Successfully reported this slideshow.
We use your LinkedIn profile and activity data to personalize ads and to show you more relevant ads. You can change your ad preferences anytime.

災害時の地理空間情報の共有を実現するクリアリングハウスの開発

930 views

Published on

地理情報システム学会大会(開催日時:2014年11月7日、場所:中部大学)で発表したスライドです。

Published in: Technology
  • Be the first to comment

災害時の地理空間情報の共有を実現するクリアリングハウスの開発

  1. 1. National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention Department of Integrated Research on Disaster Prevention ○田口仁1 臼田裕一郎1・伊勢正1・磯野猛1・長坂俊成2 1防災科学技術研究所災害リスク研究ユニット 2立教大学大学院 災害時の地理空間情報の共有を 実現するクリアリングハウスの開発 1 2014年11月7-8日地理情報システム学会大会in 中部大学
  2. 2. National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention Department of Integrated Research on Disaster Prevention 研究の背景 各府省庁や地方公共団体、災害関係機関等の組織が、全体として 状況認識を統一し、それに基づいて個々の組織が的確に災害対応 を行うことが重要 »東日本大震災では、災害関係機関の地理空間情報の共有が実現しなかっ た。(田口, 2013) 災害対策基本法の一部改正(平成24年6月) »第51条(情報の収集及び伝達等) 2災害応急対策責任者(中略)は、地理空間情報の活用を努めなければならない。 3災害応急対策責任者は、災害に関する情報を共有し、相互に連携して災害応 急対策の実施に努めなければならない。 行うべきこと »災害情報(地理空間情報)を共有する社会的な体制構築 »メタデータおよびクリアリングハウスを活用した情報共有 災害情報(地理空間情報)の共有を実現するクリアリングハウスを開 発したので、そのコンセプトを紹介し、デモを行います。 2
  3. 3. National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention Department of Integrated Research on Disaster Prevention 災害対応時における地理情報の相互運用環境(理想)1 3 地理空間情報 クリアリングハウス メタデータDB ライフライン 被害情報 津波浸水 エリアマップ 道路通行状況衛星画像 空中写真 平時から官民(特にライフライ ン企業、自治体、民間企業)で 情報共有する協議会のような 体制を構築しておき、災害時 にクリアリングハウスを運用 災害対応機関等 都道府県、府省庁等 インターネット 災害対応自治体等 避難所開設マップ 対応状況マップ 災害関係機関へ共有する 地図のメタデータをクリアリ ングハウスへ登録 APIを使ってメタデータ登録 災害関係機関へ共有する 地図のメタデータをクリアリ ングハウスへ登録 地理情報配信サーバ
  4. 4. National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention Department of Integrated Research on Disaster Prevention 災害対応時における地理情報の相互運用環境(理想)2 4 地理空間情報 クリアリングハウス メタデータDB ユーザレベルに応じて検索 できる地図を制限 災害対応機関等 都道府県、府省庁等 インターネット 災害対応自治体等 避難施設マップ 対応状況マップ 他の機関で利用可能な地 理情報を検索 他の機関で利用可能な地 理情報を検索 APIを使って 地理空間情報を検索 他の機関で利用可能な地 理情報を検索 ライフライン 被害情報 津波浸水 エリアマップ 道路通行状況衛星画像 空中写真 地理情報配信サーバ
  5. 5. National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention Department of Integrated Research on Disaster Prevention 災害対応時における地理情報の相互運用環境(理想)3 5 地理空間情報 クリアリングハウス メタデータDB ユーザレベルに応じて検索 できる地図を制限 災害対応機関等 都道府県、府省庁等 インターネット 災害対応自治体等 避難施設マップ 対応状況マップ 共有されている地理空間 情報を利用して災害対応 他機関の地理情報を参照 して状況把握 ライフライン 被害情報 津波浸水 エリアマップ 道路通行状況衛星画像 空中写真 標準的なAPI、データフォーマットによる 情報の流通(WMS, KML, WFS, Shape等) 地理情報配信サーバ
  6. 6. National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention Department of Integrated Research on Disaster Prevention 災害対応時における地理情報の相互運用環境(理想)4 6 地理空間情報 クリアリングハウス メタデータDB 災害対応機関等 都道府県、府省庁等 インターネット 災害対応自治体等 避難施設マップ 対応状況マップ 災害対応状況をシステム へ入力して、そのまま共有 基礎自治体の災害対応状 況を集約して状況把握 後方支援 後方支援 ライフライン 被害情報 津波浸水 エリアマップ 道路通行状況衛星画像 空中写真 標準的なAPI、データフォーマットによる 情報の流通(WMS, KML, WFS, Shape等) 地理情報配信サーバ
  7. 7. National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention Department of Integrated Research on Disaster Prevention クリアリングハウスのコンセプト (1) 地理空間情報の標準的な流通インタフェース(API)による 相互運用に基づいた情報共有 »Web Map Service等を利用してシステム間が相互に情報共有することで 総体として情報共有を実現する (2) メタデータAPI(CSW)の整備 »メタデータの検索・登録・削除・編集等がAPIにより、システム間のやりと りでメタデータ検索や、自ら作成した地図のメタデータ登録を実現する (3) 「予定メタデータ」の導入 »災害時に共有する予定の地理情報は「予定メタデータ」として平時から メタデータを登録可能とする。(後述) (4) 情報共有範囲の制限 »防災関係機関内での共有、インターネット公開を分けることで、共有範 囲を配慮する (5) 管理者(事務局等)によるサイト運営・管理 »運営事務局業務としてのユーザ管理や、問い合わせが受けられるよう にする。 7
  8. 8. National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention Department of Integrated Research on Disaster Prevention クリアリングハウスの開発 8 災害リスク情報クリアリングハウス メタデータ登録・更新 ・サイト訪問による登録 ・クリアリングハウスAPI利用 ・メタデータは国内標準JMP2.0準拠 ・権限によってメタデータの公開範囲制御可能 ・サイト上でできること -地図検索(キーワード、場所、時間) -メタデータ登録ユーザ向けマイページ -ユーザカテゴリによる検索制限 -運営事務局(ユーザ管理、問い合わせ等) ・備わっているAPI -メタデータ登録・更新・編集API -検索API(CSW) など 地理空間情報の配信サーバ (相互運用gサーバー、Geoserver、 Mapserver等) ・WMS等地図配信サービス ・Web-GIS等公開サイト ・地図データ公開サイトなど GISクライアント(Web-GIS or デスクトップ型) (eコミマップ、官民協働危機管理クラウドシステム等) 直接サイト上にアクセス ・地理空間情報の検索(CSW) -APIで地図配信サービスが配信されている 場合は、数クリックで容易に引用表示可能 ・作成して共有するマップの登録・更新(API) 他のクリアリング ハウスとの連携 API API サイト閲覧 API
  9. 9. National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention Department of Integrated Research on Disaster Prevention メタデータの拡張1 地理情報の流通のインタフェース(API)に対応するための拡張 »箇所 •distributionInfo/MD_Distribution/distributionFormat/transferOptions/online/ ►地図データがオンラインで入手可能な場合の情報を記述するクラス。 ►この下の項目としてlinkageとappilcationProfileがある。 »linkageは、地図データのアクセス先あるいはアクセスに関する情報が得られる サービスのURLであるが、WxS系の場合はGetCapabilitiesのURLを記述する。 メタデータ共有範囲の制限に対応するための拡張 »箇所 •identificationInfo/MD_DataIdentification/resourceConstraints/MD_Constraints/useLimitation »メタデータの地図データの利用の制約に関する情報であり、本来は自由記述で ある。今回、メタデータの共有・公開範囲を識別するコードを新たに作る。 9 コード コード名 定義 001 防災関係機関内共有 地図データを防災関係機関限定で共有する場合 002 一般公開 地図データを一般に公開する場合
  10. 10. National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention Department of Integrated Research on Disaster Prevention メタデータの拡張2 予定メタデータへ対応するための拡張 »箇所1 •dateStamp ►メタデータ自体が作成・更新された日付(年月日)を表す。 •予定メタデータは2999-12-31と表記することでクリアリングハウスが認識す るものとする。 »箇所2 •identificationInfo/MD_DataIdentification/status ►地図データ作成状況を示したものである。 •進捗コード(MD_ProgressCode<<CodeList>>, JMP2.0解説書, 国土地理院 作成)にてコードが整理されているが、予定メタデータは999とする。 »箇所3 •identificationInfo/MD_DataIdentification/temporalElement/EX_TemporalExtent/extent/instant ►地図データの取り扱う時間を記述する。 •予定メタデータは2999-12-31と表記することでクリアリングハウスは認識す るものとする。 10
  11. 11. National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention Department of Integrated Research on Disaster Prevention メタデータAPI(CSW)の整備 11 OGC CSW準拠とREST形式を用意するなど、各種APIを整備 1.メタデータ登録・更新・削除API メタデータ登録API 情報を共有する主体がメタデータをクリアリングハウスへ登録する際に使用する API。メタデータのファイルを送る場合と、外部のメタデータをURLで取得させる場 合の2種類がある。 メタデータ更新API 情報を共有する主体が、既にクリアリングハウスへ登録してあるメタデータを更 新する際に使うAPI メタデータ削除API 情報を共有する主体が、既にクリアリングハウスへ登録してあるメタデータを削 除する際に使うAPI 2.メタデータ検索API 条件検索API 情報を利活用する主体が、クリアリングハウスに対して条件に基づきメタデータ から地図データを検索する際に使うAPI。CSWに準拠するものとREST形式の独自 のAPIを用意する。 個別メタデータ取得API 情報を利活用する主体が、個別の地図データのメタデータを取得する際に使うAPI。CSWに準拠するものとREST形式の独自のAPIを用意する。 3.認証API ログインAPI 情報を利活用する主体が、クリアリングハウスに対してログインするためのAPI。 ログインすることで、メタデータの登録・更新・削除が可能になる。また、ログイン ユーザにのみ公開されたメタデータへのアクセスが可能になる。 4.ログアウトAPI クリアリングハウスからログアウトするためのAPI。 ※CSWがあるカタログサービスであるGeonetwork(FOSS4Gのラインナップに存在)は、2のAPIしかない。
  12. 12. National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention Department of Integrated Research on Disaster Prevention 地図の検索と利用  GISソフトウェアがクリアリングハウスにAPIを使って検索し、祖 の結果を受けて、公開先のWMSを利用する。 12 GISソフトウェア (eコミマップ) インターネット 地理空間情報 クリアリングハウス メタデータDB 洪水 ハザードマップ 揺れやすさ マップ 衛星画像 空中写真 ① 地図検索(API) ② 検索結果(API) 土砂災害 ハザードマップ ③ 地図を利用(WMS) デモ
  13. 13. National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention Department of Integrated Research on Disaster Prevention 予定メタデータの必要性 災害時に利用可能な地図を検索して設定するのは大変である。 »災害時に共有する情報はある程度整理可能である。 •例)開設した避難所、避難勧告エリア、被害状況など 災害時に共有する「予定」の地図を、予定メタデータとして登録 しておく仕組みを作ることで、災害時は特に検索しなくても自動 的に地図が流れ込む仕組みが容易に構築可能ではないか。 13 A市システム (GIS) B市システム (GIS) クリアリング ハウス ①対策の地図や、災害 時に作成して共有す る予定の地図のメタ データを登録しておく 【平時】 予定メタデータ登録 (登録API) 更新日、作成者、説明文など 検索による 結果取得 (検索API) メタデータDB ②災害時に使う地図を 検索しておき、災害 時に利用するデータ として設定しておく
  14. 14. National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention Department of Integrated Research on Disaster Prevention 予定メタデータの必要性 災害時に利用可能な地図を検索して設定するのは大変である。 »災害時に共有する情報はある程度整理可能である。 •例)開設した避難所、避難勧告エリア、被害状況など 災害時に共有する「予定」の地図を、予定メタデータとして登録 しておく仕組みを作ることで、災害時は特に検索しなくても自動 的に地図が流れ込む仕組みが容易に構築可能ではないか。 14 A市システム (GIS) B市システム (GIS) クリアリング ハウス 【災害時】 メタデータ更新 予定から通常メタデータへ (更新API) メタデータDB ③A市の地図を取得、表示 (WMS等の地図API) ①地図の更新を自動 的に知らせる (メタデータ更新) ②A市で地図が更 新されたことをシ ステムが確認 定期的な メタデータチェック (個別メタデータ 取得API) デモ
  15. 15. National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention Department of Integrated Research on Disaster Prevention デモシナリオ ①【K市】避難所開設マップの予定メタデータをクリアリングハ スへ登録 ②【O市】K市の避難所開設マップの予定メタデータをクリアリ ングハウスで検索して登録 <<災害発生>> ③【K市】が避難所開設マップを更新して通常メタデータへ変更 ④【O市】がK市の避難所開設マップを表示 ⑤研究機関の震度分布図が新規にクリアリングハウスへ登録 されたので、通知され、地図上に表示 15 K市システム (GIS) O市システム (GIS) クリアリング ハウス メタデータDB
  16. 16. National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention Department of Integrated Research on Disaster Prevention まとめ 災害対応における地理空間情報の共有を目指して、クリアリン グハウスを開発 標準的な地理空間情報の流通インタフェース(API)による相互 運用、各種メタデータAPIの整備、共有範囲設定などをコンセプ トとして開発。 災害時の円滑な情報共有のために、事前に公開する予定の マップをクリアリングハウスへ登録するために、予定メタデータ の概念を新たに開発。 クリアリングハウスへこれらのコンセプトを実装し、複数のGIS の間で地理空間情報の相互運用が行えることを確認した。 今後の課題 »実証実験による評価・検証など 16
  17. 17. National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention Department of Integrated Research on Disaster Prevention 参考文献 臼田・長坂(2009):クリアリングハウス連動型データ更新検知・推奨システ ムの開発, 第3 回シンポジウム「統合化地下構造データベースの構築」予稿 集, 65-70. 田口ら(2011a):東日本大震災における被災自治体支援を通じて得られた 災害対応業務支援のためのGISの要件と課題, 地理情報システム学会第20 回研究発表大会, CD-ROM. 田口ら(2011b):市町村の水害対応の判断・意思決定を支援する地理空間 情報の相互運用性を有する情報システムの構築と評価, 災害情報, 9, 72- 81. 田口仁(2013):地理空間情報の技術による東日本大震災における被災地 情報支援, SYNODOS復興アリーナ, http://synodos.jp/fukkou/4454 長坂ら(2013):大規模広域災害における基礎自治体のリスクガバナンスと 情報戦略‐東日本大震災の教訓から‐, 日本リスク研究学会第26回年次大 会講演論文集, 26, WEB. 17

×