天文学概論(第1回)
天文学概論
神奈川大学理学部
2013年度後期
担当:佐々木ほか
本講義で扱うトピック
・私たちが住む太陽系
・惑星系の起源とその進化
・多様な太陽系外惑星
・銀河系と近傍銀河
・超新星と距離の梯子
・天体観測の原理と歴史
・初期宇宙と宇宙の構造形成
スケジュール
10/2 佐々木 太陽系(1)
10/9 佐々木 太陽系(2)
10/16 佐々木 星惑星形成(1)
10/23 佐々木 星惑星形成(2)
10/30 佐々木 系外惑星(1)
11/6 佐々木 系外惑星(2)
11/13 橋本 銀...
スケジュール
11/20 橋本 銀河系・近傍銀河(2)
11/27 高梨 超新星・宇宙論(1)
12/4 高梨 超新星・宇宙論(2)
12/11 本田  天体観測
12/18 堀 初期宇宙と構造形成(1)
1/8 堀 初期宇宙と構造形成(2)
...
成績評価
・出席
  出席管理システムを使用
  出席回数が7回に満たない場合は評価外
・レポート
  ミニレポート(各講師1回程度)
  最終レポート(内容は最終講義で連絡)
※他人の解答や資料のコピーはマイナス評価
その他
・参考書:
  各講師が講義中に紹介する予定
・連絡先:
  講義に関する質問・要望・相談等は
  佐々木貴教 takanori@geo.titech.ac.jp
 ※講義中の私語・ゲームは厳禁
 ※各講義のスライドは講義後に公開予定
自己紹介
❖ 佐々木 貴教(ささき たかのり)
❖ 東京工業大学 大学院理工学研究科 地球惑星科学専攻
GCOE「地球から地球たちへ」特任准教授
❖ 2008年3月に東京大学で学位を取得
❖ 専門は 惑星の形成と進化 の理論研究
 惑星系はどの...
連絡先
❖ Sasaki Takanori Online:http://sasakitakanori.com
  佐々木貴教 で検索してもすぐ見つかります
 講義資料や参考図書の情報などを掲載します
❖ メール:takanori@geo.tit...
「天文学」とは?
天文学とはどんな学問か?
 私たちの頭上にある月や惑星や恒星から遠くの銀河に
いたるまでのさまざまな天体や天体の集団の、運動や形、
物理状態や物質の組成、時間変化(進化)や相互作用など
を研究するのが天文学の目標である。
          [...
天文学の特徴
天体の歴史性(進化)を研究する学問である
天体には常に重力が働き、エネルギー放出を伴う
 → 全ての天体は「進化」する
観測は天体の進化の一段階を映すスナップショット
 同じ種類の天体の異なった進化段階を観測
  → 天体の進化を...
天文学の歴史1:古代人の宇宙観
古代インドの宇宙観 古代エジプトの宇宙観
・神話の主題としての宇宙の起源
・神により宇宙や生命の誕生や死が決定されている
  → 「科学」や「天文学」ではない
天文学の歴史2:天動説
アリストテレスの宇宙体系 地球の周りを惑星や太陽が回る
・複雑な円運動の組み合わせにより惑星の動きを説明
  → 惑星の逆行運動も説明可、ただし極めて複雑になる
  宇宙はもっと単純で美しい体系であるはず(あるべき)
天文学の歴史3:地動説
ニコラウス・コペルニクス(1473-1543)
・地動説(太陽の周りを地球が回っている)
 を最初に提唱した
・地動説の集大成「天球の回転について」
・コペルニクス的転回
ヨハネス・ケプラー(1571-1630)
・観測...
天文学の歴史3:地動説
ガリレオ・ガリレイ(1564-1642)
・自作の望遠鏡による天体の観測
 (木星のガリレオ衛星・金星・太陽黒点)
 → 地動説が正しいことを確信
・宗教裁判「それでも地球は動いている」
アイザック・ニュートン(1642...
天文学の歴史4:銀河宇宙の発見
ハーシェルの観測(天の川銀河)
恒星は限られた空間に円盤状に分布している
太陽
変光星セファイド
を用いた距離の測定
銀河が宇宙空間に散らばっている
「銀河宇宙」の発見
天文学の歴史5:膨張宇宙の発見
ハッブルの法則 v = HR(H:ハッブル定数)
 ほとんどの銀河は私たちから遠ざかっており
 その遠ざかる早さ v は距離 R に比例している
→ 宇宙が一様に膨張しているとすると説明がつく
  宇宙は一点から...
天文学の歴史6:現代の天文学
宇宙図 http://www.nao.ac.jp/study/uchuzu
天文学が扱う「宇宙」
「宇宙」とは?
四方上下謂之宇
(四方上下、これを宇と謂う)
「宇」=空間の概念
往古来今謂之宙
(往古来今、これを宙と謂う)
「宙」=時間の概念
宇宙の研究 = 空間や時間の始まりや果てを考える
多様な宇宙の姿
多様な天体を扱う
多様な現象を扱う
多様な宇宙の姿
様々な望遠鏡を用いて、様々な波長で天体を観測
多様な宇宙の姿
様々な望遠鏡を用いて、様々な波長で天体を観測
宇宙の空間的拡がり(宇宙の階層構造)
サイズ小 サイズ大
惑星
恒星(惑星系)
銀河 宇宙の大規模構造
銀河群・銀河団
ウロボロスの図
巨視的世界(宇宙)と微視的世界(素粒子)は
宇宙の進化を通じて結びついている
宇宙の時間的拡がり(宇宙論)
宇宙の歴史を1年で表すと
137億年前
(宇宙誕生)
現在
1/1 12/313月 5月 7月 9月 11月
太陽系が生まれたのは何月何日?
地球が形成されたのは何月何日?
生命が誕生したのは何月何日?
人類が誕生したのは何月何日?
宇宙の歴史を1年で表すと
137億年前
(宇宙誕生)
現在
1/1 12/313月 5月 7月 9月 11月
太陽系が生まれたのは8月20日
地球が形成されたのは8月31日
生命が誕生したのは9月16日
人類が誕生したのは12月31日23時52...
遠方の宇宙=過去の宇宙
太陽
観測されている最遠の宇宙
約130億年
約8分
130億年前の宇宙の姿
8分前の太陽の光
遠方の宇宙を見ることで、過去の宇宙の進化を知る
天文学の中の「惑星科学」
我々の住む太陽系
水 金 地 火   木   土  天 海
地球型惑星(岩石惑星):水星・金星・地球・火星
木星型惑星(巨大ガス惑星):木星・土星
天王星型惑星(巨大氷惑星):天王星・海王星
惑星形成論:惑星はいかにして誕生したのか
©Newton Press
H,H
太陽系外惑星系
多種多様な太陽系外惑星系が発見されている
生命を宿す「第二の地球」は存在するのか?
われわれはどこから来たのか
われわれは何者か
われわれはどこへ行くのか
-Paul Gauguin
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  1. 1. 天文学概論(第1回) 天文学概論 神奈川大学理学部 2013年度後期 担当:佐々木ほか
  2. 2. 本講義で扱うトピック ・私たちが住む太陽系 ・惑星系の起源とその進化 ・多様な太陽系外惑星 ・銀河系と近傍銀河 ・超新星と距離の梯子 ・天体観測の原理と歴史 ・初期宇宙と宇宙の構造形成
  3. 3. スケジュール 10/2 佐々木 太陽系(1) 10/9 佐々木 太陽系(2) 10/16 佐々木 星惑星形成(1) 10/23 佐々木 星惑星形成(2) 10/30 佐々木 系外惑星(1) 11/6 佐々木 系外惑星(2) 11/13 橋本 銀河系・近傍銀河(1)
  4. 4. スケジュール 11/20 橋本 銀河系・近傍銀河(2) 11/27 高梨 超新星・宇宙論(1) 12/4 高梨 超新星・宇宙論(2) 12/11 本田  天体観測 12/18 堀 初期宇宙と構造形成(1) 1/8 堀 初期宇宙と構造形成(2) 1/15 佐々木 全体のまとめ
  5. 5. 成績評価 ・出席   出席管理システムを使用   出席回数が7回に満たない場合は評価外 ・レポート   ミニレポート(各講師1回程度)   最終レポート(内容は最終講義で連絡) ※他人の解答や資料のコピーはマイナス評価
  6. 6. その他 ・参考書:   各講師が講義中に紹介する予定 ・連絡先:   講義に関する質問・要望・相談等は   佐々木貴教 takanori@geo.titech.ac.jp  ※講義中の私語・ゲームは厳禁  ※各講義のスライドは講義後に公開予定
  7. 7. 自己紹介 ❖ 佐々木 貴教(ささき たかのり) ❖ 東京工業大学 大学院理工学研究科 地球惑星科学専攻 GCOE「地球から地球たちへ」特任准教授 ❖ 2008年3月に東京大学で学位を取得 ❖ 専門は 惑星の形成と進化 の理論研究  惑星系はどのようにして作られるのか  惑星系はどのように進化していくのか   我々は何処から来て何処へ行くのか? 生命を宿す 第二の地球 は存在するか?
  8. 8. 連絡先 ❖ Sasaki Takanori Online:http://sasakitakanori.com   佐々木貴教 で検索してもすぐ見つかります  講義資料や参考図書の情報などを掲載します ❖ メール:takanori@geo.titech.ac.jp  本講義全体の代表メールアドレス 講義の感想, 質問, 要望, 相談 惑星科学全般についての質問 研究や研究者についての質問
  9. 9. 「天文学」とは?
  10. 10. 天文学とはどんな学問か?  私たちの頭上にある月や惑星や恒星から遠くの銀河に いたるまでのさまざまな天体や天体の集団の、運動や形、 物理状態や物質の組成、時間変化(進化)や相互作用など を研究するのが天文学の目標である。           [シリーズ現代の天文学1 人類の住む宇宙]
  11. 11. 天文学の特徴 天体の歴史性(進化)を研究する学問である 天体には常に重力が働き、エネルギー放出を伴う  → 全ての天体は「進化」する 観測は天体の進化の一段階を映すスナップショット  同じ種類の天体の異なった進化段階を観測   → 天体の進化を読み解くことができる 様々な進化のタイムスケールが存在する  太陽:10億年を超える時間スケールで進化  超新星のニュートリノ反応:1秒以下で進行
  12. 12. 天文学の歴史1:古代人の宇宙観 古代インドの宇宙観 古代エジプトの宇宙観 ・神話の主題としての宇宙の起源 ・神により宇宙や生命の誕生や死が決定されている   → 「科学」や「天文学」ではない
  13. 13. 天文学の歴史2:天動説 アリストテレスの宇宙体系 地球の周りを惑星や太陽が回る ・複雑な円運動の組み合わせにより惑星の動きを説明   → 惑星の逆行運動も説明可、ただし極めて複雑になる   宇宙はもっと単純で美しい体系であるはず(あるべき)
  14. 14. 天文学の歴史3:地動説 ニコラウス・コペルニクス(1473-1543) ・地動説(太陽の周りを地球が回っている)  を最初に提唱した ・地動説の集大成「天球の回転について」 ・コペルニクス的転回 ヨハネス・ケプラー(1571-1630) ・観測データ →「ケプラーの法則」  惑星は太陽を焦点とする楕円運動をとる  惑星は面積速度一定の速度で動く  公転周期の2乗が長半径の3乗に比例
  15. 15. 天文学の歴史3:地動説 ガリレオ・ガリレイ(1564-1642) ・自作の望遠鏡による天体の観測  (木星のガリレオ衛星・金星・太陽黒点)  → 地動説が正しいことを確信 ・宗教裁判「それでも地球は動いている」 アイザック・ニュートン(1642-1727) ・近代物理学・微積分法の祖 ・万有引力の法則「プリンキピア」 ・ケプラーの法則を理論的に説明 ・地動説が正しいことを決定づけた
  16. 16. 天文学の歴史4:銀河宇宙の発見 ハーシェルの観測(天の川銀河) 恒星は限られた空間に円盤状に分布している 太陽 変光星セファイド を用いた距離の測定 銀河が宇宙空間に散らばっている 「銀河宇宙」の発見
  17. 17. 天文学の歴史5:膨張宇宙の発見 ハッブルの法則 v = HR(H:ハッブル定数)  ほとんどの銀河は私たちから遠ざかっており  その遠ざかる早さ v は距離 R に比例している → 宇宙が一様に膨張しているとすると説明がつく   宇宙は一点から始まり急激に膨張(ビッグバン)
  18. 18. 天文学の歴史6:現代の天文学 宇宙図 http://www.nao.ac.jp/study/uchuzu
  19. 19. 天文学が扱う「宇宙」
  20. 20. 「宇宙」とは? 四方上下謂之宇 (四方上下、これを宇と謂う) 「宇」=空間の概念 往古来今謂之宙 (往古来今、これを宙と謂う) 「宙」=時間の概念 宇宙の研究 = 空間や時間の始まりや果てを考える
  21. 21. 多様な宇宙の姿 多様な天体を扱う 多様な現象を扱う
  22. 22. 多様な宇宙の姿 様々な望遠鏡を用いて、様々な波長で天体を観測
  23. 23. 多様な宇宙の姿 様々な望遠鏡を用いて、様々な波長で天体を観測
  24. 24. 宇宙の空間的拡がり(宇宙の階層構造) サイズ小 サイズ大 惑星 恒星(惑星系) 銀河 宇宙の大規模構造 銀河群・銀河団
  25. 25. ウロボロスの図 巨視的世界(宇宙)と微視的世界(素粒子)は 宇宙の進化を通じて結びついている
  26. 26. 宇宙の時間的拡がり(宇宙論)
  27. 27. 宇宙の歴史を1年で表すと 137億年前 (宇宙誕生) 現在 1/1 12/313月 5月 7月 9月 11月 太陽系が生まれたのは何月何日? 地球が形成されたのは何月何日? 生命が誕生したのは何月何日? 人類が誕生したのは何月何日?
  28. 28. 宇宙の歴史を1年で表すと 137億年前 (宇宙誕生) 現在 1/1 12/313月 5月 7月 9月 11月 太陽系が生まれたのは8月20日 地球が形成されたのは8月31日 生命が誕生したのは9月16日 人類が誕生したのは12月31日23時52分! 明治時代の始まりは12月31日23時59分59.6秒!
  29. 29. 遠方の宇宙=過去の宇宙 太陽 観測されている最遠の宇宙 約130億年 約8分 130億年前の宇宙の姿 8分前の太陽の光 遠方の宇宙を見ることで、過去の宇宙の進化を知る
  30. 30. 天文学の中の「惑星科学」
  31. 31. 我々の住む太陽系 水 金 地 火   木   土  天 海 地球型惑星(岩石惑星):水星・金星・地球・火星 木星型惑星(巨大ガス惑星):木星・土星 天王星型惑星(巨大氷惑星):天王星・海王星
  32. 32. 惑星形成論:惑星はいかにして誕生したのか ©Newton Press H,H
  33. 33. 太陽系外惑星系 多種多様な太陽系外惑星系が発見されている 生命を宿す「第二の地球」は存在するのか?
  34. 34. われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか -Paul Gauguin

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