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アクション・リサーチ再考 
一般化の問題に焦点を当てて 
! 
外国語教育メディア学会(LET) 
関西支部 メソドロジー研究部会 
2014年度第2回研究会 於 信州大学 
藤田 卓郎 
福井工業高等専門学校
はじめに
はじめに 
実証研究としての厳密性の追求:実践との乖離 
(酒井 2011) 
研究実践 
研究は教師の悩みに答えてくれない 
という声(磯田 2005) 
研究と実践のジレンマ
反省的実践の必要性 
反省的実践の1つとしてのAR 
誤った理解の下行われることが多い 
様々な批判に・・・ 
本発表の目的 
ARの概念について再整理 
結果の一般化についての検討
ARとは?
実践現場から見た「研究」 
先行研究を分析して問いを立てないと…時間がない! 
統計を勉強しなくちゃいけないんでしょ?ムリムリ! 
プレテストとポストテストをしないと… 
「研究」しても授業では使えないし…
ARの定義 
「自分の教室内外の問題及び関心ごとについて、教師自身が理解を深め、 
実践を改善する目的で実施される、システマティックな調査研究」 
(横溝 2000, p.17) 
様々なARの定義
様々なARの定義 
ARの定義 
(ARは)実践の文脈の中から解決すべき問題を発見し、それに対する解決 
のサイクルを前進させることによって、実践上の現実的な変化に寄与す 
ることを志向するものである。(島田 2008, p.92)
ARの定義 
アクション・リサーチとは、組織あるいはコミュニティの当事者(実践 
者)自身によって提起された問題を扱い、その問題に対して、研究者が 
当事者とともに協働で問題解決の方法を具体的に検討し、解決策を実施 
し、その検証をおこない、実...
ARの特徴 
1) 教室内外の問題点の改善・状況の理解 
•問いの生成過程の違い 
•実践者の文脈から問いを生成 
2) 問題解決の過程の重視 
•実証研究:直線的なプロセス 
•AR:循環的なプロセス 
3) 深い内省 
•暗黙に行ってきたこ...
ARの特徴 
1) 教室内外の問題点の改善・状況の理解 
•問いの生成過程の違い 
•実践者の文脈から問いを生成 
実践者の文脈に根ざした事例研究 
2) 問題解決の過程の重視 
•実証研究:直線的なプロセス 
•AR:循環的なプロセス 
3)...
ARはリサーチと呼べるのか? 
リサーチの構成要素 
(3) 
analysis and 
Nunan 1992, p.3 
interpretation of data 
(1) 
a question problem or 
hypothe...
ARの進め方 
仮説検証型AR 
課題探究型AR
問題の発見 
事前の調査 
研究課題の設定 
仮説の設定 
(佐野, 2005) 
仮説検証型AR 
(報告) 
結果の検証 
計画の実践
トピックの明確化 
予備調査と情報収集 
行動方略の 
発展・立案 
課題探究型AR 
行動結果の内省 
行動結果の観察・分析 
行動の実施 
総括的な振り返り 
公開(横溝, 2009)
トピックの明確化 
アクション 
プランの策定 
アクション 
プランの修正 
アクション データ収集・分析 
プランの評価 
(島田 2008) 
ARの一般的な流れ
計画(plan) 
行動(action) 
観察(observation) 
内省(reflection) 
(Burns, 2010) 
ARの一般的な流れ
ARはリサーチと呼べるのか? 
リサーチの構成要素 
(3) 
analysis and 
Nunan 1992, p.3 
interpretation of data 
(1) 
a question problem or 
hypothe...
ARはリサーチと呼べるのか? 
リサーチの構成要素 
(3) 
何らかのデータの収集 
データの解釈→内省 
analysis and 
Nunan 1992, p.3 
interpretation of data 
(1) 
a quest...
ARの問題点
ARの問題点・批判 
ARを行う時間の確保 
•教師(中学校・高等学校)は多忙 
•日々の忙しさ→ARの意欲の減退(三上 2005) 
ARは苦しい 
•学習者に原因を求めてしまうことも… 
•自らの実践を批判の対象とする苦しさ
ARの問題点・批判 
ARのハードルの高さ 
•基本的に研究は一人で行うことが多いのでは… 
•専門的な知識に基づいた意思決定が必要なことも… 
研究としての信頼性 
•変数の統制・無作為抽出が不可能 
•厳密性の欠如・再現性がない 
•結果の...
結果の一般化について
一般化についての議論 
そもそも一般化を目的としていない 
•一般化を目的としないからこそ様々な点に焦点を当てることが可能 
(玉井 2009) 
「一般化」の意味が異なる 
• 自分の教室でもやってみよう!→「ある意味での一般化」 
(佐野 ...
一般化についての議論 
議論の問題点・疑問点 
• 「一般化」という言葉のあいまいさ 
• 一般化の可否について < 研究としての貢献の仕方
一般化についての議論 
議論の問題点・疑問点 
認識論の違いの観点から 
• 「一般化」という言葉のあいまいさ 
EPや他分野の実践研究の観点から 
• 一般化の可否について < 研究としての貢献の仕方
科学についての2つの立場(住 2010) 
構造構成主義 
実存論観念論 
実証研究(量的研究) 質的研究・AR
構造構成主義の観点から:仮説継承 
データの積極的解釈 
仮説生成 
主観の活用 
仮説検証 
生成された仮説の検証 
推測統計 
検証された知見→再度文脈の中へ 
多様な解釈・知見の発展・精緻化 
仮説継承 
継承された知見の検証 仮説検証 ...
探究的実践(exploratory practice)の観点から 
think globally 
文脈に依存しない 
根本原理の探求 
act locally 
実践者固有の文脈での 
原理の試行 
think locally 
試行錯誤につ...
臨床心理学の観点から(下山 2008) 
実践に 
ついての研究 
モデル構成 
モデル検討 
実践を 
通しての研究
まとめ
まとめ 
ARの概念の整理 
•AR=「お手軽な実証研究」はもう卒業 
•実践者の文脈に根ざした事例研究 
•問題解決のプロセスの重視 
•深い内省 
結果の一般化について 
•ARは研究にどのように貢献できるのか 
•現象理解のための仮説やモ...
参考文献・配布資料は以下からダウンロードできます 
https://docs.google.com/file/d/0B-OpnEJKrYAdVjR4bDhBeTBuMHc/ 
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アクション・リサーチ再考:結果の一般化に焦点を当てて

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アクション・リサーチ再考:結果の一般化に焦点を当てて

  1. 1. アクション・リサーチ再考 一般化の問題に焦点を当てて ! 外国語教育メディア学会(LET) 関西支部 メソドロジー研究部会 2014年度第2回研究会 於 信州大学 藤田 卓郎 福井工業高等専門学校
  2. 2. はじめに
  3. 3. はじめに 実証研究としての厳密性の追求:実践との乖離 (酒井 2011) 研究実践 研究は教師の悩みに答えてくれない という声(磯田 2005) 研究と実践のジレンマ
  4. 4. 反省的実践の必要性 反省的実践の1つとしてのAR 誤った理解の下行われることが多い 様々な批判に・・・ 本発表の目的 ARの概念について再整理 結果の一般化についての検討
  5. 5. ARとは?
  6. 6. 実践現場から見た「研究」 先行研究を分析して問いを立てないと…時間がない! 統計を勉強しなくちゃいけないんでしょ?ムリムリ! プレテストとポストテストをしないと… 「研究」しても授業では使えないし…
  7. 7. ARの定義 「自分の教室内外の問題及び関心ごとについて、教師自身が理解を深め、 実践を改善する目的で実施される、システマティックな調査研究」 (横溝 2000, p.17) 様々なARの定義
  8. 8. 様々なARの定義 ARの定義 (ARは)実践の文脈の中から解決すべき問題を発見し、それに対する解決 のサイクルを前進させることによって、実践上の現実的な変化に寄与す ることを志向するものである。(島田 2008, p.92)
  9. 9. ARの定義 アクション・リサーチとは、組織あるいはコミュニティの当事者(実践 者)自身によって提起された問題を扱い、その問題に対して、研究者が 当事者とともに協働で問題解決の方法を具体的に検討し、解決策を実施 し、その検証をおこない、実践活動内容の修正をおこなうという一連の プロセスを継続的におこなう調査研究活動のことを意味する (草郷 2007, pp.254-255) 様々なARの定義
  10. 10. ARの特徴 1) 教室内外の問題点の改善・状況の理解 •問いの生成過程の違い •実践者の文脈から問いを生成 2) 問題解決の過程の重視 •実証研究:直線的なプロセス •AR:循環的なプロセス 3) 深い内省 •暗黙に行ってきたことについて再度検討 •自らの指導する文脈における理論の生成 (ショーン 2001)
  11. 11. ARの特徴 1) 教室内外の問題点の改善・状況の理解 •問いの生成過程の違い •実践者の文脈から問いを生成 実践者の文脈に根ざした事例研究 2) 問題解決の過程の重視 •実証研究:直線的なプロセス •AR:循環的なプロセス 3) 深い内省 •暗黙に行ってきたことについて再度検討 •自らの指導する文脈における理論の生成 (ショーン 2001)
  12. 12. ARはリサーチと呼べるのか? リサーチの構成要素 (3) analysis and Nunan 1992, p.3 interpretation of data (1) a question problem or hypothesis (2) data
  13. 13. ARの進め方 仮説検証型AR 課題探究型AR
  14. 14. 問題の発見 事前の調査 研究課題の設定 仮説の設定 (佐野, 2005) 仮説検証型AR (報告) 結果の検証 計画の実践
  15. 15. トピックの明確化 予備調査と情報収集 行動方略の 発展・立案 課題探究型AR 行動結果の内省 行動結果の観察・分析 行動の実施 総括的な振り返り 公開(横溝, 2009)
  16. 16. トピックの明確化 アクション プランの策定 アクション プランの修正 アクション データ収集・分析 プランの評価 (島田 2008) ARの一般的な流れ
  17. 17. 計画(plan) 行動(action) 観察(observation) 内省(reflection) (Burns, 2010) ARの一般的な流れ
  18. 18. ARはリサーチと呼べるのか? リサーチの構成要素 (3) analysis and Nunan 1992, p.3 interpretation of data (1) a question problem or hypothesis (2) data
  19. 19. ARはリサーチと呼べるのか? リサーチの構成要素 (3) 何らかのデータの収集 データの解釈→内省 analysis and Nunan 1992, p.3 interpretation of data (1) a question problem or hypothesis (2) data
  20. 20. ARの問題点
  21. 21. ARの問題点・批判 ARを行う時間の確保 •教師(中学校・高等学校)は多忙 •日々の忙しさ→ARの意欲の減退(三上 2005) ARは苦しい •学習者に原因を求めてしまうことも… •自らの実践を批判の対象とする苦しさ
  22. 22. ARの問題点・批判 ARのハードルの高さ •基本的に研究は一人で行うことが多いのでは… •専門的な知識に基づいた意思決定が必要なことも… 研究としての信頼性 •変数の統制・無作為抽出が不可能 •厳密性の欠如・再現性がない •結果の一般化の難しさ
  23. 23. 結果の一般化について
  24. 24. 一般化についての議論 そもそも一般化を目的としていない •一般化を目的としないからこそ様々な点に焦点を当てることが可能 (玉井 2009) 「一般化」の意味が異なる • 自分の教室でもやってみよう!→「ある意味での一般化」 (佐野 2005) 事例の集積があれば・・・ •事例の集積→共通パターンの発見 (佐野 2005)
  25. 25. 一般化についての議論 議論の問題点・疑問点 • 「一般化」という言葉のあいまいさ • 一般化の可否について < 研究としての貢献の仕方
  26. 26. 一般化についての議論 議論の問題点・疑問点 認識論の違いの観点から • 「一般化」という言葉のあいまいさ EPや他分野の実践研究の観点から • 一般化の可否について < 研究としての貢献の仕方
  27. 27. 科学についての2つの立場(住 2010) 構造構成主義 実存論観念論 実証研究(量的研究) 質的研究・AR
  28. 28. 構造構成主義の観点から:仮説継承 データの積極的解釈 仮説生成 主観の活用 仮説検証 生成された仮説の検証 推測統計 検証された知見→再度文脈の中へ 多様な解釈・知見の発展・精緻化 仮説継承 継承された知見の検証 仮説検証 推測統計
  29. 29. 探究的実践(exploratory practice)の観点から think globally 文脈に依存しない 根本原理の探求 act locally 実践者固有の文脈での 原理の試行 think locally 試行錯誤についての考察
  30. 30. 臨床心理学の観点から(下山 2008) 実践に ついての研究 モデル構成 モデル検討 実践を 通しての研究
  31. 31. まとめ
  32. 32. まとめ ARの概念の整理 •AR=「お手軽な実証研究」はもう卒業 •実践者の文脈に根ざした事例研究 •問題解決のプロセスの重視 •深い内省 結果の一般化について •ARは研究にどのように貢献できるのか •現象理解のための仮説やモデル、理論の提示 •検証された知見の試行→知見の発展、精緻化を図る
  33. 33. 参考文献・配布資料は以下からダウンロードできます https://docs.google.com/file/d/0B-OpnEJKrYAdVjR4bDhBeTBuMHc/ edit?usp=sharing

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