Successfully reported this slideshow.
We use your LinkedIn profile and activity data to personalize ads and to show you more relevant ads. You can change your ad preferences anytime.

競争的資金獲得の方法とメリット

1,412 views

Published on

2017年8月2日(水)広島市立大学

Published in: Education
  • Be the first to comment

  • Be the first to like this

競争的資金獲得の方法とメリット

  1. 1. 競争的資金獲得の方法とメリット ~人文社会科学系研究者の立場から~ 九州大学大学院法学研究院 准教授 大賀哲 2017年8月2日(水)於広島市立大学
  2. 2. 今日の内容 1. 自己紹介 2. 競争的資金を獲得することのメ リット 3. 競争的資金の獲得方法・研究組織 のつくり方 4. 競争的資金でできること:広がる 研究の可能性 5. 研究紹介:文理融合の視点から 2
  3. 3. 1.自己紹介 大賀 哲(おおが・とおる) 九州大学大学院法学研究院・准教授 専門は国際政治学・国際関係論 研究テーマは国際政治学理論、東アジア地域主義、 ASEAN、人権レジーム、ビジネスと人権など Email: toga@law.kyushu-u.ac.jp Twitter: @toruoga0916 http://toruoga.net/ 3
  4. 4. 1.自己紹介/競争的資金の獲得状況 2007 ×若手研究スタートアップ 〇サントリー文化財団 2008 ×若手研究A 2009 ×若手研究B ×新学術領域研究 2010 〇若手研究B 2012 〇研究成果公開促進費 〇二国間交流事業(アメリカ) 2013 ×基盤研究B ×研究成果公開促進費 2014 ×若手A 2015 〇挑戦的萌芽 ×基盤研究B 2016 〇基盤研究B 〇トヨタ財団 ×新学術領域研究(公募) 2017 〇グローバル展開プログラム 〇二国間交流事業(韓国) 科研費 JSPS受託研究 民間財団 4 • 海外院出身 • 学振研究員未経験 • 科研費は当初4連敗
  5. 5. 5 0 500 1000 1500 2000 2500 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 単位(万円) 競争的資金獲得額(年度毎の直接経費額) 科研費 受託研究 民間予算 学内 合計 1.自己紹介/競争的資金の獲得状況
  6. 6. フツーの人が採択される戦略を考える フツーの人=「業績ぼちぼち」・「学会賞とったことない」・「授業負担もそれなり」 なるべく採択率をあげる 採択率平均は25%程度(若手B/基盤Cが3割、それ以外が2割程度)なので、 採択率5割程度を目指す。 ①選択の誤りで不採択というリスクを避ける 自分の状況(分野、研究テーマ、業績)にあった資金に応募する 勝てないゲームでは戦わない! ②無駄な業績は作らない 採択に向けた研究の進め方、業績の作り方 ③情報は地道に集める 不採択申請のレビュー/制度・審査員を知る/人と協力する 6 1.自己紹介/基本的な考え方
  7. 7. 2.競争的資金を獲得することのメリット 最近よく言われてることですが・・・ • 挑戦性:研究者が常に自らの研究課題の意義を自覚し明確に説明しつつ、新たな知の開拓 に挑戦すること • 総合性:細分化された知を俯瞰し総合的な観点から捉えること • 融合性:異分野の研究者や国内外の様々な関係者との連携・協働により新たな学問領域を生 み出すこと • 国際性:世界の学術コミュニティーにおける議論や検証を通じた研究の相対化により世界に 貢献することが必要 出典:科学技術・学術審議会学術分科会(平成26年5月26日) 「学術研究の推進方策に関する総合的な審議について」中間報告(概要) 7
  8. 8. 2.競争的資金を獲得することのメリット 人文社会科学系の現状!? 8 お金使いません 全部自腹で大丈夫です。 図書館があれば大丈夫! データベースで研究できます! 申請書 書きたくない… ホントにそうか? 自分のペースで研究したい
  9. 9. 総合化国際化 学際化 情報化 研究環境の変化!? 9 社会化 デジタル人文学 デジタル社会科学 自然言語処理 国際共同研究 国際会議 国際ジャーナル 社会への還元 社会問題の解決 政策提言 学際研究 文理融合型研究 共同研究の増加 方法論の多元化 Discipline-oriented からIssue-orientedへ Inter-disciplineからTrans-disciplineへ 2.競争的資金を獲得することのメリット
  10. 10. イシュー・ベースの研究 専門A 専門B 専門C 専門D 専門E ディシプリン・ベースの研究 10 2.競争的資金を獲得することのメリット
  11. 11. ステークホルダーa ステークホルダーb ステークホルダーc ステークホルダーd 11 分野B 分野C 分野D 分野E分野F 分野G 分野H 分野I 分野A Inter-discipline Trans-discipline 2.競争的資金を獲得することのメリット
  12. 12. 国際化 モノグラフ中心→地域研究や歴史研究 査読論文中心→政治学・経済学 編著からジャーナルspecial issueへ移行 学会→publicationのためのプラットフォーム publicationを前提とした研究ワークショップ 国際共著論文・国際共同研究の増加 コミュニケーション・コストの増大 12 2.競争的資金を獲得することのメリット
  13. 13. 2.競争的資金を獲得することのメリット 総合化 共同研究の増加 研究の組織化・大規模化 方法論の多元化・統合・融合 研究の「大型資金」化 13
  14. 14. 2.競争的資金を獲得することのメリット 学際化 ディシプリン型研究から課題解決型研究へ • Discipline-oriented からIssue-orientedへ 社会的課題を複数分野からアプローチ 文理融合型研究・異分野融合型研究 14
  15. 15. 2.競争的資金を獲得することのメリット 情報化 研究データベースの整備 研究リソースのデジタル化 →デジタル人文学・デジタル社会科学 自然言語処理の流入→総合化・学際化を牽引 社会化を促進 15
  16. 16. 2.競争的資金を獲得することのメリット 社会化 社会課題の解決 社会(ステークホルダー)へのフィード バック Inter-disciplineからTrans-disciplineへ 16
  17. 17. 2.競争的資金を獲得することのメリット 人文社会科学系の研究ネットワーク • 研究ネットワークの特殊性 (→手弁当方式) • 参入障壁が高い • 学際的な研究・国際的な研究には消極的 • 国際化・学際化・総合化・情報化・社会 化などのイノベーションには不向き 17
  18. 18. 2.競争的資金を獲得することのメリット 参考事例 • 京都大学人文科学研究所 竹沢泰子教授 • 「人文研での共同研究と科研費」『私と科研費』No.96. 2017年2月号 • (当時の)状況 - 手弁当方式での共同研究会 - ネットワークが必要 - 国内トップクラスの研究者と組みたい - 海外トップクラスの研究者を招へいしたい - 人種研究→自然科学者との連携が不可欠 →それを可能にするのが科研費 18
  19. 19. 3. 競争的資金の獲得方法 外部資金とか競争的資金とか呼ばれてるもの 競争的資金(例:科研費) 受託研究(例:日本学術振興会) 民間の競争的資金 学内の競争的資金 19
  20. 20. 3. 競争的資金の獲得方法 自分の状況(分野、研究テーマ、業績)にあった資金に応 募する 問題の重要性を考える(HowよりもWhat!!) 国際化・総合化・学際化・情報化・社会化を意識した組織 作り 20
  21. 21. 3. 競争的資金の獲得方法 21 個人研究? 共同研究? (個人研究) 業績十分? (Y)科研費(若手 Bまたは基盤C) (N)新奇性のあ るテーマ? (Y)科研費(挑戦的研究) (N)社会性のあ るテーマ? (Y)民間財団 (N)学内予算で業績作り (共同研究) 業績十分? (Y)基盤Aまた は基盤B (N)新奇性の あるテーマ? (Y)科研費(挑戦的研究) (N)社会性の あるテーマ? (Y)民間財団 (N)学内予算で業績づくり (N)国際的な テーマ? (Y)JSPS国際事業 (N)社会性のあるテーマ? (Y)民間財団 (N)学内予算 自分の状況( 分野、研究テーマ、業績)にあった資金に応募する
  22. 22. 22 3. 競争的資金の獲得方法 http://www.jsps.go.jp/programs/index.html
  23. 23. • 採択に向けた研究の進め方、業績の作り方 • 不採択申請のレビュー 【採択されなかった研究課題の中でのおおよその順位】 【評定要素ごとの結果】 【審査の際、「2(やや不十分である)」又は「1(不十分で ある)」と判断した項目(所見)】 • 審査員を知る • 人と協力する(相互に添削・自分野と他分野) 23 3. 競争的資金の獲得方法
  24. 24. 重複申請 基盤A・Bと挑戦的研究(萌芽) 基盤B・Cの【特設分野研究】と【一般】 不合理な重複及び過度の集中の排除」という論理 採択率が25%程度(不採択だと研究が止まる) • 審査員は特定の職位・年齢層に偏っている • 査読ほどの説明責任は求められない • 審査員の当たり外れは相当大きい 24 3. 競争的資金の獲得方法
  25. 25. 重要性・低 分析力・高 重要性・高 分析力・高 重要性・低 分析力・低 重要性・高 分析力・低 25 Discipline-based (分析力)Howの追求 Issue-based(問題の重要性)Whatの探求 Disciplineごとに問題を解く 解きたい問題に合わせてDiscipline を連携/融合させる 競争的資金を用いて国際化・学際化・総合化・情 報化・社会化に対応した共同研究チーム 3. 競争的資金の獲得方法 安宅和人『イシューからはじめよー知的生産のシンプルな本質』(英治出版)を元に報告者作成 問題の重要性を考える(HowよりもWhat!!)
  26. 26. 国際化 • 海外協力者との連携は? • 研究テーマから見て妥当? 社会化 • ステークホルダーは誰? • その研究のメリットは? 学際化 • 異分野で構成されてる? • 研究テーマから見て妥当? 情報化 • 研究成果の発信方法は? • データベース化は可能? 総合化 • 複数の理論・方法論で構成されてる? • 研究テーマから見て妥当? 26 3. 競争的資金の獲得方法 国際化・総合化・学際化・情報化・社会化を意識した組織作り
  27. 27. 国際化 国際共同 研究 総合化 理論・方法 論の融合 学際化 異分野融合 研究 情報化 成果発信 デジタル化 社会化 社会還元 政策還元 27 4. 競争的資金でできること 広がる研究の可能性
  28. 28. 28 大賀哲「学際研究における人文・社会科学研究の役割」 『人文情報学月報』第70号 (2017年5月) 4. 競争的資金でできること
  29. 29. 5.研究紹介 • 学内資金(P&P→QRプロジェクト) • 多次元型グラウンディッド・テキストマイニング(MGTM) を用いた「企業の社会的責任(CSR)」の異分野融合研究 • 研究代表者:大賀哲(法学研究院・政治学) • 研究分担者:内田諭(言語文化研究院・言語学) • 研究分担者:吉原雅子(人文学研究院・倫理学) • 研究分担者:佐々木玲仁(人間環境学研究院・心理学) • 研究分担者:中藤哲也(情報基盤研究開発センター・情報工学) • 研究分担者:清野聡子(工学研究院・准教授) • 研究分担者:閔廷媛(経済学研究院・講師) 29
  30. 30. ①アクターの特定と政策領域別にク ラスターを設定 ②クラスターごとに対 象文書の特定 ③情報工学的分析(A) テキストマイニングによ るデータ分析 分析エンジンの構築 ④テクスト分析(B) 言葉の意味や概念 の分析 ⑤行動分析(C) テクスト化された 発話行動の分析 ⑥コンテクスト分析(D) テクストの社会的 コンテクストの分析 ⑦多次元型分析 仮説検証 各分析の比較 フィードバック ⑧知識創造 理論構築 政策提言 5.研究紹介 30
  31. 31. • 組織統治 組織, 社会的責任, ステークホルダー, 社員, 監査役, ダイアログ • 人権 権利, 自由, 平等, 人権, 差別, デューデリジェンス, 苦情, 加担, 社会的弱者 • 労働慣⾏ 労働, 安全, 健康, ILO, 雇用, 従業員, 社会的保護, 社会対話, 人材, ワークライフバランス, ⾮正規 • 環境 環境, 資源, 汚染, 気候変動, 生態系, 開発, 予防, 省エネ, 省資源, 再生, 自然, 持続可能, 生物多様性, 大気, ⽔, ⼟壌, 浄 化, 温室効果ガス • 公正な事業慣⾏ 公正, 事業慣行, 汚職, バリューチェーン, 社会的責任, 倫理, 財産権, 意識, 内部通報, 下請け, フェアトレード, 取引 先, 顧客 • 消費者課題 安全, 安心, 衛生, 欠陥, 消費者, 影響, 品質, 個人情報, データ, マーケティング, 契約, 持続可能性, 苦情, 紛争, プライ バシー, 意識, お客様, エコ • コミュニティへの参画及びコミュニティの発展 コミュニティ, コミュニケーション, 健康, 社会的投資, 雇用創出, 商店街, 地域, イベント, 住民, 地域経済, 教育, 文 化, 技術, 技能, ボランティア, 啓発, スポーツ, ホームレス, 参画, 発展 31 5.研究紹介/企業のCSR報告書の内容分析
  32. 32. ⽬的:ISO26000の視点から、企業のCSR文書を分析する 1)分析するためのコーディングルールを作成 →ISO26000規格文書からコーディングルールを自動生成 2)コーディングルールに従って、CSR文書を分類 3)社会的責任に関して下記のような分析(テキストマイニング) →企業の業種による差異 • 年による変化 4)人文社会科学の観点から、更に踏み込んだ分析 (1については) Tetsuya Nakatoh, Emi Ishita, Satoru Uchida, Toru OGA, “Performance Comparison on Automated Generation of Coding Rules: A Case Study on ISO 26000,” International Journal of Service and Knowledge Management, Vol.1(1), pp.19-30, 2017.06. 32 5.研究紹介
  33. 33. 5.研究プロジェクトの紹介 • 基盤研究B(図書館情報学・人文社会情報学) • 意見文からなる大規模テキスト集合に潜む人々の価値観を推定 するための基礎的研究 • 研究代表者:石田栄美(九州大学) • 研究分担者:冨浦洋一(九州大学) • 研究分担者:高山泰博(徳山高専) 33 大賀哲・山腰修三・三谷文栄・石田栄美・冨浦洋一「福島原発事故をめぐる メディア言説の 変容 -毎日新聞社説(2011 - 2013 年)を対象として」『メディア・コミュニケーショ ン』No.67. 2017年、119-148頁
  34. 34. 5.研究プロジェクトの紹介 • 基盤研究B(特設分野) • 国連グローバル・コンパクトを中心としたグローバルCSRレ ジームの研究 • 研究代表者:大賀哲(九州大学) • 研究分担者:内田交謹(九州大学)、松井仁(九州大学)、中藤哲也(九州大学) 上田純子(愛知大学)、佐古田彰(西南学院大学)、大井由紀(南山大学) • 連携研究者:吾郷眞一(立命館大学)、渡邉智明(九州大学)、閔廷媛(上智大学) 34 人権規範 環境規範 経営規範 テキストマイニング ①規範の競合・複合化 ○ ○ ○ ○ ②規制/学習アプローチ ○ ○ ○ ③企業実践 ○ ○ ④ガイドラインの策定 ○ ○ ○
  35. 35. 5.研究プロジェクトの紹介 • 二国間交流事業(韓国) • 市民社会形成の中のCSR(企業の社会的責任)―日韓比較研究 35 事例研究(日本/韓国) 企業 ⾏政 NPO 市民社会とビジネス 清野聡子(工学)/Young-Choon Kim(組織戦略) 市民社会と雇用 松永正樹(コミュニケーション)/Myung-Joon Park(社会学) 市民社会と環境 大井由紀(社会学)/Suk-Ki Kong(社会学) 市民社会と消費者問題 富永京子(社会学)/Taekyoon Kim(開発学) 市民社会と福祉 仁平典宏(社会学)/Sung-Gyu Kim(社会学) 市民社会とダイバーシティ 大賀哲(政治学)/Jeong-Pyo Hong(政治学)
  36. 36. を促す一方 の温床ともなる 社会基盤(制度・構造・規範) 事例研究・データ分析・国際比較研究など 包括的な視角から 多文化共生を実現する社会基盤のメカニズムを解明 【研究体制】 【研究成果の発信】 多文化共生のメカニズムの解明 日本の学術研究の底上げ 米・加・英・仏・露・中・韓・ 比・タイ・インドネシア・マレー シア・ポーランド・デンマーク テキストマイニング サーベイ実験 <研究代表者> <研究⽬的・概要> 共生 排除 多文化共生 社会的排除 多文化共生のための社会基盤を複合的な視角から分析 ☑定量的・定性的研究を融合した実証研究 ☑国際比較を活かした政策志向型の研究 <研究計画の特徴> <⽬標とする研究成果> <将来展望> 36
  37. 37. ご静聴ありがとうございました。 37

×