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次世代量子情報技術 量子アニーリングが拓く新時代 -- 情報処理と物理学のハーモニー --

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2016年1月15日に開催された、RCO Study Night "RCOにおける機械学習と次世代量子情報処理「量子アニーリング」"にて使用したスライドについて、web 公開版用に修正を加えたものです。非専門家向けの講演です。
https://atnd.org/events/73404

こちらは、過去の私の量子アニーリングに関する研究スライドです。
http://www.slideshare.net/shu-t/qit32
http://www.slideshare.net/shu-t/uai2009-ktm-jpn
http://www.slideshare.net/shu-t/neurocomputing-121523slideshare

なお、画像は、pixabay.com等、コピーライトフリーのサイトに掲載されているものを用いました。

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次世代量子情報技術 量子アニーリングが拓く新時代 -- 情報処理と物理学のハーモニー --

  1. 1. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 次世代量子情報技術 量子アニーリングが拓く新時代 情報処理と物理学のハーモニー 早稲田大学高等研究所 田中 宗 本スライドは、2016/1/15に開催された、RCO Study Night RCOにおける機械学習と次世代量子情報処理技術「量子アニーリング」 にて使用したスライドについて、web 公開版用に修正を加えたものです。 画像は、pixabay.com等、コピーライトフリーのサイトに掲載されているものを用いました。
  2. 2. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 量子アニーリング:3つの疑問 2 量子アニーリングは何に使えるのか? 量子アニーリングとは何か? なぜ量子アニーリングか?
  3. 3. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 量子アニーリングは 何に使えるのか? 3
  4. 4. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 様々な分野への広がり 4 工場プラント・シフト計画 集積回路設計 医用画像読影技術 農業 工業 流通業 情報 膨大なデータが内在する、あらゆる場面 FinTech
  5. 5. ベストを見つけたい 組合せ最適化問題
  6. 6. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 二択問題 6 B問1: A B✔問2: A B問3: A B問4: A B✔問5: A B問6: A 最高得点 最小失点 ✔ ✔ ✔ ✔
  7. 7. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 二択問題 6 1問 B問1: A B✔問2: A B問3: A B問4: A B✔問5: A B問6: A 最高得点 最小失点 ✔ ✔ ✔ ✔
  8. 8. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 二択問題 6 1問 B✔問1: A B✔問1: A B問1: A B✔問2: A B問3: A B問4: A B✔問5: A B問6: A 最高得点 最小失点 ✔ ✔ ✔ ✔
  9. 9. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 二択問題 6 1問 B✔問1: A B✔問1: A 2問 B問1: A B✔問2: A B問3: A B問4: A B✔問5: A B問6: A 最高得点 最小失点 ✔ ✔ ✔ ✔
  10. 10. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 二択問題 6 1問 B✔問1: A B✔問1: A 2問 B✔問1: A B✔問1: A B✔問2: A B✔問2: A B✔問1: A B✔問1: A B✔問2: A B✔問2: A B問1: A B✔問2: A B問3: A B問4: A B✔問5: A B問6: A 最高得点 最小失点 ✔ ✔ ✔ ✔
  11. 11. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 二択問題 7 3問 B問1: A B✔問2: A B問3: A B問4: A B✔問5: A B問6: A 最高得点 最小失点 ✔ ✔ ✔ ✔
  12. 12. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 二択問題 7 3問 B✔問1: A B✔問1: A B✔問2: A B✔問2: A B✔問3: A B✔問3: A B✔問1: A B✔問1: A B✔問2: A B✔問2: A B✔問3: A B✔問3: A B✔問1: A B✔問1: A B✔問2: A B✔問2: A B✔問3: A B✔問3: A B✔問1: A B✔問1: A B✔問2: A B✔問2: A B✔問3: A B✔問3: A B問1: A B✔問2: A B問3: A B問4: A B✔問5: A B問6: A 最高得点 最小失点 ✔ ✔ ✔ ✔
  13. 13. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 二択問題 8 問題数 答えのパターン 1 21 =2 2 22 =2x2=4 3 23 =2x2x2=8 4 24 =2x2x2x2=16 10 210 =1,024 20 220 =1,048,576 30 230 =1,073,741,824 (10億) 40 240 ≒1,099,511,600,000 (1兆) B問1: A B✔問2: A B問3: A B問4: A B✔問5: A B問6: A 最高得点 最小失点 ✔ ✔ ✔ ✔
  14. 14. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 二択問題 8 問題数 答えのパターン 1 21 =2 2 22 =2x2=4 3 23 =2x2x2=8 4 24 =2x2x2x2=16 10 210 =1,024 20 220 =1,048,576 30 230 =1,073,741,824 (10億) 40 240 ≒1,099,511,600,000 (1兆) B問1: A B✔問2: A B問3: A B問4: A B✔問5: A B問6: A 最高得点 最小失点 ✔ ✔ ✔ ✔
  15. 15. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 二択問題 8 問題数 答えのパターン 1 21 =2 2 22 =2x2=4 3 23 =2x2x2=8 4 24 =2x2x2x2=16 10 210 =1,024 20 220 =1,048,576 30 230 =1,073,741,824 (10億) 40 240 ≒1,099,511,600,000 (1兆) B問1: A B✔問2: A B問3: A B問4: A B✔問5: A B問6: A 最高得点 最小失点 ✔ ✔ ✔ ✔
  16. 16. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 二択問題 8 問題数 答えのパターン 1 21 =2 2 22 =2x2=4 3 23 =2x2x2=8 4 24 =2x2x2x2=16 10 210 =1,024 20 220 =1,048,576 30 230 =1,073,741,824 (10億) 40 240 ≒1,099,511,600,000 (1兆) B問1: A B✔問2: A B問3: A B問4: A B✔問5: A B問6: A 最高得点 最小失点 ✔ ✔ ✔ ✔
  17. 17. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 二択問題 8 問題数 答えのパターン 1 21 =2 2 22 =2x2=4 3 23 =2x2x2=8 4 24 =2x2x2x2=16 10 210 =1,024 20 220 =1,048,576 30 230 =1,073,741,824 (10億) 40 240 ≒1,099,511,600,000 (1兆) B問1: A B✔問2: A B問3: A B問4: A B✔問5: A B問6: A 最高得点 最小失点 ✔ ✔ ✔ ✔
  18. 18. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 二択問題 9 問題数 答えのパターン スパコンを用いて 全問正解を求める のに要する時間 10 210 =1x103 (千) 10-13 秒  (10兆分の1秒) 20 220 =1x106 (百万) 10-10 秒 (100億分の1秒) 50 250 =1x1015 (百兆) 10-1 秒 100 2100 =1x1030 (百兆 百兆) 10,000,000 年
  19. 19. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 二択問題 9 問題数 答えのパターン スパコンを用いて 全問正解を求める のに要する時間 10 210 =1x103 (千) 10-13 秒  (10兆分の1秒) 20 220 =1x106 (百万) 10-10 秒 (100億分の1秒) 50 250 =1x1015 (百兆) 10-1 秒 100 2100 =1x1030 (百兆 百兆) 10,000,000 年
  20. 20. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 二択問題 9 問題数 答えのパターン スパコンを用いて 全問正解を求める のに要する時間 10 210 =1x103 (千) 10-13 秒  (10兆分の1秒) 20 220 =1x106 (百万) 10-10 秒 (100億分の1秒) 50 250 =1x1015 (百兆) 10-1 秒 100 2100 =1x1030 (百兆 百兆) 10,000,000 年
  21. 21. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 二択問題 9 問題数 答えのパターン スパコンを用いて 全問正解を求める のに要する時間 10 210 =1x103 (千) 10-13 秒  (10兆分の1秒) 20 220 =1x106 (百万) 10-10 秒 (100億分の1秒) 50 250 =1x1015 (百兆) 10-1 秒 100 2100 =1x1030 (百兆 百兆) 10,000,000 年
  22. 22. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 二択問題 9 問題数 答えのパターン スパコンを用いて 全問正解を求める のに要する時間 10 210 =1x103 (千) 10-13 秒  (10兆分の1秒) 20 220 =1x106 (百万) 10-10 秒 (100億分の1秒) 50 250 =1x1015 (百兆) 10-1 秒 100 2100 =1x1030 (百兆 百兆) 10,000,000 年
  23. 23. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 巡回セールスマン問題 10 それぞれの場所に一度だけ訪ねる 全ての場所を訪ねる かかるコストを最小にする   (時間、ガソリン代……) 全てのパターンのコストを計算したうえで、 ベストなルートを探索する 訪ねる場所が少ない: 簡単 訪ねる場所が多い: 困難 例) 多くのコンビニに商品を配送するルート   多くの人に郵便物を配送するルート
  24. 24. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 巡回セールスマン問題 11 4ヶ所を訪ねるとき
  25. 25. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 巡回セールスマン問題 11 4ヶ所を訪ねるとき 全てを調べたうえで、ベストな解を求めるのは簡単
  26. 26. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 巡回セールスマン問題 12 20ヶ所を訪ねるとき ?
  27. 27. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 巡回セールスマン問題 12 20ヶ所を訪ねるとき 600兆 通り
  28. 28. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 巡回セールスマン問題 13 訪ねる場所の数 答えのパターン スパコンを用いて ベストな解を求める のに要する時間 5 12 10-15 秒 10 2x105 (20万) 10-11 秒 20 6x1016 (6京) 6 秒 30 4x1030 (200兆 200兆) 10,000,000 年
  29. 29. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 組合せ最適化問題 14 x = argminxf(x) x = (x1, · · · , xN ) 離散変数を引数とする実数関数が最小値を取る条件を見つける。 x y : コスト関数 y = f(x) x 最小
  30. 30. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 組合せ最適化問題 15 答えのパターン 計算時間 問題のサイズ x = argminxf(x) x = (x1, · · · , xN ) 離散変数を引数とする実数関数が最小値を取る条件を見つける。
  31. 31. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 組合せ最適化問題 15 爆発的増加 答えのパターン 計算時間 問題のサイズ x = argminxf(x) x = (x1, · · · , xN ) 離散変数を引数とする実数関数が最小値を取る条件を見つける。 組合せ爆発
  32. 32. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 様々な分野への広がり 16 工場プラント・シフト計画 集積回路設計 医用画像読影技術 農業 工業 流通業 情報 膨大なデータが内在する、あらゆる場面 FinTech
  33. 33. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 量子アニーリング:3つの疑問 17 量子アニーリングは何に使えるのか? 量子アニーリングとは何か? なぜ量子アニーリングか?
  34. 34. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 量子アニーリングとは何か? 18
  35. 35. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 最先端量子情報テクノロジー 量子アニーリング 19
  36. 36. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 最先端量子情報テクノロジー 量子アニーリング 19 自己組織化 プログラミング不要 問題を与えれば、 自然に答えが出力 Photo by (c) Tomo.Yun http://www.yunphoto.net
  37. 37. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 最先端量子情報テクノロジー 量子アニーリング 19 統計力学理論 組合せ最適化問題に おいて、膨大なデー タ処理の理論基盤 自己組織化 プログラミング不要 問題を与えれば、 自然に答えが出力 Photo by (c) Tomo.Yun http://www.yunphoto.net
  38. 38. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 最先端量子情報テクノロジー 量子アニーリング 19 01量子並列性 大量の情報を 一度に並列処理可能 統計力学理論 組合せ最適化問題に おいて、膨大なデー タ処理の理論基盤 自己組織化 プログラミング不要 問題を与えれば、 自然に答えが出力 Photo by (c) Tomo.Yun http://www.yunphoto.net
  39. 39. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 最先端量子情報テクノロジー 量子アニーリング 19 01量子並列性 大量の情報を 一度に並列処理可能 統計力学理論 組合せ最適化問題に おいて、膨大なデー タ処理の理論基盤 自己組織化 プログラミング不要 問題を与えれば、 自然に答えが出力 Photo by (c) Tomo.Yun http://www.yunphoto.net
  40. 40. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 最先端量子情報テクノロジー 量子アニーリング 19 01量子並列性 大量の情報を 一度に並列処理可能 統計力学理論 組合せ最適化問題に おいて、膨大なデー タ処理の理論基盤 1998年 東工大の門脇・西森による 理論的提案 自己組織化 プログラミング不要 問題を与えれば、 自然に答えが出力 Photo by (c) Tomo.Yun http://www.yunphoto.net
  41. 41. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 最先端量子情報テクノロジー 量子アニーリング 19 01量子並列性 大量の情報を 一度に並列処理可能 統計力学理論 組合せ最適化問題に おいて、膨大なデー タ処理の理論基盤 1998年 東工大の門脇・西森による 理論的提案 2011年 カナダのベンチャー企業 D-Wave Systems に よる世界初 商用量子コンピュータ 自己組織化 プログラミング不要 問題を与えれば、 自然に答えが出力 Photo by (c) Tomo.Yun http://www.yunphoto.net
  42. 42. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 最先端量子情報テクノロジー 量子アニーリング 19 01量子並列性 大量の情報を 一度に並列処理可能 統計力学理論 組合せ最適化問題に おいて、膨大なデー タ処理の理論基盤 1998年 東工大の門脇・西森による 理論的提案 2011年 カナダのベンチャー企業 D-Wave Systems に よる世界初 商用量子コンピュータ 日本の超伝導エレクトロニクス 分野の技術の結晶 自己組織化 プログラミング不要 問題を与えれば、 自然に答えが出力 Photo by (c) Tomo.Yun http://www.yunphoto.net
  43. 43. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 最先端量子情報テクノロジー 量子アニーリング 19 01量子並列性 大量の情報を 一度に並列処理可能 統計力学理論 組合せ最適化問題に おいて、膨大なデー タ処理の理論基盤 1998年 東工大の門脇・西森による 理論的提案 2011年 カナダのベンチャー企業 D-Wave Systems に よる世界初 商用量子コンピュータ 128ビット 日本の超伝導エレクトロニクス 分野の技術の結晶 自己組織化 プログラミング不要 問題を与えれば、 自然に答えが出力 Photo by (c) Tomo.Yun http://www.yunphoto.net
  44. 44. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 最先端量子情報テクノロジー 量子アニーリング 19 01量子並列性 大量の情報を 一度に並列処理可能 統計力学理論 組合せ最適化問題に おいて、膨大なデー タ処理の理論基盤 1998年 東工大の門脇・西森による 理論的提案 2011年 カナダのベンチャー企業 D-Wave Systems に よる世界初 商用量子コンピュータ 128ビット 2013年 512ビット 日本の超伝導エレクトロニクス 分野の技術の結晶 自己組織化 プログラミング不要 問題を与えれば、 自然に答えが出力 Photo by (c) Tomo.Yun http://www.yunphoto.net
  45. 45. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 最先端量子情報テクノロジー 量子アニーリング 19 01量子並列性 大量の情報を 一度に並列処理可能 統計力学理論 組合せ最適化問題に おいて、膨大なデー タ処理の理論基盤 1998年 東工大の門脇・西森による 理論的提案 2011年 カナダのベンチャー企業 D-Wave Systems に よる世界初 商用量子コンピュータ 128ビット 2013年 512ビット 2015年 1000+ ビット 日本の超伝導エレクトロニクス 分野の技術の結晶 自己組織化 プログラミング不要 問題を与えれば、 自然に答えが出力 Photo by (c) Tomo.Yun http://www.yunphoto.net
  46. 46. 自然現象は、計算 ナチュラルコンピューティング
  47. 47. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 自然現象を記述する言語、物理学 21 ニュートンの運動方程式 ma = F 運動方程式を解くと、 システムの振る舞いが予言できる。
  48. 48. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 自然現象は、計算 22 ma = F ニュートンの運動方程式 システムの振る舞いが、 運動方程式の答えになっている。
  49. 49. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 組合せ最適化問題 23 x = argminxf(x) x = (x1, · · · , xN ) 離散変数を引数とする実数関数が最小値を取る条件を見つける。 x y : コスト関数 y = f(x) x 最小
  50. 50. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 自然現象は、計算 24 最小作用の原理(物理学) 力学 力学運動は、 作用と呼ばれる関数の 最小値を取る軌道 波動光学 光路最小条件を満たす ところに光線が伝搬。 屈折、干渉現象 自然現象から 着想を得て、 計算の飛躍的 発展を狙う x = argminxf(x) x = (x1, · · · , xN ) 離散変数を引数とする実数関数が最小値を取る条件を見つける。
  51. 51. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) ナチュラルコンピューティング 25 Atsushi Tero et al. (2010). 自然界のシステムを用いて、ベストな 答えを探しだす。 粘菌コンピュータ L.Adleman et al. (1994) DNAコンピュータ
  52. 52. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 組合せ最適化問題 26 x = argminxf(x) x = (x1, · · · , xN ) 離散変数を引数とする実数関数が最小値を取る条件を見つける。 x y : コスト関数 y = f(x) x 最小
  53. 53. どんどん下に向かう、という戦略
  54. 54. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) ただ下げるだけでは、失敗する 28 ベストな答えは見つからない x y : コスト関数 y = f(x) x 最小
  55. 55. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 上がるプロセスも、必要 29 x y y = f(x) x どのように実現するか? : コスト関数 最小
  56. 56. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 熱による、ゆらぎ 30 低温 高温温度
  57. 57. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) アニーリング(徐冷) 31 合金における熱効果 安定な状態 ランダムな状態 アニーリング 低温 高温温度
  58. 58. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 熱ゆらぎを用いた方法 32 x y y = f(x) x 熱効果 : コスト関数 最小 ベストな答えが見つかる
  59. 59. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 最先端量子情報テクノロジー 量子アニーリング 33 01量子並列性 大量の情報を 一度に並列処理可能 統計力学理論 組合せ最適化問題に おいて、膨大なデー タ処理の理論基盤 1998年 2011年 2013年 2015年 東工大の門脇・西森による 理論的提案 カナダのベンチャー企業 D-Wave Systems に よる世界初 商用量子コンピュータ 128ビット 512ビット 1000+ ビット 日本の超伝導エレクトロニクス 分野の技術の結晶 自己組織化 プログラミング不要 問題を与えれば、 自然に答えが出力 Photo by (c) Tomo.Yun http://www.yunphoto.net
  60. 60. イジングモデル 情報処理と物理学の夢の架け橋
  61. 61. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) イジングモデル 35 組合せ最適化問題の最適解 = イジングモデルの基底状態 Hopt. = i,j Jij z i z j i hi z i z i = ±1 イジングモデル ✔ 組合せ最適化問題のハミルトニアン ✔ 基底状態を求めることは困難(組合せ爆発) スピン(ビット)間 相互作用 磁場(強制力) 様々な分野に、応用展開可能
  62. 62. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) イジングモデル 36 磁石 電子の自由度であるスピンが相互作用しあい、スピンの 向きが うことにより、磁石の性質(くっつく)を持つ。 1cm3四方に、アボガドロ数(1023個)の電子が存在 熱すると、磁石の性質を失う(相転移)。 膨大な個数の要素間の相互作用により駆動される現象を取り扱う 最もシンプルな統計力学模型 イジングモデル H = i,j Jij z i z j i hi z i z i = ±1
  63. 63. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) イジングモデル 37 膨大な個数の要素間の相互作用により駆動される現象を取り扱う 最もシンプルな統計力学模型 H = i,j Jij z i z j i hi z i z i = ±1 スピン間の相互作用 スピンに働く磁場 Jij > 0 Jij < 0     :強磁性的相互作用 隣り合うスピンが同じ向きになる hi > 0: となる     :反強磁性的相互作用 隣り合うスピンが反対向きになる z i = +1 hi < 0: となる z i = 1 J > 0 J > 0 J < 0 J < 0 h > 0 h < 0 相互作用によるエネルギー利得 磁場によるエネルギー利得
  64. 64. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) イジングモデル 38 基底状態(最もエネルギーが低い、安定状態)を求めたい H = i,j Jij z i z j i hi z i z i = ±1 スピン間の相互作用 スピンに働く磁場 強磁性体 反強磁性体 ランダム磁性体 基底状態を 求めること は困難 Jij > 0 Jij < 0     :強磁性的相互作用 隣り合うスピンが同じ向きになる hi > 0: となる     :反強磁性的相互作用 隣り合うスピンが反対向きになる z i = +1 hi < 0: となる z i = 1
  65. 65. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) イジングモデル 39 フラストレーション(競合)により、問題が難しくなる H = i,j Jij z i z j i hi z i z i = ±1 スピン間の相互作用 スピンに働く磁場 Jij > 0 Jij < 0     :強磁性的相互作用 隣り合うスピンが同じ向きになる hi > 0: となる     :反強磁性的相互作用 隣り合うスピンが反対向きになる z i = +1 hi < 0: となる z i = 1 J < 0J < 0 J < 0 J < 0 J < 0 J < 0 J > 0 相互作用の競合(フラストレーション) 磁場の競合(フラストレーション) J > 0 h > 0 h < 0
  66. 66. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) イジングモデル 40 組合せ最適化問題の最適解 = イジングモデルの基底状態 Hopt. = i,j Jij z i z j i hi z i z i = ±1 イジングモデル ✔ 組合せ最適化問題のハミルトニアン ✔ 基底状態を求めることは困難(組合せ爆発) スピン(ビット)間 相互作用 磁場(強制力) 様々な分野に、応用展開可能 イジングモデルの基底状態ソルバー開発が重要
  67. 67. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 日本発のイジングモデル専用機 41 山岡ほか、 日立評論 Vol. 98, No. 06-07, 406-407, イノベイティブR&Dレポート pp. 84-89 (2015) 国立情報学研究所 山本・宇都宮研究グループ web サイト等 https://qistokyo.wordpress.com/research/coherent-ising-machine/ イジングモデルを人工的に作り、 組合せ最適化問題を解く。 CMOSアニーリング DNAコンピュータ
  68. 68. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 上がるプロセスも、必要 42 x y y = f(x) x : コスト関数 最小 熱効果 ベストな答えが見つかる
  69. 69. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 組合せ最適化問題の解き方 43
  70. 70. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 組合せ最適化問題の解き方 43 解きたい 組合せ最適化問題
  71. 71. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 組合せ最適化問題の解き方 43 イジングモデルへ マッピング Hopt. = i,j Jij z i z j i hi z i z i = ±1 解きたい 組合せ最適化問題 ナチュラルコンピューティングを 使うための共通部分
  72. 72. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 組合せ最適化問題の解き方 43 イジングモデルへ マッピング Hopt. = i,j Jij z i z j i hi z i z i = ±1 温度をゼロまで下げる 温度 時間 ランダム初期状態 安定状態 自己組織化 解きたい 組合せ最適化問題 ナチュラルコンピューティングを 使うための共通部分 シミュレーテッド アニーリング S. Kirkpatrick, C. D. Gelatt, and M. P. Vecchi, (1983).
  73. 73. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 最先端量子情報テクノロジー 量子アニーリング 44 01量子並列性 大量の情報を 一度に並列処理可能 統計力学理論 組合せ最適化問題に おいて、膨大なデー タ処理の理論基盤 1998年 2011年 2013年 2015年 東工大の門脇・西森による 理論的提案 カナダのベンチャー企業 D-Wave Systems に よる世界初 商用量子コンピュータ 128ビット 512ビット 1000+ ビット 日本の超伝導エレクトロニクス 分野の技術の結晶 自己組織化 プログラミング不要 問題を与えれば、 自然に答えが出力 Photo by (c) Tomo.Yun http://www.yunphoto.net
  74. 74. 量子の時代
  75. 75. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 物理学とテクノロジーの歴史 46 16世紀∼ 光学 17世紀∼ 力学 18世紀∼ 電磁気学 19世紀∼ 熱力学 20世紀∼ 量子力学
  76. 76. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 自然界の2つのゆらぎ 47 熱効果による、ゆらぎ 熱アニーリング シミュレーテッドアニーリング 温度 安定な状態 ランダムな状態 S. Kirkpatrick, C. D. Gelatt, and M. P.Vecchi (1983).
  77. 77. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 自然界の2つのゆらぎ 47 熱効果による、ゆらぎ 熱アニーリング シミュレーテッドアニーリング 温度 安定な状態 ランダムな状態 量子効果による、ゆらぎ 量子アニーリング ? Kadowaki and Nishimori (1998).S. Kirkpatrick, C. D. Gelatt, and M. P.Vecchi (1983).
  78. 78. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 自然界の2つのゆらぎ 48 ABAA 熱ゆらぎによる、ランダムな答え (AまたはB) B問1: A B✔問2: A B問3: A B問4: A ✔ ✔ ✔
  79. 79. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 自然界の2つのゆらぎ 48 ABAA 熱ゆらぎによる、ランダムな答え (AまたはB) B問1: A B✔問2: A B問3: A B問4: A ✔ ✔ ✔ BBBB ✔ AAAA 量子ゆらぎによる、重ねあわせの答え (AでありBでもある) B問1: A B問2: A B問3: A B問4: A ✔ ✔ ✔ ✔ ✔ ✔ ✔
  80. 80. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 量子ゆらぎによる、重ねあわせ 49 AAAA BAAA ABAA BBAA AABA BABA ABBA BBBA AAAB BAAB ABAB BBAB AABB BABB ABBB BBBB BBBB ✔ AAAA B問1: A B問2: A B問3: A B問4: A ✔ ✔ ✔ ✔ ✔ ✔ ✔
  81. 81. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 自然界の2つのゆらぎ 50 熱効果による、ゆらぎ 熱アニーリング シミュレーテッドアニーリング 温度 安定な状態 ランダムな状態 量子効果による、ゆらぎ 量子アニーリング Kadowaki and Nishimori (1998).S. Kirkpatrick, C. D. Gelatt, and M. P.Vecchi (1983). BBBBAAAA
  82. 82. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 組合せ最適化問題の解き方 51 解きたい 組合せ最適化問題 イジングモデルへ マッピング Hopt. = i,j Jij z i z j i hi z i z i = ±1 量子アニーリングナチュラルコンピューティングを 使うための共通部分 T. Kadowaki and H. Nishimori (1998) T. Kadowaki, Ph. D thesis (quant-ph/0205020) 量子揺らぎをゼロまで下 げる 時間 量子重ねあわせ 状態 安定状態 自己組織化量 子 揺 ら ぎ
  83. 83. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 組合せ最適化問題の解き方 52 解きたい 組合せ最適化問題 イジングモデルへ マッピング Hopt. = i,j Jij z i z j i hi z i z i = ±1 温度をゼロまで下げる 温度 時間 ランダム初期状態 安定状態 自己組織化 シミュレーテッド アニーリング ナチュラルコンピューティングを 使うための共通部分 S. Kirkpatrick, C. D. Gelatt, and M. P. Vecchi, (1983).
  84. 84. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 組合せ最適化問題の解き方 53 解きたい 組合せ最適化問題 イジングモデルへ マッピング Hopt. = i,j Jij z i z j i hi z i z i = ±1 量子アニーリングナチュラルコンピューティングを 使うための共通部分 T. Kadowaki and H. Nishimori (1998) T. Kadowaki, Ph. D thesis (quant-ph/0205020) 量子揺らぎをゼロまで下 げる 時間 量子重ねあわせ 状態 安定状態 自己組織化量 子 揺 ら ぎ
  85. 85. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 門脇博士・西森教授の論文 (1998) 54 h/J = 0.1 N = 8(t) i x iH = i,j Jij z i z j h i z i 量子効果を反映させた物理系のダイナミクスを シミュレーション (Schrödinger 方程式) T. Kadowaki and H. Nishimori (1998) 温度を下げた場合(SA; マスター方程式) と、横磁場を弱めた場合 (QA; Schrödinger 方程式)について比較。 同じスケジュール関数を使った場合、 QAの方が基底状態を得られる確率が 高いという結果。
  86. 86. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 門脇博士の学位論文 (1998,東工大) 55 T. Kadowaki, Ph. D thesis (quant-ph/0205020) 量子効果を反映させた物理系のダイナミクスを シミュレーション (量子モンテカルロ法) 16都市の巡回セールスマン問題を何パターンか実行 モンテカルロ法を用いたSAと量子モンテカルロ法を用い たQAとで比較。  同じスケジュール関数の場合、同じ時間で基底状態を  得られる確率は、QAの方が高い。  同じスケジュール関数の場合、同じ時間で得られる  巡回セールスマン問題のコスト関数値は、QAの方が  低い。
  87. 87. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 量子アニーリング:3つの疑問 56 量子アニーリングは何に使えるのか? 量子アニーリングとは何か? なぜ量子アニーリングか?
  88. 88. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) なぜ量子アニーリングか? 57
  89. 89. 1億倍 速い計算 1ヶ月前のGoogle社のニュース
  90. 90. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 最先端量子情報テクノロジー 量子アニーリング 59 01量子並列性 大量の情報を 一度に並列処理可能 統計力学理論 組合せ最適化問題に おいて、膨大なデー タ処理の理論基盤 1998年 2011年 2013年 2015年 東工大の門脇・西森による 理論的提案 カナダのベンチャー企業 D-Wave Systems に よる世界初 商用量子コンピュータ 128ビット 512ビット 1000+ ビット 日本の超伝導エレクトロニクス 分野の技術の結晶 自己組織化 プログラミング不要 問題を与えれば、 自然に答えが出力 Photo by (c) Tomo.Yun http://www.yunphoto.net
  91. 91. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 1億倍速い計算 60 V. S. Denchev et al. (Google group), arXiv:1512.02206 2015年12月、Googleの研究者グループによる What is the Computational Value of Finite Range Tunneling? という 題目の論文が発表された。 945ビットで表現できる、ある組合せ最適化問題に対し、SAで50%の正解を 得るために要する計算時間に比べ、D-Waveで50%の正解を得るために要する 計算時間は1億倍短縮された。という報告である。 これはインパクトのある例の提示ではあるが、一方、D-Waveが得意とする問 題に対する結果であり、常に1億倍となるわけでもない。 更に、QMCによるQAと、問題サイズに対する計算時間の傾きが同程度であ り、量子スピードアップとは言えない現象である。 また、1000ビットで表現できる組合せ最適化問題は非常に小さい。 例) D-Wave で巡回セールスマン問題を解くとすると、30+都市程度
  92. 92. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) D-Wave の代表的数値 61 10億円/台 1nT まで減磁 地磁場の5万分の1 20mK まで冷却 宇宙一冷たい場所 12kW の消費電力 1000+ 量子ビット 1.7fW=1.7x10-14W:演算回路の消費電力 スパコン:10MWオーダー、一般家庭消費電力:400W
  93. 93. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) D-Wave の内部構造 62 磁束量子パラメトロン(QFP)で磁束量子磁場の増幅 超伝導量子干渉計(dc SQUID)で磁束量子磁場の観測 日本発の超伝導エレクトロニクス技術の結晶 高い制御性を持つ超伝導磁束量子ビット D-Wave Systems Inc. webサイトより
  94. 94. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 5年前の北米の動向 63 航空経路の制御、ロボット工学、宇宙ステーション内実験スケジュール最適化・ 画像融合(データ認識) 等 D-Wave 購入組織と使用用途 Web検索システム、まばたき認識(Google Glass)、顔認識・音声認識・ タンパク質折りたたみ最適構造検出 航空機プログラム(106+行)のバグ検出、 大規模複雑システムの動作検証のコスト削減、新薬創出 NASA Google Lockheed Martin
  95. 95. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 最近の海外の動向 64 量子情報処理デバイスやアルゴリズム開発に 本格参入・投資・期待する主要な企業 D-Wave Systems Airbus Alibaba Google IBM Intel Lockheed Martin Microsoft FinTech CME group Goldman sachs Guggenheim Partners The Royal Bank of Scotland plc 量子情報処理デバイスやアルゴリズム開発に 関する海外の大型国家プロジェクト アメリカ(DARPA, IARPA)、オランダ、オーストラリア、中国
  96. 96. 量子アニーリングが 拓く未来
  97. 97. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 多様な使いみちのある技術へ 66 短期的目標
  98. 98. 2016/1/15 (金) RCO Study Night 田中 宗 (早稲田大学 高等研究所) 無意識に使っている技術へ 67 長期的目標?
  99. 99. 量子アニーリングは未開の地
  100. 100. 量子アニーリングが秘める 無限の可能性 これからも、量子アニーリングの研究開発を進めてまいります

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