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- 3. 喪失＝大切な人や物を失うこと ex)死別，失恋，転居，卒業，失業，社会的役割… 形のない心理社会的喪失が重なりやすく， 特に死別はかなりストレスかかる グリーフ(grief)＝悲嘆、深い悲しみ 以外にも， 喪失体験に伴って生じる様々な感情全て． グリーフケア＝立ち直れるようにそばで支援すること。 喪失体験がグリーフを生みだす UpToDate＞Prolonged grief disorder in adults＞TERMINOLOGY
- 9. 悲しみを受容するまでの流れ ショック期→喪失期→閉じこもり期→再生期 ショック期 ：心の自己防衛→否認 喪失期 ：死を認め、最も感情が揺れ動く激情の時→怒り 医療者、葬儀屋、心無い周囲の人、故人へ向く 閉じこもり期：繰り返し亡き人のことを回想する→自責，抑うつ 再生期 ：自分の人生へ目を向け歩み始める→受容 ↑他にも何種類もプロセスが提唱されている． イギリスの精神分析学者ジョン・ボウルビィによる「喪の四段階論」を参考に作成
- 21. 急性悲嘆と複雑性悲嘆 ：身体的症状…睡眠障害、食思不振、呼吸障害、故人と同じ症状 心理的症状…思慕、自責、孤独、幻覚、故人の面影に固執 行動的反応…号泣、故人の行動の模倣 認知的反応…思考・判断速度の低下、集中力の低下 ：少なくとも6~12か月以上の長期間持続して、 急性悲嘆の症状が強く生じる。 急性悲嘆 正常な グリーフ反応 複雑性悲嘆 死別後1年以内は精神疾患や身体疾患への罹患率が高く、死亡率も高い。 →遺族への情緒的なサポートが大切 UpToDate＞Bereavement and grief in adults: Clinical features＞TYPICAL ACUTE GRIEF＞Presentation UpToDate＞Prolonged grief disorder in adults＞CLINICAL FEATURES P J Clayton , American Foundation for Suicide Prevention, New York, NY, USAより
- 22. 複雑性悲嘆 ●発症率：一般人口中2～5%(アメリカ) ※0.7～2.4%(日本) 配偶者を失った人 10～20% 子供を失った親 60% 自殺、災害関連死 20~40% DSM-5「持続性複雑性死別障害」 ICD-11「遷延性悲嘆症」 ●リスク因子 ・高齢(61歳以上) ・女性 ・社会経済的地位が低い人 ・非白人 ・精神科歴(うつ病や不安障害) ・配偶者、子供、若年の死 ・愛する人の予期せぬ暴力的死 UpToDate＞Prolonged grief disorder in adults＞EPIDEMIOLOGY>Risk factors 日本における複雑性悲嘆の現状分析に関する研究より UpToDate＞Prolonged grief disorder in adults＞ TERMINOLOGY＞General population＞Bereaved
- 23. 複雑性悲嘆 ●症状 故人への憧れ、思い出の反芻、孤独感、虚無感、 いつまでも死を受け入れられない、 故人を想起させる人との関わりを避ける →希死念慮40-60% 合併症：大うつ病、PTSD、不安障害 正常なグリーフに見えても， うつ病合併したり，アルコールでブレーキが外れやすくなると 自殺につながりやすい点で注意が必要． UpToDate＞Prolonged grief disorder in adults＞CLINICAL FEATURES UpToDate＞Prolonged grief disorder in adults＞ COMORBIDITY 髙橋 聡美著．大切な人を亡くした人の気持ちがわかる本 法研．2022年． p34
- 24. 複雑性悲嘆 ●スクリーニング：悲嘆アンケート 1 亡くなったことを受け入れるのが難しいと感じる 2 悲しみが次の人生への歩みを妨げている 3 死のイメージや思考に心をかき乱される 4 亡くなった人に関連する物を避けている 5 周囲の人との距離があり孤立したように感じる 全く思わない →0点 少しそう思う →1点 かなりそう思う→2点 4点以上で複雑性悲嘆かも→専門医へ紹介 ※うつ病やアルコール依存を 疑った時も専門医へ！ UpToDate＞Prolonged grief disorder in adults＞ASSESSMENT＞screening instruments
- 25. グリーフケアの実際について
- 34. ～Take Home Message～ やるべきことはただ1つ！ まるっと相手の話を聞いて受け止めてあげること． 急性期病院：死を受けいれる心構え、別れの時間に配慮 診療所 ：死後のケア、複雑性悲嘆を見逃さない
- 37. ～参考文献～ ・髙橋聡美．大切な人を亡くした人の気持ちがわかる本 グリーフケア 理解と接し方 ・UpToDate，Prolonged grief disorder in adults ・UpToDate，Grief and bereavement in adults ・グリーフ・サバイバー グリーフケア、グリーフワーク、死別悲嘆の総合情報サイト http://www.grief-survivor.com/practical/support.html ・P J Clayton , American Foundation for Suicide Prevention, New York, NY, USA ・ジョン・ボウルビィによる「喪の四段階論」 ・日本DMORT(災害死亡者家族支援チーム)による家族支援マニュアル