4-H
グローバル空調メーカーによる
IoTプラットフォームへの挑戦
2019.11.08
ダイキン工業株式会社 空調生産本部 北村拓也
C&Cユーザーフォーラム & iEXPO 2019
自己紹介
北村 拓也
• ダイキン工業株式会社所属
• 主任技師
• 2017年6月:キャリア入社
• ~2018年11月:テクノロジー・イノベーションセンター:研究員
• ~現在:空調生産本部商品開発グループ:エンジニア
• Daikin Global Platform構築プロジェクトのプロジェクトマネージャー
3 Copyright: ©2018 DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved.
アジェンダ
1. ダイキン工業のAI・IoTの取り組み
2. Daikin Global Platformという取り組み
3. Daikin Global Platformの技術課題
4. 技術課題に対するアプローチ
ダイキン工業のAI・IoTの取り組み
5 Copyright: ©2018 DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved.
ダイキン工業株式会社
• 創業 1924年(大正13年)10月25日大阪で創業
• 創業者 山田晁
• 会長 井上礼之
• 社長兼CEO 十河政則
• グループ従業員数 76,484名(単独7,254名)
• 本社 大阪市
• 売上 2兆4,811億円
• 営業利益 2,763億円
6 Copyright: ©2019 DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved.
グローバル展開
2005年⇒2018年の変化
事業展開 63ヵ国 ⇒ 150カ国以上
生産拠点 23拠点 ⇒ 100拠点以上
海外事業比率 46% ⇒ 76%
● 販売拠点
● 生産拠点
7 Copyright: ©2019 DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved.
売上高(2019/3月期)
空調
89.6%
化学
8.1%
その他
2.3%
2兆4811億円
半導体用途
自動車用途
撥水撥油剤
空調事業化学事業
その他事業
8 Copyright: ©2019 DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved.
ダイキン工業のAI・IoTの取り組み
エアネットサービス
• 空調設備をインターネットにつないで監視することで、機器の保守点検・管
理、省エネ制御・提案を行うサービス
工場のIoT化
• 大阪・堺に稼働させた新工場をIoT化。センシング技術で製造現場からデー
タを発掘し、工場運営の安定稼働・安心操業・多様なニーズへの対応を実現
ダイキン情報技術大学
• 溜まったデータを分析するための情報系人材を一から育てる社内教育機関を
大阪大学と協業して設立
Daikin Global Platformという取り組み
11 Copyright: ©2019 DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved.
Daikin Global Platformが目指すもの
改修
更新
提案
設計
施工
試運転
運用
保守
メンテ
更新提案にかかる工数を大幅に削減
運用改善やメンテナンスに活用
工事コストダウン
故障診断/予測による
機器のダウンタイムを短縮
エネルギーの
最適運用提案建物に合わせた空調システム提案
空調バリューチェーンの中で、データ活用を切り口に新たな価値づくりを目指す。
そのために、全世界の空調機をインターネットにつなぎ、
データ活用するプラットフォームを作る。
12 Copyright: ©2019 DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved.
レジデンシャル市場(家庭用) コマーシャル市場(業務用)
リージョンアプリ(地域別や事業別機能とUI)
クラウドプラットフォーム
RA
一般住宅などの
小規模建物
スマホ ユーザ
エコキュート
床暖
エッジ エッジ
大規模住宅(豪邸)
などの中規模建物
VRV
ユーザ
燃焼/ボイラ
アルテルマQA
RA
スマホ
エコキュート
床暖 VRVQARA
オフィスビルなど
中規模建物
管理パネル
オーナー
ビル管
テナント
RA
ショッピングモールなど
大規模建物
アプライド
管理パネル
VRVQA
オーナー
ビル管
テナント
共通部品(API)群
(機器操作等)
システム間
連携
分析システム
BMS/BEMS
その他システム
柔軟性・拡張性 自動最適制御
情報蓄積
基盤(DB)
情報蓄積基盤(DB)
マーケ
ティング
営業
商品
開発
品質
管理
施工
業者
販売店BI/分析ツール
各地域開発者 地域別事業別アプリケーション
サービスアプリ
顧客管理、
課金管理など
個人情報保護
不正制御など
セキュリティ
13 Copyright: ©2019 DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved.
中国リージョン日本リージョン欧州リージョン
お客様施設お客様施設
クラウド
プラットフォーム
クラウド
プラットフォーム
エッジ
機
器
機
器
機
器
機
器
…
お客様施設お客様施設
エッジ
機
器
機
器
機
器
機
器
…
お客様施設お客様施設
エッジ
機
器
機
器
機
器
機
器
…
クラウド
プラットフォーム
統合クラウド
リージョンア
プリ
リージョンア
プリ
リージョンア
プリ
… リージョンア
プリ
リージョンア
プリ
リージョンア
プリ
… リージョンア
プリ
リージョンア
プリ
リージョンア
プリ
…
…
インターネット インターネット インターネット
インターネット インターネット インターネット
各拠点
機器情報
各拠点
機器情報
各拠点
機器情報
全拠点
機器情報
インターネット
Daikin Global Platformの技術課題
15 Copyright: ©2019 DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved.
大量接続、大量アクセス
• 想定機器接続台数500万台
(500万台が1分間隔で同時発報)
• 想定ユーザー数30万人
(同時アクセス9万人)
• 求められる高い処理性能とスケーラビリティ
• 無限に発生するデータを扱えるストレージ
16 Copyright: ©2019 DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved.
接続台数に応じたコスト最適化
• 中規模物件向け空調機サービスの適正価格はシビア
• 初期投資を限りなく抑えたい
• 接続台数とランニングコストを限りなく正比例にしたい
• 階段状で増えると無駄が多い、リニアに増えて欲しい
利用料利用料
接続台数 接続台数
初期投資を
抑えたい
階段を正比例
にしたい
17 Copyright: ©2019 DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved.
大規模システムの運用経験不足
• 組込み屋によるゼロからのシステム運用体制構築
• エアネット等の経験はあるが、大規模Webシステムには明らかな経
験不足
• そもそも組織体制からの見直しが必要
• 24h365dに対応する勤務形態がない
• アウトソーシングしても最後は自社社員の判断が必要
• コストを抑えるため、運用体制もできるだけ小さくしたい
• 特に契約数が増えてくるまではスモールスタートしたい
技術課題に対するアプローチ
19 Copyright: ©2019 DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved.
クラウドサービス(AWS)の利用
• 数千/数万というサーバーでも、必要なリソースをオンデマンドで調達しすぐに利用可能
• 一定レベルの可用性や拡張性、セキュリティをクラウドベンダーが担保してくれる
• コンピュータリソースを小さな単位で必要な分だけ買足すことができる(従量課金制)
• 機能の充実度合い、世界への展開率、情報とエンジニアの集め易さからAWSを採用
ファシリティ
クラウドオンプレミス
ネットワーク
物理サーバー
仮想マシン
ハイパーバイザー
OS
ミドルウェア
アプリケーション
データ
ファシリティ
ネットワーク
物理サーバー
仮想マシン
ハイパーバイザー
OS
ミドルウェア
アプリケーション
データ
• 自前で物理的に調達・構築
• 予め初期投資して購入
• 自社で運用する
• 大規模でもオンデマンドで調達
• 必要な分だけ支払う
• クラウドベンダーに運用を任せる
20 Copyright: ©2019 DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved.
フルマネージドサービス/サーバーレスアーキテクチャの徹底利用
• IaaSでもコンテナサービスでもなく、フルマネージドサービスの活用し、サーバーレスアーキテク
チャを徹底する事でさらにクラウドベンダーに調達・管理を任せる領域を増やす
• OSやミドルウェアレイヤまでクラウドベンダーに任せることでOSバージョンアップ問題や、セキュリ
ティパッチ対応などからも開放し、運用・保守の体制を小さく保つ
• コストも処理単位(1回のユーザーアクセス/1回のデータ発報/etc…)まで細分化した従量課金にす
る事で無駄をなくす
IaaS コンテナサービス フルマネージドサービス
ファシリティ
ネットワーク
物理サーバー
仮想マシン
ハイパーバイザー
OS
ミドルウェア
アプリケーション
データ
ファシリティ
ネットワーク
物理サーバー
仮想マシン
ハイパーバイザー
コンテナ環境
コンテナ
データ
ファシリティ
ネットワーク
物理サーバー
仮想マシン
ハイパーバイザー
OS
ミドルウェア
データ
OS
ミドルウェア
アプリケーション サービス
サービス設定/関数
• IaaSよりも運用を任せる領域を拡大
• サーバーマシンではなく”機能”を利用する事で処
理単位で必要な分だけ支払う
• コンテナサービス(Docker)よりも更に踏み込
んで利用者の負担領域を減らす
フルマネージドサービス
サーバー構築から、監視、障害対応、セキュリティ
対策までシステム運用に関わる作業をクラウドベン
ダーに任せるサービス
サーバーレスアーキテクチャ
サーバーを自前で用意せず、フルマネージドサービ
スを活用してシステムを構築する設計思想
21 Copyright: ©2019 DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved.
フルマネージドサービスを用いた概略アーキテクチャ
統合クラウド
クラウドプラットフォーム
リージョンアプリケーション
エッジ
リージョンアプリインターフェース
機器自動制御
・スケジュール制御
・機器連動制御
・セットバック制御
など
Amazon
Lambda
Amazon
DynamoDB
Amazon
API Gateway
Amazon
Lambda
Amazon
Lambda
Amazon
Lambda
Amazon
DynamoDB
・プラットフォームの各種機能を
利活用するインターフェース
Amazon
S3
・各リージョンで
発生した機器データ
・機種メダデータ管理
・ファームウェア管理
Amazon
S3
AWS IoT Amazon
Kinesis
機器操作・指示 機器データ収集・管理
・機器の現在状態
・エッジの現在状態
・時系列蓄積データ
・積算値
・最大、最小、平均値
Amazon
API Gateway
Amazon
Lambda
Amazon
DynamoDB
・ユーザに提供するサービスアプリケーション群
Amazon
S3
・機器操作指示
・リモート現地設定
・ファームウェア更新
・マスタデータ同期
22 Copyright: ©2019 DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved.
運用の徹底的な自動化
• リリース/監視/拡張/復旧/セキュリティ対策の作業を可能な限り自動化
• 拡張/復旧/セキュリティ対策はフルマネージドサービスの利用で担保
• インフラ構築作業を全てIaC(Infrastructure as Code)により自動化
• リリースや監視部分もAWSサービスと外部サービスを組み合わせて自動化
システム実行環境
CloudTrail CloudWatch
Logs
CloudWatch
Metrics
Health
GuardDuty
メンテナンス
情報の収集
ログの抽出・集約
セキュリティ
インシデント
の検知
メトリクス
情報の収集
死活/傾向情報
の可視化・監視
自動拡張
/自動復旧
異常通知
クラウドプラットフォーム(運用機能含む)
CodeBuild
CodeDeploy
リリースパイプライン
の自動制御
リリース
コード
の取得
AWSサービスの
自動プロビジョニング
CloudFormation
実行モジュール
の自動ビルド
実行モジュール
の自動デプロイ
23 Copyright: ©2019 DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved.
技術課題とアプローチまとめ
大量接続、大量アクセス
接続台数に応じたコスト最適化
大規模システムの運用経験不足
フルマネージドサービス利用の徹底
~サーバーレスアーキテクチャの採用~
クラウドサービス(AWS)の利用
運用の徹底的な自動化
24 Copyright: ©2019 DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved.
営業
製造
施工
物流
サービス
開発
運用
機器売りだけでなく、データを活用することで
空調ライフサイクル全体を通じて価値を提供し続けていく
グローバル空調メーカーによるIoTプラットフォームへの挑戦

グローバル空調メーカーによるIoTプラットフォームへの挑戦

  • 1.
  • 2.
    自己紹介 北村 拓也 • ダイキン工業株式会社所属 •主任技師 • 2017年6月:キャリア入社 • ~2018年11月:テクノロジー・イノベーションセンター:研究員 • ~現在:空調生産本部商品開発グループ:エンジニア • Daikin Global Platform構築プロジェクトのプロジェクトマネージャー
  • 3.
    3 Copyright: ©2018DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved. アジェンダ 1. ダイキン工業のAI・IoTの取り組み 2. Daikin Global Platformという取り組み 3. Daikin Global Platformの技術課題 4. 技術課題に対するアプローチ
  • 4.
  • 5.
    5 Copyright: ©2018DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved. ダイキン工業株式会社 • 創業 1924年(大正13年)10月25日大阪で創業 • 創業者 山田晁 • 会長 井上礼之 • 社長兼CEO 十河政則 • グループ従業員数 76,484名(単独7,254名) • 本社 大阪市 • 売上 2兆4,811億円 • 営業利益 2,763億円
  • 6.
    6 Copyright: ©2019DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved. グローバル展開 2005年⇒2018年の変化 事業展開 63ヵ国 ⇒ 150カ国以上 生産拠点 23拠点 ⇒ 100拠点以上 海外事業比率 46% ⇒ 76% ● 販売拠点 ● 生産拠点
  • 7.
    7 Copyright: ©2019DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved. 売上高(2019/3月期) 空調 89.6% 化学 8.1% その他 2.3% 2兆4811億円 半導体用途 自動車用途 撥水撥油剤 空調事業化学事業 その他事業
  • 8.
    8 Copyright: ©2019DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved. ダイキン工業のAI・IoTの取り組み エアネットサービス • 空調設備をインターネットにつないで監視することで、機器の保守点検・管 理、省エネ制御・提案を行うサービス 工場のIoT化 • 大阪・堺に稼働させた新工場をIoT化。センシング技術で製造現場からデー タを発掘し、工場運営の安定稼働・安心操業・多様なニーズへの対応を実現 ダイキン情報技術大学 • 溜まったデータを分析するための情報系人材を一から育てる社内教育機関を 大阪大学と協業して設立
  • 9.
  • 11.
    11 Copyright: ©2019DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved. Daikin Global Platformが目指すもの 改修 更新 提案 設計 施工 試運転 運用 保守 メンテ 更新提案にかかる工数を大幅に削減 運用改善やメンテナンスに活用 工事コストダウン 故障診断/予測による 機器のダウンタイムを短縮 エネルギーの 最適運用提案建物に合わせた空調システム提案 空調バリューチェーンの中で、データ活用を切り口に新たな価値づくりを目指す。 そのために、全世界の空調機をインターネットにつなぎ、 データ活用するプラットフォームを作る。
  • 12.
    12 Copyright: ©2019DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved. レジデンシャル市場(家庭用) コマーシャル市場(業務用) リージョンアプリ(地域別や事業別機能とUI) クラウドプラットフォーム RA 一般住宅などの 小規模建物 スマホ ユーザ エコキュート 床暖 エッジ エッジ 大規模住宅(豪邸) などの中規模建物 VRV ユーザ 燃焼/ボイラ アルテルマQA RA スマホ エコキュート 床暖 VRVQARA オフィスビルなど 中規模建物 管理パネル オーナー ビル管 テナント RA ショッピングモールなど 大規模建物 アプライド 管理パネル VRVQA オーナー ビル管 テナント 共通部品(API)群 (機器操作等) システム間 連携 分析システム BMS/BEMS その他システム 柔軟性・拡張性 自動最適制御 情報蓄積 基盤(DB) 情報蓄積基盤(DB) マーケ ティング 営業 商品 開発 品質 管理 施工 業者 販売店BI/分析ツール 各地域開発者 地域別事業別アプリケーション サービスアプリ 顧客管理、 課金管理など 個人情報保護 不正制御など セキュリティ
  • 13.
    13 Copyright: ©2019DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved. 中国リージョン日本リージョン欧州リージョン お客様施設お客様施設 クラウド プラットフォーム クラウド プラットフォーム エッジ 機 器 機 器 機 器 機 器 … お客様施設お客様施設 エッジ 機 器 機 器 機 器 機 器 … お客様施設お客様施設 エッジ 機 器 機 器 機 器 機 器 … クラウド プラットフォーム 統合クラウド リージョンア プリ リージョンア プリ リージョンア プリ … リージョンア プリ リージョンア プリ リージョンア プリ … リージョンア プリ リージョンア プリ リージョンア プリ … … インターネット インターネット インターネット インターネット インターネット インターネット 各拠点 機器情報 各拠点 機器情報 各拠点 機器情報 全拠点 機器情報 インターネット
  • 14.
  • 15.
    15 Copyright: ©2019DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved. 大量接続、大量アクセス • 想定機器接続台数500万台 (500万台が1分間隔で同時発報) • 想定ユーザー数30万人 (同時アクセス9万人) • 求められる高い処理性能とスケーラビリティ • 無限に発生するデータを扱えるストレージ
  • 16.
    16 Copyright: ©2019DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved. 接続台数に応じたコスト最適化 • 中規模物件向け空調機サービスの適正価格はシビア • 初期投資を限りなく抑えたい • 接続台数とランニングコストを限りなく正比例にしたい • 階段状で増えると無駄が多い、リニアに増えて欲しい 利用料利用料 接続台数 接続台数 初期投資を 抑えたい 階段を正比例 にしたい
  • 17.
    17 Copyright: ©2019DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved. 大規模システムの運用経験不足 • 組込み屋によるゼロからのシステム運用体制構築 • エアネット等の経験はあるが、大規模Webシステムには明らかな経 験不足 • そもそも組織体制からの見直しが必要 • 24h365dに対応する勤務形態がない • アウトソーシングしても最後は自社社員の判断が必要 • コストを抑えるため、運用体制もできるだけ小さくしたい • 特に契約数が増えてくるまではスモールスタートしたい
  • 18.
  • 19.
    19 Copyright: ©2019DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved. クラウドサービス(AWS)の利用 • 数千/数万というサーバーでも、必要なリソースをオンデマンドで調達しすぐに利用可能 • 一定レベルの可用性や拡張性、セキュリティをクラウドベンダーが担保してくれる • コンピュータリソースを小さな単位で必要な分だけ買足すことができる(従量課金制) • 機能の充実度合い、世界への展開率、情報とエンジニアの集め易さからAWSを採用 ファシリティ クラウドオンプレミス ネットワーク 物理サーバー 仮想マシン ハイパーバイザー OS ミドルウェア アプリケーション データ ファシリティ ネットワーク 物理サーバー 仮想マシン ハイパーバイザー OS ミドルウェア アプリケーション データ • 自前で物理的に調達・構築 • 予め初期投資して購入 • 自社で運用する • 大規模でもオンデマンドで調達 • 必要な分だけ支払う • クラウドベンダーに運用を任せる
  • 20.
    20 Copyright: ©2019DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved. フルマネージドサービス/サーバーレスアーキテクチャの徹底利用 • IaaSでもコンテナサービスでもなく、フルマネージドサービスの活用し、サーバーレスアーキテク チャを徹底する事でさらにクラウドベンダーに調達・管理を任せる領域を増やす • OSやミドルウェアレイヤまでクラウドベンダーに任せることでOSバージョンアップ問題や、セキュリ ティパッチ対応などからも開放し、運用・保守の体制を小さく保つ • コストも処理単位(1回のユーザーアクセス/1回のデータ発報/etc…)まで細分化した従量課金にす る事で無駄をなくす IaaS コンテナサービス フルマネージドサービス ファシリティ ネットワーク 物理サーバー 仮想マシン ハイパーバイザー OS ミドルウェア アプリケーション データ ファシリティ ネットワーク 物理サーバー 仮想マシン ハイパーバイザー コンテナ環境 コンテナ データ ファシリティ ネットワーク 物理サーバー 仮想マシン ハイパーバイザー OS ミドルウェア データ OS ミドルウェア アプリケーション サービス サービス設定/関数 • IaaSよりも運用を任せる領域を拡大 • サーバーマシンではなく”機能”を利用する事で処 理単位で必要な分だけ支払う • コンテナサービス(Docker)よりも更に踏み込 んで利用者の負担領域を減らす フルマネージドサービス サーバー構築から、監視、障害対応、セキュリティ 対策までシステム運用に関わる作業をクラウドベン ダーに任せるサービス サーバーレスアーキテクチャ サーバーを自前で用意せず、フルマネージドサービ スを活用してシステムを構築する設計思想
  • 21.
    21 Copyright: ©2019DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved. フルマネージドサービスを用いた概略アーキテクチャ 統合クラウド クラウドプラットフォーム リージョンアプリケーション エッジ リージョンアプリインターフェース 機器自動制御 ・スケジュール制御 ・機器連動制御 ・セットバック制御 など Amazon Lambda Amazon DynamoDB Amazon API Gateway Amazon Lambda Amazon Lambda Amazon Lambda Amazon DynamoDB ・プラットフォームの各種機能を 利活用するインターフェース Amazon S3 ・各リージョンで 発生した機器データ ・機種メダデータ管理 ・ファームウェア管理 Amazon S3 AWS IoT Amazon Kinesis 機器操作・指示 機器データ収集・管理 ・機器の現在状態 ・エッジの現在状態 ・時系列蓄積データ ・積算値 ・最大、最小、平均値 Amazon API Gateway Amazon Lambda Amazon DynamoDB ・ユーザに提供するサービスアプリケーション群 Amazon S3 ・機器操作指示 ・リモート現地設定 ・ファームウェア更新 ・マスタデータ同期
  • 22.
    22 Copyright: ©2019DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved. 運用の徹底的な自動化 • リリース/監視/拡張/復旧/セキュリティ対策の作業を可能な限り自動化 • 拡張/復旧/セキュリティ対策はフルマネージドサービスの利用で担保 • インフラ構築作業を全てIaC(Infrastructure as Code)により自動化 • リリースや監視部分もAWSサービスと外部サービスを組み合わせて自動化 システム実行環境 CloudTrail CloudWatch Logs CloudWatch Metrics Health GuardDuty メンテナンス 情報の収集 ログの抽出・集約 セキュリティ インシデント の検知 メトリクス 情報の収集 死活/傾向情報 の可視化・監視 自動拡張 /自動復旧 異常通知 クラウドプラットフォーム(運用機能含む) CodeBuild CodeDeploy リリースパイプライン の自動制御 リリース コード の取得 AWSサービスの 自動プロビジョニング CloudFormation 実行モジュール の自動ビルド 実行モジュール の自動デプロイ
  • 23.
    23 Copyright: ©2019DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved. 技術課題とアプローチまとめ 大量接続、大量アクセス 接続台数に応じたコスト最適化 大規模システムの運用経験不足 フルマネージドサービス利用の徹底 ~サーバーレスアーキテクチャの採用~ クラウドサービス(AWS)の利用 運用の徹底的な自動化
  • 24.
    24 Copyright: ©2019DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved. 営業 製造 施工 物流 サービス 開発 運用 機器売りだけでなく、データを活用することで 空調ライフサイクル全体を通じて価値を提供し続けていく

Editor's Notes

  • #2 皆さんこんにちは。 只今紹介いただきました、ダイキン工業の北村と申します。 本日は、 グローバル空調メーカーによるIoTプラットフォームへの挑戦 ということで、 ダイキンが今取り組んでいる空調IoTプラットフォームが目指しているものと、 そのIoTプラットフォーム開発の中で向き合っている技術課題とそのアプローチについて ご紹介させていただきたいと思います。 宜しくお願い致します。
  • #3 まずは、自己紹介を。 北村拓也と申します。 ダイキン工業には約2年半前にジョインしました。 入社直後は、テクノロジー・イノベーションセンターという研究部門で、AI・IoTに関連する研究員をやっていました。 その後、部署を異動し、現在は空調生産本部商品開発グループというところで、AI・IoTに関連した商品開発を行っています。 ダイキンに入社するまでは、ユーザー系のシステムインテグレーターに10年、ITコンサルティング会社に3年努めていたので、ずっとIT畑を歩んでいます。 今日は、スーツではなくオフィスカジュアルで登壇させていただいていますが、実際に勤務しているオフィスでも、モダンなIT企業を目指してオフィスカジュアルで勤務しています。 AWSやアジャイルといったIT系のコミュニティ活動もいくつかやっていますので、興味があって関西在住の方は是非声をかけてください。 1:35
  • #4 では、本題に入ります。 今日、お話させていただくことはこの4つです。 1つ目は、ダイキン工業のAIとIoTの取り組みについて、いくつかの事例を紹介させていただきます。 2つ目は、空調IoTプラットフォームの開発として取り組んでいる、Daikin Global Platformというプロジェクトの紹介をさせていただきます。 3つ目は、そのDaikin Global Platformの中で抱えている技術課題について、 4つ目は、3つ目で話す技術課題にどのように立ち向かおうとしているか、そのアプローチ方法についてご紹介させていただきます。 2:18
  • #5 では、まずはじめにダイキン工業のAIとIoTの取り組みについてご紹介したいと思います。
  • #6 AI・IoTの話に入る前に、簡単に会社の紹介を。 ダイキン工業という会社についてですが、 大阪に本社がある、創業93年という比較的古い会社です。 従業員はグループ連結で7万6千人、売上は2兆4811億円と規模の大きい会社です。
  • #7 また、ダイキン工業は、150ヵ国以上で事業展開し、海外事業比率は76%と、グローバルで事業を展開しているという特徴があります。 特にこの15年で、海外での事業を大きく伸ばしてきました。
  • #8 事業内容は、約90%が空調事業であり、その空調事業における売上は世界第1位という大手空調メーカーです。 3:32
  • #9 そんなグローバルに展開する大手空調メーカーのダイキンですが、AI・IoTという分野にも積極的に投資しています。 この後は、ダイキン工業が取り組んでいる代表的なAI・IoTの取り組みとして、3つの具体的な事例を紹介したいと思います。 まず1つ目は、エアネットサービスで、空調設備をインターネットにつないで監視することで、機器の保守点検・管理、省エネ制御・提案を行うサービスを行っています。 2つ目は、工場のIoT化で、昨年立ち上げた大阪堺工場を筆頭に、工場をIoT化し、製造現場からデータ発掘し、工場運営の安定稼働、安心操業、多用なニーズへの対応を実現しています。 3つ目は、ダイキン情報技術大学で、溜まったデータを分析するための情報系人材を一から育てる社内教育機関を大阪大学と協業して設立しました。 この3つの事例について、もう少し詳細に説明したいと思います。 4:50
  • #10 このように、AI・IoTを活用したビジネス変革に向けて様々な取り組みを行っているダイキンですが、 その中の一つの取組みとして、Daikin Global Platformというプロジェクトを進めています。
  • #11 このDaikin Global Platformという取り組みをご説明する前に、一つムービーを見ていただきたいと思います。 ※ムービーを流す。3分23秒 いかがでしたでしょうか。このムービーの中でもあるように、ダイキンはAI、IoTを活用して空調ビジネスを大きく変えていこうとしています。 具体的には、 ・現場でデータを積極的に活用していくようにするということ、 ・従来の機械を販売するモノ売りから、サービスやソリューションを売るコト売りに転じていくということ。 ・その視点で空調バリューチェーンを見たときに、機器売りは一部であり、空調機を設置してご使用いただく上での付帯業務に対して、空調メーカーならではのご支援、ご提案はまだまだ沢山あるということ。 ・それらを実現するために、AI・IoTを積極的に活用するように、ダイキンは変わろうとしている。 ということです。 17:51
  • #12 つまりは、空調機をお客様に届けるだけではなく、   提案・設計フェーズでは、建物に合わせた空調システムの提案を、   施工・試運転フェーズでは、工事のコストダウンを、   運用フェーズでは、エネルギーの最適運用提案を、   保守・メンテンナンスフェーズでは、故障診断・故障予知による機器のダウンタイム短縮を、   改修・更新フェーズでは、お客様に最適な更新プランの提案を、 空調バリューチェーン全体を通して、データ活用を切り口に新たな価値づくりを目指していくという事です。 これを実現するために、全世界の空調機をインターネットにつなぎ、データを収集・蓄積し、 そのデータの活用を促進するプラットフォームとして、”Daikin Global Platform”の開発プロジェクトをスタートしました。 19:00
  • #13 この図は、Daikin Global Platform全体を1枚で表したものになります。 ダイキンが取り扱う空調機の種類は様々あり、製品毎に導入される物件の特徴が異なります。 例えば、 RAと書かれているのがルームエアコンの略で、主に一般家庭に導入されています。 QAとかかれているのがダイキン製品ではSkyAirと呼ばれている製品で、主に中~小規模店舗に導入されます。 VRVと書かれているのが、ビル用マルチエアコンの略で、主にオフィスビルに導入されています。 アプライドと書かれているのは、セントラル空調と呼ばれ、チラーなどの大型熱源設備を使った空調機で、主にショッピングモールなどの大型施設に導入されます。 これらダイキン製の機器を、直接、またはエッジデバイスを経由し、その稼働情報をインターネットを介してクラウドプラットフォームに集めます。 集めた情報は、自動制御機能により、接続された機器の最適制御のために利用されます。 また、集めた情報はAPIとして公開され、それらを使って各国各地域のビジネス部門が、それぞれの事業領域に向けた、リージョンアプリを構築し、利用ユーザーに提供されます。 Daikin Global Platformとはこのエッジデバイスとクラウドプラットフォームを造るプロジェクトの事を指しています。 この構想の中で、現在私が担当しているプロジェクトが直近で対応しているのが、右側の青いコマーシャル市場向けの機能となります。 21:17
  • #14 次に、グローバルプラットフォームのシステム配置を説明しておきます。 このプラットフォームはグローバル展開を前提にしていますが、グローバルで統一のサーバーを用意するのではなく、拠点ごとにクラウドプラットフォームを立てる想定です。 これは、 個人情報保護法などのリーガル的な観点から、センシティブな情報を国外や域外に持ち出して扱うことが難しいという点と、 実際にシステムを利用する利用者からサーバーの距離が離れすぎると、レイテンシが大きくなり、リアルタイムな制御が難しくなるという点 に考慮して判断しました。 ダイキンでは、欧州、日本、中国、北米、アジアなど、複数拠点でクラウドプラットフォームを立ち上げる想定で、それぞれの拠点に近いクラウドリージョンにシステムを配置する予定です。 また、これら各拠点に散らばった情報を集約し、グローバルでデータ分析を行ったり、各拠点のクラウドプラットフォームを横断的に運用するための機能として、全拠点のクラウドプラットフォームに接続した、統合クラウドを立てます。 そしてこの統合クラウドで、ダイキンのビジネスを飛躍させるための分析を行っていく予定です。 22:52
  • #15 それでは、ここからはDaikin Global Platformが抱える技術課題についてご説明していきます。
  • #16 技術課題の1点目は、「大量接続、大量アクセス」です。 直近で進めるコマーシャル市場向けの仕組みの場合、1拠点のクラウドプラットフォームに接続する想定機器接続台数は室内機、室外機あわせて500万台で、これらの機器が1分間隔で稼働データを発報してきます。 接続台数が多いという事は、運転状況を監視するために稼働データにアクセスしてくるユーザーも多いという事になり、想定ユーザー数は約30万人、同時アクセスは9万人を想定しました。 これは、結構な規模なのかなと思います。 この規模のデータを捌くためには、高い処理性能に加え、その性能を維持するためのスケーラビリティの担保が求められます。 また、500万台から1分間隔で無限に上がってくるデータを蓄積し、その大量のデータの中から必要なデータだけをリアルタイムで抜き出す、大規模向けのストレージの仕組みが必要になりました。 24:23
  • #17 技術課題の2点目は、「接続台数に応じたコスト最適化」です。 IoTサービスの適正価格は、接続する機器の価格との依存関係が大きいと思います。 ジェットエンジンや車、化学プラントなど、高価なモノに接続するサービスは高機能で高価格を見込めますが、 家電などの安価なモノには、低機能でもいいので低価格でないと収益が見込めません。 その点、ダイキンが作る空調機は高機能を求めたいものの、ミドルレンジの価格帯であるため、適正価格を目指すためにはコストのシビアな調整が必要です。 特に、サービス立ち上げ時点のまだ接続台数が少ない時期は、すぐに需要が拡大することを見込めるわけでもないため、できるだけ初期投資をおさえたいです。 ゆくゆくは市場にある空調機の全数接続を目指しますが、初年度は各地域で数千台程度の接続しか見込んでおらず、それで収益を成り立たせる必要があります。 つまりは表でいうところの接続台数0台の場合での料金を限りなく抑えたいということです。 また、オンプレミスのシステムではよくありますが、規模が大きくなるにつれて、サーバーを増強していきます。 今回の場合は、基本的に接続台数が一定以上増えるとサーバーを増強する必要があるのですが、この左のグラフにあるように階段状に費用が推移すると、機器1台辺りのコストが高い時期と安い時期でばらつきが出てしまいます。 このため、販売価格には、ある程度変動に対するバッファを見込む必要がありますが、この見積もりが何とも難しいです。 この階段をできるだけリニアになるように設計し、利用量と販売価格の関係をシンプルにすることで、適正価格への調整をよりシビアに行えるようにする必要がありました。 26:55
  • #18 技術課題の3点目は、「大規模システムの運用経験不足」です。 弊社はこれまで、先に説明したエアネットなどいくつかはWeb型システムを運用してきましたが、会社全体から見ると事業比率は低く、ITベンダーに比べまだまだノウハウがありません。 社内情報システム部門は別ですが、基本的にはソフトウェアを扱う業務は組み込みがメインになります。 特にこのDaikin Global Platformのメンバーは組み込みソフトウェア開発の担当者が中心のメンバーで構成されていたため、ゼロから運用ノウハウの学習や運用体制の構築が必要でした。 仮に運用を全てアウトソーシングしたとしても、24h365dを支える運用を考えるには、そもそも組織の見直しからが必要です。 また、ビジネスを小さく始めるためには、クラウド利用料だけでなく、システムを保守・運用するコストも抑える必要があります。 そのためにはできるだけ人件費を抑えた仕組みと手順の構築が必要でした。 28:20
  • #19 それでは、ここまでで紹介した技術課題に対して、私達がどのように対応したか、代表的なアプローチを3つご紹介させていただきます。
  • #20 アプローチの1つ目は、クラウドサービスの利用です。 下の図にあるように、昨今のシステムはファシリティからデータまで多数のレイヤで構成されていますが、その全ての調達・構築・運用を全て自社で対応するのは至難の業です。 これを大規模に展開しようと考えた場合の工数と費用は計り知れません。 これが、クラウドサービスを利用すると図の右側の青い部分の”ファシリティ”、”ネットワーク”、”物理サーバー”、”仮想マシン/ハイパーバイザー”のレイヤが、サービスとしてクラウドベンダーから提供され、維持管理も任せることが可能となります。 これにより、数千、数万というサーバーでも、必要なリソースをオンデマンドで調達し、すぐに利用可能になります。 また、青色の部分のリソースについては、可用性や拡張性、セキュリティ対策をクラウドベンダーが担保してくれるため、システム運用コストを抑えることもできます。 さらに、クラウドサービスを利用する事により、青の部分を小さな単位で必要な分だけ買い足す事ができるので、課題としてた初期投資を抑えたスモールスタートも実現できます。 500万台接続という途方も無い規模に耐えるシステムでありながら、スモールスタートできるという、相反する要件を置いたときに、オンプレミスは非現実的であり、クラウドサービスの利用しか選択肢はありませんでした。 実は、本当のITのプロが運用した場合、クラウドサービス利用より、オンプレミス型のほうがコストは抑えられると思います。 ここに書かれているようなメリットを享受するかわりに、オンプレミスを自分たちで運用した場合よりも割高の費用を、利用料としてクラウドベンダーに払うことになるからです。 それでも、大規模Webシステムの構築・運用については経験が乏しく、またそれがメインの事業では無い我々にとって、苦手な部分はプロに任せるという選択肢のほうがリーズナブルでした。 そして、我々は機能の充実度合い高さ、世界への展開率の高さ、情報とエンジニアの集めやすさから、クラウドサービスとしてAWSを採用しました。 31:31
  • #21 アプローチの2つ目は、フルマネージドサービス、サーバーレスアーキテクチャの徹底利用です。 まずは、フルマネージドサービスとサーバーレスアーキテクチャについてご説明します。 フルマネージドサービスとは、サーバー構築から、監視、障害対応、セキュリティ対策に至るまで、システム運用に関わる作業をクラウドベンダーに任せる事ができるサービスの事を言います。 例えば、AWSでいうところの、DynamoDBやS3といったストレージサービスや、LambdaやAWS IoTといったサービスのことです。 これらのサービスは、クラウド上のサーバーをそのまま間借りするEC2などのInfrastructure as a Service、いわゆるIaaSではなく、 特定の用途に絞った機能をプラットフォームやミドルウェアレベルまでまとめて提供するサービスの事になります。 また、サーバーレスアーキテクチャは、オンプレミスだけでなく、EC2などのIaaSも含めたサーバーを自前で用意・管理する仕組みを利用せず、完全にフルマネージドサービスだけを使ってシステムを構築する設計思想の事をいいます。 下の図を見ていただきたいのですが、従来のクラウドサービスの利用は、社内のオンプレミス環境に構築していたシステムを、EC2や簡易マネージドサービスであるRDSに移行した構成の様な、IaaSを中心に使った一番左の図のようなものでした。 一方で、フルマネージドサービスを活用した場合は、一番右の図のように、IaaSの様なファシリティから仮想マシン/ハイパーバイザーだけでなく、”OS”、”ミドルウェア”、そしてローレイヤの”サービス”に至るまでクラウドベンダーに任せる領域を増やせるため、 自前で調達・構築・運用する部分は、サービスを利用するための設定や、任意の処理を記述した関数プログラム、そしてデータレイヤだけとなり、クラウドサービスのメリットをさらに多く享受する事ができるようになります。 これにより、OSやミドルウェアに対するバージョンアップやセキュリティパッチ対応、拡張性担保の仕組みづくりなどの運用・保守から開放され、運用体制を限りなく小さく保つ事が可能になります。 また、仮想サーバーのインスタンス数より細かい、サービスレベル、例えばWebAPIのコール数や、DBの行数やアクセス回数といった、より小さい単位での従量課金が可能となるため、スモールスタートに向けて更に無駄をなくしコストを抑える事ができます。 最近では、DockerやKubernetesといった中央の図のようなコンテナサービスを利用したケースも多く見られるようになってきましたが、我々はAWSによるベンダーロックインも覚悟の上で、一番右のフルマネージドサービスとそれに伴なうサーバーレスアーキテクチャを徹底的に利用する事により、青の領域を少しでも広げ、運用体制とコストの最小化に取り組んでいます。 35:10
  • #22 こちらが実際のDaikin Global Platformの概略のアーキテクチャになります。 具体的には、 サーバーを用意する事なく、任意のイベントで任意のプログラム関数を実行できるプログラム実行基盤であるLambda、 Web APIのインターフェースを作り、そのAPI実行時に任意のLambdaを呼び出すことができるAPI Gateway、 どんな規模でも自動でスケールする高速で柔軟なNoSQLデータベースサーバーであるDynamoDB、 DynamoDBより安価に任意のオブジェクトを大量に保存できるストレージであるS3、 様々なデバイスと簡単に双方向通信の仕組みを構築できるAWS IoT、 そして、リアルタイムで大規模なストリーミングデータを処理するサービスであるKinesis といった、フルマネージドサービスを利用し、 アプリケーションから利用するAPIや、機器からのデータ送受信、収集したデータの保存・管理の仕組みを実現しています。 このように、業務システムではなく、IoTシステムのようなロジックがシンプルな仕組みであれば、AWSが用意しているフルマネージドサービスだけで十分に構築可能だということが見えてきました。 実は、ここには表現していませんが、ほんの一部だけパフォーマンスとコストの問題でコンテナサービスを使っている部分もあるのですが、それはご愛嬌という事で。 いずれはそれらも無くしていけるように見直しをかけていく予定です。 37:03
  • #23 アプローチの3つ目は、運用の徹底的な自動化です。 クラウドサービスの利用、さらにはフルマネージドサービスの利用により、システム運用をできるだけクラウドベンダーに任せたとしても、それでもまだアプリケーション部分のシステム運用業務は残ります。 システム運用業務を大雑把に捉えると、リリース/監視/拡張/復旧/セキュリティ対策があると考えています。 このうち、拡張/復旧/セキュリティ対策といった基本的な機能はフルマネージドサービスを利用する事で、担保します。 一方で、リリースと監視、特にアプリケーション自体の監視は自前で運用する必要があるため、その仕組を徹底的に自動化することにしました。 具体的には、 まず、インフラやAWSサービスを構築する作業を全てプログラム化、いわゆるInfrastructure as Code化します。 次に、そのIaCを使って、インフラのプロビジョニングを自動実行させる仕組みを構築しました。 また、合わせて、実行モジュールのビルドとデプロイを自動化する仕組みも構築し、リリース作業全体をワンクリックで実現できるようにします。 次に監視業務は、実行環境の各種ログを自動で収集する仕組みを用意し、そのログを監視して、問題があるログの出力を検知し通知する仕組みを構築しました。 また、AWSサービスは監視用のメトリクスを取得するAPIが多数用意されているので、そのAPIを駆使してメトリクス値を監視し、問題を検出した場合に通知する仕組みも構築しています。 そして、このリリースと監視の仕組みもAWSのフルマネージドサービスと、DataDogのようなSaaSを駆使して構築する事で、コスト最適化を実現しています。 多少、仕組みづくりにコストと時間をかけてでも、このようなシステム運用を自動化する仕組みを構築する事で、未熟な運用経験しか持たない私達でも最小限のコストと体制で運用できる仕組みを実現しています。 39:50
  • #24 以上が、本日皆様にご紹介したかった、Daikn Global PlatformというIT企業ではない製造メーカーによる大規模IoTシステム構築への挑戦になります。 より技術的に詳細な情報が知りたい場合は、AWS Solution Days OSAKAや、Serverless Days Tokyoにてもう少し突っ込んだ技術の話を発表しており、その資料がネット上に公開されていますので、そちらを御覧ください。 この取組は多くのパートナー企業によって支えられてきました。 組み込みに強いパートナー、フロントエンド開発に強いパートナー、DevOpsなどのモダンな技術に強いパートナー。 その中で、クラウドに強いパートナーとしてNEC様に本プロジェクトに参画いただき、多くの支援をいただきました。 その中で我々も多くの知識と経験を得ることができました。ありがとうございます。 40:57
  • #25 最後に、 我々はこのDaikin Global Platformを通じて、機器売りだけでなく、データを活用する事で、空調ライフサイクル全体を通じて価値を提供し続けていく、 ソリューションカンパニーに変わっていきます。 それに向け、我々ITエンジニアの取り組みの重要性は益々高くなっていきます。 その期待に応えられるよう、Daikin Global Platformという取り組みを発展させていきたいと思います。
  • #26 以上で発表を終わらせていただきます。 ご清聴ありがとうございました。 41:36