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ゲイ・バイセクシュアル男性の健康問題

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ゲイ・バイセクシュアル男性の健康問題

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2020年2月 第15回 若手医師のための家庭医療学冬期セミナーで開催された「性の多様性と健康問題をみよう!ー家庭医だからできることー」のスライドです。

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ゲイ・バイセクシュアル男性の健康問題

  1. 1. ゲイ・バイセクシュアル男性の 健康問題 にじいろドクターズ
  2. 2. ⽬標 ・ゲイ・バイセクシュアル男性の⼈々が  抱える健康問題を知り、  適切なヘルスメンテナンスを提供できる https://www.aafp.org/afp/2015/0615/p844.html にじいろドクターズ
  3. 3. これから話す内容 ・性感染症 ・性⾏為に関する具体的な指導 ・予防接種 ・HIV ・新しいHIV感染予防「PEP・PrEP」 ・危険飲酒、喫煙、違法薬物 ・メンタルヘルス ・暴⼒ このマークに注⽬! にじいろドクターズ
  4. 4. 提供する医療をどのように決めるか 医学的問題点は性的指向ではなく、 実際に⾏なっている⾏為によってリスクが変化する →性⾏動・性⾏為にフォーカスを当てる 患者が⾃分をヘテロセクシュアル男性と⾃覚していても 男性と性⾏為をする(MSM:Men Who Have Sex with Men) ならばリスクが⾼いため、提供する医療を変える必要がある にじいろドクターズ
  5. 5. 性感染症 A型肝炎は例年100〜300例であったが、 2018年は926例の報告があった。 原因として男性間での性的接触が43%だった。 (⽇本・2012年第1週から2018年第42週までの感染症発⽣動向調査におけるA型肝炎の報 告) 梅毒と診断された症例の多くはMSMだった。 (Centers for Disease Control and Prevention. HIV surveillance Report.) にじいろドクターズ
  6. 6. 性感染症 HPVに関連する癌 ・咽頭癌 70%がHPV感染により発症。2⼈以上の同性セックス パートナーがいるMSMでは22.2%に咽頭のHPV感染がある。 (Oral Human Papillomavirus Infection: Differences in Prevalence Between Sexes and Concordance With Genital Human Papillomavirus Infection. Annals of Intern Med. 2017 Nov;21;167(10);714-724.) ・肛⾨癌 MSMでは少なくとも発症リスクが2倍。セックスパートナー の数が多かったり、被挿⼊側であればリスクは増⼤する。 (Human papillomavirus, smoking and sexual practices in the etiology of anal cancer. Cancer 101(2): 270-80, 2004.) にじいろドクターズ
  7. 7. 性感染症 年に1回以上のスクリーニング検査を推奨 クラミジア・淋菌:全例で尿検査(核酸増幅法)を推奨 C型肝炎:HIV感染症がある⼈     不特定多数のセックスパートナーがいる⼈ HIV:全例で推奨 梅毒:全例で推奨 少なくとも1回のスクリーニング検査を推奨 A・B型肝炎:予防接種をしていなければ推奨 *肛⾨癌と咽頭癌のスクリーニングは現時点では  エビデンスが乏しい にじいろドクターズ
  8. 8. 性感染症 クラミジアと淋菌に関しては 初回検査後3ヶ⽉で再検査(re-screening)を推奨 (High incidence of new sexually transmitted infections in the year following a sexually transmitted infection: a case for rescreening. Ann Intern Med. 2006;145(8):564.) スクリーニング検査が1つでも陽性だったときは 未実施の性感染症検査についても検討 性感染症の既往がある患者は患者と相談し、 より頻回にスクリーニングを⾏うことも検討する。 CDCは不特定多数のセックスパートナーがいる患者では 3-6ヶ⽉に1回のスクリーニング検査を推奨 にじいろドクターズ
  9. 9. 性⾏為に関する具体的指導 ・挿⼊⾏為だけでなくペニスと粘液や粘膜同⼠の接触が  ありうる⾏為をするときにはコンドームを必ず使⽤する ・オーラルセックスに対する危険性を過⼩評価しがち。  HIVの感染率は低いが、淋菌やクラミジア、梅毒   HSV1,2、HPVは容易に感染する  ⼝腔内に⼝内炎や傷があるときには  オーラルセックスは避ける。  オーラルセックスの前後での⻭磨きは⻭⾁出⾎により  感染率が⾼まるため、うがい程度にするように指導する にじいろドクターズ
  10. 10. 予防接種 通常推奨されている予防接種に加えて ・HAV、HBV  すべてのMSMで推奨 ・HPV  基本的には性交渉を開始する前に接種。  性交渉があったとしても性別問わず  26歳まで接種期限の延⻑を推奨 にじいろドクターズ
  11. 11. HIV 新規のHIV感染者の72.8%が同性間のセックスにより感染。 (⽇本・2017年エイズ発⽣動向年報 発⽣動向の分析結果) どうしてMSMにHIV感染が多いのか ・アナルセックスは出⾎のリスクが⾼く、感染リスクが⾼まる。 ・「コンドームを正しく使って、意図しない妊娠を防ぐ」と⾔った   異性愛を前提とした啓蒙活動はLGBT当事者に届きづらい。 ・クローズドコミュニティーで性的なネットワークが密になりやすい にじいろドクターズ
  12. 12. 新しいHIV予防⽅法 「PEP」「PrEP」 PrEP(Pre-Exposure Prophylaxis) USPSTFでも リスクファクターに該当する すべての⼈にGrade Aで PrEPが推奨されている。 にじいろドクターズ
  13. 13. 新しいHIV予防⽅法 「PEP」「PrEP」 PrEP(Pre-Exposure Prophylaxis) 抗HIV薬を毎⽇定期的に内服することでHIV感染予防を ⾏うことができる エムトリシタビン-テノホビルジソプロキシルフマル酸 (ツルバダ)を⽤いたPrEPではHIV感染率を90%以上 減少させることができる。 (Emtricitabine-tenofovir concentrations and pre-exposure prophylaxis efficacy in men who have sex with men. Sci Transl Med 2012; 4:151ra125.) 3ヶ⽉毎にHIVやその他の性感染症検査と性⾏動に関する カウンセリング・評価を⾏う。 にじいろドクターズ
  14. 14. 新しいHIV予防⽅法 「PEP」「PrEP」 PrEP(Pre-Exposure Prophylaxis) アメリカ、オーストラリアなどの ⼀部の国ではPrEPが保険適⽤され 安価に実施できる。 アメリカのゲイ・バイセクシュアル男性の 35%がPrEPを使⽤している。 CDCのPrEPガイドライン (https://www.cdc.gov/hiv/pdf/risk/prep/cdc-hiv-prep- guidelines-2017.pdf) セクシュアルマイノリティ向けの マッチングアプリのプロフィール画⾯ にじいろドクターズ
  15. 15. 新しいHIV予防⽅法 「PEP」「PrEP」 PEP(Post Exposure Prophylaxis) 無治療のHIV感染者やHIV感染があるか不明の⼈と コンドームを使⽤しないアナルセックスするなど、 HIV感染の危険性が⾼い⾏為をしてから 72時間以内に抗HIV薬の内服を開始することで HIV感染の確率を下げることができる PEPの使⽤を繰り返す患者には、 感染リスクを下げるために カウンセリングやPrEPの使⽤を検討する。 にじいろドクターズ
  16. 16. 危険飲酒・喫煙・違法薬物 ゲイ・バイセクシュアル男性は喫煙率が⾼い (Cigarette smoking among gay and bisexual men. Am J Public Health. 1999;89(12):1875.) ゲイ・バイセクシュアル男性は危険飲酒を⾏う割合が⾼く 不適切な飲酒によってハイリスクな性⾏動につながり 結果としてHIVに曝露しやすくなってしまう。 (High-risk behaviors among men who have sex with men in 6 US cities. Am J Public Health. 2003;93(6):926.) 違法薬物はゲイコミュニティで流⾏している。 (Methamphetamine and other substance use trends among street-recruited men who have sex with men from 2008 to2011. Drug Alcohol Depend. 2013 Nov; 133(1):262-5.) にじいろドクターズ
  17. 17. メンタルヘルスの問題 ゲイおよびバイセクシュアル男性のうつ症状は 男性異性愛者の2倍であった。 (⽇本・REACH Online for Sexual Minority.) ⾃殺未遂の経験率は、異性愛男性では4.7%に対し、 ゲイ・バイセクシュアル男性 は24.5% ゲイ・バイセクシュアル男性の⾃殺未遂のリスクは 異性愛男性と⽐較して⾼かった。 (⽇本・Y. Hidaka, et al.Soc. Psychiatry Psychiatr. Epidemiol., vol. 43, no. 9, pp. 752–757, 2008.) にじいろドクターズ
  18. 18. パートナーからの⾝体的・性的暴⼒ パートナーから暴⼒の経験がある割合は 男性カップルとヘテロセクシュアルカップルと同じだった。 (Addressing intimate partner violence in lesbian, gay, bisexual and transgender patients. J Gen Intern Med 2011; 26:930.) 法律上レイプの被害者として 男性が想定されていないため、 男性被害者は泣き寝⼊りすることになる。 にじいろドクターズ
  19. 19. メンタルヘルス、暴⼒ 年に1回以上、⼆質問法によるうつスクリーニングを推奨 パートナーとの関係を聴取する際に Hurt, Insulted, Threatened with Harm and Screamed (HITS)、 Domestic Violence Screening Toolなどを⽤いた 暴⼒のスクリーニングを推奨 にじいろドクターズ
  20. 20. プライマリ・ケア医に求められること プライマリ・ケア医は若年セクシュアルマイノリティが出会う 「初めての⼤⼈のサポーター」である可能性がある。 ⾃分を⼤切にしない⾏動をただ咎めるのではなく、 どうしてそのような⾏動をとるのか、患者⾃⾝の解釈を聞き出す 実は当事者⾃⾝が、「⾃分は普通ではない」「劣った⼈間だ」という スティグマを押していることがある ⼗分な情報提供と話し合いを⾏い 将来に向けて適切なヘルスメンテナンスを提供する にじいろドクターズ

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