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平成28年6月 第3次産業活動指数の結果解説

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平成28年6月の第3次産業活動指数の結果を解説しています。

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平成28年6月 第3次産業活動指数の結果解説

  1. 1. 1 第1章 -6月期のサービス産業(第3次産業)活動指数は、2期連続の 前期比プラス(前期比0.2%上昇)、6月も2か月ぶりに前月比 上昇。前期比横ばいの鉱工業生産とは好対照。 平成28年6月の第3次産業活動指数総合は,季節調整済指数103.9、 前月比0.8%上昇と2か月ぶりの前月比上昇となりました。この結果、今 年第2四半期、4-6月期の第3次産業活動指数は、指数値103.8、前 期比0.2%上昇となり、2期連続の前期比上昇となりました。 月々の変動を均すために、(後方)3か月移動平均の推移をみると、先月 5月は低下していますが、今年に入って小幅な前月比プラスが続いています。 四半期の指数値の推移では、昨年第4四半期に前期比マイナスがあるものの、 平成27年第1四半期に消費増税前の水準に回復して以降、前期比プラスで 推移しています。 今年の4-6月期(速報値) の鉱工業生産指数が、辛うじて前期比横ば いで、その水準は昨年や一昨年の水準に及ばないのとは好対照となっていま す。 さて、平成28年6月の第3次産業活動指数では、11大分類業種のうち、 上昇業種が5業種、低下業種が4業種、物品賃貸業と不動産業が横ばいとな っています。 6月の上昇業種は、5月の動きとの関係では、2か月連続前月比上昇とな る「医療,福祉」と、5月は前月比低下でしたが6月に反転上昇となった生 活娯楽関連サービス、卸売業、運輸業,郵便業、事業者向け関連サービスの グループに分けることができます。 6月の第3次産業全体の前月比に対する上昇寄与は、後者の反転上昇業種 の方が大分大きくなっています(後者の寄与合計は0.62%p、前者の寄 与合計は0.22%pで、後者の約3分の1)。 4
  2. 2. 2 その中でも、6月は生活関連娯楽サービスの上昇寄与が大きくなっていま した。中でも娯楽業、特にスポーツ関係の個別系列が5月より上昇していま した。このため、スポーツ関連産業活動指数は前月比13.9%上昇となっ ています。 プロ野球観戦も前年同月比で2割増しという結果になっており、プロスポ ーツの興行は全体的に良かったようです。 医療,福祉は、今年の4月に大きな低下を見せましたが、その後2か月連 続の前月比上昇で、安定的な上昇基調を維持しているということになります。 卸売業については、6月の鉱工業出荷(速報)が2か月ぶりに前月比上昇 となったこと、6月の輸出量が比較的好調であったこと(バランス表仮計算 では、輸出向け出荷は前月比3.6%上昇、2か月ぶり)などから、2か月 ぶりに上昇となっています。内訳をみると、輸出好調もあって各種商品卸売 業、電子部品等のメーカー出荷が伸びており電気機械器具卸売業や乗用車3 車種ともに出荷が伸びた自動車卸売業などの上昇寄与が大きくなっていまし た。 業種別の動きを四半期でみると、第3次産業活動指数の前期比上昇に対し、 卸売業、事業者向け関連サービス、情報通信業の上昇寄与が大きくなってお り、他方、「金融業,保険業」「医療,福祉」の低下寄与が大きくなってい ます。「医療,福祉」が低下寄与となるのは珍しいことですが、それだけ今 年4月の低下が大きかったということのようです。 また、鉱工業生産が前期比横ばいに留まっているのですが、第3次産業活 動指数でも製造業依存型事業所向けサービスが前期比マイナス0.3%低下 であることに対し、非製造業依存型事業所向けサービスは前期比0.9%上昇 となっており、事業所向けサービスの中でも、製造業と非製造業の動きの違 いを見ることができる結果となっていました。やはり、この面からも、平成 28年の第2四半期は、サービス産業は、鉱工業に比較して好調だったと言 えるかと思います。
  3. 3. 3 第2章 下の対個人サービスでは、小売業の水準も低いが、サービス需要も 停滞気味。観光関連、飲食関連、コンテンツ関連の各指数も不調。 プロスポーツが好調な娯楽業活動指数には「底打ち」感も。 第3次産業全体を対個人と対事業所に分けて集計したものをみてみます。 平成28年6月は、広義対事業所サービスが前月比0.3%上昇と2か月ぶ りの上昇、広義対個人サービスが前月比0.9%上昇で4か月ぶりの上昇とな りました。四半期ベースでみると、対個人サービスは4四半期ぶりに前期比 マイナスとなりましたが、対事業所サービスは比較的高めの前期比0.9%上 昇となっています。対事業所サービスは、今年の第1四半期に前期比マイナ スとなりましたが、それ以前は平成26年の第3四半期から前期比プラスが 続いていました。今年の1-3月期に一時的に低下しましたが、対事業所サ ービスは消費増税の落ち込みからプラス基調で推移していると言って良いか と思います。 他方、対個人サービスは、6月こそ前月比上昇ですが、前年同月比はマイ ナス0.3%低下となっており、この状態が4月から3か月続いています。こ のため、第2四半期全体でも前年同期比マイナス0.4%低下ということで、 指数のレベルが少し落ち込んでいます。 対事業所と対個人の両サービスの指数の推移を比較しても、対事業所サービ スは、月々の上下動もありながら平成26年4月の消費増税の落ち込みから 順調に回復しています。しかし、対個人サービスは一足早く消費税後の落ち 込みから回復したものの、昨年の平成27年中は指数水準が余り上下動しま せんでしたが、その後、昨年11、12月、そして今年の3、4、5月に低 下するという動きになっています。 では、対個人サービスのどこに不調の原因があるのか見てみます。 対個人サービスは、生活必需的性格の強い「非選択的」と、そういった性 格のより少ない「し好的」の2つの系列に分けることができます。 6月については、非選択的個人向けサービスは前月比0.2%上昇と3か月 ぶりに上昇、し好的個人向けサービスも前月比1.3%上昇となっています。 しかし、この6月単月の上昇は、5月の低下からの反動という面が強く、水 準を上に引き上げる程の伸びではありません。 四半期でみると、非選択的個人向けサービスは8四半期ぶりに前期比マイ ナスのマイナス1.2%低下となり、比較的強めの上昇幅を見せた今年第1四 半期分の上昇分が第2四半期に低下してしまっています。 また、し好的個人向けサービスでは、第2四半期に前期比横ばいとなりま 目
  4. 4. 4 したが、実は昨年平成27年第1四半期の前期比プラスの後、5四半期に渡 って前期比プラスがない状態が続いています。水準面でも、対個人向けサー ビスは、4月以降前年同月比がマイナスとなっていますが、その原因は、し 好的個人向けサービスの前年同月比が3月以降マイナス続きとなっているこ とです。 つまり、対事業所サービスとの対比で、サービス産業の勢いを削いでいる のが、対個人サービスであり、対個人サービスの指数の動きの足かせとなっ ているのが、方向感においても水準感においても「し好的個人向けサービス」 ということになります。 6月の再編集系列で、どういう分野の個人向けサービスの水準感が悪いの か見てみます。 消費向けサービスの6月の前年同月比はマイナス0.3%低下であり、第3 次産業活動指数全体の前年同月比がプラスであることに対し、マイナス寄与 となっています。 個人向けサービスは、小売業とそれ以外の個人向けの純粋サービスとに分 けることができますが、6月の小売業の前年同月比もマイナス0.8%低下 (8か月連続)ですし、小売業を除いた対個人サービスも前年同月比マイナ ス0.1%低下となっており、ともに水準感を下げています。ただ、相対的に は小売業の前年水準からの低下の影響が強いようです(小売業の3次総合に 対する6月の低下寄与はマイナス0.08%pに対し、小売除く個人向けサー ビスの同寄与はマイナス0.04%p)。 消費者の需要するサービスについて分野的にみると、観光関連産業活動指 数の6月の前年同月比がマイナス0.8%低下、飲食関連産業活動指数が前年 同月比マイナス1.1%低下、コンテンツ関連産業活動指数が前年同月比マイ ナス6.7%低下と軒並み水準を下げています。他方、スポーツ関連産業活動 指数は前年同月比プラス7.2%上昇となっており、特に「観るスポーツ」で あるプロスポーツの活動指数の前年同月比は18.5%上昇となっており、大 きく上昇していました。 プロスポーツへの需要はここのところ盛り上がっている(全体に対する前 年同月比寄与で0.11%p)ようですが、それ以外は、個人向けサービスの 各分野とも今一つという状況でした。 全般的な動きとしては、個人向けサービスの方向感も水準感も低調ですが、 こと6月については、し好的個人向けサービスが前月比1.3%上昇、業種的 にも生活娯楽関連サービスが前月比3.1%上昇となりました。し好的個人向 けサービスや生活娯楽関連サービスの指数のレベルも、昨年11月から今年 5月までの概ね7か月間の低いレベルから、昨年10月のレベルに戻ってい ます。外食サービスである「飲食店,飲食サービス業」は、まだ昨年10月 レベルには戻っていませんが、娯楽業の6月の指数値は、昨年の10月レベ
  5. 5. 5 ルに戻り、前年同月比低下幅も大きく縮小して、多少「底打ち」感がないわ けではありません。 こういった、6月の個人のし好的サービス需要の「上向き」の動きが、7 月以降も継続し、サービス産業活動全体の押し上げ要因に、是非ともなって 欲しいところです。
  6. 6. 6 第3章 月の第3次産業活動の基調判断は「一進一退」に据え置き。対事 業所サービスが全体を支えているが、対個人サービスが重石にな っている形で、消費者のサービス需要が振るわない。 平成28年6月の第3次産業活動指数は、前月比0.8%上昇と、2か月 ぶりに前月比上昇となりました。指数値自体も、103.9と、昨年平均の1 03.2と比べて高い水準を維持しています。この結果、平成28年第2四 半期、4-6月期の第3次産業活動指数は、前期比0.2%上昇と2期連続 の前期比上昇となりました。鉱工業生産指数の同時期の前期比が辛うじて前 期比横ばいであったこととは好対照です。 平成28年6月の第3次産業活動指数の業種別の動きをみると、5月から の反転上昇となった生活娯楽関連サービス、卸売業、運輸業,郵便業、事業 者向け関連サービスの合計寄与が大きくなっており、6月の上昇は5月から の反転分の要素が大きかったことになります。 サービス産業全体を対個人と対事業所に分けると、この第2四半期までの 推移では、対事業所サービスの好調に対して、対個人サービス、特にし好的 個人向けサービスの不調が明瞭となりました。 対事業所サービスは、基調的には上昇傾向ですが、対個人サービスは、昨 年11、12月と今年の3~5月に落ち込んでおり、昨年以降、横ばいから 弱含んだ動きとなっていました。観光関連、飲食関連(外食サービス)、コ ンテンツ関連など、各分野ともに、あまり良い数値となっておらず、それぞ れ前年同月水準割れが続いている状態です。 ただ、プロスポーツ観戦が前年水準を上回る推移をみせており、娯楽業で は「底打ち」が見えてきている様相です。このため、生活娯楽関連サービス が、6月の第3次産業活動指数のけん引役でした。 こういった動きが、7月以降の対個人サービス、特にし好的個人向けサー ビスに広がっていくことを期待したいところです。 こういった状況を踏まえ、平成28年6月の第3次産業(サービス産業) の基調判断については、「一進一退」のまま据え置きとしたいと思います。 6月に鉱工業生産が2か月ぶりの前月比上昇となり、製造業依存型事業所 向けサービスも2か月ぶりの上昇となるなど、対事業所サービスも前月比0. 6
  7. 7. 7 3%上昇と好調で、前年同月比も15か月連続でプラスと水準も高い一方、 一部に動きは見えるものの「消費者のサービス需要の振るわなさ」が払拭さ れていない月だったということになるかと思います。 以上

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