ウェアラブルデバイス、IoTがもたらす産業変革

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OMC2014 in Fukuokaでの講演資料

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  • 2010年の家電小売市場規模は前年(2009年)から約1兆円拡大し、9兆5,000億円程度。
    2009年のパチンコの参加人口は1720万人で、市場規模は21兆650億円(「レジャー白書2010」)。
  • 黎明期:新製品発表や各種イベントが報道され、関心が高揚
    流行期:過度の興奮と非現実的な期待が生じる。成功事例が出ることもあるが、多くは失敗に終わる。
    幻滅期:技術は過度な期待に応えられず急速に関心が失われる。メディアはその話題や技術を取り上げなくなる。
    回復期:いくつかの事業は回復期に入り、その利点と適用方法を理解するようになる。
    安定期:広範に宣伝され受け入れられるようになると、技術は「生産性の台地」に到達する。
  • ウェアラブルデバイス、IoTがもたらす産業変革

    1. 1. ウェアラブルデバイス、IoTが もたらす産業変革 九州大学経済学研究院実積寿也
    2. 2. 今回の話がどのくらい一般的なのか?
    3. 3. ウェアラブルデバイス、ウェアラブルコンピュータ  ウェアラブルコンピュータ(wearable computer)とは、身につけて持ち歩く ことが出来るコンピュータのこと。別にコンピュータやスマートフォンなどが あり、その周辺機器としての使い道を期待している場合に、ウェアラブルデバ イス、ウェアラブル端末と呼ぶこともある。  小さく軽いデバイスで構成され、腕時計のように普段身につけるガジェットを 利用したものから、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)のように、身につけて 出歩くことも不可能ではないガジェット、あるいは、衣類にコンピュータを統 合したものまで、幅広く研究されている。 ウィキペディアより
    4. 4. ウェアラブルデバイス市場(大元隆志氏による分類) A) アクティビティトラッカー ダイエットやスポーツの活動量を計測するデバイス。代表的 な製品として、「NIKE+ FUELBAND SE」や、「Fitbit One」、 「UP by Jawbone」などがある。 B) スマートウォッチ これから市場が立ち上がると期待されているのが、スマート ウォッチ。 C) スマートグラス 文字通り、メガネ型のデバイス。 D) その他のアクセサリ 資本力が乏しく「アイデア」で勝負するスタートアップは、 個性的なデバイスで一攫千金を狙う。 出典:http://it.impressbm.co.jp/articles/-/11166
    5. 5. ウェアラブルデバイスの限界論 今、注目を集めている一連のウェアラブルデバイスは、文字通り身体に密着させ ることを前提としている。そうすることで、生理的な情報を収集することや、情 報空間により自然にかつ濃密に接触することを目指している。 従ってウエアラブルデバイスは、身体性の制約を大きく受けることになる。身体 性を逸脱したデザインや機能は、そのままでは人の支持を得られず、最終商品と しては失格だ。 そもそも人の身体は、情報空間ほどドラスティックには変化していない。私たち がデバイスそのものに漠然と抱く期待に比べ、私たちの身体はいまだ保守的であ り、その制約から逃れられないのだ。 出典: http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/watcher/14/360592/092600005/
    6. 6. Google Glassは既にオワコンか? 盗撮や盗聴に関する懸念により、 グーグルグラスを着用すること に人々が消極的になりつつある。 出典:http://uk.pcmag.com/wearable-tech/ 36416/opinion/rest-in-peace-google-glass-2012-2014
    7. 7. ウェアラブルデバイスの本質的機能、位置づけ  情報の入力デバイス  キーボード、マイク、バイオセンサー、GPS、温度計、ガイガーカウンター、など  情報の出力デバイス  ディスプレイ、スピーカー、バイブレーター、など  極めて制約された機能を具備  インターネットの存在が前提
    8. 8. ウェアラブルはIoT(モノのインターネット)の一部 IoTとは、あらゆるモノがインターネット を通じて接続され、モニタリングやコン トロールを可能にするといった概念・コ ンセプト。 IoTでは衣服(ウェアラブルデバイス)や 自動車(スマートカー)、家屋(スマー トハウス)などあらゆるものがスマート 化され、かつ、必ずしも人を介さず端末 同士、モノ同士が自律連携することを想 定。用途もモニタリング、センシング、 人間生活の管理サポートなど、幅広い。 2010年代に入り、スマートデバイス、モ バイル通信、M2Mなどの技術の実現・普 及が進みはじめており、IoTが現実可能と なりつつある。 IT用語辞典BINARYより 出典:http://www.idgconnect.com/IMG/691/3691/internet-of-things-620x354.jpg?1367909167
    9. 9. もう既に普及が進んでいるIoT  インターネットとの接続が機能発揮の前提となるモノの普及が静かに進行 出典:http://www.informationweek.com/big-data/hardware-architectures/iot-ipv6-coming-to-the-connected-home/a/d-id/1269437
    10. 10. もともとは”ubiquitous computing”と呼ばれた  Mark Weiser氏(当時ゼロックス・パロアルト研究所)が1988年頃に提唱  メインフレーム(みんなで1台)、パーソナル・コンピュータ(1人で1台)に続 く第3世代のコンピュータ利用形態として提唱したコンセプト  キーボード、アイコンとマウスといった伝統的なユーザー・インターフェイスに変 わって、ペン入力や音声認識、そのほかのデバイスを活用したコンピュータ操作、さ らにはコンピュータ・ネットワーク側が個人や現実環境の状況を把握・判断し、アク ティブに働きかけるといったことまでが視野に入る。  さまざまなコンピュータを、その用途に応じて実世界中において普遍的に用い るという概念を指すことが多い。  Weiser氏は、「見えない」(invisible)ことを強調  究極的な姿は「区別がつかないほど日常生活に織り込まれる」と説明 ウイキペディアなどより抜粋
    11. 11. IoTの世界とは?  2008年、インターネットに接続され ているモノは世界人口を超過  現時点で世界人口の約3倍のモノがイ ンターネットに接続  Cisco社の予測によれば、2020年 までに接続されているモノの数 は500億に達する。  Gartner社の予測では、2020年までに IoTを構成する機器の数はパソコンや タブレット、スマホを除いて260億に 達する(2009年時点では9億)。 ( 出典:http://www.gartner.com/newsroom/id/2636073) 出典:http://www.wfs.org/blogs/thomas-frey/empowering-%E2%80%9Cthings%E2%80%9D-for-our-internet-things
    12. 12. ウシのインターネット? ウシにセンサーを埋め込むことで、病気や妊娠の 兆候を酪農家がリアルタイムに把握 出典: http://www.theguardian.com/local-government-network/ 2011/aug/18/internet-of-things-local-government 出典:http://share.cisco.com/internet-of-things.com
    13. 13. 当然、人間にも 出典:http://cdn.medgadget.com/img/49754kii.jpg 出典: http://www.corventis.com/products/nuvant-mct/how-it-works/
    14. 14. もちろん無生物にも  GEは、現在、総額1兆ドルの価値を 持つ資産に埋め込まれた1,000万個の センサーから得られる5,000万の データを日々監視  3,900機のガスタービン  22,800機の風力発電機  20,700機の石油・ガス関連設備  28,200台の商用エンジン  21,500両の列車  140万の医療設備 出典: http://media.tumblr.com/cae58c5e5413a23e9899c6 1cf251584e/tumblr_inline_nd3cj7yeCA1qzgziy.png
    15. 15. あらゆるものをセンシング 画像 傾き、加速度 電磁場 水漏れ、水位 力、荷重、トルク、張力、圧力 位置、近接性 動き、速度 温度 湿度 音響、振動 流量化学物質、ガス 出典: http://www.slideshare.net/harborresearch/harbor-researchs-infographic-on-the-internet-of-things-and-smart-services
    16. 16. しかもネットワークと相互接続 LTE Advanced 4G LTE, 3G, 2G WiMax など 出典: http://www.slideshare.net/harborresearch/harbor-researchs-infographic-on-the-internet-of-things-and-smart-servicesなど
    17. 17. 目指すは大量のデータ収集による意思決定の効率化 出典:コレ1枚で分かるIoTとビッグデータの関係[斎藤昌義(ネットコマース株式会社),ITmedia] http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1407/16/news054.html#l_itsolution02.jpg
    18. 18. IoTにより何が変わるのか? 出典: http://www.slideshare.net/harborresearch/harbor-researchs-infographic-on-the-internet-of-things-and-smart-services
    19. 19. IoTにより何が変わるのか? サンフランシスコの市街地で発生する交通混雑の2~3割は 駐車スペースを探す人々が原因で発生する。 出典: http://www.slideshare.net/harborresearch/harbor-researchs-infographic-on-the-internet-of-things-and-smart-services
    20. 20. IoTにより何が変わるのか? 将来、米国、カナダおよびヨーロッパでは4千万人以上の独居老人が誕生する。 出典: http://www.slideshare.net/harborresearch/harbor-researchs-infographic-on-the-internet-of-things-and-smart-services
    21. 21. IoTにより何が変わるのか? 出典:http://www.yanmar.co.jp/smartassist/index.html
    22. 22. サイバーフィジカルシステム(Cyber-physical system)  米国で2006年に提起された概念  データに裏打ちされた定量感のある実世界の制御を目指す。  センサー技術の進歩により取得可能となった膨大な情報をサイバー空間上における 計算資源を利用し、高度に解析すると共に、解析結果を基に、実世界の系に働きか けることにより、多大な効率化を実現 出典: http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/2010121 0/355115/?SS=imgview&FD=55062768&ST=infoex
    23. 23. Industrie 4.0  第一次産業革命が、18世紀後半に 始まった蒸気機関などによる工場 の機械化によるものだとすると、 第二次産業革命は19世紀後半から 始まった電力の活用による大量生 産の開始、第三次産業革命は20世 紀後半に始まったPLCなど電気とIT を組み合わせたオートメーション 化だとされている。  「Industrie 4.0」は、これらをさら に進化させ「サイバーフィジカル システム」に基づく、新たなモノ づくりの姿を目指す。 出典:http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1404/04/news014.html http://www.etz.de/index.php?rex_resize=1408w__e3s220_0_cmyk.jpg&rex_filter%5B%5D=brand
    24. 24. サイバーフィジカルソーシャルシステム(CPSS) 出典:公益財団法人九州先端科学技術研究所HP 組込みシステム(ES: Embedded System) サイバーフィジカルシステム(CPS: Cyber-Physical System) 推奨システム(RS: Recommendation System) サイバーフィジカルソーシャルシステム(CPSS: Cyber-Physical-Social System)
    25. 25. 期待される経済効果  Harbor Research社は、2014年では1,800億ドルであっ た市場規模が、2020年には1兆ドルを超えると予想  対象セグメント別  家庭向け3,978億ドル  モビリティ向け761億ドル  ヘルスケア487億ドル  建物管理・インフラ関連2,102億ドル  都市機能2,700億ドル  サービス種類別  サービス市場5,718億ドル  ハードウェア市場438億ドル  ネットワークサービス市場3,875億ドル 出典:http://harborresearch.com/what-is-the-internet-of-things/
    26. 26. 期待される経済効果  Gartner社の予測では、2020年までにIoTを構成する機器の 数はパソコンやタブレット、スマホを除いて260億に達す る(2009年時点では9億)。それにより2020年時点におい て3,000億ドル超の収入増が、大半はサービス産業におい て、もたらされる。さらに、様々な最終財市場での販売を 通じて最終的には全世界で1.9兆ドル相当の経済的付加価 値を実現する。 出典:http://www.gartner.com/newsroom/id/2636073  M2M.World.Newsによると、IoTおよびM2Mの市場は2011年 時点で440億ドルの規模に達しており、2017年には2,900億 ドルに達する。 出典:http://m2mworldnews.com/2013/03/28/30109-iot-m2m-communication- market-expected-to-grow-290-billion-usd-by-2017
    27. 27. ネスト・ラボ買収  2014年1月、米グーグルはネスト・ラボを32億ドル(約3200億円)で買収 [サンフランシスコ13日ロイター] 米インターネット検索大手グーグルは13日、サーモスタットや 煙感知器製造の米ネスト・ラボを32億ドルで買収する計画を明 らかにした。 ネスト・ラボの共同創業者で最高経営責任者(CEO)を務める トニー・ファデル氏は、米アップルの元幹部で、音楽プレーヤー 「iPod」の開発を担当した1人。グーグルによると、ネス ト・ラボは引き続き、独立したブランドとしてファデル氏が率い ることになる。現金による買収で、規制当局の承認を経て今後数 カ月で完了する見通し。 ウェドブッシュのアナリスト、Shyam Patil氏は「あらゆるものを インターネットでつなぐことを考える場合、ホームオートメー ション(住宅設備機器の自動化)はより大きなビジネスチャンス の一つだ。今回の買収はこの分野でのグーグルの戦略をさらに進 展させる」と指摘する。 出典:http://ecx.images-amazon.com/images/I/51rXl61AegL._SL1500_.jpg http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYEA0C02L20140114
    28. 28. 国内の市場規模  IDC社は、国内IoT市場の売上規模は 2013年で10兆円程度であるが、年間 平均成長率13.7%で成長する結果、 2018年にはほぼ倍増の21兆1,240億円 に達すると予測  世界市場規模は2012年に約4兆8000億 ドル、2020年には約7兆3000億ドルに なると予測(年率8.8%で成長)  国内IoT市場の飛躍的な成長は、短中 期的にはB2Bビジネスの業種開拓やグ ローバルを前提とした利用拡大がけ ん引し、長期的には異業種間連携や B2Cビジネス普及がけん引 出典:http://www.idcjapan.co.jp/Press/Current/20140807Apr.html
    29. 29. 関連する産業セクターは多岐にわたる User Business Application Information Communication Data Device 卸売サービス事業者 通信事業者 デバイスメーカー 小売サービス事業者
    30. 30. 進む標準化 Intel、IBM、Cisco Systems、GE、AT&Tは、産業 市場におけるIoT関連の標準化団体「Industrial Internet Consortium(IIC)」を設立 Open Interconnect Consortiumの設立メンバーは Intel、Samsung、Dell、Atmel、Broadcom、Wind Riverの6社。IoTで重要になる相互運用性実現に必 要な要件を策定し、プロトコル仕様、オープン ソースの実装、認定プログラムを展開 AllSeen Allianceは,Qualcommが中心となっ て2013年12月に設立した業界団体.OSに依存 しないソフトウェアフレームワークとして, AllJoynをオープンソースライセンスで提供。 主なメンバは,Cisco, Haier, LG, Panasonic、 Microsoft。
    31. 31. ビッグデータ利用を通じた経済成長 出典:平成25年情報通信白書
    32. 32. 期待バブル?  新技術の登場によって生じる過度 の興奮や誇張、それに続く失望を 説明するハイプ・サイクル  黎明期(Technology Trigger)  流行期(Peak of Inflated Expectations)  幻滅期(Trough of Disillusionment)  回復期(Slope of Enlightenment)  安定期(Plateau of Productivity) Source: Gartner, August 2014 Internet of Things
    33. 33. 生産性パラドックスは短期的には不可避  世はコンピュータ時代とはいうけれども、 生産性統計上、その効果は観察されない。 (Robert Solow, 1987)  発電機が発明された時点と、その効果が産 業界で花開くまでの間には40年という歳月 が流れた。 (Paul A. David, 1990, “The Dynamo and the Computer: An Historical Perspective on the Modern Productivity Paradox,” American Economic Review, vol.80, no.2, 355-361.) 出典:http://www.saiken.jp/mshiro/_src/sc1713/82EB-02.jpg に
    34. 34. 新しい酒は新しい革袋に盛れ 出典:http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/2/29/Bota_de_vino.jpg
    35. 35. ネットワーク効果とラーニングカーブ  IoTは組合わせにより効果が生まれる。  使い方のノウハウは今まさに蓄積されている最中
    36. 36. キーワードは、“connected” Connected life 出典:http://connectedlife.tnsglobal.com/ インフラとしての インターネット
    37. 37. 今後の展開予想  機器の普及が一定の閾値を超えないと真価が発揮されないという宿命 1. まずは普及密度が確保できる企業内部での利用が進展  情報の不足や非対称性によりロスが発生していたプロセ スの徹底的な効率化  対応しない企業は比較劣位に甘んじる。  しかしながら、対応しても優位性は必ずしも確保で きない。 2. ついでB2B市場への展開  その際も、いきなり「新サービスの登場」ではなく、既 存サービスの「高性能化」という形で漸進的な展開の方 がハードルは低い 3. B2C市場は、ニッチ向け、アーリーアダプター向けの ハイエンドサービスから 出典:http://www.plc-j.org/plc_app4.htm、 http://www.microsoft.com/global/windowsembedded/ja-jp/publishingimages/floorindustrial.jpg

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