仮想通貨エコシステム試論【簡略版】

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2014年5月10日の勉強会で使用したバージョン

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仮想通貨エコシステム試論【簡略版】

  1. 1. 仮想通貨エコシステム試論【簡略版】 A Preliminary Analysis on the Cryptocurrency Ecosystem [short ver.] 九州大学 実積寿也 Toshiya Jitsuzumi, Kyushu University jitsuzumi@econ.kyushu-u.ac.jp
  2. 2. 経済効率性の観点からの基本的判断 • 代替的な機能を果たす選択肢は多いに越したことはない。 • ビットコインは決済手段に特化した「貨幣」的なもの • 利用者が合理的に選択できる限りOK • 利用コストと利用メリットの比較衡量 • 使わない自由は常に存在する。 • 価値保蔵手段 • 取引の決済手段 • 他の財物の価値尺度 貨幣の役割 2
  3. 3. ビットコインをめぐる論点 • ビットコインがなぜ価値をもっているのか? • 一般的受容性 • 裏付けの不在 • 強制通用力 • 決済手段としての特色は何か? • 決済コストが安いことは普及していないことの裏返し • 10分間という壁 3
  4. 4. 決済手段としてのpositioning コスト・リスク 利便性 現金 銀行預金、 クレジットカード、 デビットカード 理想の仮想通貨 現実の仮想通貨 4 ただし、現段階では決済手段とし ては未成熟極まりない • 一般的受容性が十分には確立さ れていない段階では「ババ抜き のババ」に等しい
  5. 5. ビットコインをめぐる論点 • ビットコインがなぜ価値をもっているのか? • 一般的受容性 • 裏付けの不在 • 強制通用力 • 決済手段としての特色は何か? • 決済コストが安いことは普及していないことの裏返し • 10分間という壁 • ビットコインが普及していくための条件 • ネットワーク効果 • 10%という壁 • 既存の現金システムとの連関 5
  6. 6. 仮想通貨のエコシステム • 仮想通貨は各種 生産資源の投入 効率を実物市場 と争い、また、 決済手段として の利便性を他の 決済手段と争う • 長期的には合理 的裁定が働くこ とが期待できる Source: Wikibrains (http://wikibrains.com/map/532add45e4 b0dbbf379c4fef#.Uy5mzfl_t8E) http:/ / www.lbl.gov/ Science- Articles/ Archive/ assets/ images/ 2005/ Feb- 02/ chp_electric_power_lines_1.jpg http:/ / www.datacenterknowledge.com/ wp- content/ uploads/ 2014/ 01/ bitcoin-allied-asicminer.jpg 電力 資本投入 http:/ / blog.prolecto.com/ wp- content/ uploads/ 2013/ 05/ fo rex-samples.jpeg http://www.commerce.wa.gov .au/consumerprotection/Imag es/Business/goods-and- services.jpg http:/ / siliconangle. com/ files/ 2013/ 0 7/ 05915708- photo-bitcoin.gif http:/ / btcmag.9wizards.netdna-cdn.com/ wp-content/ uploads/ 2013/ 12/ gloryshot_11.png 取引所 6
  7. 7. ビットコインが既に果たした意義 • 既存システムの規律向上 • 財政・金融当局への規律付け • 野放図な財政金融政策に対する一時的な資金退避先 • 金融業界への競争圧力 • 金融決済サービスに対する代替手段 • 安価な決済手段によるフロンティア拡大 • 為替や決済費用がハードルとなってきた事業を採 算に乗せ、育てていくインフラになる • 決済制度が未整備な新興国では大きな存在意義 • 犯罪組織にとっても大きな価値あり • 類似技術の発達(ethereumなど) • 既存システムと逆相関を持つリスク資産の提供 • 機関投資家向けのリスク回避手段 7
  8. 8. ビットコインシステムのリスク・コスト • サイバー攻撃への脆弱性 • システム管理主体、市場の番人が明確でないというリスク • システム改善と整備は世界中に散らばる匿名の技術者 • アルゴリズムに欠陥がみつかった場合に対処可能か? • 付随システムである取引所運営の不透明性 • 取引機能と保管機能、金融機能の混在 • 不正取引に利用される可能性⇒コイン全体の評価ダウン • バブルの可能性 • ビットコインの規模の小ささに由来する高いvolatility • 公式の価値安定化メカニズムの不在 • 法定通貨でないビットコインの保有理由は投機的需要が大半 8 山口浩のSYNODOS論文 (http://synodos.jp/society/75 64)およびMurray Hill Journal (http://wholekernel.blogspot.j p/2014/01/blog-post_25.html、 http://wholekernel.blogspot.jp/ 2014/02/blog-post_18.html) を参考に作成
  9. 9. 政府介入の方向性:リスク軽減策 • 消費者保護のための安全性・透明性の向上 • 自己責任の前提となる情報開示・監視機能の 整備は必須 • 税制の整備 • 保有者と非保有者不公平性への対処 • 自国通貨建て取引が減少⇒税収喪失のリスク • 犯罪行為(マネーロンダリング)への対処 • 国際連携の結果、擬似匿名性は失われる可能 性がある。 • インターネット通信を禁止しない限り、ビッ トコインを含む仮想通貨自体は規制不可 ⇒中国は例外? 日経新聞電子版セクション 2014/3/5 日経新聞 2014/3/19 日経新聞 2014/3/8 9
  10. 10. 政府介入の方向性:産業育成 • 取引所間、仮想通貨間の競争環境の整備 • 安全かつ透明な値決め・決済ルール • 仮想通貨システムに対する最終的な保証の提供 • 国際仮想通貨銀行? 10 http://ja.reddit.com/r/IAmA/comments/1cgo6n/iama_im_prince_michael_of_the_principality_of/
  11. 11. 九州大学 実積寿也 Toshiya Jitsuzumi, Kyushu University jitsuzumi@econ.kyushu-u.ac.jp 仮想通貨エコシステム試論【簡略版】 A Preliminary Analysis on the Cryptocurrency Ecosystem [short ver.]

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