小学生の読解支援に向けた 
複数の換言知識を併用した 
語彙平易化と評価 
長岡技術科学大学 
梶原智之 山本和英
大人向け語彙 
発足 
辞任 
起訴 
新聞年間総語彙数 
約20万語 
子ども向け語彙 
始める 
やめる 
うったえる 
学習基本語彙 
5,404語 
複数の換言知識 
小学 
国語辞典 シソーラス 
国語辞典 
換言による語彙制限 
辞任の理由は 
発表されていない 
やめることの理由は 
発表されていない 
概 要 
難語 平易語
研究の背景 
一般語彙 
学習語彙 
25000語 
学習基本語彙 
5404語 
基礎語彙 
2000語 
生活のために 
最低限必要な語 
小学生が十分に 
駆使できる語 
小学国語辞典に 
登録される語 
( 理解できる上限 ) 
一般の国語辞典 
に登録される語 
( 難解な語 ) 
小学校国語科の教科書を作成している 
光村図書の「語彙指導の方法」による解説
研究の目的 
一般語彙 小学国語辞典に 
学習語彙 
25000語 
登録される語 
( 理解できる上限 ) 
一般の国語辞典 
に登録される語 
( 難解な語 ) 
小学校国語科の教科書を作成している 
光村図書の「語彙指導の方法」による解説 
学習基本語彙 
5404語 
基礎語彙 
2000語 
小学生が十分に 
駆使できる語 
生活のために 
最低限必要な語 
一般語彙・学習語彙を 
学習基本語彙に言い換える 
小学生のための読解支援
先行研究 
• 小学生の読解支援に向けた語釈文による換言 
[梶原, 山本. 2012.09] 
– 小学国語辞典の語釈文を用いて学習基本語彙へ換言 
– 一般語彙および学習語彙の78%を学習基本語彙へ換言 
本研究 
換言知識の併用により、換言の被覆率を向上 
換言結果を小学生高学年の被験者により評価
平易語の獲得 
• 国語辞典(小学国語辞典、EDR日本語単語辞書) 
– 語釈文中の見出し語と同じ品詞の語のうち 
最後に現れる語を平易語候補として抽出する 
– 学習基本語彙に含まれていれば換言対を作成する 
– 平易語が得られるまで処理を繰り返す 
見出し語:言い渡す 
語 釈 文 :決まったことや命令などを伝える 
換言対 
言い渡す → 伝える
平易語の獲得 
• シソーラス(日本語WordNet) 
– 同義語集合または上位語集合から平易語候補を抽出 
– 学習基本語彙に含まれていれば換言対を作成する 
難 語 :発足 
同義語:草創、創始、開元、設立、創立、… 
上位語:発動、開始、着手、スタート、 … 
換言対 
発足 → 開始
活用の処理 
• サ変名詞+するの活用 
– サ変名詞の平易語は「動詞+こと」で獲得 
– するの活用形と動詞の活用形を合わせる 
換言対: 供述 → 述べること 
原文:~などと供述している。 
出力:~などと 述 べ ている。 
し:するの連用形 
述べ:述べるの連用形
活用の処理 
• 動詞の活用 
– 換言前の活用形と換言後の活用形を合わせる 
換言対: 寄せる → 近づける 
原文:ほお 寄 せ あって~ 
出力:ほお近づけあって~ 
寄せ:寄せるの連用形 
近づけ:近づけるの連用形
換言知識選択のための実験 
• 妥当性に基づく換言知識の優先順位付け 
– 妥当な換言ができる順に3つの知識を組合せる 
1. 小学国語辞典 
2. 日本語WordNet 
3. EDR日本語単語辞書 
82 
78 
80 
60 
58 
63 
96 
79 
100 
90 
80 
70 
60 
50 
40 
30 
20 
10 
0 
学習基本語彙に換言できた割合 
妥当な換言ができた割合 
小学国語辞典 
EDR日本語単語辞書 
日本語WordNet 
組合せ 
※2000年の毎日新聞 
に頻出する難語100 
語を換言した結果
難語と平易語の難易度の調査 
• データ:2000年の毎日新聞に頻出する難語100語 
    それらを本手法で換言した平易語100語 
• 被験者:小学5年生2人、6年生3人の計5人 
• 難語か平易語かを伝えず、ランダムに200語を提示 
• 被験者は各語について、○ or ✕ で回答 
– ○:その語の意味がはっきり分かる 
– × :その語の意味が曖昧であるか、難しくて分からない 
難語 平易語 
被験者の小学生高学年5人のうち 
3人以上が理解できる語の割合 55% 97%
換言前後の文の難易度の調査 
• データ:2000年の毎日新聞に頻出する難語100語を 
    含む100文と、本手法で換言した100文 
• 被験者:小学5年生2人、6年生3人の計5人 
• どちらが原文かは伝えず、原文と換言した文を組で提示 
• 被験者は各文について、○ or ✕ および 難 or 易 で回答 
– ○:その文の意味がはっきり分かる 
– × :その文の意味が曖昧であるか、難しくて分からない 
– 難:2文のうち難しいと思う方 
– 易:2文のうち易しいと思う方
換言前後の文の難易度の調査 
換言前の文を理解可能 
換言後の文を理解可能 
難しい → 
換言前の平均 
換言後の平均 
難しい→易しいの平均 
78 
50 
75 
43 
易しい 
78 
93 
56 
91 
71 
85 
65 
59 
64 
63 
68 
100 
90 
80 
70 
60 
50 
40 
30 
20 
10 
0 
被験者1 
被験者2 
被験者3 
被験者4 
被験者5 
換言後は、平均79%の文を小学生が理解することができる 
平均64%の文は、換言後の方が難易度が下がっている
妥当な換言ができない例 
語義が複数ある場合 
• 要請 
• 根本命題 
• 人に、あることをしてほしいと要求する 
• 何かを得られるように求めること 
一語で換言できない場合 
• 就任:つくこと → (職に)つくこと 
• 無職:ないこと → (職が)ないこと
今後の課題 
1 • 言語モデルに照らして適切な語義を選択 
2 • 格フレームを用いて不可欠な格要素を付与 
3 • 語ごとに適切な換言知識を選択
小学生の読解支援に向けた 
複数の換言知識を併用した語彙平易化と評価 
大人向け語彙 
発足 
辞任 
起訴 
新聞年間総語彙数 
約20万語 
子ども向け語彙 
始める 
やめる 
うったえる 
学習基本語彙 
5,404語 
複数の換言知識 
小学 
国語辞典 シソーラス 
国語辞典 
換言による語彙制限 
辞任の理由は 
発表されていない 
やめることの理由は 
発表されていない 
・ 2000年の毎日新聞に頻出する難語の96%を学習基本語彙に換言 
・ 小学生の被験者が難語を含む新聞の79%を理解できるようになった

小学生の読解支援に向けた複数の換言知識を併用した語彙平易化と評価

  • 1.
  • 2.
    大人向け語彙 発足 辞任 起訴 新聞年間総語彙数 約20万語 子ども向け語彙 始める やめる うったえる 学習基本語彙 5,404語 複数の換言知識 小学 国語辞典 シソーラス 国語辞典 換言による語彙制限 辞任の理由は 発表されていない やめることの理由は 発表されていない 概 要 難語 平易語
  • 3.
    研究の背景 一般語彙 学習語彙 25000語 学習基本語彙 5404語 基礎語彙 2000語 生活のために 最低限必要な語 小学生が十分に 駆使できる語 小学国語辞典に 登録される語 ( 理解できる上限 ) 一般の国語辞典 に登録される語 ( 難解な語 ) 小学校国語科の教科書を作成している 光村図書の「語彙指導の方法」による解説
  • 4.
    研究の目的 一般語彙 小学国語辞典に 学習語彙 25000語 登録される語 ( 理解できる上限 ) 一般の国語辞典 に登録される語 ( 難解な語 ) 小学校国語科の教科書を作成している 光村図書の「語彙指導の方法」による解説 学習基本語彙 5404語 基礎語彙 2000語 小学生が十分に 駆使できる語 生活のために 最低限必要な語 一般語彙・学習語彙を 学習基本語彙に言い換える 小学生のための読解支援
  • 5.
    先行研究 • 小学生の読解支援に向けた語釈文による換言 [梶原, 山本. 2012.09] – 小学国語辞典の語釈文を用いて学習基本語彙へ換言 – 一般語彙および学習語彙の78%を学習基本語彙へ換言 本研究 換言知識の併用により、換言の被覆率を向上 換言結果を小学生高学年の被験者により評価
  • 6.
    平易語の獲得 • 国語辞典(小学国語辞典、EDR日本語単語辞書) – 語釈文中の見出し語と同じ品詞の語のうち 最後に現れる語を平易語候補として抽出する – 学習基本語彙に含まれていれば換言対を作成する – 平易語が得られるまで処理を繰り返す 見出し語:言い渡す 語 釈 文 :決まったことや命令などを伝える 換言対 言い渡す → 伝える
  • 7.
    平易語の獲得 • シソーラス(日本語WordNet) – 同義語集合または上位語集合から平易語候補を抽出 – 学習基本語彙に含まれていれば換言対を作成する 難 語 :発足 同義語:草創、創始、開元、設立、創立、… 上位語:発動、開始、着手、スタート、 … 換言対 発足 → 開始
  • 8.
    活用の処理 • サ変名詞+するの活用 – サ変名詞の平易語は「動詞+こと」で獲得 – するの活用形と動詞の活用形を合わせる 換言対: 供述 → 述べること 原文:~などと供述している。 出力:~などと 述 べ ている。 し:するの連用形 述べ:述べるの連用形
  • 9.
    活用の処理 • 動詞の活用 – 換言前の活用形と換言後の活用形を合わせる 換言対: 寄せる → 近づける 原文:ほお 寄 せ あって~ 出力:ほお近づけあって~ 寄せ:寄せるの連用形 近づけ:近づけるの連用形
  • 10.
    換言知識選択のための実験 • 妥当性に基づく換言知識の優先順位付け – 妥当な換言ができる順に3つの知識を組合せる 1. 小学国語辞典 2. 日本語WordNet 3. EDR日本語単語辞書 82 78 80 60 58 63 96 79 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 学習基本語彙に換言できた割合 妥当な換言ができた割合 小学国語辞典 EDR日本語単語辞書 日本語WordNet 組合せ ※2000年の毎日新聞 に頻出する難語100 語を換言した結果
  • 11.
    難語と平易語の難易度の調査 • データ:2000年の毎日新聞に頻出する難語100語     それらを本手法で換言した平易語100語 • 被験者:小学5年生2人、6年生3人の計5人 • 難語か平易語かを伝えず、ランダムに200語を提示 • 被験者は各語について、○ or ✕ で回答 – ○:その語の意味がはっきり分かる – × :その語の意味が曖昧であるか、難しくて分からない 難語 平易語 被験者の小学生高学年5人のうち 3人以上が理解できる語の割合 55% 97%
  • 12.
    換言前後の文の難易度の調査 • データ:2000年の毎日新聞に頻出する難語100語を     含む100文と、本手法で換言した100文 • 被験者:小学5年生2人、6年生3人の計5人 • どちらが原文かは伝えず、原文と換言した文を組で提示 • 被験者は各文について、○ or ✕ および 難 or 易 で回答 – ○:その文の意味がはっきり分かる – × :その文の意味が曖昧であるか、難しくて分からない – 難:2文のうち難しいと思う方 – 易:2文のうち易しいと思う方
  • 13.
    換言前後の文の難易度の調査 換言前の文を理解可能 換言後の文を理解可能 難しい → 換言前の平均 換言後の平均 難しい→易しいの平均 78 50 75 43 易しい 78 93 56 91 71 85 65 59 64 63 68 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 被験者1 被験者2 被験者3 被験者4 被験者5 換言後は、平均79%の文を小学生が理解することができる 平均64%の文は、換言後の方が難易度が下がっている
  • 14.
    妥当な換言ができない例 語義が複数ある場合 •要請 • 根本命題 • 人に、あることをしてほしいと要求する • 何かを得られるように求めること 一語で換言できない場合 • 就任:つくこと → (職に)つくこと • 無職:ないこと → (職が)ないこと
  • 15.
    今後の課題 1 •言語モデルに照らして適切な語義を選択 2 • 格フレームを用いて不可欠な格要素を付与 3 • 語ごとに適切な換言知識を選択
  • 16.
    小学生の読解支援に向けた 複数の換言知識を併用した語彙平易化と評価 大人向け語彙 発足 辞任 起訴 新聞年間総語彙数 約20万語 子ども向け語彙 始める やめる うったえる 学習基本語彙 5,404語 複数の換言知識 小学 国語辞典 シソーラス 国語辞典 換言による語彙制限 辞任の理由は 発表されていない やめることの理由は 発表されていない ・ 2000年の毎日新聞に頻出する難語の96%を学習基本語彙に換言 ・ 小学生の被験者が難語を含む新聞の79%を理解できるようになった