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目標の構造としてのゲーム ―ゲームデザイン分析手法「UOSモデル」の提案―

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後継理論「構造化IRFモデル」はこちら
http://www.slideshare.net/satoshiido9/irf-56845767

CEDEC2015でのセッションについての記事はこちら
http://www.4gamer.net/games/999/G999905/20150829005/

Published in: Entertainment & Humor
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目標の構造としてのゲーム ―ゲームデザイン分析手法「UOSモデル」の提案―

  1. 1. 目標の構造としてのゲーム ゲームデザイン分析手法「UOSモデル」の提案 1 井戸 里志 - @kan_jiro
  2. 2. 基礎概念 • UOSモデルとは – Unified Objectives Structure|統合目標構造 ゲームデザインを、目標が階層化された構造としてとらえる – 意味ある遊び(目標の達成とそのための行為や思考から 生じる面白さ)について分析する ➢非インタラクティブなストーリー、 プレイヤー同士のコミュニケーションなどの面白さは対象外 • 意味ある遊びが生じるために必要な要素 – 統合から生み出されるジレンマ – 目標の魅力と認識しやすさ 2
  3. 3. 統合とは? 統合|子目標の達成状況が他の子目標に影響を与える構造  統合の強弱が、ゲームの方向性を大きく左右する 3
  4. 4. – 子目標はプレイヤー自身 が設定する – 子目標の達成過程が汎く 影響を及ぼす – 例|将棋 創発型構造(強い統合) 進行型構造と創発型構造 – 子目標はゲームシステム から与えられる – 子目標の達成過程が他に 及ぼす影響は限定的 – 例|クイズゲーム 4 進行型構造(弱い統合)
  5. 5. 統合のスケール(1) • 子目標のスケール – リアルタイム(⇔非リアルタイム) • 一瞬ごとの行動(反射神経を要する行動)が 目標の達成に強く影響を与える – 受動(⇔能動) • 自分が行動しなくてもゲーム世界が勝手に変化する ➢完全能動⇒パズル • 親目標のスケール|短期―中期―長期―超長期 – 「超長期」には以下のようなゲームが該当する • 複数回のプレイにわたってひとつの目標をめざすゲーム • プレイ前に目標達成を意識した事前準備を要するゲーム 5
  6. 6. 統合のスケール(2) 6
  7. 7. ジレンマ(1) 7 強い統合からジレンマが生まれ、ジレンマから意味ある遊びが生じる • ジレンマが発生する条件 – 妥当な選択肢が複数ある – 選択した結果に差異が生じることが予想される • より大きな意味ある遊びを生み出すジレンマ – 選択した結果が予測しやすい(後述) – 予測される結果間の差異が大きい 「100か101か」ではなく「100か200か」で迷わせる – 予測される結果からジレンマが連鎖する 選択した結果として新たなジレンマの発生が予測される
  8. 8. ジレンマ(2) 8 選択した結果が予測しやすいジレンマ – ルールが単純・直感的 – 選択肢・情報量が少ない – 選択の影響が永く持続する • 例|「カタンの開拓者たち」の建設 ゲーム終了まで存在し、影響を与え続ける – 選択の影響が感覚的(主に視覚的)に表現される • 例|同上 盤上に、建設したものに対応するコマが置かれる
  9. 9. 目標の魅力と認識しやすさ 一般的な意味の「目標」だけでなく、それを分解した行為も含める  どんな行為も、より細かく分解した行為からすれば 目標として位置づけられるため • 魅力的な目標 – 本能性 – 関与性 – 拡大性 • 認識しやすい目標 – 達成するための最適な選択肢を簡単に判断できる – 達成するための行為と結果の因果関係が直感的である 9 – 体験性 – 愛着性 – 模倣性 – 実益性
  10. 10. 目標の魅力要因(1) • 本能性 – 敵を打ち破る (例|将棋) – 自分の縄張りを広げる (例|囲碁) – 目的地に早くたどり着く (例|バックギャモン) – 自分のものを増やす (例|オセロ) – ものを整列させる (例|連珠) – 欠けているものを埋める (例|麻雀) 10
  11. 11. 目標の魅力要因(2) • 関与性 – 行為と結果の因果関係が複雑 – 行為に対してもたらされる結果が意外 – 結果による影響が大きい – 結果は自分の意思や能力によってもたらされたという感覚が強い 短期スケール→反応性 – 例|物理アクション 長期スケール→表現性 – 例|サンドボックス 11
  12. 12. 目標の魅力要因(3) • 拡大性 明らかに他の子目標の達成を容易にする ➢例|RPG(レベルアップ) • 体験性 ゲーム内のプレイヤーキャラクターの目標と 完全に一致するかのように感じられる ➢例|『ICO』 • 愛着性 プレイヤーが愛着を抱いているゲーム内のNPCを助け、喜ばせる ➢例|『たまごっち』 12
  13. 13. 目標の魅力要因(4) • 模倣性 プレイヤーが憧れている存在になりきって影響力を行使する ➢例|フライトシミュレーター • 実益性 プレイヤーの現実の生活に利益をもたらす • 有形物(金銭や物品) |ギャンブル • プレイヤー自身の能力向上 |“脳ゲー” 13
  14. 14. 目標の魅力要因とジレンマ 目標の魅力要因やジレンマの間には、相互作用がある –体験性については、逆に 表現性や反応性を抑えることで高める手法もある (「できない」という気持ちを一致させる) 例|『バイオハザード』、『Don’t Look Back』 14 A→B 「Aが高まるとBも高まりやすい」
  15. 15. ゲームデザインの4タイプ • 達成志向ゲーム – 例|リズムゲーム、クイズゲーム、シミュレーターなど • ジレンマ志向ゲーム – 例|戦略ゲーム、格闘ゲーム、シューターなど • ハイブリッドゲーム – 例|RPG、アクションアドベンチャー、育成ゲームなど • 非構造ゲーム – 例|ノベルゲーム、ゆるいオンラインゲームなど 15
  16. 16. 達成志向ゲームのデザイン 16 • コア目標を定める – 原則、最も魅力的な目標をコア目標にする リズムゲーム |リズムに合わせてボタンを押す クイズゲーム |出された問題に正解する • コア目標を含む構造をデザインする – 進行型構造で、 与えられた目標を無心に達成していけるようにする – コア目標の子目標も認識しやすく(直感的に)する
  17. 17. 創発型のコア構造を定める ジレンマ志向ゲームのデザイン(1) 17 – コア構造は通常ひとつだが 複数含むことも可能● 麻雀のコア構造 ● プラットフォームゲームのコア構造 ● 戦略級シミュレーションゲームの コア構造 – 原則、すべての要素がコア構造の親目標に寄与する  コア構造だけを抜き出してもゲームとして成立する
  18. 18. • スーパー構造とは? – コア構造の上位にある進行型構造 – スーパー構造だけを抜き出しても ゲームとして成立しない • スーパー構造の意義 – プレイヤーが長時間 集中し続けなくてよくなる – 山場を増やせる – 大差で負けていてもそれなりに楽しめる 進行型構造 ジレンマ志向ゲームのデザイン(2) 18 コア構造 スーパー構造 創発型構造
  19. 19. • サブ構造とは? – 中長期スケールのコア構造の 下位にある構造 – 進行型であることが多い • サブ構造の意義 – 簡単に気持ち良さを味わえる – それだけでは敷居の高い 中長期的なジレンマの間口を広げる ジレンマ志向ゲームのデザイン(3) 19 コア構造 サブ構造
  20. 20. ジレンマ志向ゲームのデザイン(4) – いくらでもリソースを 持っていける – 戦闘終了時に ステータス全回復する 20 – 持っていけるリソースの 制限が厳しい – ステータスの回復手段が 限られている 消耗系RPG回復系RPG 参考|RPGにおける目標構造の違い コア構造 コア構造1 コア構造2 スーパー構造
  21. 21. ハイブリッドゲームのデザイン 21 ほどほどのジレンマ+相性の良い目標の魅力 – 複数の要素が溶け合った複雑なゲームデザインになる  中長期ジレンマ+拡大性+表現性+愛着性 → 『ポケモン』  短期ジレンマ+反応性+体験性 → 『アンチャーテッド』 – 図の中で繋がった要素を 組み合わせると うまくまとまりやすい
  22. 22. まとめ 22 • 達成志向ゲーム – ゲームの構造に依存しない魅力を持ったコア目標と進行型構造 • ジレンマ志向ゲーム – 創発型のコア構造(+スーパー構造)(+サブ構造) • ハイブリッドゲーム – ジレンマ+相性の良い目標の魅力を持った複雑なゲーム ジレンマのスケールによって適した魅力要因が異なる • 非構造ゲーム – この理論で扱える対称外
  23. 23. ゲームデザイン整合性チェック 23  達成志向型 – コア目標は何か? – コア目標は魅力的か? – コア目標は認識しやすいか? – コア目標達成のための手段は直感的か?  ジレンマ志向型 – コア構造は何か? – コア構造のジレンマは予測しやすいか? 情報や選択肢は最小限か? – コア構造のジレンマで予測される差異は大きいか? – コア構造のジレンマから、他のジレンマが連鎖的に生じるか? – コア構造の上にスーパー構造を設けてみてはどうか? – コア構造が中長期的なら、その下にサブ構造を織り込むことはできないか? – そのジレンマと相性の良い目標の魅力は追加できないか?  ハイブリッド型 – 含まれるジレンマや目標の魅力は何か? – 含まれるジレンマや目標の魅力同士の相性は良いか?
  24. 24. ご清聴ありがとうございました。 24 井戸 里志 - @kan_jiro

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