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ライセンス管理システムが死んだとき

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ライセンス管理システムが死んだとき

  1. 1. ライセンス管理システムが 死んだとき @silpheed_kt Keiichi Tanaka ssmonline #20 2022/2/24
  2. 2. 自己紹介 @silpheed_kt Keiichi Tanaka プログラマー / インフラエンジニア / ネットワークエンジニア Twitterは鍵垢です ライセンス管理システムが死んだとき ssmonline #20 2022/2/24
  3. 3. はじめに ・本LTは録音、録画、SNS投稿OKですが、「オフレコです」と前 置きする話があるかもしれません。 ・文字ばかりです。 ・こわくないです。 ライセンス管理システムが死んだとき ssmonline #20 2022/2/24
  4. 4. t.c. Electronic PowerCore(3回目) DSP(Digital Signal Processor) PCI、PCIe、Firewire接続の周辺機器(主にDTMで使用) PCに接続し専用ソフト(プラグイン)を起動することによりシンセサイザーや エフェクターをPCに負荷をかけることなく利用できる。 本体添付の機能+追加ライセンス購入で機能追加。 ライセンス情報はDSP本体に記録される。 追加ライセンスによる機能は時限式のトライアル版が動作。 期限はDSP本体に記録される(巻き戻し不可)。 ・「vssmjp」(2019/12/20) ・「DTMでわかるレガシー機器の運用保守」(ささみのほん5 2020/3/1) ライセンス管理システムが死んだとき ssmonline #20 2022/2/24
  5. 5. ここまでのあらすじ(1) PowerCoreの歴史(ざっくり) 2004年頃に登場 2011年に開発終了 2016~2017年頃まで非公式にドライバーが更新される 2017年12月にライセンスサーバ停止 2018年6月にネットオークションで落札 落札した個体は追加ライセンス付属だったがライセンス認証が解除されて いて、ライセンスサーバ停止後のため再認証できなかった。 どうしても欲しかった追加ライセンス Virus PowerCore (Access Music Virus(シンセサイザー)のPowerCore版) ライセンス管理システムが死んだとき ssmonline #20 2022/2/24
  6. 6. ここまでのあらすじ(2) ライセンスサーバが停止 =ライセンスの再認証ができない(記録できない) =ライセンス認証済みの個体を入手しなければいけない (※一部例外あり) ・オークション、フリマサイトでPowerCore本体を落札 ・ユーザーフォーラムに加入し情報収集 ライセンス管理システムが死んだとき ssmonline #20 2022/2/24
  7. 7. ここまでのあらすじ(3) Virus PowerCoreのライセンスは「Basic」「Full」の2種類 「Basic」…1台のDSP毎に1インスタンス起動できる 「Full」…1つのDSPコア毎に1インスタンス起動できる 例:4コアのDSPが1台の場合 「Basic」…1つだけ使える / 「Full」…4つ使える ※その他のプラグインはDSPのリソースの限り同時起動できる 「Full」はライセンスサーバで生成した(プラグインの)バイナリがないと動作 しない。 「ライセンスが記録されたDSP」+「専用バイナリ」を入手しないといけない。 ライセンス管理システムが死んだとき ssmonline #20 2022/2/24
  8. 8. 調達 「vssmjp」の頃:7台 「ささみのほん5」の頃:8台 Virusのライセンス:「Basic」が2台 →2台のPCに4台ずつ接続すれば、計8つのVirusが起動できる。 (公式にはPC1台あたり4台のPowerCoreを接続可能) その他のライセンスを「ガチャを回す」感覚で集め続ける。 「動作未確認」「ライセンス未確認」なPowerCoreを買い集めていくと、案外、 追加ライセンスが入っている個体が多い。 ライセンス管理システムが死んだとき ssmonline #20 2022/2/24
  9. 9. 調達(2) ある日、ユーザーフォーラムで、 「FullライセンスつきのPowerCore PCI mkII、400ユーロで買わない?」 ・32bit PCIカード(最近のPCではやや面倒、Firewire接続が人気の傾向) ・ちょっと相場よりは高め ・Windows版、Mac版の両方のバイナリつき 誰も買わないようなので「売って!」とDM。 フランスから国際小包で到着。 支払いはPayPal。 決済手数料分もオマケしたのでトータルで500ユーロくらいかかった。 ※65,000円くらい ライセンス管理システムが死んだとき ssmonline #20 2022/2/24
  10. 10. Finally cracked ! 「ガチャ」でほとんどのライセンスを揃え満足していたが、とうとうその時が やってきた。 PowerCoreのライセンスがクラックされて、ほぼ全部のライセンスが使える ようになった。 (一部サードパーティのものは別のライセンスシステムのため除く) Virus PowerCoreのFull版も、最終公開版(最新版)を自由に使える! ライセンス管理システムが死んだとき ssmonline #20 2022/2/24
  11. 11. にゃーん…? ライセンス管理システムが死んだとき ssmonline #20 2022/2/24 pro.foto https://pro-foto.jp/free/product_info.php/cPath/21_28_71/products_id/2859 より
  12. 12. Finally cracked ! (2) 別のライセンスシステムを用いていたものはcrack版が存在していたが、 PowerCore本体での認証を突破したものはなかった。 フェイク画像的なものや、PowerCore本体のフラッシュを書き換えたと称す るものが出ていたが、詳報はなかった。 (もともと、フォーラムでは、crackの話題は禁止されていた) →一瞬でフォーラムがcrackの話題一色になる。 ※crackはライセンス違反かつ違法です。 ・t.c. Electronicの所在地(ドイツ) ・Access Musicの所在地(デンマーク) ・EU の著作権法を確認 ライセンス管理システムが死んだとき ssmonline #20 2022/2/24
  13. 13. Crack後の変化 フォーラムの情報交換が活発になった(復活した)。 Crackそのものの情報はすぐに沈静化。 ・Macでの利用方法 32bitバイナリ+kext編集必須 ・各プラグインに関する質問 特にVirus PowerCoreはいろいろとややこしい ・PowerCoreのモデル毎の違い 初期モデルはDSPの動作クロックが低くいろいろとややこしい ・LAN経由での利用方法 AudioGridderやVEP等を利用した分散環境の作り方 ・中古相場上昇 相場が上がったことによりオークションサイトでたまに出品されるように ライセンス管理システムが死んだとき ssmonline #20 2022/2/24
  14. 14. Crack後の変化(2) 保守性の向上 手段を問わなければ、DSP本体の故障によるライセンス永久消失を回避で きるようになった。 (修理対応等も終了しているため、故障時は代替のDSPが必要) プラグインが(機能)使えない→その演算結果(音)が使えない いったん演算結果をオーディオ化して保存しておけば、音そのものは保全 できるが、編集性は大きく下がってしまう。 ※crackはライセンス違反かつ違法です(2回目)。 ※ライセンス違反や違法行為を推奨・助長する意図はありません。 ライセンス管理システムが死んだとき ssmonline #20 2022/2/24
  15. 15. 今後どうなるか 個人的な希望・願望としては、権利者(社)に明確な経済的損失を与えるこ となく、騒がず、どうかそっとしてほしい。 ・PowerCoreで使えるプラグインのほとんどにはいわゆるNative版(DSPな しで動作する後継バージョン)が存在する。 ・プラグインはDSPがないと動作しない=DSPを持っている人しかcrackを 利用できない (リモートでDSPを利用できるサーバをたてれば利用自体は可能だが…) ・プラグインのフォーマットが古い(32bitバイナリ、VST2)ためそれらが動作 する環境を維持しないと利用できない。 ↑crackのライセンス違反、違法性を否定するものではありません(3回目) ライセンス管理システムが死んだとき ssmonline #20 2022/2/24
  16. 16. 今後どうなるか(2) Virus PowerCoreには代替となるプラグインが存在しない。 (ProTools TDMプラグイン版は存在するがProTools専用) Virus PowerCoreはTI以前のClassicと呼ばれる仕様、かつ同時発音数等 の性能がハードウェア版のVirusより大きく劣る。 Access MusicがVirus TI2(2009年発売)の後継モデルを出さない。 MacではCatalina以降でUSB接続によるオーディオ伝送をサポートしていな い。 Virusに搭載されているDSPチップであるDSP56kファミリは2020年にEOL。 そもそもVirusって製品としては停滞してない? (しています) ライセンス管理システムが死んだとき ssmonline #20 2022/2/24
  17. 17. Yet another Virus ! DSP56300 Emulatorの出現 ・Virus B、Virus CのROMイメージを読み込むとPC、Mac、Linuxマシン上で Virus B、Cがそのまま動作(!) ・負荷はやや高め+不安定 ・音は同じに聴こえる(!) ・Virus PowerCoreよりUIが使いやすい(特に音色選択) 一般的な(例えばゲーム機等の)エミュレータと同様の問題 ・いわゆるROMイメージの取り扱い ※DSP56kファミリのEOLを機に公開したのでは、という雰囲気も感じられま す。 ライセンス管理システムが死んだとき ssmonline #20 2022/2/24
  18. 18. まとめ PowerCoreのサポートが終了したのは商業的理由だし仕方ない。 現状ではNGはどこまで行ってもNGだし、グレーはどこまで行ってもグレー。 大手を振るならホワイトで行く。 (私は計16台、62DSPのPowerCoreガチャを引いてほぼすべてのライセン スを入手しました) 現状をまず正とした上で(存在を認めた上で) NG、あるいはグレーに対する議論は必要ではないか。 (シンプルに著作権法をあてはめるだけではいろいろとつらい) ここまでまとめるのにめっちゃもやもやしました。 ライセンス管理システムが死んだとき ssmonline #20 2022/2/24
  19. 19. Virusの新モデル出して! photoAC https://www.photo-ac.com/main/detail/23028875 より にゃーん ライセンス管理システムが死んだとき ssmonline #20 2022/2/24
  20. 20. ご静聴ありがとうございました ライセンス管理システムが死んだとき ssmonline #20 2022/2/24

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