第69回 読書するエンジニアの会 （テーマ: 「はじまり」）で発表した資料。

1. はじめにことばありき
2014/4/19 読書するエンジニアの会#69
テーマ: 「はじまり」
白石俊平

2. 今日読んできた本
空と無我
仏教の言語観
(講談社現代新書)

3. ことばって不思議だなあ、
とこの数年。

4. 3年前

5. 「○○とはなんだ？」
に囚われた1年間。
善とは？
社会とは？
一歩も動けなかった。
→「考えるな、行動せよ。」を学んだ。

6. 行動してみた

7. いろんなものを０から生み出した
経験から学んだこと
→「言葉を作る」と、
「存在が生まれる」
• HTML5 Japan Cup
• <htmlday>
• 「(白石俊平と) カッコいいやつら」
• その他キャッチコピーいろいろ

8. 人間は、言葉で存在を認識する。
言葉が与えられるまで、
人間は存在を認識できない。
人は、名前の無いものを記憶できない

9. 逆に面白いことに、
「言葉がある」と、
「存在するかも」と思えてくる。

10. 例えば、神話上の動物を指す名前。
ユニコーン、ペガサス、ドラゴン...
ほんとはいないけれど、
「もしかすると…」というワクワク感。
例えば、"国境"という言葉。
地球に線など引かれていないのはみんな知ってる
けど、やはり、れっきとして存在する。

11. 例えば、"リア充","ノマド"...という新語。
言葉が発明されたことで、
存在が認識されるようになった。
でも別に、言葉の登場前後で
世界は何も変わってない。
例えば、"STAP細胞"。
「存在するかもしれない」という可能性が
まだ開かれている
（現時点では）

12. 「実在」と「存在」は違う。
存在は人間的な概念であり、
言語による認識とは切っても切り離せない。
しかし、人間にとって存在しようとしまいと、
世界はありのままにある（実在する）

13. 「神話上の動物」は実在するか？
「国境」は実在するか？
「リア充」は実在するか？
「STAP細胞」は実在するか？

14. あるけど、ない。
ないけど、ある。
→色即是空、空即是色

15. 「自我」だって、おなじ。
→「無我」。

16. 実在しないものに、囚われるな。
執着するな。
富、名声、幸福、愛、自我...
言葉はある。存在もしている。しかし実在はしない。
囚われるな。執着するな。
これが、ブッダの言いたかったことだと
解釈している。