Successfully reported this slideshow.
We use your LinkedIn profile and activity data to personalize ads and to show you more relevant ads. You can change your ad preferences anytime.

食事・行動履歴に基づく非侵襲的血糖値・空腹度推定手法

30,549 views

Published on

血糖値と空腹状態の関連性に着目し,食事・行動の履歴情報を基に血糖値を推定,血糖値を基に空腹度を推定する手法を提案し,推定精度の評価を行った.

Published in: Technology
  • Be the first to comment

食事・行動履歴に基づく非侵襲的血糖値・空腹度推定手法

  1. 1. 第22回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ(DPSWS) 食事・行動履歴に基づく 非侵襲的血糖値・空腹度推定手法 杉田敢, 玉井森彦, 荒川豊, 安本慶一 奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科 2014/12/10 第22回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ1
  2. 2. アウトライン 1. 研究背景 2. 関連研究 3. 提案手法 4. 評価実験 5. まとめ 2014/12/10 第22回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ2
  3. 3. アウトライン 1. 研究背景 2. 関連研究 3. 提案手法 4. 評価実験 5. まとめ 2014/12/10 第22回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ3
  4. 4. 世界的な肥満人口の増加 * 世界で14億人の成人が肥満の悩み[1] • 摂取カロリー過多 • 間食過多 • エネルギー摂取・消費の偏り空腹状態を把握し,食生活を改善 提案手法 目標 研究背景 適切な時刻に適切な食事・行動を推薦する事で肥満を防止 4 • 食事・行動の履歴から空腹度を定量的に推定 • 一般のモバイル端末によって容易に推定 2014/12/10 第22回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ 高血圧 糖尿病 脳卒中 肥満 [1] Organization., W. H.: Obesity and overweight, http://www.who.int/mediacentre/factsheets/fs311/en/ (Oct. 2014).
  5. 5. アウトライン 1. 研究背景 2. 関連研究 3. 提案手法 4. 評価実験 5. まとめ 2014/12/10 第22回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ5
  6. 6. 関連研究1 単体の身体装着型センサによるカロリー消費推定 被験者 呼気・吸気センサ 加速度センサ トレッドミル上での 歩行・走行 屋内外での指定さ れた運動・行動 通常の生活行動 重量物の上げ下げ 消費 カロリー 推定 [2] Lester, J. et al.: Validated caloric expenditure estimation using a single body-worn sensor, UbiComp 2009 6 • 高価で特殊な計測機器が必要 • 推定対象が消費カロリー 2014/12/10 第22回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ
  7. 7. 関連研究2 データマイニングに基づく血糖値変動傾向の推定 血糖モニタ 入力情報に基づい て推定モデル構築 代謝率モニタ 血糖値 推定被験者 モバイルPC (糖尿病患者) アプリケーション [3] Yamaguchi, M. et al.: Trend estimation of blood glucose level fluctuations based on data mining, 7th world multiconference on systemics, cybernetics and informatics, (2003). 7 • 翌朝血糖値のみの推定 • 糖尿病(異常な血糖値推移)の人間を対象 • 推定の過程で特殊な機器・侵襲的測定が必要 2014/12/10 第22回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ
  8. 8. 血糖モニタ 代謝率モニタ モバイルPC 血糖値 推定 被験者 (糖尿病患者) アプリケーション 入力情報に基づ いて推定モデル 構築 提案手法の特長 トレッドミル上での歩 行・走行 屋内外での指定さ れた運動・行動 通常の生活行動 重量物の上げ下げ 提案手法 被験者 呼気・吸気センサ 加速度センサ カロリー 消費推定 [2] Yamaguchi, M. et al.: Trend estimation of blood glucose level fluctuations based on data mining, 7th world multiconference on systemics, cybernetics and informatics, (2003). 8 • 任意の時間の血糖値・空腹度を推定可能 • 健康な(通常の血糖値推移の)人間を対象 • 血糖値・空腹度をモバイル端末のみを用いて推定 • ユーザに適した推定モデルがあれば,非侵襲に推定可能 2014/12/10 第22回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ
  9. 9. アウトライン 1. 研究背景 2. 関連研究 3. 提案手法 4. 評価実験 5. まとめ 2014/12/10 第22回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ9
  10. 10. 血糖値と空腹度の関係 血糖値 • 空腹度のグラウンドトゥルース • 血中のブドウ糖(グルコース)の濃度 • 健康な人間で,空腹時:70〜109[mg/dL]・食後2時間:〜140[mg/dL] • 食後急激に増加し,ピーク後は次の食事まで緩やかに減少 空腹度 血糖値 時間 血 糖 値[mg/dl] 遅延 満腹度合 [%] 100 昼食(12:00) 夕食(18:00) 140 病院の検査の基礎知識http://medical-checkup.info/article/44936157.html 2014/12/10 第22回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ10
  11. 11. 推定モデル概要 (1) 食事・行動履歴情報 ユーザ (3) 空腹度 (2) 推定血糖値 血糖値→空腹 度 推定モデル 空腹度推定モデル 履歴→血糖値 推定モデル • 2段階の推定モデル(履歴→血糖値, 血糖値→空腹度)により構成 • 推定された血糖値・空腹度はモバイ ルデバイス上で可視化 <応用可能なシステム例> • 空腹度推移の予測値に基づく, ナビゲーションシステム • 空腹度ベースの健康支援サ ポートシステム • 空腹度ベースSNSサービス (2)推定血糖値 2014/12/10 第22回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ11
  12. 12. 履歴→血糖値推定モデル:入力情報 食事・行動の履歴情報を入力情報として使用  任意の時刻における血糖値/空腹度を推定 食事情報 項目内容 時刻食事を摂取した時刻 主観的 分量 食前に感じた視覚的な分量の 多さの10段階評価値 主観的 満足度 食後に感じた感覚的な満足度 の10段階評価値 行動情報 項目内容 時刻行動情報の最終更新時刻 睡眠量睡眠の有無(0,1)と,睡眠を とった時間 消費カロ リー 歩数および基礎代謝から得ら れた消費カロリー総量 2014/12/10 第22回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ12
  13. 13. 履歴→血糖値推定モデル:提案手法 推定 血糖値(t) = オフ セット 係数 食事情報 パラメータ 行動情報 パラメータ - + 値( ) ログノーマ 推定血糖 ル関数t0 血 糖 値 食事摂取食事摂取 時刻 ログノーマル関数  血糖値推移曲線 • 推定モデル内で用いる定数は,訓練データとテストデータとの最小 二乗誤差を基にフィッティングし決定 • 現在の推定血糖値に以前の推定血糖値の値を反映 13 x x 2014/12/10 第22回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ
  14. 14. 血糖値→空腹度推定モデル 空腹度 (t) = 最大 値 係数 推定血糖値 (t - ) 正規化係数 1 - Tg 空 腹 度 血 糖 値 食事 時刻 遅延<> 90[min] Tg • 血糖値は空腹度に対して遅延( と表記)が存在 • 推定モデルで遅延時間Tを考慮 g • 血糖値と空腹度は逆相関の関係 • 正規化した血糖値を1から引く事により表現 14 x 2014/12/10 第22回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ
  15. 15. アウトライン 1. 研究背景 2. 関連研究 3. 提案手法 4. 評価実験 5. まとめ 2014/12/10 第22回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ15
  16. 16. 実験概要 • 推定モデルの精度および有効性の調査 • 推定モデル評価に用いるデータセットの収集 被験者に正午より2時間間隔で以下の内容の計測を計4回実施 • 血糖値・空腹度の測定 • 血糖自己測定器を用いた血糖値測定 • 主観的評価に基づく空腹度の記録 • 実際の食事・行動情報の記録 • 被験者: 20代の成人男性1名 • 場所: 研究室内 • 期間: 6日間(6/11 , 12, 16, 18, 19, 7/16) 昼食夕食 1 2 3 4 12:00 14:00 16:00 18:00 目的 内容 環境 2014/12/10 第22回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ16
  17. 17. 実験方法 血糖自己測定器「グルコカードGブラック」 穿刺器具「ナチュラレットEZデバイス」 穿刺針「ナチュラレットEZ」ほか消毒用脱脂綿等 17 使用する機器 記録する情報 実際の履歴情報訓練データ 食事情報 行動情報 実測血糖値 主観的空腹度 推定血糖値 推定空腹度 2014/12/10 第22回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ
  18. 18. 実験結果(血糖値推定) 6月11日6月12日6月16日 6月18日6月19日7月16日 2014/12/10 第22回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ18 血糖値[mg/dL] 時間
  19. 19. 実験結果(血糖値推定) 6月11日6月12日6月16日 6月18日6月19日7月16日 相関値: 0.29 推定誤差: 14.39% → 約85.6%の推定精度 増減の傾向およびタイミングはある程度の精度で推定可能 2014/12/10 第22回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ19 血糖値[mg/dL] 時間
  20. 20. 実験結果(空腹度推定) 6月11日6月12日6月16日 6月18日6月19日7月16日 2014/12/10 第22回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ20 空腹度[段階] 時間
  21. 21. 実験結果(空腹度推定) 6月11日6月12日6月16日 6月18日6月19日7月16日 相関値: 0.77 推定誤差: 1.26段階(10段階中) → 約87.4%の推定精度 増減とその程度・タイミングを比較的高い精度で推定可能 2014/12/10 第22回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ21 空腹度[段階] 時間
  22. 22. 考察 血糖値推定結果 ▼絶対値の推定誤差の原因 • 食事には様々な量の糖分が含有 • 提案手法は現状糖分までは未考慮 • GI値または糖度の大まかな量を食事内容として考慮 空腹度推定結果 ▼ユーザ毎の感覚の個人差への対処 • ユーザ毎の身体的特徴に対応した個別の推定モデル (※血糖値・身長・体重・体脂肪率・基礎代謝など) • 複数人被験者での測定・評価実験(12月中〜下旬) 2014/12/10 第22回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ22
  23. 23. アウトライン 1. 研究背景 2. 関連研究 3. 提案手法 4. 評価実験 5. まとめ 2014/12/10 第22回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ23
  24. 24. スマートフォンアプリケーション • 食事/行動情報の入力と,血糖値/空腹度の推定を簡単化 • 提案手法を導入したアプリケーションのプロトタイプとして開発 69 107.823 15:43 食事情報 入力画面 行動情報 入力画面 情報閲覧画面 入力情報 入力画面 呼び出し 2014/12/10 第22回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ24
  25. 25. まとめ まとめ • 血糖値/空腹度を,食事/行動履歴情報をもとに非侵襲的に推定す る手法を提案 • 提案手法は血糖値に関しては約85.6%,空腹度に関しては約 87.4%の精度で値の変動を推定可能 今後の予定 • 食事の内容またはGI(Glycemic Index)値を考慮することで血糖値 推定の精度向上 • 複数人被験者での測定実験により有効性を評価 2014/12/10 第22回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ25
  26. 26. 2014/12/10 第22回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ26
  27. 27. 既存手法と提案手法との比較 関連研究1 関連研究2 提案手法 対象ユーザ健常者糖尿病患者健常者 利用コスト× △ ○ ユーザへの負担× △ ○ 推定精度○ ○ △ 携帯性△ × ○ 既存手法 • 特殊な機器,またはそれらの使用に伴う身体的負担 • 任意の時間・場所での推定が困難または不可能 • 空腹を度合として定義・推定する事には未到達 提案手法 • ユーザに身体的負担を与えず血糖値・空腹度を推定 • 一般的なモバイル端末により,任意の時間・場所における推定が可能 2014/12/10 第22回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ27
  28. 28. 倫理審査について • 研究者が第三者に侵襲的測定等を実施することは, 医療行為→ 倫理審査での承認が必要 • 臨床研究(医学研究)に跨る内容であるため,以下の 内容で倫理審査を申請  課題名: 「食事・行動履歴に基づく空腹度推定システム」 受付:5月26日 承認:7月03日  備考: 血液感染のリスク回避のため,医療従事者の職員による十分 な指導が必要 28
  29. 29. グリセミック指数(GI値:Glycemic Index) • 炭水化物が糖に変わる早さ • 炭水化物50gを摂取した場合の血糖値上昇の度合 • 低GIの食品を食べる事で二型糖尿病・心臓病を抑制 区分値の範囲内容 低GI 〜55 果物,野菜,豆類,穀物など 中GI 56〜69 全粒粉製品,さつまいも,スクロースなど 高GI 70〜ジャガイモ,スイカ,パン,白米,シリアルなど http://ja.wikipedia.org/wiki/グリセミック指数 Chiu CJ; Liu S, Willett WC; et al. (Apr. 2011). “Informing Food Choices and Health Outcomes by Use of The Dietary Glycemic Index.”. Nutr Rev. 69 (4): 231-42. doi:10.1111/j.1753-4887.2011.00382.x. PMID 21457267. 2014/12/10 第22回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ29
  30. 30. 血糖値計測の手順 穿刺箇所の 消毒 穿刺 計測 穿刺器具 • ナチュラレットEZデバ イス(アークレイ社製) 記録シート 上に記入 血糖自己測定器 • グルコカードG ブラック (アークレイ社製) 2014/12/10 第22回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ30
  31. 31. 実験結果(血糖値) 日付測定時刻実測血糖推定血糖 6/11 11:53 98 100.7039 13:56 109 127.4812 15:59 110 127.4812 17:57 96 99.3208 6/12 11:56 94 101.4218 13:58 134 132.4913 15:55 102 104.0592 17:52 108 82.2535 6/16 11:56 118 106.5748 13:56 155 152.3370 16:13 124 103.8219 17:56 166 103.5837 日付測定時刻実測血糖推定血糖 6/18 11:57 105 94.2500 13:57 128 126.7502 15:54 137 102.7755 17:53 125 97.2301 6/19 11:58 104 118.4894 13:56 112 137.1634 15:57 106 118.6535 17:55 94 108.2046 7/16 11:53 96 111.4405 13:56 154 114.7176 15:54 127 91.1032 17:57 107 91.1374 2014/12/10 第22回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ31
  32. 32. 実験結果(空腹度) 日付測定時刻実測血糖推定血糖 6/11 11:53 8 6.807 13:56 5 4.894 15:59 6 4.894 17:57 7 6.906 6/12 11:56 7 6.756 13:58 4 4.536 15:55 5 6.567 17:52 8 8.125 6/16 11:56 8 6.388 13:56 4 3.119 16:13 5 6.584 17:56 7 6.601 日付測定時刻実測血糖推定血糖 6/18 11:57 8 7.268 13:57 4 4.946 15:54 6 6.659 17:53 7 7.055 6/19 11:58 6 5.536 13:56 4 4.203 15:57 6 5.525 17:55 8 6.271 7/16 11:53 7 6.04 13:56 5 5.806 15:54 7 7.493 17:57 7 7.49 2014/12/10 第22回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ32

×