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ハリウッド流映画脚本講座・特別編 「ゲーム」は「キャラクター」がドライブする 〜ヒットする、原作付きキャラクターゲームシナリオの作り方〜
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人工知能のための哲学塾 - 西洋哲学レビュー編③ -

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人工知能のための哲学塾 - 西洋哲学レビュー編③ -

  1. 1. 人工知能のための哲学塾 - 西洋哲学レビュー編③ - 三宅 陽一郎 三宅陽一郎@miyayou 2017.11.1 朝日カルチャーセンター https://www.facebook.com/youichiro.miyake http://www.slideshare.net/youichiromiyake y.m.4160@gmail.com
  2. 2. 本日のテーマ説明(身体と意識)
  3. 3. • キャラクターの中にはボーン構造が入っていて、この動かし方=アニメ―ションデータを • 再生することでキャラクターが動く。周りとの衝突に合す。 http://positionx.sblo.jp/article/141677768.html
  4. 4. 今回の目標 • キャラクターの身体的空間を構築すること。 • 哲学として、エンジニアリングとして、サイエン スとして。 • 身体はすでに世界を解釈している。 • それを意識が感じることはできない。 • 身体運動によって解釈される世界とは何か?
  5. 5. 「身体、空間、知能、時間」 • 身体(運動)、空間、知能、知覚、そして時間 の関係とは? • 運動と知覚、知覚と運動は連動する。
  6. 6. 身体と身体の拡張、身体空間 • 道具を持つことで身体が拡張する • 道具を持つことで身体空間が拡張する
  7. 7. 我々は身体運動の対象として 世界を捉えている。 • 身体は拡張する。 • 身体運動は拡張する。 • 我々は身体運動の対象として世界を捉えている。 • 我々は為し得る身体の活動を積極的に認識しに 世界へ向かっている。
  8. 8. 行為と感覚 • 空間を捉えようとする志向性 • 柔道、剣道、ボクシングを考えてみる。スポー ツを始めると、それに特化した感性になる。行 為によって感覚が再編されている。
  9. 9. 今回の哲学者・科学者 • 運動構築 • ベルンシュタイン (露、1896-1966) • 空間経験 • メルロ=ポンティ (仏、1908-1961) • 環境認識 • ギブソン (仏、1908-1961) • 知能と環境 • 谷淳 (日)
  10. 10. • キャラクターの中にはボーン構造が入っていて、この動かし方=アニメ―ションデータを • 再生することでキャラクターが動く。周りとの衝突に合す。 http://positionx.sblo.jp/article/141677768.html
  11. 11. 現在のキャラクター・アニメーション ケース毎のアニメーション再生
  12. 12. 現在のキャラクター・アニメーション ケース毎のアニメーション再生 + 加算アニメーション
  13. 13. 現在のキャラクター・アニメーション ケース毎のアニメーション再生 + 加算アニメーション + ある程度の計算による補正(I.K.)
  14. 14. AI + Animation A.I. アニメーションA 再生 アニメーションB 再生 アニメーションC 再生 加算アニメーション 加算アニメーション遷移 加算アニメーション遷移 補正 補正 補正
  15. 15. 本日のテーマ • 知能が行動をする、時に、知能全体で起こっ ていることを明らかにする。 • 知能が自分自身を認識する・構成するやり方 を明らかにする • 知能全体=身体、知能、環境 身体を含む人工知能を構成することで、 人工知能そのものを根本から再構成する。
  16. 16. 本日のテーマ • 人工知能には自己感がない。 • 人工知能に自己感を与えたい。 「内側から生きられる世界」としての身体を 人工知能に与える。
  17. 17. 本日のコンテンツ 第一部 人工知能に身体感覚を与える 第二部 人工知能に運動感覚を与える 第三部 人工知能に主観的環境を与える 第四部 人工知能に意識を与える
  18. 18. 人工知能に身体感覚を与える 第一部
  19. 19. 最も基本的な自己感 • 身体保持感(sense of self-ownership) • 運動主体感(sense of self-agency)
  20. 20. 身体意識にかかわる症状 • 病態失認 麻痺した身体の一部を麻痺していないと感じる • 身体失認 麻痺した手足が自分のものでないと感じる • 半側空間無視 自分の身体の半分、世界の半分をないものとして扱う • 運動主体感の障害 自分の行いが自分が行っていると感じられない • 身体部位失認 自分の身体の部位を指差せない (ソーシャルブレインズ、「他者」と出会う」、P.128)
  21. 21. 自己を獲得する • 知能にとって自己は与えられるものではない。 実現しているものである。 • 知能にとって自己は獲得するもの、実現させ るものである。 人工知能にも、自分が自分であるという感覚を 与えるように実装する。 それ自身も重要だが、その方針が、 正しい人工知能の実装の方向に導くはずだ。
  22. 22. 自己確認の方法 • あらゆる感覚、あらゆる行動を通して、自己が確 認されている。 • 逆に言えば、自己を確認しない感覚も行動も存 在しない。 遠心性コピー 視覚フィードバック 体性感覚フィードバック 運動の主体の認識 自己身体部位の認識 P.87(ソーシャルブレインズ、「脳の中にある身体」、P.87)
  23. 23. 最も基本的な自己感 • 身体保持感(sense of self-ownership) • 運動主体感(sense of self-agency) http://www.u-tokyo.ac.jp/ja/utokyo-research/research-news/does-seeing-ice-really-feel-cold/ ラバーハンド錯覚
  24. 24. ラバーハンド錯覚 • 偽物の腕(ラバーハンド)を、自分の腕の横に置き、自分の腕の方 はついたての向こうで見えなくする。 • 最初は自分の腕とラバーハンドに同時に、くすぐるとか、つつくと か、同じ作用をする。 • すると次第に、ラバーハンドを自分の腕と錯覚するようになる。 • すると、ラバーハンドに氷が置かれると、本物の腕も冷たく感じる。 • これは「冷たいはずなので、身構えろ」という脳からの指令が腕に 行っている効果と考えられる。 予測には感覚を調整する機能がある。
  25. 25. 身体保持感 • 身体保持感は「この身体はまさに自分のものである」という感 覚であり、運動主体感は「この運動を引き起こしたのはまさに 自分自身である」という感覚である。これらは一見似ているが、 意図的な行為と非意図的な身体の動きとを対比してみれば区 別できる。 • たとえばコーヒーカップに手をのばすなど、意図的な行為の時 に自分の腕を意図通りに動かせていれば、身体保時間と運 動主体感の両方が引き起こされる。しかし、誰がぶつかってき たときの腕の動きのような非意図的な身体の運動の場合、身 体保持感は相変わらず感じられるものの運動主体感を感じる ことはない。 (ソーシャルブレインズ、「脳の中にある身体」、P.107)
  26. 26. 運動主体感 • 運動主体感は基本的な自己感の一つであり、その運動を 引き起こしているのは自分自身であるという感覚である (Gallagher,2000)。 • 基本的には自分の身体運動に対して感じるが、拡張してパ ソコンのマウスなど、道具を操作している時にも感じられる 感覚とも考えられる。 • 運動主体感を基礎づけるのは、主に脳から筋肉に出される 運動指令ーより正確にはそのものではなく、脳内の別の部 位(頭頂葉)へ送られるそのコピー情報(遠心性コピー)ーと その結果として得られる感覚(特に視覚)フィードバックの整 合性である。 (ソーシャルブレインズ、「自己」と「他者」の境界、P.76)
  27. 27. メルロ=ポンティ 1908年 フランスに産まれる。 1925年 エコール・ノルマル・シュぺリュ-ル。 サルトル、ボーヴォワール、レヴィ=ストロース、 ポール=二ザン、と知りあう、 1928年 フッサールの現象学の講演を聴く。 1946年 サルトルと「レ・タン・モデルヌ」創刊 1948年 リヨン大学教授 1949年 パリ大学教授 1952年 コレージュ・ド・フランス教授 1961年 急逝 フランス現象学の牽引する。特に身体に対する現象学は、大きな影響を持つ。 サルトルが世界中を飛び回っていたのに対して、メルロ=ポンティは、フランスを 中心に活躍した。
  28. 28. メルロ=ポンティ「知覚の現象学」 (原著:1945, 翻訳:1967,竹内芳郎・小木貞孝訳) • フランス現象学。 • 感覚と身体の現象学。 • • 身体性の問題の名著。 用される http://www.msz.co.jp/book/detail/01933.html
  29. 29. メルロ・ポンティ「表現としての身体と言葉」 (原著:-年、訳:1999年 モーリス・メルロ=ポンティ、中山元編訳) • 対象はすみずみまで客体であり、意識はすみずみまで 意識である。存在するという語には二つの意味があり、 そしてこの二つの意味しかない。物として存在するのか、 意識として実存するのかのいずれかである。 (メルロ=ポンティ・コレクション、ちくま学芸文庫、P.53)
  30. 30. メルロ・ポンティ「表現としての身体と言葉」 (原著:-年、訳:1999年 モーリス・メルロ=ポンティ、中山元編訳) • この考えに対して、自己の身体の経験は、両義的な存 在様態があることを知らせる。もしも身体を三人称のプ ロセス、たとえば「視覚」「運動性」「性」などのプロセスの <束>として考えようとしても、こうした「機能」を互いに 結びつけるもの、こうした機能を外部に結びつけるもの は、因果関係ではないことに気づく。 (メルロ=ポンティ・コレクション、ちくま学芸文庫、P.54)
  31. 31. 身体の不随性 自分の身体の中にも意のままにならぬ性質が あること =身体は完全に自分自身ではない。
  32. 32. 身体の両義性 • 物質存在であると同時に、意識的に生きられ るもの。 • 対象であると同時に自分自身である。 • 触れると同時に触れられる。(触れているとい うことは、触れているものから触れられている、 ということ) • 見ると同時に見られる。(見ているものからも、 見られている)
  33. 33. メルロ・ポンティ「表現としての身体と言葉」 (原著:-年、訳:1999年 モーリス・メルロ=ポンティ、中山元編訳) • これらの機能は一回限りのドラマの中で、互いに関連し た区別しがたいものとして存在しえるからである。 • だから身体は一つの対象ではない。同じ理由から、わ たしが自己の身体についてもつ意識は、思考ではない。 わたしはこの意識を分解し、再構成して明晰な観念を 形成できないのである。 (メルロ=ポンティ・コレクション、ちくま学芸文庫、P.54)
  34. 34. メルロ・ポンティ「表現としての身体と言葉」 (原著:-年、訳:1999年 モーリス・メルロ=ポンティ、中山元編訳) • 身体の統一性は暗黙的なものであり、混乱したもので ある。身体はそこに<ある>ものとはつねに別のもの である。身体は性的な存在であると同時に、自由な存 在である。自然に根差すとともに文化によって変容され た存在である。それ自体のうちに閉じていることはなく、 完全に超えでることもない。 • 他者の身体でも自己でも、人間の身体というものを認 識するためには、これを<生きる>しかない-これを貫 くドラマを自らのものとして引き受け、それと渾然一体と なるしかないのである。 (メルロ=ポンティ・コレクション、ちくま学芸文庫、P.54)
  35. 35. メルロ・ポンティ「表現としての身体と言葉」 (原著:-年、訳:1999年 モーリス・メルロ=ポンティ、中山元編訳) • このように自己の身体の経験は、反省的な態度の運動 とは対立する。反省的な態度では、対象を主体から分 離し、主体を対象から分離する。そしてわたしたちに、身 体についての思考、あるいは観念としての身体しか与え ない。デカルトはこのことをよく認識していた。 • (メルロ=ポンティ・コレクション、ちくま学芸文庫、P.54)
  36. 36. ポリゴンとボーンの連結的集合である キャラクターが「身体を生きる」ことは可能か? http://positionx.sblo.jp/article/141677768.html
  37. 37. 身体性とインテリジェンス Gray’s anatomy 脳の中心の部位は身体とつながっている。 生理機能を司っている。 それを囲うように、辺縁体、大脳がある。 http://square.umin.ac.jp/neuroinf/brain/005.html http://www.amazon.co.jp/Grays-Anatomy-Anatomical-Clinical-Practice/dp/0443066841
  38. 38. 本日のテーマ 我々が運動を起こしている時に、 何が知能で起こっているか? 遠心性コピーから身体をイメージする 自分自身に対する予測から運動を把握する。
  39. 39. 環境 身体知能 人工知能とは? 人工知能=人工的な存在(=身体)を環境の中で活動させる 入力(センサー) 行動(アウトプット) 身体
  40. 40. 環境 身体知能 人工知能とは? 人工知能=人工的な存在(=身体)を環境の中で活動させる 入力(センサー) 身体
  41. 41. 環境 身体知能 人工知能とは? 人工知能=人工的な存在(=身体)を環境の中で活動させる 行動(アウトプット) 身体
  42. 42. 環境 身体知能知能 人工知能とは? 人工知能=人工的な存在(=身体)を環境の中で活動させる 行動(アウトプット) 身体 身体知性 (身体を統御・制 御するOS)
  43. 43. 環境 身体知能知能 人工知能とは? 人工知能=人工的な存在(=身体)を環境の中で活動させる 行動(アウトプット) 身体 遠心性情報 (身体への命令) 身体知性 (身体を統御・制御 するOS)
  44. 44. 環境 身体知能知能 人工知能とは? 人工知能=人工的な存在(=身体)を環境の中で活動させる 行動(アウトプット) 身体 遠心性情報 (身体への命令) 遠心性コピー (身体への命令の 複製) 身体知性 (身体を制御 するOS)
  45. 45. 環境 身体知能知能 人工知能とは? 人工知能=人工的な存在(=身体)を環境の中で活動させる 行動(アウトプット) 身体 身体知性 (身体を制御 するOS) 遠心性情報 (身体への命令) 遠心性コピー (身体への命令の 複製) 身体イメージ (遠心性コピーによ り頭の中に再構築 される身体のイメー ジ(シミュレーション可能))
  46. 46. ベルクソン「意識・対象・身体」 意識 イマージュ 感覚 身体
  47. 47. イマージュ(アンリ・ベルクソン)  しばらくのあいだ、われわれは、物質の諸理論と精神の諸理論 について、外界の実在性もしくは観念性をめぐる諸論争につい て、何も知らないふりをしよう。そうすると私は、数々のイマー ジュ(image)と直面することになるのだが、ここでイマージュと いうのは、私が感覚を開けば知覚され、閉じれば知覚されなく なるような、最も漠然とした意味でのイマージュのことである。  しかしながら、ほかのすべてのイマージュと際立った対比を成 すようなイマージュが一つある。私はそれを単に外部からの諸 知覚によって知るだけでなく、内部からの諸感情(affection)に よっても知る。そのイマージュとは身体のことである。 (ベルクソン「物質と記憶」(合田正人・松本力訳)ちくま学芸文庫、p.008)
  48. 48. 環境 身体知能知能 人工知能とは? 行動(アウトプット) 身体 身体知性 (身体を制御 するOS) 遠心性情報 (身体への命令) 遠心性コピー (身体への命令の複製) 求心性情報 (末端からフィードされる情報) 身体イメージ (遠心性コピーによ り頭の中に再構築 される身体のイメー ジ(シミュレーション可能))
  49. 49. 遠心性情報、求心性情報 • 遠心性情報=知能から身体へ送れる制御信号 • 求心性情報=末端から知能へフィードバックさ れる信号
  50. 50. 自己受容感覚、運動感覚 • 深部感覚=筋、関節など深部組織に起こる感覚 すなわち、筋覚、関節覚などに分類されている。 • 自己受容感覚(固有感覚)=自分の起こす身体の 動きによって刺激される受容器により感覚。実際 には、自己の動きに刺激されるのは深部受容器 に限らず、皮膚受容器も関与する。 • 運動感覚=四肢の動きの感覚。関節の感覚。重さ の感覚。筋の努力感。 (オーム社、「感覚・知覚・認知の基礎」、P.40)
  51. 51. 遠心性コピー • 遠心性コピー(von Holst,1953)とは、運動指令の コピー信号のことである。これとほぼ同じ意味で、 随伴反射(Sperry,1950)という言葉もある。 • こうした運動指令のコピーを使うことにより、順モ デルによって軌道がシミュレーションされ、実際 の運動の時に起こす感覚やフィードバックや目 標とする軌道との照合を行うことが可能になる。 (ソーシャルブレインズ、「脳の中にある身体」、P.107)
  52. 52. 遠心性コピー • 脳内でも、運動領野から信号が感覚領野に戻っ てきている証拠はいくつか知られており、遠心性 コピーと考えられる活動が見られる。また、遠心 性コピーは、意識にのぼる感覚にも影響を与え ると考えられている。 • (ソーシャルブレインズ、「脳の中にある身体」、P.107)
  53. 53. 遠心性コピー • たとえば、眼で見た物体の大きさは、物体の眼 の距離が変わると網膜上では大きさが変化する にもかかわらず、知覚的には大きさが変わらな い。これは大きさの恒常性と呼ばれるが、フォン・ ホルストは、このときに目の輻輳運動(寄り目に なること)のため遠心性コピーが知覚に影響を与 えて、大きさが変化しないようにしていると推測し ている。 (ソーシャルブレインズ、「脳の中にある身体」、P.107)
  54. 54. 遠心性コピー • またブレイクモアらは、自らが自分の身体をくす ぐるとくすぐったくない現象を、遠心性コピーが感 覚フィードバックに影響を及ぼしていると説明し ている。 (ソーシャルブレインズ、「脳の中にある身体」、P.107)
  55. 55. エージェント・アーキテクチャと 遠心性情報、遠心性コピー、 求心性情報
  56. 56. 知能の世界 環境世界 認識の 形成 記憶 センサー・ 身体 記憶体 情報処理過程 情報 統合
  57. 57. 知能の世界 環境世界 認識の 形成 記憶 意思の 決定 センサー・ 身体 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 記憶体 情報処理過程 情報 統合
  58. 58. 知能の世界 環境世界 認識の 形成 記憶 意思の 決定 身体 制御 エフェクター・ 身体 運動の 構成 センサー・ 身体 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 記憶体 情報処理過程 運動創出過程 身体部分 情報 統合 運動 統合
  59. 59. 知能の世界 環境世界 認識の 形成 記憶 意思の 決定 身体 制御 エフェクター・ 身体 運動の 構成 センサー・ 身体 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 対象・ 現象 情報の流れ(インフォメーション・フロー) 影響を与える影響を受ける
  60. 60. 知能の世界 環境世界 認識の 形成 記憶 意思の 決定 身体 制御 エフェクター・ 身体 運動の 構成 センサー・ 身体 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 対象・ 現象 情報の流れ(インフォメーション・フロー) 影響を与える影響を受ける
  61. 61. 知能の世界 環境世界 認識の 形成 記憶 意思の 決定 身体 制御 エフェクター・ 身体 運動の 構成 センサー・ 身体 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 対象・ 現象 情報の流れ(インフォメーション・フロー) 影響を与える影響を受ける 遠心性出力
  62. 62. 知能の世界 環境世界 認識の 形成 記憶 意思の 決定 身体 制御 エフェクター・ 身体 運動の 構成 センサー・ 身体 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 対象・ 現象 情報の流れ(インフォメーション・フロー) 影響を与える影響を受ける 遠心性出力 求心性情報
  63. 63. 知能の世界 環境世界 認識の 形成 記憶 意思の 決定 身体 制御 エフェクター・ 身体 運動の 構成 センサー・ 身体 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 対象・ 現象 情報の流れ(インフォメーション・フロー) 影響を与える影響を受ける 遠心性出力 求心性情報 遠心性コピー
  64. 64. 知能の世界 環境世界 認識の 形成 記憶 意思の 決定 身体 制御 エフェクター・ 身体 運動の 構成 センサー・ 身体 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 対象・ 現象 情報の流れ(インフォメーション・フロー) 影響を与える影響を受ける 遠心性出力 求心性情報 身体のイメージ 遠心性コピー
  65. 65. • 感覚調整 • ベルンシュタインは、運動を行う際の感覚の役割を強 調した。解剖学の分野では、すでに二十世紀半ばに は脳からの下行繊維系が末梢からの上行路の調整 を行うことが知られていた。つまり遠心性出力は求心 性情報を直接変化させる。したがって感覚と運動は表 裏一体である。巧みな運動を行うためには、相応の繊 細な感覚に基づいた動作の調整が必要であり、優れ た運動選手は例学なく感覚にも優れている。例えば熟 練のスキーヤーは、足裏の感覚や全身に伝わる振動 などから雪面の微妙な違いを感じ取ることができる。 (訳者による主要語句解説、P.307) ベルンシュタイン「巧みさとその発達」 (原著:1940-年代, 英語版:1996, 翻訳:2003)
  66. 66. • 自己受容感覚 • 自己受容感覚とは、筋-関節感覚や内臓感覚など、自 分自身についての情報をもたらす感覚を指す。固有 受容感覚とも呼ばれる。一方、視覚や聴覚、外部環境 に関する情報をもたらす感覚は遠感覚と呼ばれる。 • ベルンシュタインはこれらの感覚が運動の際に果たす 役割を強調し(→感覚調整)、さらにいかなる感覚であ ろうとも自己受容感覚と同じ役割を果たし得ることを 指摘した。遠隔受容器による自己情報の知覚は、 exproprioceptionと呼ばれている。 (訳者による主要語句解説、P.309) ベルンシュタイン「巧みさとその発達」 (原著:1940-年代, 英語版:1996, 翻訳:2003)
  67. 67. 知能の世界 環境世界 認識の 形成 記憶 意思の 決定 身体 制御 エフェクター・ 身体 運動の 構成 センサー・ 身体 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 対象・ 現象 情報の流れ(インフォメーション・フロー) 影響を与える影響を受ける 遠心性出力 求心性情報 身体のイメージ 遠心性コピー 感覚調整 (相互調整機能) 遠心性情報と 求心性情報は お互いを調整する (例)スキーをすると、 足の裏からの情報で、力 を加減する
  68. 68. どのように知能と身体は結びつて いるのか?
  69. 69. 身体知能 人間の精神 意識 前意識 無意識 求心性 情報 知能 解釈 顕 在 化 運動 統合 意 志 意識の境界面 知覚の境界面 2つの見えている世界(知覚世界、作用世界 知覚世界 作用世界 遠心性 情報 遠心性 コピー 身体イメージ
  70. 70. 感覚 • 感覚とは差異である。 • 特に運動を生成するための情報は、 予測と実測の差異から生成される (=求心性情報と遠心性情報の感覚調整)
  71. 71. 予期と感覚、差異による身体感覚 遠心性コピーによる身体のシミュレーション 実際の身体の状態 差異=身体の感覚を生成する 身体意識 遠心性コピーによる運動の 予期があるから、 自分の運動を認識できる。 時間 時間
  72. 72. 運動主体感 • 運動主体感は基本的な自己感の一つであり、その運動を 引き起こしているのは自分自身であるという感覚である (Gallagher,2000)。 • 基本的には自分の身体運動に対して感じるが、拡張してパ ソコンのマウスなど、道具を操作している時にも感じられる 感覚とも考えられる。 • 運動主体感を基礎づけるのは、主に脳から筋肉に出される 運動指令ーより正確にはそのものではなく、脳内の別の部 位(頭頂葉)へ送られるそのコピー情報(遠心性コピー)ーと その結果として得られる感覚(特に視覚)フィードバックの整 合性である。 (ソーシャルブレインズ、「自己」と「他者」の境界、P.76)
  73. 73. 予期と感覚、差異による身体感覚 遠心性コピーによる身体のシミュレーション 実際の身体の状態 差異=身体の感覚を生成する 身体意識=運動主体感 遠心性コピーによる運動の 予期があるから、 自分の運動を認識でき、 運動主体感を生成できる。
  74. 74. 谷淳先生の仕事
  75. 75. 谷淳 • 1981年に早稲田大学理工学部機械工学科を卒業。 • 千代田化工建設株式会社にてプラント配管設計。 • スタンフォード大学、ミシガン大学 人工知能(修士号) • ソニーコンピューターサイエンス研究所 • 理化学研究所 脳科学研究センター 動的認知行動研究チーム チームリーダー • KAIST 教授 認知ロボットの実験から考える「自己」とは? ~理研の谷淳氏が東京財団「VCASI」で講演 http://robot.watch.impress.co.jp/docs/news/20091217_336516.html
  76. 76. 主体と客体(谷淳) 谷淳、「力学系に基づく構成論的な認知の理解」、脳・身体性・ロボット-知能の創発をめざして (インテリジェンス・ダイナミクス 1) 土井 利忠 (編纂) 、 丸善出版、2012
  77. 77. 主体と客体(谷淳) • この図では、まず仮に主体と客体という二項対立 の構造を想定してみる。客体環境からボトムアップ するセンソリの流れを主体はある構えを持ちトップ ダウン的に予測し解釈しようとする。両者の相互作 用を経て認識が成立し、行為が生成される。 谷淳、「力学系に基づく構成論的な認知の理解」、Springer 心と環境は溶け合っている 身体と環境も溶け合っている Chaotic
  78. 78. 主体と客体(谷淳) • 認識の結果は主体の内部を変化させ、また生成された行為 は環境を変化させる。この相互作用を通して、主体から出発 したトップダウンの流れと客体から出発したボトムアップの流 れは分離不可能になり、もはや主体と客体といった区別は 無意味になる。この時に初めて、古典的な認知論で想定さ れてきた、客体として操作される表象と、それを操作する主 体といった構図からも自由になれるのである。 • いかにこのような相互作用の場を構築するか、本文では筆 者らが行ってきた一連の認知ロボット実験について解説しな がら、本問題について議論していく。 • 谷淳、「力学系に基づく構成論的な認知の理解」、Springer
  79. 79. 主体と客体(谷淳) 谷淳、「力学系に基づく構成論的な認知の理解」、脳・身体性・ロボット-知能の創発をめざして (インテリジェンス・ダイナミクス 1) 土井 利忠 (編纂) 、 丸善出版、2012 自己判断をフィードバックループのように、ニューラルネットワークの入力に再帰入力 することで、センサーの情報と自分の予測情報を同時にインプットする力学系が発生する。 これによって自己と客体を混合する力学系が発生する。
  80. 80. 主体と客体(谷淳) 谷淳、「力学系に基づく構成論的な認知の理解」、脳・身体性・ロボット-知能の創発をめざして (インテリジェンス・ダイナミクス 1) 土井 利忠 (編纂) 、 丸善出版、2012
  81. 81. 本日のコンテンツ 第一部 人工知能に身体感覚を与える 第二部 人工知能に運動感覚を与える 第三部 人工知能に主観的環境を与える 第四部 人工知能に意識を与える
  82. 82. 第二部 人工知能に運動感覚を与える 第二部
  83. 83. ベルンシュタインの運動学
  84. 84. 進化と運動 • 化学物質から興奮性の伝達 • 電気インパルスによる筋肉の一斉収縮 http://coneta.jp/2705.html/img_0934 Retron http://free-photos.gatag.net/2015/01/12/060000.html 身体の発達
  85. 85. 協応構造 (連携と自由度の制限) 高い自由度を持つ人間の身体 (自由度が高すぎる) 一つの目的を持った行動
  86. 86. 協応構造 (連携と自由度の制限) たくさんの自由度 自由度を制限して一つの方向に身体の運動を導く
  87. 87. 運動の協応 https://karmalifee.files.wordpress.com/2010/08/ept_sports_nba_experts-155186961-1282080011.jpg 自由度を制限して一つの方向に身体の運動を導く
  88. 88. ベルンシュタイン「巧みさとその発達」 (原著:1940-年代, 英語版:1996, 翻訳:2003) • 動作構築のレベル (P.132) • 緊張のレベル ー レベルA 動的平衡 • 筋-関節リンクのレベル ー レベルB 動作のリズムを制御する • 空間のレベル - レベルC 外部空間を利用するための能力 • 行為のレベル - レベルD 人間のレベル 連鎖構造 • これらの階層が協応して動作が構築される。
  89. 89. 対世界 活動神経網 知覚神経網 興奮(記号) 興奮 対世界 興奮 興奮 興奮 運動形態 さまざまな興奮(=記号)の 組み合わせから、事物を分別する。 特定の筋肉を動かすように 興奮を促す。 中枢神経網 進化と共に、この筋肉と神経の使い方が 高度に(巧みに)なっている。
  90. 90. 対世界 活動神経網 知覚神経網 興奮(記号) 興奮 対世界 興奮 興奮 興奮 運動形態 さまざまな興奮(=記号)の 組み合わせから、事物を分別する。 特定の筋肉を動かすように 興奮を促す。 中枢神経網 進化と共に、この筋肉と神経の使い方が 高度に(巧みに)なっている。 http://pictkan.com/ http://coneta.jp/2705.html/img_0934
  91. 91. 対世界 活動神経網 知覚神経網 興奮(記号) 興奮 対世界 興奮 興奮 興奮 運動形態 さまざまな興奮(=記号)の 組み合わせから、事物を分別する。 特定の筋肉を動かすように 興奮を促す。 中枢神経網 進化と共に、この筋肉と神経の使い方が 高度に(巧みに)なっている。 http://freephoto.artworks-inter.net/https://www.pakutaso.com/20130846218post-3136.html Yafüt™ http://free-images.gatag.net/2013/03/19/160000.html
  92. 92. 対世界 活動神経網 知覚神経網 興奮(記号) 興奮 対世界 興奮 興奮 興奮 運動形態 さまざまな興奮(=記号)の 組み合わせから、事物を分別する。 特定の筋肉を動かすように 興奮を促す。 中枢神経網 進化と共に、この筋肉と神経の使い方が 高度に(巧みに)なっている。
  93. 93. 対世界 活動神経網 知覚神経網 興奮(記号) 興奮 対世界 興奮 興奮 興奮 運動形態 さまざまな興奮(=記号)の 組み合わせから、事物を分別する。 特定の筋肉を動かすように 興奮を促す。 中枢神経網 進化と共に、この筋肉と神経の使い方が 高度に(巧みに)なっている。 我々は常に行為をドライブされている。
  94. 94. ベルンシュタイン「動作構築のレベル」 レベルA 緊張のレベル 身体の静的な姿勢のための微調整(動的平衡)
  95. 95. ベルンシュタイン「動作構築のレベル」 レベルA 緊張のレベル 身体の静的な姿勢のための微調整(動的平衡) レベルA 緊張のレベル = 動的平衡 = 持続的な動作の中で平衡を維持する = 身体のバランスを取る = 体幹(胴体)と首の筋 (例) スキーのジャンプの最中など。
  96. 96. ベルンシュタイン「動作構築のレベル」 レベルB 筋-関節リンクのレベル 関節の連合による運動の原型の生成(動作のリズム) レベルA 緊張のレベル 身体の静的な姿勢のための微調整(動的平衡)
  97. 97. ベルンシュタイン「動作構築のレベル」 レベルB 筋-関節リンクのレベル 関節の連合による運動の原型の生成(動作のリズム) レベルA 緊張のレベル 身体の静的な姿勢のための微調整(動的平衡) レベルB 筋-関節リンクのレベル = 動作のリズムを制御する = 動作を自動化する = 意識の関与なしに機能する = 背景として動く (例) バネのように規則正しい自動的な運動 =移動運動など。
  98. 98. ベルンシュタイン「動作構築のレベル」 レベルC 空間のレベル その運動を周囲の空間に合わせる レベルB 筋-関節リンクのレベル 関節の連合による運動の原型の生成(動作のリズム) レベルA 緊張のレベル 身体の静的な姿勢のための微調整(動的平衡)
  99. 99. ベルンシュタイン「動作構築のレベル」 レベルC 空間のレベル その運動を周囲の空間に合わせる レベルB 筋-関節リンクのレベル 関節の連合による運動の原型の生成(動作のリズム) レベルA 緊張のレベル 身体の静的な姿勢のための微調整(動的平衡) レベルC 空間のレベル 空間利用能力 = 外部空間を利用するための能力 = 狙いを定めて対象を移動させる運動 = 感覚調整が動作の中間部分にまったく無関心でありながら、 同時に終末部分に対してきわめて敏感 (例) スキーのスラローム 重量挙げ スプリント走 アコーディオン演奏 円盤投げ ハードル飛び
  100. 100. ベルンシュタイン「動作構築のレベル」 生成の順番 = 進化で獲得して来た順番 レベルD 行為のレベル 運動を連鎖させて行為を作り出す(連鎖構造) レベルC 空間のレベル その運動を周囲の空間に合わせる レベルA 緊張のレベル 身体の静的な姿勢のための微調整(動的平衡) レベルB 筋-関節リンクのレベル 関節の連合による運動の原型の生成(動作のリズム)
  101. 101. ベルンシュタイン「動作構築のレベル」 生成の順番 = 進化で獲得して来た順番 レベルD 行為のレベル 運動を連鎖させて行為を作り出す(連鎖構造) レベルC 空間のレベル その運動を周囲の空間に合わせる レベルA 緊張のレベル 身体の静的な姿勢のための微調整(動的平衡) レベルB 筋-関節リンクのレベル 関節の連合による運動の原型の生成(動作のリズム) レベルD 行為のレベル 行為の連鎖構造と適応的な変動 = レベルDが下位のレベルB,Cを呼び出し、計画を達成する。 = 行為を制御する = 記憶によって蓄えられた先行経験の痕跡を多く含む。 (例) ボクシング レスリング ひげ剃り ボルトを締める
  102. 102. ベルンシュタイン「動作構築のレベル」 巧みさの発展 = 運動生成の順番 = 進化で獲得して来た順番 レベルD 行為のレベル 運動を連鎖させて行為を作り出す(連鎖構造) レベルC 空間のレベル その運動を周囲の空間に合わせる レベルA 緊張のレベル 身体の静的な姿勢のための微調整(動的平衡) レベルB 筋-関節リンクのレベル 関節の連合による運動の原型の生成(動作のリズム)
  103. 103. ベルンシュタイン「動作構築のレベル」 巧みさの発展 = 運動生成の順番 = 進化で獲得して来た順番 レベルD 行為のレベル 運動を連鎖させて行為を作り出す(連鎖構造) レベルC 空間のレベル その運動を周囲の空間に合わせる レベルA 緊張のレベル 身体の静的な姿勢のための微調整(動的平衡) レベルB 筋-関節リンクのレベル 関節の連合による運動の原型の生成(動作のリズム) 各レベルの自律性を強調 低次のレベルは背景レベルとして自律的に高次レベルを支える (P.312、解説)
  104. 104. ベルンシュタイン「巧みさとその発達」 (原著:1940-年代, 英語版:1996, 翻訳:2003) • 協応とは、運動器官の冗長な自由度を克服する、すなわち運動 器官を制御可能なシステムへ転換すること。(P.43) • 運動スキルとは、ある種の運動課題を解決するために発達した 能力として示される協応構造である。(P.300) • 巧みさとは、あらゆる状況で、問題に対する正しい解決策をす ばやく見つけるための運動能力… (P.258) • 動作がはじまった瞬間から、脳が継続的に注意深く感覚器から の報告にもとづいて動作を監視し、その場に応じた調整をしな がら動作を操る必要があるということだ。(P.217)
  105. 105. • 協応構造 • 冗長な自由度の問題を克服するために仮定 された要素間の結合関係。ベルンシュタイン は、学習に伴い古今の独立な自由度が協応 して活動するよう、機能的に拘束されると考 えた。複数の自由度が一つの機能的な単位 として結合したとき、それらの自由度は相互 補完的な変動を示す。 (訳者による主要語句解説、P.307) ベルンシュタイン「巧みさとその発達」 (原著:1940-年代, 英語版:1996, 翻訳:2003)
  106. 106. • 先導レベル • ベルンシュタインは、動作の制御を階層構造とし て捉え、動作の中核をなす部分の制御を先導レ ベルが行い、それを支える部分の制御を背景レ ベルが自律的に行うと考えた。運動に際に自覚 可能なのは先導レベルのみである。先導レベル の行う制御は行為全体ではなく、行為達成に とってもっとも重要な一部のみである。 (訳者による主要語句解説、P.307) ベルンシュタイン「巧みさとその発達」 (原著:1940-年代, 英語版:1996, 翻訳:2003)
  107. 107. 身体知能 人間の精神 意識 前意識 無意識 外部からの 情報 知能 解釈 顕 在 化 運動 統合 意 志 意識の境界面 知覚の境界面 2つの見えている世界(知覚世界、作用世界 知覚世界 作用世界 遠心性 情報 遠心性 コピー 身体イメージ 先導レべル 背景レべル
  108. 108. これをゲームキャラクターの アニメーションに適用してみる。
  109. 109. AI + Animation A.I. アニメーション生成 アニメーション 生成 アニメーション 生成 先導レベル 背景レベル
  110. 110. AI + Animation A.I. アニメーション生成 アニメーション 生成 アニメーション 生成 先導レベル (モーションの雛形。意思。 ここをなるべく精緻化する。言語化する) 背景レベル (アニメーションデータを持つ。 アニメーションを変形させるプロシージャル技術。 環境との相互作用)
  111. 111. 本日のコンテンツ 第一部 人工知能に身体感覚を与える 第二部 人工知能に運動感覚を与える 第三部 人工知能に主観的環境を与える 第四部 人工知能に意識を与える
  112. 112. 人工知能に主観的環境を与える 第三部
  113. 113. メルロ・ポンティ「問い掛けと直観」 (原著:-年、訳:1999年 モーリス・メルロ=ポンティ、中山元編訳) • 見えるものについての経験が、わたしの視覚に先立つ経験 として存在するが、これは融合でも、合致でもない • わたしがものを見る目、わたしがものに触る手は、同じよう に見られ、触られるからである。すなわち、この意味では、わ たしの目やわたしの手は、見えるものを内側から見ており、 触れるものに内側から触るからである。 • わたしたちの<肉>は見え、触れるすべてのものを覆い、さ らに包み込むのであるが、しかしわたしたちの<肉>はこの 見え、触れるものによって囲まれているのである。 (メルロ=ポンティ・コレクション、ちくま学芸文庫、P.103)
  114. 114. メルロ・ポンティ「問い掛けと直観」 (原著:-年、訳:1999年 モーリス・メルロ=ポンティ、中山元編訳) • 世界とわたしは互いに互いのうちにある。知覚すること (percipere)から知覚されていること(percipi)に向かって、 どちらかが先行するということはなく、同時性、あるいは <遅れ>が存在する。 (メルロ=ポンティ・コレクション、ちくま学芸文庫、P.103)
  115. 115. 我々に接し、 我々を包囲している世界とは何か?
  116. 116. 環境 身体知能知能 人工知能とは? 行動(アウトプット) 身体 身体知性 (身体を制御 するOS) 遠心性情報 (身体への命令) 身体イメージ (遠心性コピーによ る再構築される) 遠心性コピー (身体への命令の複製) 求心性情報 (末端からフィードされる情報)
  117. 117. 環境 身体知能知能 人工知能とは? 生物に環境はどのように見えているか?
  118. 118. ギブソンの生態学的環境の三要素 • サブスタンス (材質、物質) • 媒質 • 境界 Un ragazzo chiamato Bi http://free-photos.gatag.net/2014/05/19/200000.html
  119. 119. ギブソン「表面幾何学」 • 地上生活をする生物を取り囲む環境は、サブス タンス性質に基づいた諸々の性質をもつ表面が 多様にレイアウトされたものである。 • 彼は、このような表面レイアウトに関する一般的 理論が思考の上で理念的にとらえられた数学的 幾何学とは異なるものであると考え、それを「表 面幾何学」という独自の幾何学として構想してい る。 (染谷昌義「認識の哲学」から「環境の哲学」へ 包まれるヒト<環境>の存在論、P.94)
  120. 120. ギブソン「生態学的知覚論」 (原著:1979, 翻訳:1985) • …環境に存在する事物の「価値」や「意味」が直接的に知覚され ることを示している…(P.137) • 環境のアフォーダンスとは、環境が動物に提供するもの、良いも のであれ悪いものであれ、用意したり備えたりするものである。 • アフォーダンスという言葉で私は、既存の用語では表現し得ない 仕方で、環境と動物の両者に関連するものをいい表したいので ある。この言葉は動物と環境の相補性を包含している。(P.137)
  121. 121. 目は最初から精緻な器官ではなかった(だろう) Malkav http://www.gatag.net/04/18/2010/110000.html Tarotastic http://www.gatag.net/08/28/2008/234848.html
  122. 122. 眼の誕生
  123. 123. 目は最初から精緻な器官ではなかった(だろう) ぼんやりと明るい、暗いがわかるぐらいの目であったはずだ。 そうであるとすれば、生き物は移動することで、明暗の変化から 周囲の様子を知っていたはずだ。 生き物の認識もまた、自分が移動することで、光量が変化する ことから、周囲の環境を知っていたはずだ。
  124. 124. ギブソン「生態学的知覚論」 (原著:1979, 翻訳:1985) • 包囲光配列の光学的流動が外界の動きとして知覚されることは めったにないのであり、包囲光配列の光学的流動は単に身体運 動感覚として経験される(experienced as kinethesis)、つまり自己 の身体の移動(egolocomotion)として、経験される(Warren, 1976)(P.133)
  125. 125. 目は最初から精緻な器官ではなかった(だろう) ぼんやりと明るい、暗いがわかるぐらいの目であったはずだ。 そうであるとすれば、生き物は移動することで、明暗の変化から 周囲の様子を知っていたはずだ。 生き物の認識もまた、自分が移動することで、光量が変化する ことから、周囲の環境を知っていたはずだ。 自分が移動する 周囲の光の列が変化する 自分が移動したことを確認する
  126. 126. ギブソン「生態学的知覚論」 (原著:1979, 翻訳:1985) • 包囲光配列の光学的流動が外界の動きとして知覚されることは めったにないのであり、包囲光配列の光学的流動は単に身体運 動感覚として経験される(experienced as kinethesis)、つまり自己 の身体の移動(egolocomotion)として、経験される(Warren, 1976)(P.133)
  127. 127. ギブソン「生態学的知覚論」 (原著:1979, 翻訳:1985) • 包囲光配列の光学的流動が外界の動きとして知覚されることは めったにないのであり、包囲光配列の光学的流動は単に身体運 動感覚として経験される(experienced as kinethesis)、つまり自己 の身体の移動(egolocomotion)として、経験される(Warren, 1976)(P.133)
  128. 128. ギブソン「生態学的知覚論」 (原著:1979, 翻訳:1985) • 包囲光配列の光学的流動が外界の動きとして知覚されることは めったにないのであり、包囲光配列の光学的流動は単に身体運 動感覚として経験される(experienced as kinethesis)、つまり自己 の身体の移動(egolocomotion)として、経験される(Warren, 1976)(P.133)
  129. 129. ギブソンの生態学的心理学 • 主観的世界に何が現れるか? =ギブソンの生態学的心理学
  130. 130. アフォーダンス 食べること ができる。 http://www.ashinari.com/2009/09/23-027796.php 登ること ができる。 http://www.ashinari.com/2012/09/27-370733.php?category=57 動かすこ とができる。 AI
  131. 131. アフォーダンス 歩くこと ができる。 届く。 押すこと ができる。 AI http://www.s-hoshino.com/f_photo/gake/ga_022.html http://www.ashinari.com/2009/12/30-032328.php?category=212 http://www.publicdomainpictures.net/view-image.php?image=9141
  132. 132. 機能環 効果器 客体 活動神経網 知覚神経網 前野佳彦訳・ユクスキュル「動物の環境と内的世界」 (みすず書房) 知覚世界活動世界 知覚微表担体 対象化された機構 活動担体 内的世界 興奮 受容器(刺激→興奮(記号)) 機能環 = アフォーダンス 同じことを違う言葉で指しているのはなぜ? 出自 学問 レベル アプローチ 機能環 生物 生物学 原初的 生理学・解剖学 生態 アフォーダンス 人間 心理学 認識 生態学的心理学 (心の現象)
  133. 133. メルロ・ポンティ「知覚の現象学」 (原著:1945年、 モーリス・メルロ=ポンティ、竹内芳郎・小木貞孝訳) • このような解明によって、最後に、根本的な志向性とし ての運動性を、余すことなく了解することができるように なる。意識とは、原初的には<われ思う>ではなくて< 我能う>である。 • 視覚も運動も、われわれが対象と関係してゆく特殊な仕 方であって、そのさい、これらすべての経験をつうじてた だ一つの機能が表出されているとすれば、それこそ実 存の運動なのである。 • (メルロ=ポンティ「知覚の現象学」、P.233)
  134. 134. メルロ・ポンティ「知覚の現象学」 (原著:1945年、 モーリス・メルロ=ポンティ、竹内芳郎・小木貞孝訳) • 運動とは、運動についての思惟ではないし、身体空間と は、思惟された、または表象された空間ではない。 • 「どんな有意的運動も、或る環境のなかで、運動自身に よって規定された或る背景[地]のうえにおこるものだ。わ れわれが運動をおこなうのは、運動とは何の関係もな い<空虚な>空間の中ではなく、逆に運動とのあいだ に十分に規定された関係を持っている空間の中である。 つまり、運動と背景とは、ほんとうを言えば、ただ一つの 全体から人工的に分離させられた諸契機でしかないの である」 • (メルロ=ポンティ「知覚の現象学」、P.233)
  135. 135. 本日のコンテンツ 第一部 人工知能に身体感覚を与える 第二部 人工知能に運動感覚を与える 第三部 人工知能に主観的環境を与える 第四部 人工知能に意識を与える
  136. 136. 知能(人間)の特徴 • 知能は構造である。 と同時に、 • 知能は構造から逃れようとする運動でもある。 (自分自身から逸脱しようとする) • 知能は時間の中で,このような二重性を持つ。
  137. 137. 自己(S)同一性 • 「AはAである。」 A
  138. 138. 自己(S)同一性 • 「AはAである。」という時、最初のAと、二つ 目のAは違う。 • Aは自分を対象化(異化)することによって、 はじめてこの言明は可能である。 A A A自身 対象化されたA
  139. 139. 自己(S)同一性 • 石は石である。 • エッフェル塔はエッフェル塔である。 • 東は東である。 A A A自身 対象化されたA
  140. 140. 自己(S)同一性 • 私は私である • これは何を意味するだろうか? • 我々が自分を対象化・客体化・異化できるの はなぜだろうか? A A A自身 対象化されたA
  141. 141. 過去の自己/現在の自分/未来の自分 St=k-1 自己(Self)
  142. 142. 過去の自己/現在の自分/未来の自分 St=k-1 St=k 自己(Self)
  143. 143. 過去の自己/現在の自分/未来の自分 St=k-1 St=k St=k+1 同一のものでありながら、 変化して行く 自己と自己の関係自己(Self)
  144. 144. 過去の自己/現在の自分/未来の自分 St=k-1 St=k St=k+1 差異を持ちつつ、時間的に遅延して行く。 この現象を差延(differance)という。 ※デリダの造語
  145. 145. 過去の自己/現在の自分/未来の自分 St=k-1 St=k St=k+1 自己は差延の作用によって、どんどん 自分自身からさえ脱却して行く。 であるからこそ、対象化される。
  146. 146. 自己(S)同一性 • この差延を内包するのが自己である。 • 微分的な意味において。 • 差異化されながら未来へ運ばれる。 (テセウスの船の微分版) S S’ A自身 対象化されたA 差異化 Differentiate 対象化
  147. 147. 差延(differance) 違うこと。差異 (difference) 先送りにすること (differ, differant) 差異を作りながら、 先送りになること。 (differance) ※デリダの造語
  148. 148. 知能にとって「遅れ異なる」(差延)は 本質的なこと • 知能が一挙に解決しないこと。 • 差異化される、遅れる、ことは、知能の継続性・連 続性を保証する。 • 先送りにできることで、処理を未来に託すことがで きる。 • さまざまな過去の残響が積み重なる。 • 過去からの継続と、未来への委託、が現前に紛れ 込む。 • 現前は、過去と未来とのつながりの中にある。 • 差異化されながら、統合(synthesis)への力も働く。
  149. 149. ジャック・デリダ(1930-2004) • フッサールの徹底的な読解を行い、修士論文 「フッサール哲学における発生の問題」を書き上 げる。 • その後、フッサール「幾何学の起源」を翻訳し、長 大な序文を付ける(序文の方が長い)。 • テキストの中のロゴスの持つ二項対立を明らか にし、その矛盾を描くことで、形而上学的なテキ ストをもう一度再考を促す「脱構築」など。 • 「差延」「散種」など新しい概念を提案する。 • ポスト構造主義を代表する哲学者。
  150. 150. ポスト構造主義 • 構造を逸脱して(構造がなくなるわけではない、 脱構築) • 果てしない流動性の中へ • 「差異」の哲学 • 純粋な構造はあり得ない
  151. 151. AM 私対象 • 差延の一見したところ異なる二つの価値がフロイトの理論 では結びつく。二つの価値とはすなわち一つは識別可能 性、区別、隔たり、間隙、つまり間隔化としてのdifferer、そ してもう一つは迂回、遅延、保留、つまり時間かせぎとして のdiffererのことである。 • 1 痕跡(spur)、開路(Bahnung)、開路の諸力といった概念 は『科学的心理学草稿』以来、差異の概念から切り離すこ とができない。記憶の起源、さらには記憶一般(それが意 識的なものであれ無意識的なものであれ)としての心理現 象の起源は、もろもろの開路のあいだの差異を考慮に入 れないかぎり記述できない。フロイトははっきりそう言って いる。差異がなければ開路は存在しないし、痕跡がなけれ ば差異は存在しない。 • (哲学の余白、法政大学出版局、P.60) デリダ「哲学の余白」 (原著:1972年、翻訳:2007年、高橋 允昭 (翻訳), 藤本 一勇 (翻訳))
  152. 152. デリダ「哲学の余白」 (原著:1972年、翻訳:2007年、高橋 允昭 (翻訳), 藤本 一勇 (翻訳)) AM 私対象 • 2 無意識的な痕跡の産出およびその書き込み (Niedershift)の過程におけるあらゆる差異は、貯蔵化 という意味での差延の契機としても解釈されうる。…す なわち危険な備給を差延することによって、つまり或 る貯蔵=保留(Vorat)を構成することによって自己自 身を保護する生命の努力として記述される。….快感原 則と現実原則との差異は、迂回…としての差延にほか ならない。 • (哲学の余白、法政大学出版局、P.61)
  153. 153. 過去の自己/現在の自分/未来の自分 St=k-1 St=k St=k+1 自己は差延の作用によって、どんどん 自分自身からさえ脱却して行く。 であるからこそ、対象化される。 この作用は何なのか?デリダは「エクリチュール」(書かれた言説)という。
  154. 154. 過去の自己/現在の自分/未来の自分 St=k-1 St=k St=k+1 自己は差延の作用によって、どんどん 自分自身からさえ脱却して行く。 であるからこそ、対象化される。 自己が自己について語ろうとする時に、そこには遅延が生まれる。 自分自身を語る、その語りを聴く自分。両者の間には遅延がある。
  155. 155. 過去の自己/現在の自分/未来の自分 St=k-1 St=k St=k+1 差延は時間の中で自己を対象化し、 自意識を生む。それは自分を見る、 自分を聴くことを可能にする。 自己が自己について語ろうとする時に、そこには遅延が生まれる。 自分自身を語る、その語りを聴く自分と。
  156. 156. AM 私対象 • …記号は事物のそのものの代わり、すなわち現前する 事物の代わりとなる。…記号は現前者を、当の現前者 が不在のところで代理する(再現前させる)。記号は現 前者の代わりとなる。われわれが当の事物を、つまり 当の現前者、現前的-存在者を取ったり示したりするこ とができないとき、現前者がみずからを現前させない とき、わらわれは記号作用を行い、記号の迂回を経由 する。わらわれは記号を取ったり与えたりする。われ われは記号をなす。したがって記号とは差延された現 前性=現在性だということになる。 • (哲学の余白、法政大学出版局、P.44) デリダ「哲学の余白」 (原著:1972年、翻訳:2007年、高橋 允昭 (翻訳), 藤本 一勇 (翻訳))
  157. 157. 過去の自己/現在の自分/未来の自分 St=k-1 St=k St=k+1 ロゴス(記号) ロゴス(記号) ロゴス(記号) 私が語る(ロゴス)、 を聴くという状況
  158. 158. 過去の自己/現在の自分/未来の自分 St=k-1 St=k St=k+1 ロゴス(記号) ロゴス(記号) ロゴス(記号) 私が語る(ロゴス)、を私 が聴くという状況 差延 差延 語る 語る
  159. 159. 過去の自己/現在の自分/未来の自分 St=k-1 St=k St=k+1 ロゴス t=k-2 ロゴス t=k-1 ロゴス t=k ロゴスは差延する。 記号によって今を乗り越える。 語る 語る
  160. 160. デリダ「声と現象」 (原著:1967年、翻訳:1970年、高橋 允昭訳) AM 私対象 • 自然発生的発生によって自己を産出する生ける今が、ひとつ の今であるために、もうひとつ別の今のなかに自己を把持した り、経験に頼ることなくひとつの新しい根源的な顕在性-この 顕在性において、その生ける今は、過ぎ去った今としての非-今 となるであろう-によって自己自身を触発したり、等々としなけ ればならないという、そういった過程は、まさにひとつの純粋な 自己-触発であり、そこにおいては同じものが同じであるのは、 それが他によって自己を触発することによって、つまり、その同 じものの他となることによってにほからならない。 (声と現象、理想社、P.158)
  161. 161. デリダ「声と現象」 (原著:1967年、翻訳:1970年、高橋 允昭訳) AM 私対象 • まず第一に留意しなければならないのが、根源的補欠性という この概念は、ただ単に現前の非充満(いいかえてフッサールの 用語で言えば、或る直観の非-充実)を含んでいるにとどまらな い.この概念は、代理的補欠[suppleance substitutive]というあ の機能、すなわち、すべての記号一般に属する<<の代わりに >> (fur etwas) という構造を指している. • (声と現象、理想社、P.168)
  162. 162. AM 私対象 • …生ける現在の<自己への現前>を構成するこの純粋な差異 は、そこから排除しうると考えられていた一切の不純性を、根 源的に再びそこへ導入するのである。行ける現在は、自己との 非-同一性と過去把持的痕跡の可能性とから湧出する。生け る現在は、つねにひとつの痕跡である。この痕跡は、自己に内 的であるような生をもつといった類の現在の単純性から出発し ては、考えられない。生ける現在の自己は、根源的に一つの痕 跡である。(声と現象、理想社、P.159) • …現前を根源的な分裂と遅延に同時に服させることによって、 現前に亀裂を生じさせると同時に遅らせもする遅延作業 [l’opearation du differer]である。このような差延は、遅延として の differer [延期する]と差異の積極的な働きとしての differer[異なる] とへの分離以前のところで考えられねばならな い。(声と現象、理想社、P.167) デリダ「声と現象」 (原著:1967年、翻訳:1970年、高橋 允昭訳)
  163. 163. デリダ「グラマトロジーについて」(原著: (1967年、翻訳:1984年、足立和浩訳) • 根源的時間性と他者への関係の運動においては、フッサール がはっきりと記述しているように、非=現前化(non- presentation)あるいは脱=現前化(de-presentation)は、現前化 と同じ様に「根源的」である. まさにそれゆえに、痕跡ついての思 惟は、超越論的現象学に還元されることもできないし、それと手 を切ることもできないのだ。 • だからこの場合問題なのは、構成された差異ではなく、あらゆる 内容規定に先立って差異を生む純粋な運動である。(純粋な) 痕跡は差延作用である。 • 実際、痕跡は一般意味の絶対的根源である。ということは、また 意味一般の絶対的根源は存在しないということである。痕跡と 差延作用であって、現れと意味作用とを開始する。 (グラマトロジーについて、現代思潮新社、P.123)
  164. 164. 意識を作る=自身を語る St=k-1 St=k St=k+1 ロゴス t=k-2 ロゴス t=k-1 ロゴス t=k 意識を作る=自らを「語る、表 現する、表明する、表現する」 ことが必要である 亀裂 亀裂 亀裂 語る 語る
  165. 165. 意識を作る=自身を語る St=k-1 St=k St=k+1 ロゴス t=k-2 ロゴス t=k-1 ロゴス t=k 差延によって作り出された差異は もう一度、統合される。 しかし、新しい差延が生まれる 語る 語る
  166. 166. 意識を作る=自身を語る St=k-1 St=k St=k+1 ロゴス t=k-2 ロゴス t=k-1 ロゴス t=k 知能は差延、差異、統合、反復の システムである。
  167. 167. 意識を作る=自身を語る St=k-1 St=k St=k+1 ロゴス t=k-2 ロゴス t=k-1 ロゴス t=k 知能は差延、差異、統合、反復の システムである。 逸脱(差異化,差延) 統合(引き戻し) 語る 語る
  168. 168. 差延された過去が積み重なる 時間 我々は過去の反響の積み重なりの中で生きている。 t=k-1 t=k t=k+1 t=k+2
  169. 169. デリダ「エクリチュールと差異」 (原著:1967年、 翻訳:2013年、合田 正人:, 谷口 博史) AM 私対象 • このように、理性はみずから自己を開示する。理性とは歴 史の中で生成するロゴスである、とフッサールは言ってい る。ロゴスは、自己をめざして、自分自身に対して、言い換 えるならロゴスとしてみずから現れるために、みずから自 己を語り、自己を聴取するために、存在を貫く。ロゴスは自 己-触発としての発話である。すなわち、自己が語るのを聴 くことであり。ロゴスは、自己に置いて、自己へのその現前 の「生ける現在」のなかで自己を取り戻すために、自己の 外へ出る。自己自身の外に出ることで、自己が語るのを聞 くことは、エクリチュールの迂回を通って、理性の歴史のな かで自己を構成する。自己が語るのを聞くことはこのよう に、再び自己と適合するために、自己と差異化する。 • (エクリチュールと差異<新約>、 みすず書房、P.334)
  170. 170. 知能の世界 認識の 形成 記憶 意思の 決定 身体 制御 エフェクター・ 身体 運動の 構成 センサー・ 身体 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 情報の流れ(インフォメーション・フロー) ロゴス 記 号 表 明 自らを記号で 表明し 自らに インフォームする 意識構造 イ ン フ ォ | ム
  171. 171. 知能 身体の反射レベル 脳の原始的な部分の反射レベル 無意識の反射レベル 意志決定 物理 情報 身体 感覚 情報 抽象 知的 情報 情報の抽象度 時間進行(流れ)の方向 論理的思考 生態的反射 (=環世界)
  172. 172. 知能の世界 認識の 形成 記憶 あらゆる 世界に対する 作用 身体 制御 エフェクター・ 身体 作用の 構成 センサー・ 身体 作用 作用 作用 記憶体 情報処理過程 運動創出過程 身体部分 情報 統合 運動 統合 ロゴス 自らを表明し 自らに 聴かせる 記 号 表 明 イ ン フ ォ | ム 意識構造 知能は外界と内界を結ぶだけではなく、 あらゆる瞬間に自分自身を構造化し創造する。 自分に対する語りであるように構成する
  173. 173. 実装アプローチ 通常の知能=動力学の中の知能 内側から発生的に言語的自分を生成する・押し上げる 言語的知能=言語的存在・言語的現実 としての知能 文法・語の関係性・文章からなる自分 自然に反映されるように
  174. 174. ありがとうございました。

人工知能のための哲学塾 - 西洋哲学レビュー編③ -

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