【東京大学i.school 人間中心イノベーション概論】５限目：実現コンセプトのデザイン方法とユーザ調査

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1
1©
UT
i.school,
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reserved

2
イノベーションの学校、東京大学i.school

3
連続授業の流れ
講義（全５回）ワークショップ（全3回）
① 4/16【イノベーション創出にお
ける基礎と方法論】
② 4/23【理解①：インタビュー・
フィールド観察の目的と方法】
③ 4/30【理解②：技術・事例調査
の目的と方法】
④ 5/7 【創出：アイデア発想の発
散・収束・表現方法】
⑤ 5/14【実現：コンセプトのデザ
イン方法とユーザー調査】
⑥  6/3 【ワークショップ①未来の暮
らしの中のロボットに学ぶ】
⑦  6/10【ワークショップ②インドの
サービスに学ぶ】
⑧  6/17【ワークショップ③ キャンパ
スライフのサービスに学ぶ】

4
連続授業のゴール
イノベーション創出プロセスの全体観が分かる
コンセプトアイデアが出せるようになる
コンセプトアイデアの出し方のプロセスが分かる

5
今回のゲスト講師
村越淳（Jun
Murakoshi）
i.lab:

Product
Designer

千葉大学大学院デザイン科学専攻修士。

英国王立芸術大学院(RCA)
Design
Products科修士。
千葉大学大学院工学研究科特任研究員、同大学国際
教育センター特任助教を経て現職。
日本、欧州での展示や受賞多数。

66
第５回授業のゴール
▶  「アイデアにリアリティーを与える」方法を理解する
▶  明日から、具体的にアイデアを伝えられる！

77
まずは、
第４回授業の
振り返り

88
第４回授業のゴール
▶  「アイデアを出す」プロセスとコツを理解する
▶  明日から、アイデアを出すことのハードルが圧倒的に下がる！

99
第4回授業後の質問など
▶ 皆さんご質問頂きありがとうございました！
▶ 村越と横田で全てコメントいたしました！

10
発散収束
個人ワークグループワーク
創出のプロセスの定石
• 発散と収束
• 個人ワークからのグループワーク

11
ワーキングメモリ
（→主に処理機能）
記憶の種類
1.  短期記憶（→貯蔵）
2.  長期記憶（→貯蔵）
3.  そして、情報処理で大切な役割を持つ、作動記憶（＝ワーキングメモリ）
長期記憶
短期記憶
保持再生

12
ワーキングメモリの活用
•  既存の知識間に新しい関係性を見いだす情報処理がアイデア創出ならば、
材料としての既存の知識とその取り扱いに着目する必要がある。
•  情報処理のための記憶領域である「ワーキングメモリ」にどんな情報を投
入し、どのようにして繋げる処理を支援するかが肝である。
①What？ ②How？

13
●手段�
（＝技術）�
目的�
(＝人)�
Idea
★�
●�
●�
●�
●�
●�● � ●�
★�
★�
★�
★�
村越１：アイデア発想 → 書く（描く）→ 忘れる
•  直感的に気になった目的だけを記憶に固定して、そこに手段やヒン
トを掛け合わせる。
•  発散フェーズを独立させるためにも評価はしない。
•  思いついたアイデアは何でも書く（描く）。ワーキングメモリから
除外する（忘れる）ため。
•  考えている間は頭の中に見えているものに集中し、それを書き写す。
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4©
UT
i.school,
All
rights
reserved

1515

16
抽象
具体プロセス
抽象度
①雑多な事実情報の収集
③状況の構造的理解
④事業機会の探索
②事実情報の
グルーピングと抽象化
⑥アイデア創出
⑦アイデア選抜
⑨アイデア精緻化
・・・・
・・・・
・・・・
⑤事業機会の設定
⑧アイデアの具体化
0 1
理解創出実現

1717
・・・
アイデアを、
「着地」させる

1818
コンセプトアイデアが
現実世界にどう入り込めるか

1919
プロトタイピング？

20
「プロトタイプ」をつくってみるのはアイデア具体化に便利

21
プロトタイプの種類と役割
①製品系
②サービス系
③事業系
•  形状
•  機能
•  ユーザーインターフェース
•  利用シーン
•  関係する人・組織
•  顧客の体験・価値
•  ユーザーインターフェース
•  関係する人・組織
•  顧客の体験・価値
•  事業パートナーの価値
•  収益モデル
•  事業戦略
成果物の種類具体的に考えるべき情報使えるツール
•  身の回りの雑貨・日用品
•  ３Dプリンタ
•  雑誌／写真コラージュ
•  スキット（寸劇）
•  ステークホルダーマップ
•  雑誌／写真コラージュ
•  スキット（寸劇）
•  ステークホルダーマップ
•  ビジネスモデルキャンバス

2222
製品系：タンジブルなプロトタイプをつくる

2323

2424

2525

2626
製品系：タンジブルなプロトタイプをつくる
▶  なぜ作るのか、そのために何をどう表現したら良いのかを明確にする
① ラクして作る（身近にあるものを使う）
② 一つで全てを表さなくて良い（形状、素材、動き、サイズなど）
③ 次なるステップアップのきっかけにする
③
①
②

27
事業系：「ビジネスモデルキャンバス」
顧客への価値パートナー
との関係
顧客顧客との関係性主な活動
自社リソース顧客との接点
収益の流れコスト
顧客のどんな課
題や要望に応え
ることができる
のか？
どういった属性
や個性をもった
顧客なのか？
顧客との日常的
な関係性の種類
は？ファン？デ
ファクト？
顧客への価値の
届け方、チャネ
ル、経路
何に対していくらくらいお金を
払ってもらえるのか？
価値提供にかかってくる主要な
コスト要素は？
価値提供するた
めには外部にど
ういった人・組
織のパートナー
が必要か？
価値提供するた
めに、自社が行
う最も大切な活
動は？
自社が保有する
リソースで価値
提供に大切／要
諦となるのは？

2828
なんでも系：顧客の変化、提供価値に着目
▶  模造紙にポストイットや人・社会側の調査結果のカード等を用いて、アイデアのコンセプトを再整理
する
▶  顧客像については、人・社会側の調査結果のレポートを貼付けるなどして、より現実感を出す
▶  アイデアの幹を大切にしながら、枝葉をつけていき、より具体的なアイデアにしていく
• 属性
• 行動や価値観
• 社会的状況
• 課題認識
• ・・・
• 行動の変化
• 価値観変化
• 社会的状況の変化
• ・・・
Before After
• 顧客が受け取るメリット
• 製品・サービス・体験内容
• 利用の仕方・シーンとか
顧客顧客
提供価値

2929なんでも系：スキット
▶  寸劇を行い、アイデアに関わる登場人物、人と人とのコミュニケーション、つま
り利用シーンがより具体的になる
▶  脚本家、演出家、俳優を育てるためのものではないし、笑いを取るためのもので
はない

3030
Q&A

3131
フィジビリティ調査の目的：
プロトを用いた関係者との破壊的
かつ建設的なコミュニケーション

32
フィジビリティ調査で検証したい事は何か？
•  手持ちのアイデアは、様々な仮説に基づき成立しています。
•  その仮説の妥当性について主に３つの観点から検証を試みます。
①人、②技術、③事業
•  ただし、時間に限りがありますから、検証項目・内容に明確な優先順位を
つけて検証作業に入りましょう。
社会市場人間技術
アイデア
技術人
発案者
アイデア
(製品／サービス／体験)
I D E A

33
主要な検証項目と方法
①人側からみた価値の仮説検証
• アイデアに関連した生活者の問題・不
満意識、課題認識、実際の行動
• アイデアに対する利用意向、感じる価
値、他者に紹介する際のキーワード
②技術側からみた実現可能生
• 自社技術の活用有無、機能・性能の妥
当性・実現性、製造コスト、安全上の
課題
③事業としての実現可能性
• 事業のステークホルダー、市場動向、
法制度、収益性、自社長期戦略との適
合性、推進体制
検証項目方法
•  生活者インタビュー
•  アンケート
•  フィールド観察
•  技術者インタビュー
•  技術調査（自社内外）
•  公開情報でのコスト計算
•  経営層インタビュー
•  専門家インタビュー
•  収益シミュレーション

3434
セグメント：想定ユーザー（「エクストリームユーザ」ではない！）
質問項目：
①  日常の水の使い方や過去の困った体験を聞く
②  プロト見せつつ未来の水インフラのアイデアを紹介
③  どんな点が良いか、どんな点は気になるか、それはなぜか、周辺情報や価値観、
習慣も含めて理由をなるべく具体的かつ多角的に聞いていく
④  身近な人（家族や友達、親戚等）にすすめられるか？どういう説明で紹介する
か？
聞き方のコツ：
話を聞くにも、以下二種類スタッフを準備する
①  アイデアを肯定的に説明する人
②  アイデアに対して敢えて懐疑的／挑発的／否定的な事言ったりして揺さぶる人
揺れ動く場の雰囲気の中で想定ユーザーがどのように表情や発言変化させるか？
生活者インタビュー事例

35
こうした終わりのないプロセスを経て、幹を特定し強化しつつ、枝葉
をつけていく
幹
枝葉A
アイデア
枝葉B

36
抽象
具体プロセス
抽象度
①雑多な事実情報の収集
③状況の構造的理解
④事業機会の探索
②事実情報の
グルーピングと抽象化
⑥アイデア創出
⑦アイデア選抜
⑨アイデア精緻化
・・・・
・・・・
・・・・
⑤事業機会の設定
⑧アイデアの具体化
0 1
理解創出実現

3838
より学びたい人向けに
いくつか名著をご紹介

3939
人間中心イノベーションプロセスと相性がい
いビジネスモデル構築のための本。
ポストイットつかったりのワークショップで
動的に使うような方法論として活用してもら
いたい。
ビジネスモデルジェネレーション
（アレックス・オスターワルダー、イヴ・ピニュール、）

4040
建築模型
・表現に適した材料の選択と作成方法の参考に
・思想まで含んだ存在
How Small? How Vast? How
Architecture Grows?
（石上純也）

4141

4242
Q&A

4343
Thank you!

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