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Syokugyouron2016 11

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情報職業論 2016年第11回

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Syokugyouron2016 11

  1. 1. 情報職業論 ⑪ 情報財の基本特性
  2. 2. 音楽著作権管理事業者 •2001年10月に著作権等管理事業法が施 行。同じ作品であっても, 利用形態ごと に異なる管理事業者の許諾が必要なケー スが生じることになった(クリアリングハ ウスはある) •日本音楽著作権協会(1939) •ジャパン・ライツ・クリアランス(2000) •イーライセンス(2000)←エイベックス系 •ダイキサウンド(1999) •アジア著作協会(2002) •ジャパンデジタルコンテンツ(2002)
  3. 3. 演奏権・放送権は限定的 •放送は地上波民放・NHKに限られ, カラオケなど演奏権は利用者団体 との協議が続く http://www.elicense.co.jp/u/01.html
  4. 4. 公取委の排除勧告 •JASRACが放送局と結ぶブラン ケット契約(使用回数にかかわらず 定額で全ての楽曲使用を認める)が 他の事業者(1曲ごとの支払い)の参 入を妨げるとして公取委は2009年 に排除勧告。JASRACはその後,7 年間にわたり法廷で争ってきたが, 2016年9月に勧告を受け入れ,事 業者間協議を開始した
  5. 5. 「私的使用」という適用除外 •「個人的又は家庭内その他これに 準ずる限られた範囲内で使用する ことを目的とするときは,使用す る者が複製することができる(著作 権法第30条) •通常は4~5人程度であり,かつ,その関係は家庭内に 準ずる親密かつ閉鎖的な関係を有することが必要 ●あなたが録画・録音物から録画・録 音したものは、個人で楽しむなどのほ かは、著作権法上、権利者に無断で使 用できません。 ■この音源を著作者の許諾なく、イ ンターネット上のネットワーク配信 サイト等へ配布、またネットラジオ 局等へ配布することを禁止します。
  6. 6. ロケーションフリー •「市販の記録機材の所有 者が,ホストと端末を紐付けして, 記録された(放送中の)映像を自分に 向けて送信する行為」 •ロケーションは家の中,移動中, 海外の居住地などさまざま •家の中はLAN,外へは公衆回線を 経由する。記録機材を預かり,記 録・送信行為を代行するケースも
  7. 7. 「まねきTV」裁判 •東京地裁:【勝訴】「まねきTV」は 適法(08/06/20) •知財高裁:【勝訴】権利侵害して いない,適法。(08/12/15) •最高裁:【差し戻し】著作権侵害と判断、 テレビ局側敗訴を破棄。高裁に差し戻 し(11/01/18) •知財高裁:【敗訴】サービス差し止め、 テレビ局の訴え認める(12/01/31) •最高裁:【敗訴】上告棄却。知財高裁の 判決確定(13/02/14)
  8. 8. まねきTV判決の評価 •著作権法を原理主義的に解釈する と,最高裁の判決になるだろうが, それでいったい誰が得をして誰が 損をするのか? 海外向けロケフリ サービスはもともとニッチで,放 送局が商用サービスを手掛けると 思えない(だがニーズはある)。どん なケースでも公衆送信権が認定さ れると,テレビ信号を誰もネット に流せなくなる(たとえ強固なパス ワードをかけたとしても)
  9. 9. DLPA
  10. 10. 一般社団法人デジタルライフ推進協会(略称:DLPA) 英語表記:Digital Life Promotion Association
  11. 11. 結局はベンチャーつぶし? •2013年6月に設立された次世代放 送推進フォーラム(NexTV-F)がイ ンターネットを介したリモート視 聴の規格を策定,2014年2月13日 に「デジタル放送受信機における リモート視聴要件 Ver1.0」を公開。 スマートホン・アプリなどでリア ルタイム視聴や録画番組視聴が可 能になる
  12. 12. 原理主義と便宜主義 •著作権法の原理(法理)に忠実に規律し ていると「許諾せず行動もしない権利 者」が増大し,利用者のニーズは省み られない危険性が高くなる •権利侵害の主体は利用者ではなく〈場 の提供者〉という考え方もある(いわゆ る“カラオケの法理”) •利用者のニーズを認めて著作権法を弾 力的に運用し,利用者の便宜を図って いくと,結果的に権利者の潜在利益は 毀損される? それでも増大する?
  13. 13. 音楽用CDをCD-Rに複製 •購入した音楽CDをバックアップ目 的でコピー •レンタルした音楽CDをコピー •購入した音楽CDをクラスの友人に 頼まれてコピーして手渡し •遠隔地に住む知人に,プレゼント する目的でコピーして郵送する •店頭の高速ダビング機でコピー
  14. 14. 次のケースは •1年前に発売の雑誌1ページ分をコ ンビニのコピー機で複写し,大学 の公認サークル部員12人に配付 •200ページの書籍(絶版で入手困難) を丸ごとコピーし,教員が大学の ゼミ(5人)に配付する •コピー・プロテクトがかかってい るDVDをバックアップ目的で,パ ソコンソフトを用いて複製する
  15. 15. 私的使用への制約 •違法にアップロードされたことを 認識している音楽・動画ファイル などのダウンロード行為(私的複製 の範囲から除外する) •技術的保護手段(コピーガード)を回 避しての複製(同)
  16. 16. 情報財の根本矛盾 •情報財=無体財。ところが,流通さ せるには有体物に固定する必要が あった ① 情報本来の価格決定メカニズム (次回)が喪失し,有体物としてモノ に準ずる扱い ② 有体物を購入することにともな い所有権が移転し,著作権者の排他 的独占権でも対抗できない
  17. 17. 情報とモノとの違い •価値が不安定(固定的な一物一価で はない) •専有的・排他的ではない(コピーに よる共有が容易) •返品がきかない(取引の不可逆性) •規格品ではない(一品〈作/回〉ご とに“品質”が変わっている可能性)
  18. 18. 頒布権 •著作権者が有体物の流通を制御できる 権利(right of distribution) •譲渡権:正規に一回目に販売された後 は消滅(first sell doctrine) •頒布権:消滅(消尽)はない。何段階もの 所有権移転過程に著作権者が関与でき る •貸与権:所有権が移転しない。日本で は,すべての著作物に貸与権を付与し ている(頒布権も実態的には貸与権の 行使)
  19. 19. 映画/DVDと中古 •映画フィルム(データ)や業務用DVD は伝統的に“貸与”されてきた(DVD もセル商品とは“構成”が異なる)。使 用後は“返却”が前提(=頒布権) •しかし「中古市場」が自然と形成さ れ,それを厳格に取り締まると新品 市場に悪影響が及びかねないので, “事実上は黙認”に(ゲームソフトも同 様)
  20. 20. PCソフト •PC(ゲーム)ソフトの中古販売は完 全な違法となる。なぜならば,所 有権が移転しない使用許諾契約を 承諾しているからである •契約は,あらゆる 法律の条文よりも 優越する
  21. 21. 再販売価格維持制度 •医薬品などが次々と対象外となり, 残るは著作物6品目だけ(新聞・雑 誌・書籍・レコード・カセット・ CD) •発売元(著作権者)が「定価」販売を 義務付け,それを不服として値引 き販売する小売店とは契約解除し ても構わない •法定再販ともいう
  22. 22. 値引き販売ができない •生協など一部店舗では適用除外 •米英を除くと,多くの国で書籍で は再販制度がある •書店の競争は,営業時間・付帯 サービスなど限られた選択肢の中 で実施される(ネット書店の競争も 同様) •DVD付きCDは値引き販売ができ る
  23. 23. 再販制度の意義 •全国一物一価(地域間格差の是正) •権利者の保護(一定の報酬の確保) •多品種少量生産の維持(著作物は基 本的に“嗜好品”) •文化的生活の基盤(少数者保護) •販売店の利益確保(書籍の多くは返 品を許容する委託販売,CDは条件 付き返品許容の買取販売)
  24. 24. 再販制度のデメリット •需給関係に応じた柔軟な価格設定(値 引き販売)が不可←競争原理の否定 •ネット書店など新たな業態での販売 形態の差異化につながりづらい •DVD,ゲームソフトなどは同じ著作 物なのに「再販」が認められていな い。Kindleなど電子出版物はグレー ゾーン
  25. 25. 再販の弾力化 •時限再販―CDでは「6ヶ月」など, 雑誌は「次号発売まで」など再販 制度適用期限を明記するケース •ただし,雑誌の場合,次号が発売されると,バックナン バーは店頭から消えるケースがほとんど •自由価格本―返本などを受け,出 版社が定価を明示せずに再流通さ せる書籍 •廃盤セール―日本レコード協会が 実施する再販切れ商品の販売会
  26. 26. 書籍の委託販売制度 •一定期間(一般に4ヶ月)が経過する と返品が許容される。ただ,実務 的には一旦は買取り,返品で返金 される。出版取次業は金融機能を 有する •書店で資金繰りが苦しくなると, 配本された書籍を店頭に並べずに 返品することも。書籍の返品率は 40%台で高止まり
  27. 27. 多様な販売制度 •専門書・実用書など既刊本を長期間 販売する「長期委託」 •文庫本などを1年間寄託して,売れ た商品を補充する「常備委託」 •返品を許容しない「買取り」 •仕入れ・返品について一定の条件を 課し,罰則と報奨(マージンの引上 げなど)を与える「責任販売制度」
  28. 28. 委託販売主軸の弊害 •新刊書が店頭からすぐに姿を消す •売上は少ないが息長く売れる本(ロ ングテール)が店頭に並びにくい •どの書店も似たような品揃えをし ていて特徴がなくなる •委託販売で生じる決済のタイムラ グのため,出版社は新刊点数を増 やして資金の回収を図る「自転車 操業出版」
  29. 29. 書籍の利益配分 •出版社:69~73% •著者は10%程度 •取次:8% •書店:18~23% •返本・在庫・断裁などが増えると, 出版社の利益は削られる •万引きなどが発生すると,書店の 利益は減少する
  30. 30. レンタル市場 •ビデオは頒布権の行使。店舗への貸 与期間・分配など条件を決め契約 •CDは貸与権。レンタルの可否・禁 止期間など条件を決め契約。CDレ ンタル商業組合 •コミックも貸与権。出版社との仲立 ちは「出版物貸与権管理センター (2006/12設立)」
  31. 31. レンタル店推移 レンタル商組加盟が2304店で,TSUTAYA店舗が1435店な ので,“寡占化”が進行している
  32. 32. 中古(リサイクル)市場 •消費者が必要とする価格での取引 (捨てるよりはマシな買取価格) •中身を利用する限り,新品でも中 古でも基本的に価値は不変(書籍な どでは若干の品質劣化はある) •返品制度で,新刊本がすぐに店頭 から消える新刊書籍市場との共存 BOOK OFF,GEOなどは新古書店,リ サイクル・ブックストアと総称される
  33. 33. 中古とコミックスの関係 ①中古がコミック市場を奪っている (中古がなければもっと売れている) ②中古の存在によりコミック市場が 下支えされている(相互依存関係で コミックスが売れている) ③プラス・マイナスの影響が相殺さ れて現在の市場が形成されている ④中古と新品の市場は無関係
  34. 34. 中古は出版社に還元なし •中古市場→新品市場を圧迫? 新品で 本来は売れた分は販売機会の喪失 •中古で売却→得た資金で新品も購入。 接触機会が増えることで,新品購入 機会も増える? •中古・レンタル→プロモーション (販売促進)効果が存在する? それと も市場の破壊者?
  35. 35. 洋楽が聴かれない日本市場 •数量比で洋楽は27%(‘06)→14%(‘15)に減少。 •1992年 から洋楽 の音盤の レンタル 禁止期間 が1年に なったこ との影響 か? https://www.riaj.or.jp/f/data/annual/ar_all.html
  36. 36. 中古との共存共栄 •有体物である限り,所有権は移転 し,所有者の財産処分の自由を侵 犯することはできない •前提は消尽しない譲渡権の創設? •中古売買禁止期間を設定? •中古販売の売上金の一部を出版元 (著作権者)に分配し,販売機会損失 を補填?

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