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メディア・コミュニケーション(ゲーム文化)_第3回 「ゲームの構造2 ルールとフィクション」

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尚美学園大学の2016年度講義「メディア・コミュニケーション(ゲーム文化)」第3回の講義スライドです。

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メディア・コミュニケーション(ゲーム文化)_第3回 「ゲームの構造2 ルールとフィクション」

  1. 1. http://www.***.net メディア・コミュニケーション ゲーム文化 第3回 ゲームの構造② 七邊 信重
  2. 2. 前回のまとめ ガイダンス(講義の内容など) ビデオゲームとは? ビデオゲームの変化  日常化  ビジネスモデルの革新  社会化  コンバージェンス化  技術進化  応用利用 2
  3. 3. 今日の授業 ゲームとは何か?  ゲームの6つの特徴  ゲームとゲームでないもの ゲームはなぜ面白いのか? ゲームの二重性  ルールとフィクション
  4. 4. 講義スライドのアップ先 http://www.slideshare.net/ nobushigehichibe 講義前後にスライドをアップし ます。 4
  5. 5. 「ゲーム」の種類 カードゲーム  トランプゲーム、UNO、トレーディングゲームなど ボードゲーム(卓上ゲーム)  将棋、麻雀、すごろく、TRPGなど フィジカルゲーム(スポーツ)  サッカー、野球、ラグビー、格闘技など コンピューターゲーム  家庭用ゲーム、PCゲーム、モバイルゲームなど 5
  6. 6. 「ゲーム」と(時々)呼ばれるもの ギャンブル  パチンコ、競馬、宝くじ、サイコロを使った遊び 砂遊び おもちゃ 現実のできごと  「○○はゲームだ」  恋愛、経済、就職、昇進、人生など 6
  7. 7. 遊び(Play)とゲームの違い 7 意志 ルール 脱ルール 脱意志 模擬競争 偶然 眩暈 遊びの4類型:競争、模擬、偶然、眩暈 遊びの2類型:ルドゥス(ルール)、パイディア (参考)遊びの6要素  自由、隔離、未確定、非生産的、ルール、虚構
  8. 8. ゲームに関する多様な定義 ゲームの定義の要素 パーレット アブト ホイジンガ カイヨワ スーツ クロフォード コスティ キャン アヴェドン サットン= スミス プレイヤーに制限を加えるルールに従って進む ✓ ✓ ✓ ✓ ✓ ✓ ✓ 対立あるいは競争 ✓ ✓ ✓ 目的志向/結果志向 ✓ ✓ ✓ ✓ ✓ 行為、過程、イヴェント ✓ ✓ ✓ 意志決定を含む ✓ ✓ ✓ 真剣な行いではなく、人を夢中にさせる ✓ 実利とは無縁 ✓ ✓ 人工的/安全/日常生活の外にある ✓ ✓ ✓ 特別な社交の集団を作る ✓ 自発的 ✓ ✓ ✓ 不確定 ✓ なりきる/表現する ✓ ✓ 非効率 ✓ 要素から成るシステム/資源とトークン ✓ ✓ 芸術の一種 ✓ 引用元:サレン&ジマーマン『ルールズ・オブ・プレイ』P,160
  9. 9. 「ゲーム=競争」という定義 プレイヤーがルールで決められた人工的対立 に参加するシステム(『Rules of Play』) 定量化できる結果が生まれる  協力プレイは?  一人プレイは? (育成、経営ゲームなど)
  10. 10. 「インタラクティブ」という定義 さやわか『僕たちのゲーム史』 の定義 ボタンを押すと反応すること  反応しないもの・・・小説、マン ガ、映画など エレベーターのスイッチは ゲーム?  ルールがあればゲームかも。 10
  11. 11. イェスパー・ユールの定義 Jesper Juul  デンマークのゲーム研究者  デンマーク王立芸術アカデミー  准教授 古来より人類が発明したすべてのゲームに 共通する特徴を特定。 ゲームの良い定義は次の三つを説明する  ルールにより設定されるゲームのシステム  ゲームとプレイヤーの関係  ゲームプレイと現実世界の関係 11
  12. 12. 古典的ゲーム・モデル (Classic Game Model) 数千年間不変の、ゲームが成立するための6 つの必要十分条件。  固定的なルール(Rules)  可変的で定量化可能な結果(=最終状態) (Valiable, quantifiable outcome)  結果の評価(Valorization of outcome)  プレイヤーの努力(Player effort)  結果に執着するプレイヤー(Player attached to outcome)  交渉可能な結末(Negotiable consequences) 12
  13. 13. 古典的ゲーム・モデル(J.ジュール) 現実 ゲームシステム ルール (手段、結果などを規定) プレイヤー 努力 心理的影響 ゲーム状態 結果 (最終状態) 13
  14. 14. 古典的ゲーム・モデル(簡略版) ルール 変化する結果(最終状態) 結果(最終状態)の評価 プレイヤーの努力(行動)  状態に影響を与える。  良い状態を得るためにプレイヤーはスキルを学 習する 結果に対する満足/不満  達成感・自己有能感がゲームの一番の楽しさ! 結果の現実への影響を自由に変更できる 14
  15. 15. 三目並べ(○×、tic tac toe) ルール  二人で遊ぶ  交互に「○」と「×」をつける 結果  「○」「×」の状態で決定される 結果の評価  「○」か「×」が3つ並んだ側が勝ち(良い結果) プレイヤーの努力 結果への満足 結果の現実への影響を自由に変更できる 15
  16. 16. サッカー(Soccer) ルール:  11人のプレイヤーがいる2つのチーム  フィールドの反対側の両端にゴールがある  ボールを蹴ってよいが、手で触ってはいけない  ボールを相手のゴールに入れると1点入る 結果: 時間内の得点で決まる 評価: より多くの得点を取った者が勝利 努力: 運動、戦術、戦略、コミュニケーション 満足: ゲームへの貢献による 影響: 収入、賭け 16
  17. 17. (参考)状態機械、ルール ゲーム=状態機械(state machine)  状態機械: ある時点の状態(state)と、与えられ たインプットへの反応についてのルールを持ち、 インプットにより状態を変えるシステム  ゲーム: プレイヤーの行動によって状態が変化  システムのある時点の状態は、プレイヤーが取り うる選択肢を提示する。例:オセロ ルール  プレイヤーができること、できないこと、プレイ ヤーの行動に対するシステムの反応を規定。 17
  18. 18. (参考)結果 結果(outcome)  ゲームの最終状態(final state)  プレイヤーの選択により、複数の最終状態(=結 果)が生じる  ルールは、良い結果と悪い結果を定義する。  プレイヤーは良い結果を実現するため努力する。  良い結果に到達することは難しいため、プレイヤー がそれを得ようとすると、チャレンジに直面する。  チャレンジの克服で得られた良い結果は、プレイ ヤーを勝者にし「幸せ」にする(達成感が得られる)。  チャレンジの克服過程で、プレイヤーは学習し、ス キルを習得する。 18
  19. 19. (参考)現実への影響 ゲームの結果が現実に与える影響の一部は、 プレイヤーには自由に変更できない。  時間とエネルギー、心理への影響など。 しかし、別の影響は自由に変更されうる。  現実で金銭が与えるよう取り決めることなど。 一方、ゲームでないもの、たとえば交通や戦争 で起きたこと(事故や怪我など)の現実への影 響は、変更の余地がない。 システムの結果が現実に与える影響を、自由 に変更できるかで、ゲームとゲームでないもの を区別できる。 19
  20. 20. ゲームでないもの 砂遊び・おもちゃ  ルールがない  結果の評価がない 物語  プレイヤーの努力が結果に反映されない  プレイヤーの行動で状態が変わらない ギャンブル  プレイヤーの努力が結果に反映されない 現実のできごと  起きたことが未来に影響する 20
  21. 21. コンピュータゲームの特徴 ゲームは、「ルール維持」「結果判定」「状態管 理」などを行う、メディアの支援を必要とする。 カード/ボードゲーム:  人間の脳が「ルール維持」を、カードや駒が「ゲー ム状態管理」を実行  目隠しチェス: 人間の脳が「ルール維持」「状態管理」 を実行 コンピュータゲーム  CPU(演算装置)が「ルール維持」、 RAM(記憶 装置)が「状態管理」を実行  コンピュータが複雑な計算を高速で実行  人間を「ルール維持」「ゲーム状態管理」から解放 21
  22. 22. (参考)メディアの違い 22 ルール/計算の実行 ゲーム状態の管理 カードゲーム 人間の頭脳 カード ボードゲーム 人間の頭脳 ゲームの駒 目隠しチェス 人間の頭脳 人間の頭脳 競技スポーツ 物理特性+人間の頭脳 プレイヤーの身体/ゲー ム対象物 ビデオゲーム コンピューター(CPU) コンピューター(RAM) コンピューター上の カード・ボードゲーム コンピューター(CPU) コンピューター(RAM) コンピューター上の スポーツ コンピューター(CPU) コンピューター(RAM)
  23. 23. ゲームの何が楽しいのか? ゲーム全般について  達成感や自己有能感を与えてくれるから(Juul 2005)  現実より、ルール、目的が明確で、努力に対する報酬 が確実に与えられるから(井上 1977,McGonigal 2011)  現実より、運や能力、立場の点で平等だから(井上 1977)  ゲームを介した交流が楽しいから(Goffman 1961, Costikyan 1994) コンピューターゲームについて  一人遊びの相手をしてくれるから(枡山 2011)  多人数で遊べるから(ネットワークゲーム) 23
  24. 24. ゲームの2つの部分(さやわか) ゲームの変わらない部分  ボタンを押すと反応すること 変化する部分  物語をどのように扱うか 24
  25. 25. ゲームの二重性(Juul) ルール(Rules)  客観的  強制的  曖昧でない フィクション(Fiction)  文、絵、音楽、ルールなどに基づき、プレイヤーが 想像する世界  主観的  選択的  曖昧  多くが語られず、解釈・議論に委ねられている 25
  26. 26. ゲームの基本構造(Mäyrä) 中核(core)  ゲームプレイとしてのゲーム 外観(shell)  表現や記号システムとしてのゲーム  物語(文字)  グラフィック(絵) – キャラクター – 背景 – エフェクト  音楽、声 26
  27. 27. 『パズル&ドラゴンズ』のルール(例) 27  プレイヤーは縦5×横6マスに配 置されたドロップを一つタップし自 由に移動させる。  同じ色のドロップを縦か横に3つ以 上揃えると、ドロップを消せる。  5種類の攻撃ドロップを消すと、消 したドロップの色と同じ色の味方モ ンスターが、敵を攻撃する。  1種類の回復ドロップを消すと、味 方モンスターの健康値が回復する。  敵を倒す(敵の健康値を0にする) と、ダンジョンの奥に進める。
  28. 28. The University of Tampere
  29. 29. The University of Tampere
  30. 30. The University of Tampere
  31. 31. 参考文献
  32. 32. 本日のまとめ 本日の内容  ゲームとは何か?  ゲームの6つの特徴  ゲームはなぜ面白いのか?  ゲームの二重性 来週の内容  ゲームのルールとメカニクス  ゲームのジャンル  ゲームをプレイできるメディア

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