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旅のことば 
認知症とともによりよく生きるためのヒント 
井庭 崇(Takashi Iba) 
慶應義塾大学 総合政策学部 准教授 
国際大学GLOCOM客員研究員 
岡田 誠(Makoto Okada) 
富士通研究所 
国際大学GLOCOM...
Takashi Iba 
井庭 崇 
慶應義塾大学SFC 総合政策学部 准教授 
博士(政策・メディア) 
創造社会を支える方法・道具をつくる 
● 個人・組織・社会が、より創造的になることの支援 
● 「パターン・ランゲージ」の研究と実践 
...
2025年問題 
認知症800万人時代
5 
旅のことば 
認知症とともによりよく生きるためのヒント 
1.認知症であってもいきいきと暮らしている人たちの 
「前向きで実践的な工夫」を広く紹介・共有 
! 
2.本人・家族・周囲のそれぞれが、具体的にどのような 
  行動を起こすこと...
[本人]の旅のことば 
[家族]の旅のことば[みんな]の旅のことば
1 新しい旅 
[本人]の旅のことば[家族]の旅のことば[みんな]の旅のことば 
2 旅への一歩 
3 出発のあいさつ 
4 旅の計画 
5 旅の仲間 
6 できることリスト 
7 自分の日課 
8 自分をあらわす部屋 
9 なじみの居場所 
...
なじみの居場所 
家族も知っている外出先をつくる。 
No.9
外に出るよりも、家にいることが多くなりました。 
▼そのとき 
Context
Context 
Problem 
外に出るよりも、家にいることが多くなりました。 
▼そのとき 
認知症だからといって、ずっと家のなかにいるのは気が滅入ってしまいます。同じ場 
所に居続けるのはストレスが溜まりやすいものだからです。しかし、あ...
認知症だからといって、ずっと家のなかにいるのは気が滅入ってしまいます。同じ場 
所に居続けるのはストレスが溜まりやすいものだからです。しかし、あちこち自由に 
出かけようとすると、家族が心配するかもしれません。もしかしたら出先で状況がわ 
から...
からなくなり、困ってしまうという事態が起きてしまう可能性があるからです。 
からなくなり、困ってしまうという事態が起きてしまう可能性があるからです。 
▼そこで 
Solution 
▼そこで 
自分ひとりで行けて、家族も知っている行きつけの場...
外に出るよりも、家にいることが多くなりました。 
▼そのとき 
認知症だからといって、ずっと家のなかにいるのは気が滅入ってしまいます。同じ場 
所に居続けるのはストレスが溜まりやすいものだからです。しかし、あちこち自由に 
出かけようとすると、...
場所 
をつくる。 
Name (旅のことば) 
認知症だからといって、ずっと家のなかにいるのは気が滅入ってしまいます。同じ場 
所に居続けるのはストレスが溜まりやすいものだからです。しかし、あちこち自由に 
出かけようとすると、家族が心配する...
これまで共有されてこなかった「工夫」を共有する。 
他の人の工夫を 
自分の状況に活用できる! 
医療・介護の専門知識ではなく、個人の 
経験に内在している知恵にフォーカス
「工夫」を新しい「ことば」で表現する。 
工夫を表す「ことば」を用いて 
対話が促進される!
1 新しい旅 
[本人]の旅のことば[家族]の旅のことば[みんな]の旅のことば 
2 旅への一歩 
3 出発のあいさつ 
4 旅の計画 
5 旅の仲間 
6 できることリスト 
7 自分の日課 
8 自分をあらわす部屋 
9 なじみの居場所 
...
『旅のことば』の読み方 
名前(Name):その工夫を表す新しい「ことば」 
状況(Context):特定の状況 
問題(Problem):その状況で陥りがちな問題とその原因 
解決(Solution):問題への解決策とその実践例 
結果(Co...
なじみの居場所 
家族も知っている外出先をつくる。 
認知症だからといって、ずっと家のなかにいるのは気が滅入ってしまいます。同じ場 
所に居続けるのはストレスが溜まりやすいものだからです。しかし、あちこち自由に 
出かけようとすると、家族が心配...
3つの視点と、立場を超えた「協働」の実現へ 
[本人]の旅のことばNo.2~15 
No.16~32 
No.33~40 
[家族]の旅のことば 
[みんな]の旅のことば 
「新しい旅」No.1
「新しい旅」という捉え方 
「認知症とともによりよく生きる」ことを、ひとつの「新しい旅」と捉える。 
これから大きく生活を変えるからこそ実現できる「新しい旅」。 
! 
家族で一緒にいる時間が増えることで、これまで以上にお互いの 
ことが理解し...
本プロジェクトについて 
慶應義塾大学 井庭崇研究室と、認知症フレンドリージャパン・イニシアチブを支 
援する企業のメンバーが、従来の医療・福祉系の枠組みを超え、認知症にかかわ 
る課題検討の一環として参加したプロジェクト 
井庭 崇(慶應義塾...
制作プロセス 
認知症のご本人と、介護家族の方へのインタビュー
制作プロセス 
インタビューで出てきた工夫や問題・悩みを整理 
既存の枠組みに収束させるのではなく、新たなカテゴリを生むようにする
制作プロセス 
整理して得られた内容の言語化 
『旅のことば』のフォーマットで記述する。 
それを数ヶ月かけて徹底的にブラッシュアップする。
今後のイベント 
11/4(火)  
  「認知症フレンドリー社会をどのように実現するのか?」 
   
   
@富士通HAB-­‐YU 13:00-­‐16:00 
! 
11/5-­‐6(水・木)  
G7サミット日本後継イベント 
  ...
さらなる「旅のことば」を求めて 
この冊子をきっかけに 
自分たちの「旅のことば」を誰かと一緒に書き、周囲と共有し合う。 
! 
みんなの知恵を寄せ合いながら「旅のことば」を育てる。 
! 
メールアドレス: tabinokotoba@sfc....
【補足】 
『旅のことば』の記述形式である 
「パターン・ランゲージ」とは
パターン・ランゲージ 
何かをつくるとき/実践するときの、状況に応じた判断のセ 
ンスを共有・活用する方法。 
! 
過去の成功に潜む共通パターンを言語化する。 
! 
パターン・ランゲージは、いきいきとした「質」を生み出すこ 
とを支援する。
各「パターン」には、問題発見+問題解決の実践知が記述される。 
 ・どのような状況(Context)のときに 
 ・どのような問題(Problem)が生じやすく 
 ・それをどのように解決すればよいのか(Solution) 
状況 
問題 
解...
個々のパターンは、小さい単位でまとめられている。 
パターンは相互に関係し合い、ひとつの言語体系を形成する。 
これら全体的で「いきいきとした質」を実現する。 
Context 
Problem 
Solution 
Context 
Prob...
パターン・ランゲージの歴史 
1980 年代後半~ 
パターン・ランゲージ 1.0 
1970 年代後半~ 
1990 年代後半~ 
2000 年代後半~ 
パターン・ランゲージ 3.0 
パターン・ランゲージ 2.0
パターン・ランゲージの歴史 
もともとは、建築の分野で提唱された。 
http://stephania32.wordpress.com/ 
Christopher Alexander 
C. Alexander, S. Ishikawa, M....
パターン・ランゲージの歴史 
ソフトウェアの分野に応用さえて、この考え方が広まった。 
Kent Beck Ward Cunningham 
Gang of Four 
Kent Beck & Ward Cunningham, “Using P...
パターン・ランゲージの歴史 
ソフトウェアの分野に応用さえて、この考え方が広まった。
パターン・ランゲージの歴史 
さらにほかのデザイン領域、教育、組織などへの応用が始まっている。
井庭研究室では、人間行為のパターン・ランゲージを制作 
A Pattern Language for Creative Presentations 
プレゼンテーション・パターン 
創造的プレゼンテーションのパターン・ランゲージ 
Ver. 0...
パターン・カード 
パターン・ランゲージのカード 
コラボレーション・パターン 
カード(日本語版)
対話のメディアとしてのパターン・ランゲージ 
慶應義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)
対話のメディアとしてのパターン・ランゲージ
対話のメディアとしてのパターン・ランゲージ
対話のメディアとしてのパターン・ランゲージ
『パターン・ランゲージ:創造的な未来をつくるための言語』 
 井庭崇 編著, 中埜博, 江渡浩一郎, 中西泰人, 竹中平蔵, 羽生田栄一, 
 慶應義塾大学出版会, 2013 
Reality 
リアリティ プラス 
パターン・ランゲージ 
P...
パターン・ランゲージの学術的な世界においても 
世界で初めての応用領域 
[本人]の旅のことば 
[家族]の旅のことば[みんな]の旅のことば
46 
旅のことば 
認知症とともによりよく生きるためのヒント 
1.認知症であってもいきいきと暮らしている人たちの 
「前向きで実践的な工夫」を広く紹介・共有 
! 
2.本人・家族・周囲のそれぞれが、具体的にどのような 
  行動を起こすこ...
『旅のことば - 認知症とともによりよく生きるためのヒント』完成披露会見
『旅のことば - 認知症とともによりよく生きるためのヒント』完成披露会見
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『旅のことば - 認知症とともによりよく生きるためのヒント』完成披露会見

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認知症とともによりよく生きるためのパターン・ランゲージ『旅のことば』の紹介です。
http://tabinokotoba.sfc.keio.ac.jp

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『旅のことば - 認知症とともによりよく生きるためのヒント』完成披露会見

  1. 1. 旅のことば 認知症とともによりよく生きるためのヒント 井庭 崇(Takashi Iba) 慶應義塾大学 総合政策学部 准教授 国際大学GLOCOM客員研究員 岡田 誠(Makoto Okada) 富士通研究所 国際大学GLOCOM客員研究員 with 慶應義塾大学 井庭崇研究室
  2. 2. Takashi Iba 井庭 崇 慶應義塾大学SFC 総合政策学部 准教授 博士(政策・メディア) 創造社会を支える方法・道具をつくる ● 個人・組織・社会が、より創造的になることの支援 ● 「パターン・ランゲージ」の研究と実践 Reality リアリティ プラス パターン・ランゲージ Pattern Languages 創造的な未来をつくるための言語 中埜 博 江渡浩一郎 中西泰人 竹中平蔵 羽生田栄一 Nakano Hiroshi 江渡浩一郎 Eto Koichiro 中西泰人 Nakanishi Yasuto 竹中平蔵 Takenaka Heizō 羽生田栄一 Eiiti Hanyuda 中埜 博 ﹇編著﹈ 応急処置的な社会から、 創造的な社会へ 井庭 崇﹇編著﹈ Iba Takashi 定価(本体2,400円+税) 井庭 崇 パターン・ランゲージによって、私たちはどのような未来をつくることができるのか? 気鋭の社会学者・井庭崇が、中埜博、江渡浩一郎、中西泰人、竹中平蔵、羽生田栄一 という各界のフロントランナーを迎え、徹底討論。 読者のリアリティに、新たな知をプラスする !!
  3. 3. 2025年問題 認知症800万人時代
  4. 4. 5 旅のことば 認知症とともによりよく生きるためのヒント 1.認知症であってもいきいきと暮らしている人たちの 「前向きで実践的な工夫」を広く紹介・共有 ! 2.本人・家族・周囲のそれぞれが、具体的にどのような   行動を起こすことができるのかを記述 ! 3.認知症とともに生きることについての社会的な対話を促進
  5. 5. [本人]の旅のことば [家族]の旅のことば[みんな]の旅のことば
  6. 6. 1 新しい旅 [本人]の旅のことば[家族]の旅のことば[みんな]の旅のことば 2 旅への一歩 3 出発のあいさつ 4 旅の計画 5 旅の仲間 6 できることリスト 7 自分の日課 8 自分をあらわす部屋 9 なじみの居場所 10 よい先輩との出会い 11 流れを変える 12 今を楽しむ 13 自己紹介グッズ 14 自分なりの表現 15 ことばのギフト 16 ともに歩む 17 チームリーダー 18 我が家専門家 19 三種のつながり 20 さりげない告白 21 活躍の機会 22 夢への準備 23 おもしろ化 24 いつものおしゃべり 25 見えている世界 26 自分の時間 27 切り替えの工夫 28 悩みのつぶやき 29 特別な日 30 いろんな世代 31 わくわく実行委員会 32 小さな気づき 33 自分の仕事から 34 その場の助っ人 35 見守りサポーター 36 個人的なつきあい 37 ないまぜのイベント 38 仕事をつくる 39 声を届ける 40 ウォーム・デザイン
  7. 7. なじみの居場所 家族も知っている外出先をつくる。 No.9
  8. 8. 外に出るよりも、家にいることが多くなりました。 ▼そのとき Context
  9. 9. Context Problem 外に出るよりも、家にいることが多くなりました。 ▼そのとき 認知症だからといって、ずっと家のなかにいるのは気が滅入ってしまいます。同じ場 所に居続けるのはストレスが溜まりやすいものだからです。しかし、あちこち自由に 出かけようとすると、家族が心配するかもしれません。もしかしたら出先で状況がわ からなくなり、困ってしまうという事態が起きてしまう可能性があるからです。 ▼そこで 自分ひとりで行けて、家族も知っている行きつけの場所をつくります。すでにそのよ
  10. 10. 認知症だからといって、ずっと家のなかにいるのは気が滅入ってしまいます。同じ場 所に居続けるのはストレスが溜まりやすいものだからです。しかし、あちこち自由に 出かけようとすると、家族が心配するかもしれません。もしかしたら出先で状況がわ からなくなり、困ってしまうという事態が起きてしまう可能性があるからです。 ▼そこで 自分ひとりで行けて、家族も知っている行きつけの場所をつくります。すでにそのよ うなお気に入りの場所があるのであれば、そこを自分の「なじみの居場所」だと家族 に伝えておきます。そういう場所を思いつかない場合は、家の近くの喫茶店や小さな 美術館など、居心地のよさそうな場所を探すことからはじめます。家族や親しい知人 と一緒に探すと安心です。よさそうな場所が見つかったら、その場にいる店員さんや 常連さんたちに、ひとこと挨拶をしておくと早くなじむことができるでしょう。 ▼そうすると Problem 認知症だからといって、ずっと家のなかにいるのは気が滅入ってまいます。同じ場 所に居続けるのはストレス溜まりやすいものだからです。しかし、あちこち自由に 出かけようとすると、家族が心配するかもしれません。もしかしたら出先状況がわ からなくなり、困ってしまうという事態が起きてしまう可能性があるからです。 ▼そこで 自分ひとりで行けて、家族も知っている行きつけの場所をつくります。すでにそのよ うなお気に入りの場所があるのであれば、そこを自分の「なじみの居場所」だと家族 に伝えておきます。そういう場所を思いつかない場合、家の近くの喫茶店や小さな 美術館など、居心地のよさそうな場所を探すことらはじめます。家族や親しい知人 と一緒に探すと安心です。よさそうな場所が見つかったら、その場にいる店員さんや 常連さんたちに、ひとこと挨拶をしておくと早くなじむことができるでしょう。 ▼そうすると Solution
  11. 11. からなくなり、困ってしまうという事態が起きてしまう可能性があるからです。 からなくなり、困ってしまうという事態が起きてしまう可能性があるからです。 ▼そこで Solution ▼そこで 自分ひとりで行けて、家族も知っている行きつけの場所をつくります。すでにそのよ うなお気に入りの場所があるのであれば、そこを自分の「なじみの居場所」だと家族 に伝えておきます。そういう場所を思いつかない場合は、家の近くの喫茶店や小さな 美術館など、居心地のよさそうな場所を探すことからはじめます。家族や親しい知人 と一緒に探すと安心です。よさそうな場所が見つかったら、その場にいる店員さんや 常連さんたちに、ひとこと挨拶をしておくと早くなじむことができるでしょう。 自分ひとりで行けて、家族も知っている行きつけの場所をつくります。すでにそのよ うなお気に入りの場所があるのであれば、そこを自分の「なじみの居場所」だと家族 に伝えておきます。そういう場所を思いつかない場合は、家の近くの喫茶店や小さな 美術館など、居心地のよさそうな場所を探すことからはじめます。家族や親しい知人 と一緒に探すと安心です。よさそうな場所が見つかったら、その場にいる店員さんや 常連さんたちに、ひとこと挨拶をしておくと早くなじむことができるでしょう。 ▼そうすると ▼そうすると Consequence 家のほかに居心地のよい場があることで、豊かな時間を過ごすことができます。また、 他の人とともにする時間も増えるでしょう。家族にとっても、いつものなじみの居場 所にいるとわかっていれば安心です。万が一、認知症の症状が出て困ったとしても、 なじみの店員さんや常連さんがいれば、状況を理解して対応してくれるでしょう。 家のほかに居心地のよい場があることで、豊かな時間を過ごすことができます。また、 他の人とともにする時間も増えるでしょう。家族にとっても、いつものなじみの居場 所にいるとわかっていれば安心です。万が一、認知症の症状が出て困ったとしても、 なじみの店員さんや常連さんがいれば、状況を理解して対応してくれるでしょう。
  12. 12. 外に出るよりも、家にいることが多くなりました。 ▼そのとき 認知症だからといって、ずっと家のなかにいるのは気が滅入ってしまいます。同じ場 所に居続けるのはストレスが溜まりやすいものだからです。しかし、あちこち自由に 出かけようとすると、家族が心配するかもしれません。もしかしたら出先で状況がわ からなくなり、困ってしまうという事態が起きてしまう可能性があるからです。 ▼そこで 自分ひとりで行けて、家族も知っている行きつけの場所をつくります。すでにそのよ うなお気に入りの場所があるのであれば、そこを自分の「なじみの居場所」だと家族 に伝えておきます。そういう場所を思いつかない場合は、家の近くの喫茶店や小さな 美術館など、居心地のよさそうな場所を探すことからはじめます。家族や親しい知人 と一緒に探すと安心です。よさそうな場所が見つかったら、その場にいる店員さんや 常連さんたちに、ひとこと挨拶をしておくと早くなじむことができるでしょう。 ▼そうすると 家のほかに居心地のよい場があることで、豊かな時間を過ごすことができます。また、 他の人とともにする時間も増えるでしょう。家族にとっても、いつものなじみの居場 所にいるとわかっていれば安心です。万が一、認知症の症状が出て困ったとしても、 なじみの店員さんや常連さんがいれば、状況を理解して対応してくれるでしょう。 Context Problem Solution Consequence
  13. 13. 場所 をつくる。 Name (旅のことば) 認知症だからといって、ずっと家のなかにいるのは気が滅入ってしまいます。同じ場 所に居続けるのはストレスが溜まりやすいものだからです。しかし、あちこち自由に 出かけようとすると、家族が心配するかもしれません。もしかしたら出先で状況がわ からなくなり、困ってしまうという事態が起きてしまう可能性があるからです。 ▼そこで 自分ひとりで行けて、家族も知っている行きつけの場所をつくります。すでにそのよ うなお気に入りの場所があるのであれば、そこを自分の「なじみの居場所」だと家族 に伝えておきます。そういう場所を思いつかない場合は、家の近くの喫茶店や小さな 美術館など、居心地のよさそうな場所を探すことからはじめます。家族や親しい知人 と一緒に探すと安心です。よさそうな場所が見つかったら、その場にいる店員さんや 常連さんたちに、ひとこと挨拶をしておくと早くなじむことができるでしょう。 ▼そうすると 家のほかに居心地のよい場があることで、豊かな時間を過ごすことができます。また、 他の人とともにする時間も増えるでしょう。家族にとっても、いつものなじみの居場 所にいるとわかっていれば安心です。万が一、認知症の症状が出て困ったとしても、 なじみの店員さんや常連さんがいれば、状況を理解して対応してくれるでしょう。 多くなりました。 外に出るよりも、家にいることが多くなりました。 ▼そのとき Context Problem Solution Consequence なじみの居場所 家族も知っている外出先をつくる。 認知症だからといって、ずっと家のなかにいるの所に居続けるのはストレスが溜まりやすいものだ出かけようとすると、家族が心配するかもしれまからなくなり、困ってしまうという事態が起きて▼そこで 自分ひとりで行けて、家族も知っている行きつけうなお気に入りの場所があるのであれば、そこに伝えておきます。そういう場所を思いつかない美術館など、居心地のよさそうな場所を探すことと一緒に探すと安心です。よさそうな場所が見つ常連さんたちに、ひとこと挨拶をしておくと早く▼そうすると 家のほかに居心地のよい場があることで、豊かな他の人とともにする時間も増えるでしょう。家族所にいるとわかっていれば安心です。万が一、なじみの店員さんや常連さんがいれば、状況を理外に出るよりも、家にいることが多くなりました。 ▼そのとき ▷ 34.その場の助っ人←
  14. 14. これまで共有されてこなかった「工夫」を共有する。 他の人の工夫を 自分の状況に活用できる! 医療・介護の専門知識ではなく、個人の 経験に内在している知恵にフォーカス
  15. 15. 「工夫」を新しい「ことば」で表現する。 工夫を表す「ことば」を用いて 対話が促進される!
  16. 16. 1 新しい旅 [本人]の旅のことば[家族]の旅のことば[みんな]の旅のことば 2 旅への一歩 3 出発のあいさつ 4 旅の計画 5 旅の仲間 6 できることリスト 7 自分の日課 8 自分をあらわす部屋 9 なじみの居場所 10 よい先輩との出会い 11 流れを変える 12 今を楽しむ 13 自己紹介グッズ 14 自分なりの表現 15 ことばのギフト 16 ともに歩む 17 チームリーダー 18 我が家専門家 19 三種のつながり 20 さりげない告白 21 活躍の機会 22 夢への準備 23 おもしろ化 24 いつものおしゃべり 25 見えている世界 26 自分の時間 27 切り替えの工夫 28 悩みのつぶやき 29 特別な日 30 いろんな世代 31 わくわく実行委員会 32 小さな気づき 33 自分の仕事から 34 その場の助っ人 35 見守りサポーター 36 個人的なつきあい 37 ないまぜのイベント 38 仕事をつくる 39 声を届ける 40 ウォーム・デザイン
  17. 17. 『旅のことば』の読み方 名前(Name):その工夫を表す新しい「ことば」 状況(Context):特定の状況 問題(Problem):その状況で陥りがちな問題とその原因 解決(Solution):問題への解決策とその実践例 結果(Consequence):問題が解決された後の効果 関連のことば(Related Patterns):その内容に近いものを複数提示
  18. 18. なじみの居場所 家族も知っている外出先をつくる。 認知症だからといって、ずっと家のなかにいるのは気が滅入ってしまいます。同じ場 所に居続けるのはストレスが溜まりやすいものだからです。しかし、あちこち自由に 出かけようとすると、家族が心配するかもしれません。もしかしたら出先で状況がわ からなくなり、困ってしまうという事態が起きてしまう可能性があるからです。 ▼そこで 自分ひとりで行けて、家族も知っている行きつけの場所をつくります。すでにそのよ うなお気に入りの場所があるのであれば、そこを自分の「なじみの居場所」だと家族 に伝えておきます。そういう場所を思いつかない場合は、家の近くの喫茶店や小さな 美術館など、居心地のよさそうな場所を探すことからはじめます。家族や親しい知人 と一緒に探すと安心です。よさそうな場所が見つかったら、その場にいる店員さんや 常連さんたちに、ひとこと挨拶をしておくと早くなじむことができるでしょう。 ▼そうすると 家のほかに居心地のよい場があることで、豊かな時間を過ごすことができます。また、 他の人とともにする時間も増えるでしょう。家族にとっても、いつものなじみの居場 所にいるとわかっていれば安心です。万が一、認知症の症状が出て困ったとしても、 なじみの店員さんや常連さんがいれば、状況を理解して対応してくれるでしょう。 外に出るよりも、家にいることが多くなりました。 ▼そのとき No.9 ▷ 34.その場の助っ人▷ 36.個人的なつきあい ↓名前(Name) 状況(Context)↓ 問題(Problem)↓ 解決(Solution)↓ 結果(Consequence)↓ 関連のことば(Related Patterns)↓
  19. 19. 3つの視点と、立場を超えた「協働」の実現へ [本人]の旅のことばNo.2~15 No.16~32 No.33~40 [家族]の旅のことば [みんな]の旅のことば 「新しい旅」No.1
  20. 20. 「新しい旅」という捉え方 「認知症とともによりよく生きる」ことを、ひとつの「新しい旅」と捉える。 これから大きく生活を変えるからこそ実現できる「新しい旅」。 ! 家族で一緒にいる時間が増えることで、これまで以上にお互いの ことが理解し合えるかもしれません。 ! これから過ごす時間は、何かを失っていく時間ではなく、これま で得られなかったものを得て、これまでなかったものをつくって いく時間であると捉えることもできる。
  21. 21. 本プロジェクトについて 慶應義塾大学 井庭崇研究室と、認知症フレンドリージャパン・イニシアチブを支 援する企業のメンバーが、従来の医療・福祉系の枠組みを超え、認知症にかかわ る課題検討の一環として参加したプロジェクト 井庭 崇(慶應義塾大学SFC) ! with 池澤 努(大日本印刷株式会社) 伊作 太一(慶應義塾大学SFC) 南雲 満友(慶應義塾大学SFC) 諏訪 実奈未(慶應義塾大学SFC) 松本 彩(慶應義塾大学SFC) 鎌田 安里紗(慶應義塾大学SFC) 玉置 南歩(慶應義塾大学SFC) 松村 侑(慶應義塾大学SFC) 金子 智紀(慶應義塾大学SFC) 岡田 誠(富士通研究所) 徳田 雄人(NPO法人認知症フレンドシップクラブ) 庄司 昌彦(国際大学GLOCOM) 田中 克明(コクヨS&T株式会社) 奥井 康文(大日本印刷株式会社)
  22. 22. 制作プロセス 認知症のご本人と、介護家族の方へのインタビュー
  23. 23. 制作プロセス インタビューで出てきた工夫や問題・悩みを整理 既存の枠組みに収束させるのではなく、新たなカテゴリを生むようにする
  24. 24. 制作プロセス 整理して得られた内容の言語化 『旅のことば』のフォーマットで記述する。 それを数ヶ月かけて徹底的にブラッシュアップする。
  25. 25. 今後のイベント 11/4(火)    「認知症フレンドリー社会をどのように実現するのか?」       @富士通HAB-­‐YU 13:00-­‐16:00 ! 11/5-­‐6(水・木)  G7サミット日本後継イベント     @六本木アカデミーヒルズ 9:30-­‐17:30 ! 11/16(日)     認知症パターン・ランゲージによる対話のワークショップ     @国際大学GLOCOM 14:00-­‐16:30 ! 11/21-­‐22(金・土) SFC Open Research Forum         @東京ミッドタウン 10:00-­‐19:00
  26. 26. さらなる「旅のことば」を求めて この冊子をきっかけに 自分たちの「旅のことば」を誰かと一緒に書き、周囲と共有し合う。 ! みんなの知恵を寄せ合いながら「旅のことば」を育てる。 ! メールアドレス: tabinokotoba@sfc.keio.ac.jp ホームページ: http://tabinokotoba.sfc.keio.ac.jp/
  27. 27. 【補足】 『旅のことば』の記述形式である 「パターン・ランゲージ」とは
  28. 28. パターン・ランゲージ 何かをつくるとき/実践するときの、状況に応じた判断のセ ンスを共有・活用する方法。 ! 過去の成功に潜む共通パターンを言語化する。 ! パターン・ランゲージは、いきいきとした「質」を生み出すこ とを支援する。
  29. 29. 各「パターン」には、問題発見+問題解決の実践知が記述される。  ・どのような状況(Context)のときに  ・どのような問題(Problem)が生じやすく  ・それをどのように解決すればよいのか(Solution) 状況 問題 解決 問題発見 (Problem Finding) 問題解決 (Problem Solving) デザイン (design)
  30. 30. 個々のパターンは、小さい単位でまとめられている。 パターンは相互に関係し合い、ひとつの言語体系を形成する。 これら全体的で「いきいきとした質」を実現する。 Context Problem Solution Context Problem Solution Context Problem Solution Context Problem Solution Context Problem Solution Context Problem Context Solution Problem Solution Context Problem Solution Context Problem Solution Context Problem Solution pattern pattern pattern pattern pattern pattern pattern pattern pattern pattern パターン・ランゲージ
  31. 31. パターン・ランゲージの歴史 1980 年代後半~ パターン・ランゲージ 1.0 1970 年代後半~ 1990 年代後半~ 2000 年代後半~ パターン・ランゲージ 3.0 パターン・ランゲージ 2.0
  32. 32. パターン・ランゲージの歴史 もともとは、建築の分野で提唱された。 http://stephania32.wordpress.com/ Christopher Alexander C. Alexander, S. Ishikawa, M. Silverstein, A Pattern Language: Towns, Buildings, Construction, Oxford University Press, 1977
  33. 33. パターン・ランゲージの歴史 ソフトウェアの分野に応用さえて、この考え方が広まった。 Kent Beck Ward Cunningham Gang of Four Kent Beck & Ward Cunningham, “Using Pattern Languages for Object- Oriented Program”, OOPSLA '87, 1987 Erich Gamma, Richard Helm, Ralph Johnson, John M. Vlissides, Design Patterns: Elements of Reusable Object-Oriented Software, Addison-Wesley Professional, 1994
  34. 34. パターン・ランゲージの歴史 ソフトウェアの分野に応用さえて、この考え方が広まった。
  35. 35. パターン・ランゲージの歴史 さらにほかのデザイン領域、教育、組織などへの応用が始まっている。
  36. 36. 井庭研究室では、人間行為のパターン・ランゲージを制作 A Pattern Language for Creative Presentations プレゼンテーション・パターン 創造的プレゼンテーションのパターン・ランゲージ Ver. 0.50 Presentation Patterns Project Ver. 0.60 November, 2012 Collaboration Patterns Project http://collabpatterns.sfc.keio.ac.jp http://twitter.com/collabpatterns collabpatterns@sfc.keio.ac.jp 創造的コラボレーション 未来への使命感 方法のイノベーション 伝説をつくる 成長のスパイラル 共感のチームづくり レスポンス・ラリー 一体感をつくる 貢献の領域 成長のリターン 自発的なコミットメント ゆるやかなつながり 弱さの共有 感謝のことば 創発的な勢い まとまった時間 創造の場づくり 活動の足あと 意味のある混沌 アイデアをカタチに インサイド・イノベーター ゴールへの道のり 臨機応変な動き 飛躍のための仕込み 世界を変える力 クオリティ・ライン こだわり合う 一度こわす 期待を超える ファンをつくる 広がりの戦略 世界の文脈 つくり続ける強さ 感性を磨く 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 Ver. 0.60 コラボレーション・パターン Collaboration Patterns Project Collaboration Patterns : コラボレーション・パターン ̶ 創造的コラボレーションのパターン・ランゲージ (ver. 0.60) 創造的コラボレーションのパターン・ランゲージ プレゼンテーション パターン ラーニング パターン コラボレーション パターン パターン・ランゲージの歴史
  37. 37. パターン・カード パターン・ランゲージのカード コラボレーション・パターン カード(日本語版)
  38. 38. 対話のメディアとしてのパターン・ランゲージ 慶應義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)
  39. 39. 対話のメディアとしてのパターン・ランゲージ
  40. 40. 対話のメディアとしてのパターン・ランゲージ
  41. 41. 対話のメディアとしてのパターン・ランゲージ
  42. 42. 『パターン・ランゲージ:創造的な未来をつくるための言語』  井庭崇 編著, 中埜博, 江渡浩一郎, 中西泰人, 竹中平蔵, 羽生田栄一,  慶應義塾大学出版会, 2013 Reality リアリティ プラス パターン・ランゲージ Pattern Languages 創造的な未来をつくるための言語 中埜 博 江渡浩一郎 中西泰人 竹中平蔵 羽生田栄一 Nakano Hiroshi 江渡浩一郎 Eto Koichiro 中西泰人 Nakanishi Yasuto 竹中平蔵 Takenaka Heizō 羽生田栄一 Eiiti Hanyuda 中埜 博 ﹇編著﹈ 応急処置的な社会から、 創造的な社会へ 井庭 崇﹇編著﹈ Iba Takashi パターン・ランゲージ 定価(本体2,400円+税) 井庭 崇 パターン・ランゲージによって、私たちはどのような未来をつくることができるのか? 気鋭の社会学者・井庭崇が、中埜博、江渡浩一郎、中西泰人、竹中平蔵、羽生田栄一 という各界のフロントランナーを迎え、徹底討論。 読者のリアリティに、新たな知をプラスする !!
  43. 43. パターン・ランゲージの学術的な世界においても 世界で初めての応用領域 [本人]の旅のことば [家族]の旅のことば[みんな]の旅のことば
  44. 44. 46 旅のことば 認知症とともによりよく生きるためのヒント 1.認知症であってもいきいきと暮らしている人たちの 「前向きで実践的な工夫」を広く紹介・共有 ! 2.本人・家族・周囲のそれぞれが、具体的にどのような   行動を起こすことができるのかを記述 ! 3.認知症とともに生きることについての社会的な対話を促進

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