさらに深掘り しますか?」に誘導しているような問 いの立て方ですが…… 挙手をお願いしたところ、「テーマの 深掘り」のほうが多かったのでこちら の説明を続けました) 93
  94. 94. 3.テーマの振り返り テーマの深堀りを選んでくださったみ なさま、ありがとうございます。 先ほどの結論で終わると、<新しい短 歌>を作る理由は「あなたが楽しくな るため」だけになってしまう。 94
  95. 95. 3.テーマの振り返り だから、その先に「あなたが楽しいと、 他の人も私も楽しい(かもしれな い)」ってことまでお伝えしたいんで す。 95
  96. 96. 3.テーマの振り返り さて、 なぜ、私は「日常」とか「着眼点」と か<モノの見方>といった話を繰り返 してきたのでしょうか。 96
  97. 97. 3.テーマの振り返り 日常に全く取材しないで短歌を作る方法も、 言葉のきれいさ、音の楽しさだけで短歌を 作る方法もあります。 それでも。 未来の自分や、読者、大切な誰かにことば を届けようと思ったら、彼ら/彼女らと共通 した基盤がないといけない。 97
  98. 98. 3.テーマの振り返り その<基盤>として、「現実」って結構有 効だと思うんです。 98
  99. 99. 3.テーマの振り返り 「思考は感覚器官から現実という草原へ出る。も ちろん、それは仮想の草原である。個人による思 考を、現実に直接作用させることはできない。 ならばなぜ、現実が存在するのか。 そこが他者と意思疎通するための舞台だからだ。 (中略)他者の思考との邂逅、対話を直接的では ないにせよ、可能なかぎり滑らかに実現するため の方法とは一体何か。 僕はこれこそが「創造」であると考えている。」 (坂口恭平『現実脱出論』講談社現代新書、2014、P.166−167) 99
  100. 100. 3.テーマの振り返り 「現実」のなかに、あなたが対話する 相手としての他者≒読者がいて、その 「現実」自体が意思疎通する基盤=プ ラットフォームになっている。 そして、短歌を使うときには、「現 実」のなかのなにかを指し示すことば を使って「創造」する。 100
  101. 101. 3.テーマの振り返り じゃ、「創造」するとはなにか―― ひとまず、ことばにしてみること。 それを組み合わせてみること。 組み合わせたことばを他者に譲り渡す こと。 「組み合わせたことば」がうまく伝わ らなかったら、次の「組み合わせ」に 活かすこと。 101
  102. 102. 3.テーマの振り返り もちろん、「現実」にないものを「創 造」してもいい。むしろ、その方が 「創造」としては普通なのかもしれな い。 でも、フィクションも、「現実」を幾 つも、幾重にも組み合わせて成立する わけで、「現実」に手がかりがないと、 分からない。 102
  103. 103. 3.テーマの振り返り 103 ―∈)゚3゚(∋― (ペンパイナッポーアッポーペン) (あのシーンを投影していました。)
  104. 104. 3.テーマの振り返り これも一つの組み合わせ。 こういう、組み合わせを飽きずに、そ して懲りずに、繰り返すことが「創 造」の原点だと、私は考えています。 104
  105. 105. 3.テーマの振り返り 「現実」も、フィクションも、無数に ある「現実」の材料から、無数にあり うる組み合わせ=「創造」を試みてい くしかない。その中で、一番他者に伝 わる組み合わせを求めて。 ……大変なことだけれど、諦めないで ほしい。私も諦めない。 105
  106. 106. 3.テーマの振り返り なぜ、私は「現実」を基盤として、 <あなたに「創造」を続けてほしい> <「創造」を通じた意思疎通を続けて ほしい> と願い、信じているのでしょうか ……? ――ある言葉を引用します。 106
  107. 107. 3.テーマの振り返り スベトラーナ・アレクシエービッチ (2015年ノーベル文学賞受賞) 「人の人生には、文学がまだ思い当たって いないようなことが、とてもたくさんある のです。その人には信じられないくらい面 白い、興味深い問題がある」 (2016年11月28日東京外国語大学での講演) ( https://www.buzzfeed.com/satoruishido/svetlana-alexievich ) 107
  108. 108. 3.テーマの振り返り あなたの人生にも、まだ語られていな い、あるいはあなた自身すら見過ごし てきた「着眼点」や「ことば」から見 つけだせる「信じられないくらい面白 い、興味深い問題」がきっとある。 それを、あなた自身に紡いでほしい。 そして、それはきっと楽しい。 108
  109. 109. 3.テーマの振り返り そうして「創造」をしてほしい。 「創造」を続けてほしい。 <新しい短歌>を1首でも多く、楽し く作ってほしい。 今日のWSでほんの少しでもそう思っ ていただけるならば、幸いです。 109
  110. 110. 3.テーマの振り返り Fin. 110
  111. 111. 質疑応答 では、ご意見・ご質問を承ります。 事前申込みを下さった参加者の方のご 意見・ご質問を優先しますが、ご見学 の方からも承りますので、何かござい ましたら挙手をお願いいたします。 111
  112. 112. おしまい 今日のWSが少しでもみなさんの今後 の短歌の助けになれば幸いです。 本日はありがとうございました。 m(_ _)m 中島裕介 112

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