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平成28年6月 第3次産業活動指数の結果解説

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平成28年6月 第3次産業活動指数の結果解説

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平成28年6月 第3次産業活動指数の結果解説

  1. 1. 1 第1章 3次産業活動指数7月分は、2か月連続の前月比上昇で、消費税率引 き上げ後2年かけて、104台という指数レベルに回復。「金融業, 保険業」、小売業、そして事業者向け関連サービスの上昇寄与が大き かった。 平成28年7月の第3次産業活動指数総合は,季節調整済指数104.2、 前月比0.3%上昇と2か月連続の前月比上昇となりました。今年の第1四半 期、第2四半期も2期連続の前期比上昇であり、その傾向は続いていると評価 できます。 指数値104.2は、4月の指数値104.3に近い水準で、5月の低下を 6、7月で回復させたことになります。この104という水準は、平成20年 半ばからの低下局面以降で、なかなか超えられない水準でした。消費税率引き 上げ前には103台の後半のレベルにまで回復し、直前の3月には駆け込み需 要で指数値が105.5まで上昇しました。その後、一転して100台まで指数が 低下してしまいました。そこから、2年かけて第3次産業活動指数は、やっと 104台をうかがうレベルに戻ってきたことになります。 つまり、平成21年以降の7年7か月の中で、第3次産業活動指数が、10 4以上を見せたのは、平成26年3月、本年4月とこの7月の都合3回だった ということです。是非、この104を超える水準が続いて欲しいものです。 さて、平成28年7月の第3次産業活動指数では、11大分類業種のうち、 上昇業種が5業種、低下業種が5業種、卸売業が前月比横ばいとなっています。 7月の上昇業種のうち、影響度合い(寄与度)が大きかったのは、「金融業, 保険業」で、(今年5月の横ばいをはさんで)5か月ぶりに前月比2.1%上 昇となりました。 6月の英国EU離脱騒動が収まったことや(7月10日の参議院選挙後の) 経済対策・金融政策への期待などから株式市場が安定を取り戻し、金融商品の 第
  2. 2. 2 取引が活発になったため「流通業務」が、前月比23.6%上昇となりました。 この内訳分類だけでも、第3次産業活動指数全体への上昇に対し0.14%ポ イントの寄与を見せており、全体の伸び幅0.3%の半分ほどを説明してしま うことになります。 これに次ぐ上昇寄与を見せたのは小売業でした。7月は、小売業の内訳7業 種が全て前月比で上昇することとなり、4か月ぶりの前月比上昇です。また、 昨年の10月以来、9か月ぶりに前年同月比がプラスになりました。指数値も 100.2となり、今年1月以来の高い値です。今年の2四半期の指数が10 0の水準を下回っていましたので、そこからすると多少良い数値です。 主に、ホームセンター等の園芸・エクステリアやDIYを中心とする「その 他の小売業」、また、飲食料品小売業や燃料小売業の寄与が大きくなっていま す。いわば土日の日数が多く天候も良かったので、日常的な買い物が好調だっ たと言えるかと思います。 全体への寄与はこの内訳3業種よりも低いとは言え、デパートを含む各種商 品小売業のほか、服飾品、自動車、家電製品等の各業種も前月比プラスであり、 小売業に動きのあった7月ということになるかと思います。 さらに、第3次産業全体に対する寄与が3番目に大きかったのは、「事業者 向け関連サービス」で、前月比1.1%上昇と2か月連続の上昇となっていま す。事業者向け関連サービスは、今年に入って前年を上回る月が連続していま す。また、特に年度が明けた第2四半期以降の指数水準が高くなっており、第 2四半期の指数値は105.3、この7月は105.6となっています。平成 27年平均の指数値が101.7ですので、この105台という活動レベルが、 高いことが分かります。 この事業者向け関連サービスの内訳業種では、土木・建築サービス業(前月 比12.4%)や廃棄物処理業(前月比3.3%)がけん引役でした。 今年度に入っての四半期は建設業活動指数の推移が良好になっています(昨 年の第4四半期と今年の第1四半期のレベルが低く、今年の第2四半期は昨年 の第3四半期のレベルである110台)。年度が明けると指数が上がる公共と ともに、民間の建築活動のレベルが上がっています。この影響で、土木・建築 サービスも良好です。また、実は産業廃棄物においては、がれき類(建設廃材) の占める割合が高いことから、建設活動の進捗が廃棄物処理の面でも影響が出 ているのではないかと推察できます。 他方、低下方向には、不動産業、生活娯楽関連サービス、「運輸業,郵便業」 といったところが寄与していました。不動産業については、その内訳の「建物 売買業,土地売買業」のうち、戸建住宅売買業と土地売買業は前月比プラスで したが、マンション分譲業が前月比マイナス17.0%と7月に大きく低下し ました。マンションは在庫が高く、成約率も下がっており、売買成約戸数が前
  3. 3. 3 年同月比でも3割減となっています。 しかし、戸建住宅の取引は盛んですし、住宅着工でも、(マンション分譲業 に反映される)分譲住宅は前月比で落ちていますが、(建物取引業には数値と して出てこないが、建設業活動指数には反映される)オーナー発注の持家や貸 家の新規着工は、7月に前月比で増加しています。このように、マンション分 譲は低迷していますが、それ以外の民間住宅建築活動は堅調なようです。
  4. 4. 4 第2章 事業所サービスは、2か月連続前月比上昇で、前年同月比は16か月 連続のプラス。対個人サービスも、2か月連続前月比上昇ではあるが、 前年同月比は4か月連続でマイナス。そのうち、「し好的個人向けサ ービス」は前月比マイナスで重石に。 第3次産業全体を対個人と対事業所に分けて集計したものをみてみます。 平成28年7月は、広義対事業所サービスが前月比0.8%上昇、広義対個人 サービスが前月比0.1%上昇で、ともに2か月連続の前月比上昇となりました。 第3次産業総合の上昇に対する寄与としては、対事業所サービスの寄与が圧倒 的に大きくなっています。 対事業所サービスでは、継続的に前年同月水準を上回り、今年の第2四半期、 そして7月も指数値103台を超えている状態です。この対事業所サービスの 指数が102台に落ち込んだ平成21年以降、月次指数で103台を超えたの は、平成26年3月の消費税率引き上げ前の特殊な月と、今年の4月とこの7 月のみです。四半期ベースで103台を超えたのは、平成21年第1四半期に 101台に落ち込んで以降、平成26年第1四半期と今年の第2四半期だけで した。つまり、リーマンショック前の水準という訳には行きませんが、平成2 1年以降では、この7月の対事業所サービスの指数レベルは、最も高い水準に 達しており、順調に水準を上げてきていると言えるかと思います。 7月の対事業所サービスの前月比上昇に対して寄与が大きかったのは、建設 コンサルタントと株式売買取引高の指標である「流通業務」でした。 投資向けサービス指数も、7月は前月比1.4%上昇と2か月連続の上昇 となっています。産業使用者向け卸売業も前月比0.4%と2か月連続上昇(6 月は前月比1.8%上昇)で、建設関連(サービス)産業活動指数も前月比2. 5%上昇です。 また、対事業所サービスを、製造業との関連性の強い「製造業依存型」と 非製造業、サービス業との関連性の強い「非製造業依存型」に分けた集計もし ていますが、この非製造業依存型事業所向けサービスは、7月に前月比1.1% 上昇と2か月連続の上昇をみせているとともに、継続的に前年同月比がプラス となる状態が続いています。7月の指数水準も105.9と、平成27年の指 数値103.8、平成27年度の指数値104.2と比べて高い水準となって います。 サービス産業の活動レベルの活発化が、さらに関連サービスの需要を生むと いう好循環がこの分野では生じているようです。 他方、対個人サービスの7月は、指数値104.8、前月比0.1%上昇 で、2か月連続上昇とはいえ、微増に留まっています。今年に入っての対個人 対
  5. 5. 5 サービスの動きは、2月のピーク後、3月から5月まで3か月連続前月比低下 となり、6月、7月は前月比上昇ということで、底は打ったかのようにはみえ ます。ただ、4月以降、4か月連続で前年水準を下回っており、平成27年度 平均の指数値105.1からすると、水準的には高いとは言えません。 対個人サービスのうち、生活必需的性格の強い「非選択的個人向けサービス」 は2か月連続上昇の前月比0.4%上昇でした。飲食料品小売業や燃料小売業 といった関連小売業、そして医療関係が伸びていました。 他方、選択性が強く変動しやすい性質の「し好的個人向けサービス」は、2 か月ぶりに前月比マイナス0.3%低下となっています。7月の「し好的個人 向けサービス」の前月比低下への寄与が大きかったのは、プロスポーツ(観戦) や美容業、マンション分譲業でした。これらの系列は、6月の上昇寄与系列で したので、その反動が出たものと思われます。 7月の「し好的個人向けサービス」は、5か月ぶりに前年同月比でプラスと はなりましたが、そもそも今年の7月は土日の日数が昨年7月よりも多く、「し 好的個人向けサービス」は前年より上昇し易いはずでしたが、その割にはプラ ス幅が限定的です(曜日要因も考慮している季節調整値同士で比較すると、今 年7月は昨年7月より1%指数値が低下している)。 また、今年の2月の一時的なプラスを挟んで、前年水準を下回る月が続いて います。 四半期でも、今年の第2四半期は辛うじて前期比0.1%上昇とはなりました が、第1四半期以前は4四半期連続の前期比低下でしたので、「し好的個人向 けサービス」の基調は芳しくありません。 6月の結果からは、「全般的に動きとしては、個人向けサービスの方向感 も水準感も低調ですが、「底打ち」感がないわけではありません。こういった、 6月の個人のし好的サービス需要の「上向き」の動きが、7月以降も継続し、 サービス産業活動全体の押し上げ要因に、是非ともなって欲しいところです。」 としていましたが、結局、7月に勢いは続かず、再び前月比マイナスとなりま した。 7月の対事業所サービスについては、サービス企業の活発化がさらに対事業 所向けサービスを活発化させるという好循環の様相が見え、また、7月の非選 択的個人向けサービスでは、4月の「医療,福祉」の低下を挟みつつも安定的 な推移となっています。しかし、景気変動や所得環境の影響を受けやすいと思 われる「し好的個人向けサービス」では、平成25年平均の指数値103.1か らすると低い水準で推移しており、方向感としても上向く力強さを感じられな い結果となりました。 とはいえ、4か月ぶりに前月比上昇となった小売業、4か月連続の前月比上
  6. 6. 6 昇で、5か月ぶりに前年水準を上回った「飲食店,飲食サービス業」(飲食関 連産業指数も3か月ぶりに前月比上昇)、そして2か月ぶりに前月比上昇の観 光関連産業指数など、部分的には7月に良い結果となっている系列もあるので、 「し好的個人向けサービス」全体への横の広がり、そして時間的な継続を、8 月以降期待したいところです。
  7. 7. 7 第3章 ンフラ型、財の取引仲介型、生活関連型といった形態別サービス活動 指数の7月までの動きを確認してみます。やはり、個人向けの生活関 連型サービスの動きが芳しくないことが確認できます。 第3次産業活動指数の大分類11業種のうち、多様なものが含まれる事業者 向け関連サービスを除く10業種を、その形態・性質で3種類に分類して、そ の推移を見ることができます。 まず「インフラ型サービス活動指数」で、「金融業,保険業」「情報通信業」 「運輸業,郵便業」「電気・ガス・熱供給・水道業」が含まれます。7月の「イ ンフラ型」指数をみると、「金融業,保険業」の上昇寄与により、前月比0. 5%上昇となっています。 次に「財の取引仲介型サービス活動指数」で、不動産業、物品賃貸業、小売 業、卸売業が含まれます。7月の「財の取引仲介型」指数をみると、小売業の 上昇寄与が大きく、不動産業が低下したものの、前月比0.3%上昇となってい ます。 そして3番目が「生活関連型サービス活動指数」で、生活娯楽関連サービス と「医療,福祉」の2業種からなっています。7月の「生活関連型」指数では、 生活娯楽関連サービスが前月比マイナス0.6%低下、「医療,福祉」が前月比 マイナス0.1%低下とともに低下となり、全体としても前月比マイナス0. 3%低下となっています。 7月の形態別サービス産業活動指数をみると、やはり個人のサービス消費が 芳しくないことが明確に表れているかと思います。インフラ型や財の取引仲介 型が前月比上昇なので、経済活動自体は活発なのですが、その場で直接サービ スを享受するタイプの狭い意味の個人向けのサービス提供ビジネスが、不振と なっている感じです。 イ
  8. 8. 8 第4章 成28年7月の第3次産業活動指数の基調判断については「一進一退」 で据え置き。対事業所サービスの堅調さと、対個人サービスの軟調な 動きが対照的な結果となっている。 平成28年7月の第3次産業活動指数は、前月比0.3%上昇と、2か月連 続の前月比上昇となりました。指数値自体も、104.2と、昨年平均の103. 2と比べて高い水準を維持しています。 平成28年7月の第3次産業活動指数の業種別の動きをみると、6 月の英国 EU離脱騒動が落ち着き、経済対策の期待などから株式取引が上昇した「金融 業,保険業」、飲食料品等の日常的な買い物が回復した小売業、建設関係の盛 り上がりもあって引き続き堅調な事業者向け関連サービスの上昇寄与が大きく なっていました。 サービス産業全体を対個人と対事業所に分けると、7 月は、対事業所サービ スも前月比0.8%上昇、対個人サービスも前月比0.1%上昇と、ともに2か月 連続の前月比上昇でした。第3次産業活動指数全体への寄与では、対事業所サ ービスの上昇寄与が圧倒的に大きく、7月は対事業所サービスによって、サー ビス産業全体がけん引されていたことになります。 投資向けサービスが2か月連続上昇となっているほか、建設関連産業指数が 3か月ぶりに前月比上昇、さらに非製造業依存型事業所向けサービス、つまり サービス産業の企業が需要する事業所向けサービスも2か月連続前月比上昇と なるなど、企業の投資的需要、あるいはサービス産業の「サービス需要」が堅 調に推移しています。いわば、企業のサービス需要が、サービス産業を活発化 させ、それが更に企業のサービス需要を生み出すという好循環が生じているよ うに見えます。 一方、対個人サービスにおいては、生活必需的サービスである「非選択的個 人向けサービス」は2か月連続で上昇してはいますが、それ以外の選択性の強 い「し好的個人向けサービス」は今年に入っての水準が芳しくない上に、6 月 前月比上昇から7月は前月比低下に戻ってしまい、活動レベルの上昇に持続力 がありません。前年水準を下回る月も多く、7月は前年水準プラスとは言え、 曜日要因を考慮すると昨年からのプラス幅は物足りません。 平
  9. 9. 9 小売業、「飲食店,飲食サービス業」、観光関連産業など、部分的に7月が 良い結果となっている系列もあるのですが、横の広がりと時間的な持続性が見 られません。 形態別、性質別のサービス産業指数を見ても、「インフラ型」や「財の取引 仲介型」の指数は、7月ともに前月比上昇であり、経済活動自体は活発である ことが伺えますが、「生活関連型」サービス指数は、その内訳の「生活関連娯 楽サービス」「医療,福祉」ともに前月比マイナスであり、人によって個人に サービスを提供するタイプの個人向けサービスビジネスが不振となっている感 じです。 こういった状況を踏まえ、平成28年7月の第3次産業(サービス産業)の 基調判断については、「一進一退」のまま据え置きとしたいと思います。 7月に鉱工業生産は、前月比横ばいではありますが、出荷増によって在庫調 整を進展させました。国内の設備投資向けとなる「輸送機械工業を除く資本財 の国内向け出荷」は引き続き堅調、耐久消費財の出荷もプラスで、機械器具小 売業や自動車小売業の指数も前月比プラスでした。サービス産業においても、 事業者向けサービスは堅調な推移で、第3次産業活動指数は2か月連続の前月 比プラスです。ただ、一部に動きは見えるものの、引き続き個人のサービス需 要の振るわなさが払拭されていないというのも事実であり、この重石が解消さ れることを強く期待したいところです。 以上

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