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オープンソースソフトウェア
のお話
@shunaoo
ITを支えるOSS(オープンソースソフトウェア)
様々なシステムでOSSが利用されている
OSSってそもそも何?どういう経緯でできたの?
そりゃソースが
オープンなんだろ
知らん
昔からあるやろ
多くの人
自由研究を聞く親御さんのような慈愛の気持ちで見てください
私について
犬が好き
セキュリティ
エンジニア
IT調べもの好き
Tryhackme
2020 日本人1位
〇×問題です。
① OSSは、必ず無料である
② OSSは、ソースコードをどんな形式でも、公開していればOK
③ OSSは、すべてボランティアで成り立っている
〇×問題です。すべて×です。
① OSSは、必ず無料である
→基本無料ですが、有料無料は強制してません。
② OSSは、ソースコードをどんな形式でも、公開していればOK
→難読化など、普通に読めないとダメ
③ OSSは、すべてボランティアで成り立っている
→企業として、自社のOSSを開発している場合もある
そもそも誰が決めているのか?歴史と一緒に見てみよう
時は1960年代 そこにはソフトウェアに値段はなかった
ハードウェアとソフトウェアは
一般的に切り離されて考えられていなかった。
ハード
ソフト
IBMのアンバンドリング政策により、流れが変わった
IBMは当時、コンピュータで独占的なシェア
IBMのアンバンドリング政策により、流れが変わった
ビジネスモデルとして、売るのではなく、
IBMのソフトを使いたいんだったら、IBMのハードと一緒に
レンタルしてねという包括レンタル方式を採用
ハード
ソフト
包括レンタル方式
まとめて
ヨロ!
包括レンタル方式
IBMのアンバンドリング政策により、流れが変わった
他社の参入障壁を高めているとして、
アメリカ司法省から独占禁止法に抵触していると怒られる
ダメです
アメリカ司法省
IBMのアンバンドリング政策により、流れが変わった
ソフトとハードの値段を別々にして、IBMのハードウェア以外も
使っていいよというアンバンドリング(分離)政策
ハード ソフト
別々に値段
をつけるよ
値段が
ついた!
ソフトウェアをお金になる知的財産として非公開にする流れに
このころから、ソフトウェアもお金になる知的財産という考えのもと、
ソフトウェアを公開しない、クローズドソースの考えが広まる
ソフト
ソフトは
非公開に
しよう
一方で、公開すべきだというハッカー文化があった
ソフトウェアは公開することで、多くの人が学習し、さらに良くして
いくべきだ、独占すべきではないという考えは昔からあった
ソフト
こんな柵は
いらない!
1980年代にフリーソフトウェアの運動が活発化
使用、学習、コピー、改変、再頒布を自由に行えるソフトウェア
が必要であると考え、それをフリーソフトウェアと名付ける
ソフト
フリーで
あるべきだ!
フリーソフトウェア
『フリー』ソフトウェアとしての4つのフリー
⓪どんな目的に対しても、プログラムを望むままに実行する自由
①プログラムがどのように動作しているか研究し、
必要に応じて改造する自由
②ほかの人を助けられるよう、コピーを再配布する自由
③改変した版を他に配布する自由
引用:https://www.gnu.org/philosophy/free-sw.ja.html#fs-definition
しかし、フリーソフトウェアにはいろいろ課題があった その①
フリーって
どういう意味?
無料ってこと
でしょ?
「フリー」という言葉が「無料」を意味すると勘違いされ、
企業から毛嫌いされていた
フリーソフトウェアはもともと「自由」の意味
しかし、フリーソフトウェアにはいろいろ課題があった その②
フリーソフトウェアの考えで作成されたライセンスに疑問を持つ声
がでてきた。あるライセンスでは、フリーソフトウェアを利用してでき
たソフトウェアに同じライセンスを強要する場合もあった。
ライセンス
フリーソフトウェア
派生ソフトウェア
派生ソフトウェア
ライセンス
うちのソフト利用するなら
同じライセンス使ってね
え?!
ソースコード公開しないといけないの?!
利用
利用
1990年後半にオープンソースという言葉が生まれる
ソフト
オープンな
だけじゃな
いよ!
オープンソフトウェア
OSI(Open Source Initiative)という組織ができ、
フリーソフトウェアのイメージを払拭すべく、
新たにオープンソースソフトウェアとして定義を公表
オープンソースソフトウェアの定義 v1.9 OSG-jpより
1.再頒布の自由
2.ソースコード
3.派生ソフトウェア
4.作者のソースコードの完全性
5.個人やグループに対する差別の禁止
6.利用する分野に対する差別の禁止
7.ライセンスの配分
8.特定製品でのみ有効なライセンスの禁止
9.他のソフトウェアを制限するライセンスの禁止
10.ライセンスは技術中立でなければならない
オープンソースソフトウェアの超意訳
1.再頒布の自由
2.ソースコード
3.派生ソフトウェア
4.作者のソースコードの完全性
5.個人やグループに対する差別の禁止
6.利用する分野に対する差別の禁止
7.ライセンスの配分
8.特定製品でのみ有効なライセンスの禁止
9.他のソフトウェアを制限するライセンスの禁止
10.ライセンスは技術中立でなければならない
紳士的に、変な制限
かけないでね
わかるように見せてね
利用する場合の自由を持たせてね
しかし、利用する際に一番大事なのはライセンス
フリーソフト
だよ!
オープン
だよ! ライセ
ンス
あー言ってるけど、
ライセンスは自由
じゃないな
ソフトウェアの主義主張はいろいろあれど、利用する際の権利は
すべてライセンスに記載されている。
利用する場合は必ず見る必要がある。
興味があれば、いろいろ調べてみてください。(参考資料)
✓オープンソースの教科書 -宮原 徹 (著), 姉崎 章博 (著)
✓たぶん45分くらいでわかる、オープンソースの世界 –河知 豊
https://www.slideshare.net/YutakaKachi/45-101
✓GNUについて
https://www.gnu.org/gnu/gnu.html
✓Open Source Initiative
https://opensource.org/
✓OSG-JP
https://opensource.jp/
オープンソースソフトウェア
のお話
~FIN~
@shunaoo

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