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openEHR/ISO13606入門

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第39回医療情報学連合大会チュートリアルで行ったopenEHR入門

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openEHR/ISO13606入門

  1. 1. openEHR/ISO13606入門 小林慎治 京都大学EHR共同研究講座
  2. 2. Agenda • 医療標準とは • 臨床情報モデルとは • openEHRの参照モデルとアーキタイプ、テンプ レート
  3. 3. openEHRファクトチェック • 「openEHR/ISO13606は難しすぎて世界のどこでも実装され ていないし、使われてもいない」 • 事実ではない。 • openEHRは難しいか。 • 主観の問題ではあるが日本ではそういう声を聞くこともある。 • フィリピン、中国でチュートリアルイベントを企画したが、わかりやす かったという反響があり、実際に普及した。 • 単に言いにくかっただけかもしれない。 • openEHRは実装されていないか • いろいろと実装されています。 • S Kobayashi, et al, Ruby Implementation of the OpenEHR Specifications, JACIII, 2011 • openEHRは医療情報のすべてを規格化しようとしている。厳 格すぎて実用にならない。 • とりあえずのデータセットは用意します。 • ISO 13606とopenEHRは別物 • 2018年の改訂ではopenEHRの最新仕様が大きく取り入れられた。
  4. 4. 医療情報標準 用語 臨床情報モデル メッセージ形式 交換プロトコル SNOMED-CT ICD-10 厚生労働省マスタ HL7 IHE ISO 13606 MML
  5. 5. 医療標準の普及における問題 期待・関心 時間経過(10年くらい) 必要性の認知 標準開発・導入 プロジェクト発足 予算獲得 標準開発 プロジェクト終了 ガートナーのHype cycle
  6. 6. https://xkcd.com/927/
  7. 7. 日本では… ある標準が普及すれば 問題が解決すると盛り 上がる そして廃れる標準がないと 問題になる
  8. 8. 医療標準を普及させるには • 長期「育成」計画 • 一つの標準ですべてをカバーすることはできない • 標準に現場を合わせるのではなく、現場に標準を合わせ るために地道な改善努力が必要 • 幅広い協力体制 • 標準が解決すべき課題は、技術的課題、予算措置を含め た政治的課題、臨床応用など多岐にわたりそれらのすべ てを解決する必要がある。 • 技術的課題を政治的に解決するのは無理であり、現場の 協力無しには何が問題かすらわからない。 • 標準は技術的実装がなければ、ただの文字列に過ぎない。 技術的な課題とそれに対する学術的考察は重要である。
  9. 9. ノルウェーでの事例 Norwegean IKT IT vendors (DIPS, and others) Academs Oslo大学 医療機関 国民
  10. 10. ノルウェーでのアーキタイプ 開発
  11. 11. Silje Ljosland Bakke, Norwegian IKT
  12. 12. Bjørn Næss, DIPS
  13. 13. 伽藍とバザール, Eric Raymond, 1995 伽藍 • 少数の有識者が中心 となり開発が進めら れる • 慎重に計画は進めら れ完成してから公開 される バザール • 複数の開発者が同時 多発的に開発を行い、 よいものが採用され る • 完成度はまちまちで あるが、よいものに は注目が集まり普及 していく HL7 v 2.5, v3 CDA HL7 FHIR, openEHR
  14. 14. openEHRが提供するもの • ISO 13606としてEHRを構成する論理モデル国際 的に普及している規格 • EHR構築に必要なデータモデルとセキュリティ 仕様 • 十分に議論され、再利用可能な論理情報モデル • 公開された議論と民主的に運営された開発コ ミュニティ
  15. 15. NPO 日本openEHR協会 • openEHRの普及のために発足 • 年に1回の総会とチュートリアル • 国際的に認められたopenEHRの日本支部 • 年会費5000円 • チュートリアル無料などの会員還元あり
  16. 16. 論理情報モデル
  17. 17. 相互運用性(Interoperability) • Foundational(基礎的) interoperability • データをシステム間で受け渡すことができる • 受け取ったデータを解釈できなくてもよい • Structural (構造的) interoperability • システム間で構造化されたデータを受け渡すことが できる。 • 共通の構造、文法を定義しておく必要がある • Semantic(意味論的) interoperability • システム間で構造および語彙について定義された データを受け渡すことができる
  18. 18. 語彙(Vocabulary)、用語集、類 語集 • 用語 • 専門家同士で疎通できる最小の意味単位 • 「前庭部胃がんに対する幽門側部分胃切除術」 • 語彙 • 用語の集合 • 階層や相互関係についても示される • タキソノミー、オントロジー • 用語集 • 専門家同士で用語として適切なものを標準としてまとめ たもの • 類語集 • 同じ意味を持つ用語をまとめたもの
  19. 19. 「病名」 レセプト請求 診療情報提供書 病理診断報告書 病名 保険記号・番号 公費別 … … 傷病名 紹介目的 治療経過 … … 診断名 検体 提出日 … … 病理診断報告書 Diagnosis Specimen … … 画像診断報告書 総合所見 方法 緊急 … … 退院時要約 入院契機病名 最終診断病名 DPC病名 … …
  20. 20. 病名と診断 • 悪性リンパ腫 • ホジキンリンパ腫 • びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 • びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、Stage 2 • びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(胚中心型)、 Stage 2、国際予後スコアシステム 2点、改訂版 国際予後システム1点
  21. 21. 系統分類(タキソノミー)
  22. 22. 病期分類、重症度 • 病期 • がんでよく用いられる疾患の進行度 • TNM分類など学会などでコンセンサスの得られた診 断基準が用いられる • 重症度 • 循環器疾患、感染症で用いられる疾患の重篤性につ いての分類 • NYHAなど学会でコンセンサスの得られた診断基準 が用いられる
  23. 23. 診断・病名
  24. 24. Problem/Diagnosis archetype
  25. 25. openEHR CKM http://www.openehr.org/ckm
  26. 26. HMC(中国浙江大学)
  27. 27. HL7 FHIR Resource
  28. 28. HL7 FHIRとopenEHRの比較 HL7 FHIR • メッセージ指向 • オープンライセンス • CC-0 • モデリング • 一段階 • 開発コミュニティ • 大 openEHR • 記録指向 • オープンライセンス • CC-BY-SA, Apache2 • モデリング • 二段階 • 開発コミュニティ • 中
  29. 29. HL7 CDA RIM, FHIR Resource, openEHR RM CDA FHIR openEHR RM Health Record An extract of an EHR Multi documents Bulk Extract of EHR Folder Folder Composition (versions) Document Bundle Composition Section Section Section (ENTRY) (Entry) (Resource) Entry •Observation Observation Observation Observation •Action Act Action •Evaluation Substance administration Evaluastion •Instruction Supply Request Instruction Cluster Cluster Element Element
  30. 30. openEHRとは
  31. 31. Open Platform for health care
  32. 32. 2段階モデリング Ian McNil, MEDINFO 2015, Sao Paolo
  33. 33. 体重測定の概念モデル表現 1段階モデル { “body_weight”: 78, “unit”: “kg” } 2段階モデル { “name”: “Body weight”, “quantity”: { “magnitude”: 78, “unit”: “kg” } }
  34. 34. データベース設計 1段階モデル ID 体重 1 70 2 60 3 65 2段階モデル ID 対象 magnitude unit 1 体重 70 kg 1 身長 178 cm 2 体重 60 kg 2 身長 156 cm 3 体重 65 kg 3 身長 168 cm ID 身長 1 178 2 156 3 168
  35. 35. 1段階モデルと2段階モデル 1段階モデル • 実装 • 容易 • データ項目の追加 • スキーマを変更する 必要がある。 • 規模が大きくなると よりむずかしくなる 2段階モデル • 実装難易度 • むずかしい • データ項目の追加 • スキーマの変更は不 要 • 規模の大小にかかわ らず容易
  36. 36. Template, Archetype Sam Heard, EHR標準ISO13606 and openEHR, 第28回医療情報学連合大会2008
  37. 37. 参照モデルとアーキタイプ・ テンプレートモデル 参照モデル • データ型、構造 • セキュリティ仕様 • 監査証跡 アーキタイプ • 観察、評価、指示、 実施、管理、タスク フローなどの臨床概 念についてのデータ モデル • 参照モデルをベース として構成される
  38. 38. Compositions 一連の医療行為や文書を表すエントリ型の集合 例:検査レポート,臨床個人調査票 EHR 1個人の電子健康記録 Folders EHRの中での上位構造 例:専門科ごとの診療記録 Sections ワークフローやコンサルト,診断の過程, 診療行為に関連する見出し項目。例:SOAP Clusters データを複数まとめたもの 例:解剖学的位置,TNM分類 Elements 診療概念を構成する値 例:受診理由,体重 Data values データ型,値 例:用語コード,単位と値 Entries 診療概念の表現(statement) 観察,評価,指示,行為 © Ocean Informatics 2009 参照モデル階層
  39. 39. Part 1 - Reference Model EHR_EXTRACT RECORD_COMPONENT COMPOSITION DATA_VALUE CONTENT CLUSTER ELEMENT SECTION FOLDER ENTRY ITEM rc_id compositions 0..* items 0..* folders 0..* all_compositions 0..* 0..* parts members 0..* content 0..* sub-folders 0..* 0..1value
  40. 40. EHR, FOLDERの図 EHR FOLDER
  41. 41. 「紹介状」の概念構成 • 紹介状様式 • 個人情報 • 医療機関情報 • 見出し情報 • 内容: • 紹介目的 • 病歴 • 治療経過 • 処方箋
  42. 42. 紹介状のアーキタイプ構成 • 紹介状様式:COMPOSITION • openEHR-EHR-COMPOSITION.refferral • 個人情報:DEMOGRAPHIC • openEHR-DEMOGRAPHIC.personal • 医療機関情報 • openEHR-EHR- CLUSTER.professional_individual • 見出し情報:SECTION • openEHR-EHR-SECTION.refferal • 内容: • 紹介目的 • openEHR-EHR- EVALUATION.reason_for_encounter • 病歴 • openEHR-EHR-OBSERVATION.story • 治療経過 • openEHR-EHR-EVALUATION.clinical_synopsis • 処方箋 • openEHR-EHR-ACTION.medication.order
  43. 43. COMPOSITION • 「コンテナ」クラス • openEHRの参照モデルをすべて組み込むことができる。 • 記録の最小単位 • COMPOSITIONより小さい単位では記録としては扱われな い • 帳票、伝票、画面に相当 • 変更・修正は新しいバージョンとして管理される • 法的根拠となりうる記録を扱う • いつ、誰が、何を • 電子署名、あるいは電子監査 • 参加者
  44. 44. COMPOSITION2 • 見出し情報をSECTIONで定義することができる • どの見出し項目を扱うかはSECTIONクラスを指定す ることが一般的 • ContextとContent情報を扱う • Context(文脈情報) • 直接的には健康に関係しない情報 • 例:帳票種別、記載者など • Content(内容情報) • SECTION, ENTRY以下、直接健康に関する情報 • 例:SOAPなどの見出し、血圧、検査結果、処方内容など
  45. 45. 「紹介状」のSECTION部分 • 各見出し項目 • 傷病名 • 紹介目的 • 受信経過・検査結果・ 治療経過 • 現在の処方 • 備考 • 個別の内容は含まない。 • 個別の内容を記録する アーキタイプを組み込 むためのスロットを用 意
  46. 46. SECTION • 見出し項目でCOMPOSITION以下に組み込まれる 参照モデルを構造化する • COMPOSITION以下の情報の構造を標準化する • 見出しを付けることで人間にとってわかりやすくす る • SECTIONの例 • SOAP • 身体所見:系統的に入力。「頭頚部、胸腹部..」 • 病歴:「現病歴、既往歴、家族歴」など
  47. 47. 「紹介状」のENTRY部分 • 各見出しの内容 • 傷病名 • 紹介目的 • 既往歴・家族歴 • 受信経過・検査結 果・治療経過 • 現在の処方 • 備考
  48. 48. ENTRY • ENTRYは情報の「意味単位」 • 個々の「診療記録」を対象とする • ENTRYが表す情報は、どのような状況であっても同じも のを指す。 • これがopenEHRアーキテクチャ設計の基本的な特徴である。 • ENTRYの例 • 血圧:全身の動脈血圧 • 血管内圧:血管系のどこかの部位での圧 • 体重:全身の重量 • 心電図計測 • 脈拍 • 薬剤 • 診断
  49. 49. © Ocean Informatics 2009 Entry型 Actions Published evidence base Personal knowledge base Evaluation2 Observations Subject Instructions Investigator’s agents 4 3 1Domain Expert measurable or observable clinically interpreted findings order or initiation of a workflow process Recording each activity Time/Event series; State OR Persistent Summary Admin Entry 5
  50. 50. 「血圧」のArchetype
  51. 51. 参照モデルとアーキタイプ • アーキタイプは参照モ デルで構成される • 参照モデル: OBSERVATIONと「血圧」 アーキタイプ • アーキタイプを元に参 照モデルのインスタン スが生成される • 血圧アーキタイプから、 OBSERVATIONクラスのイ ンスタンスが導出され、 血圧データを格納される OBSERVATION Blood pressure
  52. 52. Archetypeの役割 • 情報を共有するベースとしての概念モデル • 幅広く共有できる • 最大セット • 機械処理ができる • 専門家による合議のもとで形成される • 情報についての制約と検証 • データ型(文字列、数値、日付など) • データの範囲(収縮期血圧は0以上、1000以下)
  53. 53. openEHR: Templates • TemplateはArchetypeを組み合わ せてデータセットを構成する • 実世界のデータセットを表現す る • たとえば、「バイタルサイ ンの入力画面」、「退院サ マリー」、「緩和ケアプラ ン」 • 臨床上重要なエンドポイントやス タートポイントについて技術的に 作成することができる Ian McNil, MEDINFO 2015, Sao Paolo
  54. 54. 各モデルの比較  参照モデル(Reference Model )– 堅牢  Archetype – 安定、固定  Template – 柔軟+++++++  Reference Model は設計の基本となる  Reference Model は archetype を構成する  Archetypes は Templateを構成する
  55. 55. Archetype/Templateのまとめ • Reference model • データ型や構造、メタ臨床モデル • Archetype • 医療記録のパーツとしての臨床概念モデル • どのような場面でも利用できるように「最大データ セット」で構築される • 参照モデルを使って構築される • Template • 実際のユースケースに応じた医療記録 • Archetypeの組み合わせで表現される
  56. 56. openEHRの実装例 • DIPS EHR • Better by Marand • Iryo • Cabolab EHR server • EtherCIS • EHR base • 浙江大学EHR平台 • 千年カルテ
  57. 57. “Millennial Electronic Health Record” Japan Medical Network Association Life Data InitiativeCare providers Patient Health checkup Reference model Archetypes Primary use Clinical data sharing Secondary use Research, commercial ISO 13606/openEHR logical models MML, HL7, or others Reference model Archetypes Pharmaceutical industry Academic research Public health School checkup Aggregate + Anonymize Being on the examination to certify.
  58. 58. まとめ • 医療標準 • 長期的視野で「育てていく」べきもの • 「おしいただく」ではダメ • 情報モデル • 概念を表現するには用語だけではなく構造も定義す る必要がある • openEHR archetype • 実運用されているし、データモデルはFHIRなどへも 影響している。

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