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○志村雄一郎(電気通信大学大学院情報システム学研究科博士前期課程)
山本佳世子(電気通信大学大学院情報システム学研究科)

第22回

GISA学術研究発表 Web 大会
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.

背景と目的
研究の位置づけ
研究の枠組みと方法
研究対象地域の選定
道路情報の創出
遺伝的アルゴリズムを用いた避難経路探索法
探索条件の設定
結論と今後の課題
阪神・淡路大震災や
東日本大震災などの経験

自助・共助の重要性

東京都による地域危険度測定調査
建物倒壊危険度・延焼危険度は町丁目単
位で平均化された指標
(耐震化や拡幅整備など公助のための指
標)
情報が広域的すぎる
道路ごとの危険情報
...
都市レベルの防災性を高め
るための提言
GAに関する研究
避難所の
適正配置

災害に関する研究
麻生ら(2007)

土地条件と地盤災害
との空間解析
小荒井ら
(2007)

Kara et al.(2011)

本研究
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地理情報システム(GIS)を用いた道路閉塞確率の算
出
建物構造種別データ
東京都都市整備局
建物現況データ

建物倒壊確率

道路閉塞確率

総務省統計局

地盤・建物種別毎の建物全壊
率
地震に関する地域危険度測定調査
報告書(第7回)

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地震に関する地域危険度測定調査(第
7回)における建物倒壊危険度上位4
町丁目はいずれも墨田区の、
京島2丁目・東駒形2丁目・墨田3丁
目・京島3丁目
上記4町丁目を含む墨田区北部を選
定

道路幅員別凡例

道路幅員

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ESRI社 ArcGIS10.1を用いて道路閉塞確率を各道路リンクに対して付加した。
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ESRI社 ArcGIS10.1を用いて道路閉塞確率を各道路リンクに対して付加した。
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右側単独閉塞切断線

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複合閉塞切断線
木造建物

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建物倒壊確率は「地震に関する地域危険度測定調査報告書(第7回)」
の、地盤・建物種別毎の建物全壊率を用いた。

地盤・建物種別毎の建物全壊率(%)

墨田区は沖積低地
4に属する。

出典:地震に関する地域危険度測定調査報告書(第7回)
右図に作成した道路閉塞確率マッ
プを示す。
幅員8m以上の道路ではほぼ閉塞は
見られないが、6m未満の道路では
閉塞を起こす可能性があり、4m未
満の道路では高い閉塞確率が確認
された。
作成した危険情報を含む道
路ネットワーク上で避難経
路を...
GAは、生物が交叉・突然変異・淘汰を繰り返
しながら環境に適合するように進化していく
メカニズムを工学的にモデル化したもの。帰
納的に諸問題に対するより良い解を探索する
ことができる。

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り
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(1)初期集団生成
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(1)遺伝子のコーディング
遺伝子:道路ネットワーク上のノード番号
1 , 2 , 3, 4
個体:目的地までのノード番号を羅列した
リスト
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集団内の個体の適応度は以下の
評価関数によって決定した。
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とし、その値からさらに任意の距離L
と総距離の割合によって、適応度が増
減されるように設定した。

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る。
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代表点として、木造建物密度が高
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1・2共に災害時の歩行速度を
2km/hとした時に、1時間以内で
避難場所に到達可能であるため、
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道路閉塞確率
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経路長の短い経路1を歩行が困難な
災害時用援護者優先とし、経路2を
健常者優先とすれば、全体として
の避難は迅速に行えると考えられ...
道路ごとの詳細な危険情報として沿道の木造建物の倒壊による閉塞確
率を推定した。さらに、閉塞確率が付加された道路ネットワーク上で
遺伝的アルゴリズムによる探索を行い、安全かつ迅速に避難可能と考
えられる経路候補を導出した。

今後の課題
現段階で...
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  1. 1. ○志村雄一郎(電気通信大学大学院情報システム学研究科博士前期課程) 山本佳世子(電気通信大学大学院情報システム学研究科) 第22回 GISA学術研究発表 Web 大会
  2. 2. 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 背景と目的 研究の位置づけ 研究の枠組みと方法 研究対象地域の選定 道路情報の創出 遺伝的アルゴリズムを用いた避難経路探索法 探索条件の設定 結論と今後の課題
  3. 3. 阪神・淡路大震災や 東日本大震災などの経験 自助・共助の重要性 東京都による地域危険度測定調査 建物倒壊危険度・延焼危険度は町丁目単 位で平均化された指標 (耐震化や拡幅整備など公助のための指 標) 情報が広域的すぎる 道路ごとの危険情報 自主防災組織による避難 計画・避難経路の作成 定量的に導出した 具体的な経路の提案 目的 道路ごとの危険情報として、建物倒壊による道路閉塞確率が付加され たネットワークを作成する。 さらにそのネットワーク上で、安全であり、かつ距離や時間といった 避難経路としての制約条件を満たす最適な経路を探索する方法を開発 する。
  4. 4. 都市レベルの防災性を高め るための提言 GAに関する研究 避難所の 適正配置 災害に関する研究 麻生ら(2007) 土地条件と地盤災害 との空間解析 小荒井ら (2007) Kara et al.(2011) 本研究 Liu et al.(2006) 水害時における避難経路提案 アルゴリズム開発(最短経 路) 経路問題に関する研究 GISの空間解析に関する研 究 観光関連施設 の適正配置 Inoue et al.(2013) 交通密度・制限速度を 考慮したカーナビゲー ションシステム開発 本研究の独自性 詳細な情報から避難経路を導 出し、避難者個人や自主防災 組織に対して効果的な情報提 供を行う点
  5. 5. 地理情報システム(GIS)を用いた道路閉塞確率の算 出 建物構造種別データ 東京都都市整備局 建物現況データ 建物倒壊確率 道路閉塞確率 総務省統計局 地盤・建物種別毎の建物全壊 率 地震に関する地域危険度測定調査 報告書(第7回) 建物高さデータ 東京都都市整備局 建物現況データ 算出 昼夜間人口データ 昼夜間人口分布 建物倒壊時に 発生する瓦礫幅 道路毎の想定人口 道路ネットワークデータ 道路毎の混雑度 東京都都市整備局 土地利用現況データより作成 導出経路可視化・ 最短経路との比較評 価 道路毎に危険情報が付加された 道路ネットワークデータ 遺伝的アルゴリズムを用いた経路探索 経路導出 GISを用いた評価
  6. 6. 地震に関する地域危険度測定調査(第 7回)における建物倒壊危険度上位4 町丁目はいずれも墨田区の、 京島2丁目・東駒形2丁目・墨田3丁 目・京島3丁目 上記4町丁目を含む墨田区北部を選 定 道路幅員別凡例 道路幅員 同地域には幅員4m未満の道路が多 く存在し、建物の倒壊による道路閉 塞が発生する確率が高く、災害時の 迅速・安全な避難が困難であると考 えられる。 出典:地震に関する地域危険度測定調査報告書(第7回) 墨田区不燃化促進事業再検討調査 建物倒壊危険度
  7. 7. ESRI社 ArcGIS10.1を用いて道路閉塞確率を各道路リンクに対して付加した。 C 3 凡例 B ノ ード エジ ッ 2 右側単独閉塞切断線 1 A 左側単独閉塞切断線 複合閉塞切断線 木造建物 非木造建物 右側木造瓦礫バッ ァ フ 左側木造瓦礫バッ ァ フ 沿道の木造建物から建物高さに応じた瓦礫バッファを発生させ、バッファが (1) 向かいの建物外形と交差するとき(単独閉塞の場合) 交差した建物と瓦礫バッファ発生元の木造建物との中心点を結ぶ切断線を作成し、 閉塞確率を付加 p1 = PA , p3 = PC (p : 各地点での閉塞確率 P : 建物倒壊確率) (2) 向かいの建物の瓦礫バッファと交差するとき(複合閉塞の場合) 瓦礫発生元のそれぞれの木造建物の中心点を結ぶ切断線を作成し、閉塞確率を付加 p2 = P A ・ P C
  8. 8. ESRI社 ArcGIS10.1を用いて道路閉塞確率を各道路リンクに対して付加した。 i C 3 凡例 B ノ ード エジ ッ 2 右側単独閉塞切断線 1 A 左側単独閉塞切断線 複合閉塞切断線 木造建物 j 非木造建物 右側木造瓦礫バッ ァ フ 左側木造瓦礫バッ ァ フ 切断線と交差する道路リンクに対して、各地点の閉塞確率を付加し、道 路毎の閉塞確率pijを算出し、道路属性として付加した。 n pij 1 (1 pk ) k 1 i , j : ノード番号 pij : リンクijの閉塞確率 pk : 地点kでの閉塞確率 1-pk : 地点kでの歩行可能確率
  9. 9. 建物倒壊確率は「地震に関する地域危険度測定調査報告書(第7回)」 の、地盤・建物種別毎の建物全壊率を用いた。 地盤・建物種別毎の建物全壊率(%) 墨田区は沖積低地 4に属する。 出典:地震に関する地域危険度測定調査報告書(第7回)
  10. 10. 右図に作成した道路閉塞確率マッ プを示す。 幅員8m以上の道路ではほぼ閉塞は 見られないが、6m未満の道路では 閉塞を起こす可能性があり、4m未 満の道路では高い閉塞確率が確認 された。 作成した危険情報を含む道 路ネットワーク上で避難経 路を探索する。 凡例 木造建物 非木造建物 道路閉塞確率 0.000000 0.000001 - 0.594940 0.594941 - 0.822350 0.822351 - 0.935593 0.935594 - 0.998887 90 45 0 90 メ ト ー ル 作成した道路閉塞確率マップ(京島周辺)
  11. 11. GAは、生物が交叉・突然変異・淘汰を繰り返 しながら環境に適合するように進化していく メカニズムを工学的にモデル化したもの。帰 納的に諸問題に対するより良い解を探索する ことができる。 繰 り 返 し (1)初期集団生成 解候補(個体)を大量にランダム生成 (2)適合度評価 評価関数に基づき各個体の適応度を計算 start 初期集団生成 次世代集団生成 突然変異 交叉 選択・ 淘汰 (適応度:その個体がどれだけ優れているかを表す 値) 適合度評価 基準を満足 No Yes end (3)選択・淘汰 GAのフロー 適応度の高い個体を残し、低い個体を削除 GAの利点 (4)交叉 個体同士を組み合わせ、新しい個体を生成 ・集団単位の探索であるため、一回 の探索で複数の解候補が得られる。 (5)突然変異 交叉では生成できない個体を新たに生成 ・複数制約条件下での最適化問題に 適する。 解に多様性を持たせる (2)~(5)を繰り返し、解を進化さ せて最適解へと近づけていく。 ・評価関数を自由に設定できるた め、様々な問題に対応できる。
  12. 12. (1)遺伝子のコーディング 遺伝子:道路ネットワーク上のノード番号 1 , 2 , 3, 4 個体:目的地までのノード番号を羅列した リスト [1,2,4] , [1,3,4] 各個体は経路を表す (2)初期集団の生成 個体を集団サイズ数Nだけランダムに生成 し、初期集団とした。 Population =[[1,2,4],[1,3,4]・・・] N個の個体 2 4 1 3 道路ネットワークの例
  13. 13. 集団内の個体の適応度は以下の 評価関数によって決定した。 j Fk ( (1 pi )) L 目的地までの到達確率を基本の適応度 とし、その値からさらに任意の距離L と総距離の割合によって、適応度が増 減されるように設定した。 j i di i 目的地までの到達確率 目的地までの総距離 pi : リンクiの閉塞確率 di : リンクiの距離(m) Fk : 個体kの適応度 L : 任意の距離(m) (L < 2000) ルーレット選択:適応度が高い個体ほど次世代に残りやすく、低い個 体ほど削除されやすい Pk Pk : 個体kの選択確率 Fk : 個体kの適応度 N : 集団サイズ Fk N Fi i 1 集団内個体の 適応度の総和
  14. 14. (1)交叉 交叉確率PCで集団内の二つの個体を組み合わせ、新しい個体を生成す る。 親1 1 2 4 5 7 8 子1 1 2 4 5 6 7 8 子2 1 3 5 7 7 8 8 交叉点 親2 1 3 5 6 (2)突然変異 突然変異確率Pmで集団内の個体ひとつから新しい個体を生成する。 1 2 4 5 7 8 1 2 4 5 3 6 8 変異点 ランダム生成
  15. 15. 道路閉塞確率 0.000000 0.000001 - 0.594940 避難開始地点 代表点として、木造建物密度が高 い京島3丁目の地点Aを設定 0.594941 - 0.822350 0.822351 - 0.935593 A 0.935594 - 0.998887 目的地 京島3丁目の指定広域避難場所付 近の地点Bを設定 GAの設定 集団サイズ数 試行世代数 交叉率 突然変異率 N=800 G=200 pc=80% pm=1% B 60 30 0 60 メ ト ー ル
  16. 16. 道路閉塞確率 0.000000 0.000001 - 0.594940 0.594941 - 0.822350 GAによって導出経路された経 路1,2およびArcGISの機能で あるNetwork Analystによって 求めた最短経路3を右図に示 す。 0.822351 - 0.935593 A 0.935594 - 0.998887 2 1 3 各経路の到達確率および総距離 到達確率(%) 総距離(m) 経路1(GA) 74 678 経路2(GA) 100 882 経路3 0.5 544 B 60 30 0 60 メ ト ー ル
  17. 17. 道路閉塞確率 0.000000 0.000001 - 0.594940 最短経路3では閉塞確率の高い道 路を通っているため、到達確率 は0.5%と低い値になった。一方 GAによって導出した経路1・2は 閉塞確率の高い道路を迂回する 形の経路となり、到達確率は 74%・100%となった。 0.594941 - 0.822350 0.822351 - 0.935593 A 0.935594 - 0.998887 2 1 3 各経路の到達確率および総距離 到達確率(%) 総距離(m) 経路1(GA) 74 678 経路2(GA) 100 882 経路3 0.5 544 B 60 30 0 60 メ ト ー ル
  18. 18. 道路閉塞確率 0.000000 0.000001 - 0.594940 経路2は1と比べ到達確率は高いが 総距離は長くなった。しかし経路 1・2共に災害時の歩行速度を 2km/hとした時に、1時間以内で 避難場所に到達可能であるため、 避難経路としては適していると考 えられる。 0.594941 - 0.822350 0.822351 - 0.935593 A 0.935594 - 0.998887 2 1 3 各経路の到達確率および総距離 到達確率(%) 総距離(m) 経路1(GA) 74 678 経路2(GA) 100 882 経路3 0.5 544 B 60 30 0 60 メ ト ー ル
  19. 19. 道路閉塞確率 0.000000 0.000001 - 0.594940 0.594941 - 0.822350 経路長の短い経路1を歩行が困難な 災害時用援護者優先とし、経路2を 健常者優先とすれば、全体として の避難は迅速に行えると考えられ る。 0.822351 - 0.935593 A 0.935594 - 0.998887 2 1 3 各経路の到達確率および総距離 到達確率(%) 総距離(m) 経路1(GA) 74 678 経路2(GA) 100 882 経路3 0.5 544 B 60 30 0 60 メ ト ー ル
  20. 20. 道路ごとの詳細な危険情報として沿道の木造建物の倒壊による閉塞確 率を推定した。さらに、閉塞確率が付加された道路ネットワーク上で 遺伝的アルゴリズムによる探索を行い、安全かつ迅速に避難可能と考 えられる経路候補を導出した。 今後の課題 現段階では経路に影響を与える情報は道路閉塞確率および避難距離の みであるが新たに避難時間を考慮し、より現実的な経路の導出が行え るようにする。それに伴い以下を行っていく。 ・新たな評価関数の検討 ・道路上の想定人口から、避難時の道路ごとの混雑度を情報として付 加 ・道路上の混雑に伴う歩行速度の低下率の検討

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