Successfully reported this slideshow.
Your SlideShare is downloading. ×

行政サービスにデータ資産を活かす: 公共交通データから考える行政の現場でのデータ活用のありかた

Ad
Ad
Ad
Ad
Ad
Ad
Ad
Ad
Ad
Ad
Ad

Check these out next

1 of 119 Ad

行政サービスにデータ資産を活かす: 公共交通データから考える行政の現場でのデータ活用のありかた

Download to read offline

2021年12月8日に開催された、千葉市 市町村アカデミー における伊藤昌毅(東京大学)の講義資料です。

2021年12月8日に開催された、千葉市 市町村アカデミー における伊藤昌毅(東京大学)の講義資料です。

Advertisement
Advertisement

More Related Content

Slideshows for you (20)

Similar to 行政サービスにデータ資産を活かす: 公共交通データから考える行政の現場でのデータ活用のありかた (20)

Advertisement

More from Masaki Ito (20)

Recently uploaded (20)

Advertisement

行政サービスにデータ資産を活かす: 公共交通データから考える行政の現場でのデータ活用のありかた

  1. 1. 行政サービスにデータ資産を活かす: 公共交通データから考える行政の現場でのデータ活用のありかた 東京大学 大学院情報理工学系研究科 附属ソーシャルICT研究センター 伊藤昌毅 事業推進のためのデータ活用 2021年12月8日 千葉県千葉市 市町村アカデミー
  2. 2. 伊藤 昌毅 • 東京大学 大学院情報理工学系研究科 附属ソーシャルICT研究センター 准教授 • 静岡大学 土木情報学研究所 客員教授 • 専門分野 – ユビキタスコンピューティング – 交通情報学 • 経歴 – 静岡県掛川市出身 – 2002 慶應義塾大学 環境情報学部卒 – 2009 博士(政策・メディア) 指導教員: 慶應義塾大学 徳田英幸教授 – 2008-2010 慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特別研究助教 – 2010-2013 鳥取大学 大学院工学研究科 助教 – 2013-2019 東京大学 生産技術研究所 助教 – 2019-2021 東京大学 生産技術研究所 特任講師 – 2021-現在 現職 • 資格 – 運行管理者(旅客) 2
  3. 3. • 標準フォーマット関連 – バス情報の効率的な収集・共有に向けた検討会 座長(H28年度) – 標準的なバス情報フォーマット利活用検討会 座長(H29年度) – バス情報の静的・動的データ利活用検討会 座長(H30年度) – GTFS-JPに関する検討会 委員(R2年度) • オープンデータ関連 – 公共交通分野におけるオープンデータ推進に関する検討会 委員(H29年度-R3年度) • MaaS関連 – 都市と地方における新たなモビリティサービスのあり方懇談会 委員(H30年度) – 新モビリティサービス推進事業有識者委員会 委員(R1年度) • 交通政策審議会 – 交通政策基本計画小委員会 委員(R1年度-) • シェアサイクル – シェアサイクルの在り方検討委員(R1年度-) • 鉄道 – 鉄道の混雑緩和に資する情報提供のあり方に関する勉強会 委員(R2年度) • 点呼 – 運行管理高度化検討会・ワーキンググループ(R2年度-) 伊藤×国土交通省
  4. 4. • 経済産業省 オープンデータ関連 – 官民データの相互運用性実現に向けた検討会 座長(H29年度) – 情報共有基盤 利用促進ワーキンググループ 委員(H30年度) • 総務省 オープンデータ関連 – 地域情報化アドバイザー(R2年度〜) 伊藤×経済産業省・総務省
  5. 5. • 沖縄観光2次交通の利便性向上に向けた検討委員会 座長(H30年度-R2年 度) • 群馬県バスロケーションシステム実証実験 アドバイザー(R1年度) • さいたま市 スマート駅広研究会 副会長(R2年度〜) • 佐賀市 街なか未来技術活用モデルプラン策定業務有識者会議 委員(R2年 度〜) • 東京都 東京都における地域公共交通の在り方検討会 委員(R2年度〜) • R3年度、更に2自治体と調整中 • その他自治体主催のイベントでの講演多数 – 静岡県掛川市、石川県能美市、群馬県、島根県安来市、沖縄県、富山県、岐阜県、北海道な ど 伊藤×地方自治体
  6. 6. • 前半: 9:00〜10:30 – 講義:行政サービスにデータ資産を活かす:公共交通データから考える行政 の現場でのデータ活用のありかた • 後半: 10:45〜12:00 – 実習: QGISを使った公共交通データ分析演習 本日の予定
  7. 7. • オンライン会議・テレワークが共通体験・現実的に – オフィス環境を集中的に整えるのではなく、時空間で分散する働き方 • 生活の場や環境への意識の高まり – 勤務先だけでなく、ローカルの環境を豊かに – 二拠点生活など • 都市空間においても、ウォーカブル・ゆとりのある空間 – 三密を回避する移動や滞在 • IT・データの活用 コロナ後のまちづくり
  8. 8. • 国土交通省資料より 国土交通省:新型コロナ危機を踏まえたまちづくりの方向性 https://www.mlit.go.jp/toshi/machi/covid-19.html
  9. 9. • 多くの自治体が住民サービスとして関わっているから • オープンデータ整備や活用が進んでいるから • MaaSやスマートシティなどキャッチーなキーワード(お金が 付く)と相性がいい • 横串の政策 – まちづくり・立地・福祉・道路整備・教育(通学)・通学 • ポストコロナの「交通とまちづくり」 なぜ公共交通か?
  10. 10. • ※愛知県巡回アカデミーでご講義された「交通分野におけるI CTの活用」と同等の内容を想定しております。 • 愛知県での研修生は交通政策担当者でしたが、今回は交通に限 らず広範囲の政策担当者を予定しておりますので、講義内容の 比重は若干調整させていただきたいと考えております。 なぜ公共交通か?(裏)
  11. 11. • 官民データ活用推進基本法(平成 28年法律第103号)において、国 及び地方公共団体はオープンデー タに取り組むことが義務付けられ ました。 • オープンデータへの取組により、 国民参加・官民協働の推進を通じ た諸課題の解決、経済活性化、行 政の高度化・効率化等が期待され ています。 自治体とオープンデータ https://cio.go.jp/policy-opendata
  12. 12. • 市区町村(全体) – ※令和2年6月10日時点 オープンデータ取組済 自治体マップ https://cio.go.jp/sites/default/files/uploads/documents/opendata_lg_map.pptx
  13. 13. 14 オープンデータに取り組む地方公共団体数の推移 ※ 自らのホームページにおいて「オープンデータとしての利用規約を適用し、データを公開」又は「オープンデータであることを表示し、 データの公開先を提示」を行っている都道府県及び市区町村。 (デジタル庁調べ) 地方公共団体のオープンデータ取組済み(※)数の推移 ➢ 官民データ活用推進基本法第11条において、「国及び地方公共団体は、自らが保有する官民データについて、 個人・法人の権利利益、国の安全等が害されることのないようにしつつ、国民がインターネット等を通じて容易に 利用できるよう、必要な措置を講ずるものとする」と記載。 ➢ 令和3年10月12日時点の取組率は、約67%(1,194/1,788自治体)。 6 16 22 29 34 34 34 36 42 47 47 47 47 47 47 47 47 47 47 47 47 47 47 4 24 87 132 176 199 208 233 243 264 278 316347 418 548605 621 680 769 828 868 1110 1137 1147 0 200 400 600 800 1000 1200 1400 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 団体数(市区町村) 団体数(都道府県) 団体数(都道府県) 団体数(市区町村) https://cio.go.jp/sites/default/files/uploads/documents/opendata_lg_rate_20211012.pptx
  14. 14. 15 市区町村の人口規模別オープンデータ取組率・人口カバー率 ① オープンデータ取組率(各分類における、総自治体数に対する取組済自治体数の割合) ② 人口カバー率 (総人口に対する、取組済 自治体の人口合計の割合) 20 政令指定都市 取組済 取組未着手 100 % ●全国の市区町村を対象に集計 ※令和3年10月12日時点の自治体取組状況を元に集計 ※令和3年10月12日時点の自治体取組状況と 平成27年国勢調査結果(平成27年10月1日)を 元に集計 ※大規模市・中規模市・小規模市・市町村の分類については、平成27年国勢調査結果(平成27年10月1日)を利用 51 大規模都市 人口30万以上 取組済 取組未着手 100 % 38 中規模都市 人口20万以上30万未満 取組済 取組未着手 100 % 23 0 東京都特別区 取組済 取組未着手 100 % 341 68 小規模都市 人口5万以上20万未満 取組済 取組未着手 83 % 674 526 市町村 人口5万未満の市を含む 取組済 取組未着手 56 % 114,072,372 13,022,373 人口カバー率 取組済(人口) 取組未着手(人口) 90 % https://cio.go.jp/sites/default/files/uploads/documents/opendata_lg_rate_20211012.pptx
  15. 15. 16 • よく広まった?まだまだ理解が広がってない? • 「データ」というのが漠然としすぎていて、まだまだ理解され ていないと個人的には感じます • もちろん、オープンデータだけがデータではない。行政組織に は無数のデータ(公開出来ないものも多い)が眠っている この数をどう捉える?
  16. 16. 公共交通オープンデータ
  17. 17. 19 2018年11月:30 2019年2月:90 2019年7月:126 2018年7月:23 0 50 100 150 200 250 300 350 17年7月 17年10月 18年1月 18年4月 18年7月 18年10月 19年1月 19年4月 19年7月 19年10月 20年1月 20年4月 20年7月 20年10月 21年1月 事業者数
  18. 18. 20 • 2017年以降急速に増加 • 北海道から、沖縄まで全国で • 大きな交通事業者(例えば都営バス)も、とても小さな交通事 業者(町営コミュニティバスなど)も、それぞれ公開 • 民間企業の交通事業者もデータ公開 この数をどう捉える?
  19. 19. フォーマットの標準化 標準的なバス情報フォーマット(GTFS-JP)
  20. 20. GTFS: 公共交通オープンデータの標準形式 • GTFS世界で広く使われる公共交通データ形式 • 乗換案内に必要な情報(バス停・駅+路線+時刻表+運賃)をまとめて格納 したファイル形式 バス停/駅+路線 時刻 運賃
  21. 21. • 事業者データ • バス停データ • 路線データ • 停車時刻データ • 路線図データ など GTFSにはCSVファイル形式で以下の情報が格納
  22. 22. バス情報の効率的な収集・共有に向けた 検討会(2016年12月〜2017年3月) • 事務局: 総合政策局公共交通政策部交通計画課 • 外部委員 – 伊藤昌毅 東京大学生産技術研究所(座長) – ー川雄一 株式会社構造計画研究所 – 伊藤浩之 公共交通利用促進ネットワーク – 井上佳国 ジョルダン株式会社 – 遠藤治男 日本バス協会 – 櫻井浩司 株式会社駅探 – 篠原雄大 株式会社ナビタイムジャパン – 丹賀浩太郎 株式会社工房 – 別所正博 公共交通オープンデータ協議会 – 山本直樹 株式会社ヴァル研究所
  23. 23. 2017年3月31日 「標準的なバス情報フォーマット(GTFS-JP)」公開
  24. 24. • 国土交通省海事局内航課に より船舶向けデータフォー マット(GTFS互換)が策定 – 受託 ジョルダン株式会社 • 本来はバスに限らない フォーマット – 鉄道・空路などにも対応可能 標準的なフェリー・旅客船航路情報フォーマット
  25. 25. • 便ごとのバス停通過時刻、緯度経 度情報などをリアルタイム公開 • 混雑情報も追記可能 – 2020年7月より宇野バスが対応 • Protocol Buffer形式 GTFSリアルタイム(バスロケ)提供も増加中(44事業者)
  26. 26. 具体的なデータ活用を 想像しやすい
  27. 27. 乗換案内サービスで検索出来ますか? NAVITIME 駅すぱあと 駅探 乗換案内 ジョルダン 乗換案内 Yahoo!乗換案内 Google Maps Apple Maps
  28. 28. 地域の公共交通は乗換案内に出てこない
  29. 29. 地域の公共交通は乗換案内に出てこない データ整備にはコストが掛かるため 利用者数が少ない地域のバスにまで 手が回らない 交通事業者が自ら 標準形式のオープンデータを用意して 乗換案内に提供する
  30. 30. 海外の事例: 交通事業者がオープンデータを提供 • 路線図、時刻表、リアルタイム車両位置情報などのデータの利用を開放 • 自由に使ってもらうことで、アプリの作成や工夫を凝らした印刷物などの情 報提供を促進 • アメリカ、ヨーロッパでは当たり前になりつつある
  31. 31. • 大企業、ベンチャー−企業、個人がアプリ開発 オープンデータから様々なアプリが開発される
  32. 32. 公共交通オープンデータの利用
  33. 33. Google Mapsで検索可能に • いつも使ってるスマホアプリから自然にバス 情報にアクセス可能 • 外国人も使っているアプリ
  34. 34. 「駅すぱあと/Yahoo!乗換案内」がオープン データを採用 • オープンデータ化されたバスデータを経路探索に採用 https://ekiworld.net/personal/app/spec/info.html?style=pc
  35. 35. • バスロケシステムからGTFSリアルタイムデータを出力 • 経路検索サービスなどがリアルタイム情報を利用したバス案内 を実現 GTFSリアルタイム
  36. 36. • あ Google Mapsの検索結果
  37. 37. • 公共交通オープンデータ協議会(坂村健会長) による取り組み – 公共交通オープンデータセンター • 都バスは、Google Mapsでバスロケを考慮し た検索が可能に 2020年: 都バス・横浜市営バスの GTFS-JP・GTFSリアルタイムデータ公開 2019年3月
  38. 38. ツール整備と事業者自身によるデータ 作成により、 データの品質や信頼性が向上
  39. 39. • 西沢ツール – 西沢明氏開発 – 約40+自治体・事業者が利用 フリーのデータ作成ツールが提供される • 見える化共通入力フォーマット – 伊藤浩之氏開発 • 当初は三重県のプロジェクトで利用 – 約33自治体・事業者が利用
  40. 40. • 無償配布されているダイ ヤ編集システム • プロ向けシステムと同等 の機能を備え、バス事業 の運営に利用出来る • GTFS/標準的なバス情報 フォーマット出力機能を 備える – 42事業者がオープンデータ公 開 その筋屋 http://www.sinjidai.com/sujiya/
  41. 41. • Webページからデータを誰でもダウンロード出来るように オープンデータとして自社などのWebページで公開
  42. 42. • 業務として技術を継承できていますか? – 求められるスキルが今までの業務と大きく違う • 自治体の場合 – 1年に1回なので方法を忘れがち – 人事異動で代わった人が対応できるとは限らない – Googleから指摘を受けても技術的すぎて対応できない • バス会社の場合 – 業務が増えてしまい、現場が疲弊 – システム改修にコストが掛かりすぎ、ペイできない – 理想としては業務遂行に伴って、自動的にデータが作成されるといいが。。。 自作派の場合
  43. 43. 事業者からの情報発信をより効果的に
  44. 44. • データ整備は問い合わせを減らす効果がある WebやSNSなどの情報発信にプラスして
  45. 45. • バス乗り場の位置や名称 まで含んだ案内を実現 • 事業者が必要と思うレベ ルの情報提供が可能 正確な乗り場による バス案内
  46. 46. • お盆の日のみ走る臨時便を事 前に情報提供 • その日を設定した検索にだけ 案内される • Google Mapsはデータを送信 してからほぼ48時間以内で更 新されるらしい 臨時便への対応
  47. 47. 先進事例(佐賀市営バス・祐徳バス): 正確な情報でバス→バスの乗換も安心 • 佐賀空港から「枝梅酒造」を検索 • バス停位置が正確だから「県庁前」での乗換も 不安なし! • リアルタイムデータも掲載準備中
  48. 48. • GTFS Alert機能により、特定の検 索に対して情報追加が可能 – 文章+文字列を付与 • 災害情報などの提供が可能 先進事例(群馬県永井バス): GTFSリアルタイムを使えば・・・
  49. 49. • アプリの対応が進む – Google Maps: 対応 • 情報発信すれば即座に反映 – 「標準的なバス情報フォーマット」に組 み込まれたことで日本企業の対応も進行 中 災害時・緊急時の情報発信もオープンデータで
  50. 50. データ作成を支援する コミュニティ
  51. 51. • 標準的なバス情報フォーマット (GTFS-JP)データ整備に関わる有志 によるコミュニティ – 2017年夏頃から、国交省検討会の関係者らを 中心に自然発生的に誕生 – 普及に関わるツール開発、勉強会やイベント 開催、関係者への働きかけなどを継続的に実 施 – チャットなどによる活発な情報交換 • 参加者 – 大学研究者 – 乗換案内サービスデータ整備担当 – バス事業者向けツール開発者 – 公共交通コンサルタント – 交通事業者職員 – 自治体職員 等 20名程度 標準的なバス情報フォーマット広め隊
  52. 52. • 県や運輸局が実施する勉強会に講師として登壇 • 事業者や自治体にツール導入を指南 広め隊による講演会・講習会
  53. 53. データ活用は 乗換案内だけでいいのか?
  54. 54. ワンソース・マルチユース • データを使った様々なアプリ開発や 交通分析が実現 • データ分析やアプリ開発によって公 共交通の利便性が向上 公共交通 オープンデータ 乗り換え案内 マイ路線図・マイ時刻表 交通分析 service_id 平日 route_name 250号線 [3102](片上→岡山駅) 行ラベル 計画 最小 中央値 最大 06:52 83 92 102 106 08:40 78 78 83 90 10:35 76 76 80 84 15:11 75 79 81 88 17:05 85 87 98 111 総計 79.4 82 89 96 0 20 40 60 80 100 120 06:52 08:40 10:35 15:11 17:05 計画 最小 中央値 最大
  55. 55. デジタルサイネージでの活用
  56. 56. 海外のアプリでも活用 • イスラエルのベンチャー企業が開発するMoovitが山梨県などのデータを採用
  57. 57. • 北海道十勝MaaS実証実験の 基盤データの一部はGTFS-JP オープンデータ • 小田急+VAL研究所のMaaS プラットフォームに採用 MaaSの基盤データとして http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/stk/hokkaido-tokachi-maas.htm https://www.slideshare.net/KenjiMorohoshi/20200128shikoku-gtfsjp
  58. 58. • バスの利用を促進する援軍! ゆる〜と 全国日帰り温泉・銭湯マップ https://yuru-to.net
  59. 59. • Aa 市民発のアプリも登場 https://play.google.com/store/apps/details?id=work.momizi.unomap&hl=ja https://sonohino-kibunshidai.org/aobus_now/ 青バスなう! UnoMap
  60. 60. データ活用は 民間・アプリだけでいいのか?
  61. 61. • 地域公共交通活性化再生法(2007年 制定)により、行政が主導して地域 公共交通を計画、実現する枠組みが 明確化。 • 特徴(伊藤の理解) – 地域のことは地域(事業者、住民、行政な ど)で – 全体をネットワークで考える – やる気のある地域を金や制度でサポート – まちづくりとの連携 行政の役割の高まり
  62. 62. • 2020年法改正 で示された方針 • 地域に「デー タ」という武器 を https://www.mlit.go.jp/common/001352013.pdf
  63. 63. 都バスのサービスレベルを把握するマップを作成
  64. 64. 公共交通の運行本数の直感的把握
  65. 65. 人口と運行本数比較
  66. 66. 中心地からの到達時間
  67. 67. 運輸行政全体で データの流れを作る必要性
  68. 68. データの流れからみたバス事業 公共交通 事業者 運輸局 (国) 利用者 自治体 アプリ 事業者 標準化+オープン化 許認可・申請 紙ベース 情報提供の義務は無い 許認可権限 形式的な要件は確認はするが 地域の状況を踏まえた判断はしない 自治体が地域の交通をデザイン することが法的に求められている ダイヤ改正・臨時便 路線やバス停の新設・廃止 新規参入・撤退 この体制のままよりよい交通は作れるのか? 利用の実態は 自治体に届かない
  69. 69. • 利用者 – スマートフォン活用にシフト、スマホで公共交通がより便利に • 公共交通事業者 – アナログな業務を多く残す(ダイヤ作成なども一部はアナログ) – デジタル機器が連携せずに導入されている状況 • 国(運輸局) – 公共交通事業者からの許認可や届け出を受ける立場 – ほぼ全てが紙の束+ハンコ • 自治体 – 地域の公共交通をデザインする役割を求められるように – ITの専門家も、交通の専門家も不足 公共交通データ活用の現状
  70. 70. 運輸局への紙による膨大な申請・届出業務 バス会社(永井運輸@前橋) 関東運輸局 太田恒平, 水野羊平, 三浦公貴, 伊藤昌毅, "GTFS-JPデータを用いた乗合 バス事業の電子申請に向けた基礎検討 〜帳票地獄からの脱却による働き 方改革を目指して〜", 第59回土木計画学研究発表会, 2019年6月9日.
  71. 71. 書式の例 • x https://wwwtb.mlit.go.jp/chubu/bus/procedure/noriai/style.html
  72. 72. 利用者向けのデジタル化を進めたところで…
  73. 73. 令和元年度 第2回 (第16回) 国土交通省交通政策審議会 交通体系分科会 地域公共交通部会 (19/09/27) https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001311067.pdf 専門家からのインプット 名古屋大学 加藤博和教授による これ以外にも関係者の会 議等で発言の機会がある 度に申請の電子化の話を されていた
  74. 74. 電子化すればいいのに、なぜできない? • 今でもできている。大きな問題だとは思っていない • 相当の費用が掛かるが予算が付かない • 国交省における担当部署が不明 • 使われる気がしない。メリットが見えない • 許認可、申請業務が複雑であり、分かっている人が少ない • 一方で、GTFSを作成し公開しているのに、なぜまったく同じ 内容を紙に落として提出する必要があるのか?という事業者か らの意見も
  75. 75. 行政がデータを活用するとは? 「データ分析」を学ぼう
  76. 76. データ インフォ メーション インテリ ジェンス データ分析とは?
  77. 77. • 測定や観察、推論などで得られた、事物の状態や様相などを主 に定量的に表現したもの。「何がどうだ」という形をとる • 観測者や測定方法などが異なっても、同じ値になることが望ま しい。 • 実際には、ほぼ全てのデータには誤差がある。そのため、デー タは精度を考慮して扱う必要がある データ ※ 定義は伊藤による • データの例 – 風呂のお湯: 40度 – 新首相の支持率: 68% – 好きな色: 赤 • データではない例 – 30人 – キャプテンの額に汗が滲んだ – バス: 遅い
  78. 78. • 解釈して、意味の理解や価値判断が出来るデータ – 解釈出来るかはその人の知識に依るので、データを情報と見なせるかどうかは人によっ て異なる • 例 – テストの点数: 60点 → このままではデータ – 平均点が30点、最高得点が62点という判断基準が示されると解釈可能になる • データを情報にするために – データ取得状況に注目し意味の読み換え – 異なる時刻、異なる場所、異なるサンプルのデータを収集し、差や変化に注目 – 異なるデータと突き合わせてデータを説明させる – 判断基準の明確化 インフォメーション ※ 定義は伊藤による
  79. 79. • 意志決定に寄与するように解釈され、秩序づけられた事実 • データに基づくが、分析者の主観(洞察)によって隠れた意味 を読み解くところに価値がある • 情報を利用する「目的」と表裏一体。何をしたいかによって求 められるものが変わる • 例 – テストの点が 40点→38点→42点→60点→80点 – →途中から努力して勉強に励んだ インテリジェンス ※ 定義は伊藤による
  80. 80. • 伊藤は2003年より常時 GPSを持ち歩き、移動履 歴を記録している • 時刻・緯度・経度データ を数秒おきに記録 例: 伊藤の行動履歴データ
  81. 81. 番号 緯度 経度 時刻 1 26.049484 127.707568 2021/11/5 10:41 2 26.203311 127.644437 2021/11/5 10:50 3 26.204844 127.649023 2021/11/5 11:00 4 26.206459 127.652211 2021/11/5 11:10 5 26.196753 127.667002 2021/11/5 11:20 6 26.210531 127.676554 2021/11/5 11:31 7 26.211084 127.675498 2021/11/5 11:40 8 26.211636 127.675411 2021/11/5 11:50 9 26.210955 127.675742 2021/11/5 12:00 10 26.211131 127.674868 2021/11/5 12:10 11 26.211325 127.675635 2021/11/5 12:20 データ: GARMIN eTrex 30xJ のログデータ (抜粋)
  82. 82. • データ取得状況に注目し意味の読み換え – GPSデバイスの位置情報→伊藤の位置情報 • 異なる時刻、異なる場所、異なるサンプルのデータを収集し、 差や変化に注目 – 時系列での変化を追う • 異なるデータと突き合わせてデータを説明させる – 緯度経度を鍵として、地図データと突き合わせる • 判断基準の明確化 – この範囲内の数値は日本、沖縄県 – ほぼ同じ数値が連続する→完全に停止している これをインフォメーションにするために
  83. 83. • 騒音が30dB → ほとんど音がしない。静か • コートが3着売れた → 冬物衣料が3着売れた • 新規新型コロナ感染者減少 → 日曜日だからそもそも検査が少 ないので、実際は減ってない • テストの点90点 → 今回は山が当たったので、実力は70点くら い 数字の意味の読み換え: 実はよく行っている
  84. 84. 番号 緯度 経度 時刻 1 26.049484 127.707568 2021/11/5 10:41 2 26.203311 127.644437 2021/11/5 10:50 3 26.204844 127.649023 2021/11/5 11:00 4 26.206459 127.652211 2021/11/5 11:10 5 26.196753 127.667002 2021/11/5 11:20 6 26.210531 127.676554 2021/11/5 11:31 7 26.211084 127.675498 2021/11/5 11:40 8 26.211636 127.675411 2021/11/5 11:50 9 26.210955 127.675742 2021/11/5 12:00 10 26.211131 127.674868 2021/11/5 12:10 11 26.211325 127.675635 2021/11/5 12:20 時系列データ: 距離を計算(約10分間隔・直線距離) 18,174m 489m 365m 1,828m 1,800m 122m 62m 82m 89m 80m 時速100km以上 かなり高速 ほとんど 止まってる? 時速10km以上 街中の乗り物?
  85. 85. • 1番目の点は海上、2番目以降は陸上 • 2番目の点は那覇空港 • → 10:50頃、空路によって那覇空港に 着陸した 緯度経度に基づき地図と重ねる 1
  86. 86. • 2,3は那覇空港内 • 4: 那覇空港駅付 近 • 5: 小禄駅付近 • 6: 旭橋駅付近 • 11:10頃〜11:30 頃にモノレールで 移動した 緯度経度に基づき地図と重ねる 2
  87. 87. • 6以降は旭橋駅周辺 • 7→8→9→10→11は短距 離のランダムな動き • 高い建物がある場合GPS の電波が届かず不正確に なるので、静止している 可能性もある • → 11:40以降旭橋駅周辺 に滞在 緯度経度に基づき地図と重ねる 3
  88. 88. • 伊藤の行動 – 10:50頃、空路によって那覇空港に着陸 – 11:10頃〜11:30頃にモノレールで移動 – 11:40以降旭橋駅周辺に滞在 • で、どうすればいいの??? →インテリジェンスを導き出せ るか? 解釈されたインフォメーション
  89. 89. • 様々な周辺情報などを加味しながら、より深くインフォメー ションの意味を読み解く • 何かを判断する手掛かりに • 情報を利用する目的 – 次の仕事を依頼するのにふさわしいか判断したい – 新製品を買って欲しい – 伊藤の「追っかけ」をやりたい インテリジェンス
  90. 90. • 昼頃旭橋駅にいたのだから昼食を取っただろう • 土地勘がないから、アプリで店を探しただろう • Google Mapsには2件のレストランが登録 「食事」を解釈
  91. 91. • 繁華街の駅近くの店に入るのだから、郷土料理にはあまり興 味がなさそう – →地方創生、地域活性化などの仕事は頼まない方が良い? • 店で昼食を食べるのだから、時間にはゆとりがありそう – →どんな仕事でも頼んだら引き受けてくれるのではないか? • ネット情報によると会議は15:30開始なので、早めに来て観 光するのではないか? – →近くの観光情報を伝えると行ってくれそう • 当たってたり外れてたり。お役に立てましたでしょうか? どんなインテリジェンスが得られる?
  92. 92. データ インフォ メーション インテリ ジェンス それぞれの段階をどう受け止められる? 意味不明の数字が たくさんある 意味はわかった だから、何? こうすればいいの か。 次はこうしよう。
  93. 93. • 「目的」があったはず – 伊藤が何を食べたかはどうでもいい話だが、取引先の社長ならば話が違う • 今回の目的: 交通をより良くする そもそも何のためのインテリジェンス?
  94. 94. • 発見フェーズ – どのような問題があるか探す • 課題の重要性だけでなく、規模、必要な期間が「解けそう」であることも大事 • 決定フェーズ – 企業や役所内部で課題解決プロジェクトの承認を得る • 必要な期間や経費を見積もり、「解ける」ことを説得することが大事 • 実行フェーズ – 様々な人を巻き込み、動いてもらう必要 • 理解を得て納得してもらうことが大事 • 評価フェーズ – ほんとうに効果があったか、課題が解決されたかを確認 • うまく行かなかった場合でも、誤魔化さず後に繋がる知見を得ることが大事 交通をより良くするプロセス 課題発見 施策決定 施策実行 結果評価
  95. 95. • 発見フェーズ • 決定フェーズ • 実行フェーズ • 評価フェーズ 各フェーズにおいてデータ活用が大事
  96. 96. • 本当の課題は最初は分からない • 「こんな課題があるだろう」と仮説を立て、それを元にデータ を探る • 一発で課題にたどり着くことはない。仮説をデータで検証し、 より精度の高い課題にたどり着くことが大事 – このサイクルを何回も回す – 毎回のサイクルで、データ分析を行って「仮説は正しいかどうか」を示すインテ リジェンスを得る 本日の事例: 課題発見フェーズ
  97. 97. • バスに乗る人が少なすぎる • バスの便利さが伝わっていない • バスの便利さを伝えればもっと利用が増えるはず 最初の仮説
  98. 98. • データを見ると、全体を分かったつもりになる • 実際の交通は1人ひとりの移動であり、全体像を把握するだけ では掴みきれない • 自分がよく知っている場所、路線などを見て、数字と体感を一 致させる • いちばん大きく拡大するのが大事 • 背景地図を航空写真にした方が良い データを読んでみる
  99. 99. 実演
  100. 100. 都バスのサービスレベルを把握するマップを作成
  101. 101. • 最新は2015年の国勢調査 – 250メートルメッシュデミル • 同じく、データを読むのに時間を使う – 人口が多いところはどこですか? – 自分が住んでいる地域の数字から、体感を得る 国勢調査データを重ねる
  102. 102. 公共交通の運行本数の直感的把握
  103. 103. 人口と運行本数比較
  104. 104. 中心地からの到達時間
  105. 105. • × データ活用 • ○課題発見・解決 データ活用プロジェクトを考えてみよう
  106. 106. • 客観的なものに向 き合うことで、理 性的な対話が出来 る • 解釈のアイディア が出やすい 人対人ではなく、皆がデータに向き合うように
  107. 107. • 社内データ – 運営、営業上の重要事項を表現 – 外には出せないが、どう解釈していいか分からない • 「テストの点数60点」と同じ状態 • 公開(オープン)データ – 社会全体の共通知識となるようなデータ – それ自体に新しい発見はないが、何かを考える時の基礎となる • 社内データを公開データに基づいて評価することでデータから インフォメーション・インテリジェンスに繋がっていく 社内データ+公開(オープン)データで洞察を深める
  108. 108. • 決定フェーズ – 社内、組織内にやりたいことを分かってもらう • 実行フェーズ – 関係者、一般市民などに取り組みやその成果を理解してもらう • データやビジュアライゼーションを用いることで効果的なコ ミュニケーションが可能に 説得、共感、コミュニケーション
  109. 109. • 企業や役所内にある何かをデータ化して、活用したい – →データ作りの段階では人間らしい考え方が邪魔になる 組織の中でどうデータを見つけるか・データ化するか
  110. 110. • 人間にとっては右の方が理解しやすい • データとする場合は、余計な解釈をせずそのままの数字を出す べき どちらが分かりやすい?どちらが「データ」らしい? 番号 緯度 経度 時刻 1 26.049484 127.707568 2021/11/5 10:41 2 26.203311 127.644437 2021/11/5 10:50 3 26.204844 127.649023 2021/11/5 11:00 4 26.206459 127.652211 2021/11/5 11:10 5 26.196753 127.667002 2021/11/5 11:20 6 26.210531 127.676554 2021/11/5 11:31 7 26.211084 127.675498 2021/11/5 11:40 8 26.211636 127.675411 2021/11/5 11:50 9 26.210955 127.675742 2021/11/5 12:00 10 26.211131 127.674868 2021/11/5 12:10 11 26.211325 127.675635 2021/11/5 12:20 10:50頃、空路によって那覇空港に着陸 11:10頃〜11:30頃にモノレールで移動 11:40以降旭橋駅周辺に滞在
  111. 111. データを1件ごと切り出せるように 出典:統計表における機械判読可能なデータ作成に関する表記方法 https://www.soumu.go.jp/main_content/000723697.pdf
  112. 112. データを遠いものと思わず 自分事にしてみる挑戦を是非!

×