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友人関係と感染症伝搬をネットワークで理解する

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友人関係と感染症伝搬をネットワークで理解する

  1. 1. 友人関係と感染症伝搬を ネットワークで理解する 村田剛志 東京工業大学 情報理工学院
  2. 2. 自己紹介 • 村田剛志(むらたつよし) • 東京工業大学 情報理工学院 • 人工知能、ネットワーク科学、機械学習 – グラフニューラルネットワーク – 時系列データの分類・予測(桜島噴火予測) – 社会ネットワーク分析 • http://www.net.c.titech.ac.jp/index-j.html 「Pythonで学ぶネットワーク分析 -- ColaboratoryとNetworkX を使った実践入門」村田剛志, オーム社 (2019) 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  3. 3. 概要 • 友人とのつながりは、ネットワーク(グラフ)とみなすことができ ます。その構造に注目することによって、例えば友人グループ やその中心人物を見つけたり、友人関係を通じた情報拡散や 感染症伝搬を解明して制御したりすることにつながると考えら れます。本講義では、社会ネットワーク分析の基本的な概念 について説明するとともに、COVID-19などの感染症に対する ネットワーク科学のアプローチについても紹介します。 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  4. 4. 注意 • 今回の話は、大学や大学院での講義の内容を含んでいます。 特に数式の部分を全て理解するのは高校生には難しいと思 います。 • わからない部分はあまり気にしないで、大まかな内容を理解 するようにしてください。 • もっと深く勉強したい人は、”Networks (second edition)” (Mark Newman, Oxford University Press, 2018)を読んでください。 (英語で780ページあります) 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  5. 5. 目次 1. 世の中はネットワークで表せる 2. ネットワークの中心性 3. Your friends have more friends than you do 4. COVID-19とネットワーク 5. 感染モデル 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  6. 6. 1.世の中はネットワークで表せる 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  7. 7. Network Vertex Edge インターネット コンピュータ 通信経路 World Wide Web Webページ リンク 引用ネットワーク 本、記事、論文 引用 電力網 発電所/中継地点 送電線 社会ネットワーク 人 友人関係 代謝ネットワーク 代謝物 代謝反応 ニューラルネット ワーク 神経細胞 シナプス 食物連鎖 生物 捕食関係 ネットワーク(グラフ)とは • 辺で結ばれた頂点の集合 頂点 辺 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  8. 8. Facebook • 頂点:ユーザ • 辺:友人関係 On Facebook, it‘s now 4.74 degrees of separation http://edition.cnn.com/2011/11/22/tech/social-media/facebook-six-degrees/index.html 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  9. 9. 路線図 • 頂点:駅 • 辺:路線 https://www.tokyometro.jp/station/202006_kani_ja.pdf 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  10. 10. 食物連鎖 • 頂点:生物 • 辺:捕食関係 http://thecity.sfsu.edu/~wow/gallery.html 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  11. 11. Romantic Network • 頂点:アメリカの高校の生徒 • 辺:ロマンチックな関係 http://researchnews.osu.edu/archive/chainspix.htm 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  12. 12. ネットワークがわかると • どれがいちばん中心かがわかる • どんなグループがあるかがわかる • なぜそのような構造になったかがわかる • 将来どのような構造になるか予測できる • クチコミ情報の拡げ方がわかる • 感染症の拡大を阻止できる • … 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  13. 13. 2.ネットワークの中心性 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  14. 14. どれが中心? 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  15. 15. 中心ってなに? • 多くの頂点とつながっている • 重要な頂点とつながっている • うろうろしていると何度も通る • どこへでもすぐに行ける • そこが切れるとばらばらになる • … 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  16. 16. 次数中心性(degree centrality) • 頂点につながる辺の数 – 友人関係 – 引用関係 • 有向ネットワークの場合 – 入次数中心性 – 出次数中心性 A B 多くの頂点とつながっている頂点は中心 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  17. 17. ネットワークの表現 頂点 辺 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥                    0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 0 1 1 1 0 1 1 1 0 0 1 0 1 0 0 1 0 1 0 1 0 1 0 A     0 1 ij A 頂点iと頂点jの間に辺があるとき それ以外のとき 辺リスト 隣接行列 (1,2),(1,5),(2,3),(2,4),(3,4),(3,5),(3,6) n=6 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ① ③ ② ⑤ ⑥ ④ 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  18. 18. 次数 • ki : 頂点jの次数 – 頂点につながっている辺の数 • (次数の総和) = 2 x (辺の総数) • c : 平均次数 • 最大可能辺数    n j ij i A k 1 m A k n i n j ij n i i 2 1 1 1        1 3 4 2                0 1 1 0 1 0 1 0 1 1 0 1 0 0 1 0 A k2 n m k n c n i i 2 1 1     ) 1 ( 2 1 2 2            n n n C n m 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  19. 19. 次数が大きければいい? • 周囲が中心っぽい頂点とつながって いる方が中心っぽい 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  20. 20. 固有ベクトル中心性 (eigenvector centrality) • 隣り合う頂点が同じくらい重要とは限らない • 初期値を全て1とする(各頂点iについてxi = 1) • 隣接頂点の値の和で中心性を更新 • 繰り返す • x(0)を固有ベクトルの線形結合で表す   j j ij i x A x' i j Ax x  ' ) 0 ( ) ( x A x t t    i i i c v x ) 0 ( Ci : 適当な定数 i i i v Av   重要な頂点とつながっている頂点は中心 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  21. 21. 固有ベクトル中心性の推移 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ 1 1 1 1 1 1 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ 2 3 2 4 2 1 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ 14 12 13 25 16 8 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ 5 8 6 8 7 4 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ 25 30 39 49 37 25 … 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  22. 22. 固有ベクトル中心性の計算 • κi : Aの固有値、 κ1 : 最大固有値 • i≠1の全てのiについて • とすると • 固有ベクトル中心性: – Bonacichによって1987年に提案 • 固有ベクトル中心性は非負 i t i i i t i i t i i i i i t c c c t v v v A x             1 1 ) (     i t i i t v v A    1 1   i   t 1 1 1 ) ( v x t c t   x Ax 1      j j ij i x A x 1 1  群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  23. 23. PageRank • 固有ベクトル中心性の欠点:中心性の高い頂点が多くの頂点 とつながっていたら、それらが全て中心性が高くなってしまう – 次数の大きい頂点の中心性は 割り引いて伝搬させるべき • PageRank – 中心性を出次数で割ったものを隣接頂点に伝搬      j out j j ij i k x A x xj xj xj xj xj/kj out xj/kj out 出次数が0の場合(ki out=0)は、ki out=1とする 隣の頂点 へうろうろ ランダムに ジャンプ うろうろしていてよく通る頂点は中心 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  24. 24. PageRankの計算 • α はAD-1の最大固有値の逆数未満 – α=0.85 がよく使われる • GoogleがWebページのランキング技術として用いていたとされる      j out j j ij i k x A x 1 x AD x     1 D: 対角成分がDii=max(ki out,1)であるような直行行列 1 AD I x      1 1 ) (   βを1とする 1 A D D x    1 ) (  群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  25. 25. Webページのランキング • 「東工大」を検索したときに東工大のサイトが トップに来る – 世の中には「東工大」という文字を含むページは 山ほどあるのに • ページ自体も重要だが、周囲とのつながりも 重要 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  26. 26. これまでの中心性のまとめ 定数項あり 定数項なし 出次数で割る PageRank 次数中心性 出次数で割らない Katz中心性 固有ベクトル中心性 1 A D D x    1 ) (  1 A I x    1 ) (  Ax x 1 1    x AD x 1   群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  27. 27. 近接中心性 (closeness centrality) • 他の頂点との平均距離 • 値が小さいほど中心性は大きい • 近接中心性: li の逆数 • 問題点 – 最大値と最小値の範囲が小さい – 小さいネットワークの頂点ほど大きな値になる   j ij i d n l 1 dij : 頂点iから頂点jまでの距離    j ij i i d n l C 1 どこへでもすぐに行ける頂点は中心 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  28. 28. 媒介中心性 (betweenness centrality) • その頂点を通る最短パス数 • 媒介中心性 xi • 橋渡しをしている頂点は媒介中心性が大 – 他の(固有ベクトル/近接/次数)中心性は低くても A C B C はメッセージ伝達に重要     0 1 i st n 頂点sからtのパス上にiあり それ以外   st i st i n x A そこが切れるとばらばらになる頂点は中心 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  29. 29. どれが中心?の答 • 中心的な頂点はたくさんある – 次数中心性, PageRank – 固有ベクトル中心性 – 近接中心性 – 媒介中心性 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  30. 30. 3. YOUR FRIENDS HAVE MORE FRIENDS THAN YOU DO (あなたより、あなたの友人の方が、友人が多い) 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  31. 31. 友人はいますか? • あなたには、何人の友人がいますか? • あなたの友人には、何人の友人がいますか? • どちらが多いですか? • それはなぜですか? 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  32. 32. Friendship Paradox • ほとんどの場合、あなたの友人数は、あなたの友人の友人数 よりも少ない あなた 友人 友人の多い人がこちらに現れやすい 友人がいないひとはこちらに現れない 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  33. 33. 友人の友人数 • 人(頂点)の数を𝑛、友人関係(辺)の数を𝑚、友人数が𝑘人で ある確率を 𝑝𝑘 とする • あなたの友人の友人数が𝑘人である確率は? – 𝑝𝑘ではない(友人ゼロの人は選ばれないから) – ランダムに選んだ特定の友人の友人数が𝑘人である確率: 𝑘 2𝑚 − 1 ≈ 𝑘 2𝑚 – そのような人は 𝑛𝑝𝑘 人いる → 友人の友人数が𝑘人である確率: 𝑘 2𝑚 × 𝑛𝑝𝑘 = 𝑘𝑝𝑘 𝑘 – 確率は 𝑝𝑘 ではなく 𝑘𝑝𝑘に比例 a b c d e 2m 本の辺 n m k 2  友人の多い人ほど、ライ バルとして選ばれやすい 定数 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火) b c e d a
  34. 34. 友人の友人数>あなたの友人数 • 友人の友人数の加重平均: 𝑘 𝑘 𝑘𝑝𝑘 𝑘 = 𝑘2 𝑘 • あなたの友人数の平均 : 𝑘 = 2𝑚 𝑛 • 𝑘2 𝑘 − 𝑘 = 1 𝑘 𝑘2 − 𝑘 2 = 𝜎𝑘 2 𝑘 > 0 ネットワーク 人数の 総数 平均友 人数 友人の平均友 人数 𝒌𝟐 𝒌 生物学者 1520252 15.5 68.4 130.2 数学者 253339 3.9 9.5 13.2 インターネット 22963 4.2 224.3 261.5 友人数が𝑘人の人は(その𝑘人 から)友人として𝑘回選ばれる "Networks (second edition)", Mark Newman, p. 380, Oxford University Press, 2018. 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  35. 35. 4. COVID-19とネットワーク 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  36. 36. 感染症のシミュレーション • 拙著「Pythonで学ぶネットワーク分析」 – 第9章に感染症のシミュレーションの話あり • この本をもとに、大学生が(教育実習の代わりに)高校生向け にビデオを作成 – 吉野翔希さん(東海大学)、間辺広樹先生(四天王寺大学)に感謝致 します 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  37. 37. 感染症のシミュレーション (作:吉野翔希さん(東海大学)) 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火) • (ビデオは省略)
  38. 38. 5.感染モデル 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  39. 39. 感染症と社会ネットワーク • 人から人に感染する 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  40. 40. 感染モデル • 感染を決めるパラメータ ネットワーク 感染者数 感染する確率 回復する確率 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  41. 41. SIR モデル • S : 健康(susceptible) • I : 感染(infected) • R: 回復/死亡(recovered / removed) S I R   𝛾𝛿𝜏 1-𝛾𝛿𝜏 S I R NDlib - Network Diffusion Library https://ndlib.readthedocs.io/en/latest/index.html 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  42. 42. SIR モデルの計算 • 3つの状態 – 健康 (S) – 感染 (I) – 回復/死亡 (R) • 回復か死亡かは、感染状況を考える上では重要でない • 𝜏 : 感染した人が回復までにかかる時間 • 𝛾𝛿𝜏 : 時間𝛿𝜏の間に回復する確率 • 1 − 𝛾𝛿𝜏 :時間𝛿𝜏の間に回復しない確率 • 時間 𝜏が経った後も感染している確率 : lim 𝛿𝑡→0 1 − 𝛾𝛿𝜏 𝜏 𝛿𝜏 = 𝑒−𝛾𝜏 • 感染者が時刻𝜏 から時刻 𝜏 + 𝑑𝜏 の間に回復する確率 : 𝛾𝑒−𝛾𝜏𝑑𝜏 S I R 回復/死亡   𝛾𝛿𝜏 1-𝛾𝛿𝜏 指数分布: 長時間感染したままの人も (実際の感染症を考えると現実的でない) 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  43. 43. SIR モデルの方程式 𝑑𝑠 𝑑𝑡 = −𝛽𝑠𝑥 𝑑𝑥 𝑑𝑡 = 𝛽𝑠𝑥 − 𝛾𝑥 𝑑𝑟 𝑑𝑡 = 𝛾𝑥 𝑠 + 𝑥 + 𝑟 = 1 • Xを消去する x : 1 𝑠 𝑑𝑠 𝑑𝑡 = − 𝛽 𝛾 𝑑𝑟 𝑑𝑡 • 両辺をtについて積分する : 𝑠 = 𝑠0𝑒−𝛽𝑟 𝛾 • この式と x = 1 − 𝑠 − 𝑟 を代入 : 𝑑𝑟 𝑑𝑡 = 𝛾 1 − 𝑟 − 𝑠0𝑒−𝛽𝑟 𝛾 • 𝑡 = 1 𝛾 0 𝑟 𝑑𝑢 1−𝑟−𝑠0𝑒−𝛽𝑟 𝛾 S I R 𝑠   𝑥 𝑟 S I R 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  44. 44. 感染者の総数は? • S は単調減少 / R は単調増加 • R: 感染者の総数 • 𝑑𝑟 𝑑𝑡 = 𝛾 1 − 𝑟 − 𝑠0𝑒−𝛽𝑟 𝛾 = 0 • 𝑟 = 1 − 𝑠0𝑒−𝛽𝑟 𝛾 • 初期状態: – 感染者数c、健康な人数 n-c – 𝑠0 = 1 − 𝑐 𝑛 , 𝑥0 = 𝑐 𝑛 , 𝑟0 = 0 – 𝑛 → ∞, 𝑠0 ≅ 1 • 𝑟 = 1 − 𝑒−𝛽𝑟 𝛾 • 𝑆 = 1 − 𝑒−𝑐𝑆 S R I SIR modelでのシミュレーション例 𝛽 = 1, 𝛾 = 0.4, 𝑠0 = 0.99, 𝑥0 = 0.01, 𝑟0 = 0 𝑐 = 𝛽 𝛾(定数) 𝑟を𝑆と書く 𝑆についての方程式 S I R 𝑠   𝑥 𝑟 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  45. 45. 感染の規模 • 𝛽 ≤ 𝛾 なら感染爆発しない – 回復( 𝐼 → 𝑅 )の方が感染( 𝑆 → 𝐼 )より速い S y  cS e y   1 cS e S   1 no giant component 0  S 0  S 感染爆発する/ しないの境界 1 ) 1 (   cS e dS d 1  cS ce 1 0    c S cS e S   1    c S I R   相転移 𝛽 = 𝛾 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  46. 46. 基本再生産数(basic reproduction number) • 1人の感染者が感染を広める人数の平均 – もし1人が他の2人に感染させたら: 𝑅0 = 2 → 感染爆発 – もし1人が他の0.5人に感染させたら:𝑅0 = 1 2 → 感染は収束 – もし1人が他の1人に感染させたら:𝑅0 = 1 → 爆発と収束の境目 (𝛽 = 𝛾) S I R 𝑠   𝑥 𝑟 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  47. 47. イタリアでのCOVID-19感染のモデル化 • SIDARTHE モデル Giordano, G., Blanchini, F., Bruno, R. et al. "Modelling the COVID-19 epidemic and implementation of population-wide interventions in Italy", Nature Medicine Vol.26, pp.855–860 (2020). https://doi.org/10.1038/s41591-020-0883-7 診断を受けた感 染者(症状なし) 診断を受けて いない感染者 重症 軽症 回復 死亡 健康 診断を受けた感 染者(症状あり) 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  48. 48. COVID-19感染者数の増加 • 世界各国の感染者数増加の曲線は似ている (Power-law curves) Cesar Manchein, Eduardo L. Brugnago, Rafael M. da Silva, Carlos F. O. Mendes, and Marcus W. Beims, "Strong Correlations Between Power-law Growth of COVID-19 in Four Continents and the Inefficiency of Soft Quarantine Strategies", Chaos Vol.30, No.041102 pp.1-7, 2020. https://doi.org/10.1063/5.0009454 理論的には 指数関数 𝑦 = 𝑥𝑘 http://maps.unomaha.edu/maher/ GEOL2300/week10/exp.html 実際には べき関数 𝑦 = 𝑘𝑥 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  49. 49. 交通の遮断の効果 • 交通の遮断の効果をシミュレーションで評価 • 武漢での交通の遮断は、中国国内での蔓延 防止には効果がなかった(既に蔓延していた) が、中国国外への蔓延防止には効果があっ た Matteo Chinazzi, Jessica T. Davis, Marco Ajelli, Corrado Gioannini, Maria Litvinova, Stefano Merler, Ana Pastore y Piontti, Kunpeng Mu, Luca Rossi, Kaiyuan Sun, Cécile Viboud, Xinyue Xiong, Hongjie Yu, M. Elizabeth Halloran, Ira M. Longini Jr., Alessandro Vespignani, "The Effect of Travel Restrictions on the Spread of the 2019 Novel Coronavirus (COVID-19) Outbreak“, Science 24 Apr 2020, Vol. 368, Issue 6489, pp. 395-400, 2020. https://doi.org/10.1126/science.aba9757 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  50. 50. COVID-19の遺伝情報のネットワーク分析 Peter Forstera, Lucy Forster, Colin Renfrew, and Michael Forster, "Phylogenetic Network Analysis of SARS-CoV-2 Genomes“, PNAS, Vol.117, No.17, pp.9241-9243, 2020 https://doi.org/10.1073/pnas.2004999117 A B C コウモリ 東アジア • 系統学:生物のグループ間の進化の歴史や 関係性を推論するための学問 • 3つの変異体 • 2つの異なる宿主で ウイルスが突然変異 ヨーロッパ・アメリカ 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  51. 51. まとめ 1. 世の中はネットワークで表せる 2. ネットワークの中心性 3. Your friends have more friends than you do 4. COVID-19とネットワーク 5. 感染モデル その通り 中心はいろいろある そういうもの 感染症でもネットワークが重要 数学は大切 群馬県立前橋高校 オンライン出張講義 2021.11.9(火)
  52. 52. 友人関係と感染症伝搬を ネットワークで理解する 村田剛志 東京工業大学 情報理工学院

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