遺伝子組み換えが破壊する農業と社会、そのオルタナティブ

2,074 views

Published on

遺伝子組み換えが破壊する農業と社会、そのオルタナティブ
BMW技術基礎セミナー
2012年9月7日(東京・飯田橋)
生産者、生協、NGOなどが主な参加者

Published in: News & Politics
0 Comments
0 Likes
Statistics
Notes
  • Be the first to comment

  • Be the first to like this

No Downloads
Views
Total views
2,074
On SlideShare
0
From Embeds
0
Number of Embeds
113
Actions
Shares
0
Downloads
11
Comments
0
Likes
0
Embeds 0
No embeds

No notes for slide
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • 遺伝子組み換えが破壊する農業と社会、そのオルタナティブ

    1. 1. 遺伝子組み換えが破壊する農業と 社会、そのオルタナティブ BMW技術基礎セミナー印鑰 智哉 / オルター・トレード・ジャパン   
    2. 2. 遺伝子組み換えとは何か?
    3. 3. 遺伝子組み換えを正確に表現すると…• 自然の中で遺伝子が進化の過程で変異していくこととどう違う?• 自然の力を利用した品種改良と遺伝子組み換えの違い• 「遺伝子操作」と呼ぶ方が誤解がない (geneticengineering、遺伝子工学)
    4. 4. 遺伝子組み換え作物耕作しているのは どこで、いつから?
    5. 5. 世界の大豆生産予測
    6. 6. 南米で遺伝子組み換えは どう広がったか• どさくさに紛れてモンサントがアルゼンチンに忍び込む 1996年• ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ、ボリビアに遺伝子組み換え大豆を密輸• 大土地所有者の力で強引に合法化
    7. 7. 遺伝子組み換えで南米に何が起きたか?
    8. 8. • ビデオ 大豆栽培が引き起こす悲劇 第一章 http:// youtu.be/IJ3zXXXFSKY 省略
    9. 9. モンサントのクーデタ
    10. 10. パラグアイで起きたこと• アルゼンチンからモンサントの遺伝子組み換えが密輸され、既成事 実化。2005年に遺伝子組み換えを認めざるをえなくなり、合法化• 2008年 パラグアイ史上初めて選挙で小農民の側に立つルゴ 大統領が選出される。議会は地主側が圧倒的。改革困難。• 大豆が全農地の66%。毎年10万人近くの小農民、先住民族 が土地を失う。1%の地主が77%の土地を支配。• 遺伝子組み換え承認にルゴ政権は消極的→GM企業の圧力
    11. 11. アルゼンチンで起きたこと• 全農地の59%が大豆。その98%が遺伝子組み換え• 広大な大豆畑に農薬(ラウンドアップなど)を空中散布、農民、住民にガン、白血病、出生異常、腎炎が大規模に発生• ラテンアメリカで初めて農薬散布が法廷で裁かれ、農薬噴霧した者が有罪に(2012年8月)
    12. 12. ブラジルでは• 1998年 遺伝子組み換え大豆が非合法下、密輸され、遺伝子組 み換え大豆栽培開始• 1998年 モンサント、バイオセキュリティ委員会で遺伝子組み 換え承認獲得→差し止め、裁判へ• 2003年 ルラ政権、非合法大豆の限定承認• 2005年 遺伝子組み換え合法化→急激に拡大、農薬使用も激増• 2012年には85%の大豆が遺伝子組み換えに
    13. 13. 南米で遺伝子組み換えモノカルチャー により起きていること• 逆農地改革(ごく少数の地主が大部分の農地を支配、多くの小農民が土地を失う)暴力、強制排除• 農薬による健康被害、環境破壊(遺伝子組み換え企業は農薬が減ると宣伝、しかしどこでも急増している)• 現地での食料生産の減少(輸出向けの家畜の やバイオ燃料に)。食料主権の喪失、飢餓層の拡大、社会崩壊• 北の消費者の責任(需要がある限り止めるのは難しい)
    14. 14. 南米での農薬使用量割合 ↓ 参考:アルゼンチンブラジルの農薬販売量2000年から2010年にブラジルの農薬は190%増加。世界全体では93%の増加。量が増えるだけでなく、単に面積あたりの使用量も増加
    15. 15. 農薬使用激増の背景• モンサントの農薬ラウンドアップなどに対して耐性を付 けた(農薬の効かない)スーパー雑草、スーパー害虫が 発生• 農薬の量を増やすと同時に複数の種類の農薬を混ぜる• 枯れ葉剤(2,4-D)耐性の遺伝子組み換えトウモロコシ まで登場• 巨大なモノカルチャーによる生態系崩壊、益虫も減る
    16. 16. 遺伝子組み換えが引き起こす問題、 遺伝子の汚染• メキシコは世界のトウモロコシの故郷。多数の種類のトウモロコシがある。そのトウモロコシが遺伝子組み換えの花粉で汚染、奇形のトウモロコシなどが続出。大問題に• 南米の養蜂家の蜂蜜が遺伝子組み換え汚染を理由にEUに輸出不能に。遺伝子組み換えと従来の自然農業は両立できない。
    17. 17. 遺伝子組み換えの健康への影響• 残留農薬(ガン、白血病、神経疾患、出生障害)…都市生活者の尿から残留農薬• 遺伝子組み換えが免疫システムに障害を与える(アレルギー、肝臓、腎臓、膵臓、出生障害など)• 特に免疫形成途上の子どもたちへの影響が懸念
    18. 18. 遺伝子組み換え食品による影響実例• Bt遺伝子組み換えジャガイモを食べたラットは脳、肝臓、精巣 は小さく、発達も劣り、膵臓や腸が肥大するものもあり、ガン の兆候が見られた(1998年)。• 遺伝子組み換え作物を食べたラットは成長阻害され、腎臓、肝 臓、小腸、精巣、血流成分などにダメージ(2002、2003、2007 年他多数)• Bt遺伝子組み換え…遺伝子組み換えの家畜飼料で育った肉を食 べた妊婦の血液93%、胎児の血液80%からBt毒素が検出される (2011年)
    19. 19. なぜ危険が懸念されるのに 認可されるか?• 遺伝子組み換え企業はGMも非GMも実質的に同等だから調 査不要という立場• 90日程度の短期テストのみ(長期はされていない。収益が 合わなくなるから)。データはGM企業が独占して非公開。• 中央政府や食品安全規制組織は買収済み• 研究組織にも多大な影響が行使される• マスコミへの影響力
    20. 20. 遺伝子組み換え企業の矛盾• 世界の飢餓を救う、農薬を減らすと宣伝するが実際にそれ とは反対のことが起きている。• 本当にすぐれた製品ならその旨を告知して宣伝すべきだ が、ひたすら隠す。• 農民への訴訟をちらつかせた恐怖支配• 情報統制(研究者やマスコミへの圧力)民主的プロセスを 常に排除したやり方(民主主義と相容れないビジネスモデ ル)
    21. 21. 米国政府とモンサント
    22. 22. 遺伝子組み換え企業による種の独占• モンサントは相次いで種子企業を世界中で買収を進める。• 遺伝子組み換え企業3社で世界の種子66%• モンサントが種子供給を独占している地域では非遺伝子組み換え種子を買おうと思っても売ってもらえない→数年の間にGMばかりに
    23. 23. 種による農業支配• 今年3月メキシコに通称モンサント法案(未成立)。先祖代々受け継いだ種子を植えることを違法行為として、種子企業から買うことを義務づけるもの• 米国、食品安全近代化法、商業的農業は認可された種子以外使えない
    24. 24. 農業生物多様性の減少と生態系変化による危機• 米国では80年間で 93%の種が農業生産 図 省略 から消えた。 http://ngm.nationalgeographic.com/2011/07/food-ark/img/food- variety-tree-754.gif• 生物多様性がなくな ると変化に対応がで きなくなる• 遺伝子組み換え企業 の種子独占で加速化 する
    25. 25. 生態系の崩壊の危険と 継続不能の農業=遺伝子組み換え• モノカルチャーによる生態系の脆弱化• 大量の農薬、肥料が必要だが石油由来。• 農薬による水体系汚染(地下水、雨、空気)• 土壌の崩壊(干ばつの危機)
    26. 26. 生命への特許• 遺伝子組み換え操作などを生命の発明として米国政府は特許 を1980年から与え始めた(発明ではないのに)。• 自然という人類含むすべての共有財産を勝手に知的所有権に 囲い込み、自らの利益の対象にする。• 多国籍企業は生命そのものを植民地化し始めた。バイオパイ ラシー(南の世界から生物種を奪い、特許を勝手に取得)• その植民地化を支えるTPP、ACTA。知的所有権を武器に多 国籍企業による生命支配、生命搾取の時代
    27. 27. 自然、命、共有知を守る動き• 遺伝子組み換えモノカルチャーに対抗するアグロエコロジー• 従来種を守る運動(種の交換会など      特にブラジルでは活発)• 従来種に関するコミュニティの        共有知を書き記す運動、”おばあさん      の大学”(Vandana Shiva)         
    28. 28. Seed Freedom Campaign• 種を守る運動…世界各 地で10月2日から16日• インド 10月1∼5日カルタヘナ議定 書第6回締約国会議(COP- MOP6) 8∼19日 生物多様性条約第11 回締約国会議(COP11)
    29. 29. 世界で広がる反遺伝子組み換え• 米国20の州で遺伝子組み換え食品表示義務を求める動き (中でもカリフォルニア州は11月に住民投票。9割が食品 表示に賛成)、米国人のほとんどがGM知らなかった。急 速にキャンペーン拡大中。• ヨーロッパ全体では4713の自治体が遺伝子組み換えフリー ゾーン宣言• フィリピンやインドでもフリーゾーン宣言が増えている• ペルーは各自治体の宣言の後、国全体で10年間の禁止宣言
    30. 30. 日本を考える• 日本の食料はどこから?• 遺伝子組み換え表示の不十分さ• 米大陸への食料依存(=米大陸のモノカルチャー化)→食料主権を取り戻す。• 世界的にも豊かな農業生物多様性(でも今危ない)• 日本にしかない経験・技術は世界で生かせる。国際連帯で世界の生物多様性と生命を守ろう!
    31. 31. どうしていくか?• まずは自分の食事から。どう健康を守る? 肉は? 飼料は?• 国際連帯のための不買• 地方から始めるのは効果的(ペルーの例、ヨーロッパやアジアでも広がるGMフリーゾーン宣言。変化は地方自治体から、最後に中央へ)• 種を守る。生産者、消費者の連携
    32. 32. よくある「批判」• 遺伝子組み換えそのものが悪いのではなく、農薬が悪い→• 遺伝子組み換えが悪いのではなく、モノカルチャーになってしまうその実施方法が悪いだけ→• 遺伝子組み換えに害悪があるという科学的根拠はない→• 遺伝子組み換えは必然的な進歩であり、それに反対するのは反科学的→
    33. 33. フォローアップ• Twitter http://twitter.com/tomo_nada• Facebook https://www.facebook.com/InyakuTomoya• ブログ http://blog.rederio.jp/ 上記のメディアで継続的にアップデートしてい きます。
    34. 34. 出典• 遺伝子組み換え反対のポスター https://www.facebook.com/photo.php?fbid=522183331141307&set=a. 166437433382567.43195.136071026419208&type=1&theater• 世界のGM作物栽培面積の推移 久野秀二氏「農業バイオテクノロジーの光と影」http:// www.econ.kyoto-u.ac.jp/~hisano/documents/agecon_text_2.pdf• 大豆産業−ブラジル、アルゼンチンを中心に 小池洋一 星野妙子編『ラテンアメリカの一次 産品輸出産業―資料集―』調査研究報告書 アジア経済研究所 2006 http://www.ide.go.jp/Japanese/Publish/ Download/Report/pdf/2005_04_11_02.pdf• ビデオ 大豆栽培が引き起こす悲劇 第一章 http://youtu.be/IJ3zXXXFSKY• ビデオ 2012 Goldman Environmental Prize for South and Central America: Sofia Gatica http://youtu.be/ eHHS45AJsoI• ブラジル農薬販売量 ブラジル衛生監督局 Agência Nacional de Vigilância Sanitária 南米での農 薬使用量割合 "O mercado de agroquímicos" Giovani Theisen Embrap• 米国政府とモンサント http://www.cornucopia.org/is-the-usda-a-wholly-owned-subsidiary-of- monsanto/• Seed Industry Structure https://www.msu.edu/~howardp/seedindustry.html• 遺伝子組み換え作物による影響実例 GMO Myths and Truths by earthopensource

    ×