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公共交通(バス)データについての思いと期待

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2019年3月2日開催「公共交通オープンデータ最前線 in インターナショナルオープンデータデイ2019」における中村文彦教授(横浜国立大学 理事)の発表資料です。

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公共交通(バス)データについての思いと期待

  1. 1. 公共交通(バス) データについての 思いと期待 横浜国立大学 中村文彦
  2. 2. 自己紹介 略歴 ➢略歴 ➢1962 新潟市生まれ ➢1985 東京大学工学部都市工学科卒業 ➢1989 東京大学工学部助手 (1991 工学博士取得) ➢1992-1994 アジア工科大学院助教授(在タイ) ➢1995 横浜国立大学助教授 ➢2004 横浜国立大学教授 ➢2011 パラナ・カトリカ大学客員教授(在ブラジル) ➢2013 横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院長 ➢2015 横浜国立大学理事・副学長(国際、広報、地域担当) ➢主な社会活動 ➢国土交通省 交通政策審議会委員、社会資本整備審議会臨時委員 ➢ISO TC204 WG8 (公共交通と緊急車) 国際WG委員(1995~) ➢SIP 自動走行 次世代都市交通WG委員 ➢JCoMaaS代表理事(予定) ➢都市計画審議会 (横須賀市、川崎市ほか) ➢公共事業再評価委員会 (横浜市、相模原市ほか) ➢地域公共交通会議会長(川崎、横須賀、相模原、厚木)(横浜では会員) ➢東京都 環状2号線BRT導入検討委員会委員長
  3. 3. 宣伝 • 絶賛発売中、アマゾンでも購入できます。
  4. 4. 発表の構成 1. 過去を振り返って 1. バスロケーション 日本・海外 2. 優先信号制御 日本・海外 3. 国際標準化の経験 2. 新しい大きな流れ 1. 自動運転やシェアリングの意味 2. MAASの意味 3. これからへの思いと期待
  5. 5. 発表の構成 1. 過去を振り返って 1. バスロケーション 日本・海外 2. 優先信号制御 日本・海外 3. 国際標準化の経験 2. 新しい大きな流れ 1. 自動運転やシェアリングの意味 2. MAASの意味 3. これからへの思いと期待
  6. 6. 1.1 バスロケーション • 技術 • 位置検知の方法の進化 • データの蓄積、送信、管理の変化 • 目的 • 労務管理 • リアルタイム情報提供 • データ蓄積活用 • 機器 • 停留所、ターミナル • 近隣施設(役所、病院、商業施設、集合住宅) • CATV上 • インターネット上(PC、スマートフォン) • 変な話 • データ精度の意味 • 効果分析の意味 • 方法 • 日本:路上感知器、無線(音声合成装置)走行距離 • 海外:GPS、走行距離計測
  7. 7. 歴史の要約 Technique history Discussion A: Location Identification A1:Transponder 1977 High cost, a few operators A2: AGS 1980 Less accuracy of data A3: GPS 1997 Inappropriate in downtown B: Real-time Information Provision Approach -ing info at B1:Stops 1977 Convenient but ineffective B2: Facilities 1987 Effect unclear B3: PCs 1998 Many operators B4: Mobile phones 1999 Many operators Count down info at stops 1989 Much convenient
  8. 8. Bus stops with BLS
  9. 9. バス位置情報(ロンドン)
  10. 10. 浜松市の遠州 鉄道バスの ウェブ (2000) ◼ Bus location ◼ Approaching information ◼ Bus type (wheel- chair accessible or not)
  11. 11. 1.2 優先信号制御 • 技術 • 感知対象 なにを? 大型車両すべて、指定車両のみ • 感知技術 どのように? 道路埋め込み、路上上部 • 感知応用 信号現示制御をどのように変更するか • 感知連携 他のデータとの連携 • 感知精度 どの程度の誤差を許容するか • 海外では • バスロケーションデータ連携
  12. 12. ローザンヌ市のバス優先のロジック (バスロケでPTPSもやっちゃうイメージ) バス事業者 警察署 バス (道路) 信号機 設定ダイヤと整合 の上、遅れ状況を 判断評価。 位置情報と時 刻を周期的に 送信 位置情報に遅れ情報 を付加して送信(遅 れは3段階で評価) 遅れ度合いに応 じて信号現時を 調整(遅れのひど いバスは最優先) バス事業者 警察署 バス車両 信号機
  13. 13. 1.3 国際標準化活動の経験 • ISO 国際標準化機構 TC204技術検討委員会 WG8 • バス等情報のデータ標準化 • アメリカからの提案 アメリカ型の攻め方 • TCIP • 欧州の独自の動きCEN TC278 WG3 • 欧州的な調整合意 TRANSMODEL • 韓国の動き、日本の対応 • 日本型の標準化の意味 • Google (GTFS) との関係の変化 • 国内用標準化データフォーマットへの流れ • 当時の背景 • 当時できたこと • 今にして思うと
  14. 14. バスストップ ナンバリング シドニー(豪) • 全バス停に郵便番号 プラス2桁で番号表示 • 各種問い合わせ時に バス停番号と系統番号 で対応できる。市内複 数事業者で共通仕様
  15. 15. (当時考えていた)動向と課題 ◼ 必要なところに必要な技術があるか 導入ニーズ、導入コスト ◼ コスト負担の考え方 事業者がすべて負担するべきなのか ロンドン、ソウル、コペンハーゲン他 ◼ 技術の重複→効率化コストダウンへ ローザンヌの工夫
  16. 16. 論点のまとめと課題 ◼ Needs-Seeds問題からの脱却は?  都市交通のニーズに近づいてくるだろうか ◼ 誰のための情報通信技術か?  最終的な恩恵は市民に還元されるだろうか  手段と目的がすりかわっていないだろうか ◼ 費用の負担と回収をどうするか?  通信費用、ソフトウェア費用は適正になるだろうか  便益帰着前提の費用負担モデルになるだろうか ◼ 高機能と高操作性のバランスをどうするか?  使いやすさや普及可能性が重視されていくだろうか ◼ アジアでの国際的な立場で何をするべきか  地域に喜ばれる持続可能なシステムをつくれるだろうか  欧米とは異なるアプローチで展開できるだろうか
  17. 17. バス情報提供フレームの再検討 • 細かいことへの割り切り(通信会社のせい or/andバス事業者のせいor/and行政)。 • 多少大ざっぱで誤差があっても欲しい情報が あることが重要と思えるか。 • 情報を出すからには誤差があってはならない とこだわるか。 • 情報を出すからには将来を見据えてフルス ペックでなくてはならないとするか
  18. 18. 役割分担 • 誰が何をすべきかについて相互理解 – 県や市 • 道路管理者として • 都市交通のビジョン策定主体として – 交通事業者 • ITSを仇と思っている鉄道事業者の巻き込み • ITSまで手のまわらないバス事業者の巻き込み – 交通管理者 • 理解者をいかに増やしていくか。
  19. 19. 発表の構成 1. 過去を振り返って 1. バスロケーション 日本・海外 2. 優先信号制御 日本・海外 3. 国際標準化の経験 2. 新しい大きな流れ 1. 自動運転やシェアリングの意味 2. MAASの意味 3. これからへの思いと期待
  20. 20. シェアリングの論点 • 行動変更の実態 • 自家用車利用からの行動変更がきわめて少ない。 • 所有から共有へ にはなっていない!! • 徒歩や公共交通等からの行動変更がほとんど。 • 特にカーシェア、自転車シェア • 車両破損対応や放置車両回収のコストの問題 • パリの電気自動車シェアリングは運営事業者撤退 • 特にライドシェア 普及の影響 • 供給過剰(稼げる商売求めて上京する輩) • クリームスキミング(運転者が行きたくないところが不便になる) • 道路混雑(供給過剰の結果) • 安全性への懸念(車両、運転技量、モラル、事故対応(保険))
  21. 21. 自動運転と都市交通 • 都市の近未来 →そこでの都市活動 →派生需要としての移動ニーズ(都市交通需要) →自動運転関連技術ができること、すべきこと +完全自動運転車が担えること、担うべきこと • 市民からみれば • 電車もバスはすでに自動運転(客は運転しない) • タクシーもすでに自動運転(客は運転しない) • 運転手付自家用車は完全自動運転車(意のままに動く) • 市民目線では、大騒ぎの必要はないのかもしれない。
  22. 22. 車両がかわいい 窓が大きい 乗り降りしやすい 無人運転かどうか は どうでもよい 試乗した学生さんたちの声(一部)
  23. 23. MAASの出現と展開状況 • 背景 • 都市交通政策の着眼点や方法論の変化 • 自家用車依存からの脱却の推進 • 交通行動の変更(TDM)の推進 • 代替選択肢を選べる、代替選択肢がつながる • スマートフォンでの情報検索、予約、決済機能 • モノの所有からコトの消費への流れ • シェアリングサービスやオンデマンドサービス等の新しいタイプの交 通手段の出現 • 出現:ヘルシンキ(フィンランド)からのスタート • MaaS Global社Whim 公共交通とタクシー利用の増加へ • 展開状況: • 海外:各国で類似のアプリの開発競争へ • 日本:運輸事業者主導+自動車メーカー主導+政府検討
  24. 24. LEVEL 統合内容 特徴 例示 0 なし 事業者各自 多数(日本のNaviTime他) 1 情報提供 全事業者参加 トリッププランナーアプリ (世界各地) 2 予約と支払い 毎回の移動ごと ハノーバーモデル 3 サービス 会員制度で月間 まとめ払い等 ヘルシンキモデル 4 政策 官民連携 EMMA (モンペリエ) MaaSの分類 (レベル1以下はMaaSとは言えない。2以上必須、レベル4理想)
  25. 25. 需要タイプごとに異なるMaaS 需要 対象政策 対象需要 都市中心部 歩きやすくする 自家用車利用依存を下げる 徒歩 自転車、自転車シェアリング 公共交通 郊外 幹線公共交通アクセス支援 二台目自家用車保有自粛 自家用車利用依存を下げる 公共交通 パークアンドライド オンデマンドバス 鉄道端末での自転車シェア、カー シェア、ライドシェア等 中山間地域等 高齢者の外出奨励 公共交通の効率性向上 オンデマンドバス カーシェア、ライドシェア 都市間 自家用車利用依存を下げる 温室効果ガスをより減らす 駅アクセス交通支援 アクセス交通手段とセットでの対応 宿泊予約やレンタカーと連動
  26. 26. MaaS (レベル3か4)でなにが変わるか Actors 便益 リスク 移動者 ・情報入手が容易になる ・選択プロセスが容易になる ・選択肢の幅が広がる より速い移動 より安い移動 より快適な移動 より環境に優しい移動 ・スマートフォンを使えない人た ちが社会的に疎外される ・停電などでMAASサーバーが ダウンすると全てが停まる。 運輸事業者 ・情報提供マーケティングの費用 節約 ・さらなる利用者確保の機会 ・ライドシェア等に利用者を奪 われ減収になる。 ・ライバル事業者に社内情報 が知れ渡ってしまう。 政策サイド ・自動車利用距離減による温暖化 ガス削減への貢献 ・自動運転やシェアリングサービス との連携可能性 ・競争がなくなることでの効率 性低下 ・ライドシェア増加による自動車 利用距離増と温暖化ガス増
  27. 27. 日本でのMaaSに対する懸念 • なんのため? • 社会的意義or民間事業者の儲け(囲い込み) • 自家用車依存を下げるため • あれば便利=なくても困らない のレベルでは駄目だろう。 • 大枠の政策課題:環境改善、交通事故抑止、高齢者社会包摂、障害 者外出支援、防災(被災直後の復旧活動移動支援)、地方都市中心 市街地活性化、 • データ蓄積機能(戦略評価分析に資する) • だれがやる? • 運輸事業者 → ライバル事業者を排除する危険性 • 自動車関連産業 → 政策意識希薄 単なるちょっと便利なアプ リ • オープンな共通データ基盤が前提、利用者インターフェイスは一 元的、その中間部分は、もしかして多様なのもありえるかも • どうやる? • 例:公共交通運賃のまとめ払い (ヘルシンキでも努力している)
  28. 28. 発表の構成 1. 過去を振り返って 1. バスロケーション 日本・海外 2. 優先信号制御 日本・海外 3. 国際標準化の経験 2. 新しい大きな流れ 1. 自動運転やシェアリングの意味 2. MAASの意味 3. これからへの思いと期待
  29. 29. 交通需要マネジメント (TDM) 特定の場所と時間帯に乗用車需要が集中することを 避けるため乗用車運転者に行動の変更を要請する。 経路変更要請 手段変更要請 目的地変更要請 頻度変更要請 時刻変更要請 例 カーナビ 例 パークアンドライド 例 サテライトオフィス 例 圧縮勤務 例 時差出勤 移動者への情報提供を 含む動機付けが必要 持続可能な開発目標SDGs 達成のために 自家用車移動を減らすべく 乗用車ドライバーの 行動の変更を支援する等 (情報提供、予約、決済)
  30. 30. 31 (2)マルチモーダル (3)インターモーダル Multi-modal Inter-modal 選択肢集合=自家用車 以外を選べる 手段 手段 手段手段 手段のつながり 手段 手段 手段 それぞれの交通手段は可能な限り魅力的であるべき 適切な情報提供と選択支援が必須 (情報の中身、量、提供タイミング、提供位置、提供方法、支払い支援等) 楽しめる繋がり ヒューマンスケール
  31. 31. まとめ • 方向:自家用車への過度な依存の弊害からの脱却 • 目標:人間中心のまちづくりに資する交通 • 動き:交通の新技術キーワード: • MaaS、シェアリング、自動運転 • 民間企業の新しい動き • 企業と大学との連携 • 狙うべき:人々の行動の変化 • できれば変容(=価値基準の変化に基づく行動の変更) • やること:情報の提供 • 受け皿となる公共交通の改善 • 現在自家用車を使っている人に届く情報 • でかけること自体がおっくうになっている人に届く情報 • なるべく単純に、なるべく安価に • どこまでも透明に→持続力のあるものに
  32. 32. まとめのまとめ 挑戦する心(=たくさん失敗する覚悟) オープンで透明なアプローチ ローカルコンテクスト リスク管理 関連主体受容性 都市に携わっているという責任感・倫理観
  33. 33. ご清聴、ありがとうございました。 nakamura-fumihiko-xb@ynu.ac.jp

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