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ライブラリアンとしてがん情報との向き合い方を考えてみた

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このスライドは、2019年6月29日ににんげん図書館(http://peoplelibrary.net/)主催で行われた『病と共に「生きる」「はたらく」を支えるシラベルワークショップ@名古屋』(場所:名古屋市鶴舞中央図書館)で、ワークのまとめとしてお話しした際に用いたスライドです。あなたやあなたの大切な人の体や心に「がん」という病気をとおして何かあったとき、いや、何もなくても知っておいていただけると支えや備えになるかもしれない考え方やリソースをご紹介しました。ライブラリアンである私個人の考え方も含まれています。この視点が抜けている、ということがありましたら是非ご教示ください。そして、どこかでまた同じような機会に恵まれるとよいなと思っています。

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ライブラリアンとしてがん情報との向き合い方を考えてみた

  1. 1. ライブラリアンとして がん情報との向き合い方を 考えてみた 小嶋 智美 Kojimama, Satomi Independent Librarian 病と共に「生きる」「はたらく」を支える シラベルワークショップ@名古屋 名古屋市鶴舞中央図書館 2019年6月29日[土] 15分
  2. 2. 今回のワークショップでは 名古屋在住の乳がん患者に対する 就労支援がテーマでした 2019/6/29 病と共に「生きる」「はたらく」を支える シラベルワークショップ@名古屋 2
  3. 3. で、なぜ ただのライブラリアンの 私が総まとめ的に話しているのか (いやいやただただ恐縮なんですよ) 病と共に「生きる」「はたらく」を支える シラベルワークショップ@名古屋 2019/6/29 3
  4. 4. ライブラリアンとしての私 • 図書館の勤務経験 ₋ 大学図書館:人文系→医療・医学関連 ₋ 病院図書館:医療従事者向け • 医学・医療分野の文献検索関連業務 ₋ 診療ガイドライン等作成のための文献検索 ₋ 医学・医療分野の専門職や司書への検索指導 ₋ 司書課程の授業担当:情報サービス演習 • 医学文献や検索に関する情報発信 ₋ Blog: A Certain Independent Librarian's Memo ₋ 雑誌連載:地域医療ジャーナル(ONLINE)  『ライブラリアンによるないないづくしのEBM』 ほか 病と共に「生きる」「はたらく」を支える シラベルワークショップ@名古屋 2019/6/29 4
  5. 5. EBM? 病と共に「生きる」「はたらく」を支える シラベルワークショップ@名古屋 2019/6/29 5
  6. 6. Evidence-Based Medicine 根拠に基づく医療 病と共に「生きる」「はたらく」を支える シラベルワークショップ@名古屋 Haynes RB. et al. Evid Based Med 2002;7:36-38. http://ebm.bmj.com/content/7/2/ “臨床医の価値観より患者の価値観をできるだけ最初に検討すべき”“臨床医の価値観より患者の価値観をできるだけ最初に検討すべき” 患者の価値観や行動患者の価値観や行動 臨床の状態や環境臨床の状態や環境 研究の成果研究の成果 臨床の熟達臨床の熟達 2019/6/29 6 すべての要素を 個々の状況に 合わせて検討する すべての要素を 個々の状況に 合わせて検討する
  7. 7. 医療も、人も、治療も、生き方も、 ひとつとして全く同じものはない • 患者にも個々の「属性」がある ₋ 年齢 ₋ 出身地 ₋ 既往歴 ₋ 家族構成 ₋ 生活環境・状況 ₋ 収入 …ほかにもまだまだたくさん 「がんになった」もその人の属性のひとつ その人のすべてではない (大きな課題ではある) 2019/6/29 病と共に「生きる」「はたらく」を支える シラベルワークショップ@名古屋 7
  8. 8. 医学系ライブラリアンあるある • がんに関する相談が突然届く ₋ 〇〇(おおむね相談者に近しい人)が がん になった  □□に効く食べ物について調べてほしい  名医のいる病院はどこか  △△という薬を飲んでいるようだが大丈夫なのか  同じ経験をして治った人の本が読みたい 私はどのように回答するのかといえば 状況により変化はするけれど姿勢は同じ 2019/6/29 病と共に「生きる」「はたらく」を支える シラベルワークショップ@名古屋 8
  9. 9. 餅は餅屋を意識する (ある人のことばを胸に) 2019/6/29 病と共に「生きる」「はたらく」を支える シラベルワークショップ@名古屋 9
  10. 10. 餅は餅屋 2019/6/29 病と共に「生きる」「はたらく」を支える シラベルワークショップ@名古屋 10
  11. 11. 医療の「餅屋」はさまざま • 医師、歯科医師、薬剤師、看護師、助産師、保 健師、管理栄養士、社会福祉士、精神保健福祉 士、臨床検査技師、診療放射線技師、臨床工学 技士、歯科衛生士、理学療法士、作業療法士、 義肢装具士、歯科技工士、救急救命士、言語聴 覚士、視能訓練士、ソーシャルワーカー、介護 福祉士、がん専門相談員、がん患者の就労支援 を行うキャリアカウンセラー、アピアランスサ ポート専門の美容師、公衆衛生学の研究者 など それぞれにそれぞれの専門性・役割がある 専門的なことは専門職を頼った方がよい 2019/6/29 病と共に「生きる」「はたらく」を支える シラベルワークショップ@名古屋 11
  12. 12. 例:薬剤師の「疑義照会」 薬剤師法第24条(処方せん中の疑義) 薬剤師は、処方せん中に疑わしい点があるとき は、その処方せんを交付した医師、歯科医師又 は獣医師に問い合わせて、その疑わしい点を確 かめた後でなければ、これによつて調剤しては ならない。 薬剤師は患者が処方された薬によって リスクを発生することを未然に防ぐ役割がある (だから薬局のカウンターでも医師と同じように症状を確認する) 2019/6/29 病と共に「生きる」「はたらく」を支える シラベルワークショップ@名古屋 12 https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=335AC0000000146
  13. 13. 例:名古屋のがん就労支援 2019/6/29 病と共に「生きる」「はたらく」を支える シラベルワークショップ@名古屋 13 • がん就労を考える会 [多職種連携] https://ganshuronagoya.wixsite.com/ganshuro 「がん治療と就労の両立支援は地域社会の問題」
  14. 14. ある人のことば 2019/6/29 病と共に「生きる」「はたらく」を支える シラベルワークショップ@名古屋 14
  15. 15. キング牧師 "Shallow understanding from people of good will is more frustrating than absolute misunderstanding from people of ill will.“ 「善良な人々の浅はかな理解は、 悪意ある人々の確かな誤解より腹立たしい」 Martin Luther King, Jr., Letter from a Birmingham Jail (16 April 1963). http://okra.stanford.edu/transcription/document_images/undecided/630416-019.pdf 病と共に「生きる」「はたらく」を支える シラベルワークショップ@名古屋 2019/6/29 15
  16. 16. 浅はかな理解≒呪いのことば • 刺激的な見出しにつられてSNS ₋ がんの新しい治療が見つかった・論文が出た →出典は?内容は?結果は?研究手法は?質は? →まず押さえておくものは「標準治療」 • 意識なく人を「診察」してしまう ₋ あの人急にやせたから がん じゃないかしら ₋ 〇〇する (しない) と がん になるんだって ₋ これ効く(”はず“ だ)から試してみて ₋ 芸人の〇〇が△△で治った(亡くなった)って 安易に医療や健康に関する情報を流す前に 自分が言われる立場になったらどう思うかを考える 2019/6/29 病と共に「生きる」「はたらく」を支える シラベルワークショップ@名古屋 16
  17. 17. 安易な情報のシェアは 浅はかな理解が要因かもしれない 2019/6/29 病と共に「生きる」「はたらく」を支える シラベルワークショップ@名古屋 17
  18. 18. 安易な情報のシェアや 押しつけをしないためにも あらかじめ役立つ情報を知る 2019/6/29 病と共に「生きる」「はたらく」を支える シラベルワークショップ@名古屋 18
  19. 19. ここからは あなた自身のためにも まずここから活用してほしいと ライブラリアンが考える ウェブサイトの一例を ご紹介します 2019/6/29 病と共に「生きる」「はたらく」を支える シラベルワークショップ@名古屋 19
  20. 20. リソースの種類 • 公的機関による一般向け情報 • 医療職による一般向け情報 • がんになった人たちのことを知る 2019/6/29 病と共に「生きる」「はたらく」を支える シラベルワークショップ@名古屋 20
  21. 21. 公的機関による一般向け情報 2019/6/29 病と共に「生きる」「はたらく」を支える シラベルワークショップ@名古屋 21
  22. 22. がん情報サービス 国立がん研究センター https://ganjoho.jp/public/index.html 2019/6/29 病と共に「生きる」「はたらく」を支える シラベルワークショップ@名古屋 22
  23. 23. がん情報サイト 米国国立がん研究所 / 神戸医療産業都市推進機構 http://cancerinfo.tri-kobe.org/index.html 2019/6/29 病と共に「生きる」「はたらく」を支える シラベルワークショップ@名古屋 23
  24. 24. 学会の一般向けサイト 例:日本乳癌学会 https://jbcs.gr.jp/forcitizen/ 2019/6/29 病と共に「生きる」「はたらく」を支える シラベルワークショップ@名古屋 24
  25. 25. Mindsガイドラインライブラリ 日本医療機能評価機構 https://minds.jcqhc.or.jp/s/public_infomaiton_guide 2019/6/29 病と共に「生きる」「はたらく」を支える シラベルワークショップ@名古屋 25
  26. 26. 医療職による一般向け情報 2019/6/29 病と共に「生きる」「はたらく」を支える シラベルワークショップ@名古屋 26
  27. 27. 患者向け医療情報サイト総まとめ 外科医の視点 (外科医けいゆう氏) https://keiyouwhite.com/ 2019/6/29 病と共に「生きる」「はたらく」を支える シラベルワークショップ@名古屋 27
  28. 28. #インスタ医療団: Instagram https://www.instagram.com/ 2019/6/29 病と共に「生きる」「はたらく」を支える シラベルワークショップ@名古屋 28 医療行為への誤解や、健 康被害を誘発するような 情報など、偏った見方の 投稿の蔓延に対し、専門 家が自身のアカウントで 根拠に基づく情報を発信 医療行為への誤解や、健 康被害を誘発するような 情報など、偏った見方の 投稿の蔓延に対し、専門 家が自身のアカウントで 根拠に基づく情報を発信
  29. 29. がんになった人たちの ことを知る 2019/6/29 病と共に「生きる」「はたらく」を支える シラベルワークショップ@名古屋 29
  30. 30. NPO法人 健康と病いの語り ディペックス・ジャパン https://www.dipex-j.org/ 病と共に「生きる」「はたらく」を支える シラベルワークショップ@名古屋 2019/6/29 30
  31. 31. がん一万人の声・がんと生きる日々 NPO法人 私のがんnet http://www.my-cancer.net/ 2019/6/29 病と共に「生きる」「はたらく」を支える シラベルワークショップ@名古屋 31
  32. 32. 私が最近読んだ関連書 2019/6/29 病と共に「生きる」「はたらく」を支える シラベルワークショップ@名古屋 32 Dr. ヤンデルの病院選び 市原真著 https://calil.jp/book/4621303759 Dr. ヤンデルの病院選び 市原真著 https://calil.jp/book/4621303759 がんを抱えて、自分らしく生きたい 西智弘著 https://calil.jp/book/4569843077 がんを抱えて、自分らしく生きたい 西智弘著 https://calil.jp/book/4569843077 がん経験者の就労にかかわる人の ためのスキルアップマニュアル CSR研究所編 http://workingsurvivors.org/index.html がん経験者の就労にかかわる人の ためのスキルアップマニュアル CSR研究所編 http://workingsurvivors.org/index.html
  33. 33. 図書館の活用 • 患者図書室 • 大学図書館 • 公共図書館 2019/6/29 病と共に「生きる」「はたらく」を支える シラベルワークショップ@名古屋 33
  34. 34. 患者図書室 病院内:患者以外も利用可・一般向けの医学書や疾患の パンフレット、インターネットを使った調べ物ができる • 名古屋大学医学部附属病院 ₋ 患者情報センター(広場ナディック) 平日10:00-16:00 https://www.med.nagoya-u.ac.jp/hospital/guide/facilities/nadic/  ボランティアによる運営(病院看護部が選書)  患者同士の交流の場としても機能 • 名古屋市立大学病院 平日9:00-16:00 ₋ 患者情報ライブラリー https://w3hosp.med.nagoya-cu.ac.jp/for-patient/consultation/  専門員による運営(看護職経験者と大学図書館が選書)  がん情報コーナーあり 2019/6/29 病と共に「生きる」「はたらく」を支える シラベルワークショップ@名古屋 34
  35. 35. 大学図書館 • 医学部等の領域を持つ大学の図書館 ₋ 教育・研究のための専門書・学術雑誌を中心に所蔵  一般向けの平易な言葉で書かれた資料は少ない ₋ 論文を入手しやすい(医学は電子ジャーナルが大半)  契約内容等によっては学外者が利用できないものもある ₋ 公共図書館と連携しているところもある • 利用するときは ₋ 図書館サイトで学外者の利用に関する情報を確認 ₋ 調べたい事柄をできるだけ整理しておく  資料が決まっている時は蔵書検索で所蔵と貸出状況を確認 2019/6/29 病と共に「生きる」「はたらく」を支える シラベルワークショップ@名古屋 35
  36. 36. 公共図書館 • さまざまな分野の資料があることが最大の魅力 「がんになった」もその人の属性のひとつ その人のすべてではない (大きな課題ではある) ₋ 「考え方」「生活」「楽しみ」「癒し」の資料  病気のことや治療だけが「医療」ではない  病気にならないことだけが「健康」ではない • 「がん情報ギフト」 寄付プロジェクト ₋ 国立がん研究センター発行資料のセットが届く ₋ 寄付者は設置する地域を指定できる https://www.ncc.go.jp/jp/d004/donation/ganjoho_gift/index.html 2019/6/29 病と共に「生きる」「はたらく」を支える シラベルワークショップ@名古屋 36 鶴舞図書館 届きました! 2019.7-
  37. 37. 医療情報の見極め方を 学べるサイトもあります 2019/6/29 病と共に「生きる」「はたらく」を支える シラベルワークショップ@名古屋 37
  38. 38. 「統合医療」情報発信サイト 厚生労働省 http://www.ejim.ncgg.go.jp/public/hint/index.html 2019/6/29 病と共に「生きる」「はたらく」を支える シラベルワークショップ@名古屋 38
  39. 39. 健康を決める力 中山和弘氏 (聖路加国際大学 看護情報学) http://www.healthliteracy.jp/ 2019/6/29 病と共に「生きる」「はたらく」を支える シラベルワークショップ@名古屋 39
  40. 40. メディアドクター研究会 http://www.mediadoctor.jp/ 2019/6/29 病と共に「生きる」「はたらく」を支える シラベルワークショップ@名古屋 40
  41. 41. さいごに • 情報はあいまいなもの ₋ 突き詰めれば突き詰めるほどあいまいさが増す ₋ そもそも確実でただ一つの正解などないのでは • 情報を得て「わかりあえないこと」を知る ₋ あなたの正解は誰かの不正解かもしれない ₋ 当事者になってみないと見えてこないこともある • あなたとあなたの大切な人の情報を得ておく ₋ いざという時の選択で「適解」が出しやすくなる ₋ 普段から大切な人の価値観を知る機会を作る 2019/6/29 病と共に「生きる」「はたらく」を支える シラベルワークショップ@名古屋 41
  42. 42. 今回のワークショップで生まれた 「もやもやした思い」を どうか大切にしてくださいね 2019/6/29 病と共に「生きる」「はたらく」を支える シラベルワークショップ@名古屋 42
  43. 43. ご質問・ご意見があれば ぜひどうぞ https://kojimasatomi.tumblr.com/ 病と共に「生きる」「はたらく」を支える シラベルワークショップ@名古屋 小嶋 智美 Kojimama, Satomi

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