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GISA学術研究発表Web大会 新型インフルエンザ流行時における学校閉鎖措置の時空間的パターン: 2009-2010年シーズンの茨城県における公立小中学校の学校閉鎖措置に注目して

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GISA学術研究発表Web大会 新型インフルエンザ流行時における学校閉鎖措置の時空間的パターン: 2009-2010年シーズンの茨城県における公立小中学校の学校閉鎖措置に注目して

  1. 1. 新型インフルエンザ流行時における 学校閉鎖措置の時空間的パターン 2009-2010年シーズンの茨城県における 公立小中学校の学校閉鎖措置に注目して 永田彰平 立命館大学大学院文学研究科地理学専修 中谷友樹 立命館大学文学部 地理情報システム学会 2013年GISA学術研究発表WEB大会
  2. 2. 研究目的 インフルエンザ流行について空間分析を行った先行研究 • 近年ではその多くが演繹的なモデル分析研究 • 空間的パターンを経験的に分析した研究に乏しい 閉鎖措置データの意義 + • 公立小・中学校数 >> サーベイランス定点医療機関数 • 新型インフルエンザ流行シーズンのインフルエンザ受診患者数推計 の約半数が小中学生 茨城県における小中学校の閉鎖措置データに基づき、新型イン フルエンザ流行の空間的パターンの検出と、そのパターンを規定 する要因を、空間データ解析の手法を通して検討する。
  3. 3. 研究資料 • 茨城県保健福祉保健予防課・茨城県感染症情報センター 発表「茨城県インフルエンザ様疾患による学級閉鎖等の 措置について」  各学校の閉鎖開始時期、閉鎖回数の把握 • 学校ポイントデータ(JPS)+全国学校総覧2010年版  当該シーズンの生徒数を属性に持つ各学校のGISデー タを整備 • 平成22年国勢調査、国土数値情報:小学校区  国勢調査の小地域データを小学校区ポリゴンに空間結 合し、各学校区の人口等属性を推計
  4. 4. 公立小中学校の分布と閉鎖措置 回 600 500 400 300 小学校 200 中学校 100 0 閉鎖措置実施回数の推移 (第1週:9月1日~) • 茨城県内の閉鎖措置実施校数:781校 (96.2%)(小:552校、中:229校) • 対象学校数:732校(小:516校、中:216校) 国土数値情報が未整備の古河市・坂東市を除外 • 対象期間:2009年9月1日から2010年3月13日 (報告書記載の最終日) • 1学級に2人以上のインフルエンザ罹患者が発 生した時点で閉鎖措置を実施
  5. 5. 分析指標 • 流行開始時期  閉鎖措置を初めて実施した日(初回閉鎖措置実施日)をもって把 握(2009年9月1日から当該の日までの日数によって定義) • 流行規模  2009年9月1日から2010年3月13日までの閉鎖措置実施回数によっ て把握 160 140 120 100 80 60 40 20 0 37 33 - 36 29 - 32 25 - 28 21 - 24 17 - 20 13 - 16 9 - 12 5-8 -4 141 - 150 121 - 130 101 - 110 81 - 90 61 - 70 41 - 50 21 - 30 - 10 流行開始時期のヒストグラム 300 250 200 150 100 50 0 平均値:52.90 流行規模のヒストグラム 標準偏差:22.38 平均値:8.53 標準偏差:5.99
  6. 6. 分析方法 Iグローバルおよびローカル 空間的自己相関指標 MORAN’S I  各指標の空間的集積性の検出 I 統計量は-1から1の値をとり、-1に近 いほど分散、1に近いほどクラスタ化 していることを示す
  7. 7. 分析方法 II 空間回帰分析  評価指標の学校間の差に影響を与える学校規模 及び地理的要因の検討
  8. 8. 近隣小中学校の初回閉鎖措置実施日 分析結果 I ローカル・モラン(初回閉鎖措置実施日) I 統計量= 0.2051 p値 < 0.001 Low - High High - High Low - Low High - Low 初回閉鎖措置実施日 有意なLow-Lowの集積 →流行開始時期が早い学校 の地理的な集積 初回閉鎖措置実施日のローカル・モランI 分布図(有意水準5%)
  9. 9. 分析結果 II ローカル・モラン(閉鎖措置実施回数) 近隣小中学校の閉鎖措置実施回数 I 統計量= 0.3130 p値 < 0.001 Low - High High - High Low - Low High - Low 閉鎖措置実施回数 有意なHigh-Highの集積 →閉鎖措置実施回数の多い 学校の地理的な集積 閉鎖措置実施回数のローカル・モランI 分布図(有意水準5%)
  10. 10. 空間回帰分析の説明変数 • インフルエンザの地域的流行推移  地域内および地域間でのヒト同士の接触頻度によって規定 • ローカル・モランI 統計量の結果  流行推移と都市規模、鉄道路線との関係を示唆(中部から北 東部にかけての流行パターンの連動) 選定された説明変数 説明変数 選定理由 学校の立地密度 学校が立地する場所の都市規模を表す変数 生徒数 学校内での生徒同士の接触頻度を表す変数 学校区の人口密度 日常生活圏内での接触頻度を表す変数 学校区の14歳以下人口割合 流行の中心となった年齢同士の接触頻度を表す変数 最近隣の駅までの距離 他地域の人との接触頻度や学校区の中心性を表す変数 中学校(ダミー変数) 小中学校で流行パターンが異なることが予想される
  11. 11. 空間回帰分析結果 I (従属変数:初回閉鎖措置実施日) 係数 (Intercept) 83.4737 -26.4940 学校の立地密度 -0.0375 生徒数 -75.8090 学校区の14歳以下人口割合 -7.4600 中学校 ρ 0.1963 n = 732, R-squared = 0.33, AIC = 6353.99 標準誤差 3.54 7.10 0.00 30.08 1.40 0.04 t値 23.61 -3.73 -8.32 -2.52 -5.35 5.17 p値 < 0.001 < 0.001 < 0.001 0.012 < 0.001 < 0.001 ρは自己回帰成分の係数 • 学校の立地密度が有意に影響している  学校区規模の流行においても都市階層効果の存在が認められる • 小学校よりも中学校で流行開始が早くなる傾向にある  小学生と比べて中学生で日常生活圏が広く、他校生や広域を 移動する成人との接触頻度が多くなることが要因
  12. 12. 空間回帰分析結果 II (従属変数:閉鎖措置実施回数) 係数 (Intercept) 生徒数 最近隣の駅までの距離 初回閉鎖措置実施日 中学校 ρ 5.1939 0.0198 -0.0001 -0.0359 -1.9946 0.2154 n = 732, R-squared = 0.62, AIC = 4004.45 標準誤差 t値 0.64 0.00 0.00 0.01 0.28 0.04 8.11 23.80 -2.27 -4.90 -7.10 5.74 p値 < 0.001 < 0.001 0.023 < 0.001 < 0.001 < 0.001 ρは自己回帰成分の係数 • 最近隣の駅までの距離が流行規模に影響  地域外との接触機会が、継続した流行発生に寄与している • 早期の流行開始が流行規模の拡大に寄与する傾向  流行初期における流行抑制(積極的臨時休業の実施等)の 重要性が示唆される
  13. 13. 結論 新型インフルエンザ流行時の 小中学校閉鎖措置の空間パターン • 学校を単位とした新型インフルエンザ流行の開始時期およ び規模の両指標には明確な地域的傾向が確認された。学校 の閉鎖措置データによって、流行推移の詳細な地域性が把 握できることが改めて確かめられた。 • 地理的な流行パターンには都市規模や地域間の人的交流頻 度と関連する指標が有意に関連し、階層的・近接的な流行 伝播が機能していることが推察された。 • ただし、回帰モデルによる説明力は必ずしも高くはなく、 実際に観測された流行の地理的な連動性を説明する新たな 地理的指標の探索や提案、さらには学校閉鎖措置と流行の 関係を評価する演繹的モデルとの関連を検討することなど が、残された課題である。

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