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1
土壌診断の結果から施肥を考える
2
栽培にとって良い土とは?
3
土壌の発達1
4
土壌の発達2-1
土のはじめは川底の様な砂地(鉱物)から始まり、様々な
植物が根付くことによって土壌へと変化する。
5
土壌の発達2-2
石灰石:苦土石灰の中に入っている炭酸石灰のこと
(鞍馬川上流で撮影)
写真:http://ja.wikipedia.org/wiki/炭酸カルシウムより引用
6
土壌の発達2-3
黒雲母:バーミキューライトの原料で、土壌中でマグネシウム
   とカリウムの供給源となる
写真:http://ja.wikipedia.org/wiki/黒雲母より引用
7
土壌の発達3
植物の死骸が腐植に変わって、砂地(鉱物)と混ざることで、
より大きな植物が生育できる土壌へと変化する。
8
土壌の発達4
砂(鉱物)と腐植がちょうどいいバランスで混ざると
栽培にとって良い土だと言われる。
9
土壌の発達5
〇鉱物の役割
植物の根から酸が分泌されて
いるのですが、鉱物はその酸
に触れることで徐々に小さく
なりながら、ミネラルを放出
する。
他に保肥力(CEC)を高めます。
※粘土(モンモリロナイトも含む)は鉱物として扱われます
※...
10
土壌の発達6
〇鉱物の欠点
土壌で鉱物が多いと、土が締まって根が伸長しにくく
なる。
根が伸長しにくいことで、水や養分の吸収が弱まり、
全体的に株が弱る。
強い肥料を与えると壊れる。
壊れるとCEC、排水性と保水性が下がる。
11
土壌の発達7
〇腐植の役割
根が柔らかくなり、伸長し
やすくなり、肥料の効率が
上がる。他に排水性や保水
性が高まり作業効率も高ま
る。
米ぬかや糖蜜と併用することで、植物に有益な微生物の
増殖のための住処となる。
※バーク堆肥が腐植に当...
12
土壌の発達8
〇腐植の欠点
しっかりと発酵していない状態で土と混ぜると、未熟な
有機物内で植物に害を与える微生物が繁殖する。
(窒素飢餓)
未熟な腐植を入れた方
葉色が落ちた。
何も入れてない
13
土壌の発達9
〇腐植の欠点
腐植を入れすぎると、微量要素の欠乏が発生することが
ある。
※腐植入れすぎという状況になることはなかなかない
※炭素循環型農法を行う時は注意です
微生物の活動によって小さくなる。
活発な土壌であればある程、小さ...
14
土壌の発達補足
栽培にとって良い土になると、土に空気が入りやすくなる
他に、微生物の活動により地温が上がり、酸素+地温で根
の成長が促進され、大きな株になれる可能性を秘める。
15
土壌の発達補足
植物の根の養分吸収の規則として、
窒素分は根元付近(左)で、ミネラルは根の先端(右)で効率的
に吸収される。
16
土壌の発達補足
根量が増える≒根の先端の数が増える
事なので、根量が増えることで、窒素
分に対するミネラルの吸収量が増え、
吸水(カリ由来)、光合成(苦土由来)、
丈夫さ(石灰由来)や病気に対する抵抗
性(鉄由来)等が増す。
17
土壌分析の見方と活用
18
始める前に
〇肥料の効き方
水溶性:水によく溶けるので、肥効は即効性
不溶性:水に溶けるが、溶ける量は少量(難溶性)
く溶性:根から放出される根酸で溶ける
※あくまで傾向で、イオンの組み合わせによっては溶けないことがある
※無機化学では不...
19
20
土壌診断の各値
〇pH
土壌がどれ程酸性に傾いているかを調べる
・土壌10gに純水25mLを添加して60分浸透後pHメーター
 で測定(水浸透)
・土壌10gに1M塩化カリ25mLを添加して60分浸透後pH
 メーターで測定(塩化浸透)
...
21
土壌診断の各値
水酸化物(OH)が多い程、pHの数字は高くなる
pH
Hが多いほど、pHは低くなる
1 7 14
OHが多いほど、pHは高くなる
酸性 アルカリ性
土壌は弱酸性(オレンジの矢印の箇所:pH5.8ぐらい)
22
財団法人職業訓練教材研究会 植物学概論 72ページ
土壌診断の各値
土壌のpHは作物が養分を吸収
する時に影響する
pHは低くても、高くてもダメ
例:カリウム
  pH 5.5~7.5の間が吸収の
  適正域
23
財団法人職業訓練教材研究会 植物学概論 72ページ
土壌診断の各値
全ての要素を加味すると鉄と
マンガンの吸収が他の要素と
逆のパターンになるため、鉄
とマグネシウムの吸収のバラ
ンスをとると良い
pH6.5前後にすると良い
24
土壌診断の各値
pHが低い≒水素イオンがたくさん
ある状態では、保肥力がうまく活
用されない
pHが低いことは保肥力にも影響する
25
土壌診断の各値
〇pHが下がる要因
根から分泌される根酸…影響は小さい
生理的酸性肥料の施用…影響は大きい
→即効性であればあるほど影響が大きい
26
生理的酸性肥料
〇〇Aという数値の肥料で、数字が大きい程、強い
肥料で鉱物も壊す(強い≒効きが速い)
硫酸アンモニウム(硫安)の110A等
JA全農 肥料農薬部 施肥診断技術者ハンドブック 2003 96ページ
27
土壌診断の各値
〇pHが下がり過ぎると
土壌の鉱物から有害なアルミニウムが溶出する
アルミニウムが植物の根を内部から破壊する
http://root.jsrr.jp/archive/pdf/Vol.12/Vol.12_No.4_149.p...
28
土壌診断の各値
〇アルミニウムが溶出している土壌の目印
スギナは酸性指標植物で、スギナが繁茂しているところ
はアルミニウム障害の疑い有り
29
土壌診断の各値
〇アルミニウム対策
土壌のpHを上げつつ、アルミニウムの濃度を下げる
堆肥や客土で対応
次作以降、強い効きの肥料の使用を控える
※戦後のアルミニウムの政策では、リン酸を施用して
 リン酸アルミニウムにして沈殿させていたらし...
30
土壌診断の各値
〇EC(電気伝導率)
土壌中にどれだけ肥料が残留しているかの値
硝酸イオンの濃度を測ると言われているが、イオン濃度
全般を測定する
0.2~0.4 mS/cmが正常で、0.8 mS/cm以上で濃度障害
が発生する
31
土壌診断の各値
〇EC(電気伝導率)
土壌のEC値が高くなると、土壌の
浸透圧が上昇する
根の浸透圧を高めて水を吸収して
いる植物にとって、EC値が高い土
壌では水が吸えなくなる。
水が吸えなくなることで、養分も
吸えなくなる
32
土壌診断の各値
〇EC(電気伝導率)を上げる要因
硝酸〇〇や硫酸〇〇といった肥料(即効性の肥料)を多量
に施肥するとEC値が上がりやすい
排水性が悪い土壌で上記の肥料を施肥すると更に上が
りやすい
※硝酸〇〇や硫酸〇〇の肥料が必ずしも悪い...
33
土壌診断の各値
〇CEC(保肥力)
CECは陽イオン交換容量の略で、
土壌中でどれだけ陽イオンの養分
を保持できるかの値
34
土壌診断の各値
〇CEC(保肥力)を形成する物質
土壌鉱物と腐植で形成している
CECが高い土壌ではECが上がりにくくなる
35
土壌診断の各値
〇塩基飽和度
土壌中の全CECに対して、水素イオンを除く陽イオンが
どれ程吸着しているかの値
塩基飽和度が低い状態 塩基飽和度が高い状態
塩基飽和度が高い場合、除塩や土作りを強化した方が良い
36
土壌診断の各値
〇石灰、苦土、カリの関係
財団法人職業訓練教材研究会 植物学概論 72ページ
37
土壌診断の各値
〇石灰、苦土、カリの関係
土壌中に石灰が多いと、苦土とカリの吸収を阻害する
同様に苦土が多いと、石灰とカリの吸収を阻害する
特定の要素が多いと他の要素に影響を与える
カルシウム(石灰)過剰症:
マグネシウム、カリウム欠乏を...
38
39
土壌診断の各値
土壌診断から石灰が過剰しているということが分かった
相対的に苦土が少ないので、苦土欠乏が発生しやすい
土壌であることも分かった
石灰過剰を解決しないまま、次の作付けで石灰を使用する
と確実に品質が低下することが分かっている...
40
41
土壌診断の各値
残留している石灰が水溶性かく溶性かを判断する
EC値に着目し、数値が高ければ水溶性、低ければく溶性
EC値が高い場合
灌水で濃度を減らしながら、
イオンを洗い流す
(硫酸塩か硝酸塩が多い)
EC値が低い場合
炭酸塩かリン酸...
42
土壌診断の各値
〇石灰と苦土の量はどれくらいが良いの?
自然にある土の石灰と苦土の比は10:1らしい
石灰が苦土の10倍以上にならなければ、深刻な障害が
出ることはないはず
43
44
〇フィチン酸(有機態リン酸)
リン酸過剰で気を付けること
リン酸とリン酸の間で他の肥料分を掴んでしまい、
掴まれた成分も利用できなくなる(慢性的なミネラル欠乏)
家畜糞ばかり使っているところで年々いろんな肥料の
肥効が落ちていく現象はフィ...
45
46
土壌診断の各値
〇カリが少ないのは要注意
カリは土壌鉱物や川の水に十分量含まれており、カリが
不足するということは教科書レベルの話ではほとんどない。
土壌鉱物が劣化している可能性大
カリの補充はもちろんのこと、他の鉱物由来の微量要素
が欠...
47
土壌診断の各値
〇慢性的なカリ欠乏の兆候が見られたら
鉱物系の肥料を施肥した方が良い
※モンモリロナイトやバーミキューライト等
もしくは客土
48
施肥で気を付けること
49
カリウム(K)
〇浸透圧の調整
各所、特に根に多く蓄積し、根からの吸水に関わる
根の浸透圧を高めることで、
土から根への水の流れを発生
させて吸水する
※他に細胞内の酵素の働きに関与
 するが省略
50
カリウム(K)
〇浸透圧(補足)
51
カリウム(K)
根の中が土よりも濃度が
高ければ、土から水を吸水
できる
根から水が吸えなければ、
養分も吸えなくなるので、
土壌のイオン濃度(EC値)
も吸水時に重要になる
52
カリウム(K)
〇カリウム欠乏
水を吸うことに関わる要素のため、
カリウムが欠乏すると葉が萎れて、
葉色も薄くなる。特に下の葉から
症状が現れ始める。
※葉色が薄く→黄色っぽくなる
吸水力の低下と養分吸収が下がる
53
カルシウム(Ca)
〇細胞壁の強化
株の硬さを得るためにカルシウムは
使われる。
植物繊維のセルロースの間にカルシ
ウムが入り込んで、繊維が硬くなり、
茎や葉も頑丈になる
エックボックス説
セルロース
セルロース
他にカルシウムが十分にあ...
54
カルシウム(Ca)
〇カルシウム欠乏
新しく出てくる葉(上の方の葉)が不調
になり、ひどい時は枯死する
新しく出てくる葉に問題ありで、古い
葉(下の方の葉)には深刻な症状はなし
55
マグネシウム(Mg)
〇葉緑素の中心にある要素
光合成を行う葉緑素はマグネシウム
を中心にすることで働く様になる
マグネシウムが入ることで葉が緑色
になる
左のヘムという構造の中心がマグネ
シウム以外の分子が入ると別の働き
になる
htt...
56
マグネシウム(Mg)
〇マグネシウム欠乏
下の葉が黄化する。葉の外側から黄
化し、葉脈は最後
マグネシウム欠乏が軽微の場合は
上の葉は正常に展開する
下の葉が黄化する。葉の外側から黄
化し、葉脈は最後
光合成に支障が出る
57
植物の根から吸水
光合成をしっかりと行う
為、葉が根から水を吸い
上げる圧力を高める
根の浸透圧を高める
ことで土からの吸水
力が高まる
肥料成分は根から吸い上げるため、
吸水力を高める要素はしっかりと施用する
58
マグネシウムの吸収時の注意点
財団法人職業訓練教材研究会 植物学概論 72ページ
59
マグネシウムの吸収時の注意点
土壌中にカルシウムが多いとマグネシウムとカリウム
の吸収力が下がる
マグネシウムとカリウムを施肥しても、肥効が期待通り
にならない現象がある
カルシウム系の肥料の過剰施用で作物は不健康になる
※カルシウム過多...
60
マグネシウムの吸収時の注意点
カルシウムはいつ施用する?
・栽培を開始する前にpH調整の為の石灰
カルシウムの用途は多岐にわたるため
ついつい過剰施用になってしまう
・追肥や葉面散布で水溶性のカルシウム等
・酸素供給剤にも入っていたりする
61
マグネシウムの吸収時の注意点
実は鶏糞の中にもカルシウムが大量に含まれている
http://www.kyodo-shiryo.co.jp/product/product_01.html
鶏は卵の殻を硬くするために、給餌の中に大量にカルシウ...
62
マグネシウムの吸収時の注意点
炭酸カルシウム
熟成鶏糞
飼料由来の炭酸カルシウムやリン酸カルシウムの他、
卵の殻(これも炭カル)も鶏糞に含まれる
63
64
マグネシウムの吸収時の注意点
pH調整の為に石灰を使い、養分補給で鶏糞は
作物にとって最悪の組み合わせ
病気を減らすために
pH調整で石灰を使うなら、鶏糞は使わない
鶏糞を使いたければ、石灰でpH調整は行わない
※鶏糞の中にある炭酸カルシ...
65
マグネシウムの吸収時の注意点
pHは石灰でなくても調整することができる
・水マグ
 く溶性の苦土(マグネシウム)
 苦土石灰の中にある炭酸石灰と
 同じ働きをしつつpH調整後に残
 るのがカルシウムではなく、
 マグネシウム
・重炭酸カリ...
66
マグネシウムの吸収時の注意点
カルシウム過多になったら、カリウムやマグネシウムを
追肥で補充すれば良いという発想は危険。
カルシウムとマグネシウムが同時に過多になると、微量
要素成分が吸収できなくなる。(詳細は割愛)
土壌中のカルシウム量...
67
牛糞、鶏糞を多投した土壌
68
ハウスの事例
ハウス内で元肥を牛糞、追肥で鶏糞を使用
牛糞と鶏糞の主成分は硝酸態窒素
硝酸態窒素は水溶性の窒素
水溶性の窒素はEC値を高める
牛糞、鶏糞の組み合わせで栽培を続けところはどうなったか?
69
70
ハウスの事例
〇石灰(カルシウム)過剰
苦土(マグネシウム)やカリウムの肥効が下がる
光合成や吸水力が下がり、他の肥料の吸収も下がる
〇有機態リン酸の過剰
慢性的なミネラル欠乏を引き起こす可能性大
硝酸の過剰やミネラル不足による品質の低下...
71
ハウスの事例
〇ECの過剰
ハウスの土に白い粉が吹き始める
72
ハウスの事例
〇ECの過剰
慢性的な水分不足で葉の張りがなくなる
ミネラル分が吸えなくなるため、葉色が落ちる
73
ハウスの事例
〇ECの過剰を放置していると
慢性的な極度の水分不足により、
作物が育たない土となる
土壌の復旧には雨ざらしにして、
牛糞や鶏糞の成分を流し続ける
必要がある
74
施肥時に意識したい吸収規則
75
植物の肥料成分の吸収
〇窒素分
窒素分の吸収は根元に向かえば
向かう程たくさん吸収され、根
の先端ではほとんど吸収されま
せん
赤丸の箇所で窒素の吸収が最大
吸収されなかった養分は一部土
壌に残り、大半は地下水へ流れる
76
植物の肥料成分の吸収
〇ミネラル
ミネラルの吸収は窒素と逆で、
根の先端に向かうほど吸収でき
る
赤丸の箇所でミネラルの吸収が最大
吸収されなかった養分は一部土
壌に残り、大半は地下水へ流れる
77
植物の肥料成分の吸収
〇水とリン酸
水とリン酸は万遍なく吸収される
78
植物の肥料成分の吸収
〇根元に追肥をしてみると
水に溶けて下に浸み込むと、
窒素を多く吸収する箇所に肥料
が溜まり、ミネラルの吸収がほと
んど行われない
施肥の計算をしても、窒素以外
は計算通りに吸収されない
79
植物の肥料成分の吸収
〇施肥のパフォーマンスを上げるには
窒素の吸収よりもミネラルの吸収
を優先して、肥料の吸収効率を高
めることを優先する
カリウムとマグネシウムで根量
が増やしてから、窒素の吸収を
高めることができる
バランスの良い施肥
80
植物の肥料成分の吸収
理想的な施肥といっても、効率化したマルチでの栽培だと
ミネラル吸収を考慮した追肥は難しい。
81
パフォーマンスの高い施肥
82
ばら撒きの注意点
マルチ穴への追肥を行うと根元に肥料が集まってしまい、
窒素分ばかりが急激に吸収されてしまう
83
ばら撒きの注意点
〇窒素肥料の注意点
硫安や尿素といった即効性の窒素肥料は肥効が現れる前に
一旦有害ガスの形でマルチの中に溜まる(葉焼け)
84
ばら撒きの注意点
マルチ穴への追肥だと、葉焼けを起こす有害なガスを根元
の一ヶ所にため込んでしまい、個体が弱る。
※効きは遅いが、ガスが発生しにくい窒素肥料を使う
85
窒素肥料の有害ガスの発生のしやすさ
〇有害ガスが発生しやすい窒素肥料(上から順で発生しやすい)
・塩安:塩化アンモニウム
・硫安:硫酸アンモニウム
・硝安:硝酸アンモニウム
・尿素:炭酸アンモニウム
・未熟な家畜糞、乾燥鶏糞等(アンモニウ...
86
ばら撒きの注意点
マルチ穴追肥だと、窒素分に対してミネラル分の吸収
が落ちるため、窒素少な目、ミネラル多めを心がける
窒素肥料のガス発生の量を減らすことに繋がり、光合
成が活発になるので、株も強くなる
87
ばら撒きの注意点
元肥の時点で長く効く肥料をメインにすることを心がける
・設計されたロング肥料
・く溶性の肥料(肥料に根が届いた時にはじめて効くタイプ)
・粉状よりも粒状(苦土等)
→肥料は水に溶けてはじめて効く。粒状だと水に溶けにくい
...
88
ばら撒きの注意点
施肥した肥料を流れ難くする:保肥力(CEC)を高める
元肥で植物性の有機物(菌床かすやバーク堆肥)、
モンモリロナイト由来の肥料で土作りをすると
ミネラル系の肥料が流れにくくなる。
89
まとめ
施肥の計算をしても、どこに肥料を与えるかによって
肥料の効きが大きく異なる
植物の吸収や肥料が効くまでを意識して、無駄な施肥を
減らし、経費を下げつつ秀品率を上げる
微生物の活動
菌:カビやキノコ
写真とイラスト:http://ja.wikipedia.org/wiki/コウジカビより引用
菌はカビやキノコといった多細胞生物が大半を占める
作物の病気はカビ由来が多い
作物にとって有益な物質や毒素を出せるものがいる
菌:カビやキノコ
キノコはこう見えて、カビの仲間(担子菌や子嚢菌)
細菌:乳酸菌、大腸菌や軟腐病菌
By Credit: Rocky Mountain Laboratories, NIAID, NIH [Public domain], via Wikimedia Commons
細菌の大半は単細胞生物
作物にと...
ウィルス:ネギ萎縮ウィルス等
By Los Alamos National Laboratory [Public domain or Public domain], via Wikimedia Commons
ウィルスは生物?
自己増殖すること...
細菌とウィルスの違い
細菌は細胞分裂で増えることができる
By Credit: Rocky Mountain Laboratories, NIAID, NIH [Public domain], via Wikimedia Commons
細菌:
細菌とウィルスの違い
※ウィルスは細菌だけでなく、人や植物の細胞にも感染する
細菌とウィルスの違い
写真:http://upload.wikimedia.org/wikipedia/ja/d/d4/Virus_growth_curve.pngを引用
細菌は2倍ずつ増えるが、ウィルスは突然爆発的に増加する
微生物が有機物を分解するまで
微生物が有機物を分解するまで
小さい微生物程、分解できる物質が少ない。
周りに分解できる物質が少なくなると、一部の優秀な個体
のみ休眠を行い、他は死んで様々な微生物が利用できる有
機物となる
土壌の場合は団粒構造の成分となる
コロニー
住環境や餌の条件が整うことで、特定の菌が爆発的に増えること
コロニーができたら他の菌は入れない
コロニー例
稲わらと良質な大豆たんぱくがあることで納豆菌が優勢種
になる
※納豆菌は細菌
http://www.kyotogakuen.ac.jp/~microbio/news/2012/12/000187.html
日和見菌(細菌)
日和見菌群
有
益
菌
群
有
害
菌
群
(作物にとって)有益でも有害でもない大多数の菌群
有益、有害のどちらかの菌群が活発になると、それを加担する
様に動き出す菌群のことを指す
根こぶ病菌(カビ?)で考えてみる
先に無害、もしくは有益な菌がたくさんいるとわかっている
堆肥が根の周りにあれば、根こぶ病で深刻な事態になること
は避けられる
そんな良い堆肥なんてあるのか?
そもそも有益な菌はどこにいるのか?
有益な微生物一例
枯草菌の仲間で植物の根の発根に良い影響を与える細菌がいる
枯草菌の仲間で窒素固定を行う細菌がいる
根こぶ病菌を抑えつつ、上記の細菌の協力を得たい
読んで字のごとく枯れた草で発見された細菌で、
植物性の有機物でできた熟成堆肥を入...
有益な微生物一例
落ち葉や夏草の堆肥が理想だが、量が確保できない
無害な菌による発酵が終了している
資材として廃菌床がある
安価なものでバークもある
まとめ
・畑に腐植を入れて、より大きく育てる環境を目指す
・カルシウムの過剰施肥を避けることで、全ての肥料要素の
 吸収効率を高め、作物を健康的にする
・特定の菌だけが増殖できる環境を避ける
病気の発症率を下げることで、農薬の散布量は減らせる
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土壌分析の見方と活用法

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京丹後の農家向けの勉強会の資料です。
土壌診断を行った後、数字をどのように見て、どのような施肥をすれば成果が上げやすいかを説明しています。

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土壌分析の見方と活用法

  1. 1. 1 土壌診断の結果から施肥を考える
  2. 2. 2 栽培にとって良い土とは?
  3. 3. 3 土壌の発達1
  4. 4. 4 土壌の発達2-1 土のはじめは川底の様な砂地(鉱物)から始まり、様々な 植物が根付くことによって土壌へと変化する。
  5. 5. 5 土壌の発達2-2 石灰石:苦土石灰の中に入っている炭酸石灰のこと (鞍馬川上流で撮影) 写真:http://ja.wikipedia.org/wiki/炭酸カルシウムより引用
  6. 6. 6 土壌の発達2-3 黒雲母:バーミキューライトの原料で、土壌中でマグネシウム    とカリウムの供給源となる 写真:http://ja.wikipedia.org/wiki/黒雲母より引用
  7. 7. 7 土壌の発達3 植物の死骸が腐植に変わって、砂地(鉱物)と混ざることで、 より大きな植物が生育できる土壌へと変化する。
  8. 8. 8 土壌の発達4 砂(鉱物)と腐植がちょうどいいバランスで混ざると 栽培にとって良い土だと言われる。
  9. 9. 9 土壌の発達5 〇鉱物の役割 植物の根から酸が分泌されて いるのですが、鉱物はその酸 に触れることで徐々に小さく なりながら、ミネラルを放出 する。 他に保肥力(CEC)を高めます。 ※粘土(モンモリロナイトも含む)は鉱物として扱われます ※粘土は砂よりも小さな鉱物
  10. 10. 10 土壌の発達6 〇鉱物の欠点 土壌で鉱物が多いと、土が締まって根が伸長しにくく なる。 根が伸長しにくいことで、水や養分の吸収が弱まり、 全体的に株が弱る。 強い肥料を与えると壊れる。 壊れるとCEC、排水性と保水性が下がる。
  11. 11. 11 土壌の発達7 〇腐植の役割 根が柔らかくなり、伸長し やすくなり、肥料の効率が 上がる。他に排水性や保水 性が高まり作業効率も高ま る。 米ぬかや糖蜜と併用することで、植物に有益な微生物の 増殖のための住処となる。 ※バーク堆肥が腐植に当たる
  12. 12. 12 土壌の発達8 〇腐植の欠点 しっかりと発酵していない状態で土と混ぜると、未熟な 有機物内で植物に害を与える微生物が繁殖する。 (窒素飢餓) 未熟な腐植を入れた方 葉色が落ちた。 何も入れてない
  13. 13. 13 土壌の発達9 〇腐植の欠点 腐植を入れすぎると、微量要素の欠乏が発生することが ある。 ※腐植入れすぎという状況になることはなかなかない ※炭素循環型農法を行う時は注意です 微生物の活動によって小さくなる。 活発な土壌であればある程、小さくなるスピードが速く なる
  14. 14. 14 土壌の発達補足 栽培にとって良い土になると、土に空気が入りやすくなる 他に、微生物の活動により地温が上がり、酸素+地温で根 の成長が促進され、大きな株になれる可能性を秘める。
  15. 15. 15 土壌の発達補足 植物の根の養分吸収の規則として、 窒素分は根元付近(左)で、ミネラルは根の先端(右)で効率的 に吸収される。
  16. 16. 16 土壌の発達補足 根量が増える≒根の先端の数が増える 事なので、根量が増えることで、窒素 分に対するミネラルの吸収量が増え、 吸水(カリ由来)、光合成(苦土由来)、 丈夫さ(石灰由来)や病気に対する抵抗 性(鉄由来)等が増す。
  17. 17. 17 土壌分析の見方と活用
  18. 18. 18 始める前に 〇肥料の効き方 水溶性:水によく溶けるので、肥効は即効性 不溶性:水に溶けるが、溶ける量は少量(難溶性) く溶性:根から放出される根酸で溶ける ※あくまで傾向で、イオンの組み合わせによっては溶けないことがある ※無機化学では不溶性とされていても、栽培では水溶性と扱われる  無機化学:100ccの水に1gしか溶けないものを不溶性として扱う  栽培:上記の条件であっても水溶性として扱うことが多い
  19. 19. 19
  20. 20. 20 土壌診断の各値 〇pH 土壌がどれ程酸性に傾いているかを調べる ・土壌10gに純水25mLを添加して60分浸透後pHメーター  で測定(水浸透) ・土壌10gに1M塩化カリ25mLを添加して60分浸透後pH  メーターで測定(塩化浸透) 塩化浸透は土壌のアルミニウム分の影響を調べる pHは水浸透のみを把握しておき、塩化浸透で悪影響を 与える要素分を調べる。 水浸透と塩化浸透の差が小さければ栽培しやすい土壌?
  21. 21. 21 土壌診断の各値 水酸化物(OH)が多い程、pHの数字は高くなる pH Hが多いほど、pHは低くなる 1 7 14 OHが多いほど、pHは高くなる 酸性 アルカリ性 土壌は弱酸性(オレンジの矢印の箇所:pH5.8ぐらい)
  22. 22. 22 財団法人職業訓練教材研究会 植物学概論 72ページ 土壌診断の各値 土壌のpHは作物が養分を吸収 する時に影響する pHは低くても、高くてもダメ 例:カリウム   pH 5.5~7.5の間が吸収の   適正域
  23. 23. 23 財団法人職業訓練教材研究会 植物学概論 72ページ 土壌診断の各値 全ての要素を加味すると鉄と マンガンの吸収が他の要素と 逆のパターンになるため、鉄 とマグネシウムの吸収のバラ ンスをとると良い pH6.5前後にすると良い
  24. 24. 24 土壌診断の各値 pHが低い≒水素イオンがたくさん ある状態では、保肥力がうまく活 用されない pHが低いことは保肥力にも影響する
  25. 25. 25 土壌診断の各値 〇pHが下がる要因 根から分泌される根酸…影響は小さい 生理的酸性肥料の施用…影響は大きい →即効性であればあるほど影響が大きい
  26. 26. 26 生理的酸性肥料 〇〇Aという数値の肥料で、数字が大きい程、強い 肥料で鉱物も壊す(強い≒効きが速い) 硫酸アンモニウム(硫安)の110A等 JA全農 肥料農薬部 施肥診断技術者ハンドブック 2003 96ページ
  27. 27. 27 土壌診断の各値 〇pHが下がり過ぎると 土壌の鉱物から有害なアルミニウムが溶出する アルミニウムが植物の根を内部から破壊する http://root.jsrr.jp/archive/pdf/Vol.12/Vol.12_No.4_149.pdf から引用 アルミニウムが溶出している土壌の目印はないの?
  28. 28. 28 土壌診断の各値 〇アルミニウムが溶出している土壌の目印 スギナは酸性指標植物で、スギナが繁茂しているところ はアルミニウム障害の疑い有り
  29. 29. 29 土壌診断の各値 〇アルミニウム対策 土壌のpHを上げつつ、アルミニウムの濃度を下げる 堆肥や客土で対応 次作以降、強い効きの肥料の使用を控える ※戦後のアルミニウムの政策では、リン酸を施用して  リン酸アルミニウムにして沈殿させていたらしい ※アルミニウムは土壌鉱物の主成分
  30. 30. 30 土壌診断の各値 〇EC(電気伝導率) 土壌中にどれだけ肥料が残留しているかの値 硝酸イオンの濃度を測ると言われているが、イオン濃度 全般を測定する 0.2~0.4 mS/cmが正常で、0.8 mS/cm以上で濃度障害 が発生する
  31. 31. 31 土壌診断の各値 〇EC(電気伝導率) 土壌のEC値が高くなると、土壌の 浸透圧が上昇する 根の浸透圧を高めて水を吸収して いる植物にとって、EC値が高い土 壌では水が吸えなくなる。 水が吸えなくなることで、養分も 吸えなくなる
  32. 32. 32 土壌診断の各値 〇EC(電気伝導率)を上げる要因 硝酸〇〇や硫酸〇〇といった肥料(即効性の肥料)を多量 に施肥するとEC値が上がりやすい 排水性が悪い土壌で上記の肥料を施肥すると更に上が りやすい ※硝酸〇〇や硫酸〇〇の肥料が必ずしも悪い訳ではなく  多量に施肥することに注意
  33. 33. 33 土壌診断の各値 〇CEC(保肥力) CECは陽イオン交換容量の略で、 土壌中でどれだけ陽イオンの養分 を保持できるかの値
  34. 34. 34 土壌診断の各値 〇CEC(保肥力)を形成する物質 土壌鉱物と腐植で形成している CECが高い土壌ではECが上がりにくくなる
  35. 35. 35 土壌診断の各値 〇塩基飽和度 土壌中の全CECに対して、水素イオンを除く陽イオンが どれ程吸着しているかの値 塩基飽和度が低い状態 塩基飽和度が高い状態 塩基飽和度が高い場合、除塩や土作りを強化した方が良い
  36. 36. 36 土壌診断の各値 〇石灰、苦土、カリの関係 財団法人職業訓練教材研究会 植物学概論 72ページ
  37. 37. 37 土壌診断の各値 〇石灰、苦土、カリの関係 土壌中に石灰が多いと、苦土とカリの吸収を阻害する 同様に苦土が多いと、石灰とカリの吸収を阻害する 特定の要素が多いと他の要素に影響を与える カルシウム(石灰)過剰症: マグネシウム、カリウム欠乏を引き起こす マグネシウム(苦土)過剰症: カルシウム、カリウム欠乏を引き起こす
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  39. 39. 39 土壌診断の各値 土壌診断から石灰が過剰しているということが分かった 相対的に苦土が少ないので、苦土欠乏が発生しやすい 土壌であることも分かった 石灰過剰を解決しないまま、次の作付けで石灰を使用する と確実に品質が低下することが分かっている 除塩して土壌のカルシウムの残量を減らす
  40. 40. 40
  41. 41. 41 土壌診断の各値 残留している石灰が水溶性かく溶性かを判断する EC値に着目し、数値が高ければ水溶性、低ければく溶性 EC値が高い場合 灌水で濃度を減らしながら、 イオンを洗い流す (硫酸塩か硝酸塩が多い) EC値が低い場合 炭酸塩かリン酸塩が蓄積して いるので、クエン酸溶液で塩 を溶かして洗い流す
  42. 42. 42 土壌診断の各値 〇石灰と苦土の量はどれくらいが良いの? 自然にある土の石灰と苦土の比は10:1らしい 石灰が苦土の10倍以上にならなければ、深刻な障害が 出ることはないはず
  43. 43. 43
  44. 44. 44 〇フィチン酸(有機態リン酸) リン酸過剰で気を付けること リン酸とリン酸の間で他の肥料分を掴んでしまい、 掴まれた成分も利用できなくなる(慢性的なミネラル欠乏) 家畜糞ばかり使っているところで年々いろんな肥料の 肥効が落ちていく現象はフィチン酸の蓄積では?
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  46. 46. 46 土壌診断の各値 〇カリが少ないのは要注意 カリは土壌鉱物や川の水に十分量含まれており、カリが 不足するということは教科書レベルの話ではほとんどない。 土壌鉱物が劣化している可能性大 カリの補充はもちろんのこと、他の鉱物由来の微量要素 が欠乏していることを意識した方が良い(ホウ素等)
  47. 47. 47 土壌診断の各値 〇慢性的なカリ欠乏の兆候が見られたら 鉱物系の肥料を施肥した方が良い ※モンモリロナイトやバーミキューライト等 もしくは客土
  48. 48. 48 施肥で気を付けること
  49. 49. 49 カリウム(K) 〇浸透圧の調整 各所、特に根に多く蓄積し、根からの吸水に関わる 根の浸透圧を高めることで、 土から根への水の流れを発生 させて吸水する ※他に細胞内の酵素の働きに関与  するが省略
  50. 50. 50 カリウム(K) 〇浸透圧(補足)
  51. 51. 51 カリウム(K) 根の中が土よりも濃度が 高ければ、土から水を吸水 できる 根から水が吸えなければ、 養分も吸えなくなるので、 土壌のイオン濃度(EC値) も吸水時に重要になる
  52. 52. 52 カリウム(K) 〇カリウム欠乏 水を吸うことに関わる要素のため、 カリウムが欠乏すると葉が萎れて、 葉色も薄くなる。特に下の葉から 症状が現れ始める。 ※葉色が薄く→黄色っぽくなる 吸水力の低下と養分吸収が下がる
  53. 53. 53 カルシウム(Ca) 〇細胞壁の強化 株の硬さを得るためにカルシウムは 使われる。 植物繊維のセルロースの間にカルシ ウムが入り込んで、繊維が硬くなり、 茎や葉も頑丈になる エックボックス説 セルロース セルロース 他にカルシウムが十分にあると老化が 遅くなる 茎が硬くなり、 株全体で安定する
  54. 54. 54 カルシウム(Ca) 〇カルシウム欠乏 新しく出てくる葉(上の方の葉)が不調 になり、ひどい時は枯死する 新しく出てくる葉に問題ありで、古い 葉(下の方の葉)には深刻な症状はなし
  55. 55. 55 マグネシウム(Mg) 〇葉緑素の中心にある要素 光合成を行う葉緑素はマグネシウム を中心にすることで働く様になる マグネシウムが入ることで葉が緑色 になる 左のヘムという構造の中心がマグネ シウム以外の分子が入ると別の働き になる http://ja.wikipedia.org/wiki/クロロフィル
  56. 56. 56 マグネシウム(Mg) 〇マグネシウム欠乏 下の葉が黄化する。葉の外側から黄 化し、葉脈は最後 マグネシウム欠乏が軽微の場合は 上の葉は正常に展開する 下の葉が黄化する。葉の外側から黄 化し、葉脈は最後 光合成に支障が出る
  57. 57. 57 植物の根から吸水 光合成をしっかりと行う 為、葉が根から水を吸い 上げる圧力を高める 根の浸透圧を高める ことで土からの吸水 力が高まる 肥料成分は根から吸い上げるため、 吸水力を高める要素はしっかりと施用する
  58. 58. 58 マグネシウムの吸収時の注意点 財団法人職業訓練教材研究会 植物学概論 72ページ
  59. 59. 59 マグネシウムの吸収時の注意点 土壌中にカルシウムが多いとマグネシウムとカリウム の吸収力が下がる マグネシウムとカリウムを施肥しても、肥効が期待通り にならない現象がある カルシウム系の肥料の過剰施用で作物は不健康になる ※カルシウム過多で作物の吸水力が落ち、カルシウムも  吸えなくなるという現象も発生する
  60. 60. 60 マグネシウムの吸収時の注意点 カルシウムはいつ施用する? ・栽培を開始する前にpH調整の為の石灰 カルシウムの用途は多岐にわたるため ついつい過剰施用になってしまう ・追肥や葉面散布で水溶性のカルシウム等 ・酸素供給剤にも入っていたりする
  61. 61. 61 マグネシウムの吸収時の注意点 実は鶏糞の中にもカルシウムが大量に含まれている http://www.kyodo-shiryo.co.jp/product/product_01.html 鶏は卵の殻を硬くするために、給餌の中に大量にカルシウム を入れ、ほとんど消化せずに鶏糞の成分となる
  62. 62. 62 マグネシウムの吸収時の注意点 炭酸カルシウム 熟成鶏糞 飼料由来の炭酸カルシウムやリン酸カルシウムの他、 卵の殻(これも炭カル)も鶏糞に含まれる
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  64. 64. 64 マグネシウムの吸収時の注意点 pH調整の為に石灰を使い、養分補給で鶏糞は 作物にとって最悪の組み合わせ 病気を減らすために pH調整で石灰を使うなら、鶏糞は使わない 鶏糞を使いたければ、石灰でpH調整は行わない ※鶏糞の中にある炭酸カルシウムは苦土石灰の成分で  若干ではあるが鶏糞にもpHを調整できる
  65. 65. 65 マグネシウムの吸収時の注意点 pHは石灰でなくても調整することができる ・水マグ  く溶性の苦土(マグネシウム)  苦土石灰の中にある炭酸石灰と  同じ働きをしつつpH調整後に残  るのがカルシウムではなく、  マグネシウム ・重炭酸カリ  水溶性のカリウム  水に溶けた瞬間にpHを調整する
  66. 66. 66 マグネシウムの吸収時の注意点 カルシウム過多になったら、カリウムやマグネシウムを 追肥で補充すれば良いという発想は危険。 カルシウムとマグネシウムが同時に過多になると、微量 要素成分が吸収できなくなる。(詳細は割愛) 土壌中のカルシウム量を減らすという意識が大事
  67. 67. 67 牛糞、鶏糞を多投した土壌
  68. 68. 68 ハウスの事例 ハウス内で元肥を牛糞、追肥で鶏糞を使用 牛糞と鶏糞の主成分は硝酸態窒素 硝酸態窒素は水溶性の窒素 水溶性の窒素はEC値を高める 牛糞、鶏糞の組み合わせで栽培を続けところはどうなったか?
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  70. 70. 70 ハウスの事例 〇石灰(カルシウム)過剰 苦土(マグネシウム)やカリウムの肥効が下がる 光合成や吸水力が下がり、他の肥料の吸収も下がる 〇有機態リン酸の過剰 慢性的なミネラル欠乏を引き起こす可能性大 硝酸の過剰やミネラル不足による品質の低下 作物の弱体化による農薬の散布量の増大
  71. 71. 71 ハウスの事例 〇ECの過剰 ハウスの土に白い粉が吹き始める
  72. 72. 72 ハウスの事例 〇ECの過剰 慢性的な水分不足で葉の張りがなくなる ミネラル分が吸えなくなるため、葉色が落ちる
  73. 73. 73 ハウスの事例 〇ECの過剰を放置していると 慢性的な極度の水分不足により、 作物が育たない土となる 土壌の復旧には雨ざらしにして、 牛糞や鶏糞の成分を流し続ける 必要がある
  74. 74. 74 施肥時に意識したい吸収規則
  75. 75. 75 植物の肥料成分の吸収 〇窒素分 窒素分の吸収は根元に向かえば 向かう程たくさん吸収され、根 の先端ではほとんど吸収されま せん 赤丸の箇所で窒素の吸収が最大 吸収されなかった養分は一部土 壌に残り、大半は地下水へ流れる
  76. 76. 76 植物の肥料成分の吸収 〇ミネラル ミネラルの吸収は窒素と逆で、 根の先端に向かうほど吸収でき る 赤丸の箇所でミネラルの吸収が最大 吸収されなかった養分は一部土 壌に残り、大半は地下水へ流れる
  77. 77. 77 植物の肥料成分の吸収 〇水とリン酸 水とリン酸は万遍なく吸収される
  78. 78. 78 植物の肥料成分の吸収 〇根元に追肥をしてみると 水に溶けて下に浸み込むと、 窒素を多く吸収する箇所に肥料 が溜まり、ミネラルの吸収がほと んど行われない 施肥の計算をしても、窒素以外 は計算通りに吸収されない
  79. 79. 79 植物の肥料成分の吸収 〇施肥のパフォーマンスを上げるには 窒素の吸収よりもミネラルの吸収 を優先して、肥料の吸収効率を高 めることを優先する カリウムとマグネシウムで根量 が増やしてから、窒素の吸収を 高めることができる バランスの良い施肥
  80. 80. 80 植物の肥料成分の吸収 理想的な施肥といっても、効率化したマルチでの栽培だと ミネラル吸収を考慮した追肥は難しい。
  81. 81. 81 パフォーマンスの高い施肥
  82. 82. 82 ばら撒きの注意点 マルチ穴への追肥を行うと根元に肥料が集まってしまい、 窒素分ばかりが急激に吸収されてしまう
  83. 83. 83 ばら撒きの注意点 〇窒素肥料の注意点 硫安や尿素といった即効性の窒素肥料は肥効が現れる前に 一旦有害ガスの形でマルチの中に溜まる(葉焼け)
  84. 84. 84 ばら撒きの注意点 マルチ穴への追肥だと、葉焼けを起こす有害なガスを根元 の一ヶ所にため込んでしまい、個体が弱る。 ※効きは遅いが、ガスが発生しにくい窒素肥料を使う
  85. 85. 85 窒素肥料の有害ガスの発生のしやすさ 〇有害ガスが発生しやすい窒素肥料(上から順で発生しやすい) ・塩安:塩化アンモニウム ・硫安:硫酸アンモニウム ・硝安:硝酸アンモニウム ・尿素:炭酸アンモニウム ・未熟な家畜糞、乾燥鶏糞等(アンモニウムイオン多め) 〇有害ガスが発生しにくい窒素肥料(大体が遅効性) ・硝酸アンモニウムを除く硝酸系の肥料 ・熟成された家畜糞(市場にはほとんど出回っていない) ・アミノ酸肥料 ・油粕等の窒素分高めの有機肥料
  86. 86. 86 ばら撒きの注意点 マルチ穴追肥だと、窒素分に対してミネラル分の吸収 が落ちるため、窒素少な目、ミネラル多めを心がける 窒素肥料のガス発生の量を減らすことに繋がり、光合 成が活発になるので、株も強くなる
  87. 87. 87 ばら撒きの注意点 元肥の時点で長く効く肥料をメインにすることを心がける ・設計されたロング肥料 ・く溶性の肥料(肥料に根が届いた時にはじめて効くタイプ) ・粉状よりも粒状(苦土等) →肥料は水に溶けてはじめて効く。粒状だと水に溶けにくい  ので、長く緩く効く様になる
  88. 88. 88 ばら撒きの注意点 施肥した肥料を流れ難くする:保肥力(CEC)を高める 元肥で植物性の有機物(菌床かすやバーク堆肥)、 モンモリロナイト由来の肥料で土作りをすると ミネラル系の肥料が流れにくくなる。
  89. 89. 89 まとめ 施肥の計算をしても、どこに肥料を与えるかによって 肥料の効きが大きく異なる 植物の吸収や肥料が効くまでを意識して、無駄な施肥を 減らし、経費を下げつつ秀品率を上げる
  90. 90. 微生物の活動
  91. 91. 菌:カビやキノコ 写真とイラスト:http://ja.wikipedia.org/wiki/コウジカビより引用 菌はカビやキノコといった多細胞生物が大半を占める 作物の病気はカビ由来が多い 作物にとって有益な物質や毒素を出せるものがいる
  92. 92. 菌:カビやキノコ キノコはこう見えて、カビの仲間(担子菌や子嚢菌)
  93. 93. 細菌:乳酸菌、大腸菌や軟腐病菌 By Credit: Rocky Mountain Laboratories, NIAID, NIH [Public domain], via Wikimedia Commons 細菌の大半は単細胞生物 作物にとって有益な物質や毒素を出せるものがいる
  94. 94. ウィルス:ネギ萎縮ウィルス等 By Los Alamos National Laboratory [Public domain or Public domain], via Wikimedia Commons ウィルスは生物? 自己増殖することができないので非生物として扱われる こともある
  95. 95. 細菌とウィルスの違い 細菌は細胞分裂で増えることができる By Credit: Rocky Mountain Laboratories, NIAID, NIH [Public domain], via Wikimedia Commons 細菌:
  96. 96. 細菌とウィルスの違い ※ウィルスは細菌だけでなく、人や植物の細胞にも感染する
  97. 97. 細菌とウィルスの違い 写真:http://upload.wikimedia.org/wikipedia/ja/d/d4/Virus_growth_curve.pngを引用 細菌は2倍ずつ増えるが、ウィルスは突然爆発的に増加する
  98. 98. 微生物が有機物を分解するまで
  99. 99. 微生物が有機物を分解するまで 小さい微生物程、分解できる物質が少ない。 周りに分解できる物質が少なくなると、一部の優秀な個体 のみ休眠を行い、他は死んで様々な微生物が利用できる有 機物となる 土壌の場合は団粒構造の成分となる
  100. 100. コロニー 住環境や餌の条件が整うことで、特定の菌が爆発的に増えること コロニーができたら他の菌は入れない
  101. 101. コロニー例 稲わらと良質な大豆たんぱくがあることで納豆菌が優勢種 になる ※納豆菌は細菌 http://www.kyotogakuen.ac.jp/~microbio/news/2012/12/000187.html
  102. 102. 日和見菌(細菌) 日和見菌群 有 益 菌 群 有 害 菌 群 (作物にとって)有益でも有害でもない大多数の菌群 有益、有害のどちらかの菌群が活発になると、それを加担する 様に動き出す菌群のことを指す
  103. 103. 根こぶ病菌(カビ?)で考えてみる 先に無害、もしくは有益な菌がたくさんいるとわかっている 堆肥が根の周りにあれば、根こぶ病で深刻な事態になること は避けられる そんな良い堆肥なんてあるのか? そもそも有益な菌はどこにいるのか?
  104. 104. 有益な微生物一例 枯草菌の仲間で植物の根の発根に良い影響を与える細菌がいる 枯草菌の仲間で窒素固定を行う細菌がいる 根こぶ病菌を抑えつつ、上記の細菌の協力を得たい 読んで字のごとく枯れた草で発見された細菌で、 植物性の有機物でできた熟成堆肥を入れると病気を抑えられる
  105. 105. 有益な微生物一例 落ち葉や夏草の堆肥が理想だが、量が確保できない 無害な菌による発酵が終了している 資材として廃菌床がある 安価なものでバークもある
  106. 106. まとめ ・畑に腐植を入れて、より大きく育てる環境を目指す ・カルシウムの過剰施肥を避けることで、全ての肥料要素の  吸収効率を高め、作物を健康的にする ・特定の菌だけが増殖できる環境を避ける 病気の発症率を下げることで、農薬の散布量は減らせる

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