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生産性向上ワーキンググループについて

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未踏研究会キックオフで講演した内容に加筆したものです

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生産性向上ワーキンググループについて

  1. 1. 生産性向上WGについて 2015-08-04 サイボウズラボ 西尾泰和 このスライドは一般社団法人未踏の 「未踏研究会キックオフ」にて 講演した内容に補足説明をしたものです ワーキンググループ
  2. 2. 生産性向上WGは メンバーが単位時間当たりに 作り出す価値の向上を目指す ワーキンググループです! 2 ではそれをどうやって実現するのか?
  3. 3. どうやって実現する? いくつものアプローチがあり得る それを議論することも活動のうち 今回はその中の1つにフォーカス 3
  4. 4. 知識による 生産性向上 4 知識の有無で生産性に大きな差が出るのは ここにいる人には改めて説明するまでもないよね?
  5. 5. 知識の習得にかかる 時間コストを下げる 5 ということが単位時間あたりに生み出す価値の向上に重要
  6. 6. 具体例 上田さん(2006下)に 電子工作を教わった話 6 参加者 西尾(2002) 大島(2006上) 稲津・中山・上野(2006下) 2009年の話。電子工作興味があるけど何やったらいいかわからない、 というメンバーが集まって電子工作の得意な上田さんに教えてもらった
  7. 7. 秋葉原でブレッドボードとか ATMEGA168(足がいっぱい)とか USBシリアル変換回路とか買う。 お手本を見ながら組み立てる 正しく組み立てるとLEDがチカチカ 何ができた? 7
  8. 8. Arduino互換回路! 便利なフレームワークを ブラックボックスとして 使うのではなく 作ることで構造を理解 8
  9. 9. Arduinoの公式ページから 開発環境を入れたり サンプルを試したり 自分が組み立てた回路が 自分のプログラムを受け取って 挙動を変化させるぞ!Cool! 9 Arduino互換回路ができたので、Arduino向けのリソースが全部使える!
  10. 10. その後 同じアンプICを買った人と一緒に データシートを読んで音を鳴らす 自分一人しか買ってない音源ICの データシートを涙目で読む 10 重要なのは、指定された部品だけではなく 「自分の興味があるものも買え」と言われたこと。僕は音源ICを買った。
  11. 11. この電子工作勉強会で作ったもの 11 ブログ: http://d.hatena.ne.jp/nishiohirokazu/20090713/1247458741 PCから入力した楽譜が音源ICで和音で再生され、 ボリュームとテンポが可変抵抗で調節できる。
  12. 12. この事例で言いたかったこと ・楽しい! ・よくわかってる人に教えてもらうと 学習速度がとても速い ・この時の経験がなかったらその4年後に FPGAでライフゲーム作ったり*してなかった 12 * http://d.hatena.ne.jp/nishiohirokazu/20130424/1366736980 前の発表でGPIOの話が出たけど、僕がGPIOを知ったのはこの勉強会でだった
  13. 13. この「よい事例」は なぜ発生したのか 13 未踏卒業生が200人くらい入っているFacebookグループがあったとして、 そこでこういうことが起こるか?
  14. 14. ネットワーク形成システムとしての 未踏ユースブースト会議 OB/OGを繰り返し参加させることで 採択年度の異なる採択者の間の 人的ネットワークを形成するシステム 14 上田さんとはここで知り合った。採択年度の異なるOBが何度も顔を合わせ 共に「現役生にどうアドバイスするのがよいか」などを議論することで 互いを知り密なネットワークを形成した。
  15. 15. 僕は運が良かった ブースト会議にOBを呼ぶことが検討されたのが たまたま僕が成果報告会に毎回参加していた時期 参加したいとアピールしたらあっさり参加できた 「幸運」 15
  16. 16. 類似システムの拡大再生産が必要 OB/OGは毎年どんどん増えていくが ブースト会議に呼べるOB/OGはそう増やせない 常連OBが徐々に年を取って 現役生との年齢差が大きくなる+ OBが「アドバイス役」を演じることによる フラットな関係構築力の消滅 ブースト会議と類似の機能を持った場を 自分たちで作り出していかなければいけない! 16
  17. 17. 17と言う話を2011年の情報処理学会誌で書いた http://id.nii.ac.jp/1001/00078358/
  18. 18. サイボウズ・ラボユース 2011年3月から開始 未踏ユース的 ・個人のソフトウェア研究開発を支援 ・成果物の権利は個人に帰属 開発合宿などで採択者間のネットワークを形成 18 この記事を書いたころに弊社が始めたのが「サイボウズ・ラボユース」
  19. 19. 今年、第1期の 卒業生*が共著で 書籍を執筆 19 * 新屋さん、鈴木さん 「人的ネットワークの形成」 という目論見が成果を生んで 我々としてはとてもうれしい
  20. 20. ネットワーク形成システム を拡大再生産したい どうやって作る? 20
  21. 21. 実装フェーズ ここまでで、なぜ作りたいかを説明した ここから、どうやって作るかを議論する 21 5つの設計指針にまとめてみた
  22. 22. 1: オープンで風通しよく オープンで風通しの良い組織を作るためには メンバーが他のメンバーを知り、話しかける 「機会」「場」を作ることが必要だ →社団にkintoneを提供 「検索できるFacebook」として活用 22
  23. 23. 2: 小規模で密なコミュニティ 大きなグループが1つあるだけでは 活発な議論は起こりにくい* 興味関心や共通点に基づいて 全員の顔が見える規模の 「テーマごとのコミュニティ」を作る** 23 * 発言に「遠慮」してしまう場で熱く盛り上がることは不可能だ ** 社団の研究会・WGシステムはこれの母体となりえるがイコールではない 将来的に人数が膨れ上がって停滞が起きる可能性もはらんでいる
  24. 24. 24 その小さなコミュニティが左の図のように独立していたのでは 情報流通の範囲は狭い。新しい情報が入ってこない。
  25. 25. 3: 境界をまたぐ メンバー各個人が 複数のコミュニティに属することで コミュニティの境界をまたぎ 情報を仲介することで価値を生み出す 25 「未踏」の外にも面白い人がいっぱいいるから そういう境界もまたいでいきたい 例えば自分の会社と、未踏という2つのコミュニティに属している この境界をまたいで、コミュニティ内外の情報流通を仲介すると 自分の周りの人が幸せになる 荒川さんの話にもありましたね→
  26. 26. 4: 生成消滅は低コストに 人間は信頼性の低いモジュールなので 機能不良に陥った時の交換手段が必要。* 信頼できないorおかしな人が1人いると その「場」は枯れてしまう。 コミュニティの生成消滅のコストが低ければ ** そこは枯れるに任せて、新しいのを作るという 穏便な方法が取れる*** 26 * おかしくなった死ぬべき細胞が死ななくなったのが「がん」だ ** 現状の社団の研究会やWGは「フォーマルな組織」であるがために コストが高い。インフォーマルで生成消滅の安い仕組みが必須。 ***さもなくば「有害な人をkickする手段」を定めておくことが必要。 だけど、その行使あんまりやりたくないでしょ?
  27. 27. 5: 貢献したい気持ちを引き出す 未踏OB/OGは、社団未踏の従業員ではない ・「本業」が社団と別にある ・雇用契約や金で縛られてない ・「楽しさ」ドリブン つまり、企業の組織設計とは前提条件が異なる。 貢献のチャンスを作り出し、 貢献したい気持ちを引き出し、 その貢献に対して報いる仕組みが必要。* ** 27 * ボランティア=自発的・自由意思 ** Ubuntuのコミュニティマネージャが書いた「アートオブコミュニティ」は ボランティア組織に関わる人ならぜひ目を通すとよいと思う 企業向けの組織論、企業内の組織を真似してもうまくいかない。
  28. 28. まとめ 1: オープンで風通しよく 2: 小規模で密なコミュニティ 3: 境界をまたぐ 4: 生成消滅は低コストに 5: 貢献したい気持ちを引き出す 28
  29. 29. 集まるのが最初の一歩 一緒に居続けるのが進歩 一緒に働くのが成功 29
  30. 30. 具体的な話 集まる: kintone上に生産性向上WGのグループがある。 生産性向上に興味があれば誰でもウェルカム。 居続ける: 気楽に雑談する。テーマごとにスレッドを新しく 立てる。 働く: そのうち、あなたが貢献できる、したいと思う チャンスが現れる。それが成功。 30 ↑これが「生成消滅コストの安いコミュニティ」として機能する
  31. 31. 発表後追記 「集まるのが最初の一歩」 これを8月5日のイベントで行った。 いくつか新しい芽が生えた。 次に目指すことは 「一緒に居続けるのが進歩」 イベントで盛り上がって終わりではなく 連絡を取り合い「つながり」を維持する。 さもなければ芽は枯れてしまう。 31
  32. 32. 32
  33. 33. 付録 本編に組み込まれなかったアイデアの断片: 長期的には真実が最善の施策。 信頼が貴重なリソース。 貢献によって信頼貯金がたまる 「与えられたグループに参加する」ではなく 自分で気軽にグループを作れる仕組みが必要 運営コストを下げるには? 囚人のジレンマ→1対1の関係ではなくコミュニ ティベースにすることで単一障害点を避ける 33

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