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田中 圭 Z-stackスキャンによる細胞診スクリーニングと診断の検証研究

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田中 圭 Z-stackスキャンによる細胞診スクリーニングと診断の検証研究

  1. 1. Z-stackスキャンによる細胞診スクリーニングと診断の検証研究 田中 圭1) 2) ,里 翼3) ,堀 隆4) ,福岡 順也1) 4) 長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 病理学1) 長崎大学病院 病理診断科・病理部2) 長崎みなとメディカルセンター3) 亀田総合病院 臨床病理科4)
  2. 2. デジタルパソロジーは今や,病理診断のみならず画像解析・AI解析にも必 要不可欠な分野である.しかし細胞診領域へのWSI技術の応用は,組織診 標本と比較して細胞診標本の性質によるファイルサイズの増加やZ-stack機 能など技術的なハードルがあり一般的ではない. 背景
  3. 3. LBC法 直接塗抹法 直接塗抹法からLiquid-based cytology(LBC)へ 直接塗抹法:1)重積性のある細胞集塊を含んだ様々な厚さの領域がある. 2)血液・粘液・炎症細胞などの不明瞭な夾雑物が多数存在. 3)WSI化する場合,Z-stackはかなりのlayer数が必要. LBC法: 1)夾雑物を除去して平面的に均一に塗抹が可能. 2)高い集細胞効果により,診断に有用な細胞の取りこぼしの減少. 3)平面的な塗抹により,Z-stackのlayer数を減らせる.
  4. 4. LBCの普及に伴い,細胞診WSI化の有用性を検討した論文が多数報告されている.
  5. 5. 細胞診標本は立体的構築を保った状態で塗抹されるため,細部まで詳細に観察する ためには,Z-stack機能を使用したスキャンが望ましい.
  6. 6. 以前,我々のグループは撮影した動画データからデジタル画像を作成するこ とで,デジタル診断がガラススライド診断に劣らないことを証明した.
  7. 7. 今回,Z-stack機能を搭載したデジタルスキャナーを使用して,子宮頸部 LBC標本におけるガラススライド診断とデジタル診断の診断精度を検討 した. 目的
  8. 8. 材料・方法  材料:組織診断済みの子宮頸部細胞診標本 100症例(LBC Cellprep®)  スキャナー:PANNORAMIC® 250 Flash III DX(3DHISTECH)  Z-stack:6 layer(1μm) 評価方法 *診断の根拠となる所見にアノテーション(印をつける)し,スクリーニング時間も記録 Cytologist A デジタルスライド スクリーニング Cytologist A ガラススライド スクリーニング Cytologist B ガラススライド スクリーニング Cytologist B デジタルスライド スクリーニング Pathologist 1 デジタルスライド ダブルチェック Pathologist 1 ガラススライド ダブルチェック Pathologist 1 ガラススライド ダブルチェック Pathologist 1 デジタルスライド ダブルチェック Washout 1month Analysys Cohens kappa index
  9. 9. ガラススライド デジタルスライド Cytologist A 4分15秒 5分40秒 Cytologist B 2分10秒 4分30秒 ガラススライド デジタルスライド Cytologist A 8.1個 6.7個 Cytologist B 2.3個 5.7個 アノテーション数(平均) スクリーニング時間(平均) 結果①  アノテーション数はCytologistおよび診断方法間で一貫性は見られなかった.  スクリーニング時間は、両者ともにデジタルスライドで長くなった.
  10. 10. Cytologist A NILM ASC-US LSIL ASC-H HSIL SCC 合計 NILM 24 0 0 0 2 1 27 ASC-US 7 0 0 1 0 0 8 LSIL 3 1 14 0 1 0 19 ASC-H 2 0 0 0 1 0 3 HSIL 6 0 6 0 22 1 35 SCC 0 0 0 0 2 6 8 合計 42 1 20 1 28 8 100 ガ ラ ス ス ラ イ ド に よ る 診 断 デジタルスライドによる診断 Minor discrepancy Major discrepancy 細胞診断歴:8年 WSIの使用経験:無し 15例(15%) 19例(19%) Cytologist Aのスクリーニング方法の違いにおける判定結果 結果② 細胞診およびWSIの使用経験が短いとデジタル診断での見落としが多くなった.
  11. 11. Cytologist B NILM ASC-US LSIL ASC-H HSIL SCC 合計 NILM 35 7 1 1 1 0 43 ASC-US 0 0 2 0 0 0 2 LSIL 4 4 16 2 2 0 28 ASC-H 0 0 0 0 1 0 1 HSIL 3 0 0 1 10 1 15 SCC 0 0 0 0 1 8 9 合計 42 11 19 4 15 9 100 ガ ラ ス ス ラ イ ド に よ る 診 断 デジタルスライドによる診断 Minor discrepancy Major discrepancy 経験診断歴:20年以上 WSIの使用経験:有り 22例(22%) 9例(9%) Cytologist Bのスクリーニング方法の違いにおける判定結果 細胞診およびWSIの使用経験が長いとガラスおよびデジタル診断での見落としも少ない.
  12. 12. デジタルスライドでOver diagnosisした症例 (NILMをHSILと診断) デジタルスライドでUnder diagnosis(見逃した)した症例 (HSILをNILMと診断)
  13. 13. 結果②  スクリーニングにおけるCytologist AのMajor discrepancyは全体の19%, Cytologist BのMajor discrepancyは全体の9%であった.  細胞診断の経験年数およびWSIの使用経験の有無によってガラススライドとデジ タルスライド間の判定に差(乖離)があることがわかる.  ダブルチェック後のMajor discrepancyについてはスクリーニングと同様の結果 を示した.
  14. 14. 判定結果 Cytologist B デジタルスライド 正 誤 計 Cytologist B ガラススライド 正 65 9 74 誤 11 15 26 計 76 24 100 判定結果 Cytologist A デジタルスライド 正 誤 計 Cytologist A ガラススライド 正 72 14 86 誤 8 6 14 計 80 20 100 Cytologist A (ガラススライド) Cytologist B (ガラススライド) Cytologist A (デジタルスライド) κ=0.22 Cytologist B (デジタルスライド) κ=0.46 ガラススライド デジタルスライド Cytologist A 86% 80% Cytologist B 74% 76% 二つのグループの診断方法における診断一致率 二つのグループの診断方法における診断一致度 結果③
  15. 15. 結果③  診断一致率は,Cytologist Aはガラススライドの方が高く,Cytologist Bはデジタ ルスライドの方が高かった.全体の一致率はCytologist Aが高かった.  診断結果と正解データの正誤から,ガラススライドとデジタルスライドの診断一 致度を二つの独立したグループで比較したところCytologist Aでκ=0.22, Cytologist Bでκ=0.46となった.
  16. 16. 考察  子宮頸部LBC標本を用いガラススライドとデジタルスライドの診断精度を独 立した二つのグループで比較した.  両グループでデジタルスライドのスクリーニング時間が長くなった.顕微鏡 を使用する場合と比較して,マウスでの移動やピント調整,モニターを介し てのスクリーニングとなることが原因と考えられる.  両グループのスクリーニングにおける判定結果については,細胞診経験年数 が長くWSIの使用経験の有る方がMajor discrepancyの割合が少なくなり,デ ジタル診断での見落としも減り,ある程度の経験とWSIへの慣れが必要であ ることが示された結果となった.
  17. 17. 考察  ガラススライドとデジタルスライドでの診断精度はZ-stack機能を用いた診 断にも関わらず,それぞれのグループでκ=0.22,κ=0.46と低い結果を示 した.  今回はデジタルスライド診断の実現可能性について乏しい結果となったが, 十分なトレーニングを重ねることで,ガラススライドと遜色ない診断が可 能になると考える.  子宮頸部細胞診のAIモデルを作成しスクリーニングとAI診断を組み合わせ ることでデジタル診断の診断精度向上につながるのではないか.
  18. 18. 今後の検討課題 AI診断の結果とスクリーニングを組み合わせガラススライドとの診断精度を比較 子宮頸部標本の異型細胞をピックアップするAIモデルを作成 アノテーション トレーニング 解析
  19. 19. まとめ 本検討では,細胞診標本の診断に適しているZ-stack機能を有したス キャナーを用いて,デジタルスライド診断とガラススライド診断の診断 精度を比較したが,ガラススライド診断と同等の診断精度は得られな かった.WSIの使用経験の有無によりデジタルスライド診断での異型細胞 の見落としに顕著な差がみられトレーニングの必要性が示された結果と なった. 今回の結果を参考にデジタルスライド診断におけるスクリーニングの 見落としの減少と診断精度向上を目的に異型細胞をピックアップするAI モデルを作成し,AI診断とスクリーニングを組み合わせた場合の診断精 度について検討中である.

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