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図書館情報学の研究・教育の
国際動向:iSchoolを中心に
【Web公開版】
公開シンポジウム「図書館情報学と専門職養成」
(2015年3月26日 東京大学本郷キャンパス)
天理大学(人間学部総合教育研究センター) 古賀 崇
Email:
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本日の内容
• 報告の基礎となる文献等の紹介
• iSchoolの動向
• iSchool以外の興味深い動向
• 小括
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 2
本日の報告の基礎となるもの(1)
• 『図書館情報学教育
の戦後史』(ミネル
ヴァ書房, 2015)
– 第4章「図書館情報
専門職養成の国際
動向」→「1 アメリカ
図書館協会認定校
の変遷とiSchoolの動
向」(古賀執筆)
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本日の報告の基礎となるもの(2)
• IFLA Satellite 2014 in Turin, Italy “Theory and research
on the convergence of professional identity in...
本日の報告の基礎となるもの(3)
• Miwa, Makiko and
Shizuko Miyahara (eds.)
Quality Assurance in Lis
Education: An
International and
Compa...
iSchoolの動向
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 6
iSchoolの情報の集積:
http://ischools.org/
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 7
iSchoolの設立経緯
• 原点は1988年:「図書館以外の領域を加えた情
報学スクール」の構想
– ピッツバーグ大学、ドレクセル大学、シラキュース大
学
• 具体的な取り組みは2001年以降に
– 2003年 “iSchool”の名が付く
...
iSchoolの現状(1):国での区分
• 『図書館情報学の戦後史』拙稿の脱稿時点(2013年
12月)で55校→2015年3月で59校
• 国ごとの内訳
– 米国:27校(うちALA認定20校)
– カナダ:3校(いずれもALA認定校)
– ...
iSchoolの現状(2):系統での区分
• 図書館情報学系(LIS)、コンピュータ・サイエンス系(CS)、ビジネ
ス・マネジメント系(BM)、その他:Wu et al. (2012)に基づく
(† インディアナ大学はLISとCSを兼ねる)
C...
iConference
• iSchoolの間で、研究成果や教育実践を
共有する場 → iSchoolとしての共通した
関心が反映される
• ペーパーやポスターの発表のほか、新
規的話題や教育方法についてのワーク
ショップも実施
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iConferenceの動向(1):2014年ベルリン会議
http://ischools.org/the-iconference/about-the-
iconference/iconference-2014-summary/
• 全体セッシ...
iConferenceの動向(2):
2015年カリフォルニア・ニューポートビーチ会議
https://www.conftool.com/iConference2015/sessions.php
• 全体セッション:「集合的知性の2つのモデル」...
iSchool以外の
興味深い動向
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 14
iSchool構想と並行する、米国での
「図書館情報学の見直し」構想のひとつ
• Borgman, Christine L.(UCLA)and Jorge R.
Schement.(ラトガース大学) “Information
science a...
Borgman and Schement (1990)より
“Drawing From Common Theory”
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 16
• コミュ...
クロアチア・ザダル大学での事例
• Department of Information Sciences(複数形に注
意)という部局を2011年に新設
– Department of Library and Information Scienc...
その他のヨーロッパの動向
(IFLA2014年サテライト会議(トリノ)で確認できた限りで)
• 専門職の「KSC(知識、技能、コンピテンシー)モ
デル」:欧州域内の職業教育や資格に関する
共通枠組み
– イタリアでは2014年の図書館司書・アー...
(参考)古賀なりの「KSCモデル理解」:
C→S→Kの順が理解しやすい?
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~を実施する
ことができる
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シー
(C)
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小括
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iSchoolなどの動向から伺えること
• iSchoolはLIS系統(ALA認定校含め)が多いが、
iConferenceの内容は「伝統的な図書館の業
務・サービス」からは大きく離れる
→ LIS系統自体の変化が伺える
(LIS/CS/BSの...
古賀が個人的に思うところ
• 「図書館情報学」「図書館の専門職」という枠組
みは将来的に有効と言えるか?
• 図書館のしくみを基盤としつつ、図書館の枠を
超えたところでも活躍できる人材育成という視
点が必要なのでは?
– 参照:田窪直規「205...
参考文献(スライド冒頭の文献以外に)
• Wu, Dan, et al. “The state of iSchools: an
analysis of academic research and graduate
education”. Jou...
ありがとうございました
• 本報告は下記による成果の一部です。
– 平成26年度科学研究費助成事業 若手研究(B)
「オープン・ガバメント時代の政府情報アクセス制
度・政策と図書館・文書館等の役割」(課題番号
25730191、研究代表者:古賀...
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図書館情報学の研究・教育の国際動向:iSchoolを中心に(古賀崇)

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公開シンポジウム「図書館情報学と専門職養成:『図書館情報学の戦後史-資料が語る専門職養成制度の展開-』の刊行を記念して」(2015年3月26日、東京大学本郷キャンパス)での発表スライド。『図書館情報学の戦後史』(ミネルヴァ書房、2015)での古賀担当部分を含め、iSchoolの動向を論じつつ、日本の図書館情報学教育への示唆となり得る点の提示を試みた。

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図書館情報学の研究・教育の国際動向:iSchoolを中心に(古賀崇)

  1. 1. 図書館情報学の研究・教育の 国際動向:iSchoolを中心に 【Web公開版】 公開シンポジウム「図書館情報学と専門職養成」 (2015年3月26日 東京大学本郷キャンパス) 天理大学(人間学部総合教育研究センター) 古賀 崇 Email: Web: http://researchmap.jp/T_Koga_Govinfo Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 1
  2. 2. 本日の内容 • 報告の基礎となる文献等の紹介 • iSchoolの動向 • iSchool以外の興味深い動向 • 小括 Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 2
  3. 3. 本日の報告の基礎となるもの(1) • 『図書館情報学教育 の戦後史』(ミネル ヴァ書房, 2015) – 第4章「図書館情報 専門職養成の国際 動向」→「1 アメリカ 図書館協会認定校 の変遷とiSchoolの動 向」(古賀執筆) Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 3
  4. 4. 本日の報告の基礎となるもの(2) • IFLA Satellite 2014 in Turin, Italy “Theory and research on the convergence of professional identity in cultural heritage institutions (Libraries, Museums, and Archives) beyond technology” – 2014年8月13・14日、GAM(トリノ現代美術館) – https://satelliteturin2014.wordpress.com/programme-2/ ↓ • 古賀崇「MLA連携の国際的最前線を探る:国際図書館 連盟(IFLA)2014年サテライト会議(トリノ)をベースに」 – アート・ドキュメンテーション学会(JADS)第7回秋季研究発 表会 (2014年11月22日、お茶の水女子大学) – http://www.slideshare.net/takashikoga5439/jads2014fall-mla- koga Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 4
  5. 5. 本日の報告の基礎となるもの(3) • Miwa, Makiko and Shizuko Miyahara (eds.) Quality Assurance in Lis Education: An International and Comparative Study. Springer, 2014. – http://link.springer.com/ book/10.1007/978-1- 4614-6495-2 Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 5
  6. 6. iSchoolの動向 Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 6
  7. 7. iSchoolの情報の集積: http://ischools.org/ Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 7
  8. 8. iSchoolの設立経緯 • 原点は1988年:「図書館以外の領域を加えた情 報学スクール」の構想 – ピッツバーグ大学、ドレクセル大学、シラキュース大 学 • 具体的な取り組みは2001年以降に – 2003年 “iSchool”の名が付く – 2005年 iSchoolの連合体としての“iSchool Caucus (iCaucus)”結成、第1回iConference – 2008年 20校(北米+シンガポール) Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 8
  9. 9. iSchoolの現状(1):国での区分 • 『図書館情報学の戦後史』拙稿の脱稿時点(2013年 12月)で55校→2015年3月で59校 • 国ごとの内訳 – 米国:27校(うちALA認定20校) – カナダ:3校(いずれもALA認定校) – イギリス:5校 -アイルランド:1校 – フランス:1校 – スペイン:2校 – ポルトガル:2校 – ドイツ:2校 – オランダ:1校 – フィンランド:1校 – スウェーデン:1校 – デンマーク:1校 -ノルウェー:1校 – オーストラリア:3校 -シンガポール:1校 – 中国:3校(南京大学、武漢大学、中山大学) – 韓国:3校(ソウル国立大学、成均館大学、延世大学) – 日本:1校(筑波大学) Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 9 ALA認定校は2015年3 月で60校→うち23校が iSchool
  10. 10. iSchoolの現状(2):系統での区分 • 図書館情報学系(LIS)、コンピュータ・サイエンス系(CS)、ビジネ ス・マネジメント系(BM)、その他:Wu et al. (2012)に基づく († インディアナ大学はLISとCSを兼ねる) Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 10 LIS CS BM その他 計 北米 (米・加) 23 4 3 1 30(†) ヨーロッ パ 8 3 1 6 18 豪州 1 2 0 0 3 アジア 6 1 1 0 8 計 38 10 5 7 59(†)
  11. 11. iConference • iSchoolの間で、研究成果や教育実践を 共有する場 → iSchoolとしての共通した 関心が反映される • ペーパーやポスターの発表のほか、新 規的話題や教育方法についてのワーク ショップも実施 Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 11
  12. 12. iConferenceの動向(1):2014年ベルリン会議 http://ischools.org/the-iconference/about-the- iconference/iconference-2014-summary/ • 全体セッション:「オープンアクセスを越えて オープンデータへ」「カルチャー・コンピューティ ングの衝突:人文学・遺産分野におけるデジタ ル・プロジェクトの成功に向けて」 • その他のセッション:「情報と社会とのかかわ り」を中心とした、あるいは広い意味での「社会 情報学」に該当しそうなトピックが多い – 例:子どもとデジタル、メイカーズ・ムーブメント(3D プリンタなど)、情報行動、学習科学と情報学 Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 12
  13. 13. iConferenceの動向(2): 2015年カリフォルニア・ニューポートビーチ会議 https://www.conftool.com/iConference2015/sessions.php • 全体セッション:「集合的知性の2つのモデル」 「(研究結果を正当化する)再現性の語用論と 研究対象物の枠組み」「研究データの多様性を 創出・協働・歓待する」 • その他のセッション: – 狭義の図書館情報学にかかわるのはごくわずか (デジタル図書館、電子書籍など) – データの可視化、ソーシャルメディア、モバイル機 器の活用といったトピックが目立つ • 主管校がCS系のカリフォルニア大学アーバイン校である ためか Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 13
  14. 14. iSchool以外の 興味深い動向 Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 14
  15. 15. iSchool構想と並行する、米国での 「図書館情報学の見直し」構想のひとつ • Borgman, Christine L.(UCLA)and Jorge R. Schement.(ラトガース大学) “Information science and communication research,” Information Science: the Interdisciplinary Context. J. Michael Pemberton and Ann Prentice, eds. New York, Neal-Schuman, 1990, p. 42-59. – 「コミュニケーション研究」と(図書館)情報学との関 係を探る:上記2大学での取り組みを踏まえ – 2011年のクロアチア・ザダル大学での新教育課程開 設に際し参照される Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 15
  16. 16. Borgman and Schement (1990)より “Drawing From Common Theory” Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 16 • コミュニケーション研究と(図書館)情報学との関係を示すモデ ルのひとつ
  17. 17. クロアチア・ザダル大学での事例 • Department of Information Sciences(複数形に注 意)という部局を2011年に新設 – Department of Library and Information Science(2003年 設立)を大幅に改組 – 博物館・図書館・文書館(MLA)をまたがる適格性(コン ピテンシー)習得を意識した学部・大学院課程を設置 • 「文化遺産のデジタル化」含め – 図書館、文書館、電子出版の3つの「トラック」を設定 • 博物館については教員不足のため未設定 – Ann Gilliland教授(UCLA、アーカイブズ学)らを客員教 授として招聘 Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 17
  18. 18. その他のヨーロッパの動向 (IFLA2014年サテライト会議(トリノ)で確認できた限りで) • 専門職の「KSC(知識、技能、コンピテンシー)モ デル」:欧州域内の職業教育や資格に関する 共通枠組み – イタリアでは2014年の図書館司書・アーキビストそ れぞれの国家標準に反映 • MLA専門職や“Digital Curator”を対象とした研 修活動 • MLAそれぞれの専門職の枠組みは維持しつつ、 各領域に共通した要素を意識して研究・教育・ 研修を行う姿勢がうかがえる Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 18
  19. 19. (参考)古賀なりの「KSCモデル理解」: C→S→Kの順が理解しやすい? Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 19 ~を実施する ことができる コンピテン シー (C) 「コンピーテン シー」を実現 するために必 要な技能・ス キル 「技能」の習得 のために必要 な知識 技能 (S) 知識 (K)
  20. 20. 小括 Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 20
  21. 21. iSchoolなどの動向から伺えること • iSchoolはLIS系統(ALA認定校含め)が多いが、 iConferenceの内容は「伝統的な図書館の業 務・サービス」からは大きく離れる → LIS系統自体の変化が伺える (LIS/CS/BSの区分自体を見直す必要性) • ヨーロッパにしても「図書館オンリー」にはとど まらない流れが確認できる Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 21
  22. 22. 古賀が個人的に思うところ • 「図書館情報学」「図書館の専門職」という枠組 みは将来的に有効と言えるか? • 図書館のしくみを基盤としつつ、図書館の枠を 超えたところでも活躍できる人材育成という視 点が必要なのでは? – 参照:田窪直規「2050年の情報専門職とその養成 (動向レビュー)」『カレントアウェアネス』No. 317, 2013年9月20日. http://current.ndl.go.jp/ca1802 • 「組織に属する情報専門職」「フリーランスの情報専門 職」「起(企)業家となる情報専門職」の養成という提案 Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 22
  23. 23. 参考文献(スライド冒頭の文献以外に) • Wu, Dan, et al. “The state of iSchools: an analysis of academic research and graduate education”. Journal of Information Science. vol. 38, no. 1, 2012, p. 15-36. – doi: 10.1177/0165551511426247 Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 23
  24. 24. ありがとうございました • 本報告は下記による成果の一部です。 – 平成26年度科学研究費助成事業 若手研究(B) 「オープン・ガバメント時代の政府情報アクセス制 度・政策と図書館・文書館等の役割」(課題番号 25730191、研究代表者:古賀 崇) Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 24 米国ワシントンDCの図書館・文書館・博物館(2015年2月撮影)

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