Sql server よく聞く設定とその効果

SQL Server よく聞く設定とその効果
小澤真之 (@Masayuki_Ozawa)
http://engineermemo.wordpress.com

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 SQL Server を中心とした Microsoft 製品の検証結果を誤字 / 脱字を交えなが
ら、気ままに公開しています

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 Facebook :masayuki.ozawa

2 SQLTO 第 5 回勉強会 http://www.sqlto.net 2012/08/04

本日の Agenda

ファイルの瞬時初期化

メモリ内のページのロック

データファイルの分割

本日の Agenda




どこで設定する??
 グループポリシー (またはローカルセキュリティポリシー) で設定
 SQL Server のサービスアカウントに [ボリュームの保守タスクを実行] を付与

デフォルトでは Administrators
グループのみが設定されている
(Local System は権限が付与されている)

設定の確認
 Process Explorer で [sqlservr.exe] の情報を表示して、
[SeManageVolumePrivilege] が有効になっているかを確認
 データベースファイルの初期化
 http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/ms175935.aspx

Process Explorer : http://technet.microsoft.com/ja-jp/sysinternals/bb896653.aspx

設定をするとどのような効果が??
 ファイルの瞬時初期化 (Instant File Initialization) が使用できるようになる

 設定をした場合、データファイルのサイズ変更時のゼロ埋め (Zeroing) が発生しな
くなるため瞬時にサイズの変更が可能となる
 設定はデータファイル (mdf / ndf)にのみ有効
 ログファイル (ldf) は瞬時初期化を有効にしてもゼロ埋めが発生する

 効果が見れる操作
 データベースの作成
 データファイルのサイズ変更 (手動拡張 / 自動拡張)
 データベースのリストア


ゼロ埋め
設定なし設定あり
 データファイル  データファイル
00000000000000000000000
ABCDABCDABCDABCDABCDABCDA ABCDABCDABCDABCDABCDABCDA
00000000000000000000000
BCDABCDABCDABCDABCDABCDAB BCDABCDABCDABCDABCDABCDAB
CDABCDABCDABCDABCDABCDABC
00000000000000000000000 CDABCDABCDABCDABCDABCDABC
DABCDABCDABCDABCDABCDABCD
00000000000000000000000 DABCDABCDABCDABCDABCDABCD

 ログファイル  ログファイル
00000000000000000000000
ABCDABCDABCDABCDABCDABCDA 00000000000000000000000
ABCDABCDABCDABCDABCDABCDA
00000000000000000000000
BCDABCDABCDABCDABCDABCDAB 00000000000000000000000
BCDABCDABCDABCDABCDABCDAB
00000000000000000000000
CDABCDABCDABCDABCDABCDABC CDABCDABCDABCDABCDABCDABC
00000000000000000000000
DABCDABCDABCDABCDABCDABCD DABCDABCDABCDABCDABCDABCD
00000000000000000000000
00000000000000000000000


データベースリストアと瞬時初期化の影響
効果が見れる操作
• データベースの作成
• データファイルのサイズ変更
ログファイルのゼロ埋め
• データベースのリストア
瞬時初期化で
スキップできる
データファイルのゼロ埋め

リストアの実施

ロールフォワードの実施


ゼロ埋めは何のためにしている??
 主にセキュリティ面を考慮しての動作
 削除したはずの内容 (データファイルを格納していたディスク内に以前存在し
ていたデータ) を公開されることを防ぐ
 Books Online (BOL) のデータベースファイルの初期化の内容
 “削除されたディスクの内容は、新しいデータがファイルに書き込まれるときにのみ上書き
されるため、許可されていないプリンシパルがこの削除された内容にアクセスする可能性
があります。”

WinHex : http://www.x-ways.net/winhex/

設定有無で SQL Server の起動は早くなる？？
 temdb は SQL Server の起動のたびに初期化がされる
 瞬時初期化を設定することによる起動への影響は??

 SQL Server 2008 R2 SP1 / SQL Server 2012 CU2 で検証してみたところ、
tempdb のデータファイルが再作成されるのは、[データファイルが存在しなかった場合]
のようで、既にファイルが存在している場合はゼロ埋めを伴うファイルの新規作成は実施さ
れないようである
 ただし、ファイルの新規作成がされないだけで tempdb は起動のたびに初期化されますので
混同しないようにお願いします

 リストアも同様だが、データファイルが既に存在しているかどうかで瞬時初期化の処理
に影響がでてくる
 データファイルのサイズを大きくするかどうかも影響しているようですのでリストア時間の計測をする
際には注意が必要


ファイルの瞬時初期化関係の TF
 ファイルの瞬時初期化関係のトレースフラグ (TF)
トレースフラグ効果
-T1806 瞬時初期化を無効化
-T3004 ゼロ埋め発生時の情報をログ (ERRORLOG) に出力
-T3605

 ゼロ埋めのログ (ERRORLOG)
Zeroing G:¥SQL2012¥TEST_log.ldf from page 0 to 6400 (0x0 to 0x3200000)
Zeroing E:¥SQL2012¥TEST.mdf from page 0 to 25600 (0x0 to 0xc800000)
Zeroing completed on G:¥SQL2012¥TEST_log.ldf
Zeroing completed on E:¥SQL2012¥TEST.mdf
Starting up database 'TEST'.
FixupLogTail(progress) zeroing G:¥SQL2012¥TEST_log.ldf from 0x5000 to 0x6000.
Zeroing G:¥SQL2012¥TEST_log.ldf from page 3 to 483 (0x6000 to 0x3c6000)
Zeroing completed on G:¥SQL2012¥TEST_log.ldf


トレースフラグの設定

SQL Server 構成マネージャーの起動時の
パラメーターで –T<数値> で設定


デモ環境
 ThinkPad X201
 CPU : Core i3
 HD : 500GB
 Memory : 8GB
 OS : Windows Server 2012 RC (Release Candidate)
 ゲスト OS (Hyper-V 3.0)
 CPU : 2 コア
 Memory : 4GB
 OS : Windows Server 2012 RC
 RDBMS : SQL Server 2012 SP1 CTP3
 Minimum version requirements when you install SQL Server on Windows Server 2012 Release Candidate or on
Windows 8 Release Preview
 http://support.microsoft.com/kb/2681562


Demo
ゼロ埋め発生時のログ出力
ファイルの瞬時初期化の有無による処理の違い


参考 : 瞬時初期化についての技術情報
 データベースファイルの初期化
 How and Why to Enable Instant File Initialization
 http://blogs.msdn.com/b/sql_pfe_blog/archive/2009/12
/23/how-and-why-to-enable-instant-file-
initialization.aspx
 How It Works: What is Restore/Backup Doing?
 http://blogs.msdn.com/b/psssql/archive/2008/01/23/ho
w-it-works-what-is-restore-backup-doing.aspx


本日の Agenda




(Lock Page in Memory)


 グループポリシー (またはローカルセキュリティポリシー) で設定
 SQL Server のサービスアカウントに [メモリ内のページのロック] を付与

デフォルトでは設定されていない
(Local System は権限が付与されている)


参考 : バージョンによる注意点
 SQL Server 2008 R2 までの Standard Edition では以下の技術情報の対応が
必要
 TF845 を設定する
 Support for Locked Pages on SQL Server 2008 R2 Standard Edition x64, on SQL
Server 2005 Standard Edition 64-bit systems, and on SQL Server 2008 Standard
Edition 64-bit systems
 http://support.microsoft.com/kb/970070/en-us
 SQL Server 2012 では上記対応は不要
 How to enable the "locked pages" feature in SQL Server 2012
 http://support.microsoft.com/kb/2659143/en-us
 max server memory と併用して、SQL Server が確保可能な上限値を設定する
のが推奨
 Lock Pages in Memory ... do you really need it?
 http://blogs.technet.com/b/askperf/archive/2008/03/25/lock-pages-in-memory-do-you-really-
need-it.aspx


設定の確認 (1/2)
 Process Explorer で [sqlservr.exe] の情報を表示して、
[SeLockMemoryPrivilege] が有効になっているかを確認
 Lock Pages in Memory オプションの有効化 (Windows)


設定の確認 (2/2)
 SQL Server の ERRORLOG に以下の行が出力されてい
ることを確認
Using locked pages in the memory manager.


参考 : 3 種類のメモリモデル
トレースフラグ効果
-T834 ラージページを有効にする
-T835 AWE モデルを無効化
 従来モデル
 メモリ内のページのロックを設定しない
Using conventional memory in the memory manager.

 AWE モデル
 メモリ内のページのロックを設定
Using locked pages in the memory manager.

 ラージページモデル
x64 の場合
 AWE モデルの設定 + 物理メモリ 8GB 超え + TF834 • Small Page : 4KB
Using large pages in the memory manager. • Large Page : 2MB


 設定することでSQL Server のバッファプールのメモリをロックした
ページとして取得し、バッファプールをページングの対象外にする
 SQL Server と他のミドルウェアが共存しているときに、SQL Server で
使用しているメモリ (バッファプール) のページアウトを抑制する
 ワーキングセットのトリミングを発生を防ぐ
 DO’s&DONT’s #12: やった方がいいこと - max server memory を設定する
 http://blogs.msdn.com/b/jpsql/archive/2012/02/06/do-s-amp-dont-s-12-max-server-memory.aspx

 SQL Server で一定のメモリを確保しておきたい / SQL
Server 専用のサーバーで設定することが多い


ワーキングセットのトリミング??
 他のプロセス (SQL Server 以外のプロセス) がメモリが必
要となった時に、SQL Server が使用しているメモリをページ
アウトして、他のプロセスがメモリを確保できる状態にする

 詳しくは SQLTO の兄貴 (@elanlilac) のブログ参照
 SQL Server プロセスのワーキングセットのトリミング
 http://elan.blog.so-net.ne.jp/2010-08-17


ワーキングセットのトリミング
メモリの一部をページアウト
SQL Server

他のプロセス
SQL Server

他のプロセス
SQL Server

サーバーの
物理メモリ
使用状況

参考 : ワーキングセットのトリミング発生時のイベント
ログの種類 : アプリケーション
ソース : MSSQLSERVER
イベント ID : 17890


使用メモリを確認する際の注意
 Lock Page in Memory を有効にするとワーキングセットではな
くロックされたページとしてメモリが取得されるため、タスクマネー
ジャーからメモリの確認はできなくなる

 設定後はパフォーマンスモニターの SQL Server のカウンターや
DMV で使用しているメモリを確認する
 sqlservr.exe のプロセスの Working Set ではなく、SQL Server 固
有のカウンターで使用しているメモリを確認する
 SQL Server:Memory Manager¥Total Server Memory (KB)
 sys.dm_os_process_memory


参考 : タスクマネージャーでメモリを確認

AWE モデル / ラージページモデルを
使用している場合、表示されている
メモリでは正確なメモリ使用量を
把握できない


Demo
設定有無によるメモリ使用状況の確認方法の違い


本日の Agenda




 SQL Server Management Studio (SSMS) で設定

データファイルを 4 個で構成
(mdf : 1 / ndf 3)


 ディスク I/O の分散
 データファイルを異なるディスク (物理ディスク / 論理ドライブ) に分散させ
て格納することで I/O を分散させることができる。
 ログファイルは特定のファイルにシーケンシャル (順次) 書き込みをするた
め、複数のファイルを異なるディスクに配置しても I/O 分散の効果はない

 データファイルのサイズを均等にすることがポイント
 SQL Server はデータファイルの空き領域に応じて使用するファイルを決
めるため、ファイルサイズが均等でないと特定のファイルに I/O が集中し、
分散した効果が薄くなる
 データ書き込みの分散 / データ読み込みの分散


参考 : SAP のベストプラクティスで見るファイル数
 Small sized systems: 4 data files.
 Systems usually run on dedicated database servers which have between 4 and
8 CPU cores.
 Medium sized systems: 8 or 16 data files.
 Systems usually run on dedicated database servers which have between 8 and
16 CPU cores.
 Large sized systems: A minimum of 16 data files and maximum of 32.
 Systems which today run on hardware between 16 and 32 CPU cores or up to
64 threads.
 Xtra large sized systems: 32 Datafiles for systems with 32 to 256 cores
(Contact Microsoft for very large >15TB databases)

 Frequently Asked Questions we heard on the SAP on SQL 2008 Training
course this year
 http://blogs.msdn.com/b/saponsqlserver/archive/2010/06/28/frequently-asked-questions-we-heard-on-the-sap-on-sql-2008-
training-course-this-year.aspx


サイズが均等でない場合の I/O

DEMODB2 の書き込みが
他のファイルより多い

DEMODB2 : 400MB
それ以外 : 100MB


サイズが均等の場合の I/O

各ファイルに均等に
書き込み

すべてのファイル : 100MB


ファイルサイズと I/O
ファイルグループログファイル

線の太さ : I/O の量

データ挿入
データ更新


Demo
ファイルサイズによる I/O の偏り


自動拡張時の注意
 ファイルの自動拡張が発生するとデフォルトの設定では、特定
のファイルのみが拡張され、拡張以降は I/O の分散の効果
が薄れてしまう。

 TF1117 を設定することで、自動拡張が発生した場合、ファ
イルグループ内の全ファイルを拡張することができる。


ファイルの均等拡張
 トレースフラグを設定していない場合
拡張前拡張後

 トレースフラグを設定している場合
拡張前拡張後


Demo
トレースフラグによる自動拡張の違い


本日お話させていただいた内容




FAQ


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