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「コンテンツ抽出サービス」と著作権

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2007年6月24日、関西学院大学で開催された情報通信学会研究大会での報告資料

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「コンテンツ抽出サービス」と著作権

  1. 1. 「コンテンツ抽出サービス」 と著作権 第 24 回情報通信学会大会 一戸信哉(敬和学園大学) 2007 . 6 . 24 関西学院大学西宮上ヶ原キャンパス
  2. 2. 着想の経緯 <ul><li>Winny 開発者著作権法違反幇助事件(京都地判 H18 . 12 . 13 ) </li></ul><ul><ul><li>開発者は、個別コンテンツの流通をコントロールできない。 </li></ul></ul><ul><li>Youtube と著作権団体の交渉 </li></ul><ul><li>「本物の Web2.0 」論争 </li></ul><ul><li>「本物」のサービスは、より緊密に「連携」し、コンテンツは、「抽出」されている? </li></ul><ul><li>著作権法の位置づけは? </li></ul><ul><ul><li>コントロールできないケースが非常に多いのでは? </li></ul></ul>
  3. 3. コンテンツ抽出サービスとは <ul><li>Web 上の別のサーバに保存されているデータを、一定の法則によって抽出し、リンクや自動再生により、ネットワークを介してユーザに提供するサービス </li></ul><ul><ul><li>動画コンテンツに関連するサービス </li></ul></ul><ul><ul><li>ソーシャルブックマーク </li></ul></ul><ul><li>「 CGM 」の中には入るが、著作権の侵害を引き起こすサービスを直接には提供しない </li></ul><ul><li>「マッシュアップ」によって開発されるサービスの多くが、「抽出」の要素を持つ </li></ul><ul><li>今回は、リンク元のコンテンツを保有しない場合に限定して考えるが、実態はより複雑である </li></ul><ul><li>プロバイダ責任制限法にいう「権利を侵害した情報の不特定の者に対する送信を防止する措置を講ずることが可能な場合」( 3 条)には当たらない。 </li></ul>
  4. 4. Rimo <ul><li>はてなが提供 </li></ul><ul><li>Youtube からジャンルごとに動画コンテンツを抽出 </li></ul><ul><li>一般ユーザが編成したユーザチャンネルもある </li></ul><ul><li>Wii 及び PS3 に対応 </li></ul>
  5. 5. ニコニコ動画 <ul><li>ニワンゴが提供 </li></ul><ul><li>1つの動画に複数のユーザがコメントをいれていくことができる </li></ul><ul><li>Youtube からのアクセスは遮断され、独自に SMILE VIDEO を設置した </li></ul><ul><ul><li>したがって、抽出サービスだけを提供しているわけではない。 </li></ul></ul>
  6. 6. おしゃべリィモ ( 5 月スタート) Rimo も「抽出」の範囲を超えてしまった
  7. 7. Flickr と地図情報を連携して Wii で表示( Alps Lab)
  8. 8. はてなブックマーク
  9. 9. ブログ等で一般的に行われている 動画へのリンク
  10. 10. 「寄せ集め」表現を推進する ミニブログ RSS フィードでの読み込み + スクラップブック->オンラインで公開
  11. 11. 関連するインターネット判例等の動き <ul><li>テレビ番組を録画、ネットワークを介して視聴させるサービスは、プロバイダの管理・支配性と営業上の利益を得ているという点をとらえて、プロバイダ自体が著作権侵害の主体であるとされた(ファイルローグ事件、録画ネット事件等) </li></ul><ul><li>Winny の開発者は、管理・支配性を持たないにもかかわらず、権利侵害が行われていることを認識・認容しているとして、有罪とされた( Winny 開発者事件第一審判決) </li></ul><ul><li>児童ポルノ HP の URL へのリンクを掲載した行為が、児童ポルノ公然陳列にあたるとして、大阪府警が男性を逮捕( 5 月 8 日) </li></ul>
  12. 12. コンテンツ抽出サービスと 民事責任 <ul><li>自動公衆送信権の侵害の主体たりうるか? </li></ul><ul><li>一連の判例において重視されている管理・支配性は、見出すことが出来ない </li></ul><ul><li>「抽出」の方法いかんによっては、図利性を見出すことは可能 </li></ul><ul><ul><li>人気のあるコンテンツを機械的に取り出している場合 </li></ul></ul><ul><ul><li>タグの抽出方法が、著作権侵害を伴っている可能性の高いもののみを取り出している場合 </li></ul></ul>
  13. 13. コンテンツ抽出サービスと 刑事責任 <ul><li>幇助の要件のうち </li></ul><ul><ul><li>リンク先での違法行為:あり(正犯の存在) </li></ul></ul><ul><ul><li>実際に正犯の行為を容易ならしめている </li></ul></ul><ul><ul><li>そのことを認識・認容しているか(故意の存在):自動公衆送信権侵害に関する事態の認識・認容の度合いは、恐らく Winny 開発者とさほどかわらない </li></ul></ul><ul><li>正犯の行為の違法性は、著作権の場合にはそれほど明確ではない(児童ポルノとは異なる) </li></ul><ul><ul><li>個別のリンクについて、権利侵害があると認識すべき場面で認識し、リンクを解除した場合、故意があったとはいいがたいだろう。 </li></ul></ul>
  14. 14. 実態に即した議論 <ul><li>フォークソノミーの浸透などにより、情報を半自動的に抽出するサービスは、幅広く普及している </li></ul><ul><ul><li>動画だけが注目されがちだが、情報の抽出は、あらゆるサイトに見られる </li></ul></ul><ul><li>人間による事前の法的評価を行わないことによるメリットをどう見るか。 </li></ul><ul><ul><li>抽出基準から違法なコンテンツを取り出そうとする意思が明瞭である場合を除き、自動的に作成されるリンクによって、リンク情報の発信者は責任を負わないことを明確にすべき </li></ul></ul><ul><ul><li>現在のサービスの評価 </li></ul></ul>
  15. 15. 「抽出」の先の問題 <ul><li>既存の著作物を利用しつつも、集合的に形成される新しいコミュニケーションの可能性を広げるには? </li></ul><ul><ul><li>「パロディ」であるとして、複製権、翻案権及び同一保持権の侵害は回避できるのか? </li></ul></ul><ul><ul><ul><li>1. 明瞭区分性、 2 .主従関係、 3 .著作者人格権を害しない(パロディモンタージュ事件最高裁判決) </li></ul></ul></ul><ul><ul><li>共同著作物の中での「引用」となりうるか?(最初のデッドコピーの評価を変えられるか?) </li></ul></ul><ul><li>「ネットイナゴ」問題をいかにのりこえるか? </li></ul><ul><ul><li>建設的な「思想の自由市場」の条件を議論する方が賢明 </li></ul></ul><ul><ul><li>一般的な人格権として、それをどこまで認めるべきか </li></ul></ul>

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