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植生調査資料データベースの構築
と公開に向けて
W21 オープンデータと生
態学
2015/3/21 17:30-19:
30
兵庫県立人と自然の博物館
橋本佳延
研究者からのオープンデータへの期待2
植生調査資料とは?
• 植物群落(植生)の
組成と構造、立地条
件を記述した観測
データ
• 在・不在データだけ
でなく、サイズ(群
落高・階層高)や量
(階層の植被率、各
出現種の被度)を記
録
調査方法・記録書式
は概ね統一されてい
る
日本で行われている植生調査で
は、
① 立地条件の記録(斜面方位、
傾斜、地形等)
② 階層の把握
③ 階層高・階層の植被率の把
握
④ 各階層の出現種のリスト
アップ
⑤ 各階層の出現種の被度の測
...
植生調査資料をデータベース化、
公開することの意義
• 検索を容易にし、資料へのアクセス性を高める
• 過去の自然環境(植生)の状態を知る手がかりを広く社会で
共有
– 植生遷移の研究の発展に寄与
• 現在の植生の状態を共有
– 地域の生物多様...
現在、データベース化をすすめてい
る
植生調査資料
• 神戸大学 植生学研究室(武田義明名誉教
授:平成24年度退官)に保管されていた植生
調査資料約7,000点→博物館に寄贈という形
• 故 杉田隆三 賢明女子学院短期大学教授の
植生調査資料...
博物館資料としての植生調査資料
• 観測データを「資
料」として扱うには
どうしたらよいか?
現地調査で筆記され
た調査票=原本を
「資料」として扱う
古文書的扱い
※現段階では原本が存
在しない調査データは
データベース化しない
植生調査資料
の保管状況 調査セット単位
で紙ファイルに
保管
調査セット単位
で紙ファイルに
保管
紙ファイルには植生調査票の原票
が保管される
DBに入力する前に
すべき処理
データベースに入力する前に
行わなければならない処理
• 筆記文字の判読
– 筆跡の癖、汚れ・かすれなど読み取りが難しいものの判断
• 誤字・脱字の修正
– 筆記者の聞き間違いがそのまま筆記されているものがある
• 種名の統一
– 異名や地方名...
修
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表
に
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て
保
管
デジタル情報にして
DB構築
デジタル情報としてデータベース
化
• 武田名誉教授がかつて
開発した植生解析ソフ
ト(basicで作成)を使
用
– 過去のデータの蓄積が
あるため、それを活か
すため
• 入力データをDB形式
で出力するためのコン
バータも存在するが、
D...
ここまでの処理での課題
• 文字判読出来ないものの扱い
– 現状では「不明」として処理
• 種名の記入誤り(聞き間違い)の扱い
– 現状では「不明」として処理
• 不完全データの扱い
– 調査年月日または調査者名が欠落したものは除外
– 位置情...
公開方法は?
選択肢①-原票画像をDB公開-
• 調査地点情報と原票画像を紐付け
• 種組成情報はデジタル化せず
• メリット
– 入力作業や判読作業が大幅に減らせ
る
– 博物館のもつ既存のDBシステムを活
用できる
• デメリット
– スキャン作業に手間...
選択肢②-WEBで検索・DL可能
なDB
• メリット
– 資料としての利便性の
向上
• デメリット
– イニシャルコスト大
(システム構築・サー
バー設置)
– ランニングコスト大
(IT技術の発展に合
わせたシステム更新。
メンテナンス。...
植生調査資料DBは
誰が支えるか?
• DB設置・維持にはヒト・モノ・カネが
必要
– 突き詰めると資金。
– 原資は税金? 寄付? 利用者負担?
• 植生調査資料が蓄積されていても、公開され
ていなければ活用できず、ほとんど無意味
• 植生調査資料が活用されても、管理者が社会
...
DB
管理
者
利用
者
提供
者
DBのメリット享受と、DB維持のための応分の負担
のための仕組み・合意形成が必要
試行錯誤し、DB
の最適な社会的運
用法を検討するの
がよさそう
誰が最初のた
たき台を作る
か?
博物
館
植生調査資料Db
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植生調査資料Db

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日本生態学会第62回鹿児島大会(2015/3/18-22)の自由集会「オープンデータと生態学」で発表したスライドです。
植生調査資料データベースの構築に向けて兵庫県立人と自然の博物館で私が取り組んでいる作業内容について紹介したものです。
自由集会の紹介は
http://www.esj.ne.jp/meeting/abst/62/W21.html
を参照ください。

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植生調査資料Db

  1. 1. 植生調査資料データベースの構築 と公開に向けて W21 オープンデータと生 態学 2015/3/21 17:30-19: 30 兵庫県立人と自然の博物館 橋本佳延 研究者からのオープンデータへの期待2
  2. 2. 植生調査資料とは? • 植物群落(植生)の 組成と構造、立地条 件を記述した観測 データ • 在・不在データだけ でなく、サイズ(群 落高・階層高)や量 (階層の植被率、各 出現種の被度)を記 録
  3. 3. 調査方法・記録書式 は概ね統一されてい る 日本で行われている植生調査で は、 ① 立地条件の記録(斜面方位、 傾斜、地形等) ② 階層の把握 ③ 階層高・階層の植被率の把 握 ④ 各階層の出現種のリスト アップ ⑤ 各階層の出現種の被度の測 定(目測) の順で行われる。 ※被度の測定法はブラン-ブラン
  4. 4. 植生調査資料をデータベース化、 公開することの意義 • 検索を容易にし、資料へのアクセス性を高める • 過去の自然環境(植生)の状態を知る手がかりを広く社会で 共有 – 植生遷移の研究の発展に寄与 • 現在の植生の状態を共有 – 地域の生物多様性の保全や活用の基礎資料 • 観察記録ではあるが、種の分布情報として活用可能(誤同定 が含まれる可能性があることを認識した上で利用) – 生物地理学への貢献 • 資料管理者では発想できない、新たな活用方法を発見する 可能性を高め
  5. 5. 現在、データベース化をすすめてい る 植生調査資料 • 神戸大学 植生学研究室(武田義明名誉教 授:平成24年度退官)に保管されていた植生 調査資料約7,000点→博物館に寄贈という形 • 故 杉田隆三 賢明女子学院短期大学教授の 植生調査資料→博物館に寄贈という形 • 人と自然の博物館の地域環境調査で得られた 植生調査資料 著作権の問題はクリアしているデータ
  6. 6. 博物館資料としての植生調査資料 • 観測データを「資 料」として扱うには どうしたらよいか? 現地調査で筆記され た調査票=原本を 「資料」として扱う 古文書的扱い ※現段階では原本が存 在しない調査データは データベース化しない
  7. 7. 植生調査資料 の保管状況 調査セット単位 で紙ファイルに 保管
  8. 8. 調査セット単位 で紙ファイルに 保管
  9. 9. 紙ファイルには植生調査票の原票 が保管される
  10. 10. DBに入力する前に すべき処理
  11. 11. データベースに入力する前に 行わなければならない処理 • 筆記文字の判読 – 筆跡の癖、汚れ・かすれなど読み取りが難しいものの判断 • 誤字・脱字の修正 – 筆記者の聞き間違いがそのまま筆記されているものがある • 種名の統一 – 異名や地方名で書かれているものを標準和名に変換 • 住所の特定 – 市町村名の省略など抜けの補完、特定の地名しか書かれていない場合、住所 を地図から読み取る(例 ○○神社、○○公園)→小字まで判断できる – 複数の市町村にまたがるような地名(例 ○○山)などは住所を特定できない 場合がある • 緯度・経度の判読 – 調査地点の記入された地形図が保管されている場合、緯度・経度を読み取る
  12. 12. 修 正 す る 点 が あ る 場 合 は 、 極 力 原 票 に 記 入 せ ず 、 別 紙 に 一 覧 表 に し て 保 管
  13. 13. デジタル情報にして DB構築
  14. 14. デジタル情報としてデータベース 化 • 武田名誉教授がかつて 開発した植生解析ソフ ト(basicで作成)を使 用 – 過去のデータの蓄積が あるため、それを活か すため • 入力データをDB形式 で出力するためのコン バータも存在するが、 DB公開できる形式に するには改良が必要 • 現在はコンバートする 前段階までの処理を進
  15. 15. ここまでの処理での課題 • 文字判読出来ないものの扱い – 現状では「不明」として処理 • 種名の記入誤り(聞き間違い)の扱い – 現状では「不明」として処理 • 不完全データの扱い – 調査年月日または調査者名が欠落したものは除外 – 位置情報は3次メッシュレベルで判断できるよう なものはDBに登録する(緯度経度情報がなくて も小字までの住所がわかれば含める)
  16. 16. 公開方法は?
  17. 17. 選択肢①-原票画像をDB公開- • 調査地点情報と原票画像を紐付け • 種組成情報はデジタル化せず • メリット – 入力作業や判読作業が大幅に減らせ る – 博物館のもつ既存のDBシステムを活 用できる • デメリット – スキャン作業に手間 – 資料としての利便性が低い(利用者 が労力をさく必要) • 原票文字の判読 • 種名統一 • 種組成データのデータベース化
  18. 18. 選択肢②-WEBで検索・DL可能 なDB • メリット – 資料としての利便性の 向上 • デメリット – イニシャルコスト大 (システム構築・サー バー設置) – ランニングコスト大 (IT技術の発展に合 わせたシステム更新。 メンテナンス。セキュ リティ対策) – 入力作業が膨大 http://vegedb.hitohaku.ne.jp/search_form/ 入力・編集・削除 種分布検索 調査票検索 ユーザー管理 文献名 都道府県 調査日 年 月 日~ 年 月 日 階層 種名(前方一致) 被度 被度(%) 被度はいずれかを入力 群度 検索条件を設定しない場合は全件表示されます。 上記の全てのデータをダウンロードします。 ダウンロードデータの説明はここをご覧ください。? DLリストにチェックを入れ、DLリスト作成ボタンを押すと、 ダウンロードする調査票のリストが一覧表示されます。 Copy Right 2013, Museum of Nature and Human Activities,Hyogo Revised DLリスト作成 文献名群落名  DLリスト 検索 全選択ダウンロード 地点ID 都道府県 市町村以下住所 year  植生データベース 調査票検索 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18
  19. 19. 植生調査資料DBは 誰が支えるか?
  20. 20. • DB設置・維持にはヒト・モノ・カネが 必要 – 突き詰めると資金。 – 原資は税金? 寄付? 利用者負担? • 植生調査資料が蓄積されていても、公開され ていなければ活用できず、ほとんど無意味 • 植生調査資料が活用されても、管理者が社会 的に賞賛されなければ続かない • データ提供者が賞賛される仕組みがなければ、 リアルタイムにデータが集まらない
  21. 21. DB 管理 者 利用 者 提供 者 DBのメリット享受と、DB維持のための応分の負担 のための仕組み・合意形成が必要 試行錯誤し、DB の最適な社会的運 用法を検討するの がよさそう 誰が最初のた たき台を作る か? 博物 館

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