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読む技術

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このスライドは、サイボウズ・ラボの西尾泰和と竹迫良範が、 京都大学サマーデザインスクール 2014で行った「学び方のデザイン」の講義資料の一部です。

他のスライドは http://nhiro.org/kuds2014/ で見つけることができます。

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読む技術

  1. 1. 京大サマーデザインスクール2014   京大サマーデザイン スクール2014   (c)2014 西尾泰和(サイボウズ・ラボ) 西尾泰和 1
  2. 2. 読む技術        2 “読むこと自体が目的”な 小説などではなく 別の目的の為に読むこと について考える 2
  3. 3.     書籍の中の情報のネットワーク(モデル)を直接脳に写し取ることはできない   3 3
  4. 4.     細かい単位に噛み砕いて、飲み込み、脳内でモデルを組み立てなければならない   4 4
  5. 5. モデルが作られたか(理解) モデルに基づいて行動し 実益を得られたか(応用)        5 5
  6. 6.        6 得た情報時間 単位時間 あたりの 情報量 時間を掛けて情報を得る 6
  7. 7.     情報/時間 時間 得た情報 この捉え方は目的を見失っている   7 時間 得た情報 速読とは単位時間に得られる情報を増やすこと? 7
  8. 8. 目的はモデルを組み立てる ための材料集め 材料に集中する        8 8
  9. 9.     情報/時間 「本の20%に80%の情報がある」などという表現も   9 時間時間 9
  10. 10. 目次、箇条書き、 図表キャプション、 太字、傍点、…     +自分が重要そうだと感じたところ   10 10
  11. 11. イラストを描くのは手間 ↓ 著者はその手間を掛ける 価値があると考えている        11 11
  12. 12. 箇条書き ↓ 著者が情報の混沌の中から 構造を見出そうとした結果        12 12
  13. 13. 時間軸の圧縮の方法     ・重要そうなところに集中 ・単に高速化 ・時間を掛けて準備    13 13
  14. 14. 注意点 目次の構造がイマイチ 太字が単に感情的な強調 タイトルは商業的理由*     洋書のタイトルと翻訳書のタイトルを比べると…   14 14
  15. 15. この読み方では 本の内容を一部だけ 取り込もうとする     つまり、著者未満にしかならない   15 15
  16. 16. 本に書かれている以上の 価値を得ようという読み方        16 16
  17. 17. ある本に書かれていることと 別の本に書かれていること*の 結合に価値を見出す     * や、自分の経験、いま自分が解決したい問題   17 17
  18. 18.        18 人間は忘却する生き物 ↓結合による価値 2冊目を読んでいるうちに1冊目のことを忘れてしまう 18
  19. 19. 時間軸を圧縮することで 異なる複数の意見が 記憶にある時間を増やす        19 19
  20. 20.        20 ↓結合による価値↓高く維持される 20
  21. 21. 時間軸の圧縮の方法     ・重要そうなところに集中 ・単に高速化 ・時間を掛けて準備    21 21
  22. 22. いまから行うワークの原理 “プライミングについて 先に解説します        22 22
  23. 23. 英単語が25msecだけ 画面に表示される実験        23 23
  24. 24. 事前に学習した単語55% そうでない単語33% を読むことが出来た        24 24
  25. 25. 不思議な点 健忘症の患者でも 健常者と同程度        25 25
  26. 26.     “事前に学習した 単語か?” という質問だと 成績に差がついた 26 読めるかどうか?なら読める、覚えているか?だと覚えてない エリック.R・カンデル, ラリー.R・スクワイア(2013) “記憶のしくみ 下” 講談社 26
  27. 27. つまり 自覚のない記憶が存在する     そして健忘症で損なわれていない   27 27
  28. 28.     28 アイデアを思いつくきっかけも 自覚していない場合がある   キース・ソーヤー(2009) ”凡才の集団は孤高の天才に勝る” ダイヤモンド社 28
  29. 29. ワークの内容 1ページ100msecで     1冊の本を眺めてもらいます 「覚えているか」は問いません もちろん「読めるか」も問いません。読めません。   29 29
  30. 30. 付箋に新しいアイデアを 書いてください     後で隣の人に渡すのでA4の紙に貼っていってください   30 「思い出す」ではなく「思いつく」 30
  31. 31. ワークの手順メモ 1分書き出しをする 枚数カウント 動画を30秒見る 1分書き出しをする 枚数カウント(増える?) 4回繰り返す        31 31
  32. 32.     各自が付箋を回収する前に 他人の付箋で役に立ちそうな ものがあれば書き写して下さい    32 32
  33. 33. 今回のワークの目的 単純な時間軸圧縮の体験 自分にとって有益かどうか?     学術的に有用性を主張するための実験ではないのでだいぶ手を抜いています   33 33
  34. 34. 時間軸の圧縮の方法     ・重要そうなところに集中 ・単に高速化 ・時間を掛けて準備 時間を掛けて準備したのでは圧縮にならない?   34 34
  35. 35. 海馬が破壊された患者の事例       35 エリック.R・カンデル, ラリー.R・スクワイア(2013) “記憶のしくみ 上” 講談社 35
  36. 36. 新しい記憶ができない 最近の記憶も失われた しかし 手術より2年以上前の記憶は 問題なく残っていた        36 36
  37. 37.     数年間の間に繰り返し使われ 長期記憶に変化した記憶は 海馬を取り除いても失われない    37 37
  38. 38. 2年以上前に読んだ本 復習しましたか? 何を覚えていますか?     復習をしなければ忘れてしまう   38 38
  39. 39. 本全体を読み返すのは コストが高い ↓ 復習用の圧縮した表現を 時間を掛けて作る        39 39
  40. 40. 抜き書きを作る? →文脈から切り離す作業 → 文脈を忘れて 意味がわからなくなる        40 40
  41. 41. 未来の自分は他人 他人に伝えるための形に 整形してやらねばならない        41 41
  42. 42. パズルを解いた後 解き方を説明させると その後同じパズルの成績が 22.8%向上した     42 「説明を他人とシェアする」と言って説明させた条件では25.0% Di Stefano, et. al. “Learning by Thinking: How Reflection Aids Performance” 42
  43. 43. 今回のワークショップで 学んだことを発表ポスターの 形でまとめる→よい復習材料        43 43
  44. 44. 「文字だけで伝えるもの」 という思い込みがある人が多い 方法は問わない     →描く技術   44 44
  45. 45. まとめ        45 45
  46. 46. 何のために読むのか?        46 46
  47. 47.     本に書かれているモデルを 自分の中に構築するため? 本を刺激として書かれていない 新しい結合を見出すため?    47 47
  48. 48. その目的のためには どうすることがよいのか? を考え、改善していこう        48 48
  49. 49. 京大サマーデザインスクール2013 参考文献    エリック.R・カンデル, ラリー.R・スクワイア(2013) “記憶のしくみ 上” 講談社 エリック.R・カンデル, ラリー.R・スクワイア(2013) “記憶のしくみ 下” 講談社 キース・ソーヤー(2009) ”凡才の集団は孤高の天才に勝る” ダイヤモンド社 Di Stefano, G., Gino, F., Pisano, G., Staats, B., & Di-Stefano, G. (2014). “Learning by Thinking: How Reflection Aids Performance”. Harvard Business School NOM Unit Working Paper, 14-093. 寺田 昌嗣(2011) "フォーカス・リーディング" PHP文庫 ポール R.シーリィ(2009) "[新版]あなたもいままでの10倍速く本が読める" フォレスト 出版 49
  50. 50.   補足 圧縮が効きにくいもの 辞書(構造がない) 数学(既に圧縮されている)    50 50
  51. 51.   このスライドについて このスライドは、サイボウズ・ラボの西尾泰和 と竹迫良範が、 京都大学サマーデザインスクー ル 2014で行った「学び方のデザイン」の講義資 料の一部です。 他のスライドは http://nhiro.org/kuds2014/ で見つ けることができます。    51

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